Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.7.24

強烈な加速Gを発揮するゴルフ GTI Clubsport Track Editionのブースト機能

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI生誕40周年を記念して限定車として設定された「GOLF GTI Clubsport Track Edition」に、ちょい乗りする機会がありました。

GOLF_GTI Clubsport_Track Edition_01

試乗ステージは、パサート/パサートヴァリアントGTEの試乗会でもあった袖ヶ浦フォレストレースウェイでしたので、約10秒間というブースト機能も試すには格好の場だと思いましたが、プログラムの関係で残念ながら周辺の一般道ということで、その速さはまさに味見した程度……

ゴルフGTIにはDSG、MT仕様があり、さらに速いモデルならゴルフRもありますが、個人的には走りのバランスはノーマルのGTIがベストで、より楽しむならMTモデルがオススメです。

GOLF_GTI Clubsport_Track Edition_02

「GOLF GTI Clubsport Track Edition」は、6速DSG仕様のみ日本に上陸していて、残念ながら本国にある3ドアのMT仕様(ClubSport S)はありません。

エンジンはゴルフRの2.0L TSIがベース。ノーマルのゴルフGTIと比べると、最高出力は45ps(33kw)向上となる265ps(195kW)、最大トルクは350Nmでこちらは同値。

そして、アクセルペダルをキックダウンすると10秒ほど最高出力が290ps(213kW)、最大トルクも380Nmまでアップするブースト機能が作動するというものです。

GOLF_GTI Clubsport_Track Edition_07

限られた走行条件でしたが、キックダウンさせてブースト機能を発揮させると、強烈な加速Gに驚かされます。グレード名のとおりサーキットで楽しむ仕掛けではあるでしょうが、いざというときに楽しめそう。

GOLF_GTI Clubsport_Track Edition_06

普段使いで気になる乗り心地は、素のGTI(225/45R17)よりも大きな225/35R19タイヤを履くだけあってショックはハードに伝えてきますが、それでもこうしたスポーツ仕様の割には良好といえるもので、ストローク量の大きなサスペンションであることを感じさせてくれます。

ブースト機能に注目が集まりがちですが、普通に走らせる分でも中・低速域のトルク感、そして高速域のパンチ力もノーマルGTIより当然上で、最大トルクこそ350Nmと同じですが、素のGTIが1500-4400rpmという回転域で最大トルクを発揮するのに対し、「GTI Clubsport」は1700-5300rpmとより幅広い回転域になっているのも効いているのでしょう。

GOLF_GTI Clubsport_Track Edition_03GOLF_GTI Clubsport_Track Edition_04

より攻撃的な内・外装が与えられている「GTI Clubsport」は、コレクターズアイテムとしての価値も見逃せません。一方で、公道を中心に走りを楽しみ、そして乗り心地を含めたロングツーリング性能の高さでいえば、やはり素のGTIのバランスの高さも再確認させられました。

469万円という価格はその内容から見れば決して高くはなく、400台限定の「GOLF GTI Clubsport Track Edition」は、ディーラーにより異なるそうですが、在庫は品薄状態とのこと。

ただ、今秋には快適性を重視した「Street Edition」も導入される予定ですので、そちらを待つ手もあります。

(文/塚田勝弘・写真/佐藤靖彦)

  • Share on
  • LINE
  • Twitter
  • Facebook