Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

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2016.10.26

大人気のタントじゃダメなの? ムーヴ・キャンバスが必要とされるワケ

ダイハツから新登場した軽自動車「ムーヴ・キャンバス」が好調です。

両側スライドドアを採用したことなどにより、軽自動車としては比較的高価な設定となっていますが、発売1か月で2万台もの受注を集めるほど支持されています。

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とはいえ、ムーヴ・キャンバスの商品コンセプトが掲げるメインターゲットは「親と同居している30代独身女性」という非常に限定されたもの。ここまでの人気を集めるというのは意外にも思えますが、そのコンセプトには、実は新たなニーズを掘り起こす狙いが隠されていたのです。

そのヒントは「ミニバン世代」という言葉にあります。スライドドアのミニバンが国内市場に生まれてからずいぶんと経っています。たとえば、日産セレナにしてもすでに5代目であり、スライドドアと共に成長してきた世代が増えています。

そうしたユーザーにとっては、一人でクルマに乗るときであってもスライドドアは便利な機構という認識だといいます。この意識が軽自動車においてダイハツ・タントやホンダN-BOXといったスライドドアモデルの売れ行きを支えているという面は否めません。

しかし、ダイハツの市場調査によると、タントには「子育て用クルマ」といイメージが強く、「後席への荷物の積みやすさなどスライドドアの利便性は欲しいのだけれど、子育て中と思われるのはイヤ」という理由から選びづらい面があったといいます。

20160926DaihatsuCanbus092

だからこそ、全高1600mm台として子育て感を薄くしたスライドドアモデルのムーヴ・キャンバスが、「待ってました」とばかりに受注を集めているのでしょう。

実際、ムーヴという名前はついていますが、スライドドアによりキャンバスの車両重量は920kg(FWD)と、車重的にはムーヴ(820kg)よりタント(930kg)に近く、パワートレイン(最終減速比など)はタントと共通となっています。

インパネがセンターメーターデザインとなっているのもタントに近い印象を受け、実際にはタントのチョップド仕様という面もありそうですが、それでもムーヴという名前を使っているのは、タントという名前が持つ「子育て」イメージを払拭するためでしょう。

実際、市街地を走行してみても、重心こそ低く安定感はありますが、加速感などはタントに近いもの。ただし、後席に乗員が乗っているときのフラット感はこのクラスとしては上々で、親世代と同居している30代というコンセプトから考えられる大人3名乗車での移動を意識した足回りに仕上がっているといえそうです。

●ダイハツ・ムーヴキャンバスGメイクアップSA II(2WD)主要スペック
車両型式:DBA-LA800S
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1655mm
ホイールベース:2455mm
車両重量:920kg
乗車定員:4名
エンジン型式:KF型
エンジン形式:直列3気筒DOHC
総排気量:658cc
最高出力:38kW(52PS)/6800rpm
最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/5200rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:28.6km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:155/65R14
メーカー希望小売価格(税込):1,544,400円

(写真:小林和久 文:山本晋也)

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