Motor Fan's YEAR 2016

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非常時に電気とお湯を供給できるスターリングエンジン電源車を芝浦工大が開発

芝浦工業大学 電気工学科の高見弘教授は、スターリングエンジンとソーラーパネルを組み合わせた軽自動車型ハイブリッド電源車を開発したと発表しました。

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この電源車の開発コンセプトは、自然災害で被災しても「電気とお湯があれば、必要最低限の生活レベルは確保できる」というもの。大規模災害などの非常時に、その場で電気とお湯を供給できることを目指して開発されました。

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電源車には、3kgの木質バイオマスペレットを1時間燃焼させることで、1kWの電力と45℃・200Lの温水を供給できるスターリングエンジンと、日中には1時間で最大600Wの発電能力があるソーラーパネルが備えられており、発電しながら48V・110Ahの蓄電池に充電することも可能なシステムが、軽トラックの荷台に収まるサイズで構築されています。

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今回の電源車のシステム構築にあたっては、スターリングエンジンで安定的に発電するために必要なコンバータの開発がキーポイントとなりました。

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スターリングエンジンとは、シリンダー内のガス(または空気)を外部から加熱・冷却し、その体積変化でピストンを動かして、燃料の熱エネルギーを運動エネルギー(出力)に変換する外熱機関の一種。既存のエンジンより高効率で、エネルギ密度の低い低質な廃材なども利用できます。特に今回は、機械構造が簡単で寿命が長いフリーピストンタイプのスターリングエンジンが採用されています。

今後は、高見教授は操作を自動化したうえで雨天時にも安定稼働できるよう耐久性を高め、将来的には専用の燃料がなくても、災害で発生したガレキなどの廃材を燃料としてその場で調達して発電できる電源車の完成を目指すということです。

(山内 博・画像」芝浦工大)

首都直下地震からの復旧の第一段階となる「道路啓開」ってなんだ?

ここ数年、日本各地で大きな地震や噴火が続発しています。

そうした中で、ドライバーとして首都直下地震に備えて覚えておきたい言葉が「道路啓開(どうろけいかい)」ではないでしょうか。

道路啓開というのは、災害発生によって混乱した道路を緊急車両が通行できるように最低限の瓦礫処理を行ない救援ルートを確保すること。地震災害時の復旧作業のファーストステップとして重要な作業です。

作業内容としては、大地震により放置されてしまった車両を、ジャッキ付き台車やレッカー、フォークリフトなどを使って車両を移動するというものになりますが、そうした手間を減らすよう大地震発生時にクルマを置いて逃げる場合は、ドライバーとしてはクルマにカギを残しておいて、移動しやすくしておくことは重要事項です。

また震度6弱以上の大震災の場合は、緊急車両の通行を確保するために道路交通法に基づいた交通規制が敷かれることも覚えておきたい情報です。

たとえば東京都においては、国道4号、国道17号、国道20号、国道246号、目白通り、外堀通り、高速自動車道・首都高速道路が第一次交通規制の対象となり、都心方向への車両通行が禁止されます。

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(図表引用:警視庁)

【関連リンク】

警視庁:大震災発生時の交通規制はこのようになります
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/saigai/jishin/kotsukisei.html

運転中の災害発生に備える!ヤナセの「帰宅支援キット」

自動車を運転中に地震に遭遇したら、どう行動すべきかご存じですか?

地震の発生に気づいたら、周囲の状況に注意しながら車を道路左側に停め、揺れがおさまるまで車内で待機します。

避難が必要な場合は、車を緊急車両の通行の妨げにならないように駐車するか、車を移動できない場合はキーをつけっぱなしにしておきます。

参考リンク:JAF|クルマ何でも質問箱:事故・違反・トラブル防止術|クルマを運転中に地震が発生したら?

そのため避難所までは「徒歩」で移動することになります。

市街地であれば避難所までは比較的短時間で移動することができますが、高速道路や山間部では、避難所までは相当な距離があることがあります。

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5月7日にヤナセが発売した「ヤナセ帰宅支援キット」は、このような外出先での災害の遭遇などで、クルマを駐車して避難する際に役立つ防災キットです。

自動車ディーラーが取り扱う防災用品のコンセプトとして「クルマでの外出時に役立つもの」が揃えられています。

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利用シーンは「外出先で災害に遭遇し、クルマを駐車して自宅または近隣の避難所まで徒歩でたどり着くこと」を想定。距離にして30km、時間にして24時間以内の避難行動を支援する、全18アイテムの装備品を車載用として厳選しています。

車載時にコンパクトに収納できる「オリジナルバックパック」に収容されるアイテムは、「ヘッドライト」、「パック入り飲料水」などの定番品から、落下物や転倒によるケガから頭を保護する「折りたたみ式のヘルメット」や、長時間の徒歩移動に備えて靴擦れやまめを防止する「保護パッド」まで、必要なものが一通り揃っています。

さらに、避難行動時の注意点などを記載した独自編集の「帰宅支援マニュアル」も用意されています。

ヤナセでは2005年に車載用「ヤナセ・オリジナル防災キット」を発売し、東日本大震災以来の防災意識の高まりもあって、これまでに5万セットを超える販売実績を挙げています。

また、2010年から毎年、その売上の一部を日本赤十字社に寄付することで同社の活動を支援。「ヤナセ帰宅支援キット」も同様に寄付活動を継続していくそうです。

価格は税込みで3万6000円。災害への備えと同時に寄付にも貢献できる同アイテム、購入を考えてみてはいかがでしょうか。

(塚田勝弘)

【関連リンク】

アクセサリー -ヤナセ帰宅支援キット- | ヤナセ
http://www.yanase.co.jp/accessory/bousai/