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高速道路・橋の安全を産業用ドローンで守る!パナソニックも産業用ドローンに進出

パナソニック、は、高速道路の橋梁などを点検する産業用ドローンを利用したインフラ点検ソリューションシステムの開発を開始する、と発表しました。

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同システムの開発にあたり、両社は名古屋市で産業用ドローンの製造販売を行うプロドローンとの共同開発契約も締結したということです。

国土交通省では、今後増大するインフラ点検を効率化するとともに、人が近づくことが困難な災害現場の調査を実施するための「次世代社会インフラ用ロボット」の開発・導入を促進しています。

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このような中、パナソニックとAVCネットワークス社が産業用ドローンの開発を検討した結果、次の2点の課題が明確になりました。

1. 安定した飛行と異常時の安全確保に対するプロの操作スキル
2. 用途に応じたドローンのカスタマイズ

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これらの課題に対応するために、両社はパナソニックが保有するカメラ技術や映像解析技術を応用して、姿勢制御、障害物回避、対象物追跡等の技術を強化していくことで、ドローン操作のスキルに依存しなくても安定操作を可能にするシステムを開発することを目指しています。

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また、ドローン本体については、業界のリーディングカンパニーであるプロドローン社との共同開発契約により、用途別のカスタマイズや同社の機体設計のノウハウを利用しながら、業務用途のドローンで必須となる統合安全装置の開発を共同で行っていく、としています。

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産業用ドローンに関しては、先日、自動車部品大手のデンソーが開発していることが明らかになったばかりで、いろいろな業界からの参入が続いています。

(山内 博・動画、画像:プロドローン社)

デンソー、道路・橋などインフラ点検に活用できる産業用ドローンを開発

自動車部品大手のデンソーは、広島県のラジコンメーカー・ヒロボーと協力して、道路・橋などの社会インフラの点検に使用する産業用UAV(無人航空機 Unmanned Aerial Vehicleの略:ドローン)を開発した、と発表しました。

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今後、道路や橋などの老朽化が進むと予測される中、インフラの点検の効率化に向けたドローンなどのロボットの活用が求められています。

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今回開発した産業用ドローンは、インフラ点検で求められる次の3つの性能を兼ね備えているのが特徴です。

1.強風や雨中でも飛行できる対候性
2.構造物に近接して定位の姿勢に制御できる安定性
3.安全制御システムで運用できる安全性

これらの性能は、デンソーがこれまで培ってきたセンサーおよび制御のエレクトロニクス技術と、無人ヘリコプターの開発・製造で長年の実績があるヒロボーの機体開発力を結集して実現した、ということです。

今後は、実証実験を重ねて、インフラ点検などの サービス開発を関連事業者と共同で進めていき、インフラ 点検の本格運用に合わせて、実用可能なシステムを構築する計画のようです。

デンソーのような自動車部品メーカーが、保有する自動車のエレクトロニクス技術やロボットシステム技術を活用して、今回の産業用ドローンのような社会に貢献できるシステムに進出することに注目が集まっています。

(山内 博・画像:デンソー)