Motor Fan's YEAR 2016

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EuroNCAP、カテゴリー別の最も安全なクルマにファミリーカーにトヨタ「プリウス」を選出

欧州の自動車アセスメント EuroNCAP(ユーロ・エヌキャップ)は、2016年に衝突試験を実施したモデルの中で、カテゴリーごとの優秀車を選ぶ「Best in Class」を発表しました。

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各カテゴリーの優秀車は、ファミリーカーはトヨタ「プリウス」、小型ファミリーカーはHyundai Motor「アイオニック(Ioniq)」、小型オフロードカーは独VW「ティグアン(Tiguan)」が選ばれました。

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高級車のカテゴリーでは、衝突試験を実施したモデルが「メルセデス・ベンツ Eクラス」だけになったため、Best in Classには選ばれませんでした。

EuroNCAPでは2016年から、自動緊急ブレーキの歩行者を検知する試験が追加され、同機能を標準装備もしくはオプション設定するモデルが増えています。EuroNCAPでプリウスは、この試験を最初に受けたモデルになりました。

プリウスは、安全支援パッケージ「Toyota Safety Sense」を標準装備している点が高く評価され、Best in Classに選ばれました。

なお、Best in Classは標準装備での評価が基本ですが、小型車では安全機能をオプション化して車両の基本価格を安くすることがよくあります。そこでEuroNCAPでは2016年から、安全支援パッケージを装備したモデルと装備していないモデルの両方を試験し、二つの評価が得られるようにしています。

この点にも消費者団体によって実施されているEuroNCAPの特色が現れています。

(山内 博・画像:EuroNCAP)

【動画】トヨタ『新型 プリウス』が欧州の衝突テストで最高評価の5つ星を獲得

2015年に4代目へとシフトした「プリウス」。カタログ上で40.8km/Lにも上る低燃費もさることながら、単眼カメラとミリ波レーダーを用いた先進安全機能「Toyota Safety Sense P」を全グレードに装着可能とするなど、安全性能の向上も注目のポイント。

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国内では国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構が行なうJNCAP予防安全性能評価にて満点で最高ランク「ASV+」を獲得していますが、欧州で衝突テストを行なうユーロNCAPコンソーシアムも「プリウス」が最高評価の“5つ星”を獲得したと明らかにするとともに、動画を公表しました。

ユーロNCAPの衝突テストでは、前面オフセット(64km/h)、側面(50km/h)、ポール衝突(29km/h)、歩行者衝突(40km/h)を行ない、“成人乗員保護性能”・“子ども乗員保護性能”・“歩行者保護性能”・“安全補助装置”を評価。

さらに2015年からは新たに背の低い女性ドライバーと後席に乗員を乗せた状態を想定した前面フルラップ衝突テストを導入したほか、緊急回避の自動ブレーキなどの先進安全装備も評価基準になりました。

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5つ星を得るためには、成人乗員保護性能」で80%以上、「子ども乗員保護性能」で75%以上、「歩行者保護性能」で65%以上、「安全補助装置」で70%以上のポイントを獲得するのが条件。

4項目のひとつでも、基準のポイントを下回り、4つ星以下となった場合、総合評価で5つ星と認定されず、総合評価で5つ星を得るには75%以上のポイントも必要となるとのこと。

「プリウス」は「成人乗員保護性能」で92%、「子ども乗員保護性能」で82%、「歩行者保護性能」で77%、「安全補助装置」で85%を記録し、総合評価で5つ星を獲得しました。

(今 総一郎)