Motor Fan's YEAR 2016

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雷神光るボルボXC60次期型、航続距離60kmのPHEVモデル投入へ!

ボルボのコンパクトクロスオーバーSUV「XC60」次期型プロトタイプを豪雪の北欧でカメラが捉えました。

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2008年、ボルボ初のクロスオーバーSUVとして発売された「XC60」は、2009年度のボルボベストセラーモデルに輝く人気モデルとなり、勢いそのまま、日本でも発売され、大ヒットしています。

次期型では、「S90」などにも採用されている「SPA」(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)プラットフォームを流用し、ホイールベースを延長。実用性を向上させるとともに、Dピラーを寝かせスポーティーさもアップしています。

パワートレインは低燃費、低排出で快適なドライブを実現する新生代「Drive-E」2リットル直列4気筒エンジンや、バッテリーのみで航続距離60kmも可能なプラグインハイブリッドのラインナップが予想されています。

新世代ボルボでお馴染み「雷神」T字型デイライトポジショニングライトを光らせ現れた次期型は、2016年5月に公開された「コンセプト40.1」の意匠から影響を受けたデザインが予想されています。

最新情報では、ワールドプレミアは2016年秋頃が有力です。

(APOLLO)

スウェーデンのパトカー試験にボルボ・V90がトップ合格!

スウェーデン警察が、ボルボV90をポリスカーとして初採用するというニュースが届きました。

Volvo V90 som polisbil får högsta betyget hittills

運動性能に対する要件が非常に厳しいポリスカーに、ボルボのフラッグシップ・ステーションワゴンとして復活したV90が選ばれたというのは、そのパフォーマンスの高さを実証する、ひとつの事例となりそうです。

しかも「ブレーキテスト、障害物コースでのテスト、ブレーキング、ブレーキングなしの回避行動テスト、ハイスピードでの緊急走行」といった厳しい内容からなる、警察による走行試験では過去最高の評価(10点満点で9.2点)を得たといいます。

そうしたテストの模様は映像で公開されています。激しいドライビングに、しっかりと応えるV90のパフォーマンスを見ていると、日本への上陸に期待が高まります。

(山本晋也)

軽量コンパクトな「eアクセル」が、新しいハイブリッドAWDを生み出す【GKNドライブライン試乗会】

ボルボXC90のプラグインハイブリッド仕様に採用されている「eAxle(eアクセル)」は、GKNが注力しているAWDシステムになります。

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このシステムは、ボルボXC90 T8 Twin Engine AWDをはじめ、BMW 225xe アクティブツアラーなど、PHVやEVなどに最適。

PHVであるボルボXC90 T8 Twin Engine AWDの場合、ベースとなるFF駆動に後輪アクスルを追加され、回生機能をもつEV走行では航続可能距離40kmを達成し、最高速は125km/hに到達。もちろん、AWD走行も可能にしています。

xc90_t8なお、ボルボXC90 T8 Twin Engine AWDの「Twin Engine」のひとつを示すモーターの出力は60kW、トルクは240Nm。

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GKNの「eアクセル」の特徴は、ギヤボックスとモーターを部分的に統合している点。電動モーター用の共通のアルミハウジング化やトランスミッションの同軸配置、中間シャフトとデファレンシャルにギヤを一体化することで約15kgと軽量かつコンパクト化を果たしています。

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また、特許技術であるディスコネクトシステム(EDD)の採用により、高速走行時にはFFに切り替わることで損失を最小限に抑え、燃費向上などにも寄与します。

GKNのプルービンググラウンドの周回路では125km/h以上に達しないため、FFに切り替わる瞬間は確認できませんでした。担当者によると、125km/h以上に達するシーンがあってもドライバーは察知できないはずとのこと。

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ボルボ・カー・ジャパンによる試乗会を含めて何度かXC90 T8 Twin Engine AWDのステアリングを握る機会がありましたが、駆動輪の切り替わりなどが感じられたことは皆無といえるほどスムーズだったのを思い出しました。

今回のGKNプルービンググラウンドの周回路を走る試乗でも、運転席と後席に座り、走行状態によりFF、FR、AWDが切り替わる様子をインパネのディスプレイで確認しながらテスト。駆動状態が切り替わる様子はディスプレイで確認しない限り、ドライバーが運転しながら感じることはないことが確認できました。

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「eアクセル」は、ほかの自動車メーカーへの提案もされているそうで、今後は同システムを搭載したハイブリッド、PHVのe-アクセルAWDモデルが増えていくかもしれません。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久、塚田勝弘、GKNドライブラインジャパン)

モデル末期でも待望されるボルボXC60 Classicの魅力とは?

ボルボ各モデルに設定される「Classic(クラシック)」は、モデルライフの最終仕様であり、車種によってはフルモデルチェンジによる新型車の登場も予想させるグレードといえます。

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そうなると、新型車を待とうという向きが多くなりそうですが、ボルボの「クラシック」の場合、あえてファイナルエディションを待っている方も少なくないとか。

モデル末期といってもディーゼルエンジンの追加やフェイスリフトなど、毎年のようにアップデートされているうえに、XC60の安全装備は2014年時点ですでに「IntelliSafe10(インテリセーフ・テン)」と呼ばれるセーフティパッケージも全車標準装備されていますから、商品力は常に維持されています。

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さらに「クラシック」の魅力を高める充実装備を見てみましょう。チルトアップ機構付電動パノラマガラスサンルーフ、本革シート、12セグ地上デジタルTV、フロントシートヒーター、モダンウッド・パネルを標準化。

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写真の「XC60 T5 AWD Classic」は、エンジンを「Drive-E」と呼ばれる2.0L直列4気筒ターボに変更され、245ps/350Nmを発揮。燃費も11%アップとなる12.3km/Lに向上されています。

なお、「クラシック」以外のグレードも2017年モデルに設定されています。最上級の「XC60 T5 AWD R-DESIGN」がそれで、従来モデルから719万円という価格を据え置きながらチルトアップ機構付電動パノラマガラスサンルーフ、レザー・ダッシュボードを追加。また、20インチアルミホイールの「Ixion Ⅳ」も標準装備されています。

先述したようにボルボXC60には、歩行者・サイクリスト検知機能付追突回避・被害フルオートブレーキをはじめ、加速、減速ともに制御が巧みで自然な走行フィールが得られる全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)を含む10種類以上の全方位の先進安全装備が用意されています。

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新エンジンを搭載する629万円のXC60 T5 AWD Classicの軽快かつ力強い走りも魅力的。また、599万円の最廉価クリーンディーゼルエンジンのXC60 D4 Classicは、エコカー減税対象車になっていますからオススメしたいグレードになっています。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

ボルボ XC60に熟成極まる「Classic」を設定! 新たに採用されたエンジンの走りは?

ボルボのファンの方は、XC60に「Classic(クラシック)」グレードが設定されたという発表を聞くと、モデル末期の最終モデルが登場したということが分かる、そうです。ボルボファンの中には、最後の「クラシック」を狙っている方も少なくないそうで、それだけ熟成極まったボルボに対する信頼の高さがうかがえます。

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最終モデルといってもXC60は、世界で最も売れているボルボ車らしく、あえて狙いたくなる魅力的な仕上がりになっています。

XC60の「クラシック」には、人気グレードの2.0L直噴ディーゼルターボが設定されるのはもちろん、「T5」には新開発となる「Drive-E」こと2.0Lの直列4気筒ガソリンターボを新たに搭載。同ガソリンエンジン車は、245ps/350Nmというアウトプットを得ているだけでなく、従来モデルのT5 AWDと比べて11%向上となる12.3km/LというJC08モード燃費を達成。

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試乗したのは、その「XC60 T5 AWD Classic」 で、ロックアップ機構付きの8ATとの組み合わせにより、走り出しから力強く、箱根ターンパイクの急な上り坂でも力強さは色あせることはありません。

むしろ全長4645×全幅1890×全高1715mmというワイドで背の高いボディサイズを感じさせない軽快感すら抱かせますから、ミドルサイズSUVでもフットワークのいい走りを求めるなら見逃せないモデルといえそう。

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一方、良好な路面では乗り心地は悪くはないですが、少し路面が荒れてくると235/55R19というタイヤサイズもあってかシーンによっては左右方向を中心にボディが揺すられることも。乗り味の面では、235/60R18タイヤを履くD4クラシックの方が若干マイルドかもしれません。

2009年、日本で初の完全停止まで制御するブレーキを採用したXC60。その後、2013年にサイクリスト検知機能を追加し、2013年にフェイスリフト、2014年に「Drive-E」パワートレーンを採用。2015年には先述したようにD4と呼ぶクリーンディーゼルエンジンも設定されています。

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価格は「XC60 D4 Classic」が599万円、「XC60 T5 Classic」が629万円。ほかにも、「XC60 T5 AWD R-DESIGN」が719万円で用意されています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ボルボS60/60ポールスターに加わった「Sport+」モードとスポーティな内外装

ボルボS60/V60ポールスターの最新モデルが100台限定で日本に上陸しました。6気筒から4気筒にシリンダーレス化された2.0Lの直列4気筒DOHCターボ+スーパーチャージャーエンジンを新たに搭載。

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最大トルクは30Nm減っていますが、16psの向上と、S60で-50kg、V60で-20kg減っていることもあり、加速の鋭さ、高回転域のパンチ力は増している印象です。

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今回のアップデートにより、新パワートレーンの魅力を最大限引き出す「Sport+(プラス)」モードも用意されています。

シフトポイントが2速以上で4000rpm以上となり、シフトスピードが高まるほか、エキゾーストバルブが解放されることで迫力あるサウンドも満喫できます。

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「スポーツ・プラス」モードにするには、車両を停止させ、ギヤレバーをSモードに入れ、パドルシフトの「+(プラス)」を引いたままギヤレバーを「-(マイナス)」方向に2度倒すと、メーターにSマークが点灯し、「スポーツ・プラス」になるという手間が必要。

公道で使う必要性は皆無ですし、サーキットで走りを楽しむ際に踏む手順と考えれば、こうした仕掛けも心躍る儀式となりそう。

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今後はポールスター部門がより市販車に関わってくるはずなので、フルモデルチェンジなどを機にもっとスマートな操作性が用意されるのではないでしょうか。

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走りだけでなく外観やエアロダイナミクスも見どころ。フロントスプリッターコーナーによりRデザインよりも21kgダウンフォースを増し、専用大型リヤスポイラーや大型ルーフスポイラーもボディを路面に押しつける役割を果たしています。

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ハイパワー化によりブレーキも強化されていて、ポールスター/ブレンボによる6ピストンキャリパー、371×32mmベンチレーテッドディスクなどのほか、新しいブレーキブースター、新メインシリンダー、ESCやABSもチューニングされています。

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高級感のある内装は、専用となるヌバック/本革スポーツシートやヌバック/本革ステアリングホイール、カーボンファイバー製パネル、スカッフプレートなどによるもので、スカンジナビアンデザインにセンスのいいスポーティなスパイスが加えられています。

価格はS60ポールスターが839万円、V60ポールスターが859万円。2016年11月中旬時点で販売店に在庫がどれくらいあるか分かりませんが、気になる方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ボルボ S60/V60ポールスターは「日常使いからサーキットまで」乗れる快速モデル

メルセデスのAMG、BMWのM社、アウディのAudi Sportなど欧州勢がスポーツ性能とプレミアム性を誇示するには欠かせないのがサブブランド。ボルボも例に漏れず、2015年に長年に渡ってビジネスパートナーだったポールスター社のパフォーマンス部門を買収したました。

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WTCCに参戦し、スウェーデンのチームとして初のワールド・チャンピオンを目指しているポールスター。「ポールスター・シアン・レーシング」という車名からも分かるように、市販化されたポールスターもシアン(青)のボディカラーが訴求カラーとなっています。

2016年に導入されたS60/V60は、S60が35台、V60が65台の計100台。11月16日時点で在庫状況は分かりませんが、台数の多いV60はまだディーラーにあるかもしれません。

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最新S60/V60ポールスターの見どころは、エンジンの刷新。直列4気筒2.0ターボ+スーパーチャージャーのダブル過給器になり、従来の6気筒からボルボ自前の4気筒にダウンサイジングされたことになります。

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気筒数が減っても16ps向上(最大トルクは30Nm減)し、367ps/470Nmというスペックを獲得していて、0-100km/h加速はS60が4.7秒、V60が4.8秒。従来型から0.2秒短縮されています。

また、エンジンだけでなく、トランスミッションも6ATから8ATに多段化され、ハイスペックモデルでも命題となっている燃費は、S60が12.2km/L(+2.6km/L)、V60が11.2km/L(+1.6km/L)に向上。ほかにも、新デザインアルミホイール(20インチ)の採用や「Sport+」モードも新たに用意。

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足まわりは、ポールスターとオーリンズによるダンパーのほか、オーリンズの特許であるデュアルフローバルブを搭載。また、スポーティグレードの「Rデザイン」よりも80%強化されたスプリング、スタビライザーも15%強化されているほか、カウント類やブッシュも強化。

走り出すと、ポールスターによるチューニングが施された電動パワーステアリングによる適度に手応えのあるフィーリングからもスポーツモデルであることが伝わってきます。

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強化されたサスペンションに加えて、245/35ZR20サイズのミシュラン「パイロット・スーパー・スポーツ」を履く乗り味も引き締まっていますが、路面が荒れていたり、目地段差が続いていたりと条件が悪い場所でも思ったより不快ではなく、日常使いでも十分に許容できる快適性が確保されているのが収穫。

動力性能はトルク減の影響をまったく感じさせず、高回転域の伸びは一般道では確認できないほど頭打ち感を抱かせません。

しかも、高速域のエンジンサウンドはなかなか迫力があり、DレンジからSレンジに入れるだけで加速感が増します。さらに停車時に先述した「Sport+」モードにすると鋭さが倍増します。

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6気筒から4気筒に減ったこともあり、車両重量がS60で-50kg、V60で-20kgとなり、感覚としては主にフロントノーズの重さが軽減された印象。

それが旋回性能の高さや軽快感に現れていて、ダイナミックなパワートレーン、そして軽快感のあるフットワークという美点を生み出しています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ボルボ最小クロスオーバーSUV「XC60」次世代型の詳細が明らかに

ボルボのエントリー・クロスオーバーSUV『XC60』次世代型プロトタイプをキャッチ、インパネ写真とともに、その詳細レポートも入手しました。

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エクステリアはフルカモフラージュされていますが、ボルボデザイントレンドの一つである、”雷神”T字型デイタイムランニングライトや「XC90」に似た、リアコンビランプなどが確認できます。

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室内を見ると、インパネセンターには「XC90」に似た縦型9インチディスプレイが設置されています。エアコン吹き出し口は「XC90」より細長いデザインです。

次世代型には、「XC90」などにも採用されている、最新の「SPA」軽量アーキテクチャーを流用し、ホイールベースの延長が予想されています。

パワーユニットには、2リットル直列4気筒ターボガソリンエンジンとディーゼルのほか、航続距離が50kmを超えるプラグインハイブリッドもラインナップされると思われます。

(APOLLO)

「クルマのあるライフスタイルをサポートする」ボルボが始めたリフレッシュプロジェクト

『クラシックカー・リフレッシュプログラム』を掲げ、かつての名車であるP1800やヒット作・850シリーズを新車同様に蘇らせたボルボ・カー・ジャパン。

CLASSIC GARAGE①

新世代車が好調なボルボが、いまなぜ旧車に目を向けるのか。話を聞いてみました。

【語る人】

ボルボ・カー・ジャパン株式会社
クラシック・ガレージ マネージャー
阿部昭男

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──  まず、今回の『クラシックカー・リフレッシュプログラム』を始めたきっかけを教えてください

「直接的には、弊社代表取締役社長の木村隆之が偶然P1800に出会ってレストアを行ったことですが、同時期にメルセデス・ベンツさんが190シリーズで同様のプログラムを始めたこともありましたね。ボルボも、旧いクルマの残存率が高いのでいろいろできるだろうと」

CLASSIC GARAGE④

──  対象車を100、200、700、850、900シリーズとした理由は?

「最初にボルボが正規輸入された60年代初頭以降、FR車の最後となる1998年までを対象にしたということです。期間は長いのですが、中規模メーカーとしてエンジンの種類もそう多くなく、たとえばオイルフィルターなどはずっと共通部品だったりするんですよ」

CLASSIC GARAGE③

──  国産メーカーの多くは、新車販売に影響が出るとか中古車に興味がないなど、こうした企画に消極的ですが

「ボルボのオーナーは、クルマをライフスタイルのひとつとして捉えている方が多い。そうであれば、ウチはそのサポートをさせていただこうと。正規ディーラーが責任を持ってメンテナンスすることで、より永くボルボ車に乗っていただける。それが結局はユーザー増につながると考えています」

──  レストアや修理自体はどこでもできますが、ディーラーが行うリフレッシュの特徴は?

「やはり純正部品の使用による品質基準の高さです。ボルボは本国に『ジェネラル・クラシックパーツ』という部署があって、一旦生産が終わった部品も再生産できる仕組みがあります。せっかくお金をかけてレストアをしても、精度や耐用年数で劣る社外部品を使うことで、寿命が縮む例は少なくないんです」

CLASSIC GARAGE②

──  技術的な違いはどうでしょう?

「手前味噌ですが、私自身が入社後30年以上を経て、60年代以降のボルボ車と付き合ってきた経験があります。それを木村社長が汲み上げてくれたことで、今般クラシックガレージを設けるに至りました。私にとっては夢のような企画ですが、自分の技術を生かしつつ、それを伝承して行く責任もありますね」

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──  クラシックガレージとリフレッシュプログラムの関係は?

「グラシックガレージ自体は、ディーラー品質の修理をオーナー様の希望に応じて行う工房です。一方、リフレッシュプログラムは、自社登録のクラシックカーを、先のP1800や850のようにこの工房で新車同様に仕立てて販売しようというものです」

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──  いま両者の状況はどうなっていますか?

「修理では240と780の2台が入庫中です。リフレッシュプログラムは240が進行中ですが、これは850などの記事を見た関西のオーナー様が、25年間乗ったワンオーナー車をわざわざ譲ってくれものなんですよ」

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──  今後販売を行う場合、価格設定はどのように考えていますか?

「まあ、掛かった費用を回収する程度でしょうか(笑)ボルボのユーザーは一部輸入車メーカーのようにコアで濃いマニアとはチョット違う。いくらでも払うというタイプじゃないんですね(笑)私たちも中古車はあくまでも中古という認識です」

──  今後の展開で考えていることはありますか?

「リフレッシュプログラムについては、現状ほかにもベース車両があります。それを自分たちの考えでレストアしてもいいのですが、あらかじめオーナー希望者さんを募り、その要望に沿って仕上げて行くという方法もあり得ると考えています」

──  なるほど。今日はありがとうございました。

(すぎもとたかよし)

【関連リンク】

ヒストリックカー・リフレッシュプロジェクト | ボルボ・カー・ジャパン
http://www.volvocars.com/jp/about/our-stories/classic_cars

ボルボ、公道実証実験「Drive Meプロジェクト」用自動運転車の第1号車をラインオフ

ボルボ・カーズは、9月9日にスウェーデンのトースランダ工場で同社の公道実証実験「Drive Meプロジェクト」で使用される自動運転車の第一号車をラインオフさせたと発表しました。

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実際にプロジェクトで使用される自動運転車がラインフしたことで、公道で一般ユーザーが自動運転実験を行う、いままでに例のない「Drive Me プロジェクト」がスタートします。

ボルボは現在、販売している90シリーズのモデルに、「パイロットアシスト」と名づけたレベル2に相当する半自動運転機能を搭載しています。

この「パイロットアシスト」は、緩やかなステアリング操作によって運転をアシストする機能があり、時速130kmまでの速度であれば、前走車がいなくても走行車線をキープして走行することができます。

今回のプロジェクトに使用されるのは、XC90にDrive Meプロジェクト用の自動運転テクノロジーを搭載した車両です。

「Drive Meプロジェクト」用の自動運転車は「パイロットアシスト」に加えて、ボルボが「自動運転頭脳(Autonomous Driving Brain)」と呼ぶ、1段階進歩した自動運転機能を搭載しています。

ボルボでは「自動運転頭脳」について、イェーテボリ周辺に設定した自動運転ゾーンでは、ハンドルを離したままで、さらにアクセルやブレーキを操作する必要なく安全に運転することが可能であると説明しています。この「自動運転頭脳」機能をもたらす装置の詳細は未発表です。

ボルボが明らかにしているように、今回のプロジェクトでの自動運転が特定の「自動運転ゾーン」でのみ機能するということから、車両側の装置だけではなく、道路側にもなんらかの自動運転を補助する仕組みが付加されていることが考えられますが、この点についてもボルボは発表していません。

あるいは、ボルボが指定した「自動運転ゾーン」とは、単なる自動運転に適した道路という意味かも知れません。

ともあれ今回の「Drive Me プロジェクト」がユニークなのは、一般ユーザーが日常生活の中で公道を自動運転車で走行するという点です。

このことは、ボルボ・カーズのアクティブセーフティ部門でシニアテクニカルリーダーを務めるエリック・コリン氏が、

「お客様は私達エンジニアとは違った目で車を見ます。そのため、お客様が日常生活の中でこれらの車をどのように使うのか、またどんな意見が出るのかを楽しみにしています」

と語っていることからも理解できます。

ボルボは今回のイェーテボリで行われる実証試験と同様のプロジェクトを、2017年にロンドンでも実施する予定で、さらに今後数年以内には中国でも「Drive Me プロジェクト」を実施することを予定しているということです。

最近のボルボは、自動運転技術について積極的に他社と提携を進めています。

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本年8月には、米国の配車サービス大手のウーバー(Uber)と次世代の自動運転車を共同で開発する提携を開始。ウーバーとの提携で開発される自動運転車も公開されています。

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さらに9月には、次世代の自動運転ソフトウェアを開発するために、スウェーデンの自動車安全システム大手であるオートリブ(Autoliv)との合弁会社をスウェーデンに設立することを発表しています。

このように自動運転分野で活発な活動を見せるボルボが今後どのような自動運転技術を開発してくれるのかに期待が高まっています。

(山内 博・画像:ボルボ)

SUVなのにリムジン!? ボルボXC90にショーファードリブン仕様が登場

ショーファードリブンの定番といえば高級サルーンが思い浮かびますが、ボルボがリリースした「XC90 Excellence(エクセレンス)」は、オーナー自らがステアリングを握るよりもリヤシートにゆったりと身をゆだねるのが似合う、いままでにないSUVに仕上げられています。

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「XC90 Excellence」は、ボルボが初めて投入する4人乗りSUVで、運転手付で移動するユーザーを想定。注目のリヤシートは、フロントシート同様の独立式で、シートヒーター、ベンチレーション、マッサージなどの機能が付加されています。

ほかにも、クーリングボックス、後席それぞれで使える折り畳みテーブル、保温/保冷機能付カップホルダーなどビジネスクラスのような豪華なシート、装備を用意。

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XC90のインテリアは、ベース車でも北欧デザインらしいクールで、高い質感を備えています。

「XC90 Excellence」には、さらにひし形の専用デザインが施された「パーフォレーテッド・ファインナッパレザー」のシートをはじめ、レザートップ・ダッシュボードなど、最高級の品質にこだわった素材を採用。

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スウェーデンを代表するクリスタルブランドであるオレフォス社によるハンドメイドのクリスタルグラスと クリスタル製グラスカップホルダーも見どころです。

ほかにも、ショーファードリブンにふさわしく、車内の防音性能も強化されていて、「Bowers&Wilkins」のサウンドシステムの性能をより引き出せるそうです。

ベース車は、XC90の最上級グレードであるPHVの「T8 Twin Engine」がチョイスされています。

同パワートレーンは「Drive-E」と呼ばれる2.0Lの直列4気筒スーパーチャージャー付直噴ターボエンジンと電気モーターの2つのユニットを組み合わせることで、320ps+87ps (欧州参考値)という高出力と、15.3km/L(JC08モード)の燃費性能を実現。電気モーターのみで35.4km (充電電力使用時走行距離)のEV走行が可能になっています。

「XC90 Excellence」の正式なモデル名は、「XC90 T8 Twin Engine AWD Excellence」 で、価格は1299万円です。

(塚田勝弘)

最小の変更で大きく印象を変えたボルボのエース ─ ボルボ「V40」画像ギャラリー

プレミアム・ショートワゴンを名乗るボルボV40は、VWゴルフやメルセデス・ベンツAクラスなどの激戦区に投入されているCセグメントモデルで、ディーゼル搭載車やSUVテイストのV40クロスカントリーも用意されています。

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2016年7月のマイナーチェンジでは、「トールハンマー」を模したT字型LEDヘッドライトを採用しているほか、新しいブランドマーク、バンパー下側のモールなどのデザインを現行。リヤは新グレードエンブレムを採用しているだけですが、顔つきは変更前よりもスタイリッシュになっています。

Volvo_V40_02内装は、新型XC90を彷彿とさせるアンバーカラーのレザーを設定しているほか、新色のアクセントステッチ、「シティ・ウィーブ」と呼ぶテキスタイルシートなどを用意。インパネの加飾も「ミルドアルミニウム」、「ブラックグリッドアルミニウム」、R-DESIGN向けの専用アルミニウムパネルを新た設定。

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フロントグリルのブランドロゴである「アイアン」マークも新しくなっていますが、ステアリングホイールに配されるそれも併せて新しくなっています。

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ほかにも、16、17、18インチの3つの新デザインアルミホイール、新「アイアン」マークのリモコンキーなど、マイナーチェンジを受けたボルボV40は、細部にまでリフレッシュされています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

ボルボ・V40らしさが最も味わえる1.5Lガソリンターボ「T3」の実力

ボルボ・V40が受けた2016年7月のマイナーチェンジでは、パワートレーンやシャーシには手が入れられていないものの、最新のCセグメントモデルにふさわしい乗り味を享受できます。

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乗り心地、ハンドリングともにクセがなく、最もベーシックな「T3」ガソリンエンジン搭載車は、ベーシックモデルでありながら「軽快さと上質さ」というV40の良さを最大限味わえる仕様に仕上がっています。

「T3」というエンジンの呼び名ですが、直列3気筒ではなく1.5Lの直列4気筒DOHCターボを横置きしたFFモデルで、152ps/5000rpm、250Nm/1700-4000rpmというスペックを得ています。組み合わされるトランスミッションは、アイシンAW製の6速ATのみ。

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V40には、190ps/400Nmを誇る「D4」こと2.0Lディーゼルターボ、245ps/350Nmを発揮する「T5」の2.0Lガソリンターボも用意されていて、ディーゼルはトルクフルで高いランニングコスト、2.0ガソリンターボは「R-DESIGN」というスポーツグレードに搭載されるなど、それぞれ長所を備えています。

「T3」以外は8ATとなるなど、カタログだけ見ていると動力性能や走りに不安を抱く向きもあるかもしれません。

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しかし、「T3」エンジンは、V40よりも重いS60/V60にも搭載されていて十分な走りを実現していますし、V40 T3の登場時も乗る機会を思い起こしても期待どおりの、それ以上の軽快感、力強い走りを披露してくれました。

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6ATでも走り出しからスムーズですし、速度を上げていってもレスポンスもいいですから走行シーンを問わずストレスフリーな走りを楽しめます。

価格面も歩行者用エアバッグを含めて「全部のせ」状態ですから、339万円〜手に入る「T3」搭載モデルは、他のエンジン搭載車と比べても万人に推奨できるバランスの良さが光っています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

最新のボルボ顔に変身したスマートなV40はボディカラーも魅力

2016年7月上旬にフェイスリフトを受けたボルボV40。世界累計で38万台超、日本でも2万7000台に迫る販売台数で、現在のボルボを牽引しています。

さらに日本では、Cセグメント唯一のディーゼル搭載モデルでしたが、プジョー308、DS 4にディーゼルが加えたことで同クラスでのディーゼル人気がさらに高まるはず。

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V40には注目が集まっている2.0Lディーゼルのほか、ガソリン(1.5L、2.0L)も用意されています。試乗したのは直列4気筒ガソリンのT3エンジンを積む「V40 T3 Momentum(モメンタム)」。

今回のマイナーチェンジでは、新型XC90にも採用された、北欧の神話に由来する「トールハンマー」と呼ばれるT字型LEDヘッドライトが印象的。

同社のブランドマーク「アイアン」のデザイン(矢印)をリフレッシュしてフロントグリルに配置するなど、少変更でも最新のボルボらしいスタイリッシュな雰囲気に仕立てられています。

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また、細かな所ではフロントグリル内にある衝突被害軽減ブレーキ用のミリ波レーダーのカバーを見えにくいものにするなど、細部にまで配慮されています。

新しさを感じさせるのが加速させるのが新しいボディカラーで、1960年代に人気を集めたP120系のAMAZONにも採用されていた「アマゾンブルー」の現代版(新色)をはじめ、「ルミナスサンドメタリック」、「マッセルブルーメタリック」、新色「デニムブルーメタリック」、「バースティングブルーメタリック(R-DESIGN専用)」5色を用意。

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とくに「アマゾンブルー」は、メタリックではなくソリッドカラーでありながら印象的な色味を実現しています。

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内装では、2014年のジュネーブモーターショーに出展された「コンセプト・エステート」からエッセンスが受け継がれた写真の「シティ・ウィーブ」というテキスタイルシートが採用されているほか、インパネの加飾も3種類のデザインを追加。

装備面でも歩行者エアバッグを全車に標準装備し、高い安全性性能がさらに引き上げられています。

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価格は「V40 T3 Momentum(モメンタム)」が384万円、V40の価格帯は339万〜455万円、V40 クロスカントリーは354万〜459万円です。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

ボルボが米・ウーバー社と自動運転開発で提携した狙いとは?

日本でもサービスを開始しているアメリカのUber(ウーバー)。アプリを使って、タクシーだけでなく個人のクルマも含むライドシェアを世界中の都市で展開しています。

日本では個人所有のクルマとドライバーの利用は「白タク」行為に当たるとして、福岡の実証実験は途中で国交省から「待った」がかかり、現在は富山県南砺市とウーバーが提携することで、無償を前提とした実証実験が行われています。

Volvo Cars and Uber join forces to develop autonomous driving cars

クルマの乗り方を変えるタクシーの配車サービス、そしてライドシェアは、ウーバーに限らず、車両が自動で迎えに来てくれる完全自動運転との関連性を感じさせます。

2016年8月19日、ボルボ・カーズとウーバーが自動運転車の開発で合意しました。

ドライバーがいない完全な自動運転を含む、最新の自動運転技術の開発に対応できるよう、XC90を元にした新しいベース車を開発するジョイントプログラムの立ち上げの合意に達したというもの。

ベース車はボルボによって生産され、ウーバーがボルボから購入するカタチになり、ボルボとウーバーはこのプロジェクトに3億USドル(約300億円)を出資。

Volvo Cars and Uber join forces to develop autonomous driving cars

ウーバーが自社開発した自動運転システムをボルボのベース車に搭載し、またボルボは同じベース車両を、完全な自動運転を含む自動運転戦略の次世代車として活用するとしています。

新しいベース車は、ボルボの新世代プラットフォームスケーラブル・PRODUCT・アーキテクチャー(SPA:Scalable Product Architecture)を元に開発され、最新のXC90を始め、S90/V90でも採用されています。

Volvo Cars and Uber join forces to develop autonomous driving cars

ボルボはお膝元スウェーデンや中国で100台規模の自動運転の実証実験を推進するとしていて、今回の提携でさらに自動運転技術を高めるのは間違いないでしょう。

ボルボは2020年向けてボルボ車による死亡事故ゼロを掲げています。世界で毎年100万人以上が交通事故で亡くなるという現状は、ボルボだけでは解決できないとして今回のような提携の意義を強調しています。

(塚田勝弘)

ボルボ・S60/V60 ポールスターが367ps/470Nmを誇る最新エンジンを搭載

ポールスター社は、本国スウェーデンのツーリングカー選手権やFIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)をはじめとしたレース活動のほか、ボルボの市販車をチューニングしたハイパフォーマンスモデルを投入してきました。

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2015年7月にボルボがポールスターを完全子会社化しました。

これは、メルセデス・ベンツのAMGやBMWのM社などのようにメーカーとチューナーが一体となって高性能車を市販化するのが狙いで、ブランドイメージの引き上げや利益率の高い高価格帯モデルの拡充などといった利点が考えられます。

さて、8月5日に発売された新型「S60 Polestar/V60 Polestar(ポールスター)」は、2016年シーズンよりWTCCに参戦している「S60 Polestar TC1レーシングカー」の技術が注がれたモデル。

ボルボの最新世代エンジンである「Drive-E」の「T6」をベースに、ターボチャージャーの大型化、スーパーチャージャーの強化、コンロッドとカムシャフトの見直し、エアインテークの大型化、燃料ポンプの大容量化といった変更によって性能が引き上げられているのが最大の注目点です。

「T6」エンジンの2.0L直列4気筒ターボは、367ps/470Nmという強力なアウトプットを実現。従来型の3.0L 6気筒エンジンを上回る性能を発揮し、0-100km/h加速は4.7秒(S60ポールスター。V60 ポールスターは4.9秒)、最高速度250km/h(リミッター作動)のハイパフォーマンスを実現。

燃費も欧州値で12.2km/L(JC08モードは11.2km/Lになる見込み)を達成し、最大27%燃料消費率を改善。なお、上記のスペックは現在申請中のため予定値となります。

さらに、新たに「Sport+(スポーツプラス)」モードが採用されているほか、スポーツドライビングを実現するパドルシフト付8速オートマチックトランスミッションを搭載。

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専用にチューニングされた電動パワーステアリングや、パワー向上に対応するため新たに採用された371mmのスロット付フロントブレーキディスク、ブレンボ製6ポッドキャリパー、オーリンズ製DFVダンパーなどの採用によりハンドリングやブレーキ性能も強化。20インチのアルミホイールも新デザインとなっています。

ほかにも、新パワートレーンの採用によって従来型のS60/V60 Polestarから車両重量が削減されていて、フロントアクスルを中心に軽量化を実現。重量配分の最適化により、ハンドリング性能の向上も期待できます。

価格はS60ポールスターが839万円、V60ポールスターが859万円で、計100台限定です。

(塚田勝弘)

ボルボのSUV『XC60』次世代型はこうなる!

ボルボのコンパクトクロスオーバーSUV『XC60』次世代型のレンダリングCGを、欧州スパイエージェントから独占入手したました。

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今回が初のフルモデルチェンジとなる次世代型は、兄貴分『XC90』譲りのT字型ポジションライトを備えると同時に、フロントのエアインテーク、リアサイドウィンドウの処理などは、『ボルボ40.1コンセプト』からデザインの多くを取り入れているようだです。

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新型では、「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー」をベースに、ホイールベースを延長、室内空間をより充実させ、ボルボ自慢の4気筒「Drive-E」パワートレインを採用、低燃費かつ、パワフルな走りを目指します。

ワールドプレミアは2017年3月のジュネーブモーターショーと予噂されています。

(APOLLO)

歩行者エアバッグを標準装備した新型ボルボ・V40シリーズ

2代目にスイッチしたアウディQ7。新型Q7のスリーサイズは全長5070×全幅1970×全高1735mmと、日本ではフルサイズSUVといえる大きさです。

それでも年々拡大するプレミアムモデルの中にあって、先代Q7(5090×1985×1740mm)よりも若干小さくなっているのは朗報といえそう。

さらに、重厚感のあった初代よりもスッキリしたフォルムになったことも視覚的に威圧感が薄れた理由になっている気がします。

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10年目にして初のフルモデルチェンジを受けたQ7は、時代の分だけダイエットされているのも美点で、アルミ(ドア、エンジンフード、テールゲート、フロントフェンダーなど)と高強度スチールの組み合わせにより、ボディで71kg、ドライブドレインで約20kg、サスペンションやステアリング、ブレーキなどのシャーシで約100kg以上も軽くなっているそうですから驚き。

トータルでは最大300kgの軽量化により、クラストップレベルの軽量化、そして空気抵抗低減が達成されています。

軽くなれば動力性能や燃費の面に好影響を与えるのはもちろんで、新設定された2.0Lの直列4気筒エンジン搭載車も売れるはず、という手応えをアウディ ジャパンが抱くのもよく理解できます。

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導入当初は高いグレードが売れるという傾向があるため、改良された3.0L TFSIエンジン搭載車が半分以上を占めているそうで、とくに先代Q7からの買い替え層は3.0Lを選ぶ傾向が強いそう。

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試乗車はその3.0LのTFIS搭載車(Q7 3.0TFIS quattro)が割り当てられましたが、333ps/440Nmというスペックは、先代3.0Lの272ps/400Nmから大きく向上しているとおり、大きさを感じさせない強烈な加速をどの速度域でも味わえるのが魅力。

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先述した最大300kgの軽量化もあって3.0L TFSIの燃費は、先代の8.6km/Lから11.7km/Lと37%改善しているのも魅力ですし、先代オーナーを中心に予想よりも3.0L車が売れている理由のひとつといえそうです。

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トランスミッションは全車に8速ティプトロニックが組み合わされていて、トルクコンバーター付の多段ATらしくスムーズな変速フィールとなっていますし、速度域を問わず扱いやすさを感じさせてくれます。

残念ながらインポーター「いち押し」の2.0L搭載車は試乗できませんでしたが、こちらも大きなQ7を十分に走らせるというアウトプット(252ps/370Nm)に加えて、12.6km/Lというカタログ燃費を達成していますから、実用上は2.0Lモデルを本命で選んでもいいでしょう。

(文/写真 塚田勝弘)

ボルボ、「V90」に「クロスカントリー」投入へ!

現在ボルボのフラッグシップモデルには、セダンの「S90」、SUVの「XC90」、ワゴンの「V90」がありますが、90シリーズ第4のレンジとなる「V90 クロスカントリー」が投入されることが分かりました。

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スペインで撮影されたプロトタイプには分厚いカモフラージュがされていますが、ボルボ最新デザインキューのT字型ポジションライトやDピラーに沿って光るリアコンビランプが確認できます。

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新型「V90」と比較すると、車高は高くセッティングされ、よりアクセントの強いルーフレールが設置されるほか、大径ホイールなどによりアウトドア色の強いモデルとなります。

パワートレインは「XC90」から流用される「T8ツインエンジンAWDプラグインハイブリッド」で、新世代2リットル直列4気筒「ドライブ-E」と組み合わされます。

ワールドプレミアは早くて2017年3月のジュネーブモーターショーとなりそうです。

(APOLLO)

新プラットフォームを採用する、ボルボ・新型40シリーズのコンセプトカー

最上級SUVの新型ボルボXC90により、新しいステージに上がったことを感じさせるボルボ。新鮮味のある内・外装をはじめ、走りや環境性能の進化も見逃せません。

Volvo Concept 40.1 front seven-eights

もちろん手綱を緩める気配はなく、今回新たに2台のコンセプトカーが発表されました。

フォトデビューしたセダン系クロスオーバーとSUVモデルの新型「40シリーズ」のコンセプトカーは、ボルボのプレミアムコンパクト戦略の全容を示すというモデル。

Volvo Concept 40.2 rear quarter low新40シリーズのポイントは、目を惹く内・外装デザインはもちろん、最先端を行くコネクティビティ、車両の電動化、自動運転技術を兼ね備えたコンパクトカーという点。

市場が大きく、収益性も見込めるプレミアムコンパクトカーのグローバル市場に投入されるとのこと。

Volvo Concept 40.2 rear quarter high

T5 Twin Engine on CMA and T8 Twin Engine AWD on SPA

ボルボの「コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー(CMA)」から生み出される初のモデルで、小型車用の新開発プラットフォーム「CMA」により、大胆で斬新なデザインと設計を追求することが可能になったそうです。

今後4年以内に世界的な高級車メーカーと互角に競えるブランドに成長することを目指しているボルボにとって、数が期待できて利益率も高いプレミアムコンパクトは欠かせないピースなのでしょう。

また、ボルボは電動化車両を2025年までに累計100万台販売する目標を掲げています。

新型コンパクトカーには、EV、PHV(ボルボはTwin Engineと呼ぶ)モデルが含まれ、すべてのプロダクトラインナップで電動化を目指すというこのコミットメントに沿ったものになっています。

Drive-E 3 cylinder Petrol - interior

エンジンは「Drive-E」戦略に基づいて4気筒までとしていて、現状は4気筒のみですが、直列3気筒も登場する予定。

T5 Twin Engine - Regenerative braking

新型T5ツインエンジンは、自社の新型3気筒ガソリンエンジンとモーターに連結した新型7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)をベースにしたもので、既存の「ツインエンジンAWD」のアプローチをコンパクトカー用の手頃なFFベースのシステム向けとしたものになっています。

Volvo Concept 40.2 front

このコンセプトカーのまま市販化されるわけではないでしょうが、2017年にも新しい「40シリーズ」モデルの生産が開始される予定だそうです。

(塚田勝弘)

3〜4歳までは「後ろ向き」に座らせる必要がある!? ボルボが新しいチャイルドシートを発売

ボルボ車といえば安全性への徹底したこだわりが知られています。2020年までに新しいボルボ車での死者や重傷者をゼロにするという「ビジョン2020」を掲げているのも一例です。

Childseat

また、ボルボ車のシートベルトのタングプレート(金具)部には「SINCE 1959」の刻印がされており、3点式シートベルトを乗用車に初めて搭載(特許を開放したボルボらしいこだわりが感じられます。

チャイルドシートへのこだわりも強く、1972年にはボルボ初の後ろ向きチャイルドシートを開発したのを皮切りに、1976年には世界初のチャイルド・クッション1978年には車内設置型チャイルド・クッション、1990年にはリヤシート中央部に内蔵される初のインテグレーテッド・チャイルド・クッションを開発しています。

今回、1960年代初頭から自動車メーカーとして初めてチャイルドシートの衝突試験を行ってきたボルボが新しいチャイルドシートを発売します。これも「ビジョン2020」達成に欠かせないピースのひとつなのでしょう。

チャイルドセーフティのパイオニアを自認するボルボでは、チャイルドシートの開発、保護者に向けた分かりやすい装着方法と正しい使用方法についてのマニュアルの提供など、子どもの安全を考えた積極的な取り組みを行ってきたこともあります。

実際に日本でもチャイルドシートに多いのが取付方法が正しくないミスユースが多く、JAFの調査によると装着されているチャイルドシートのうち、約64%が装着方法に問題があったというケースもあったそうです。

Childseat

ボルボセーフティセンターでシニアテクニカルリーダーを務めるロッタ・ヤコブソン博士も

「車内での子どもの安全は、多くの人にとって複雑で気がつきにくい問題です。ボルボは長年にわたり、チャイルドシートの必要性や正しい装着方法に関するガイドラインを提供してきました」

と語っています。

さらに

「少なくとも3〜4歳までは、子どもを後ろ向きに座らせる必要があり、身長140cmまでは、チャイルドシートやブースタークッションが必須となります。後ろ向きシートの安全性については疑問の余地がないのですが、多くの保護者が早い時期から子どもを前向きに座らせてしまっていますが、その理由のひとつに挙げられるのが快適性の問題。足もとのスペースが十分でないために子どもがぐずったり、チャイルドシートの生地が蒸れて暑がったりするためです」

とロッタ・ヤコブソン博士は説明しています。

驚きのコメントですが、確かに日本で3〜4歳まで後ろ向きに座らせている人はほとんどいないのではないでしょうか?

Volvo Cars' new generation child seats

そこで、ボルボの新型チャイルドシートは、通気性と快適性に優れたウール80%の生地を採用することで滑らかな手触りと優れた耐久性を実現し、気温に左右されず高い性能を発揮するそうです。さらにデザインもスリム化され、足もとのスペースを広げて快適性を向上。

Volvo Cars' new generation child seats

「ボルボの新しい後ろ向きチャイルドシートは、高い快適性を提供するとともに、子どもを長時間後ろ向きに座らせ続けることへの抵抗感を減らす」としています。今回発売されるチャイルドシートは、月齢や体重別に設定されています。

●新生児用シート:後ろ向き(体重13 kg以下、または生後9カ月まで)
●チャイルドシート:後ろ向き(生後9カ月から6歳まで。3〜4歳まで使用することを推奨)
●ブースターシート:前向き(後ろ向きシートには大きすぎる3〜10歳向け)

Volvo Cars' new generation child seats

なお、今回の新型チャイルドシートは、世界有数のチャイルドシートメーカーBritax-Romer(ブリタックス・レーマー)社とともに開発されたもので、ボルボ・セーフティ・センター(スウェーデン・ヨーテボリ)で試験され、日本には2016年後半より発売される予定です。

(塚田勝弘)

「Drive-E」2.0Lツインチャージャーを搭載した史上最強の「S60/V60ポールスター」がデビュー

「Drive-E」とは、ボルボの新しいパワートレーン戦略のことで、フォード傘下から離れて自前でエンジンを中心としたパワートレーンを作り上げ、現在数多くの車種に搭載されています。

気筒数は最大4気筒までで、全長4.9m超、全幅1.9m超の大SUVの新型ボルボXC90も例外ではありません。

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また、ボルボの傘下になったポールスター社は、レーシング活動だけでなく市販モデルの開発・チューニングにも深く携わっていて、2014年に初の公道仕様車を一部市場で発売しました。

今回のS60/V60ポールスターは、販売市場をこれまでの13カ国から47カ国に拡大するとともに、年間生産台数を従来の750台から1500台に倍増することで、日本だけでなく各市場での引き合いの多さに対応するとしています。

Polestar exterior static bright shots

最新のS60/V60ポールスターは、367ps/470Nmを誇るスーパーチャージャーとターボによるダブル過給器付の2.0L直列4気筒エンジンを搭載。0-100km/h加速は4.7秒、最高速度は250km/h(リミッター作動)に到達。

さらに、パフォーマンスが向上しているにも関わらず、クラストップレベルの燃費(7.8L/100km)とCO2排出量(179 CO2g/km)を達成しているのも自慢です。

標準の「T6」エンジンと比べると、ターボの大型化をはじめ、コンロッドとカムシャフトの変更、エアインテークの大型化、および燃料ポンプの大容量化などが図られています。

Challenging Marrakech races concludes promising first WTCC third

新型のS60/V60ポールスターは、「ポールスター・シアン・レーシング」が現在、FIA世界ツーリングカー選手権(WTCC)に参戦している新しい「S60 ポールスターTC1レーシングカー」のテクノロジーを受け継いでいます。

ベースとなるシャーシとエンジンには、「S60ポールスターTC1レーシングカー」と基本的に同一のテクノロジーを共有。

駆動方式は、ボルグワーナー社による4WDシステムで、ポールスター用にチューニングされたギアトロニック付新型8速ATが組み合わされています。

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そのほか、20インチの軽量ホイール、ポールスター用にチューニングされた電動パワーステアリング、および371mmの新しいスロッテッドブレーキディスクなどの新しい装備を用意。

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日本での発売時期、価格は未定となっていますが、新型S60/V60ポールスターの登場が楽しみです。

(塚田勝弘)

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他にはない雰囲気の上質な内・外装が魅力 ─ ボルボ「XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」画像ギャラリー

ボルボ車が持つ洗練された内・外装をより一層磨き上げられた新型ボルボXC90。その頂点に立つプラグインハイブリッドの「XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」は、とくにインテリアにおいてガソリン仕様よりもさらに高い質感が追求されています。

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標準装備となるナッパレザーシート(ベンチレーション&マッサージ機能付)をはじめ、リニアウォールナットウッド・パネルなどが上質な雰囲気を醸し出していて、クリスタルガラスのシフトレバーもプラグインハイブリッド専用アイテム。

ほかにも、ガソリン車にも装備されるダイヤモンドカットが印象的なスタータースイッチなど、細部にまで徹底したこだわりが感じられる造形美を堪能できます。

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外観では、21インチアルミホイール、インテグレーテッドルーフレール、インテグレーテッドテールパイプなどを装備。ほかにもステアリングホイールヒーター、リヤシートヒーター、パノラミックサンルーフなど内・外装に充実の標準装備が配されています。

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安全装備の充実ぶりも目を見張るものがあり、世界初の「インターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)」を含む新「City Safety」をはじめ、14種類の先進安全装備、運転支援機能を標準装備。

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ほかにも、塊感を感じさせながら、非常にスマートで洗練されたムードが漂うエクステリアなどボルボXC90ならではの魅力があり、ほかの大型SUVとは違った印象を受ける仕上がりとなっています。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

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35.4kmは長い?短い?ボルボ・XC90 プラグインハイブリッドのEV走行可能距離

96セルのリチウムイオン電池を搭載し、総電力は9.2kWh、200Vの普通充電で2.5〜3.0時間で充電が完了する、ボルボ・XC90のプラグインハイブリッド「T8 Twin Engine AWD Inscription」。

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バッテリーは床下中央に搭載され87ps(65kW)を発生。後輪を駆動するリヤモーターは後輪の左右間に配置されています。

さらに、エンジンのスターターモーターだけでなく、バッテリー用の発電・パワーブーストを兼ねるCISGと呼ぶジェネレーターも搭載されているほか、8ATのトランスミッションには、電動オイルポンプ、CIGSのための空間を確保するクラッチカバー、シフトバイワイヤ化のための改良が施されています。

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気になるEV走行の航続可能距離は最大で35.4km。

フォルクワーゲンのゴルフGTIが53.1km/hなど50km超のモデルもあることを考えると、短く思えますが、重量級SUVとしてはライバルと比べても遜色なく、BMW X5 xDrive40e(EU値)は31km、ポルシェ・カイエンS Hybridは36kmとなっています。

なお、国産勢では三菱のアウトランダーPHEVが60.8kmと、SUVでは群を抜いていますが、カタログスペックであることを考えるとどう評価するか難しいところ。

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充電は車両左前のリッドを開けて差し込むだけ。充電中は自動的にロックがかかり、キー操作をしないと充電ケーブルが抜けないようになっています。

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なお、電気モーターのエネルギー消費量をはじめ、エンジンの使用や電気モーターが推進として使われているか、回生中かどうかなどを中央の大型ディスプレイに表示される機能も用意されています。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

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ボルボ・XC90 プラグインハイブリッドの走りはどうか?

スーパーチャージャーと直噴ターボのダブル過給器付2.0Lエンジンに、リヤモーターが後輪を駆動するボルボ・XC90のプラグインハイブリッドモデル。

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グレード名は「XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」で、エンジンスペックは320ps/5700rpm、400Nm/2200-5400rpm。リヤモーターは87ps(65kW)/240Nmという数値で、システムトータルでは407ps/640Nm(欧州値)という高い出力、トルクを誇ります。

発進時から非常に静かでスムーズなのはもちろん、21インチタイヤとは思えないほど乗り心地は良好。試乗車はオプションのエアサスペンションを装着。

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エアサスペンション装着車でもひと昔前のフワフワとした乗り味ではなく、適度に引き締まっているのも印象的。ノーマルサスがどんな乗り味を示すのか興味深いですが、試乗する機会があればご報告したいと思います。

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ただし、同じエアサスのガソリン仕様と比較すると、車両重量の重さを感じさせるフィーリング。床下に重量物のバッテリーを積むPHVらしい乗り心地で、荒れた路面だと左右にボディが揺すられるようなシーンもありました。

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動力性能はもちろん不満を一切感じさせないもので、エンジンが始動し、スーパーチャージャー、ターボと過給が切り替わっても遮音対策が念入りにされているためか静粛性の高さも1000万円超の価格にふさわしいレベルといえます。

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そのほか、PHV向けに「DRIVE MODE」も用意されていて、「Pure mode」にするとモーター走行が最優先となり、バッテリー状態などによっては125km/hまでEV走行となるそうです。また、同モード時は車高が10mm下がります。

そのほか、エンジン、バッテリー、モーターを走行状況などに応じてバランスよく使い、燃費も最も良い「Hybrid mode」、市街地などでのモーター走行に備えてバッテリーを温存する「Save mode」は、バッテリー残量が少ないと33%まで充電が可能に。

「AWD mode」が用意されているのも特徴で、路面状態が悪い場合などはトラクションが最大化されます。

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音・振動面の対策も抜かりのないボルボXC90プラグインハイブリッド。1009万円という価格は万人に推奨できるものではありませんが、大型SUVのPHVで3列を実現するなどによりモデルライフを通して一定の支持を得そうです。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

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■1000万円超となるボルボXC90プラグインハイブリッドモデルの魅力とは?
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1000万円超となるボルボ・XC90 プラグインハイブリッドの強みとは?

北米などを中心に好調のボルボXC90は、「北米トラック・オブ・ザ・イヤー」、「2016 SUVオブ・ザ・イヤー」に輝くなど、世界的な話題を集めている新世代ボルボを象徴するモデルといえるでしょう。

日本でも1月27日の発売以来、3月末までの約2カ月で300台以上を受注しているそうです。

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新しさを感じさせる内・外装だけでなく、パワートレーンも見どころ満載。

なかでも1000万円超えとなるプラグインハイブリッドの「XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」は、環境性能だけでなく動力性能などXC90を象徴するモデル。

フロントに搭載されるエンジンは、2.0Lの直列4気筒直噴ガソリンターボにスーパーチャージャーを加えたダブル過給器付き。それに加えて87ps(65kW)、240Nmを発揮するリヤモーターが後輪を駆動する4WDとなっています。トランスミッションは他グレードと同じように8ATを搭載。

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The all-new Volvo XC90 Twin Engine is a plug-in electric car, hybrid car and high-performance car rolled into one. A two-litre, four-cylinder supercharged and turbocharged Drive-E petrol engine powers the front wheels and an 80 hp (60 kW) electric motor drives the rear wheels. The battery pack is located in the centre of the vehicle.

気になる燃費は15.3km/Lで、200Vで2.5〜3時間かかるという充電電力使用時の航続可能距離は35.4km。近所への買い物などなら充電電力でもまかなえそうです。

なお、システムトータルでは407ps/640Nm(欧州参考値)と大出力を誇り、燃費だけでなく動力性能への期待も高まります。

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また、PHV化によりボディ補強など一部手が入れられています。

トンネルは高電圧バッテリーを積むためボディ中央部が高くなっていて、リヤのフロアはハイブリッドコンポーネント搭載のためガソリン仕様よりも高く、サイドシルにはガソリン仕様よりも370mm長い補強メンバーが配置されているそうです。

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それでも7人乗りを実現しているのもポイントで、バッテリーは車両の中央に配置し、リヤモーターによりドライブシャフトが不要など、巧みなパッケージングも自慢です。

SUVのPHVは最近モデル数が増えていて、BMW X5をはじめ、レクサスRXや三菱アウトランダーなどもありますが、7人乗りのXC90(PHV)は確かに強み。

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あとは1009万円という価格でしょうが、ボルボが高級ブランドとしても認知されるには1000万円超という価格帯は不可欠でしょうし、それを最上級SUVのプラグインハイブリッドで提供するというのは確かな戦略といえそうです。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

新エンジンを搭載したボルボ60シリーズ ─ ボルボ「S60」画像ギャラリー

2016年2月に一部改良を受けたボルボ60シリーズ。ボルボの販売のうち約36%を占める主力シリーズになっています。

セダンのS60、ワゴンのV60、SUVのXC60を揃え、ボルボ自慢の安全装備「IntelliSafe(インテリセーフ)」を60シリーズ全車に標準装備するほか、ナビやエンタメ機能を直感的な操作で楽しめるインフォテインメントシステム「SENSUS(センサス)」などを装備。

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最も大きな改良ポイントは、S60、V60、XC60の上級グレードに「Drive-E」パワートレーン戦略に基づき、自前の2.0L直列4気筒スーパーチャージャー+直噴ターボの「T6」エンジンを設定したほか、S60、V60に直列4気筒ターボの「T3」エンジンを設定した点です。

試乗車のS60 T3 SEは、エントリーグレードながら運転席パワーシート、17インチアルミホイールのほか、HDDナビゲーションシステム、アクティブベンディング・デュアルキセノンヘッドライトなどを標準装備し、価格は434万円。

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さらに、本革シート、フロントシートヒーター、助手席8ウェイパワーシート、地上デジタルTVチューナーからなる「レザー・パッケージ」を31万円で設定。

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白いボディカラーの「S60 T6 AWD R-Design」は、R-DESIGN専用の内・外装が施されており、本革スポーツシート、スポーツサスペンションといった専用装備のほか、スペシャルデザイン19インチアルミホイール、プレミアムサウンドシステム・マルチメディア、パークアシスト・パイロット、自動防眩機能付ドアミラーも用意される充実装備のスポーティグレードになっています。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

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スーパーチャージャーと直噴ターボを積むボルボ「S60 T6 AWD R-DESIGN」は豪快な加速が魅力

ボルボS60、V60に追加された直列4気筒エンジンの「T3」の後は、同じ直列4気筒でありながらスーパーチャージャーと直噴ターボのダブル過給器を搭載したS60の「T6 AWD R-DESIGN」に試乗しました。

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「T3」は152ps/250Nmというスペックですが、「T6」は306ps/5700rpm、400Nm/2100-4500rpmというアウトプットで、まさに「T3」の約2倍となる最高出力を得ています。

旧型の「T6 AWD」と比べると出力は2psアップとほとんど変わらず、最大トルクは40Nm低くなっていますが、S60の場合は燃費が60%向上し、13.6km/LというJC08モード燃費を実現。

なお、S60、V60の「T6 AWD R-DESIGN」は、自動車取得税40%軽減、自動車重量税25%軽減、自動車税50%軽減のエコカー減税対象車となっています。

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ターボチャージャーは自社開発の鋼板製タービン、マニフォールドが採用され、軽量化、遮熱性の改善により排ガス、燃費の改善に貢献しているとのこと。

さらに、ルーツ式スーパーチャージャーは、4枚のブレード付らせん状ローター、インペラーブレードを採用し、3500rpm以下でクイックなレスポンス、パワーを得られるのが特徴です。

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3500rpmまでスーパーチャージャーが受け持ち、3500rpm以上では直噴ターボがパワーを引き出しますが、その切り替わりやターボラグのような違和感は最新の過給エンジンらしく、意識しないとほとんど感じさせません。

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さらに、アイシンAW製8ATのシフトフィールは変速の仕事ぶりを意識させないほどスムーズですから、アクセルを意識的に強く踏み込まない限り、過給遅れなどは察知させないほど。

逆に言うと、タウンスピードであれば乗り比べた「T3」と大きな差は感じさせず、倍もある最高出力、そして150Nmもの差がある最大トルクの恩恵は、「宝の持ち腐れ」までは言わなくても出番なし、というのも当然かもしれません。

大人4人乗車などの機会が多く、高速道路を使ってのロングツーリングあるいはワンデードライブであれば、余裕の走りを得たければ断然「T6」の方が優位。高速道路で加速する際などは胸がすくようなパンチ力が味わえますし、上り坂での力強さも一枚以上上手なのは間違いありません。

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なお、「T6 AWD R-DESIGN」の乗り心地ですが、以前のR-DESIGNほどの硬さはそれほど感じさせず、全体に軽快感の強い「T3 SE」よりも重厚感はあるものの、ファミリーユースでも許容できる範囲ではないでしょうか。

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S60、V60には、「T3」と「T6」以外にもディーゼルターボの「D4」、直列4気筒ターボの「T5」もありますからパワートレーン選びに悩まされそうですが、街中が中心なら「T3」、長距離&多走行となりそうなら「D4」、豪快な加速と4WDのスタビリティの高さなら「T6」、バランスの良さなら「T5」などのように、乗り方次第で吟味したいものです。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

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ボルボ・S60、V60に搭載される1.5L 4気筒直噴ターボの走りは?

ボルボが「T3」と呼ぶ1.5Lの直列4気筒直噴ターボは、V40にも搭載済みで、日本導入時に試乗する機会もありました。

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180psの「T4」やディーゼルターボの「D4」と比べると、高速域のパンチ力やトルク感では及ばないものの、「D4」よりも鼻先を中心としたボディの軽さは際立っていて、街中メインの使い方であればV40には「T3」がベストマッチかも、と思わせてくれる仕上がりになっています。

一方で、ひと回り大きく約100kg重いS60(試乗車はセダンのS60で、ワゴンのV60にもT3を設定)には、152ps/5000rpm、250Nm/1700-4000rpmというスペックの「T3」は荷が重いのではないか? という懸念は当然ながら浮かんできます。

なお、V40「T3」のエンジンスペックも同値です。

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さらに、S60、V60に搭載されるトランスミッションは「T3」のみ6ATで、「D4」、「T5」、「T6」は8ATですから、変速フィールのマナーも気になるところ。

街中や少し流れの速い郊外路で走り出すと、トルク感や加速性能に不満はほとんど感じさせず、その後試乗したスーパーチャージャー+ターボ搭載の「T6」と比べても街中、郊外路で流す程度であれば大差は感じさせません。

また、こうしたシーンなら6ATの変速マナーもほとんど突っ込みどころはなく、JC08モード燃費が16.5km/L、エコカー減税対象(自動車取得税60%軽減、自動車重量税50%軽減、自動車税75%軽減)という点も魅力的に思えます。

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同じタイミングの2016年2月にS60、V60、XC60の60シリーズに設定されたダブル過給器の「T6」エンジンについては別記事でご紹介しますが、この「T3」エンジン搭載車は、高速道路や上り坂でも普通に流す分には、特にパワー不足を感じさせません。

S60、V60も街中メインの乗り方ならT3で十分という印象で、それほど速さを求めないのであれば満足させてくれるはずです。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

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ボルボがスタートさせる公道での自動運転実験の野心的な狙いとは?

ボルボのクルマといえば、安全性へのこだわりを思い浮かべる人もいるでしょう。

いまや大半の新車に標準もしくはオプションで用意されている衝突回避・被害軽減ブレーキも、日本ではボルボがいち早く導入しており「アイサイト」で知られるスバルよりも早く、2009年にXC60に搭載されています。

Volvo XC90 Drive Me

外資のボルボが先んじたから、というわけではないでしょうが、機能の認可など、諸手続をめぐって国土交通省通いで苦労した逸話もうかがったことがあります。

ボルボは現在、「2020年までにボルボの新車に乗車中の死者・重傷者をゼロにする」という「VISION2020」を掲げています。

同社が熱心に推進している自動運転の実験は、こうしたビジョンの成功に欠かせないだけでなく、安全性への追求に終わりはない、というポリシーを貫くための目標なのかもしれません。

ボルボは、2017年にロンドンにおいて、英国史上で最も野心的な自動運転実験を開始すると発表しました。。

この実験は「自動車事故の大幅な減少と渋滞からの開放、そして運転者の貴重な時間の節約を実現する自動運転技術の導入速度を加速させるべく実施」するという、「野心的」と表現するのにふさわしい目的が掲げられています。

Autonomous driving

ボルボのイギリスでの実証実験は「Drive me London」と呼ばれ、ほかの自動運転実験とは、一般のドライバーも自動運転車を公道で使用するという点で一線を画しています。

この実証実験により、一般の参加モニターが日常使いをする自動運転車からデータを収集。クローズドのテストコースで行われる非現実的なテストとは全く異なる実際の道路環境にマッチした自動運転車の開発に活用する予定です。

Volvo XC90 Drive Me

また、ロンドンの保険産業の研究機関であるサッチャムが、技術データの分析と実験の一部として必要な各種のプロテストドライバーを提供します。

なぜ、保険産業の研究機関が絡んでいるのでしょうか。

これは、オートブレーキの導入により保険料金のレートが引き下げられているイギリスでは、自動運転の分野でもこうした保険の研究機関の分析は不可欠なのだと思われます。

この「Drive me London」は、2017年初頭から限られた数の半自動運転車から始まり、2018年には自動運転車100台を含むレベルまで拡大する予定。

英国の交通史上、最も大掛かりな自動運転の実証実験となるそうです。

IntelliSafe Auto Pilot interface

現在、事故の約90%はドライバーのミスや注意散漫で起きているそうですが、自動運転技術によりそのほとんどを防ぐことが可能となります。

ほかにも混雑や渋滞の解消、ドライバーの運転時間からの解放など、自動運転により得られる効果はいくつもあげられます。遠い未来の話ではなく、課題は数多くありながらも段階を踏みながら実現に向けて近づいているようです。

(塚田勝弘)

ボルボ60シリーズに「Drive-E」戦略の新エンジンを搭載

「Drive-E」と呼ばれる自社製のパワートレーン戦略により、エンジンのラインナップを徐々に刷新しているボルボ。

フォード傘下から離れたことで、こうした戦略を掲げる必要があったのでしょうが、4気筒以下、2.0L以下、電動化も見据えたもの。

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ガソリンとディーゼルも共通の基本構造で「25%は共通部品、25%は異なる部品、50%は類似部品」となっているそうです。ガソリンエンジンはT3、T4、T5、ディーゼルエンジンはD4が導入されているほか、最上級SUVのXC90にはT5、T6、T8が導入されています。

さらに、セダンのS60、ステーションワゴンのV60、SUVのXC60にこの「Drive-E」戦略により開発された新エンジンが搭載されました。

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ボルボの60シリーズは、日本の販売比率(2015年)のうち約36%を占めるという主力シリーズで、上級グレードに2.0Lの直噴エンジンである直列4気筒スーパーチャージャー+ターボの「T6」を設定。

さらに、XC60をのぞくS60、V60に1.5Lで直列4気筒ターボの「T3」を搭載した「T3 SE」グレードを追加しています。

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ボルボらしく安全装備は充実しており、ミリ波レーダー、カメラ、赤外線センサーからなるシステム、歩行者・サイクリスト検知機能付追突回避・軽減フルオートブレーキシステムやACC(アダプティブクルーズコントロール)など、10種類の先進安全装備からなる「IntelliSafe(インテリセーフ)」も全車に標準装備。

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価格帯は、S60が434万円(T3 SE)〜614万円(T6 AWD R-DESIGN)、V60が454万円(T3 SE)〜634万円(T6 AWD R-DESIGN)、XC60が539万円(D4)〜719万円(T6 R-DESIGN)となっています。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

「2025年までに電動化車両を100万台販売」を計画するボルボの戦略とは?

電動化車両には、ピュアEVだけでなくPHEV(プラグインハイブリッド)などがありますが、ボルボでは「2025年までに累計100万台販売」するというビジョンを掲げています。

The all-new Volvo XC90 - Charging

すでに、最上級SUVのXC90に「XC90 T8」と呼ばれるプラグインハイブリッドを設定、日本にも導入していますが、価格は1000万円の大台を超えていますので、指名するのはほんの限られた層といえるでしょう。

この目標をクリアするため、すべてのプロダクトラインナップで少なくとも2種類のハイブリッドモデルの投入を計画しているそうで、2019年には初めてのピュアEV(電気自動車)を発売する予定とのこと。

The all-new Volvo XC90 Twin Engine powertrain

世界販売台数で2015年度に過去最高を記録し、50万台規模(2014年度比8%増)になったといはいえ、ボルボが10年を切った残りの年月で累計100万台の電動化車両を販売するには、手が届きやすい価格帯のモデルも不可欠でしょう。

ボルボが掲げる「Drive-E」と呼ぶパワートレーン戦略では、最大4気筒までのエンジン、クリーンディーゼル、そして電動化も見据えられていて、ここ5年間、加速するクルマの電動化に準備を進めてきたとのこと。

Twin Engine T8 Volvo S90 Inscription White

大型車用、小型車用の2種類のまったく新しい車台(プラットフォーム)を開発し、「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャ(SPA)」と「コンパクト・モジュラー・アーキテクチャ(CMA)」と呼ばれ、ハイブリッドまたは電気自動車のいずれにも対応可能となっています。

Front Quarter Volvo S90 White

大型の90シリーズと60シリーズの車種の「SPA」によるモデルチェンジを開始しており、近い将来、小型の40シリーズを「CMA」により開発、生産する予定だそう。

Profile Left Volvo S90 White

これらの車種すべてに電動化されたモデルが設定され、2025年までに累計で100万台販売するという目標が設定されています。

ボルボは「2020年までに新しいボルボ車で死亡者や重傷者をゼロ」にするという「VISION2020」を掲げていますが、社是といえる安全性に加えて、電動化車両、また力を注いでいる自動運転技術でも存在感を示すことで、さらなる拡販につなげる計画です。

(塚田勝弘)

ボルボの新型最小クロスオーバーSUV「XC40」、レンダリングCG流出!

ボルボの新型最小クロスオーバーSUV『XC40』のレンダリングCGが欧州エージェントからリークされました。

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リーク元によれば、「XC40」はボルボと親会社である吉利(中国)が共同で開発した、次世代モジュラープラットフォーム「CMA」(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)が採用されるようです。

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ボルボは今後3年間に「40」シリーズの充実を図るスケジュールがありますが、「XC40」はその第一弾となります。

パワートレインには、新開発の1.5リットル直列3気筒ターボエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドも噂されています。

ヘッドライトには「XC90」と同じT型デイタイムランニングライトを装備した、プレミアム・コンパクトSUVとなりそうです。

(APOLLO)

人気モデルのアン ミカがプロデュースしたボルボ「V40 Cross Country Ahn Mika Selection」

ベース車のボルボV40よりも30mm全高が高い1470mm、最低地上高は10mm高い145mmというボルボV40クロスカントリーは、SUV風のクロスオーバーという雰囲気が漂うモデル。

現在の日本で買えるCセグメント(ハッチバック)では珍しい存在といえます。

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基本的には背の低いハッチバックのお色直し系ですから、SUVまでは要らない人にちょうどいいでしょう。中でもV40はクーペ風のスタイリッシュなフォルムですから都会にも似合うムードも魅力。

ベース車と比べると、乗降性の良さやアイポイントの高さなども美点で、スキーやキャンプなどの相棒としても活躍してくれるはず。

そのV40クロスカントリーに設定された特別仕様車の「V40 Cross Country Ahn Mika Selection」は、人気モデルでテレビやラジオなどでも活躍しているアン ミカさんがプロデュースした50台限定車。

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パリコレなどの国際舞台で活躍してきたファッションモデルならではのチョイスによる内・外装の特別のカラーコーディネーションや、アイテムが装備されています。

ボディカラーは鮮やかなパッションレッド、インテリアは、白に近いブロンドのシートカラーがセレクトされています。

エスプレッソ/ブロンドの2トーンのインテリアカラーに、洗練された北欧家具を想起させるモダンウッド・パネルの組み合わせが印象的で、また「パノラマ・ガラスルーフ」による開放感の高さも魅力。

価格は、1.5L直列4気筒ターボで6ATの「V40 Cross Country T3 Ahn Mika Selection」が389万円、2.0L直列4気筒ディーゼルターボと8ATの組み合わせの「V40 Cross Country D4 SE Ahn Mika Selection」が449万円、2.0L直列4気筒ターボ+8ATの「V40 Cross Country T5 AWD SE Ahn Mika Selection」449万円。

なお、販売は下記の専用サイトからのウェブ限定販売となっています。
予約専用サイト:V40 Cross Country | スペシャル・エディション

(塚田勝弘)

BMWやMINIがAndroidスマホと連携!

先日、スウェーデンの自動車メーカーのVOLVO(ボルボ)が衝撃的な提案を行なったのをご存じでしょうか?

「2017年、ボルボはクルマのキーを完全に廃止する世界初の自動車メーカーになる」と発表したのであります。

キーの役割はスマートフォン(以下:スマホ)へと移行し、専用アプリを介して車両の操作を行なうというもの。もはや、スマホを持っていないと満足にクルマにさえ乗ることができなくなるらしいです……

しかし、実はすでにそれと近いことは現実化しているのです。

たとえば、スマホに内蔵されるBluetoothを介して、ナビゲーションをはじめ、スマホに保存された楽曲などのメディアをクルマで楽しむことができます。

これは高級車だけでなく、すでに大衆車にも実装されて当たり前になりつつあり、スマホとの連携を活用しないのは宝の持ち腐れといっても過言ではないのです。

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とはいえ、多くのクルマに対応しているのはApple Inc.が提供する“iPhone”をはじめとした機器に搭載される“iOS”のみ。ところが、ニューヨーク国際自動車ショーにてBMWは、車載システムとGoogleが提供する“Android(アンドロイド)”との連携をはじめると発表したのです。

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まずは、専用アプリ「BMW Connected」を介して「iHeartRadio」「Pandora」「Spotify」の利用が2016年の「7シリーズ」からスタート。今後、利用可能アプリはもちろん、対応する車種も広がっていくことでしょう。

(今 総一郎)

3列シートを標準装備する新型ボルボXC90の使い勝手はどうか?

新型ボルボXC90の居住性・積載性は、ボディサイズ拡大の恩恵を感じさせる仕上がりになっています。

サードシートまで大人(身長170cmまでを想定)が快適に座れる設計となっていて、身長171cmの私でも3列ともに余裕を感じさせるフットスペース、ヘッドクリアランスが確保されていて広々しています。

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そのボディサイズは全長4950×全幅1930×全高1775mmで、ホイールベースは2985mm。

先代は全長4810×全幅1935×全高1780mm、ホイールベースは2855mmですから、前後方向(主にフットスペース)を中心とした居住性の向上が図られているのはサイズからも、座り心地からも実感できます。

フロントシートは電動化され、ランバーサポートは4ウェイ、電動クッションエクステンションが用意されるほか、「Inscription」系にはベンチレーション、マッサージ、電動バックレスト・サイドサポートが装備されています。

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セカンドシートは、12cmのスライド、7段階のリクライニングが可能で、4ゾーンエアコンやシートヒーターのほか、2列目中央席には先代同様「インテグレーテッド・チャイルドクッション」が用意されています。

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こちらは、座面を持ち上げることでシートベルトを適切な位置にするだけでなく、前方にスライドすることでフロントシートに近づけることが可能。

2列目の座り心地は、欲をいえばもう少し座面と背もたれに厚みがあり、シートのホールド性もあるとベストですが、先述したように足元と頭上空間だけでなく、シートサイズやヒール段差(フロアからヒップポイントまでの高さ)も不足を感じさせません。

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積載性は、パワーテールゲート(バンパー下の足の動きで開く、ハンズフリー機構付)に加えて、エアサスペンション装着車には車高調整機能もありますから、背の高い大型SUVでも比較的低めのフロア高となるのも美点。

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荷室容量は、ガソリン車が通常時314L、サードシート格納時692L、3列目と2列目格納の最大時が1868Lと広大なだけでなく、フラットで使いやすいのも魅力。なお、プラグインハイブリッドモデルは通常時262L、3列目格納時640L、最大時1816Lが確保されています。

(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦)

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洗練度を増したボルボXC90のインテリアは必見!

新型ボルボXC90の見どころは、走りやスタイリッシュなエクステリアだけではありません。

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9インチタッチディスプレイ、メーターは12.3インチのフル液晶ディスプレイになり、さらにボルボ初のヘッドアップディスプレイの装備や、ハードスイッチを8つだけに減らすなど、最新世代を謳うのにふさわしいインテリアに仕立てられています。

最も目をひくのは、三菱電機製という縦型9インチタッチディスプレイ。

まさにタブレット感覚でナビやエアコン、オーディオ、車両設定などを指先で操作できる優れもの。

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「メイン画面」を中心に左にフリックすると「メディア」、右にフリックすると「車両設定」という3つの画面を容易に呼び出すことができます。

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安全や快適装備、ドライバーサポートなど多機能化するクルマでは、ハードキーが増えることでインパネまわりの造形美を損なうことが多々あり、操作性を担保しながら機能美として具現化するのも容易ではありません。

スマートでクール、しかも適度な温かみを感じさせる「スカンジナビアン・デザイン」で表現される従来のボルボは、インパネ中央から数多くのスイッチが廃されていましたが、先述したように9インチディスプレイを中心にハードキーを8つまで減らすことでスッキリとしたセンスある空間に仕立てられているのはさすが。

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肝心の操作性は、9インチタッチディスプレイの表示で「どこになるがあるか」、分かってしまえば比較的容易で、ナビやオーディオ、エアコン、車両設定などの代表的な機能は、深い階層まで探しにいく必要もほとんどありません。

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スマホ連携では、「Apple CarPlay」に標準で対応し、電話やマップ、メッセージ(SMS)、ミュージック、Siri(音声認識)などが使えます。

さらに、赤外線方式を採用するこのタッチスクリーンは、手袋をしていても操作が可能とのことで、さすがスウェーデンを本拠地とするだけのことはあります。

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そのほか、エンジンスイッチやドライブモードのロータリースイッチには、ダイヤモンド型の刻みが設けられているなど、細部にまでこだわりを感じさせます。

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オーディオもこだわりのひとつで、スピーカーには、イギリスの高級スピーカーブランドである「BOWERS&WILKINS(バウアース&ウィルキンス)プレミアムサウンド・オーディオシステム」を45万円(税抜き)でオプション設定。

こちらは、世界で初めてサブウーファーをリヤホイールアーチに配置し、より多くの空気を振動させることが可能だそうで、超低音バストーン(20Hzまで)実現。

部分的にカーボンファイバーを使った250mmコーンを採用するなど、19スピーカー、12チャンネル、1400Wの迫力あるサウンドも享受できます。

(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦)

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新型ボルボXC90は、エクステリアデザインも新境地に到達!?

ボルボの新プラットフォーム「SPA(SCALABLE PRODUCT ARCHITECTURE)」を採用した新型XC90。詳細はこちらをご覧いただければと思いますが、車体を変えたことでデザインの自由度も高まったそうです。

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先代XC90はフォード傘下時代でしたが、デザインの面でもプラットフォームの制約があったとのことで、「どんな天才デザイナーでもその制約を受けたはず」と商品企画担当氏が語るほど。

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縦、横、高さ方向を変えられる新プラットフォーム「SPA」の開発により、ホイールベース、オーバーハング、全高に制限がなく、印象的なフォルムをまとっています。

デザインの好き嫌い、受ける印象は千差万別ですが、一見ボクシーなフォルムに見えながらも角が取れた先進的なスタイル。

そして北欧神話に登場する雷神「Thor」の武器である「THOR’S HAMMER(トール ハンマー)」モチーフとした印象的なヘッドライトのほか、お馴染みの縦型テールライトは「C」の字を迎え合わせたような新しいデザインが与えられています。

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ボルボのデザインというと「北欧デザイン」というキーワードで語られることが多く、インパネを中心としたインテリアを指すことが多かったような気がしますが、新型XC90はエクステリアからも北欧らしいセンスが漂ってきます。

なお、北欧の感性を反映しているというエクステリアカラーは、「アイスホワイト」や「クリスタルホワイトパール」、「バースティングブルーメタリック」など、全13色が用意されています(グレード専用色含む)。

(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦、塚田勝弘)

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新型ボルボXC90は2.0Lの直列4気筒ターボでも「走る」のか?

新型ボルボXC90のボディサイズは、全長4950×全幅1930×全高1775mm。

日本ではフルサイズSUVといえる堂々たる体躯ですが、先代XC90にあった2.5Lの直列5気筒ターボや3.0Lの直列6気筒ターボ、3.2Lの直列6気筒ターボ、あるいはヤマハ製の4.4L V8エンジンなどからすると、時代の流れとはいえ大胆なダウンサイジングぶりに「走るの?」という疑問が浮かぶのも不思議ではないでしょう。

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「排気量信仰」から抜け出ていないのでは? と言われそうですが、新型XC90のサイズを目にするとやはり最も気になるところ。

エンジンラインナップで「T5」と呼ばれる「B4204T23」型は、2.0Lの直列4気筒DOHC16バルブターボ。

254ps/5500rpm、350Nm/1500-4800rpmというスペックで、8ATとの組み合わせ。もちろん、アイドリングストップも備わりJC08モード燃費は12.8km/L。駆動方式は4WDのみとなっています。

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本来は最もベーシックなこちらに乗りたかったのですが、試乗車は「B4024T27」というエンジン型式となる2.0L直列4気筒16バルブターボ+スーパーチャージャーのダブル過給器により、320ps/5700rpm、400Nm/2200-5400rpmというアウトプットを得ている「T6」。

こちらも8ATとの組み合わせで、アイドリングストップ付、カタログ燃費は11.7km/Lとなっています。

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最大トルクが発揮されるのは「T5」の1500rpmよりも高い2200rpmからですが、出だしから力強く、8ATのスムーズな変速もあってストップ&ゴーもスマートにこなしてくれます。

高速道路に合流する際などの加速フィールもなかなか力強く、巡航速度に乗ってから追い越しをかける際もまったく力不足を抱かせないのには驚かされました。

「いや、最近のダウンサイジングターボはこれくらいやるよ」なんて思う一方で、車両重量は「XC90 T6 AWD Inscription」で2080kgと2t超えしているわけですから、やはりよく走るといえます。

ボディ自体の重さやサイズ感はありますが、大型SUVにありがちな鼻先の重さも感じさせず、見た目よりも意外なほどの軽快感さえ漂わせます。

先代XC90よりも全長が140mm延びていますが、車両重量は最大125kg減らした効果もあるのでしょうが、「Drive-E」と呼ぶ100%自社開発のエンジン、そしてDレンジのままだと何速で走っているのか分からないほど非常にスムーズなアイシンAW製の8ATという組み合わせのパワートレーンはXC90の魅力といえそう。

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室内の静粛性の高さも印象的ですが、試乗車のエアサスペンション装着車は、とくに市街地を流す程度の速度域だと意外にも硬めに感じさせるシーンもありました。

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とくに、荒れた路面の凹凸を乗り越える際は、ドライブモードを「Comfort」にしてやや大きめの振動と音が感じられます。それでも高速道路までを含めた幅広い車速域では、先代XC90と比べても音・振動面の対策は念入りにされている印象です。

(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦)

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新世代ボルボ・XC90の進化を支える新プラットフォーム「SPA」とは?

2003年に日本に導入され、約7000台販売されたというボルボXC90。

2代目となる新型XC90は、初代からがらりと雰囲気を変え、内・外装やパワートレーン、そして走りの面などで大きく進化を遂げています。

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その根幹をなすのが新プラットフォーム「SPA(SCALABLE PRODUCT ARCHITECTURE)」の採用。

日本円に換算すると約1兆3000億円という投資により開発されたもので、全体の90%が新規開発された部品で構成されているそうです。なお、この金額には「Drive-E」と呼ばれるパワートレーン開発、生産工場への投資も含まれているとのこと。

ボルボの新プラットフォーム「SPA」の採用に得たものは多く、ホイールベース、オーバーハング、車高、全高に制限はないため、デザインの自由度まで左右しているそうです。

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もちろん走りへの効果は絶大で、軽量化と前後重量バランスの改善により、快適さを維持しながらドライビングプレジャーを向上させています。

重量は先代比で125kg減。また、サードシートスペースの最適化も図られていて、身長171cmの私なら足元も頭上も狭さを感じることはなく、大人でも実用になる広さが確保されています。

The all-new Volvo XC90 Twin Engine is a plug-in electric car, hybrid car and high-performance car rolled into one. A two-litre, four-cylinder supercharged and turbocharged Drive-E petrol engine powers the front wheels and an 80 hp (60 kW) electric motor drives the rear wheels. The battery pack is located in the centre of the vehicle.

また「自前」になった新世代パワートレーンの「Drive-E」戦略は、限られたソリューションを活かすこともあり、「4気筒以上は作らない」という単純明快なものですが、電動化にも対応し、新型XC90にはPHEVも設定されています。

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The all-new XC90 features a world-first solution that addresses accidental road departures. The functionality detects what is happening and the front safety belts are tightened to keep the occupants in position. To help prevent spine injuries, an energy-absorbing functionality between the seat and seat frame cushions the vertical forces that can occur when the car encounters a hard landing in the terrain.

ボルボ自慢の安全面では、ボロンスチールを多用(全体の33%)することで重量増を抑制しながら強固なボディ構造を実現しているなど、新プラットフォーム「SPA」を採用した、新世代ボルボの最上級SUVにふさわしい進化ぶりが目を惹きます。

(文/塚田勝弘 写真/佐藤靖彦、塚田勝弘)

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新型XC90でボルボ・デザイン、装備が大きく生まれ変わった!

「何十年に一度の変革」、「ブランドを塗り替える」など、新型ボルボXC90に投げかけられるボルボ・カー・ジャパン関係者の言葉。

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外観をひと目見ただけでボルボ車が新しいステージに引き上げられたことが分かりますが、新プラットフォーム「SPA」の採用や、最新かつ自前のプラットフォーム「Drive-E」パワートレーンを前提とした開発、さらにプラグインハイブリッドも初めて設定され、日本にも導入されるなど、見どころ満載となっています。

ここでは概要をお届けします。

ボディサイズは全長4950×全幅1930×全高1775mm。ホイールベースは2985mm。最低地上高は225mmですが、試乗車(写真)はすべてエアサスペンション装着車で、こちらは180mm。最小回転半径は5.9〜6.0mです。

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ちなみに、ほぼ同時期に新型が発表され、日本に上陸した新型アウディQ7は、全長5070×全幅1970×全高1705mmで、ホイールベースは2995mm。最低地上高はエアサス装着車が180mm、それ以外は210mm。最小回転半径は5.7m。

アウディQ7の方がボディサイズは大きめですが、最小回転半径は0.2〜0.3m小さくなっています。

新プラットフォーム「SPA」の採用により、縦、横、高さ方向を変えられるようになった新型ボルボXC90。「SPA」の詳細は別記事でご紹介しますが、デザインの自由度が高まったことで、ボクシーでありながらスタイリッシュなフォルムを実現しているのに貢献しているそうです。

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また、電動化(PHEV)にも対応するパワートレーンも見どころ。

純ガソリン仕様は、2.0Lの直列4気筒ガソリンターボ、もしくは、それにスーパーチャージャーを加えたダブル過給器付のいずれかになります。

巨大なボディなのに2.0Lの直4ターボ(もしくはスーパーチャージャー&ターボ付)で「走るのか?」という点も気になるところでしょう。こちらも別の記事で詳細はご紹介しますが、ひと言でいえば「心配はご無用」。

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トランスミッションは全車ロックアップ機構付の8ATで、駆動方式も全車電子制御式AWDが採用されています。

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乗車定員は3列シートの7人乗りのみで、荷室容量は通常時が314L、3列目を格納すると692L、2列目も拡大した最大時は1868L(純ガソリン仕様のT5/T6)まで拡大できます。

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なお、PHEVの「T8」は、通常時が262L、3列目格納時が640L、2列目3列目格納の最大時が1816L。先代XC90には助手席の背もたれを前倒しできる機能がありましたが、これだけの大容量ですので積載スペースに不足はないはず。

インパネは、タブレットのような大型の9インチ・センターディスプレイ、メーターの12.3インチ・ドライバー・ディスプレイが目を惹きますが、ハードスイッチはわずか8つのみに抑えられていて、ヘッドアップディスプレイとともに新しいインターフェイスに変更されています。

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そのほか、ボルボ自慢の安全装備も世界初の右折時対向車検知機能など、新「City Safety」が搭載されるなど、見どころ満載となっています。

(文/塚田勝弘・写真/佐藤靖彦)