Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.12.25

パンダ・トレノで高速を走りながら、昭和のクルマ好き男子はモテたことを思い出した!(その2)【等身大インプレ】

■重ステとクラッチ操作を感じさせないクルマ好き男子はモテた!?

街中でパンダトレノの重ステとクラッチを操作しながら「やっぱり、パンダトレノといえば頭文字D。頭文字Dと言えば秋名でしょう!」と思い定めました。当日は天候にも恵まれたので、外環道から関越道に入って、頭文字Dの聖地・群馬県の榛名山へ向かうことにしました。

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外環道を走りながら、パンダトレノが登場した昭和50年代のクルマ事情を思い出しました。

オイルショックと環境破壊が社会問題となる中、日本車は昭和50年代前半の排ガス規制対策を最優先した結果、軒並み性能ダウン。エンジンは回らないしパワーも出ない状態で、高性能エンジンも廃盤に追い込まれていきました。クルマのデザインも鈍重で、クルマ好きには暗黒の時代のようでしたヨ。

そしてようやく昭和56年、その名のとおりソアラが太陽のように登場し、暗黒の時代に終止符を打ちました。「第1弾ソアラのすべて」は、こんな時代背景の中で出版されたのですネ。その後新世代の日本車が続々と登場し、昭和58年にAE86が若者の喝采を浴びて登場したのです。

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そういえば昭和の頃は、クルマは男子が運転するもので、運転の上手い男子がカッコいいと言われていたことを思い出しました。平成世代の方々には信じられないと思いますが、ホントにそうだったんですヨ。

特に女子からは、坂道発進やバック駐車等をさりげなく決める仕草が神って見えたでしょうし、当時良いクルマを颯爽と乗りこなす男子は、確かにもてる確率が高かったデス。

もっとも、当時エアコンなしのオンボロ軽をこよなく愛していた貧乏学生の筆者は、その恩恵に預かることができませんでしたが……

■チューンを受けた名機4A-Gは、純正以上の性能を発揮!

ひとしきり昭和のロマンに浸った後、あらためてクルマのコンディションをチェックしてみましょう。AE86は既に30年近く経過しているため、レンタカーのパンダトレノも間近に見ると、内外装ともに相応にくたびれているのは仕方のないところ。

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ただエンジンの4A-Gは、レンタカー店の説明によるとチューンを受けており、AE101の腰下を使って圧縮比をアップするとともに、軽量コンロッドやピストンを組んでトルクを厚くしているとのこと。

それでも現在の水準でいえば排気量相応のパワー感ではありますが、淀みなくレッドゾーンまで回るのが4A-Gらしいところです。

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ボディは前後タワーバーで固め、足回りも硬めのダウンサスを装着していました。嬉しいことにボディ剛性は経年劣化に負けておらず、高速巡航や追い越しでも直進性が高いのは立派。クラッチジャダーや駆動系の振動等もなく、エンジンと駆動系のメカはとてもしっかりしていました。

■アクセル全開で4A-Gを7000回転でシフトアップ!

ボディやパワーユニットがしっかりしている一方で、ブッシュやマウント等のゴム類は経年劣化でへたっているせいか、高速巡航では常に微振動を感じます。また固い足回りのせいで、段差等でクルマがバンバン跳ねました。筆者は腰痛持ちなのですが、このクルマにはシートにレカロが入っていたので、大いに助かりました。

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関越道の料金所を抜けて、アクセルを思い切り踏み込んで全開ダッシュをかけると、エンジン回転にパワーと加速がリニアについてきます。燃費とか気にしないで、遠慮なくレッドゾーン手前まで回しながら、シフトアップを繰り返していくのが昭和の流儀。今回は7000回転まで回しましたが、やはりアクセル全開でシフトアップを重ねていくNAエンジンは、人もクルマも一生懸命で、本能的に楽しいですネ。

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またこのクルマはギア比も弄ってあるようで、5速100km/hで3700回転も回っていました。おかげで関越道では、追い越しでもシフトダウンして、高回転型までブン回す走りを堪能することができた次第です。

その3では、榛名山ワインディング編に続きます。

(星崎 俊浩)【関連記事】

パンダ・トレノに見る、「昭和のクルマ」の6つの特徴とは!?(その1)【等身大インプレ】
http://clicccar.com/2016/12/21/427485/

【関連リンク】

第23弾 新型カローラ&スプリンターのすべて(電子版)
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=NMS19830627

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