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2016.8.2
「プラス2」の後席を持つスバルBRZの走りはどこまで引き上げられたか?
2016.8.2
「プラス2」の後席を持つスバルBRZの走りはどこまで引き上げられたか?
マツダの初代ロードスターの登場が世界的に熱気を持って迎えられたのは、デザインや価格などはもちろん、誰もが気軽にスポーツカーを楽しめるというのが大きかったはずです。
ワインディングやサーキットでなくても、街中の交差点をひとつ曲がるだけでも楽しい。こんなモデルはスポーツカーに限らず、走りを楽しむ人から歓迎されます。
とくにスポーツカーに大切な旋回性能は、ボディサイズや重量、足まわりのセッティングなど多様な要素により決まりますが、全長やホイールベースの長さが大切です。
トヨタ86/BRZは、ドライバーをより低く座らせるだけでなく、ドライバーを中心に回転するような設計がされていますが、2570mmという長すぎるホイールベースは心地よい旋回性能という面では、物理的な限界も感じさせるところ。
なお、ひと回り以上小さなマツダ・ロードスターは2310mm。
商品企画上、「プラス2」のリヤシートが不可欠なのは理解できるにしても、純粋に走りを楽しむなら「後席要らないかも」と思わされることも。
そうはいっても与えられた条件下でのハンドリング向上は、スポーティ志向のユーザーも振り向かせるためには欠かせないはず。
ビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZは、乗り心地と操縦安定性の両立という、相反するメニューが掲げられ、ダンパーやコイルスプリングのチューニング、リヤスタビ径のアップ、車体剛性強化、EPS(電動パワーステアリング)のチューニングなどが盛り込まれています。
さらに、サスペンションセッテイングにより、横滑り防止装置であるVDC介入のタイミングを最適化し、スピン回避のため「利けばいい」というレベルから進化。
とくに「Track」モードを追加し、車両コントロール領域を拡大し、通常モードよりもドライバーによるコントロール性を重視するなど、介入のしきい値が変更されています。
公道の普段使いでは、「Track」モードにはせずに、基本制御が変更されたVDCによる安定感と安心感のある走りを楽しみ、サーキットであればまさに「Track」モードで徹底してコーナーを攻める、そんなメリハリのあるハンドリングが楽しめるのが最新のスバルBRZといえそうです。
(文/塚田勝弘・写真/森山良雄)
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