日本でもサービスを開始しているアメリカのUber(ウーバー)。アプリを使って、タクシーだけでなく個人のクルマも含むライドシェアを世界中の都市で展開しています。
日本では個人所有のクルマとドライバーの利用は「白タク」行為に当たるとして、福岡の実証実験は途中で国交省から「待った」がかかり、現在は富山県南砺市とウーバーが提携することで、無償を前提とした実証実験が行われています。
クルマの乗り方を変えるタクシーの配車サービス、そしてライドシェアは、ウーバーに限らず、車両が自動で迎えに来てくれる完全自動運転との関連性を感じさせます。
2016年8月19日、ボルボ・カーズとウーバーが自動運転車の開発で合意しました。
ドライバーがいない完全な自動運転を含む、最新の自動運転技術の開発に対応できるよう、XC90を元にした新しいベース車を開発するジョイントプログラムの立ち上げの合意に達したというもの。
ベース車はボルボによって生産され、ウーバーがボルボから購入するカタチになり、ボルボとウーバーはこのプロジェクトに3億USドル(約300億円)を出資。
ウーバーが自社開発した自動運転システムをボルボのベース車に搭載し、またボルボは同じベース車両を、完全な自動運転を含む自動運転戦略の次世代車として活用するとしています。
新しいベース車は、ボルボの新世代プラットフォームスケーラブル・PRODUCT・アーキテクチャー(SPA:Scalable Product Architecture)を元に開発され、最新のXC90を始め、S90/V90でも採用されています。
ボルボはお膝元スウェーデンや中国で100台規模の自動運転の実証実験を推進するとしていて、今回の提携でさらに自動運転技術を高めるのは間違いないでしょう。
ボルボは2020年向けてボルボ車による死亡事故ゼロを掲げています。世界で毎年100万人以上が交通事故で亡くなるという現状は、ボルボだけでは解決できないとして今回のような提携の意義を強調しています。
(塚田勝弘)