Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.5.26

日産がいち早く発動した三菱自とのシナジー戦略とは?

三菱自動車の燃費偽装をきっかけに、同社を傘下に収めることになった日産自動車が、さっそくそのシナジー効果を出すべく動き出しているようです。

NISSAN

6月24日付けで日産から開発担当トップを送り込み、三菱自動車 開発部門の抜本的な改革に着手するようで、産経新聞によると、それを担うのは日産の元開発担当副社長、山下光彦氏としています。

同社は三菱自への34%出資が完了する10月には会長を送り込む予定。

注目される日産の今後のシナジー戦略は以下となっているようです。

・ルノーの欧米工場を活用して三菱の輸出車を現地生産化
・軽自動車を生産する水島製作所に日産の製造ノウハウ導入
・三菱自の東南アジア販売網を活用して販売をてこ入れ
・EV、PHV開発における両社の役割分担を明確化
・将来的に三菱自からのOEM車種を拡大
・国内外の生産拠点を相互活用

なかでも注目されるのが、開発における役割分担で、今後は日産がEV開発を一貫して担当、三菱自は経営資源をPHV開発に集中させる考えのようです。

NISSAN_LEAFMITSUBISHI_i_MiEV

日産はEV「リーフ」の世界累計販売が21万台を超えるなど、EV開発に強みを持っており、PHVは「アウトランダーPHEV」のノウハウを持つ三菱自が得意としていることが背景にあります。

また軽自動車タイプの小型EV開発については既に日産主導で進めている模様。

このように早くも日産はゴーンCEOの号令のもと「マイナス」を「プラス」に転換する作戦を着々と進めつつあるようです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

三菱自 相川社長が辞任表明、益子会長が当面留任する背景は?
http://clicccar.com/2016/05/18/372721/

日産が三菱自動車の燃費不正解明を待たずに買収に動いた訳は?
http://clicccar.com/2016/05/13/371662/

三菱自動車 相川社長が燃費偽装で引責辞任か?国交省の対応は?
http://clicccar.com/2016/04/27/369037/

日産、三菱自が100万円台の「EV軽」を共同開発
http://clicccar.com/2014/08/07/264089/

EVで先行する日産と三菱自が軽自動車ベースのEVを共同開発
http://clicccar.com/2013/11/06/235271/

  • Share on
  • LINE
  • Twitter
  • Facebook