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2016.4.28
電動パワーステアリング世界市場調査、燃費規制で新興国中心に今後も拡大が続く見込み
2016.4.28
電動パワーステアリング世界市場調査、燃費規制で新興国中心に今後も拡大が続く見込み
市場調査の矢野経済研究所が電動パワーステアリング(EPS:Electronic Power Steering)の世界市場調査の結果を発表しました。
まず、ステアリングの操舵力を電気モーターでアシストするEPSの構造的な分類を説明します。
EPSには、電気モーターによるアシスト力を付加する部分に応じて、コラムタイプ、ラックタイプ、ピニオンタイプの3種類があります。さらに、EPSの1種として、従来の油圧式パワステの油圧発生源を電気モーターで電動化した電動油圧パワーステアリング(EHPS:Electronic Hydraulic Power Steering)も調査に含まれています。
調査結果によると、世界市場規模は、2015年の出荷ベースでEPSが4700万台で、EHPSの400万台を加えて5100万台となりました。
EPSは油圧式と比較して3〜5%の燃費向上が見込めるとして、今後2020 年には合計で 6,890万台、2025年には 8,610万台に新興国中心に拡大すると予測しています。
EPSタイプ別の増減では、小型車が多いアジア中心にコラムタイプの増加が続き、大型車が多い北米中心にラックタイプの拡大が見込まれるとしています。
ピニオンタイプは、コスト面とアシスト力で限界があり、大幅な拡大は見込めないとしています。
またEHPSについては、EPSの出力が向上しており、燃費の改善幅や制御性で限界があり、今後縮小する傾向にあると予測しています。
地域別では大型車が多い北米や燃費規制が厳しくなった中国で、今後EPSの搭載が急増することが見込まれています。さらに、南米やアジア地域を含むその他地域でも、EPS 市場はさらに拡大していくと予測しています。
一方、日本のEPSとEHPSの地域別需要構成比をみると、2015年の14.8%から2020年には10.9%まで低下すると見込まれており、搭載数は増加するものの自動車生産台数の減少にしたがって需要数量は頭打ちになると、予測しています。
欧州も2015年の30.9%から2020年には27.4%まで低下する見込みで、既に普及が進んでいる日本と欧州では、今後は自動車生産台数と連動した成長にとどまると予測しています。
中国では18.4%から22.6%に増加し、その他地域が 15.3%から18.4%に拡大する見込みで、今後は北米や新興国が主な拡大市場になると予測しています。
今回の調査は、2015年10月〜2016年3月にわたって、EPSシステムメーカーや、EPS構成部品メーカーを調査対象として、矢野経済研究所の専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用して実施されました。
(山内 博・画像:矢野経済研究所)
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