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一番じゃなきゃダメなんです!? ダンロップの新しい耐摩耗技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」

ダンロップの住友ゴム工業は、タイヤの耐摩耗性能を大幅に向上させたエナセーブの新製品「エナセーブ NEXT II」を11月1日(火)から発売すると発表しました。

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「エナセーブ NEXT II」は、耐摩耗性能を51%向上させたという点が特徴で、同社では「ADVANCED 4D NANO DESIGN」という新技術を初めて「エナセーブ NEXT II」で採用したということです。

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「ADVANCED 4D NANO DESIGN」とは、分子構造をシミュレーション技術を利用して設計した「新フレキシブル結合剤」をタイヤのゴムに配合して、ゴムが変形したときにゴムの分子内部で局所的にかかる力を逃がしてゴムの組織の破壊を防止する新技術です。

この「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を採用することで耐摩耗性能の51%向上。さらに、低燃費性能とウエットグリップ性能を両立することができたということです。

同社では、大型放射光研究施設「SPring-8」(兵庫県佐用町)・大強度陽子加速器施設「J-PARC」(茨城県東海村)・スーパーコンピュータ「京」(神戸市)という3つの大規模研究施設を連携して活用することで、ゴムの内部構造をナノからミクロンレベルで連続的かつ鮮明にシミュレーションできる新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を2015年に完成させ、この新技術を「エナセーブ NEXT II」に初めて採用したということです。

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これらの大規模研究施設は「1番でなければダメなんですか?」と、多額の予算を追求されたことを思い出しますが、最近ではさまざまな自動車技術の開発に利用されていることが目立ちます。

多額の予算を要する大規模研究施設を利用しなければ、自動車技術も開発できない時代になったのかもしれません。

(山内 博・画像:住友ゴム工業)

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ダンロップ「LE MANS 4」が日刊自動車新聞用品大賞2016・部門賞を受賞

住友ゴム工業は、同社の低燃費タイヤ・ダンロップ「LE MANS 4(ルマンフォー)」が「29th 日刊自動車新聞用品大賞2016」において「タイヤ・ホイール部門賞」を受賞したと発表しました。

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「LE MANS 4」は、同社の独自技術であるサイレントコア(特殊吸音スポンジ)を搭載しており、優れた低燃費性能と耐摩耗性能、さらに静粛性能と乗り心地というタイヤに要求される4種類の性能をバランスさせた、快適で長持ちする低燃費タイヤであると、同社では強調しています。

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さらに「LE MANS 4」には、2月より同社独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」によって開発された「新シリカ用変性ポリマー」が採用されています。

この改良により全90サイズ中40サイズについて、ラベリング制度における転がり抵抗性能が「A」から「AA」に高まり、低燃費性能がさらに向上しています。

ラベリング制度とは、日本自動車タイヤ協会によるタイヤの転がり抵抗性能とウェットグリップ性能の両性能をグレーディングシステム(等級制度)に基づく表示を行い、情報提供する制度のことです。

「日刊自動車新聞用品大賞2016」は、同選定委員会が2015年7月から2016年6月の期間に注目を集めた各ジャンルのカー用品を対象に、販売数量だけにとらわれず「商品の技術開発力」「企画力」「アイデア」「ユニークさ」「パイオニア精神」を重視し、カー用品量販店へのヒアリングやアンケート調査の結果も反映して選定しています。

(山内 博・画像:住友ゴム工業)