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トヨタ自動車が20年物の「超長期社債」を発行する訳は?

トヨタ自動車は5月11日の連結決算発表で、2017年3月期に1兆800億円(前期比+2%)の研究開発費及び、1兆3,500億円(同+9.8%)の設備投資費を計上。

これは自動運転など、AI(人工知能)関連の研究開発強化や設備増強などに備えているものとみられています。

TOYOTA

同社はこれらの大型投資や日銀のマイナス金利政策による金利低下への対応として、満期までの期間が10年物と20年物の長期債を発行するそうです。

日経新聞によると、社債2本で合計500億から600億円規模の資金調達を行う模様。

利回りは10年債が年0.1%程度、20年債が年0.4%程度になりそうで、1998年に20年債を発行した際は3%だったことを考えると、いずれも過去最低水準。

同社はマイナス金利政策導入後に大きく低下した市場金利のメリットを享受、調達した資金を設備投資や運転資金などに充当する考えのようです。

一般的に満期10年までを長期、11年以上を超長期と呼んでおり、今回発行する20年債はいわゆる「超長期債」と呼ばれるもの。

これまでの超長期債の発行は、電力・ガスや鉄道会社などの安定収入が見込める公共業がほとんどでしたが、3月には味の素が同社として初めて20年債を出すなど、裾野が一般の事業会社にまで広がる傾向にあります。

マイナス金利環境で高利回りの金融商品が減少していることから、運用難にあえぐ投資家が増えており、超長期債の需要が高まっているようです。

Avanti Yasunori

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