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2016.5.11
【SUPER GT2016】500も300もGT-R!GT300はドラマチックなGT-R NISMO GT3の復活劇。
2016.5.11
【SUPER GT2016】500も300もGT-R!GT300はドラマチックなGT-R NISMO GT3の復活劇。
5月3日に決勝が行われたSUPER GT第2戦「2016 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 500km RACE」。
入場者数は5万人を超える大盛況の中、午後2時頃の決勝スタートとなります。
GT300のポールポジションはゼッケン55のARTA BMW M6 GT3。コースレコードとなる1分35秒707という驚愕のタイムでの堂々のポールポジション。
続く2番手は前戦岡山でポールポジションを獲得したゼッケン25のVivaC 86 MC。0.2秒差という僅差で惜しくも2番手スタート。そして今年からボディーが新型となったゼッケン31のTOYOTA PRIUS apr GTが3番手からのスタート。
今回の第2戦富士では500kmという長丁場のために、ドライバーチェンジを伴うピットイン義務が2回となり、また1回のスティントが300kmや250kmのレースよりも長くなってくるために、他のレースと作戦の立て方が違ってくるところも見どころとなっています。
序盤にレースをリードしたのはARTA BMW M6 GT3。しかし、スタート直後のコカコーラコーナまでにはゼッケン7のStudie BMW M6とTOYOTA PRIUS apr GTがVivaC 86 MCをパス、Studie BMW M6は3番手に浮上。
2周目のコントロールラインは55、31、7の順で通過しますが、その周のTGRコーナー(第1コーナー)から2コーナーまでにStudie BMW M6がTOYOTA PRIUS apr GTをパス!コカコーラーコーナーをARTA、StudieのBMW M6 GT3が1,2で通過します。
磐石に見えたBMW M6 GT3体制でしたが、10周に満たないうちにStudie BMW M6がペースダウン。14周目でイレギュラーのピットイン。
原因はパワステトラブル。修復してレースに復帰しますが、上位争いには参加できないポジションとなってしまいました。
Studie BMW M6が抜けたのち、TOYOTA PRIUS apr GTと、徐々に追い上げてきたゼッケン3のB-MAX NDDP GT-Rが2位争いを展開。そのおかげもあってARTA BMW M6 GT3が2位とのアドバンテージを6秒以上に広げて29周目でピットイン。
ただ、パワーで押すARTA BMW M6 GT3は燃費がかなり悪いのか、給油に思いのほか時間がかかり1分6秒以上のピットストップ。
TOYOTA PRIUS apr GTはピットワークでARTA BMW M6 GT3の前に出ますが、アウトラップでオーバーラン、その周で再び緊急のピットイン。
そしてB-MAX NDDP GT-Rはピットタイム52秒ほどと、ARTA BMW M6 GT3より14秒早く、というよりもARTA BMW M6 GT3の遅いピットタイムが尾を引いて、B-MAX NDDP GT-Rが前へ出ます。
徐々に差を開こうとするB-MAX NDDP GT-Rに、パワーで追いつこうとするARTA BMW M6 GT3。この2台の攻防の最中に壮絶なドラマが起こります。
GT500クラスで72週目、GT300クラスでは68周目に、GT500クラス ゼッケン100のRAYBRIG NSX CONCEPT-GTがトヨペット100Rコーナーでバースト!剥がれたタイヤがボディカウルの後ろ半分を吹き飛ばすという壮絶さ。
砕けたパーツはヨペット100RコーナーからヘアピンのADVANコーナーにまで撒き散らされることになり、その除去のためにセーフティーカー(SC)が導入されたのです。
B-MAX NDDP GT-Rがトップ、ARTA BMW M6 GT3が2番手のオーダーは変わりませんが、SC導入のおかげでその後ろにはゼッケン88のマネパ ランボルギーニ GT3、ゼッケン51 のJMS LMcorsa 488 GT3、ゼッケン18の UPGARAGE BANDOH 86、そしてVivaC 86 MCまでが同一周回の隊列を組むことになってしまいます。
GT300の70周目にレースが再開されると、タイミング的には2度目のピットイン。SCがピットインすると、それに続くかのように各車ピットイン。その混雑を避けるかのようにB-MAX NDDP GT-Rは73周目にピットインし、タイムロスを最小に留めます。その間に暫定トップはVivaC 86 MC。
B-MAX NDDP GT-Rに約1分のアドバンテージを持ってVivaC 86 MCも77周目に最後のピットイン。
ここでチームは奇策に出ます。なんとタイヤ無交換でピット時間を短縮!ギリギリ1位でピットアウトか?と思われた直前をB-MAX NDDP GT-Rが通過。5秒以上の差で2位でピットアウト。
しかし2位も安定ではありません。その背後には怪物の加速力を持ったARTA BMW M6 GT3が迫ってきます。しかしいかにストレートが早いARTA BMW M6 GT3でも、そう易々とはVivaC 86 MCは抜かせてくれません。
コーナーは若干VivaC 86 MCの方が有利な様子ですが、松井選手のVivaC 86 MCがARTA BMW M6 GT3のスリップストリーム作戦を絶妙にかわす逃げを見せ、ストレートで抜かれるのを阻止。コカコーラコーナーからは最終コーナーまではVivaC 86 MC有利の展開で粘ります。
しかし、89周でタイヤが尽きたか、コカコーラコーナーでARTA BMW M6 GT3に先行を許してしまいます。
そしてチェッカー!B-MAX NDDP GT-Rが波乱の500kmレースを制して見事優勝!GT500クラスもゼッケン1のMOTUL AUTECH GT-Rが優勝。今季初のGT-R2クラス制覇です。
ARTA BMW M6 GT3は3.7秒及ばずの2位。そして3位はVivaC 86 MCが入りました。
4位にはゼッケン18のUPGARAGE BANDOH 86、5位には昨年のチャンピオンマシンであるゼッケン0のGAINER TANAX GT-R、6位には初戦岡山からいい位置につけるゼッケン51のJMS LMcorsa 488 GT3が入りました。
そして、もう一つのトピックは2013年の開幕戦以来3年ぶりのポイントゲットとなったDIJON RACINGのゼッケン48 DIJON Racing GT-R。
入賞の顔ぶれも開幕戦とは全く変わったSUPER GTはやはり今年も大波乱の様相です。次戦は地震の影響でオートポリス戦が延期となったため、7月23〜24日のスポーツランドSUGOとなります。
魔物が棲むと云われるSUGOではどんなレースが観られるのでしょうか。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)
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