Motor Fan's YEAR 2016

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無塗装で使用できる植物由来のプラスチックが「マツダ ロードスター RF」の外装部品に採用

マツダは、三菱化学と共同で自動車の外装意匠部品に使用できるバイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)を開発し、「マツダ ロードスター RF」の外装部品に採用すると発表しました。

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今回「ロードスター RF」の外装部品に採用されるバイオエンプラは、植物由来原料使用による石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装によるVOC(揮発性有機化合物)の削減で環境負荷を低減する効果を発揮します。

同時に今回のバイオエンプラでは、従来材料で塗装が施された部品を超える質感(深みのある色合い、鏡面のような平滑感)を、プラスチックの材料着色で実現するなど、高い意匠性が必要な自動車外装部品としても使用できる品質を備えていることが特徴です。

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マツダでは、これまでにも植物由来の材料を「マツダ バイオテックマテリアル」として技術開発を続け、自動車内装部品用バイオプラスチックの開発や、植物由来100%の繊維からなる自動車用シート表皮の開発に成功して、植物由来の材料の使用を拡大しています。

バイオエンプラについては、2015年に「ロードスター」の内装意匠部品にマツダ車として初めて採用して以来、これまでに「CX-9」や「アクセラ」、「デミオ」にも採用を広げています。

マツダでは、このたびの「ロードスター RF」以降の車種で内装および外装意匠部品としてバイオエンプラの採用を一層広げていく予定としています。

(山内 博・画像:マツダ)

トヨタ紡織、従来より耐衝撃性を向上させた高耐衝撃プラスチック事業で三井化学と業務提携へ

トヨタ紡織は、プラスチックの耐衝撃性能を向上させる技術を開発し、当該技術を自動車シートやドアトリムに活用するとともに、自動車用以外の用途にも広く応用を拡大する業務提携の覚書を 三井化学と締結したと発表しました。

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今回、トヨタ紡織が豊田中央研究所と共同で開発した技術は、「高耐衝撃プラスチック」をプラスチックに添加する改質剤として利用する技術で、「高耐衝撃プラスチック」を通常のプラスチックに添加することで耐衝撃性を飛躍的に向上させることができます。

この「高耐衝プラスチック」は、 植物由来樹脂のポリアミド 11と石油由来樹脂のポリプロピレンに、三井化学製の相容化剤を複合化させて、衝撃を吸収できる構造にしたプラスチックのことです。

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「高耐衝撃プラスチック」が高い耐衝撃性を持っているなら、例えば自動車シートの骨材を全て「高耐衝撃プラスチック」で製造すれば、と単純に考えるのですが、「高耐衝撃プラスチック」を通常のプラスチックに添加する「改質剤」として使用する点がキーポイントのようです。

新開発されたプラスチックの耐衝撃性を飛躍的に向上させる技術は、トヨタ紡織が製造している自動車シートやドアトリムに限らず、 耐衝撃性が求められる樹脂を使用する色々なプラスチック製品に応用できるので、トヨタ紡織は三井化学との業務提携を結ぶことで、同社の販路を利用して広く他の業界への拡大を目指しています。

(山内 博・画像:トヨタ紡織)