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2016.4.28
三菱自の新たな発表「1991年から続いた4重の不正」とは?
2016.4.28
三菱自の新たな発表「1991年から続いた4重の不正」とは?
三菱と日産のJVであるNMKVが企画した軽自動車、三菱「eKシリーズ」、日産「DAYZシリーズ」における燃費試験データの不正使用が明らかになってから、およそ一週間。不正行為について国道交通省に報告したのに合わせて、概要が発表されています。
その内容は大きく2点。
ひとつは軽自動車の認証取得に際して、開発中における燃費性能の引き上げと、それに伴う不正。
もうひとつは、1991年から続いていたという走行抵抗試験に関する不正行為についてとなります。
軽自動車については、2013年に発売されたeKワゴンとデイズについて、開発段階で燃費目標の引き上げ(26.4km/Lから29.2km/L)があり、道路運送車両法に定められた「惰行法」とは異なる「高速惰行法」において走行抵抗値を実測。
そのうえで中央値をとらずに、最良値を申請したという二重の不正が明らかとなっています。
ターボエンジン車や4WD車、そして標準モデルについては、前述した燃費訴求車の数値を元に、机上で計算したといいます。本来であれば、いずれも実測する必要があり、この行為により三重の不正です。
全高の異なるeKスペースやデイズルークスなどの追加モデルや、その後のマイナーチェンジモデルについても、初期の高速惰行法によって得られた数値をベースに算出したデータによって申請していたといいます。
シリーズ名こそ共通していますが、誰が見ても異なるモデルにおいても実測をしていないというのは、四重の不正であり、またコンプライアンス意識の低さを感じさせる行為といえます。
さらに、三菱自動車工業においては、日本国内の法規で定められた「惰行法」による走行抵抗の計測は行なわれていなかったと思わせる発表もされました。その経緯を以下に引用します。
(1)1991年、道路運送車両法により走行抵抗の測定法が「惰行法」と指定されたが、当社ではそれと異なる「高速惰行法」で国内向け車両の計測を始めた。
(2)1992年1月、走行抵抗から惰行時間を逆算する計算法が作られた。
(3)2001年1月、「惰行法」と「高速惰行法」の比較試験を実施し、最大2.3%の差にとどまることを確認。
(4)2007年2月、試験マニュアルにより、「DOM(国内)はTRIAS(「惰行法」)」と追記改定したが、以降も「高速惰行法」を継続して使用していた。
この発表は、国内で必要とされる「惰行法」による計測を行なっていなかったとも読み取れます。つまり、軽自動車の燃費目標を達成するためのインチキではなく、法規が定められたときから守ることがなかったと捉えることもできるでしょう。
日産自動車は同社WEBサイトにて、デイズとデイズルークスの販売停止に関する『お詫びとお知らせ』を出した後は、公式なアナウンスはありません。
不正な計測方法が1991年から続いていたとなると三菱自動車工業の社内的な問題が大きく、日産は静観するほかないということでしょうか。
また、1991年から不正行為が続いていたとすると、2000年から5年間ほど提携を結んでいたダイムラークライスラー(当時)の品質管理の目もかいくぐったということになります。
今回の発表は、ひとまずの報告に基づいたもの。検事経験者などによる特別調査委員会による徹底的な調査結果が待たれます。
(山本晋也)
【関連リンク】
三菱自動車工業・当社製車両の燃費試験における不正行為に係わる国土交通省への報告について
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/corporate/2016/news/detailg427.html
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