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2016.11.20
感動のブラジルGP。あの時マッサは何を思った?【F1速報×F1女子~ブラジルGP号~】
2016.11.20
感動のブラジルGP。あの時マッサは何を思った?【F1速報×F1女子~ブラジルGP号~】
大雨の中、セーフティーカーと共に始まった2016 F1第20戦ブラジルGP。雨は止むことなく降り続け、大荒れのレースとなりました。
レース中、メインスタンド前でクラッシュしリタイアとなってしまったフェリペ・マッサ選手(ウィリアムズ)がブラジル国旗を掲げながらガレージに戻る姿に、誰もが心打たれたはず。
今シーズン限りの引退宣言をし、最後のホームレースでマッサ選手はあの時どのような気持ちで歩いていたのでしょうか。11月17日(木)発売の「F1速報ブラジルGP」号に、マッサ選手の想いが記載されていますよ。
■フェリペ・マッサ最後の母国GP、ターン14に散る
マッサ選手にとっての最後のホームレースは、大観衆が見守るメインスタンド手前の大クラッシュで幕を閉じました。ガレージに戻る道すがらは他チームも含めたスタッフからの功労パレードにあらためて終わり方が最高だったと、自らの人徳が生んだ花道にマッサ選手は大きな感動と満足感を覚えていたそうです。
「ファンとブラジルのためにも、レースを完走できなかった時の気持ちを言葉にするのは難しい。僕にとっても特別な場所だからね。でも、神のみぞ知る、ということだろう。つまり、あの場所で止まったっていうのは、とても特別で素敵なことだ。ブラジルの人々や、パドックの皆、それにこれまでの長いキャリアのなかで一緒に仕事をしてきた人たちの想い……ただ『本当にありがとう』と口にしたい。ここにいて、この世界の一部でいるということは、とても誇らしく喜びに満ちていて……なんて言ったらいいんだろう。ファンの目の前で止まったのは神様の思し召しによるものだ。僕のキャリアを通してずっと応援してくれたこと、そして最後の瞬間も見守ってくれたことに感謝を伝えるためにね。」
他チームのガレージ前を過ぎゆく際に、皆がねぎらってくれたことにも感動したマッサ選手。
「レースの途中だというのに、皆が表に出てきて、あれだけ大きなクラッシュの後で僕が歩いて行くのを見送ってくれたのは凄く特別なことだ。いい結果じゃないし、望んだような結果ではなかったけど、『本当にありがとう』って伝えたい。今日のことも、皆のことも一生忘れることはないよ。君たちは僕の心の中にずっと残るだろう。」
■once upon a grand prix
一枚の写真が語る、F1の歴史。今回は2003年4月18日サンマリノGP開始直前にタイムスリップです。
2003年第3戦ブラジルGPは雨が降り続く悪条件下、セーフティーカー先導でレースはスタートしました。滑ってコースを飛び出すドライバーは後を絶たず、王者ミハエル・シューマッハー選手(フェラーリ)も27周目にコースアウトする始末。71周予定のレースは大混乱のなか、55周目(と思しき周)に赤旗終了となりました。
大混乱のブラジルGP優勝したのはイタリア人のジャンカルロ・フィジケラ選手(ジョーダン)。この時30歳、F1グランプリ出走110戦目。96年F1デビュー当初から将来を嘱望されながらも、ここまでの7年間は、勝てそうで勝てないつらい日々でした。
赤旗時は走行周目の2周前の順位が採用されるというルール(トップ走行車を抑えず即刻中断となるため、全車が通常走行で完了した最終周を採るという判断)の適用を巡って関係者間で粉糾、掲示モニター上は55周終了順位(56周目)でフィジケラ選手がトップと一瞬表示されるも、直後に54周に戻り、53周終了時点ならキミ・ライコネン選手(マクラーレン)がトップ、2位フィジケラ選手、3位フェルナンド・アロンソ選手(ルノー)とされました。
F1協議団がブラジルからパリのFIAに戻って審議を重ねた結果、レースから5日後(4月11日)、ジョーダン陣営の訴えが通ってフィジケラ選手の勝利が決定・発表されました。赤旗中断時点で、フィジケラ選手がすでに56周目に入っていた証拠が判明。つまり、最終結果は53周終了時点ではなく54周終了時のものが有効となります。フィジケラ選手は0.945秒差でライコネン選手をかわしていたのです。
インテルラゴスでは勝利を祝えなかったフィジケラ選手とジョーダンでしたが、2週間後の次戦サンマリノGPで粋な計らいが待っていました。ブラジルGP優勝トロフィーを持ち帰っていたマクラーレン陣営が、フリー走行開始直前のイモラのスターティンググリッド上でジョーダン陣営にトロフィー返還を行ったのです!
若々しいフィジケラ選手とライコネン選手、二人ともかっこよすぎる!! そしてチーム代表たる、ともにクセ者のエディ・ジョーダンとロン・デニスの笑顔も最高なんです。これはFIAの公式行事ではなく、あくまでも非公式なもの。人間の温かみを感じる、素敵な一枚です。
本誌には今回のマッサ選手の感動シーンの他にも、マッサ選手の単独インタビューやF1関係者が語るマッサ選手との思い出などの引退特集、そして先程紹介したフィジケラ選手とジョーダンへトロフィー返還シーンと、レース中とはまた違った人間ドラマを知る事ができ、読んだ後に心がほっこりする「F1速報ブラジルGP号」でした(^^)
(yuri)
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