Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.11.15

ホントに軽オープン!?  S660は、ボディ剛性と安定感が半端じゃない!【等身大インプレ】

■くるくる脱着ルーフと極低シートがS660の特徴

東京近郊にあるマニュアル車専門のレンタカー店で、ホンダS660の6MT仕様を見つけました。そこで日産GT-Rの「等身大インプレ」に続く第2弾は、ヘビー級ハイパワー4WDマシンのGT-Rとは対極にありながら、本格オープンスポーツとの呼び声の高い軽自動車のS660にすることにしました。

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当日のレンタカー店では、最初にキャンバスルーフのくるくる脱着とボンネット内にあるトランクへの収納の方法について、説明を受けました。実際に自分でやってみると、キャンパスルーフは骨組が太くて多少重いとか、いちいちボンネットを開けて腰を曲げて作業するのはおっくうだとか、思わなくはありません。でも何やら出発の儀式めいていて、クルマ好きの心がくすぐられますから、筆者は割と好きだったりします。

早速オープンのままS660に乗り込みました。まずは、着座位置が低いことにビックリ。乗り込む際にドシンと腰を落としてしまうほどでした。オープン状態の運転席は狭からず広からず。かまぼこ型のステアリングのおかげで足元にも余裕があり、173cm/75kgの中年体型がいい具合に収まりました。

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インパネのメーターは、アナログ式タコメーターの中にデジタルスピードメーターが収まるデザインで、80年代のシティターボを思い出します。ただインパネにナビの搭載スペースを設けないのは、さすがにやりすぎ感もありますが、ここまで徹底するといかにもホンダらしい割り切りだと清々しささえ感じるから不思議です。

■大型トラックも怖くない、軽を全く感じさせない剛性感みなぎる走り

当日は天気に恵まれたので、日焼け止めを顔と手に塗りたくって準備完了!  ウインドウを下げて早速街中を走り出すと、見た目はゴーカートのような軽オープンカーなのに、安定感が抜群に高いことに気づきました。右折レーン待ちで前方から大型ミニバンがカッとんで来てすれ違っても、国道で大型トラックが妙に近くで並走しても、軽のひ弱さやオープンの怖さを感じることがありませんでした。

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運転を始めて、すぐにクルマ好きの血がワクワクしてきました。交差点を左折する時には、いちいちヒール&トゥでブリッピングしてシフトダウンをかましたいし、信号待ちではアクセル全開のスタートダッシュが待ち遠しいのですネ。運転してから10分余りで、いつでもどこでもオープンの爽やかさを堪能していたいと強く感じました。

またそう感じる要因は、①軽オープンを超越した高剛性ボディ、②中回転域で力強く走るトルク&パワー、③オープンでもウィンドウを上げれば、エアコンとオーディオがしっかり届くキャビン、の3点だと思います。

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S660は街中を走るだけでも、スポーティなオープンの楽しさに加えて、軽オープンのレベルを越えた快適さ&頼もしさが実感できました。

■高速道路ではキャンバスルーフが効果的

続いて、首都高速に乗り入れました。料金所からアクセルを踏み込むと、軽ではありますが、気持ちよく加速していきます。アクセル全開でのシフトアップは、やっぱり理屈抜きで楽しいですヨ。中回転トルクが太いので加速や追い越しも楽々。高速道路でも日本の法定速度以上のパフォーマンスを有していると実感しました。

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ただ小さいボディの哀しさなのでしょう。高速でのオープン走行は、速度に比例して風の抵抗でボーボー音が高まるため、高速巡行中はあまりオープンにする必要性を感じませんでした。

そこでPAに入って、ボンネット内からルーフを取り上げて、ルーフにくるくると装着すると、仕立ての良いキャビンに早変わり。ルーフはキャンバス仕様ながら骨組みがガッシリしているため、室内は予想以上に静かで、高速クルージングが快適になりました。これにはリアに隔壁を備えたタルガトップ形状が、相当効いていると思います。

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ちなみにルーフの有無で、乗降性は全く異なります。ルーフ付きのキャビンになると、当然体が通るスペースが激減する訳でして、体の固い中年オヤジにとって乗り降り動作はちょっこし苦行になっちゃいましたネ。

次は、房総ドライブ編に続きます。

(星崎 俊浩)

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