Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

NEWS

2016.9.6

メルセデス・ベンツGLSは「SUVのSクラス」にふさわしいの走り

メルセデス・ベンツGLSは、2016年4月末に受けたフェイスリフトで、メルセデス・ベンツGLクラスから車名も変更しました。GLCやGLEなどと同様に、SUVを示す「GL」に、車格を表す「S」が付けられたことになります。

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今回試乗したのは最上級グレードで1900万円というプライスタグをぶら下げる「メルセデスAMG GLS 63 4MATIC」。

最量販グレードの「GLS 350 d」系は右ハンドルなので、全長5130×全幅1980×全高1580mmという巨体でも少しは扱いやすいかもしれません。

最大の注目であるエンジンは、5.5L V8の直噴ツインターボ。585ps/760Nmの強大なパワー/トルクはもちろんクラス最強です。同グレード以外のGLSは9ATですが、強大なトルクに対応すべく7ATが搭載されています。

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スタータースイッチを押すと、ド派手な始動音とともに目覚める5.5L V8ツインターボは、街中で走り出すと意外とジェントルで拍子抜け。さらに踏み込むと、希薄なスピード感で速度を上乗せしていく感じは恐ろしさの片鱗を見せるものの、本領を発揮するのは空いている高速道路ということになります。

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しかし、同じ585ps(最大トルクは760Nm)を発生する「メルセデスAMG GLE 63 S 4MATIC」と比べると、2.6tを超える超重量級ということもあってか(GLE 63 S よりも220kg重い)、暴力的な加速でもどこか抑制された感じがします。

それでも、こんな巨体がこんなに速くていいの!? という恐怖心もつきまといますから、高速道路ではレーダーセーフティパッケージのディストロニック・プラスとアクティブレーンキープアシストを使ってゆったりと走る方が向いているかもしれません。

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モンスターSUVなのにそんな気分にさせるのは、22インチとは思えないほど良好な乗り心地。AMG専用のエアサスペンション「AMG RIDE CONTROL スポーツサスペンション」による恩恵は、快適な乗り味だけでなく、「Sports」モードにすれば巨体でも正確なハンドリングに寄与してくれます。

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1900万円もの価格に目を奪われる「メルセデスAMG GLS 63 4MATIC」。このグレードに7人乗りのニーズがどれくらいあるか分かりませんが、多人数乗車が可能で、かつ快適な俊足SUVと考えればお値段以上の価値があるのかも!?

(文/写真 塚田勝弘)

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