Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.12.24

パンダ・トレノに見る、「昭和のクルマ」の6つの特徴とは!?(その1)【等身大インプレ】

等身大インプレの第4弾は、AE86こと、ハチロクこと、パンダトレノこと、スプリンタートレノです。

東京近郊にあるスポーツカー専門のレンタカー店にあり、以前から気になっていました。レンタカーを借りた当日は、懐かしさのあまり昭和のカーライフがよみがえってきました。

そこで最初に、昭和のクルマが持っている6つの特徴を紹介したいと思います。まずは内装にある2つの特徴から見てみましょう。

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・手動開閉のウィンドウ

ドアを開けて乗り込んで思い出したのが、窓の開閉がくるくる回す手動式であること。この頃大変だったのは、有料道路の料金所での支払いでした。お金の用意と窓を開ける動作を同時にやらなくてはいけませんから、結構面倒でした。

今はほとんどのクルマにパワーウィンドウが装備されていますし、なによりETCが普及しましたから、こういう面倒から解放されましたネ。

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・ドアロックも手動

ドアといえば、ドアロックも手動でした。昭和の頃はほとんどのクルマで、運転席も助手席もドアロックが手動式なので、人を乗せる時には助手席まで体を伸ばして、ドアロックを解除したものです。

デートで迎えに行った時、シートベルトを装着したままでやると、体が引っ掛かったりしてカッコ悪かった〜っ。

・ロッド式のアンテナ

また懐かしいのが、ラジオのアンテナです。当時は、運転席側のAピラー付近に備え付けられており、窓を開けて外に手を伸ばしてアンテナをにょきにょきと伸ばしていました。

アンテナを伸ばしたまま駐車していると、悪戯で折られたりして腹を立てたものでした。

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・スポーティイメージの象徴だったリトラクタブルヘッドライト

当時のクルマで最も特徴的なのが、リトラクタブルヘッドライトでしょう。AE86でも、固定式ライトのレビンに対して、トレノはリトラクタブルヘッドライトで個性を主張していました。

あの頃は各メーカーとも、スポーティなクルマでは軒並み採用していました。ホンダに至っては、セダンのアコードまでリトラクタブルでしたヨ。

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ライトをつけるとヘッドライトが立ち上がり、精悍なフロントマスクがカエルのようなファニーフェイスになるギャップが魅力的でした。運転席から立ち上がったライトユニットが見えるので、車両感覚も掴みやすいですネ。

ただリトラクタブルヘッドライトは、人身事故での傷害が大きいことや海外での常時点灯の規制等のために、惜しまれつつも絶滅してしまいました。

・坂道アシスト機能のないミッション

操作面では「坂道発進」も特徴的でした。AT車にはクリープ現象が、また最近のCVTやMTには坂道で滑り落ちないアシスト機能がついているので安心です。

しかしアシスト機能のない当時のMTでは、サイドブレーキと半クラッチとアクセルの3操作を駆使して、坂道にとどまりながら発進していました。「坂道発進」は、当時の女性が一番恐れていましたよネ。

筆者も免許取立ての頃、先輩から「坂道発進がスムーズにできたら一人前」なんて冷やかされたものでした。

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・「重ステ」って知ってる?

最後の特徴が「重ステ」です。最近のクルマではほとんど見られなくなった、パワーアシストのないステアリング、つまりパワーステアリング「ではない」ハンドルのことです。

パンダトレノのステアリングは、微速時には壊れてるかと思うくらい重かったのでビックリしました。特に、駐車場にバックで停める操作は、次の連続アクションになるので結構大変でした。

①半身で後ろを向きながら、②片手で重ステをすえきりしながら、③左足で半クラッチを操作しながら、④右足でアクセルを小さく煽りながら、⑤バックミラーとサイドミラーを確認しながら駐車場におさめる訳です。特に②③④の連係動作は、当時の女性にとって罰ゲームと思えるくらい辛い行為だったとあらためて実感しました。

その2では、関越の高速巡行編に続きます。

(星崎 俊浩)【関連リンク】

第23弾 新型カローラ&スプリンターのすべて(電子版)
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=NMS19830627

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