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ロボット月面探査レースに挑戦する民間チーム「HAKUTO」にスズキが技術支援

スズキは、世界初のロボット月面探査レース「Google Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エックスプライズ)」に挑戦する、民間月面探査チーム「HAKUTO」とコーポレートパートナー契約を締結したと発表しました。

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スズキは、月面に民間開発のロボット探査機(ローバー)を着陸させ、500m以上移動し、高解像度の動画や静止画データを地球に送信するGoogle Lunar XPRIZEのミッション達成に向け、HAKUTOが開発するローバーへの技術支援を検討している模様です。

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ミッションの達成には、打ち上げ費用に直結するローバーの軽量化と、レゴリスというパウダー状の砂で覆われた月の表面をスリップすることなく確実に走行できる走破性が大きな課題となります。

スズキは、軽量化技術やトラクション制御技術など小さなクルマづくりや四輪駆動車の開発で培ってきた技術の活用を検討し、HAKUTOのミッションを支援したいとしています。

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スズキの代表取締役社長である鈴木俊宏氏は、

「小さなクルマづくりを通じて、豊かな社会に貢献してきたスズキは、小さなローバーで夢にチャレンジするHAKUTOに共感し、このプロジェクトを支援することを決めました。スズキの技術を活用したローバーによる月面探査の成功を楽しみにしております。」

とコメントしています。

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また、HAKUTO代表の袴田武史氏は

「ローバーの軽量化と4輪駆動の技術は非常に重要であるため、スズキにパートナーに加わっていただき大変心強く思います。スズキが小さなクルマ作りで培ってきた技術とノウハウを、HAKUTOのローバーに活かせるように検討を進めていきます。」

とコメントしています。

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HAKUTOは、株式会社ispaceが運営する日本で唯一Google Lunar XPRIZEに参加するチームです。

多様な人材が集まって月面探査ロボット(ローバー)を開発、Google Lunar XPRIZEに挑戦するプロジェクト「au×HAKUTO MOON CHALLENGE」で、世界初の民間月面探査を目指しています。

2015年1月には、月面ミッションを達成できる能力のローバーを開発したその技術力が評価され、Google Lunar XPRIZE中間賞のモビリティ部門を受賞しています。

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Google Lunar XPRIZE は、Googleがスポンサーとなって、XPRIZE財団によって運営される、民間組織による月面無人探査を競う総額3,000万ドルの国際賞金レースです。

1位のチームには賞金2,000万ドル、2位のチームには賞金500万ドルが与えられます。現在、世界各国から16チームが参加しています。

(山内 博)

スズキが世界初のロボット月面探査レースを支援する理由とは?

スズキが7月5日、世界初のロボット月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑戦する民間月面探査チーム「HAKUTO」と、コーポレートパートナー契約を締結したと発表しました。

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「Google Lunar XPRIZE」は民間組織により月面無人探査を競う、総額3,000万ドル(約30億円)をかけた国際賞金レース。

「HAKUTO」は、ベンチャー企業や大学などから集まった様々なバックグラウンドを持った人材が参画し、日本から唯一同レースに参加するチーム。

月面に純民間開発の「ローバー(月面探査ロボット)」を着陸させ、着陸地点から500m以上走行、指定された高解像度の動画や静止画データを地球に送信することがミッションとなっています。

このレースには、世界各国から16チームが参加しており、1位のチームには賞金2,000万ドル(約20億円)、2位のチームには賞金500万ドル(約5億円)が贈られます。

ミッションの達成には、打ち上げ費用に直結するローバーの「軽量化」と、レゴリスと呼ばれるパウダー状の砂で覆われた月の表面をスリップすることなく確実に走行できる「走破性」が大きな課題となります。

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スズキはこのローバーに、同社がこれまで小さなクルマづくりや4WD開発で培ってきた、軽量化技術・トラクション制御技術などを投入する予定。

HAKUTO代表の袴田武史氏は「軽量化と4輪駆動の技術が非常に重要であるため、スズキにパートナーに加わってもらえて大変心強い」としています。

自動車メーカーが宇宙関連事業に関わったケースとしては、古くはアポロ15号の月面探査車の設計をポルシェが担当、また最近では昨年1月に日産がNASAとの共同開発で5年間に渡るパートナーシップを締結した事例があります。

スズキの技術が月面探査車レースにどこまで活かされるのか注目です。

Avanti Yasunori ・画像:SUZUKI、HAKUTO)

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