NEWS
2016.12.3
独ニュルで鍛えた「C-HR」は、開発主査の思い入れが満載!
2016.12.3
独ニュルで鍛えた「C-HR」は、開発主査の思い入れが満載!
11月26日(土)、前日までに降った雪が残る富士スピードウェイで、「C-HR特別先行プロト試乗会」が開催されました。
会場となったショートサーキットでは、試乗会と平行して、レーシングドライバーの三浦健光(けんこう)氏、柴田 愛さんのMCにより、「C-HR」開発責任者である古場博之主査との座談会が開催され、同車に関する開発秘話など、興味深いお話を聞くことができました。
今回はそうした中から、古場主査が「C-HR」開発を通して経験した事や、開発エピソードの数々を掻い摘んでご紹介したいと思います。
「C-HR」の開発スタートは2010年だったそうで、コンパクトSUV開発に際し、欧米、東南アジアなど世界各国を回ってSUVに関するリサーチを行ったそうです。
そこから見えて来たのは、SUVを買う顧客は格好良さを重視しており、不満点は車高が高いため、走りが不安定との意見が多いことだったとか。
そこで「C-HR」では格好が良く、走りの良いSUVに特化することにしたそうです。
またトヨタ自動車では通常、開発車両に○○○A等の開発コードネームを付けるのですが、同車は新規モデルのため、それだけでは社内で認知され難いことから、クルマの特徴を言い表す「C-HR」をコードネーム代わりにしていたそうです。
「C-HR」は、外観面では「コンパクト・ハイ・ライダー」、走りの面では「クロス・ハッチ・ランナバウト」を表しており、ランナバウトは「キビキビ走る」を表現。
世界中、同一車名にすることは登録商標上、非常に難しいそうですが、調査した結果、「C-HR」で問題が無かったことから、そのまま正式名として採用したという、珍しいケースだったそうです。
デザイン面では他のSUVに比べ、車高に対するタイヤ径の割合が大きい(44.5%)のが特徴で、プロポーション的に下半身の力強さに寄与しているといいます。
また古場主査によれば、SUVとしての格好良さを追求すべく、ラッゲージスペースや後方視界等は、あえて割り切っており、中途半端なデザインにはしたくなかったとか。
全高を低くしてバックドアの角度を水平に対して25度まで寝かすことで、スピード感のあるボディシルエットを実現。同社の「ハリアー」が35度で、他のクロスオーバーSUV系を含めてもココまで寝かせたクルマは見当たらないそうです。
フロントバンパーについても、近年ではタイヤ周りの気流を整流すべく、側面に立壁を設けるのが主流となっていますが、同車では見た目が重々しくなるのを避けるため、あえてそれはせず、床下に設けたスパッツなどで整流することで空力性能をカバー。
バックドアを寝かせたことによる空力悪化への配慮としては、風洞で試験を繰り返し、ルーフスポイラーに空気整流用の穴を設けて補完しており、スポーティな印象に寄与。
さらに細かなところでは、ニュルブルクリンク耐久レースで得られたノウハウとして、床下スパッツにブレーキ冷却に寄与する小さな穴を設けるなどの工夫もみられます。
古場主査は自身でも「レース」に本格的に取組んでいるだけに、「走り」へのこだわりはハンパ無く、「C-HR」の開発では2013年以降、ニュルブルクリンクのサーキットに毎年試験車を持ち込んで足廻りを造りこむなど、SUVの開発ではこれまでに無い位に手間がかけられており、その成果が市販車に活かされているという訳です。
細い峠道のサーキットコースを300km/h近い速度で走るクルマ達の中で鍛えられた今回のトヨタ「C-HR」。その走りはかなり期待できそうです。
次回は筆者による試乗レポートも含めてお届けしたいと思います。
【関連記事】
新型SUVがロサンゼルスショーに大集結【ロサンゼルスオートショー16】
http://clicccar.com/2016/11/20/418759/
受賞なるか?トヨタ「C-HR」が欧州COTYにエントリー!
http://clicccar.com/2016/11/14/416806/
トヨタが欧州でコンパクトSUV「C-HR」 の市販モデルを公開!
http://clicccar.com/2016/10/04/404598/
トヨタが「C-HR」の受注開始!パリでも市販モデル公開へ
http://clicccar.com/2016/09/21/400863/
トヨタが「C-HR」のインテリアデザインを初公開!
http://clicccar.com/2016/06/28/382172/
ニュル24H耐久でトヨタ「C-HR」がクラス3位で完走!
http://clicccar.com/2016/05/31/375178/
【関連サイト】
C-HR特別先行プロト試乗会
http://toyota.jp/c-hr/testdrive/
LATEST ENTRY
-
CHECK !
ニュース
モーターファンフェスタ2017 4月30日(日)開催決定!昨年、三栄書房が発行する『モーターファン』が創刊90周年を飾り、『モー・・・
2017.03.01
-
CHECK !
ニュース
ボディ拡大&9速DCTで雪道スイスイ!メルセデス・Aクラス次期型をキャッチメルセデス・ベンツのエントリーモデルである「Aクラス」次期型プロトタイ・・・
2017.01.02
-
CHECK !
ニュース
スチール撮りに潜入!557馬力のメルセデスAMG GT Cクーペ新型「エディション50」を激撮2016年9月のパリモーターショーでワールドプレミアされた「メルセデス・・・
2017.01.02
-
CHECK !
ニュース
新型C-HRは「格好の良さと走りの良さ」で、アンチトヨタ派を狙い撃ち!■新型C-HRは、TNGAの開発責任者が統括するコンパクトSUV ・・・
2017.01.02