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2016.9.17
ボルボ、公道実証実験「Drive Meプロジェクト」用自動運転車の第1号車をラインオフ
2016.9.17
ボルボ、公道実証実験「Drive Meプロジェクト」用自動運転車の第1号車をラインオフ
ボルボ・カーズは、9月9日にスウェーデンのトースランダ工場で同社の公道実証実験「Drive Meプロジェクト」で使用される自動運転車の第一号車をラインオフさせたと発表しました。
実際にプロジェクトで使用される自動運転車がラインフしたことで、公道で一般ユーザーが自動運転実験を行う、いままでに例のない「Drive Me プロジェクト」がスタートします。
ボルボは現在、販売している90シリーズのモデルに、「パイロットアシスト」と名づけたレベル2に相当する半自動運転機能を搭載しています。
この「パイロットアシスト」は、緩やかなステアリング操作によって運転をアシストする機能があり、時速130kmまでの速度であれば、前走車がいなくても走行車線をキープして走行することができます。
今回のプロジェクトに使用されるのは、XC90にDrive Meプロジェクト用の自動運転テクノロジーを搭載した車両です。
「Drive Meプロジェクト」用の自動運転車は「パイロットアシスト」に加えて、ボルボが「自動運転頭脳(Autonomous Driving Brain)」と呼ぶ、1段階進歩した自動運転機能を搭載しています。
ボルボでは「自動運転頭脳」について、イェーテボリ周辺に設定した自動運転ゾーンでは、ハンドルを離したままで、さらにアクセルやブレーキを操作する必要なく安全に運転することが可能であると説明しています。この「自動運転頭脳」機能をもたらす装置の詳細は未発表です。
ボルボが明らかにしているように、今回のプロジェクトでの自動運転が特定の「自動運転ゾーン」でのみ機能するということから、車両側の装置だけではなく、道路側にもなんらかの自動運転を補助する仕組みが付加されていることが考えられますが、この点についてもボルボは発表していません。
あるいは、ボルボが指定した「自動運転ゾーン」とは、単なる自動運転に適した道路という意味かも知れません。
ともあれ今回の「Drive Me プロジェクト」がユニークなのは、一般ユーザーが日常生活の中で公道を自動運転車で走行するという点です。
このことは、ボルボ・カーズのアクティブセーフティ部門でシニアテクニカルリーダーを務めるエリック・コリン氏が、
「お客様は私達エンジニアとは違った目で車を見ます。そのため、お客様が日常生活の中でこれらの車をどのように使うのか、またどんな意見が出るのかを楽しみにしています」
と語っていることからも理解できます。
ボルボは今回のイェーテボリで行われる実証試験と同様のプロジェクトを、2017年にロンドンでも実施する予定で、さらに今後数年以内には中国でも「Drive Me プロジェクト」を実施することを予定しているということです。
最近のボルボは、自動運転技術について積極的に他社と提携を進めています。
本年8月には、米国の配車サービス大手のウーバー(Uber)と次世代の自動運転車を共同で開発する提携を開始。ウーバーとの提携で開発される自動運転車も公開されています。
さらに9月には、次世代の自動運転ソフトウェアを開発するために、スウェーデンの自動車安全システム大手であるオートリブ(Autoliv)との合弁会社をスウェーデンに設立することを発表しています。
このように自動運転分野で活発な活動を見せるボルボが今後どのような自動運転技術を開発してくれるのかに期待が高まっています。
(山内 博・画像:ボルボ)
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