Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.3.24

日産は独自のバッテリーで電気自動車の600km走行を目指す

いち早く100%電気自動車「リーフ」を発売するなど、EVの実績を積み重ねている日産自動車。「誰よりも早く、電気自動車の時代を実現する」をテーマに、『EV進化論2016』を発表しています。

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販売開始から5周年を目前にしたマイナーチェンジにより、リーフはバッテリーを進化させ、パッケージを変えずに総電力量を30kWhへと向上。満充電からの航続可能距離を280kmに伸ばしています。

EV進化論2016の第一号では、その新しいリチウムイオンバッテリー開発者が、EV用バッテリーの展望について語っています。

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日産では1992年から自動車用の駆動バッテリーとしてリチウムイオンバッテリーの開発を進めていたといいます。また、リーフなどにも使われているラミネート構造のバッテリーセルは独自に開発した技術と主張するもので、コスト面でもパッケージ面でも有利な構造だということです。

ラミネート構造は強度的に不安に思うかもしれませんが、これまでバッテリーに起因する事故は起きていないというから安心ですし、新しい30kWh仕様に使われているバッテリーでは容量保証も8年間・16万kmへと延長しています。

Battery_cell-source

着実に進化している電気自動車用の駆動バッテリーですが、満充電からの航続可能距離が280kmというのでは、まだまだエンジン車には届いていません。次なるステップとしては、軽自動車の満タン状態からの航続距離に匹敵する600kmを目指しているといいます。

また、バッテリーの性能は蓄電能力を示す電力量だけではありません。バッテリーから同時に取り出すことのできるパワー(出力)もクルマのパフォーマンスを左右するスペックです。

リーフの30kWhバッテリーパックから瞬間的に取り出すことのできるパワーは、なんと200kWにも達するといいます。すなわち、かつて自主規制値として存在していた280馬力のスポーツカーに匹敵する加速性能を実現することができるだけのポテンシャルがあるというわけです。

さらに航続距離を伸ばすこと、加速性能を高めること。電気自動車の進化を担うバッテリーの伸びしろに期待が高まります。

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