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2016.8.27
「日米合同チームで作った」新型NSX。主査が語った想いとは?
2016.8.27
「日米合同チームで作った」新型NSX。主査が語った想いとは?
ホンダの八郷隆弘社長に続いて登場した、新型NSXの開発責任者のテッド クラウス氏は「新型NSXをホンダのホームマーケットであり、生誕の地でもある日本の皆さんにご紹介できることを大変光栄に思う」と語っています。
同氏は25年間、ホンダの動的性能とハンドリングに焦点を当てたクルマ開発に携わってきたそう。米国と日本で仕事をする中で2011年に新型NSXの開発責任者に任命された際には「日米両国で学んだことが開発の方向性を定めるのに役立った」と語っています。
テッド クラウス氏は、初代NSXに対面した際に「スポーツカーはこうあるべき」というホンダの主張を感じたそうです。
「コンパクトで低重心、高性能シャーシ、優れた視認性、シンプルで人間工学に基づいたインターフェイス」などを挙げ、初代NSXのコンセプトである「人中心のスーパースポーツ」を受け継ぎながら「新時代のスーパースポーツ体験」を実現したと強調。
日米合同チームで開発をスタートするにあたり、まず日本で初代NSXの開発メンバーやオーナーに会い、「NSXらしさとは何か」を深く理解することからスタート。そして、日米合同チームは、NSXらしさという基準を元に、開発のすべての意思決定を行ってきたそうです。
そして、新型NSXのコンセプトとしてまず「瞬時に反応する加速性能」を挙げ、アクセル操作に対して俊敏かつリニアに反応する加速フィールを目指したとしています。
2つめのコンセプトは「ドライバーに呼応するハンドリング」。
スロットル、ブレーキ、ステアリングなどのドライバーからのインプットに高い精度で呼応し、「人とクルマとの直感的なコネクションを創造する」と表現。
さらに「ヒューマン・フィット」を掲げ、キャビンの快適性や運転のしやすさにも注力、ドライバーの個性やスキルに関わらず、誰もが楽しめるスポーツカーを目指したとしています。
デザインについては「1ミリ1ミリすべての構成面がパフォーマンスを向上させる目的を持っている」と語り、空気抵抗やダウンフォース、冷却性能はスポーツカーのパフォーマンスを大きく左右するとして、最新のCDFシミュレーション(数値流体力学)を活用し、車体周辺の空力解析を実施。
機能的な要素をすべて取り込むことで「デザイン自体でエアロフローマネージメントができる」という結論に至り、「魅力的なデザインであり、スポーツカーとしての運動性能を高めるデザインが完成」したとのこと。
ボディについては、押出成形アルミ、プレス加工アルミ、3DQ超高張力鋼管、世界初のアブレーション鋳造アルミ、GDQ鋳造アルミ、プレス加工鋼鈑による複合素材によるスペースフレームを採用。その結果、コンパクトサイズを維持したまま軽量かつ高剛性、優れた衝突安全性を確保したとしています。
こうしたパッケージを土台として、高効率・高出力を誇る3モーターハイブリッドシステムの「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用。
リヤモーターとトルクベクタリングを実現するフロントの左右独立式のモーターにより「ハイレスポンス、力強いリニアな加速、意のままのハンドリングを実現」したことで、一般路でもサーキットでも素晴らしい加速フィールを得ることができたそうです。
モーターは加速だけでなく「走る・曲がる・止まる」の面でモーターの駆動力を活用し、「ほんの10秒でもNSXのハンドルを握っていただければ、新開発のV6 3.5Lツインターボと3つのモーターの融合がもたらす新時代のスーパースポーツ体験」を実感していただけるはずと強調。
また、パワーユニットをフル活用して走行シーンに合わせて「Quiet」、「Sport」、「Sport+」、「Track」の4モードも用意されています。
テッド クラウス氏は、25年前日本で駐在していた時に「将来、米国の研究所が日本と同じくらい、いや日本よりも強くなるといいな」と仲間達に語ったそうです。
しかし、米国、日本という言語や国にとらわれず、同じ価値観を共有しているチームだと語り、新型NSXはそんなホンダにしか作れないスーパースポーツだと締めくくっていました。
(文/写真 塚田勝弘)
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