Motor Fan's YEAR 2016

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マツダ、ディーゼルノック音を軽減する技術で第14回新機械振興賞「経済産業大臣賞」を受賞

マツダは、同社のディーゼルノック音を軽減する技術「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が第14回新機械振興賞で「経済産業大臣賞」を受賞したと発表しました。

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ディーゼルエンジンは高圧縮比であることから、「ガラガラ」という異音いわゆるディーゼルノック音が避けられないといわれてきました。マツダの「ナチュラル・サウンド・スムーザー」は、このディーゼルノック音をエンジン内部の機械的な工夫で大幅に低減することに成功しました。

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マツダは、「ナチュラル・サウンド・スムーザー」の開発にあたって、まずディーゼルノック音の発生メカニズムを探ることから始め、センサーを高耐熱の接着剤でピストンやコンロッドに直接固定し、実際の運転状態でパーツの振動や伸縮を計測できる測定装置を作りました。

この独創的な測定機構を用いてディーゼルノック音の原因を探究した結果、燃焼時にコネクティングロッド(コンロッド)が伸縮することによって発生する振動が原因であることを突き止めました。

そして、「ナチュラル・サウンド・スムーザー」と名づけた振動吸振器を空洞のピストンピンに内蔵して、コンロッドの共振周波数(3.5KHz)の振動を減衰、ディーゼルノックの原因になるコンロッドの伸縮共振を効率良く抑制することに成功したということです。

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マツダが今回の第14回新機械振興賞「経済産業大臣賞」を受賞したのは、「心地良いサウンドを実現するエンジン主運動系減衰技術の開発」というテーマ名で、開発担当者はいずれもマツダ社員の森 恒寛(もり つねひろ)、神田 靖典(かんだ やすのり) 、住谷 章(すみたに あきら) 、平田 耕一(ひらた こういち)の4氏で、同社のwebサイトでは同技術がマツダのディーゼルエンジン「SKYACTIVE-D」に採用されていることを紹介しています。

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近年は電気・電子技術の発展で電気またはソフトウェアを利用した技術開発が多い中で、今回の「ナチュラル・サウンド・スムーザー」は振動源の特定こそ電気的なセンサー技術を利用していますが、ディーゼルノックを低減する制振技術自体は機械的機構のみで構成されていることが高く評価されています。

(山内 博・画像:マツダ)

【関連リンク】

「ナチュラル・サウンド・スムーザー」紹介サイト
http://www.mazda.co.jp/beadriver/dynamics/skyactiv/interview/nss/

マツダ・デミオ、CX-3「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」は何がスゴイ?

2016年秋に商品改良を受けたマツダ・デミオとCX-3には「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」が新たに設定されています。

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ALHは、ハイビームを基本としながら対向車や前方車両のドライバーを眩惑させることなく、きめ細かい配光で夜間の視認性を高める装備。そのため、マツダでは「配光」、「小型」、「省エネ」という3つの開発ビジョンを掲げています。

理想的な配光として「必要な照射範囲」、「発光色」、「必要な照度」を考え、常に完全停車で危険回避ができる遠方視界の確保、交差点で歩行者を認知できる照射範囲を追求しているとのこと。

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また、「上方照射範囲」として、一番高い標識(6m)までの対象物(歩行者も含む)が視認できることが欠かせません。そのため、角度や高さを検証するとともに、認知したい対象物の反射率と距離から必要な照度を実現。つまり、標識や看板、白線は反射率50%、黒い服装の歩行者は反射率10%と、対象物により異なる反射率をクリアする必要があります。

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中でも、マツダは歩行者の認知度向上が欠かせないとしています。夜間の歩行者死亡事故のうち、ロービームではなくハイビームで走行していれば約半分は防げたという警視庁によるデータがあるためです。一方で、歩行者や自転車、オートバイにとってハイビームの対向車が来ると眩しくて眩惑させられますが、顔の部分だけを明るく照らさないような技術も求められます。

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マツダのALHは、車載カメラで対向車、先行車を検出し、対象物を眩惑せずに遠方、側方の認知性向上を実現。また、ワイド配光ロービームにより交差点や低速走行時の歩行者の認知性向上も基本機能として備わっています。

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なお、グレア(防眩)フリーハイビームは、11分割されたLEDパッケージを採用し、車載カメラ、ステアリング舵角、車両Gからの信号により明るさが制御される機能です。

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2つめのテーマである「小型化」は、デザイン、品質の向上、質量の抑制を図ることで実現。ロービームとグレア(防眩)フリーハイビームの1ユニット化により0.2kgの軽量化、コストダウンが図られています。

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「省エネ」はLEDの進化により消費電力効率、視認性でLEDの優位性は続く見込みと分析しています。なお、LEDの光源色温度は正午の太陽くらいのイメージとのこと。

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マツダのALHをまとめると、グレア(防眩)ハイビーム、40km/h以下で側方照射を高めるワイド配光ロービーム、95km/h以上で光軸をアップするモーターウェイモードの3つを基本機能として搭載。

ALHは、ブラインドスポットモニタリング(リヤクロストラフィックアラート付)、車線逸脱警報システムとセットの「セーフティパッケージ(11万7720円)」に含まれていますので、ぜひ選択したいところです。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

マツダ・デミオの内装は「大人の上質さ」がテーマ

2016年10月に商品改良を受けたマツダ・デミオ。内装も基本的な造形は同じですが、質感やメーター類の視認性向上が図られています。

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まず、機能、表示系からご紹介すると、ヘッドアップディスプレイの「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」の表示画面を変更。

上部に走行環境情報、下部に車両情報と分けることで、一瞬で情報が把握しやすくなっています。さらに、一部グレードをのぞき、フルカラー(高輝度、高精細、高コントラスト)化することで視認性を向上。インパネではヘッドアップディスプレイの違いが新旧との違いで最も分かりやすい点になっています。

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また、メーターも表示の字体を見直し、高コントラスト化することで読みやすさを質感を向上。

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操作系では、新型ステアリングを採用。ステアリングの全周で一貫した握り心地を実現するのが狙いとのこと。最近流行している上下のリムを水平にカットする、玩具のような形状にしていないのは、さすが走りにこだわるマツダ。実際に大きな舵角を与えたでも路面からのインフォメーションを正確に把握することができます。

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内装にはデザイン変更はありませんが、コーディネイトを「大人」を感じさせる色使い、仕立てに変更しています。

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上の写真は「L Package」の「ピュアホワイトレザー」。白黒ツートンだったシートを背面まで白一色で統一させ、さらに色味もピュアホワイトを採用しています。印象的な赤も細身の仕立てと、左右に配置された4本のステッチで立体感を強調。また、ショルダー部に黒のアクセントを加えることで全体を引き締める効果も狙っているそう。

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また、「13S Touring L Package」、「XD Touring Package」には黒内装を設定し、ブラックに深みのあるディープレッドのコーディネイト、スエード調人工皮革でセーレン製の「グランリュクス」が採用されています。

モノトーンでまとめられているのが「13S Touring」、「XD Touring」で、クールな印象を受ける内装が特徴。「13S」、「XD」はブラック基調で、インパネ、コンソール、ドアに千鳥格子パターンのパネルを採用することにより、深みと遊び心を与えたとしています。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

大きく手を入れる必要のない完成度。新型デミオの外観デザインはどう変わった?

クルマのエクステリアデザインと、良好な視界を両立するのは容易ではありません。ミニバンのように視界の良さが商品性を左右するひとつのポイントであれば、ウインドウスクリーンの大きなモデルは成り立ちます。

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マツダ・デミオは国産コンパクトカーの中でもデザイン性の高さに定評があり、CX-3ほどではないにしても「デザインに惚れて買った」という人もいるかもしれません。個人的には、スマートかつ存在感のあるリヤビューが見どころのような気がしています。

一方でデザインとのトレードオフで、斜め後方の視界があまり良くありません。確かにあれだけベルトラインを右肩上がりの線として、テールウインドウの天地高も抑制したとなると必然といえる結果かもしれません。

気になる方は試乗車などで後方視界の確認、ディーラーオプションのリヤビューカメラなどを検討する手もありそうです。

さて、2016年11月から販売されている大幅改良後モデルのデミオは、好評なスタイリングもあって最小限になっています。

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ディーゼル車のフロントグリルガーニッシュに、グレーメタリックが新たに採用(XD、XD Touring、XD Touring L Package、特別仕様車Tailored Brown)されたほか、ガソリン車の上級仕様(13S、13S Touring、13S Touring L Package、特別仕様車Tailored Brown)にピアノブラックを新たに採用。

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さらに、アダプティブLEDヘッドライト(ALH)装着車のLEDヘッドランプに、ハイ/ロービーム兼用の単眼ユニットが搭載され、すっきりとした目つきに変わっています。

サイドでは、ドアミラーのターンランプをミラー前方に回り込むように設計し、右左折時の非視認性を向上。また、シャークフィンアンテナを設定。

アルミホイールのデザインは従来と変わっていませんが、16インチアルミホイールはよりニュートラルな色合いとしたガンメタリック塗装(XD Touringに標準、15MBにメーカーオプション)になっています。

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また、革内装との組み合わされる15インチ、16インチのアルミホイールは、グレーメタリック塗装(上の写真)が新たに採用されています。

p1j13322sボディカラーでは、特別塗装色の「マシーングレープレミアムメタリック」の設定をはじめ、デミオ専用開発となる新色「ディープクリムゾンマイカ」、下の写真の「ソウルレッドプレミアムメタリック」など全11色を展開。

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さらに、クロームメッキベゼル加飾が施されたLEDフォグランプを「XD Touring」、「XD Touring L Package」に標準装備されています。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

新型マツダ・デミオはついに「キビキビした走り」を超越!?

現行マツダ・デミオの成功はデザイン、ディーゼルの存在、ハンドリングなどの走りにあることは間違いないでしょう。

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走り関係でどうしても気になるのは、後方視界がやや狭い(デザイン優先)というくらいで、細部を見ていくとディーゼルエンジン車の音・振動面も気になりましたが、すでに手当てされていて躊躇なくディーゼルも選べる状態になっています。

新型デミオでは、ハンドリング、乗り心地の改善も図られています。

前後ダンパーおよびブッシュの仕様変更に加えて、「やや軽い」と指摘されていた電動パワステ(EPS)の特性を最適化したそうです。EPSに関しては、すぐに手応えが増し、よりリニアになったのが街中から首都高速までシーンを問わず感じることができます。

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実施されたメニューは、フロントダンパーの減衰力特性、フロントスタビライザーマウントブッシュの仕様、EPSの制御特性、フロントロアアームブッシュ(リヤ側)の仕様、リヤダンパーの減衰力特性、トーションビームアクスルブッシュの侵入角を変更。

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フロントブッシュを柔らかくすることで、旋回初期にスタビが効果を発揮する前にブッシュが変形。フロントサスペンションの動きがリニアになり、ロールがスムーズに立ち上がるそうです。

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確かに、多様なコーナーが多い首都高速でもシーンを問わず、ロールの出方が自然で唐突感がなく、改良前よりも乗りやすくなっているのは明らか。G-ベクタリング・コントロールによる効果もあるのでしょう。荷重移動を意識しなくてもスムーズに曲がれるのは、新型デミオの動的質感向上にも大きく寄与しています。

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さらに、コーナーを曲がっていって荷重が大きくなると、ブッシュの変形が終わってスタビの効果によりロールを制御。

新構造のブッシュにより、スムーズなストローク、初期応答性を得ているデミオ。「キビキビした走り」からよりナチュラルで上質なハンドリングを得ていますから、シーンを問わず疲れにくく、運転がより楽に楽しくなっているのは間違いありません。

(文/写真 塚田勝弘)【関連記事】

より静かに上質になったマツダ・デミオは国産コンパクトカーでナンバー1の完成度!?http://clicccar.com/2016/12/22/429034/

より静かに上質になったマツダ・デミオは国産コンパクトカーでナンバー1の完成度!?

マツダ・デミオが商品改良を受け、11月17日から販売が開始されています。

内・外装の高いクオリティ、動的質感といわれる走りの面で、C/Dセグメントと同じ考え方を適用するというのがデミオ、そしてCX-3に共通するコンセプトになります。

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今回試乗したのは、1.3Lのガソリンエンジンモデル。現行デミオを牽引したのは確かにディーゼルモデルかもしれません。しかし、ガソリン仕様の仕上がりも非常に高く、街中のちょい乗り中心であれば、イニシャルコストを考慮しても積極的に選びたくなります。

同じガソリンエンジン車で改良前、改良後モデルを乗り比べて驚いたのは、車格が1ランク上に感じられるほど静かになったこと。

「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」など、ディーゼルエンジンの改良点に注目が集まりがちですが、今回のデミオの改良点は、エンジンと車両後方からの高周波ノイズの低減が大きなテーマのひとつ。

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エンジンの高周波音対策として、ボンネットインシュレーター、エンジンルームのインジケーター、ダッシュインシュレーターに吸音材が追加されています。さらに、ガソリンエンジン仕様には、2015年にディーゼル車に採用されたフロントの遮音ガラスも用意。

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また、ハッチバックはリヤにバルクヘッドを持たないため、後方から高周波のノイズが侵入しやすいですが、リフトゲームトリムとトランクサイドトリムに吸音材を追加。さらに、リヤパッケージトレイやFF車にはスペアタイヤパンに制振材も新たに設定されるといった入念な対策が施されています。

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新旧デミオを乗り比べるまでは、正直旧型でも十分では? と思っていました。しかし、同じコースで試乗すると、静粛性の高さやより自然なハンドリングなどにより、新型は明らかに洗練され、上質になっています。

さらに、新型デミオはドアの閉まり音にもこだわり、リヤドアを閉めた際の音のしっかり感を強調するなど、細部にまで徹底されています。

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ガソリン車のみ、また同条件下で乗り比べたわけではない、という多くの前提付きではあるものの、静粛性の高さは国産のライバルだけでなく、輸入Bセグメントを含めてもデミオが頭ひとつ抜きんでていると言えるのはでないでしょうか。

(文/写真 塚田勝弘)

マツダが新型CX-5、ロードスターRFのカスタマイズモデルを出展【東京オートサロン2017】

「東京オートサロン2017」のマツダ・ブースでは、2016年12月15日に発表された新型CX-5と、12月22日から発売されるロードスターRFのカスタマイズモデルが主役になりそうです。

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最近のマツダは、最新の技術を常に市販モデルに投入することで最新モデルを常に販売店に並べるという戦略を採っていて、11月から発売されている最新のデミオ、CX-3をベースとしたカスタマイズモデルも展示。

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さらに、2017年春から国内で開催する「GLOBAL MX-5 CUP」レース仕様車に加え、初代、2代目「マツダ ロードスター」で人気だったボディカラーの「クラシックレッド」を塗装した4代目「ロードスター」も参考出品されます。

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また、新型CX-5とロードスターRFの開発スタッフやデザイナーによるトークセッションなどの開催も予定されています。

(塚田勝弘)

アクセラ・ディーゼルターボは、爽快なハンドリングマシンだ!(その3)【等身大インプレ】

■最大トルクを活かした中速域での加速が魅力

もう一度、千葉から湾岸線を戻って首都高環状線に入ります。今度はマニュアルモードはやめて、ドライブモードのままで乗り入れたところ、前回とは全く違う特性が待っていました。

首都高環状線の流れに乗っている限り、ドライブモードでのエンジン回転は、1600〜2000回転強に終始します。これがじれったいと思いきや、とても快適なのですネ。低回転でも欲しい時に欲しいだけのトルクを発揮してくれるので、余裕で流れに乗っていけます。

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また走行ペースを上げても、ドライブモードでは2000〜3000回転位しか使いません。この時6ATは頻繁に自動変速を繰り返しており、この最大トルクを発揮する回転域をフルに使おうとしているのがよくわかります。しかも「これがさっきと同じクルマか?」と思うほど、加速が楽しいのです。コーナーを抜けてからの加速は力強いですし、追い抜きも期待以上でした。

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さらにディーゼルとは思えないほど、レスポンスに優れています。新技術の「DE精密過給制御」による緻密な燃料噴射が効いているのだと思います。1.5Lはさすがにアウトバーンでは物足りないでしょうが、日本の公道なら必要にして充分な性能だと実感。エンジンを回して最大出力に頼って走ろうとした午前の自分に反省しつつ、午後は最大トルクを活かした走りを大いに楽しみました。

■ええい、マツダのGベクタリングは化物か!?

またエンジン回転が低いと、ハンドリングの素性もよくわかります。街中と高速巡行で体験した直進安定性に加えて、コーナーリング性能も見極めるべく、ステアリングを握り直しました。

コーナーが連続する首都高環状線で、アクセラはステアリングを切った分だけ綺麗に旋回していきます。ハンドリングに、FF車の鼻先を引っ張られるような雑味が感じられないのです。

なにより凄いのは、ステアリングの舵角が嘘のように一発で決まることでした。首都高環状線で、切り増しや切り戻しがこんなに少なくて済むクルマは、他に体験したことがありません。「ええい、マツダのGベクタリングは化物か!」と本当に思いました。

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アクセラは、ドイツ車のようにボディ剛性が高く、逞しい足回りとしなやかな乗り心地とを備えています。これにレスポンスに優れたダウンサイジングディーゼルターボと荷重制御のGベクタリングが加わるのですから、まさに鬼に金棒!「ディーゼルなのに爽快なハンドリングマシン」という、いかにもディーゼルにネガティブな印象を持つ昭和のおっさん(筆者です)らしい感想を抱いた次第です。

■カタログ値に肉薄する実燃費と安い軽油代にビックリ

今回の試乗は、街中と千葉往復、そして首都高環状線の周回で約250kmを走りました。

実燃費は、カタログ値の21.6km/lに対して驚きの19.1km/l。軽油が91円/lでしたから、燃料代は約1200円で済みました。当日はレギュラーガソリンが115円/lでしたから、ハイブリッド車が24km/lで走ったのと同じ燃料代になることを意味しています。

アクセラでは、2000ccのガソリン仕様がカタログから外れましたが、あらためてダウンサイジングディーゼルターボのトルクに乗った走りとハイブリッドに匹敵する経済性に納得した次第です!

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今回の試乗で感じたのは、エコカーとして比較されるハイブリッドとは特性が全く異なることでした。ハイブリッドの強みは、静粛性と渋滞での燃費が良いことで街中向き。ちなみにアクセラには、トヨタ由来のハイブリッドもラインナップされています。

一方ディーゼルターボの強みは、低回転での力強い走りと遠乗り燃費でロングドライブ向き。ガソリン車とも特性が違いますから、本当に眼から鱗の試乗体験となりました。

またアクセラは、1.5Lと2.2Lのディーゼルターボをラインアップしています。今回試乗した1.5Lは、公道での性能には充分余裕がありますし経済性も抜群。またエンジンが軽い分、ハンドリングでも爽快な走りを楽しめます。まさに日本のために開発した仕様といっても過言ではないと実感しました。

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アクセラの1.5Lディーゼルターボは、国産ガソリン車の物差しでは測りきれない多くの特性を備えていました。残念なのはこれらの特性は、実際に様々なシーンを運転してみないと分からないこと。特にディーラーの回りを一周する試乗だけではわからない良さがたくさんありますから、是非関東マツダのキャンペーンのような機会があったら、ロングドライブをおすすめします。

(星崎 俊浩)

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マツダCX-5がフルモデルチェンジ。価格は246万2400円~352万6200円

マツダ新世代商品群の最初のモデルとして2012年2月に誕生したCX-5が、早くもフルモデルチェンジを果たしました。

2016年12月15日に発表された新型CX-5は、SKYACTIVテクノロジーや「魂動-Soul of Motion」デザインコンセプトなど、すべての面で磨き上げたモデルというわけです。

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パワートレインは、2.0リッターガソリン直噴、2.5リッターガソリン直噴、2.2リッターディーゼルターボという3種類で、いずれも6速ATとのコンビネーションとなり、駆動方式はFFと4WDが用意されています。

JC08モード燃費性能は、2.0リッターガソリン(FF)が16.0km/L、2.5リッターガソリン(FF)が14.8km/L、2.2リッターディーゼル(FF)は18.0km/L。タイヤは17インチと19インチが設定され、一部のグレードでは19インチタイヤ装着車の燃費が若干低めとなっています。

発売開始は2017年2月2日。メーカー希望小売価格は、ガソリン車が246万2400円〜321万3000円、ディーゼル車は277万5600円〜352万6200円となります。

どのパワートレインにおいても全車速追従クルーズコントロールや歩行者検知プリクラッシュブレーキなどの先進安全技術を備えたグレードが設定されているのも見逃せません。

なお、マツダのイメージカラーともいえるソウルレッドは、新色の「ソウルレッドクリスタルメタリック」へと進化しました。同色を含む、特別塗装色の価格は次の通りです。

「ソウルレッドクリスタルメタリック」7万5600円高、「マシーングレープレミアムメタリック」5万4000円高、「スノーフレイクホワイトパールマイカ」3万2400円高(いずれも消費税込)。

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■CX-5 20S(FF)主要スペック
車両型式:DBA-KFEP
全長:4545mm
全幅:1840mm
全高:1690mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1510kg
乗車定員:5名
エンジン型式:PE-VPS
エンジン形式:直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1997cc
最高出力:114kW(155PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4000rpm
変速装置:6速AT
燃料消費率:16.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/65R17
メーカー希望小売価格(税込):2,462,400円

■CX-5 XD L Package(4WD)主要スペック
車両型式:LDA-KF2P
全長:4545mm
全幅:1840mm
全高:1690mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1660kg
乗車定員:5名
エンジン型式:SH-VPTS
エンジン形式:直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ
総排気量:2188cc
最高出力:129kW(175PS)/4500rpm
最大トルク:420Nm(42.8kg-m)/2000rpm
変速装置:6速AT
燃料消費率:17.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/55R19
メーカー希望小売価格(税込):3,526,200円

(山本晋也)

【関連記事】

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新型CX-5は、マツダを支える「4番バッター」になれるか!?

2016年12月15日、新型マツダCX-5が発表されました。同日から予約を開始、発売は2017年2月2日からとなります。

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マツダの代表取締役 社長兼CEOの小飼雅道氏は、プレス向け発表会で「初代CX-5は今から約5年前、新世代商品の1番バッターとして、まさに社運をかけてグローバルに送り出しました」と切り出しました。

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初代CX-5は当初、グローバルで年間16万台の販売計画だったのが年々台数を増やし、昨年度は37万台を販売。現在では、マツダのグローバル販売の1/4を占めるマツダの基幹車種になっています。

新先代商品群の1番バッターとして最初に登場し、4番バッターに成長したということでしょう。

初代CX-5の成功により、マツダの社員全員が勇気をもらったそうです。

「2番バッター、3番バッター、4番バッターがなんとかヒットを打ってくれたり、バントで出塁してくれたり、きちんと塁に出ることができました」と新商品群の手応えを強調。

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さらに、「打順は再び1番にり、ステージ2に向けた本格スタートをこの新型CX-5で切りたいと思います。ちょうど本日から広島工場に加えて、防府工場でもCX-3の生を開始しました。このSUV車の生能力強により、新型CX-5はさらに生大し、年間約40万台の販売を計画しています」と語っています。

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成功した初代におごらず、先代オーナーからの多様な声を集め、愚直に技術開発を行ってきたという新型CX-5。「初代CX-5を大きく超える外装のデザインをもち、運転することのしさ、ドライバーだけでなく同者を含めた快適性、性、そして安全性能をさらに一段高いレベルに引き上げています」と締めくくっています。

まだ新型CX-5には試乗できていないので、とくに注力されたという「走りの深化」に関しては分かりませんが、安全面を中心とした装備の充実ぶり、操作系のブラッシュアップなどを着実に行っています。

初代CX-5からの買い替えはもちろん、輸入車も含めた新規ユーザーを惹きつけられるか、このあたりが成否を握っていそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

新型マツダCX-5は安全装備の充実など大きく「深化」。価格は246万2400円〜352万6200円

よりスタイリッシュになった新型・マツダCX-5。

内・外装のクオリティアップはもちろんですが、「音・振動」面の大幅な改善により静粛性を向上。シート設計を見直すことで、快適性も大きく「深化」させたのが大きな特徴となっています。

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もちろん、装備もより進化・充実していて、ステアリングヒーターの新設定、オート格納の電動格納リモコン式ドアミラー、メーターパネル内に4.6インチTFTを新たに採用しています。

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また、7インチのセンターディスプレイ(マツダ コネクト対応)は、液晶とタッチパネルを貼り合わせることで、光の乱反射を抑える方式を採用。センターパネルからダッシュボード上に移動させて視線移動を低減させるなど、使いやすく、見やすいコクピットに進化しています。

安全面ではミリ波レーダーとカメラなどを使った「i-ACTIVESENSE(アイ・アクティブセンス)」をアップデート。

全車速追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)は、追従可能な速度の下限を30km/hから0km/hにまで下げ、停止状態から100km/h(メーター読みでは114km/h前後か?)まで追従が可能になりました。再発進時はドライバーの操作が必要ですが、その後は自動で加速して追従していきます。

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「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」は、対車両に加えて、対歩行者にも対応したのがトピックス。さらに、作動速度域を約4〜30km/hから約4〜80km/hまで拡大(歩行者検知は約10〜80km/h)されています。

ほかにも、交通標識認識システム、アダプティブLEDヘッドライトなども設定され、マツダのフラッグシップにふさわしい充実ぶりとなっています。

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気になる価格ですが、2.0Lガソリン(FF)が246万2400円〜268万9200円、2.5Lガソリン(FF/4WD)が268万9200円〜321万3000円、2.2Lディーゼル(FF/4WD)が277万5600円〜352万6200円です。

(文/写真 塚田勝弘)

オートカラーアウォード2016のグランプリに輝いた、ロードスターRFの「マシーングレープレミアムメタリック」とは?

日本流行色協会(JAFCA)が主催する「オートカラーアウォード2016」において、マツダ・ロードスターRFのボディカラー「マシーングレープレミアムメタリック(以下マシーングレー)」、内装色「オーバーン(赤褐色)」の組み合わせがグランプリを受賞しました。

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以前にもご紹介したように、マツダの「マシーングレー」は、「ソウルレッドプレミアムメタリック」に続く、「匠塗(TAKUMINURI)」と呼ばれるボディカラー。

「魂動デザイン」というキーワードを掲げ、デザインに力を入れているマツダがとくに注力しているのが、この「匠塗(TAKUMINURI)」で、第1弾となる「ソウルレッドプレミアムメタリック」は、いまやマツダ車で最も売れている外装色になります。

アクセラ、アテンザで採用された第2弾の「マシーングレー」も20%を超え、「ソウルレッドプレミアムメタリック」と並ぶ人気ボディカラーになっているそうです。現在では、アクセラやデミオのほか、新型CX-5にもラインナップされます。

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漆黒の陰影を見せる「マシーングレー」は、リアルな金属の質感が徹底追求されており、JAFCAではグランプリの理由について、

マツダが行なってきたCMF(カラー、マテリアル、フィニッシュ)でのブランド構築の集大成とも言えるカラーデザイン

CMFと形状が一体となって、非常に調和した美しさを持っている

マシーンの鉄をイメージさせるグレーを、液体を思わせるような金属感により、グラマラスでセクシーなデザインとして作り上げた

と高く評価しています。

今までにありそうでなかった大人っぽいグレーは、単に渋いだけでなく、金属の質感もありありと再現されていて、大いに所有欲を満たしてくれそうです。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、マツダ)

1.5Lディーゼルターボの最高出力を活かしたアクセラの走りに何が!?(その2)【等身大インプレ】

■首都高環状線で最高出力を引き出すも、走りは不発でした

街中でGベクトリングの直進安定性を実感してから、中速のワインディング走行が試せる首都高環状線に入りました。料金所に向かって急な勾配の急カーブを上がっていくと、力強いトルクと滑るようなハンドリングに好感。期待が大いに高まります。

早速シフトをマニュアルモードに切り替え、パドルシフトを手元で操作して最高出力を活かした走りを試みたのですが、そこには予想外の事態が待っていました。

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エンジンは、ディーゼルとは思えないほど軽やかに回ります。さすがは、マツダ独創の低圧縮比を採用したスカイアクティブディーゼル! そこで最高出力を活かすべく、4000回転を越える位まで回してシフトアップしてみました。

ところが、クルマが期待ほど加速してくれません。エンジン回転と音の高まりほど、パワーがついてこないのです。

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またコーナー手前でパドルシフトでシフトダウンすると、今度はエンジンブレーキが効きません。ダウンサイジングターボは、エンジン排気量が小さいため、抵抗も小さいのです。

更にコーナーを抜けて、低いギアからアクセルを踏みこんでシフトアップしても、やはり勇ましい音をたてるわりには思うような加速が得られません。最高出力を活かすべく回転を上げてドライブしたのですが、全然面白味がなく正直しょんぼりしてしまいました。

■高速巡航でディーゼルターボの強みを実感

気を取り直して、ディーゼルターボが得意とする高速巡航を試そうと思い、シフトモードをドライブモードに切り替えて、首都高環状線から湾岸線、そして東関東自動車道へ乗り入れて千葉方面に向かいました。

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湾岸線に合流する際に流れに乗ろうと軽くアクセルを踏むと、グイッと押し出されるように加速して行きます。この時6速100km/hで、エンジンは2000回転を少し超えるくらいしか回っていません。エンジンを回してしょんぼりした直後だったので、低回転での力強い加速はちょっとしたカルチャーショックでした。

次に、前方車を抜こうと追い越し車線に入りながらアクセルを踏むと、2000回転前後をキープしながら力強く加速して、軽々と追い抜きをかけることができました。高速道路を巡航してようやく低回転トルクに乗った走りというか、欧州のアウトバーンで育まれたディーゼルターボの持ち味がわかってきました。

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1.5Lのディーゼルターボが最大トルク27.5kgmを1600〜2500回転で発揮することは、頭では分かっていました。でもエンジンは小排気量だし良く回るから、低回転だけでは物足りないと感じて最高出力を引き出そうとしたのですが、それが逆効果だったのです。

そもそも最高出力は105psなので、フルパワーでも大柄なアクセラのボディをグイッと引っ張り上げることはできません。それより小排気量の1.5Lでも27.5kgmの野太いトルクを発揮する低回転こそが美味しい走りの領域なのです。

しかもGベクタリングコントロールのおかげで直進安定性は抜群ですから、アクセラディーゼルターボは、ロングツーリングが得意中の得意ということをようやく実感することができたのです。

■リベンジ、首都高速環状線へ

続いて房総の海岸線と山坂道に向かおうと思いましたが、紅葉シーズン最後の土曜日でしかも晴天でしたから、道路はどこも行楽のクルマで混雑しています。渋滞での時間ロスや返却時間を勘案すると、房総を走った後にもう一度首都高環状線を走る時間はありません。

むしろ土日の午後1時〜4時の時間帯なら都心の首都高は比較的空いています。そこでリベンジではありませんが、首都高環状線に戻ってC1とC2を何度も周回して、ダウンサイジングディーゼルターボとGベクタリングで武装したアクセラの実力を掘り下げることにしました。

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ちなみに首都高環状線へ向かう東関道の高速巡行では、ダウンサイジングディーゼルターボが1600回転から発揮する粘り強い加速感と、Gベクタリングがもたらす車線変更での滑らかな走行安定性をしっかり味わうことができました。

その3では、首都高速リベンジ編に続きます。

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マツダ・CX-5がフルモデルチェンジで手に入れた同社初の「渋滞対応ACC」とは?

2017年2月に国内発売がはじまるというマツダCX-5の詳細情報が発表されています。現在のマツダを支える新世代商品群の始点として誕生したCX-5が、より進化・深化した2代目になるわけです。

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全身で、マツダのテクノロジーが正常進化していることを示す新型CX-5ですが、ここで注目したいのは『i-ACTIVSENSE』と称されるドライビングアシスト機能。

なかでも追従制御クルーズコントロール『MRCC(マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール)』は大きく進化しました。

従来はミリ波レーダーを用いるタイプでしたが、新型ではミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせることで追従可能なスピード域を0〜100km/hと、同社としては初めて渋滞対応としています。これまでは30km/h以下になるとMRCCがキャンセルされていましたから、大きく利便性がアップしたというわけです。

さらに、センサーの併用によって「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」と呼ばれるエマージェンシーブレーキの性能もアップ。従来は約4〜30km/hだった車両検知速度域は、約4〜80km/hへと大幅に広がりました。また約10~80km/hの範囲で歩行者も検知するよう進化しています。

また、MRCCなどの情報を表示するヘッドアップディスプレイも、新たにガラス投影タイプの『アクティブ・ドライビング・ディスプレイ』へと進化。より明瞭に、また視線移動を最小限に抑えたインターフェイスとなっています。

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新型マツダ・CX-5のこだわりはワイパーとドア閉まり音で分かる!?
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新型マツダCX-5はあまり代わり映えしない!? 外観はどう変わった?
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センターコンソールを7cmも高めた新型CX-5のインテリア、インパネはどう「深化」したか?
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新型CX-5のディーゼルエンジンは、静粛性と応答性向上で走りも深化
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新型マツダ・CX-5のこだわりはワイパーとドア閉まり音で分かる!?

マツダの年間販売台数で1/4を占めるというCX-5。新型CX-5の進化(深化)をひと言で表現すると、「Be a Driver.」というキャッチフレーズを掲げるマツダらしく「走る喜びの深化」だそうです。

その「走る喜び」は、新型CX-5は運転する喜びだけでなく、乗員すべてが人馬一体感を得られるようなフェーズにまで「深化」させたといいます。

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主査の児玉眞也氏が新型CX-5で最も「深化」したと力を込めるのが静粛性。

2014年11月のアテンザ、CX-5の商品改良時にも静粛性を向上させていますが、開発陣からは「まだ向上できる余地が残っているはず」という話を聞いた時ことを思い出しました。

今回の新型CX-5では、「高速道路でも全席で快適に会話できる」というのが分かりやすい成果とのこと。高い静粛性を実現するために、「音源の抑制」、「キャビンへの音の侵入を遮断」、「吸音による残響音の抑制」の3つを掲げています。

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たとえば、ワイパーをフロントフード上端部よりも低い位置にすることにより、正面から侵入してくる風騒音を抑制しているほか、ピラー曲率の見直し、ドアのゴムシールの見直しや段差、隙間の低減をすることで風切り音などの音源を抑制しています。

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見た目で分かりやすいのがワイパー。先代はボンネットの上から少しワイパーがのぞいていますが、新型ではボンネットラインよりも下に配置され、風の乱れを抑えることで音の抑制につながっているそうです。

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ほかにも、フロントスクリーンのガラス板厚を向上さているのをはじめ、フロントのサイドガラスの遮音膜の設定、フロアアンダーカバーの吸音化などが盛り込まれています。

今回、とくに注力されたのが、後席の静粛性向上。SUVは荷室から大きめの音が侵入してくるため、トランクボードと内装材、サブトランクと内装材の隙間を小さくしたり、荷室からの音の経路を遮断すべく、トノカバーフラップにより後席との隙間を減らしたりしています。

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さらに、マツダとして初めて採用されたのが、ドアを閉める際に車内の空気(圧)を逃がすエキストラクターの改良。エキストラクターは車内の圧を逃がすのと同時に、後席に高周波の音が侵入してくる要因にもなります。

先代では、ダイレクトに音が侵入してきたものを新型CX-5では、トリムの隙間を吸音材で埋めただけでなく、通気グリルの位置も極力後方に配置しています。

そして「音の時間変化」にも注目です。車内に侵入してきた音がトリムなどに反射すると反射音になりますが、内装材の吸音力を高めることで速やかに音を低減。具体的には、天井にあるトップシーリングの吸音特性を高めることで車内の音を素早く低減させているそうです。

前席だけでなく、後席の静粛性を高めることにより、高速走行時でも容易に前後席間で会話が楽しめるようになったのは朗報でしょう。

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車内の音の減衰特性が進化したのは、ドアを閉める時の音を素早く低減(減衰)させることによって実感できるはずとしています。運転席、後席に座って何度か開け閉めしましたが、密度の濃い「バッフッ」という音は確かに静かで高級車の香りがしました。

(文/塚田勝弘 写真/ダン・アオキ、塚田勝弘)

無塗装で使用できる植物由来のプラスチックが「マツダ ロードスター RF」の外装部品に採用

マツダは、三菱化学と共同で自動車の外装意匠部品に使用できるバイオエンジニアリングプラスチック(バイオエンプラ)を開発し、「マツダ ロードスター RF」の外装部品に採用すると発表しました。

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今回「ロードスター RF」の外装部品に採用されるバイオエンプラは、植物由来原料使用による石油資源の使用量削減やCO2排出量の抑制、無塗装によるVOC(揮発性有機化合物)の削減で環境負荷を低減する効果を発揮します。

同時に今回のバイオエンプラでは、従来材料で塗装が施された部品を超える質感(深みのある色合い、鏡面のような平滑感)を、プラスチックの材料着色で実現するなど、高い意匠性が必要な自動車外装部品としても使用できる品質を備えていることが特徴です。

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マツダでは、これまでにも植物由来の材料を「マツダ バイオテックマテリアル」として技術開発を続け、自動車内装部品用バイオプラスチックの開発や、植物由来100%の繊維からなる自動車用シート表皮の開発に成功して、植物由来の材料の使用を拡大しています。

バイオエンプラについては、2015年に「ロードスター」の内装意匠部品にマツダ車として初めて採用して以来、これまでに「CX-9」や「アクセラ」、「デミオ」にも採用を広げています。

マツダでは、このたびの「ロードスター RF」以降の車種で内装および外装意匠部品としてバイオエンプラの採用を一層広げていく予定としています。

(山内 博・画像:マツダ)

アクセラ恐るべし!これがマツダのGベクタリングの威力なのか!?(その1)【等身大インプレ】

■正しい姿勢に矯正する2つのメーター

等身大インプレの第3弾は、マツダのアクセラスポーツです。

今夏、マイナーチェンジとともに追加された直4・1.5Lのダウンサイジングディーゼルターボと、エンジンのトルク制御で走行安定性を向上するGベクタリングコントロールをぜひ試したいと思い、関東マツダの一日試乗キャンペーンにエントリーしました。

試乗当日は、最上級グレードの15XD Lパッケージを借りることができました。

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まずは運転席に座り、ステアリングの内側にあるインパネのメーターとステアリングの上越しから見るアクティブ・ドライビング・ディスプレイの両方が見えるように、シートとステアリングの位置決めをします。すると、自然と理想的なシートポジションが取れるから不思議。これは見事な姿勢矯正法だと、感心した次第です。

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カーナビは工場作り付けの専用タイプで、手元のコマンダーコントロールで操作します。画面をタッチするために身を乗り出す必要はありませんし、操作手順が理詰めで整理されているので、とても使いやすく感じました。

ただしナビの性能は、標準レベルにとどまります。これしか選べないのですから、もっともっと頑張って欲しいところです。

■1.5Lでも静かで野太いトルクのディーゼルターボ

支度を整えてスタートボタンを押すと、105ps/27.5kgmを発揮する直4ディーゼルターボが始動を開始します。車外にいるとガソリン車よりも音や振動が目立ちますが、室内ではアイドリングが少し気になるくらいで、慣れてしまうとほとんど意識しなくなりました。

ピストンピンに仕込んだマツダ独創のナチュラル・サウンド・スムーサーや、3本のボルトで固定する巨大なエンジンマウントなどの様々な技術の合わせ技で、静粛性を向上させているのでしょう。

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ハンドリングを試したかったので運転支援システムをOFFにして街中に乗り出すと、1.5Lディーゼルターボがアクセラスポーツのボディを力強く押し出していきます。

NA2.5L級の野太いトルクを発揮するエンジンは、街中では2000回転まで回さなくても充分でレスポンスも良いですネ。1.5Lディーゼルターボが新設された代わりに、2Lガソリンエンジンが廃止になりましたが、なるほど納得です。

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ボディは剛性感が非常に高く、街中での走りの挙動も滑らか。タイヤは太くて薄い215/45R18ですが、乗り心地は少し固めながらしなやかで筆者好み。6速ATのシフトモードは、オートのDモードに入れておけば、街中や国道を快適にドライブできます。

また、アイドリングストップはブレーキを深く踏み込むと作動するタイプで、ドライバーの意思で調整できるようになっています。

■これが、マツダのGベクタリングコントロールの威力なのか!?

国道を運転して気づいたのが、ステアリングの動きです。試乗車にはステアリングの上部中央にマークが入っているので、ステアリングの位置が一目でわかるのですが、直進時には中央でロックしているかのようにピタッと固定して動きません。

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実際の国道は、直線でも路面は凸凹だらけですし、クルマも太いタイヤを履いていますから、轍などでクルマが左右に振られるのは自明の理。なのに微修正すらなく、整備されたテストコースを走るかのように、ステアリングのマークが中央に留まり続けるのです!

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まるでマジックのようで、「これが、マツダのGベクタリングの威力なのか!?」とひとり叫んでしまったのは本当です。

その2では、首都高環状線に乗り入れてマニュアルシフトを試します。

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マツダ・アクセラが「対歩行者被害軽減ブレーキ」で1位を獲得!

国交省と自動車事故対策機構による、予防安全性能アセスメントの2016年度(前期分)のテスト結果が公開されました。このテストはエマージェンシーブレーキの性能だけでなく乗員保護性能などクルマの安全性能を確認するもので、JNCAPと呼ばれています。

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2016年度の前期分としてテストされたのは、スズキ:イグニス、スバル:インプレッサ、フォレスター、レヴォーグ、レガシィ、レクサス:GS、RX、トヨタ:クラウン、プリウス、ホンダ:フリード、マツダ:アクセラの計11台。

「どうしてこの車種がテストされて、あのモデルがないのか?」と疑問を抱く人もいるでしょう。

自動車事故対策機構(NASVA)のホームページよると、車種の選定については

「販売台数を考慮して、学識経験者やユーザー代表者などから構成される自動車アセスメント評価検討会で公正に選定されます」

とのこと。

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また、試験対象車の調達については、

「NASVA職員が身分を明かさずに販売店に出向いて展示車または在庫車から即時に購入し、部品交換等ができないようその場でマーキングを行っています。また、販売店で購入が困難な場合は、生産工場で無作為に抜き取って購入します」

とあり、公平性に注意が払われています。

高齢のドライバーによる歩行者などを巻き込んだ事故が社会問題化している昨今、今年からテストに加わった対歩行者のエマージェンシーブレーキ(被害軽減ブレーキ)の結果に注目が集まっています。

今年から加わった被害軽減ブレーキは「車両が直進時に横断している歩行者」に対してテストされるもので、歩行者の急な飛び出しもテスト内容から除外されています。速度は10km/h〜60km/hの間で10km/h刻み(6つの速度)で評価され、この試験は25点満点となっています。

被害軽減ブレーキ(対歩行者)の得点のみで順位をつけると、

1位:マツダ・アクセラ(24.5点)
2位:スバル・フォレスター(23.5点)
3位:スバル・インプレッサ(22.9点)
4位:スバル・レヴォーグ(22.5点)
5位:トヨタ・プリウス(22.1点)
6位:スバル・レガシィ(22.0点)
6位:レクサスRX(22.0点)
8位:レクサスGS(21.9点)
9位:トヨタ・クラウン(21.3点)
10位:スズキ・イグニス(20.3点)
11位:ホンダ・フリード(12.5点)となっています。対歩行者の被害軽減ブレーキテストは、先述したようにNASVAの基準でされていますから、試験方法によっては燃費計測のように点数が変わる可能性もあるでしょう。

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なお、ほかにも予防安全性能アセスメントは「被害軽減ブレーキ(対車両)」、「はみ出し警報」、「後方視界情報」があります。なお、予防安全性能アセスメントの2016年前期分では、すべてのテスト車両が最高ランクの「ASV++(ダブルダブル)」を獲得しています。

(文/写真 塚田勝弘)

国交省、日本初の対歩行者自動ブレーキの評価を公表。最高得点はマツダ アクセラ

国土交通省は12月1日、日本初となる11車種の対歩行者自動ブレーキの評価を公表しました。評価試験での最高得点はマツダ アクセラが獲得しました。

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今回、同省が公表した対歩行者自動ブレーキ評価は、平成7年から行っている自動車アセスメントの一環として今年度の平成28年から新たに加えられたもので、国産乗用車11車種の対歩行者自動ブレーキ評価を実施しました。

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公表された対歩行者自動ブレーキ評価の結果を得点順(25点満点)に並べると次の通り。

1.マツダ アクセラ:24.5
2.スバル フォレスター:23.5
3.スバル インプレッサ:22.9
4.スバル レヴォーグ/WRX:22.5
5.トヨタ プリウス:22.1
6.スバル レガシィ:22.0
6.レクサス RX:22.0
8.レクサス GS/GS F:21.9
9.トヨタ クラウンアスリート/ロイヤル/マジェスタ:21.3
10.スズキ イグニス:20.3

今回の評価は、歩く速度で車の前方を横断する人形に対して、車を10km/h〜60km/hの速度で複数回直進させ、横断する人形を検知して停車するまでの距離をメインに、衝突の回避・減速量に応じて点数を計算しました。

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今回、同省が対歩行者自動ブレーキ評価を公表したのは、日本国内の交通事故実態では、①死者数の約37%を歩行者が占めて最多となっていること、②交通事故死者数が減少しているなかで、歩行者の死者数減少幅が小さいこと、を重視したものと見られます。

公表された評価は、一般ユーザーが車種を選択する際に大きな指針となるもので、今後評価対象の車種をどこまで広げるか、特に輸入車を評価の対象に加えるかに注目が集まっています。

なお、対歩行者自動自動ブレーキが検知する対象は、あくまでも歩く速度で横断する人形であり、歩行者が急に飛び出すようなケースは評価対象になっていないので、現状では自動ブレーキを過信することはできません。

(山内 博・画像:国土交通省)

トヨタが少数精鋭の「社内ベンチャー」でEV開発を加速!

トヨタ自動車がEV開発を担う新たな組織を立ち上げると発表しました。

EV分野の業務に特化した上で、スピード感のある仕事の進め方を目指す考えで、新聞報などによると、12月1日に「EV事業企画室」として発足させるそうです。

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既存の社内カンパニーや本部に所属しない独立した「社内ベンチャー」的な組織運営を目指すとしており、意思決定を迅速化することで、EVの早期商品化につなげる模様。

新組織は自社に加え、グループ企業であるデンソーやアイシン精機、豊田自動織機からそれぞれ人材を募り、4人の少数精鋭で構成する計画といいます。

昨年のEVの世界販売は32.8万台と、新車販売全体に占める割合は0.4%未満に留まっていますが、IEA(国際エネルギー機関)によると、2030年には8%程度にまで上昇すると予測しています。

トヨタ自動車では、米国の環境規制強化に伴い、これまでのエンジン搭載車に代わる電動車の拡充が急がれることや、バッテリー性能の著しい性能向上を背景に、現行のHVやPHV、FCVに加え、EVを含めた全方位体制でこの状況を乗り切る考えのようです。

また、トヨタとのと包括提携で基本合意しているマツダが同日、2019年までにデミオクラスのコンパクトEVを米国に投入すると発表しました。

北米に導入後、各国の規制動向に応じて中国や欧州、日本への導入も検討しており、家庭用電源でも充電できる「中・大型」クラスのPHVについても、2021年以降の投入を目指しているそうです。

新聞報道などによると、同社は昨年5月にトヨタ自動車と先進技術の包括提携で合意して以降、既に人的交流を進めているそうで、今後はEVの制御技術面で共同開発を検討しているとか。

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ただ、こうした米国の環境規制強化に向けた動きが加速するなか、トランプ次期大統領が、温暖化対策に対して慎重な姿勢をとっており、現時点では今後の米国の動向が見通せない状況にあるのも事実。

米国の新車市場ではガソリン安を背景に、全体の約6割がピックアップトラックなどの大型車が占めており、小型で高額なエコカーの販売が伸び悩んでいます。

自動車各社は今後、難しい舵取りを強いられそうで、方向性を見誤らないためにも、政情とリンクした経営戦略をとる必要がありそうです。

Avanti Yasunori

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マツダの新型「CX-5」で披露された新ボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」とは?

16日に開幕したロサンゼルスオートショー(LA2016)で、マツダが新型「CX-5」を公開して話題になっています。この新型「CX-5」で注目されているのが、新開発のボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」です。

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マツダのソウルレッドといえば、プロ野球の広島カープのヘルメットにも採用され、「赤ヘル」と呼ばれて自動車ファンだけに限らず、野球ファンや一般市民にも親しまれているマツダを象徴するテーマカラーです。

今回マツダは、同社の代表的なボディ・カラー「ソウルレッドプレミアムメタリック」を新しいボディカラー「ソウルレッドクリスタルメタリック」に刷新し、2017年2月に日本国内で新発売する予定の新型「マツダ CX-5」で初採用した後、マツダのテーマカラーとして広く他車種に展開していく予定です。

新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、強さと鮮やかさ、クリアな深みと艶感を両立させることを目指して開発されたもので、従来のソウルレッドプレミアムメタリックより、彩度を約2割、深みを約5割増して、より瑞々しく艶やかな透明感が表現されています。

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この新色の特徴から従来より複雑な塗膜層が予想されますが、新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」の塗膜層は、クリア層、透過層、反射層というシンプルな3層構成で従来より鮮やかで深みのある色彩を実現しています。

シンプルな3層構成で新色を実現するために、マツダ独自の塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」を進化させた、ということです。

新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」の透過層で採用された新技術は、1.高彩度な赤色の顔料を新開発、2.反射層には極薄の高輝度アルミフレークに「吸収フレーク」を加える、3.アルミフレークのサイズを均一化する、の3点です。

この3点の新技術から生まれる効果は、1.の新赤色顔料の採用で、よりピュアな赤色を発色させることに成功し、2.の反射層では、従来は2層でないと実現できなかった深みを1層で実現、3.のアルミフレークのサイズを均一化では、アルミフレークと光吸収フレークをボディの表面へ均等かつ平滑に分布させることで、より緻密に光を反射させることができました。

特に、3.のアルミフレークのサイズを均一化により、ハイライトの鮮やかさとシェードの深みが大幅に向上し、新色の表情を豊かにするのに効果が大きいと思われます。

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この新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」で開発された新技術は、ほかのボディカラーにも応用できるものです。たとえば、マツダのもうひとつの注目カラーである「マシングレー」に適用すれば、最近発表された「ロードスタ RF」にぴったりのボディカラーになりそうです。

今後マツダから自動車ファンを楽しませてくれる新色が次々に登場してほしいものです。

(山内 博・画像:マツダ)

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注目の5台をピックアップ!新型SUVがロサンゼルスショーに大集結【ロサンゼルスオートショー16】

11月18日‐27日の会期で開幕したロサンゼルスオートショー16では、各社が新型車やコンセプトモデルを披露しています。今回は、その中でも注目度が高い5台をご紹介したいと思います。まずは日本勢による出展車から。

スバル VIZIV-7 SUV コンセプト

今回スバルがワールドプレミアしたのは、3列シートを装備した7人乗りのミッドサイズSUVで、ゆとりの有るキャビン空間が確保されています。

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車体のスリーサイズは、全長5,200mm×全幅2,030mm×全高1,860mmで、ホイールベースが2,990mmと、現行のフォレスターより一回り大きく、同社のラインナップ中、最大サイズとなります。

同社はこのミッドサイズSUVを2018年に北米市場に導入する予定としています。

Subaru_VIZIV-7_SUV_Concept

このモデルは、2014年まで米国など海外で販売されていたクロスオーバーSUV「スバル・トライベッカ」の後継車とみられます。

マツダ CX‐5

こちらのSUVはマツダが来年2月に国内発売予定の新型「CX-5」。

Mazda_CX-5

SUVでありながら、品格や成熟さを感じさせるデザインを目指しており、ボディカラーには新色の「ソウルレッドクリスタルメタリック」を採用。

従来の「ソウルレッドプレミアムメタリック」よりも彩度を約2割、深みを約5割増しているそうで、艶やかな透明感を実現しています。

Mazda_CX-5

スリーサイズは全長4,545mm×全幅1,840mm×全高1,690mm、ホイールベースが2,700mmと、現行モデル比で5mm長く、15mm低くなっています。

ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.0」「SKYACTIV-G 2.5」、ディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D 2.2」をラインナップしており、「SKYACTIV-D 2.2」には同社が独自に開発したノッキング音を抑える技術「ナチュラル・サウンド・スムーザー」や「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を採用。

高回転域まで軽快に伸びるパフォーマンスやトルクフルな走り、クラストップレベルの優れた燃費性能を両立しているといいます。

Mazda_CX-5

車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第1弾、「G-Vectoring Control」を搭載。

トヨタ C‐HR 米国仕様

日本国内でもWebによる先行受注が開始されている「C‐HR」ですが、こちらの出展車は米国仕様となっており、前後ランプ類の仕様が国内向けとは異なっています。

Toyota_C-HR_US

またフロントバンパー意匠も専用で、国内仕様よりも突出量が大きい分、よりスポーティな印象を与えます。

トヨタ自動車の発表によると、対米向けには146ps/190Nmを発生する2.0Lの4気筒エンジンが搭載されているようです。

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本場ザックス(SACHS)製のダンパーが走安性と乗り心地の両立に大きく貢献しているとの評判。また欧州向け等にはオーリス用のマニュアル・トランスミッションをベースに、シフトフィールを改良した6MT仕様車が存在しており、欧州における先行試乗会でも評判が良いようです。

「C-HR」はTNGA採用車が海外で生産される初のモデルで、欧州のトルコ工場で既に生産を開始しており、北米、カナダなどに輸出される計画になっています。

Toyota_C-HR_US

スリーサイズ(国内仕様)は全長4,360mm×全幅1,795mm×全高1,550mmと堂々としており、ホイールベースは2,640mm。

国内向けについてはトヨタ自動車東日本の岩手工場で生産される模様で、1.8LのFFハイブリッドモデルにはプリウス用、1.2Lの4WDターボモデルにはオーリス120T用のエンジンをそれぞれ搭載。車両価格帯は250‐290万円との予想。

ジャガー I-PACE

ジャガーカーズは同社初となるリチウムイオンバッテリー(90kWh)とモーターを搭載したEV仕様の5人乗りSUVコンセプト「I-PACE」を発表しました。

Jaguar_I-Pace_Concept

車体のスリーサイズは全長4,680mm×全幅1,890mm×全高1,560mmで、搭載モーターは400ps/700Nmを発生。0-100km/h加速が約4秒と、スーパースポーツモデル並みのパフォーマンスと、SUVのユーティリティを兼ね備えた一台となっています。

Jaguar_I-Pace_Concept

一充電当たりの航続可能距離は約500km。

一際美しいエクステリアデザインが映える「I-PACE」は2018年後半の市販を予定しているそうです。

Jaguar_I-Pace_Concept

アルファロメオ ステルヴィオ

世界的なトレンドにのってアルファロメオもSUV市場への参入を予定しており、今回のショーでアルファ ロメオブランド初のSUV「ステルヴィオ」を披露しました。

新型ジュリアと同じプラットフォームを採用しており、外観についもヘッドランプやフロントグリルなどに、同系統のデザインが施されています。

車体のスリーサイズは全長4,680mm×全幅2,160mm×全高1,650mm。

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最上級グレードに4WDの「クアドリフォリオ」が設定されており、同モデルに搭載されるフェラーリ・チューンの直噴2.9L V6ツインターボエンジンは、512ps/600Nmを発生。0-100km/h加速3.9秒、最高速284km/hを誇る高性能SUVとなっています。

その他にも、284ps/400Nmを発生する4気筒2.0Lターボエンジンに、8速ATを組み合わせたモデルもラインナップされるようです。

Alfa_Romeo_Stelvio_Quadrifoglio

以上、注目車種について見て来ましたが、各社ともにSUVの出展が主で、セダンが苦戦するなか、SUVやピックアップトラック系が人気の米国市場にジャストミートさせた出展内容になっていることが判ります。

Avanti Yasunori

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【関連サイト】

ロサンゼルス オートショー2016
http://laautoshow.com/

新型マツダCX-5で初登場の「ソウルレッドクリスタルメタリック」とは?

「魂動デザイン」を掲げるマツダは、造形だけでなくカラーデザインとも呼ばれるようにボディカラーにも注力しています。

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第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」は、いまやマツダを象徴するカラーとして新世代商品群全体でも人気ボディカラーになっています。また、アクセラ、アテンザ、CX-3、デミオ、ロードスターRFという具合に順次採用されている第2弾の「マシーングレープレミアムメタリック」もアクセラで2割を超えるなど、有償色であっても着実に支持を集めています。

新型CX-5に初採用される「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、生命感を抱かせるエネルギッシュな強さと鮮やかさ、濁りのない深みと艶感をより高い次元で両立させたカラーで、第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」を進化させた新色。

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第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」よりも彩度を約2割、深みを約5割増したことで、より瑞々しく艶やかな透明感を得たとしています。

具体的には、塗膜層を「クリア層」、「透過層」、「反射層」からなるシンプルな3層構成としつつ、マツダ独自の塗装技術である「匠塗 TAKUMINURI」を進化。

なお、「匠塗 TAKUMINURI」とは、熟練職人が手塗りしたような精緻で高品質な塗装を、量産ラインで実現するマツダの塗装技術で、第1弾の「ソウルレッドプレミアムメタリック」、第2弾の「マシーングレープレミアムメタリック」にも採用されています。

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透過層には新開発の高彩度な赤色の顔料を採用することで、赤色をよりピュアに発色。反射層には極薄の高輝度アルミフレークに加えて、光を吸収してシェードの濃さを強める「光吸収フレーク」を採用することで、従来は2層必要だった深みの表現を1層で実現。

また、アルミフレークのサイズを均一化するとともに、塗装の精度向上と乾燥工程で塗膜の体積を収縮させる手法により、アルミフレークと光吸収フレークのボディ面への均等かつ平滑な分布を達成し、より緻密に光の反射をコントロールさせています。これらにより、ハイライトの鮮やかさとシェードの深みを大幅に向上させたそうです。

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新色の開発ではボディカラー開発だけでなく、生産技術面も含めた進化が欠かせません。反射層を従来の2層から1層に減らすなど、生産効率向上やコスト削減、環境面への配慮につながると思われる技術も投入されているのも注目。

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実際に「ソウルレッドクリスタルメタリック」は、発色と機能を集約させる塗膜設計技術により、通常より多くの塗膜層を必要とする高意匠カラーをシンプルな層構成で達成。マツダが継続的に取り組んでいる環境に優しい塗装ラインでの生産に貢献しています。

(塚田勝弘)

新型マツダCX-5、公開直前にレンダリングCGが流出!

11月16日から開催されるロサンゼルスモータショーでのワールドプレミアを控える、新型マツダ『CX-5』のレンダリングCGが欧州エージェントから流出しました。

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かねてから噂されていた通り、キープコンセプトのエクステリアですが、LEDデイタイムランニングライトバーを備えたフロントバンパー、薄くなったヘッドライトやリアコンビランプ、エアインテークの形状により、現行モデルよりスポーティーになった印象です。

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パワートレインの予想ラインナップは、「SKYACTIV-G」2リットル直列4気筒DOHCエンジン、「SKYACTIV-D」2.2リットル直列4気筒ディーゼルエンジン、そして最高馬力235psを発揮する「SKYACTIV-G」2.5リットル直列4気筒DOHCターボエンジンです。

また、最新の安全運転支援システムを搭載、大幅な燃費向上が予想されます。

(APOLLO)

【スーパー耐久2016】第5戦岡山ラウンド、ST-4クラスでロードスターが初優勝!地元戦でマツダ車が大活躍

10月22〜23日に岡山国際サーキットで開催された第5戦「 スーパー耐久レース in 岡山」。

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決勝レースは23日の午前、午後に別れて2レースが行われ、午前はST-4、ST-5クラスのグループ2が3時間の耐久レースを走りました。

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ST-5クラスをポールポジションでスタートしたのは「村上モータースMAZDAロードスターND」。第2戦SUGOではポールtoウィンを決めた新型ロードスターは、岡山でもポールポジションを獲得。

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スタートでフィット3に抜かれ3位に後退するも、序盤から中盤はフィット3勢とサイドbyサイド、テールtoノーズのトップ争いを繰り広げ、ST-5クラスここにあり!とレースをかなり盛り上げてくれましたが、駆動系トラブルで後退を喫してしまいます。

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NDロードスターが後退をした後に3位まで登り詰めてきたのが「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。順調に追い上げを見せ、最後のドライバー交代を迎えたそのとき、なんとタービントラブルで長時間ピットストップ。こちらも戦線から離脱してしまいます。

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ST-5クラスはスタートでトップをもぎ取った19号車「BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FIT」が優勝。2位に69号車「BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT」が入り、69号車はこれでポイントランキングトップに返り咲くことになりました。

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NA換算2000ccまでのST-4クラスでは「TC CORSE iRacing ROADSTER」がなんと初優勝。初エントリーから3年越しの優勝です。

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このクラス、今期はトヨタ86が開幕から4連勝。昨年まで強かったホンダ勢も表彰台に登るのがやっとといった状況下で、孤軍奮闘のNC型ロードスターの優勝は快挙といえるでしょう。

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2位には「埼玉トヨペットGreenBrave86」。3位は、1位の表彰台に上がりながらペナルティーで30秒加算の3位となった「ENDLESS・ADVAN・86」。

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中国地方唯一の国際サーキットである岡山国際サーキットは、マツダの地元ともいえる場所。そこで新型1500ccのNDロードスターがポールポジション、そしてNCロードスターが86やS2000を抑えての優勝と、まさに故郷に錦を飾ったレースとなりました。

ST-4、ST-5クラスは岡山戦終了時点でもまだシリーズチャンピオンが決定していません。熱い戦いは11月19〜20日の最終戦オートポリスまで持ち越しとなりました。

(写真・文:松永和浩)

マツダがロサンゼルス自動車ショーで新型「マツダ CX-5」を世界初公開!

マツダが11月18日に開幕するロサンゼルス自動車ショーで、新型「マツダ CX-5」を世界初公開すると発表しました。

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新型CX-5は、デザインと技術の全てを磨き上げ、あらゆる領域で「走る歓び」を深化させたクロスオーバーSUVとなっている模様。

同社によると、「魂動-Soul of Motion」のコンセプトをより高い次元へと昇華させ、洗練と力強さを備えた、研ぎ澄まされた美しさを追求したとしています。

今回、ティーザー画像を先行で公開、同車の伸びやかなサイドビューが見てとれます。

Avanti Yasunori

マツダデザインの歴史とデザイナーとエンジニアの共創【戦後から1980年代まで】

マツダにとって5年連続の出展となる「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2016」では、開発者トークセッションも開催されています。プレス向けに開催されたトークセッションは、同期間中と同じ「マツダデザインの歴史」、「デザイナーとエンジニアの共創」がテーマ。

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ここでは、マツダのデザイン本部 ブランドスタイル統括部 主幹の田中秀昭氏による戦後から1980年代までのトークの概要をお届けします。

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現在、クルマ以外のマツダのデザインを担当している田中氏は、マーチャンダイジングなどのほか「デザインタッチ」などのイベントにも携わっています。以前は世田谷にあったエムツー(M2)でロードスターの「1001」、「1028」なども担当していたそうです。

マツダの歴史は戦後の焼け野原からスタート。戦後、三輪トラックを作っていた頃からインダストリアルデザイン(工業デザイン)を採り入れていて、当時、インダストリアルデザイナーの第一人者であった小杉二郎氏に三輪トラックのデザインを依頼。

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三輪トラックからスタートしたマツダのデザインは、1960年代のモータリゼーションを迎えると「ピラミッドビジョン」を掲げます。

同ビジョンは、一番下に軽自動車があるという需要構造を見立て、マツダのクルマも小さな軽自動車から段階を踏んで大きなクルマへと行く考え方。つまり、乗用車需要の底辺を支えようという意図です。

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1959年12月、デザインルームである機構構造型課 造型係が発足。なお、上の写真はキャロルのドアを開発、設計している様子です。

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1960年、マツダが初めて販売した乗用車「R360 Coupe」は、戦後初めて車名にクーペの名が付いたモデル。メインのデザイナーは先述の小杉二郎氏ですが、1958年に入社したマツダ初のデザイナーである小林平治氏(1年後にはコスモスポーツをデザイン)も一緒にデザインしていました。

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「R360」は、ドアやボンネット、トランクなどにアルミを使うなど徹底した軽量化が図られているほか、薄い鉄板に強度を持たせるためビードが入れられています。これが、寸詰まり感のある軽自動車を伸びやかに見せ、あえて「2+2」になりきることでキャビンを小さくすることで、当時の軽の中で、最も全長が短く、全高が低くても存在感を放つことができました。

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さて、今回の「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2016」に展示されている「ルーチェ ロータリー クーペ」に話が飛びます。三角ウインドウもBピラーもないハードトップは日本初の試みで、マツダ初のFFでもあります。当時、ベルトーネに在籍していたジウジアーロのデザインであることは広く知られていますが、実際は異なるそうです。

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まず、ベルトーネ(ジウジアーロ)のデザインモデルを元に、マツダ社内で4ドアセダンを試作。さらに、これをベースにルーチェのセダンが生まれ、さらにセダンをベースに社内のデザイナーがクーペ化を図ったという流れ。

同車のオーバーハングが短くできたのは、「13A」型ロータリーエンジンの高さ方向を大きくし、全長を短く(厚さ)を薄くすることで実現。エンジニアとデザイナーが一緒になっていい物を作り上げるというのは、現在の魂動デザインと同じような考え方といえます。

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そのほか、北米への輸出の時代を迎え、マスキー法を逆手に取った経営戦略を採り、「サバンナ」が登場。世界唯一のロータリーエンジンは力強さが特徴であり、それを積む「サバンナ」は、百獣の王であるライオンを表現。もちろん、サバンナが持つ誇りや力強さが込められています。

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オイルショック後、エコなモデルにシフトしていき、1980年代に入って5代目ファミリアが登場。フォードからデザイナーが多く来日し、フォード・レーザーをデザインする彼らの仕事ぶりを隣で見て刺激を得ていたそうです。

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「コスモAP」はオペルに一度移ってから再度マツダに戻ってきた河岡徳彦氏による仕事で、ヨーロピアンな香りが漂っています。しかもCd値は0.32で世界屈指の空力性能を誇ったボディでもありました。

(文/写真 塚田勝弘)

マツダの「マシーングレープレミアムメタリック」は、塗装プロセスにもさまざまな工夫を凝縮

リアルな金属質感を目指して開発されたマツダの「マシーングレープレミアムメタリック(以下、マシーングレー)」は、かなり難しいチャレンジだったそうで、当然ながら塗装プロセスにおいても新しい試みがなされています。

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通常のボディカラー開発は、デザインがある程度ターゲットユニットとして決まり、設計、性能要件、生産と工場(単位)にシフトしていく流れの中で進んでいきますが、こうした流れだとどうしてもそれぞれの要件に壁があるそうです。

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そこで「マシーングレー」では、デザインのイメージ段階からデザイン、設計、生産、サプライヤーが集まった「共創」活動でアイディアを出しながら開発。この活動が、「マシーングレー」を商品化できた大きなポイントになっています。

「マシーングレー」が目指したのは「金属質感」、「鉄の黒光り感」、「みずみずしいツヤ感」。

まず、「金属質感」をどうやって出したかというと、一番下に鉄、錆防止などの下塗り、カラー層、その上にアルミフレーク(ラメ)の入った薄いカラー層(メタリック層)、一番上がクリア層になっています。

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通常と異なるのは、カラー層が1色ではなく別々の塗料で2層に分けている点で、「金属質感」をどう「捉えるか」に注力。

そのため、新潟県燕市の金属加工の職人に協力してもらい、金属プレートの磨き度合いの異なるサンプルをいくつも出してもらったそうです。燕市の金属加工といえば、iPodの研磨で世界的な話題になったこともありました。

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磨き方によっては鏡のような状態までになりますが、表面に若干研いだ後が残るような研磨状態が今回マツダの考えた「マシーン感」と決定し、さらに分析すると、表面にごく僅かな凹凸が残っているために、光が反射した時に「マシーン感」を醸し出すことが分かったとのこと。

しかし、その質感を塗装で表現するのが課題。そこで、メタリックを入れたアルミフレーク層に「段差」をわざと付けることで、金属の凹凸のようにならないかと考え、「マシーン感」が得られる「段差」を試行錯誤しながら決定されました。

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つぎの「鉄の表現(黒光り感)」は、鉄そのものを使えれば表現しやすいものの、錆の原因になるため塗装の中には使用できません。そこで、アルミフレークを使いながら鉄を表現するという、相反する課題にチャレンジ。

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まず、「黒光り感」は何かを分析すると、光を当てたときアルミは90%以上を反射させ、鉄は50〜60%以上反射させる点に着目。鉄は光を半分くらい吸収することで「黒光り感」が出ていると考え、10ミクロンくらいのアルミフレークとアルミフレークの間に隙間を設けることで、その隙間に入った光が黒のカラー層に吸収させています。その隙間の比率を調整することで、鉄と感じる(鉄の反射率に近づく)ように設計されています。

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「マシーングレー」の塗装は、噴霧(塗装の小さな粒)の大きさが20〜30ミクロンで従来よりも小さくなっていて、この粒子の中にアルミニウムが1つ入っているそうです(厳密には1つは究極の理想で、時々2つ入ることもある)。

ボディ全体に噴霧した時は、アルミニウムがばらばらな方向を向いていて、その後塗装が蒸発(水分やシンナーが蒸発)していくと、塗装の厚みが薄くなり、体積の圧縮とともにアルミフレークを並行にして、最終的には0.5ミクロンという普通の塗装の1/6くらいまで薄くなるそうです。そこまで薄くすることでアルミを綺麗に並べられます。

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そして、塗装表面の滑らかさもポイント。厚く塗れば可能になりますが、生産台数に制約が出てくるため、鋼鈑の表面から平滑にしていくという挑戦もなされています。下塗り、カラー層(ブラック)も塗装そのものが真っ平らになるように開発されていて、反射層を塗る頃にはかなり平滑になっていて、アルミフレークを並べ、最後にクリア層が塗られています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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ソウルレッドに並ぶマツダ車のプレミアムボディカラー「マシーングレープレミアムメタリック」に込めた思いとは?
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【スーパー耐久2016】デミオ・ディーゼルがST-5クラスのランキングトップ! 第5戦岡山で大勝負か?

2016年のスーパー耐久シリーズも残すところ2戦。

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そのうちの1戦が今週末の10月22、23日に岡山国際サーキットで開催される「スーパー耐久シリーズ2016 第5戦 スーパー耐久レース in 岡山」。

今年のスーパー耐久の波乱ぶりは例年には無いほど。そのなかでも混戦に次ぐ混戦で誰が勝つのか本当に予想できないのが排気量の一番小さいST-5クラス。第4戦の富士9時間レースが終わった段階でのランキングトップは、今シーズンの初めには誰一人予想だにしていなかったあのマシン!

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17号車「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D 」。そうデミオ・ディーゼルがランキングトップなのです。

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昨年の覇者で、今年も第3戦鈴鹿サバイバルまでトップだった69号車「BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFIT 」が、第4戦富士9時間ではトラブルで9位に後退。ポールポジションポイントを含めて5ポイントしか得ることができませんでした。

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かといってデミオディーゼルが優勝したかというと、走行中にリアハッチが開いてしまうというトラブルや、ターボゆえに気温が高いことが不利に働き、結果は4位。

ただし、富士では9時間という長丁場であったためにボーナスポイントが付与されるため、獲得したポイント数は16ポイント。通常の3時間フォーマットのスーパー耐久シリーズでは2位と同じポイントです。

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第4戦富士を優勝したのは69号車のチームメイト「BRP★J’S RACINGホンダカーズ三重北FIT 」。

この3台が現在のスーパー耐久ST-5クラスのポイントランキング3台で、シリーズチャンピオンを自力で取ることのできる3台ということになります。

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カタログ馬力で132馬力もあり、車重によるハンデが60kgも課せられていながらもまだまだ速いホンダFIT3勢を相手に、1トン切るかどうかの車重でカタログ馬力105馬力のデミオ・ディーゼルがランキングで上に立つというのは常識的に考えれば無茶な話です。

それでも、現在のランキングを実現してしまったのは、ホンダFIT3勢の1.5倍はあるというレース中の好燃費と、0周ピットインなどの奇抜な作戦を駆使するチームの柔軟性によるところが大きいのではないでしょうか。

17号車のデミオディーゼルがランキング首位とはいえ、69号車のFIT3との差は0.5ポイント。岡山戦だけでなく、最終戦オートポリスまでギリギリの戦いを繰り広げなければ、この決着はつかないかもしれません。

今まさに、スーパー耐久のST-5クラスでは燃費 vs パワーの戦いが繰り広げられているのです。

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その他のクラスに目を向けてみますと、NA換算2000ccまでのST-4クラスでは、ランキング首位の13号車「ENDLESS・ADVAN・86 」と、2位の86号車「TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86」が7ポイントの僅差でこちらもかなりの激戦。86同士の戦いは熾烈さを極めることでしょう。

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NA換算3500ccまでの2輪駆動車で競われるST-3クラスは新旧レクサス対決。38号車「MUTA Racing TWS IS 350 」の開幕3連勝に対して、62号車「DENSO Le Beausset RC350 」が富士9時間で優勝。38号車の連勝にストップをかけたカタチです。この優勝で62号車が一気にランキング2位なり、38号車とのポイント差は15.5ポイント。岡山次第ではチャンピオンも狙える位置に来ました。

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NA換算3500ccまでの四輪駆動車で競われるST-2クラスでは、首位の59号車「DAMD MOTUL ED WRX STI」と、2位の6号車「新菱オートDIXCELエボⅩ 」のポイント差が20ポイント。両車の優勝回数はともに2回。ボーナスポイントのつくもてぎ5時間と富士9時間を制したのは59号車。対して6号車はSUGO3時間、鈴鹿サバイバル4時間を制し、得意な分野が異なることが明確になりました。残りの岡山、オートポリスは両方とも3時間レース。このポイント差がどうなるかは岡山戦にかかっています。

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SUPER GTのGT300クラスでもお馴染みのFIA GT3マシンで競われるのがST-Xクラス。ランキングトップは24号車「スリーボンド 日産自動車大学校 GT-R」、2位は3号車「ENDLESS・ADVAN・GT-R」でその差は18.5ポイント。GT-R同士による激しいバトルは他のクラスとは迫力が違います。

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今年のシリーズチャンピオンを占う上での重要なレースとなる第5戦岡山は、ST-4、ST-5クラスがグループ2、それ以外がグループ1として、10月23日の午前と午後に分かれて各グループごとに3時間レースが行われます。特にグループ2は追い抜いてくる上位クラスがいないためにラップタイムの向上が見られ、各クラス本来のポテンシャルが発揮されるという面で必見といえるでしょう。

(写真・文:松永和浩)

商品改良を受けたマツダ・デミオにキルティング加工シートの特別仕様車が登場

2016年10月14日にマツダ・デミオの商品改良が発表されました(発売は11月17日より)。

今回の商品改良では、マツダが実用化に漕ぎ着けたエンジンによるハンドリングアシスト「G-ベクタリングコントロール」の標準装備化や「アクティブドライビングディスプレイ」の視認性向上、対向車や先行車に配慮した配光のアダプティブLEDヘッドライトをメーカーオプションとして新設定しています。

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さらに、クラスレスの存在を目指すデミオらしい、上質感を狙った特別仕様車「「Tailored Brown」が新設定されているのも見逃せません。

ディーゼルエンジンの「XD Touring」と、ガソリンエンジンの「13S Touring」のAT車をベースに、ライトブラウン&ブラックを基調としつつ、オレンジのさし色に加えるといった上品なカラーコーディネートに、キルティング加工を施したスエード調人工皮革のシートをあしらったインテリアによりアート空間を表現しているのが特徴。

外観では高輝度ダーク塗装のアルミホイールを与えることで、スタイリングを引き締めています。

特別仕様車「「Tailored Brown」のメーカー希望小売価格は、ガソリンが171万7200円(2WD)/192万2400円(4WD)、ディーゼルは199万8000円(2WD)/220万3200円(4WD)となっています。

(山本晋也)

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特別仕様ながらレギュラーモデル宣言。マツダCX-3 XDノーブルブラウンは高級革シートを採用

2015年2月にデビューしたマツダのコンパクト・プレミアムSUV「CX-3」がはやくも2度目の商品改良です。

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2016年10月14日に発表、11月24日から発売される新しいCX-3は、外観など基本的な部分はそのままに、ディーゼルエンジンの気持ちよさを向上させる「ナチュラルサウンド周波数コントロール」や、パワートレインがハンドリングをアシストする「G-ベクタリングコントロール」、そして安全装備では歩行者検知機能を追加したアドバンスト・シティ・ブレーキ・サポート」を採用するなど、出し惜しみなく進化を遂げています。

それでいて、一部にグレード名の変更はあったものの、メーカー希望小売価格は237万6000円〜と、価格据え置きの魅力的な商品改良となっています。

さらに上級グレードにあたる特別仕様車「XD Noble Brown(クロスディーノーブルブラウン)」が追加されたのもニュースです。

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今回の商品改良で追加された新色マシーングレープレミアムメタリックにジャストフィットするようなブラウンとグレーを組み合わせたインテリアが特徴的な「Noble Brown」。

そのシートは高級なナッパレザーとスエード調人工皮革を組み合わせたもので、4WD車では300万円を超える価格となるのも納得といえる高級感を醸し出しています。

外観では高輝度ダーク塗装のアルミホイールが、実際以上に伸びやかなサイズ感をアピールしているのもクロスオーバーSUVとしてのプレミアム感を強調しています。

特別仕様車ながら最上級グレードとしてのキャラクターも担うという「Noble Brown」。メーカー希望小売価格は、2WDが284万400円、4WDが306万6400円。いずれも6速MTと6速ATが設定されています。

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●マツダCX-3 XD Noble Brown(4WD)主要スペック
車両型式:LDA-DK5AW
全長:4275mm
全幅:1765mm
全高:1550mm
ホイールベース:2570mm
車両重量:1340kg
乗車定員:5名
エンジン型式:直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボ
エンジン形式:S5-DPTS
総排気量:1498cc
最高出力:77kW(105PS)/4000rpm
最大トルク:270Nm(27.5kg-m)/1600-2500rpm
変速装置:6速MT
燃料消費率:23.4km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:215/50R18
メーカー希望小売価格(税込):306万6400円

(山本晋也)

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マツダの「魂動デザイン」の魅力が分かる「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2016」

2020年に100周年を迎えるマツダ。CX-5やアテンザ、アクセラ、デミオやCX-3、ロードスターといった新生代商品を擁し、黒い外観が印象的な新世代店舗の展開など、ブランド力向上に注力しています。

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しかし、マーケティング戦略だけでブランドとして認知されるほど甘くないのは重々承知で、商品そのものを絶えず磨き上げているのが上記の新世代商品というわけです。

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マツダの魅力といえば、「走り」はもちろんですが、デザインテーマに「魂動(こどう)」を掲げることで、ファンを着実に増やしています。

マツダのデザインの魅力を訴求する場として、5年連続となる「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2016」に出展しています(10月14日〜23日まで開催)。

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今年のテーマは「Mazda Design Elegance」で、今秋日本で予約販売を開始する予定になっているマツダ ロードスター RFの北米仕様モデル「Mazda MX-5 RF」をはじめ、1969年に発売されたマツダ初のFFモデル「ルーチェ ロータリークーペ」を展示。

なお、同モデルはイタリアのベルトーネによる4ドアセダンのデザインを元に、マツダ社内のデザイナーが独自のテイストを加えたクーペデザインが特徴です。

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初日の14日には、マツダ デザイン本部 ブランドスタイル統括部 主幹の田中秀昭氏、デザインモデリングスタジオ 部長の呉羽博史氏がマツダのブランドストリーをデザインの面から語るトークセッションが開催されました(こちらは別記事でご紹介します)。

そして、東京ミッドタウンのプラザ1F(キャノピー・スクエア)に展示されていたMazda MX-5 RFを前に、チーフデザイナーであり現在の主査でもある中山 雅氏が最もこだわりがつまったファストバックスタイル、リトラクタブルハードトップの開閉動作の美しさについて解説。こちらも別記事でご紹介します。

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そのほか、資生堂と一緒に開発したマツダの「魂動(こどう)」デザインの世界観を表現したというフレグランス「SOLE of MOTION」も出展。10月23日(日)まで東京ミッドタウンで開催されていますので、気になる方は訪れてみてはいかがでしょうか。

(文/写真 塚田勝弘)

マツダがSUV「CX-9」増産へ!CX-4国内発売の可能性は?

世界的にSUVの人気が高まるなか、マツダがSUVの2018年度の世界販売台数を昨年度実績の約1.5倍となる80万台程度に増やす計画を掲げています。

同社は、広島市の本社工場で生産しているSUV「CX-9」の生産を10月以降、これまでの3割増となる月産5,500台体制を敷いており、5万台/年の販売を見込んでいるそうです。

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現在米国で「CX-9」を2,000台/月ペースで販売しており、オーストラリアやサウジアラビアでも人気が高いそうで、当面堅調な需要が見込めると判断した模様。

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同車は昨年11月のロサンゼルスオートショーでワールドプレミアされた7人乗りのSUV。

254ps/42.9kgmを発生する2.5L SKYACTIV4気筒ターボエンジンを搭載し、全長5,065mm×全幅1,930mm×全高1,728mm、ホイールベースが2,870mmと、レクサス「LX」に匹敵する大型モデル。

新聞報道によると、国内市場で「デミオ」が苦戦するなか、収益性の高いSUVを軸に海外販売を増やすことで国内の販売減をカバーする考えのようで、今後はアジアでも発売する予定になっているようです。

また、同社は今年4月の北京モーターショーで、CX-5、CX-3に続くクロスオーバーSUV「CX-4」をワールドプレミアしました。

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車両サイズは、全長4,633mm×全幅1,840mm×全高1,535mm、ホイールベースが2,700mmとなっており、これまでのマツダCXシリーズで最も車高が低く、スポーティなデザインを採用。全長が現行CX-5(4,540mm)よりも長いのが特徴です。

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マツダは中国で今年の6月に既に「CX-4」の販売を開始しており、発売後1ヶ月が経たないうちに1万台以上を受注するなど、売れ行きは好調に推移しているようです。

一方、国内向けには、2012年2月に発売した「CX-5」のフルモデルチェンジが来年2月に迫っている模様。

現行モデルは世界累計生産台数が100万台超えるヒットモデルとなっており、11月のロサンゼルスモーターショー16での新型デビューが注目されます。

このように、世界規模でSUV人気が高まっているなか、マツダは積極的に新型SUVの導入に動いており、現時点では「CX-9」、「CX-4」共に日本に導入する予定は無いようですが、今後の動きが大いに注目されます。

Avanti Yasunori・画像:マツダ)

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MAZDA CX-9
https://www.mazdausa.com/vehicles/cx-9

MAZDA CX-4
http://www.faw-mazda.com/market/cx4yure/index.html

マツダのエンジニアが語った「共創」による開発体制とは?

9月25日(日)、好天に恵まれた富士スピードウェイで、マツダが「人とクルマの絆を、もっともっと深くする」と題したファンイベント「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」を開催。

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早朝から多くのマツダファンが押し寄せ、6,000人が来場した同イベントでは、実行委員長を務める寺田陽次郎氏の挨拶に続き、モータージャーナリスト竹岡圭さんの司会進行により、マツダの開発陣を交えたトークショーが行われました。

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ステージ上には「アクセラ」「CX-5」の開発主査、児玉眞也氏、同チーフデザイナーの玉谷 聡氏、ロードスター アンバサダーの山本修弘氏、ロードスターのチーフデザイナーで開発主査の中山雅氏が登壇。

「ND」系開発主査を務めた山本氏(画像中央)が、同社のシンボル的なロードスターの主査業務を後任者へ引き継ぐにあたり、「ロードスター愛」が最も強かったとして、同車のデザインを担当した中山氏(画像左)を開発主査に推薦したエピソードを紹介。

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マツダではユーザーに高い次元の「ワクワク」を届けるため、部門の垣根を超えて力を合わせる「共創」に取組んでおり、「SKYACTIV」、「魂動デザイン」、「モノづくり革新」といった大きな動きがある中で、企画、デザイン、設計、実験、生産技術、購買部門が各々「ありたい姿」を描き、全てが一丸となって活動しているそうです。

ともすると大企業では「開発」側の思いと、「生産」側の思いが噛み合わずに対立しがちですが、山本氏によれば、マツダでは「開発側がその価値をきちんと伝えれば、各部門はそれを実現するための知恵を出してくれる」、「阻害している要因、課題をブレイクスルーによって克服するという風土が長い時間をかけて根付いている」といいます。

山本氏は、’91年にルマン24H耐久レース参戦で総合優勝したマシン「787B」用のロータリーエンジン開発を経て、それを確信したようで、今回のトークショーでも「無理と思える難題も、全員の力を結集すれば、大きな目標を達成することができる」と力をこめて説明。

おりしも、マツダがイベントの3日後となる9月28日に発表した8月のグローバル生産台数は12.6万台(+9.2%)で、国内生産が7.2万台(+4.7%)、海外生産が5.4万台(+16%)と伸びています。

生産車種でみると、国内ではCX-5(+16.5%)、アクセラ(+17.1%)、アテンザ(+6.3%)、海外ではアクセラ(+7.3%)、デミオ(+19.3%)が伸長。

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その一方、8月の国内販売では1.5万台(-14.1%)と前年実績を割り込んでおり、1月からの累計販売でも13.9万台(-21.4%)と落ち込みが目立ちます。

先頃改良を施したアクセラが2,708台(+42.9%)、同アテンザが1,357台(+83.4%)と好調なものの、昨秋あたりから主力のデミオの販売が急減しているのが影響しているようです。

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これは開発陣による商品力向上への努力に連動させて、商品価値に見合った収益を確保する方針へと切替えたことが要因のようで、かつてトヨタ自動車が同目的で国内に「レクサス」ブランドの逆輸入に踏みきった際の状況に似ているかもしれません。

こうした現状の販売状況に歯止めをかけれるかが、今度はマツダの販売サイドの腕の見せどころ。

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値引きが無くても新車が売れるようになるまで、マツダの国内販売台数減は続く可能性が高そうですが、ここは踏ん張りどころ。

同社の今後の国内市場における販売努力が注目されます。

(Text/Photo: Avanti Yasunori

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富士SWに6千人のマツダファン!「787B」デモラン披露
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Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY
http://fuji.beadriver-experience.com/

MAZDAの取組み「共創」
http://www2.mazda.com/ja/about/dealer/recruit/copro/copro.html

25年ぶりの展示!マツダ787Bは18号車と55号車が並ぶ【Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY】

9月25日(日)に富士スピードウェイで開催された「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」。多くのマツダファンにとって、そのメインディッシュであるといえるのが、レジェンドマシンのマツダ787B。

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今回はホワイト/ブルーのマツダワークスカラーを身にまとった18号車が25年ぶりに公開。55号車と並んでディスプレイされ、往年のマツダファンの感涙を呼びました。デモンストレーション走行では、マツダ787Bの55号車を寺田陽次郎氏がドライブ。

そのほかRX-3、カペラ、ファミリアロータリークーペ(R100)レースマシンと、スーパー耐久を戦う、ロードスターやデミオディーゼルなど、現代のレーシングマシンがコース上で競演。

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ガソリンレシプロエンジンはもとより、ロータリーエンジンや、ディーゼルエンジンなどが奏でるマツダならではのレーシングサウンドに酔いしれることができました。

またスーパー耐久参戦マシンは、ピットワークのデモンストレーションなども実施しました。

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このほか展示のみですが、本年度北米のレースシーンで好成績をおさめているマツダプロトタイプや、バーチャルの世界から飛び出したマツダ LM55 ビジョン グランツーリスモなども来場者の目を楽しませました。

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3階からホームストレートや1コーナーを見渡せるピットビルには、細かく会場全体図とスペースごとの展示内容を示す看板が設置されており、初めて訪れたユーザーでもわかりやすくなっていました。

惜しむらくは、マップがないとトイレの位置わかりにくかったこと。グランドスタンド側は元々トイレサインが多数表示されているが、普段は走行に来るユーザーがメインとなるエリアがメイン会場となったため、アナウンスの看板などが大きくなく人ごみではわかりにくい状況がありました。

また、せっかくならばコースで開催されているイベントの様子を流すモニターが会場内の色々な場所に設置されていれば、サーキットイベント感がよりいっそう演出できたかもしれません。

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というのも、6割から7割の参加者がサーキット初体験だったのではないかと推測されたからです。

パドックを歩いていて聞こえてきた会話をかいつまんで紹介すると、「それでサーキットはどこ?」「ここはサーキットの中だよ。うちのクルマもコースの内側に停めてるの」「回りにコースがあるの!」「そうそう」や、「あそこの芝生に人が座っているねえ」「レースの時ならぎゅうぎゅうのいっぱいだよ」「ええ、あそこにそのまま座るの」「ピゴザを敷いたりしてね」、「あの塔の上に表示されているのは時計、その下は……順位と」「ゼッケン番号だね」「ふーん」「レースカーは陸上選手みたいにゼッケンがついてるから」といったもの。

初めてサーキットへ来た家族や友人と、連れて来たオーナーとの会話がそこかしこで展開されているのが印象的でした。

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この贅沢なサーキット体験。これがスタンダードメニューになれとは言いませんが、ほかのサーキットイベントでも、こういったセンスの取り組みが数レースあっても面白いかもしれませんね。

(文と写真:古川教夫)

クルマから会場まで3分!サーキットなのに雨でも濡れない展示ブース【Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY】

9月25日(日)に富士スピードウェイで開催された「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」では、事前の予約が必要で有料ではあったものの、マツダ車特別駐車券が用意されました。

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このエリアに駐車できると、メインのイベント会場であるピットビルまで坂道もなく、いちばん遠い場所からでも、子供の足でも3分足らずで移動できます。

大型商業施設よりも良好なアプローチです。近い場所なら30秒で会場にたどりつけてしまうという状況。

通常のレースイベントでは、チーム関係のトレーラーやホスピタリティのテントが並ぶエリアです。もちろんレース好きならばこの駐車スペースに愛車を止めることが、そして参加者の誰もが同じ車種を並べての駐車が可能となったのは、たまらないポイントだったのではないでしょうか。

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もうひとつの特徴が、主なステージ、参加型イベントが建物の中で開催されたこと。

イベント会場はステージを含めてその多くがピットビル内に設営されており、屋根付き。広いサーキットで雨の屋外観戦は濡れるし、駐車場からも遠いと持ち物も多くなり大変ですが、そんな心配もありません。

ゆっくり展示を楽しみ、時にホームストレートを走リ抜けるパレードランのマツダ車や、往年のレーシングマシン、同日開催となった「ロードスター・パーティレースIII」「富士チャンピオンレース」を戦う新型ロードスターや歴代ロードスター、デミオなどの勇姿を眺めるという次第。

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そんなピットビルでのイベントの主な出展内容は、マツダの開発リーダーや経営陣などのトークセッションがメイン。

「This is Mazda Design」と題した展示、「モノづくり展示&体験」では、マツダのエンジニアの部品へのこだわり、「人馬一体講座」による人間中心設計の解説など、たくさんの企画が用意されていました。

さらに、デザインラボでの製作体験や、モノづくり体験、車両整備・ペイント体験、そして同乗走行など、さまざまな体験イベントも用意されていたのも特徴のひとつ。

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2015年に55年におよぶ歴史の幕を閉じたF工場の「工場再現模型展示」は、10万ピースものレゴブロックと80台の工場創業当時のマツダ車の模型によって再現され、子供だけでなく、大人の興味も惹いていたのが印象的でした。

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このほかアフターパーツメーカーの展示も盛んで、オートエクゼ、RE雨宮などをはじめとしたマツダ車専門のメーカーのほか、シートのブリッド、ブレーキのエンドレスなども出展。販売のほかユーザーの相談にのっているシーンなどが見られました。

さらには、タミヤによるRCカーの体験コーナーもあり、子供連れでにぎわっていました。

(文と写真:古川教夫)

まるでグランピングのようなサーキット体験!【Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY】

アウトドア界で流行している「グランピング」のような贅沢な体験。

それをサーキットイベントで満喫できたのが、9月25日(日)に富士スピードウェイでマツダの特別協賛にて開催された「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」といえるでしょう。

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事前にマツダ車特別駐車券を購入すると、ピットまで3分の駐車エリアに駐車が可能。

建物に入れば、雨が降っても濡れないイベントブースに、座席のあるステージでトークショーやコンサートが開催され、デザインや技術を紹介するエリア、子供向けの塗装体験など数多くのコーナーがユーザーを待ち受けます。

フードカーでは有名レストランが食事を用意。さらにコース上を愛車でパレード。

そしてクライマックスには、日本のモータースポーツシーンで至宝ともいえるルマン24時間レース優勝マシン、マツダ787Bの4ローターサウンドを堪能。歴代のレーシングマシンもそれに続きます。

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このイベントの特徴は、何といっても日常、サーキットに足を運ぶことのないユーザーが楽しめるコンテンツを、サーキットというシチュエーションが必要でないものも含めて、惜しみなく展開したことにあるといえるでしょう。

造り手と直接触れ合える体験の場として設定され全国各地で展開されている「Be a driver. Experience」。それらと同様に興味の入り口を広く持たせながら、その実、今回は富士スピ―ドウェイという場を活かし、マツダのヘリテージでもある国内外で活躍したレーシングマシンの勇姿を、サーキット初心者のユーザー達の目と耳に焼きつける。

さらに、パレードラン等でユーザー自身も愛車でサーキットを走り、マツダの走りのDNAをカラダに染み込ませて帰っていってもらう、という作戦があったのではないでしょうか。

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発表された来場者数は6,000人。もちろん参加しているユーザーは老若男女、終始笑顔。スペシャルな体験の数々とともにあった一日。

その成果は、マツダ車への愛を深めたというだけでなく、今まではハードルの高かったサーキットという場所にも親近感を持ち、レーシング・イベントも楽しめてしまったところにあるといえるのではないでしょうか。

(文と写真:古川教夫)

マツダ・ロードスターのハードトップが生産開始。各国で順次販売!

マツダは、すでに内外で発表しているロードスター(海外名:MX-5)のリトラクタブルハードトップモデルの生産を、日本国内の本社宇品第一工場にて開始したことを発表しました。

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すでに発売されている4代目ロードスターは、手動で開閉するソフトトップ(幌)となっていますが、これまでのロードスターにはなかったファストバックスタイルのリトラクタブルハードトップが新ネーム「RF」を与えられてデビューすることは既定路線です。

公開されている写真は左ハンドル仕様。つまり生産を開始した「MX-5 RF」は、北米・欧州市場向けのモデルです。これらは2017年初頭からの発売が予定されています。

また、日本国内向けの「ロードスター RF」については年内での販売開始を予定しているということです。

(山本晋也)

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マツダMX-5(ロードスター)RFの日本初お披露目に「ファンの前」が選ばれたワケは?
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富士SWに6千人のマツダファン!「787B」デモラン披露

マツダは、9月25日(日)に富士スピードウェイで「人とクルマの絆を、もっともっと深くする」と題したファンイベント「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」を開催しました。

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早朝から多くのマツダ車が続々と押し寄せ、約6,000人もの来場者で会場は大いに賑わっていました。

イベント開始にあたり、実行委員長である寺田陽次郎氏が挨拶。

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同イベントでは、幅広い層にマツダブランドを体感してもらおうと、同社の開発陣が来場者と直接対話したり、経営陣や開発リーダーによるトークセッションに加え、最新技術搭載車の体験試乗などが行われました。

一方、サーキットコースでは「コスモスポーツ」や「サバンナRX-3」、「カペラロータリー」、「RX-7」、「ファミリアロータリークーペ」など歴代レーシングカーのデモランや、ロードスターの公認レースなどが行われるなど、サーキットならではのコンテンツが実施されました。

さらにイベントの目玉として、1991年にルマン24時間耐久レースで総合優勝を果たし、 普段は広島県のマツダ本社内のマツダミュージアムに展示されている「MAZDA 787B」(55号車)のデモランが行われました。

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最高出力700psを絞り出す総排気量2.6L(654cc×4)の「R26B」エンジンが放つハイトーンなサウンドは今なお健在。寺田陽次郎氏がドライバーを務め、エンジン全開でサーキットを4周しました。

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クリッカーでは4年前、鈴鹿サーキット50周年記念イベントで、同氏による787B 55号車のデモランの様子をご紹介しましたが、今回はそれに続くものとなります。

前回はメインスタンド前ストレートを疾走する同車の様子をお伝えしましたが、今回は近距離からコース路面とほぼ同じ高さでマシンを捕捉できる名所、「プリウスコーナー」から撮影。

コクピット内で寺田氏が懸命に787Bを操る様子が窺えます。

SKYACTIVシリーズとしてのロータリーエンジン復活を望む声が高まる中、ファンにとっては垂涎のビッグイベントとなった次第。

次回は同社の経営陣やデザイナーによるトークショーの模様をご紹介したいと思います。

(Text/Photo: Avanti Yasunori

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鈴鹿に響く「787B」ロータリーサウンドに6万人が歓喜 !【動画】
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マツダ・CX-5の次期型はSKYACTIV-G 2.5T搭載で11月デビューか!?

マツダのクロスオーバー『CX-5』の次期型プロトタイプをカメラが捉えました。

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LEDと思われる新ヘッドライトは薄く切れ上がり、リアコンビランプと共に、よりスポーティーに。

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フロントグリルはワイドになり立体感を持たせ、存在感が増しています。また、サイドビューを見ると、フロントオーバーハングがかなり切り詰められているのが分かります。

パワートレインは『CX-9』から流用される2.5リッター直噴ターボエンジンの「SKYACTIV-G 2.5T」が搭載される可能性が高く、2リットル直列4気筒、2.2リットル直列4気筒ディーゼルもラインナップ予定です。

ワールドプレミアは2016年11月のロサンゼルスモーターショーが最有力と思われます。

(APOLLO)

SUV系が人気の中国で日本車がモテモテ? ホンダが好調!

昨年の軽自動車を含む国内新車販売台数は505万台(前年比9.2%減)で、今年は8月までの販売台数が330万台と、年間販売が500万台を切りそうな状況となっています。

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一方、中国では日系ブランド車が年々販売を伸ばしており、1-8月の累計販売台数が265万台と、初めて400万台を突破しそうな情勢。

エンジン排気量1,600cc以下の小型車に対して、新車購入1台当たり10万円前後の減税措置策が続いており、新車販売に大きく寄与しているようです。

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SUV系モデルが人気(前年比+44%)のなか、いち早く「VEZEL」「CR-V」「XR-V」などのSUVを投入したことや、減税対象車が主力車の中に多いことから、ホンダが販売を伸ばしており、8月単月で10.7万台(+36.3%)を販売。

年初からの累計で75.1万台(+22.7%)を販売するなど、好調を維持しています。

また日産も8月:10.4万台(+16.6%)/累計:80.6万台(+5.9%)を販売、トヨタが8月:9.6万台(+1.8%)/累計:78.6万台(+12.3%)、マツダが8月:2.4万台(+47.9%)/累計:16.3万台(+9.6%)をそれぞれ販売。

日産は小型車減税の対象車となる「シルフィ」やSUV「キャシュカイ」が好調で、今後はEVについても販売を強化する構えを示しています。

トヨタは減税政策の恩恵を受けて「カローラ」や「レビン」が引き続き好調。マツダは「アクセラ」や6月に投入した現地生産のSUV「CX-4」が好調となっています。

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日米の新車市場が足踏みするなか、中国では市場の成熟に伴って、大型車からSUVやコンパクトモデルに人気が移行しつつあり、年内に減税処置が終了した後、どこまで現在の勢いを持続できるかが、今後の焦点になりそうです。

Avanti Yasunori・画像:HONDA、MAZDA)

新型インプレッサとマツダ・アクセラ、VWゴルフのフットワークはどう違う?

スバル・インプレッサが新型に移行するにあたって、「輸入車を含めてCセグメントでトップを取る!!」という意気込みで開発されたことがプロトタイプの走りからも伝わってきました。

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従来型インプレッサのガチンコとなるライバルは、マイナーチェンジを受けたばかりのマツダ・アクセラ。スバルによると、従来型インプレッサを買った人も、アクセラを買った人も購入時に同じような比率でライバル車として意識(競合させた)していたそうです(割合でいうと20数%)。

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一方、従来型インプレッサとCセグメントのベンチマークとして自他ともに認めるフォルクスワーゲン・ゴルフではどうでしょうか。

インプレッサを買った人はゴルフを「ほとんど見ていない」そうで、比率は10%以下のひと桁台。逆にVWゴルフを買った人は、「そこそこ」インプレッサを競合として見ていたそう。

ここでは新型スバル・インプレッサ、マツダ・アクセラ、フォルクスワーゲン・ゴルフの3台を取り上げてフットワークの違いをチェック。ただし、インプレッサはプロトタイプという条件付き。

また、同じコースで、同条件下で乗り比べたわけではありませんので参考程度です。

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スバル・インプレッサの魅力は、なんといっても「ハンドリングと乗り心地」のバランスがCセグメント随一といえる次元にまで引き上げられている点。

足を引き締めてフットワークを機敏にすることは可能ですが、突き上げが大きくなるなど乗り心地への影響が出る場合が多く、そうしたモデルはいくつもあります。

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現行VWゴルフの登場時は、とくに高速域で圧倒的なスタビリティを披露する一方で、コツコツとした乗り心地傾向にありましたし、最新モデルでも多少そうした乗り味があります。

また、日本車と異なるのがとくに高速域の直進安定性で、矢のように走り抜くのであれば、GTIでなくても「TSI Highline」でも十分に期待に応えてくれるはず。

マツダ・アクセラは、まずハンドリング命といえるほど旋回性能に注力。マイナーチェンジで採用された「G-VECTORING CONTROL」がそのキモとなっています。エンジンの駆動トルクを制御して減速Gを発生し、フロントへの荷重移動をスムーズにするというもの。

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FF車で、ある程度速く走るときに、前荷重をかけて曲がることを意識しなくても「スー」っと自然に曲がっていく感じ。アクセラの新旧モデルを乗り比べると「G-VECTORING CONTROL」の有無でフットワークは明らかに異なり、運転が上手くなったようが気がします。

一方の新型インプレッサの「アクティブ・トルク・ベクタリング」は、従来どおり横滑り防止装置のVDCを使って旋回時に内輪側(FFは前輪のみ)にブレーキを掛けることで、外輪側の駆動力を大きくして旋回していくものです。

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新型インプレッサでは、最近の他モデル同様に介入をあまり意識させない自然なフィーリングになっているという条件をクリアしつつ、ノーズが容易にインを向き「曲がる!! 曲がる!!」と驚かされました。

走り慣れている公道で、実際にどういった旋回性能を披露してくれるか気になるところではあります。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介、ダン・アオキ)

マツダ、タイのパワートレイン工場にエンジン機械加工工場を新設し、現地化率を向上

マツダは、タイ・チョンブリ県のパワートレイン生産拠点「Mazda Powertrain Manufacturing (Thailand) Co., Ltd.」(MPMT)を増強すると発表しました。

今回のMPMT増強のポイントは、エンジン組立工場の年間生産能力を2018年上半期までに10万基に増強することと、同規模のエンジン機械加工工場を新設することです。

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上の画像はMPMTの完成予想図。左上がトランスミッション工場で、右下がエンジン工場になります。このエンジン工場で色の薄い部分が新設されるエンジン機械加工工場です。

2015年10月に本格稼働を開始したMPMTのエンジン組立工場は、現在のところ年間生産能力3万基で、日本から輸出したエンジン部品を組み立てて「SKYACTIV-D 1.5」および「SKYACTIV-G 1.3」の2種類のエンジンを生産しています。

現在MPMTで生産されたエンジンは、タイで生産される「Mazda2(日本名:マツダ デミオ)」に搭載されています。

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マツダは今回新たに221億円を投資して、エンジン組立工場の年間生産能力を3万基から10万基に増強するとともに、同規模のエンジン機械加工工場を新設することになります。

今回のMPMT増強で、現地でのエンジン部品の機械加工が可能になり、現地化率が向上して、タイでの車両、エンジン、トランスミッションの現地一貫生産体制が拡充されることになります。

マツダでは、今後同工場での生産機種に「SKYACTIV-G 2.0」を追加し、ASEAN域内のマレーシア、ベトナムにある車両生産拠点へエンジンを輸出する計画を立てており、MPMTが今後ASEAN地域のエンジン生産拠点になるものと見られます。

(山内 博・画像:マツダ)

販売代理店となるキャロッセに訊いた、グローバルMX-5カップカーを取り扱ったワケ

マツダMX-5ロードスターの世界統一仕様車によるワンメイクレースシリーズである「グローバルMX-5カップ」。

その日本での開催がアナウンスされた8月1日、同時に株式会社キャロッセから同レースに出場できる統一仕様車両の受注販売も開始されました。

参戦車両の販売代理店となったのはキャロッセ。その経緯を代表である長瀬努さんに伺いました。

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日本のレースを戦うグローバルMX-5カップカーも、北米にあるロングロードレーシング社が制作し、日本へと運ばれます。

キャロッセに代理店の白羽の矢が立ったのは、過去にモータースポーツで使用できる手軽なベース車両を供給したいということから、マレーシア最大の自動車メーカーのプロトンからサトリアネオを輸入しており、業務に精通していること、そして北米にも拠点をもっていることが、主な理由とのこと。

しかし、選ばれたなによりの理由は、長年、日本のモータースポーツを選手の育成、競技用車両の製作、そして広範な車種に向けた競技用パーツの供給などで、支えてきたという実績への評価があると思われます。

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長瀬さんは「日本のモータースポーツの世界を広げる今回のレースに、関われることは誇らしいことです。同一仕様で行われるグローバルカップという世界統一戦がもつダイナミックさ、そしてユニークさに期待したい」と語りました。

MX-5カップカーは2017年のレース開催に向けて、現在は車両のオーダーを受けたものから順次、北米からの輸送を進めているそう。

納期は2ヶ月から2ヶ月半ほど。マシンは完成車として交換が可能なパーツ以外は封印が施された状態で状態で到着するので、仕様変更などの作業はないものの、車両に取り付けられているパーツの確認や、輸送にともなう不具合などのチェックを経て、各参戦者のマシンをメンテナンスするショップへと届けられることになるそうです。

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ひとつだけ、確認の際に取り付けるパーツがありました。ドライバーに合わせる必要のあるバケットシートだけは、海を渡ってくるマシンに付属しないそうなので、個別に取り付けて納車準備完了となるようです。

今後は車両輸入のほか、指定部品となる各消耗品などもロングロードレーシング社より輸入、ストックし、開幕への準備を進めるとのこと。

すでにレース参戦を決めたユーザーもおり、車両手配が始まっていると聞くと、ますます来年のレースが楽しみになってきますね。

(文・写真:古川教夫)

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グローバルMX-5カップカーはモメンタムカー? ─ 開発ドライバートム・ロングさんインタビュー

「GLOBAL MX-5 CUP JAPAN」の参戦車両となるグローバルMX-5カップカーの試乗会が開催されるのに合わせ、開発ドライバーのトム・ロングさんも来日しました。

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トムさんは現在、マツダUSA/マツダ・モータースポーツが開発しているプロトタイプレーサーのドライバーでもあり、デイトナ24時間レースなどを擁するIMSAウェザーテック選手権に出場中です。

そんな彼も、実はそのレースキャリアをロードスターの北米仕様であるMX-5ミアータでスタートしているのです。

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2003年、NA型を相棒にスペックミアータというレースで始まったチャレンジは、2005年にはチャンピオンシップを獲得。NB型を経てコンチネンタルチャレンジでも好成績で戦歴を重ね、NC型に乗る頃にはフリーダムオートスポーツチームからレースエントリーするように。

アマチュアドライバーならば憧れるレーシングチーム所属となり、快進撃は続きます。

2011-20112年には4ローターエンジンを搭載したRX-8でデイトナ24時間レースに参戦、表彰台に上るなど大躍進。また自らも走っていたスペックミアータ・レースでは、ドライビングコーチとしてもロードスターに関わっていきます。

そしてND型ではグローバルMX-5カップカーの開発ドライバーとなっています。

まさにそのレースキャリアをMX-5ミアータ=ロードスターとともにステップアップしてきたヒストリーが見えてきます。

そんな歴代ロードスターを深く知るトムさんに、ロードスターのレーシングカーとしての資質やロードスターレースの魅力について訊いてみました。

すると「私たちはロードスターのことを『モメンタムカー』と呼んでいます」となにやら聞き慣れないコトバが飛び出しました。

トムさんに、歴代ロードスターをストリートで、そしてレースで走らせてきて感じている共通点、ロードスターの魅力について訊いてみたところ飛び出してきた『モメンタムカー』。それってどういう意味なのでしょうか。

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トムさんは続けます。

「ロードスターは、ご存知の通り大出力のエンジンはないけれど、軽量でレスポンスの良いシャシーとハンドリングを持っています。旋回スピードを含めてスタート地点からゴール地点までの平均速度を高く維持していくのが秘訣。

そのためには、タイヤと相談し、ブレーキングもステアリングも的確な速度で的確な量だけ動かすことが必要です。これも皆さんご存知のとおり『速く走りたいならアクセルをより速く多く踏めば良い。深く曲がりたければステアリングを速く多く回せば良い』というようなセンスのものではなく、スポーツカーを知らない方が思っているより少ない動きでしかもゆっくり……ですよね。

そして、更なるタイムアップのために、その引き出し方を最適解の上下にあるほんの小さな調整範囲内で少しずつ使っていき、操っていく。

速く走らせるには、ドライバーのすべてのスキルを常に最大限使ってマシンを走らせる必要があります」。

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ここでのモメンタムカーとは、うまくあらわせませんがすべてにおいて「足るを知るコトができるクルマ」といったところでしょうか。

「レースではさらに……」とトムさん。

「この効率よくアベレージを上げていく走らせ方をしながら、回りのライバル達の動き方を見つつ、ゴールまでレースプランを組み立て直し続けるというスキルが必要になります。

私がエントリーしていたミアータカップなどは出場台数も多く、もちろんすべてロードスターですから、そういった駆け引きも多く学べました。

ロードスターのレースはステップアップしていくために必要なものがたくさん含まれているのです。グローバルMX-5カップは45分のレース、長いレースになりますから、そういった戦術に対するスキルもアップできるはずです」。

「そのモメンタムカーとしての資質という点で、新型となったグローバルMX-5カップカーは人気が絶大だった初代MX-5に原点回帰している印象もあります。

パワーウェイトレシオが向上した上、ライトウェイトシャーシを手に入れたことでバランスのとれたプラットフォームとなって、運転するのがワクワクします。

初心者でもエキスパートでも、誰に乗ってもらっても価値のあるクルマにするというテーマで開発してきたマシン。まさにロードスターらしさに溢れているといえるでしょう」。

MX-5カップカー、北米市場ではすでに100台が販売され、各レースも40台前後のマシンで争われているという状況。来年から始まる日本でのレースにも注目ですね。

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トムさんは現在もプライベートではNB型のストリートカーを所有しているそうで、愛車を評して「今でもとてもファンなクルマだよ」とおっしゃっていました。

(文:古川教夫 写真:古川教夫・マツダ)

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マツダのフラッグシップ「アテンザ」が商品改良でGVCを搭載

マツダのフラッグシップモデルである「アテンザ」が『SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS』テクノロジーを採用するなどの商品改良を果たしました。

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改良のポイントは、エンジン出力制御をハンドリングに活用することで人間の感覚にマッチしたクルマの挙動を実現しドライバーや同乗者に安心感を提供する「G-Vectoring Control(GVC)」や、クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」のノック音自体を抑制し、心地よいエンジンサウンドを追求した「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」といった新技術を採用したことにあります。

フロントドアガラスの板厚アップに遮音ガラスの採用したほか(一部グレード)、トップシーリングの吸音材面積の拡大など、フラッグシップにふさわしいNVH性能を実現しているのも進化のポイントとなります。

さらに歩行者検知が可能になった「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」を採用するなど先進安全技術も充実させています。

ラインナップはセダンとワゴン、エンジンはガソリンが2.0リッターと2.5リッター、ディーゼルは2.2リッターという3種類で、ディーゼルには4WDや6MTが設定されています。

メーカー希望小売価格は、276万4800円〜400万1400円。もっとも燃費性能に優れるディーゼル6MT(FF)のJC08モード燃費は22.4km/L(セダン)となっています。

(山本晋也)

新型アクセラは乗るほどにじわじわと効く漢方薬だった!?

クルマにおける進化というと、多くの人はフルモデルチェンジやマイナーチェンジなど、これまでの姿カタチがガラッと変わるほどの大変化を想像することでしょう。

たしかにそれは王道ですが、現在のマツダはその王道とはひと違った独自の路線を歩んでいるのをご存知でしょうか?

最近の動きを振り返ると、2012年に登場したSUV「CX-5」を皮切りに魂動デザインとスカイアクティブテクノロジーを全面採用した新モデルを続々投入。ライトウェイトスポーツカーの雄「ロードスター」をもって、この新世代商品群へのシフトが完了しました。

とまぁ、ここまでは王道中の王道。しかし、面白いのは、これら新世代商品群が根っこの部分でお互いが密接に繋がりを持っていることです。

具体的にはシャシーやエンジンといったメカニズムのほか、運転席周りの操作性などです。一括企画・一括開発のもと開発されたこれらのテクノロジーは、同じく一括企画・一括開発という絆で繋がるモデルならば速やかな展開を可能としています。

そしてマツダが取り組んでいるのが、新技術の速やかな展開によりクルマを常に新鮮な状態として保つことなのです。

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■さらなる一体感に貢献「G-ベクタリングコントロール」

今回の改良で新たに「アクセラ」に盛り込まれたものを挙げていくと、まず「デミオ」や「CX-3」ですでに搭載されている1.5Lディーゼルエンジンが遂に「アクセラ」にも投入されました。安全装備が充実したグレード「15XD PROACTIVE」で243万円と、1.5L版を加えたことでディーゼルへの入り口は広がりました。

また、ディーゼルエンジンについては1.5Lですでに実装済みのナチュラル・サウンド・スムーザーを2.2L版にも導入して、エンジンから放たれる3.5kHzの音圧レベルの低減に成功。

さらに、エンジン回転数の高まりにより生じる周波数のピーク変動を整えるナチュラル・サウンド・周波数コントロールの新採用で、加速感ともリンクした上品な音色を奏でます。

ここまでは既存の技術をもとにしたブラッシュアップですが、改良後の「アクセラ」で初出しとなったのがG-ベクタリングコントロールです。

運転に自信のある方なら、例えばコーナーでは、手前から緩やかに減速してフロントタイヤに荷重をのせて旋回し、コーナーの脱出では逆に緩やかにアクセルを踏んで加速というプロセスを滑らかに行ない、それができるクルマを「気持ちいい」と形容します。

そんな気持ちよさを誰もが実感できるようにしたのがG-ベクタリングコントロールなのです。

ただし、その制御は人間の足ではほぼ不可能な微小域で行なわれているため、あたかも自分の運転が上手くなったかのように感じるそうです。高性能スポーツカーが積むシステムがドライバーの想像を越える走りを実現させる特効薬だとするなら、G-ベクタリングコントロールは良い運転へじわじわとドライバーを導く点から漢方のようなものだといいます。

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■上質か、スポーティか、選んだのは……

少し話が脱線するかもしれませんが、ここで“ある場面”を想像していただきたいです。それは、“書類でも何でもいいですが、とにかく探し物を探す”というありふれた日常の一コマです。この場面を乗り越えるコツは「無いと思って探す」のではなく「あると思って探す」ことで、そう考えるだけですんなりと探し物は見つかったりします。

それと似たようなことが「アクセラ」にも。今回の改良の第一報を聞いて「見た目は変わっていないよね」と率直に思った方は少なくないのではないでしょうか? しかし「見た目は変わった」と思って改めて見ると……フロントマスク、ホイール、さらに5ドアハッチバックのスポーツではリヤバンパーなど、実はその外観のほとんどに手が加えられています。

この新デザインが目指したのは上質感の向上。当初はCセグメントのハッチバックらしく躍動感あふれるスポーティ路線で行くことも検討されたそうですが、現在はプレミアムブランドにも負けないレベルで質感を高める時期との考えに至り、上質路線でのデザイン変更が行なわれたそうです。

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より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

(今 総一郎)

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あれっ? ロードスターって本当はドリフト向きだった?【D1GP】

ひょっとして……ドリフト界ではマイナー車だけど戦闘力は高いのでは?

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ドリフト競技はほとんどFR車で行われます。で、日本が誇るFRスポーツカーといえば、ロードスターも挙げられますが、ドリフト界ではあまり人気がありません。

S2000なんかもそうなんですが、まずノンターボだということが理由のひとつ。パワーを上げることが難しいんですね。

まぁ、ほかにも理由はあるかもしれませんが、そんな感じで、これまでもD1GPにはロードスターはいませんでした。

しかし、岩井照宜選手が、地元・広島愛が高じてついにロードスターをD1GPにデビューさせたのです。岩井選手といえば、かつてはKP61スターレットや、ダイハツ・シャルマンでD1に出ていた変わり者です。

ロードスターのエンジンではパワーに限界があるので、2ローターターボに換装されています。ロードスターといえば前後ダブルウィッシュボーンという高性能なサスペンション形式ですが、なんといってもKP61より短いという超ショートホイールベース。

そもそもD1GPマシンでの実績なんてありません。プライベート参戦で、けっして開発力が高いとはいえない岩井選手も手探りでマシン製作をしてきたのでした。

昨年の最終戦でデビューしたときは、まだあぶなっかしい走りで、最下位の得点で予選敗退。

ところが、今季の開幕戦ではあっさりと予選通過を果たします。パワーが要求される第2戦の富士はダメでしたが、筑波サーキットでの第3戦、第4戦は絶好調。なんと第4戦では単走優勝までしてしまったのです。

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さらに8月にエビスサーキットで行われた第5戦、第6戦でも毎回安定した高得点を獲得し、連日追走トーナメントに進出してポイントをゲット。ついにシリーズ8位にまで上がってきてしまいました!

この間、岩井選手の感触はかならずしもいいものではありませんでした。車両の動きはなかなか思い通りにならないそうです。

筑波のときには「浅めの角度でならコントロールできるけど、ある角度を超えると、勝手に角度がついちゃってコントロールがきかなくなる」とのことでした。

ちょうど筑波は、浅めの角度で審査コーナーに飛び込んでくるため、前半はコントロールがきく領域。そしてホイールベースが短く、軽量なこともあって振り返しは得意。最後のヘアピンは、コーナーにカントがついていることもあって、ちょうど“勝手についちゃう角度”のまま回っていくことができたそうです。

そしてエビスのときには「飛び出しをがんばっちゃうとコントロールを失ってどうしようもなくなるので、そこは捨てるしかない」というのが当初のコメント。ところが、それでも簡単に98点台後半という高得点を連発しました。飛び出し直後の最高速は、ほかの上位のクルマとくらべてだいぶ遅いにもかかわらずです。

データを見ると、ロードスターはずんぐりむっくりしているからわかりづらいだけで、けっこうドリフトの角度がついているようなんです。しかも、意外と角度の安定性が高い。そして、角度がついているにもかかわらずコーナリングスピードが高い。

上にも書きましたが、軽量かつショートホイールベースなので、振り出しや振り返しは得意です。結果ロードスターは“見た目にはよくわからないけど、じつは走りのレベルは高い”ということが判明しました。足りないのはパワーくらいのもんです。

「追走では上位に入れないじゃないか」というひともいるかもしれませんが、それはたぶん岩井選手の経験不足です。

だって、これまであまり追走やってきてないから。追走に強いクルマなのかどうかはわかりませんが、ドライバーがスキルアップすれば、もっと上位に入ってくる可能性はじゅうぶんあります。

もちろん、このロードスターはエンジンが載せ換えられているだけでなく、大幅な仕様変更を受けています。だからノーマルのロードスターがドリフトに向いているとは断言できません。

とはいえ、本来FRスポーツカーとして作られたロードスターは、あんがいドリフトでもその能力を発揮するのかもしれません。コンパクトで見た目の派手さがアピールしづらいので、これまで人間の審査でドリフト競技をやっていたときにはマイナー車種に甘んじていましたが、D1GPに機械審査が導入されて、その素性のよさが証明されたという可能性もあります。

競技に使うには大幅な仕様変更が必要ですが、グリップの低いタイヤを履いて練習するには、けっこういい車種だということもありえます。

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ただね、岩井選手のロードスターって、初代のNA6CEなんですよね。さすがに古いでしょ!

いまのロードスターはもう4代目になってますから。まぁ、岩井選手は予算の少ないプライベーターなのでしかたがないのですが、これだけ活躍しているのだから、次は岩井選手が現行ND型を投入できるようにサポートしてくれるスポンサーが現れることを期待したいです。

なお、8月5、6日にエビスサーキットで開催されたD1GP第5戦は齋藤太吾選手が、翌日に行われたD1GP第6戦は村山悌啓選手が優勝しました。第6戦の結果、齋藤選手の2016年シリーズチャンピオン獲得が決まっています。

D1GP第5戦の模様は9月26日発売の『ビデオオプションvol.271』に、第6戦の模様は10月26日発売の『ビデオオプションvol.272』に収録予定。

ビデオオプションの情報はこちらへどうぞ。また、D1グランプリの詳しい情報は、D1公式サイトでどうぞ。

(まめ蔵・写真提供:サンプロス)

450馬力だ!マツダ RX-7次期型、復活へのカウントダウンが始まった

2002年に生産終了となった、マツダのフラッグシップ・ピュアスポーツ『RX-7』次期型のレンダリングCGが、最新リポートと共に欧州から届きました。

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情報によれば、、1.6リットル次世代ロータリーエンジン「16x」ターボチャージャー搭載が有力で、最高馬力は450psを発揮するという情報です。

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また「SKYACTIVシャーシ」を採用するボディは、トヨタ「86」並の1250kg程度に軽量化し、燃費向上やトルク不足の解消も図ると見られています。

エクステリアはコンセプトモデル「マツダ RX-VISION」の意匠を継承し、ロングノーズ&ショートデッキを特徴とした、アグレッシブなデザインとなることが予想されます。

ワールドプレミアは2017年東京モーターショーが有力です。世界が待つ、ロータリーエンジン搭載「RX-7」次期型、復活へのカウントダウンが始まっています。

(APOLLO)

世界一決定戦への出場権も得られる!! マツダが新レース「GLOBAL MX-5 CUP JAPAN」への協賛を発表 

「ロードスター・パーティレース」など、ロードスターにとってワンメークレースは欠かせないものになっていますが、現行型も「世界統一戦」というべき新しい参加型モータースポーツが明言されていました。

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2015年から開始された「プロジェクトWOMEN IN MOTORSPORT(ウィメン・イン・モータースポーツ)」は、モータースポーツ界での女性の活躍を推進すべく、「Mazda Women in Motorsport Project 2016」として今年も継続されます。

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また、ドライビングレッスン「Be a driver. マツダ・ドライビング・アカデミー」は従来の岡山国際サーキット、富士スピードウェイに加えて、東北・九州のオーナーも体験できるように開催地域を拡大。

さらに、参加型モータースポーツ「ロードスター・パーティレースIII」には、新型ロードスター(ND型)NR-Aクラスを新設。そして、2016年8月1日、MX-5(ロードスター)をベースにした世界統一仕様レース車による新レースイベント「GLOBAL MX-5 CUP JAPAN(主管:ビースポーツ)」協賛をマツダが発表しました。

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同日からキャロッセにて同レース車両の受注販売を開始し、2017年からは国内全5戦のシリーズ戦が行われます。さらに、シリーズ戦績上位ドライバーは、2017年以降にマツダレースウェイ・ラグナ・セカ(米国カルフォルニア州モントレー)で開催予定の世界一決定戦への出場権が与えられるというのが最大のポイント。

冒頭で紹介したように、国内モータースポーツにおいてはロードスターのナンバー付車両で気軽に参加できる「ロードスターパーティレース」などに協賛してきたマツダ。

さらに、ハイレベルなステージとして2017年から開催される 「GLOBAL MX-5 CUP JAPAN」への協賛も行われます。なお、「GLOBAL MX-5 CUP」レースは、世界に先駆けて今年から米国で開催されており、順次日本(GLOBAL MX-5 CUP JAPAN)や欧州など各地に展開していきます。

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同レースは、スリックタイヤを装着した純粋なレース仕様の車両を使い、毎戦異なるサーキットを舞台に単独で45分間の決勝レースを競う、ドライバーの技量が試される本格的なスプリントレース。可能な限り性能差が生じないよう指定部品の管理を徹底し、ドライバー搭乗時の重量まで調整を行うなどイコールコンディションの下でレースを実施。

レース車両の仕様と競技ルールを世界同一とすることで、公平な環境で、世界一のMX-5レーサーを目指す機会を提供するというマツダ(ロードスター)。日本を代表するスポーツカーが新しいステージに上がるきっかけになるかもしれません。

(塚田勝弘)

マツダ「G-ベクタリング・コントロール」はエンジンで実現したのがスゴイ!

マツダは、2016年7月14日にビッグマイナーチェンジを果たしたアクセラに搭載された新技術「G-ベクタリングコントロール(略称:GVC)」を、ほかのラインナップにも拡大していくことを発表しています。

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では、『エンジンでシャシー性能を高める』というマツダのGVCとは、どのような仕組みになっているのでしょうか。

簡単にいえば、ステアリング操作に合わせてエンジンの出力を絞ることで微妙にエンジンブレーキをかけて、スムースなコーナリングをサポートするというものです。もちろん、コーナーの立ち上がり(ターンアウト)ではエンジン出力を戻してくれます。

ちょこまかと曲がって山道を一定速度で走っているように見えても、ベテランドライバーは微妙なアクセル操作をすることでスムースに走り抜けるものですが、そうした「上手な運転」をアシストしてくれる機能といえます。

それだけでなく、直進状態においてもステアリング操作に合わせて駆動力をコントロールすることで、修正舵を最小限にでき、クルマの揺れを低減できるというのもメリットのひとつといいます。

つまり、「同乗者がクルマ酔いしづらい運転ができる」機能という見方もできるものです。

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では、この『G-ベクタリング』制御というアイデアがマツダ独自かといえば、そうではありません。

遡ると、2009年に日立製作所の自動車部門が、ESC(横滑り防止装置)の機能を利用してブレーキを四輪独立制御することによってステアリング操作に合わせた姿勢をコントロールする論文を発表しています。

また、市販車では日産の電気自動車リーフが、駆動力を使って車両を安定させる制御システムを搭載しています。リーフのシステムも、ドライバーのステアリング操作に応じて、駆動トルクをわずかに変化させることで、なめらかにクルマをコーナリングさせようというもので、ドライバーのリニアリティ感をアップさせるという点ではマツダのGVCと狙いが似ています。

では、こうした先人に対してマツダのGVCは何が違い、どこがスゴイのかといえば、そうした微妙な駆動トルクの変化を、エンジンによって行なっているという点にあります。

従来であれば、電気モーターのレスポンスが必要と思われていた微妙で精緻なトルク制御を、内燃機関で実現したことがマツダの特徴でありスゴイところ。ここ数年SKYACTIVテクノロジーを進化させてきたことの成果といえそうです。

(写真:小林和久 文:山本晋也)

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マツダ・アクセラに搭載された「G-Vectoring Control」が走りを変える!?

今年5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展2016」で動画紹介を含めた技術展示されていた「G-Vectoring Control(G-ベクタリング コントロール)」が、ビッグマイナーチェンジを受けた新型マツダ・アクセラに搭載されました。

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トルクベクタリングというキーワードを聞くことが多くなったと思いますが、主に横滑り防止装置などを使ってコーナリング中に前輪内側にブレーキを掛けることで旋回性能を高めるという機構で、三菱自動車のようにAYC(横滑り防止装置)と4WD技術を応用し、4輪の駆動力と制動力を制御するなどの例もあります。

最近のトルクベクタリングやそれに似た効果をもたらす機能は、ブレーキ制御方式、左右のトルク配分を変える、つまり駆動力で曲がる(ハイブリッド含めて)方式など、いずれもある程度の旋回スピードが必要になる場合が多いですが、最近はその制御(介入)を感じさせない仕上がりになっている例が増えています。

マツダが発表した新世代車両運動制御技術「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス(SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS)」の第一弾としてアクセラに搭載された「G-ベクタリング コントロール」は、今後すべてのマツダ新世代モデルに採用されます。

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「スカイアクティブ ビークル ダイナミクス」とは、マツダの新世代技術である「スカイアクティブ テクノロジー」のひとつで、パワートレーン、ボディ、シャーシなどのSKYACTIV技術の個々のユニットを統合制御することで、マツダのコアバリューである「人馬一体」の走行性能を向上させる「新世代車両運動制御技術」の総称となっています。

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アクセラから搭載された「G-ベクタリング コントロール」は、日立オートモーティブシステムズ社の「G-Vectoring」制御のアルゴリズムを基にマツダが応用開発したもの。

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「エンジンでシャーシ性能を高める」という発想と、人間中心の開発哲学に基づいて開発されています。

ハンドル操作に応じてエンジンの駆動トルクを変化させることで、これまで別々に制御されていた車両の横方向と前後方向の加速度(G)を統合的に制御して四輪への接地荷重を最適化。スムーズで効率的な車両挙動を実現したという世界初(2016年6月現在の量産車において)の制御技術だそうです。

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「G-ベクタリング コントロール」によりどんな効果が得られるのでしょうか?

タイヤの接地荷重状態の最適化が可能になることで、車両がよりドライバーの意図どおりに動くようになり、無意識のものも含めたハンドルの修正操作が減少。

ロードフォールディングスの向上は、運転の楽しさや安心感に直結し、疲れも軽減させます。また、乗員にかかる加速度(G)の変化がよりスムーズになるため、乗員の揺れが減り、乗り心地も改善するとのこと。

さらに、雨の日や雪道などの滑りやすい路面での車両の操縦性と安定性も高まる利点も挙げています。

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マツダは「Be a Driver」というキーワードを掲げていますが、「G-ベクタリング コントロール」の搭載によりドライバーの運転技量に関係なく、高速域だけでなく「低速からの日常走行」も含めて、より威力を発揮しそうな高速走行やワインディング走行や緊急回避時など、幅広い走行シーンで一貫した効果を発揮するそう。

また、緻密に駆動トルクをコントロールできるSKYACTIVエンジンと、理想的な車両挙動を実現できるSKYACTIVシャーシの搭載モデルであれば、駆動方式やセグメントによらず様々なモデルに展開することが可能な汎用性の高い技術で、先述したようにマツダの新世代モデルに順次採用していく予定とされています。

(塚田勝弘)

フィアット版マツダ・ロードスター「アバルト124スパイダー」の日本デビューは8月!

マツダとFCA(フィアットクライスラー)の協業から生まれ、ロードスターとプラットフォームを共にするオープン2シーターが「フィアット(アバルト)124スパイダー」です。

マツダが生産を担当する、このヘリテージを感じさせるスポーツカーの日本デビューの日付が明らかとなりました。

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初お披露目に選ばれたのは「クラシック ミーツ モダン」をキャッチフレーズにかかげる自動車イベント『AUTOMOBILE COUNCIL 2016 (オートモビル カウンシル 2016)』です。

会場は千葉県・幕張メッセ 2・3ホール 、会期は2016年8月5日(金)〜 8月7日(日)9:00〜18:00(※8月5日(金)の9:00〜12:00は、プレスタイムのため一般入場不可)となっています。

また、FCAジャパンでは全国のフィアット正規ディーラーにおいてアバルト全車を取り扱うことを発表しています。もちろんアバルト124スパイダーもその対象となります。

NAエンジンを積むロードスターに対して、1.4リッターターボを搭載する124スパイダー。その走りは、そして価格は? 日本デビューに合わせた情報公開に期待が集まります。

(山本晋也)

マツダと兵庫県立大学が大型放射光施設SPring-8を活用して触媒材料を研究

マツダと兵庫県立大学は、世界最大級の大型放射光施設SPring-8(兵庫県佐用郡)を活用した材料開発研究に関する、共同研究契約を締結したと発表しました。

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マツダでは、この共同研究で自動車触媒における貴金属材料の使用量低減や新規高分子材料の開発などの成果が期待できるとしています。

共同研究のテーマは「微細複合材料の放射光分析法の研究」で、放射光による分析手法を活用し、自動車の実走行に近い状態の温度下において、材料のナノスケールレベルの構造分析を行うなどの取り組みによって、これまで解明されていなかった材料物性発現のメカニズムの解明を目指すということです。

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研究期間は平成28年度から平成37年度までの10年間で、マツダ 技術研究所と兵庫県立大学産学連携・研究推進機構放射光ナノテク センター及び同大学高度産業科学技術研究所が共同で研究を実施します。

この研究により、自動車触媒における貴金属材料の使用量低減や新規高分子材料の開発などの成果が期待できます。

SPring-8は世界一明るい放射光を利用して、物質を原子レベルで見るためのいわばスーパー顕微鏡で、自動車メーカーではトヨタが燃料電池関連でSPring-8を活用したことが知られています

(山内 博・画像:マツダ)

国内レース史上初の快挙!デミオディーゼルがS耐鈴鹿でクラス優勝!【スーパー耐久2016】

6月12日に鈴鹿サーキットで決勝レースが行われたスーパー耐久シリーズ2016 第3戦 「SUZUKA “S耐”サバイバル」で、TEAM NOPROのマツダ デミオSKYACTIVディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」が、国内レース史上初のクリーンディーゼルエンジンによる耐久レース優勝を果たしました。

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海外のチームが持ち込んだディーゼルマシン、たとえば世界耐久選手権のアウディや世界ツーリングカー選手権のセアトなどが優勝をしたことはありますが、国内のレースにおいて国産メーカーのディーゼルエンジンが耐久レースで優勝したのは初の快挙です。

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今回の第3戦は大会名の「SUZUKA “S耐”サバイバル」が示すとおり、今までに類を見ないレースフォーマットで開催されました。

6月11日に通常通りの予選が行われますが、ここでは各クラス3位までが予選通過となり、4位以下はその日の午後に行われる敗者復活レース「セカンドチャンス100」に出場しなくてはならないというルール。

ST-5クラスの場合は「セカンドチャンス100」で5位以内、予選総合順位で8位以内にいないと決勝レースに進出できないということになるのです。

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DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-Dは通常予選の順位が7位、セカンドチャンス100のグリッドは4番となります。このレース、レース時間は100分。デミオディーゼルの燃費を活かすことができるかどうか。

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しかしグリッド上では余裕の表情。スタートドライバーは野上達也選手が務めます。

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スタート直後、SUGOでも見せたショートフォーマット特有の「あの作戦」で、すぐさまピットイン。谷川達也選手チェンジ。さすがに0周ではなく1周でのピットインでした。

その後30分強で井尻薫選手にドライバーチェンジのためにピットイン。フロントタイヤのみ交換、給油は無しでのピットアウト。燃費に優れるデミオディーゼルは、100分のレース時間であれば無給油で走りきることができるのです。

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そしてセカンドチャンス100を2位でフィニッシュ。予選順位は5位となりました。

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決勝のグリッドは、もう最後尾ではありません。予選順位5位はデミオディーゼルにとって、今までの中では最上位の結果でした。

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スタートドライバーは谷川達也選手。ここから4時間の熱い戦いが始まります。

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グリッドでは多少小雨もパラついていましたが、路面はドライコンディション。天気予報では雨に向かうとのことでタイヤの選択に悩むチームが多数いる中、デミオディーゼルはスリックタイヤをチョイスし勝負に出ます。

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スタートから1時間とちょっと経った頃に、いきなり本格的な雨が降ってきます。

ピットは大渋滞になりつつも、デミオディーゼルはピットの渋滞ピークを1周だけステイすることでかわし、4輪をレインタイヤにチェンジ、給油を行い、ドライバーは谷川選手から井尻薫選手へと交代。

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雨足は激しさを増し、コースのいたるところに川ができるほど。こうなるとガソリン勢もペースを落とさざるを得ず、デミオディーゼルとのタイム差は僅差になって行きます。

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デミオディーゼルは2回目のピットインで再び谷川選手に交代し、規定ピットイン回数をクリア。これ以後は給油の必要も無く、あとはひたすらゴールを目指すのみ。

しかし、ライバルは給油のためにあと1回以上はピットインしなくてはなりません。

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ラスト40分ほどのところでトップがピットイン。順位が入れ替わりデミオディーゼルは、トップに躍り出ます。

その後、ライバルがタイムを詰めようと必死に追いかけますが、ラスト5周に谷川選手はさらにペースアップで後続を引き離します。

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そして、感動のゴール!

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史上初のクリーンディーゼルエンジン車による耐久レース優勝を果たしました。いよいよ速さとともに「燃費」がレースを制する時代が来たのです。

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次戦は9月3〜4日の富士。9時間の長丁場で、燃費のデミオディーゼルにはかなりの期待を寄せてしまいます。

(写真・文:松永和浩)

マツダ・アクセラが12年10ヵ月のマツダ最短で世界累計生産500万台を達成!

マツダは、「アクセラ」の累計生産台数が2016年4月末までに500万台に達したと発表しました。

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マツダ車で500万台を達成するのは、「マツダ ファミリア」に続いて2車種目になります。「アクセラ」は2003年6月の生産開始から12年10ヵ月で累計生産500万台を達成したことになり、マツダ車として最短記録となりました。

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マツダの年間販売台数の約3割を占める基幹モデルである「アクセラ」は、日本では防府工場(山口県防府市)が国内の生産拠点になります。

海外では「Mazda3」として長安マツダ汽車有限公司(中国)、オートアライアンス(タイ)、マツダデメヒコビークルオペレーション(メキシコ)の世界3拠点で海外生産されており、マレーシアとベトナムでは現地組立が行われています。

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「アクセラ」というと2003年に登場した初代モデルを思い出す方も多いかと思います。初代アクセラも高評価を受けたモデルで、2004年欧州カー・オブ・ザ・イヤー第2位に選出されたことも特筆されます。

現行モデルの「アクセラ」は、2013年のフルモデルチェンジされた際に「SKYACTIV技術」とデザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」が全面的に採用されたマツダの新世代を代表する車種になりました。

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2013年にはカナダ・カー・オブ・ザ・イヤーの「ベスト・ニュー・スモール・カー」を、2014年には国際的なデザイン賞である「レッド・ドット・デザイン」賞を受賞したほか、「2014年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」および「2014年ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」のトップ3 ファイナリストに選出されるなど、近年のマツダ躍進を象徴するモデルに成長しました。

(山内 博・画像:マツダ)

思ったよりも売れている!? マツダ・アクセラの世界生産台数500万台を最速で達成

マツダのCセグメントモデルであるアクセラは、長年ファンに愛されてきた「ファミリア」の後を受け継ぐモデルで、初代は2003年10月に発売を開始しました。

MAZDA_axela_04生産を開始した2003年6月から2016年4月末までの12年10か月で累計生産500万台を達成。これはマツダ車として最短記録となるそうです。

3 代目となる現行アクセラは2013年に登場。

セダン、スポーツというボディタイプに加えて、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、そしてAT/MT(ハイブリッドはCVTのみ)など、多彩なバリエーションが用意されています。

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グローバルモデルである現行アクセラは、「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」とデザインテーマ「魂動(こどう)- Soul of Motion」が全面的に採用された新世代モデルの第3弾。

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デビューした2013年には、カナダ・カー・オブ・ザ・イヤーの「ベスト・ニュー・スモール・カー」を、翌年には国際的なデザイン賞である「レッド・ドット・デザイン」賞を受賞したほか、「2014年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」、「2014年ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イ ヤー」のトップ3ファイナリストに選出されています。

自販連の販売ランキングでは、2015年のデータで2カ月に1度くらいのペースで30位に入るくらい(2000台前後〜3000台前後/月)という日本の販売データ。その完成度の高さからすると、思ったよりも苦戦している印象もありますが、アクセラはマツダの年間販売台数の約3割を占めているそうです。

生産工場は日本の防府工場(山口県防府市)をはじめ、長安マツダ汽車(中国)、オートア ライアンス(タイ)、マツダデメヒコビークルオペレーション(メキシコ)があり、マレーシアとベトナムでは現地組立が行われています。

(塚田勝弘)

マツダのディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」の燃焼室構造が「恩賜発明賞」を受賞

マツダは、同社の新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D(スカイアクティブ ディー)」に採用した「ディーゼルエンジンの燃焼室構造」の発明が、平成28年度全国発明表彰で最高位の賞である「恩賜発明賞」を受賞したと発表しました。

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この賞は、公益社団法人発明協会が主催する全国発明表彰の象徴的な賞として、最も優秀と認められる発明の完成者に贈呈されるものです。

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受賞対象となったのは、特許第5338268号の「ディーゼルエンジンの燃焼室構造」という発明で、受賞者は、 いずれもマツダの志茂 大輔(しも だいすけ)氏、金 尚奎(きむ さんぎゅ)氏、片岡 一司(かたおか もとし)氏の3氏です。

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今回受賞した発明は、自動車用量産ディーゼルエンジンで世界一の低圧縮比14.0を実現し、ディーゼル車としてトップクラスの低燃費を達成し、NOx排気後処理装置無しで厳しい排ガス規制に適合しながら高い加速性能を実現した「SKYACTIV-D」の中核となる技術です。

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燃焼室形状に卵型楕円関数から導かれた形状を採用することで、燃焼室内の縦方向の旋回流を強化したことが特長です。これにより燃料噴霧と空気との混合が促進され、低圧縮比化によるNOx・すす等の有害排出物の低減効果を最大限に引き出すことに成功した、ということです。

マツダは、VWのディーゼル排ガス不正問題が明らかになった直後に、「SKYACTIV-D」には一切不正な装置を付加せずに、各国の排ガス規制をクリアしている、と声明を発表しています。その自信は、今回受賞した発明の技術に裏打ちされていると言えます。

(山内 博・画像:マツダ)

マツダ・CX-3が「新・安全性能総合評価ファイブスター賞」を最高得点で獲得

外野から見ていると「出来は凄くいいのに、それほど売れていない」と感じてしまう、マツダ・CX-3。

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BセグメントをベースとしたコンパクトSUVの売れ行きを見てみると、2016年1月のCX-3は2915台で24位、ホンダ・ヴェゼルは5584台で10位にランクインしています(自販連の新車乗用車販売台数月別ランキングより)。なお、2月はヴェゼルが7035台で8位、CX-3は3247台で24位に位置しています。

CX-3が苦戦しているように思えるのは、クリーンディーゼルのみという思い切った戦略、そしてマイナーチェンジでさらにデミオの完成度が高くなったこと、やや割高に感じられる価格設定(ディーゼルのみということもあるでしょう)などが考えられます。

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一方のライバル、ホンダ・ヴェゼルはフィット譲りの広い後席や荷室、ハイブリッドを擁する点も売れ行きに貢献しているかもしれません。

しかし、CX-3も「出来の良さ」に由来する「安全性の高さ」が高い評価を得ています。

マツダの「SKYACTIV(スカイアクティブ)」というとクリーンディーゼルエンジンなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、ボディやシャーシなども含めた新しいモノ作りの総称ともいえるもの。

その軽量・高剛性の安全ボディ「SKYACTIV-BODY」を採用したCX-3が、平成27年度のJNCAP(Japan New Car Assessment Program)自動車アセスメントにおいて、同年度最高得点で「新・安全性能総合評価ファイブスター賞」を受賞しました。

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「JNCAP自動車アセスメント」における「新・安全性能総合評価」は、衝突時の乗員保護性能や歩行者保護性能などについて5段階で評価されるもので、今回の「新・安全性能総合評価」においてCX-3は平成27年度にテストされた全銘柄、全クラス対象11車種の中において最高得点でファイブスター賞を受賞。

なお、眞鍋かをりさんもゲストとして登場し、主査の冨山道雄氏にトロフィーが手渡されています。

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なお、同賞についてマツダでは、平成24年度にCX-5で、平成25年度にアテンザで、平成26年度はデミオとアクセラが、いずれも好成績で受賞しており、マツダの「SKYACTIV-BODY」を採用した新世代マツダ車の大きな訴求点となっています。

(塚田勝弘)

【スーパー耐久2016】マツダ車が躍進!ディーゼルデミオ5位、新型ロードスターがクラス優勝

5月14日にスポーツランドSUGOで開催されたスーパー耐久シリーズ第2戦「SUGO SUPER TAIKYU 3Hours Race」。

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14日の土曜日にすべての予選が開催されるのは普段のスーパー耐久と同じですが、決勝を2つのグループに分け、トヨタ86やホンダS2000などのST-4クラスとデミオ、フィット、ヴィッツなどのST-5クラスの2つのクラスがグループ2として即日決勝、その他のクラスがグループ1として翌日の15日に決勝を行う2レース制として開催されました。

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14日に決勝レースが行われたグループ2、1500ccクラスで争われるST-5クラスのポールポジションは、今年から参戦した「村上モータースMAZDAロードスターND」。現行型となるNDロードスターは1500ccクラスなのでST-5クラスとなります。

予選では、15分しかないAドライバー予選中にクラッシュが発生し赤旗が提示される場面がありましたが、クラッシュ車両撤去のための赤旗中断時間に対して予選時間の延長がなかったために、アタックを出来ていないチームが多く、ST-4、ST-5クラスともに予選順位は大方の予想を裏切るものとなっていました。

混乱した状況の中でポールポジションを獲得したNDロードスターは、かなりの速さを持っているといえるでしょう。

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ディーゼルエンジンでの参戦で注目を集めるディーゼルデミオ「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」は予選8番手。前回のもてぎ5時間レースでは2位を獲得したディーゼルデミオですが、スーパー耐久では比較的短い3時間というレース時間でどう戦っていくのでしょうか。

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ディーゼルデミオのスタートドライバーは野上達也選手。スターティンググリッドにはBドライバーの井尻薫選手の姿も見えますが、Aドライバーの谷川達也選手の姿が見当たりません。

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グリッドウォークの最中、谷川選手はドライバーチェンジのための準備をしていたのです。

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そしてフォーメーションラップからのローリングスタート。セーフティーカーの後を追うようにピットインしてきたディーゼルデミオ。今年もやりました、0周ピットイン!

コントロールラインをピットレーンで超えてもスタートしたことになるので、ピットの配置にもよりますが、コントロールラインがピットよりも前にある菅生では有効な手段。

これでドライバーチェンジを伴うピットイン義務2回のうち、早々に1回を消化したことになるのです。

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ガソリンを使用するほかのマシンに対してディーゼルデミオは圧倒的に燃費が良いため、3時間レースでは給油は1回で済みます。

そこで、まだ周回差が開いていない序盤の早い時期にピット義務を消化してしまおうという作戦です(給油の写真は同時出走したガソリンデミオ「ワコーズDXLアラゴスタNOPROデミオ」)。

なお、コントロールラインがピットの後ろにある岡山国際サーキットでは、1周回らないとスタートしたことにならないので0周ピットインという裏技は使えません。

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3時間レースで2回のピットイン義務ということは、単純に1時間に1回のピットインとなるわけで、ディーゼルデミオは他のマシンが2回目のピットインをするであろう2時間目まで谷川選手がドライブする作戦を取っていたようです。

狙い通りならこの時点でかなりの上位にいたはずです。

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昨年のデータからすれば余裕の2時間ドライブだったはずですが、今年は昨年よりラップタイムが3秒も速くなっており、燃費はともかくタイヤの消耗が早かったようで1時間半ほどでピットイン。タイヤ交換の後、井尻選手へとバトンタッチ。

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その間、NDロードスターはトップを快走。レース中のベストタイムはこのNDロードスターだけ1分39秒を切るという俊足ぶり。これだけ速くて燃料はもつのでしょうか…

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ディーゼルデミオのTEAM NOPROが走らせるもう一台、ガソリンのデミオ「ワコーズDXLアラゴスタNOPROデミオ」も快調に周回を重ねていきます。

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そしてゴール!ディーゼルデミオ「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」はタイヤに苦しみながらも5位でポイントゲット!ポイントランキング2位を死守しました。

ガソリンデミオ「ワコーズDXLアラゴスタNOPROデミオ」は4位。優勝はポールtoウィンの「村上モータースMAZDAロードスターND」。

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さらに、こちらも今年から出場のデミオ15MB「odula MAZDA デミオ15MB」も完走。現時点でマツダ車が4台もエントリーし、しっかりと結果を残している今年のスーパー耐久シリーズST-5クラス。

マツダの躍進はまだまだ続きそうな予感です。

次戦は6月11〜12日の鈴鹿。決勝は4時間レースとなります。

(写真・文:松永和浩)

スバルの先輩!? 漢字の会社名をブランド名に変えたメーカーとは?

株主総会後の正式決定となりますが、富士重工業がSUBARUへと社名変更を行なう(2017年4月1日予定)ことが話題を集めています。

たしかに社名よりもブランド名のほうが認知度は高いのでしょうし、グローバル化を考えるとアルファベットの企業名にすることにも、一般投資家へ認知されることなど、意味はあるのだと思われます。

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ところで、自動車業界で社名をブランド名に変えたのは富士重工業が初めてではありません。有名なところでは、マツダがそうなのです。

マツダの旧名は東洋工業といいました。いまもマツダの創業家がオーナーを務める広島東洋カープという正式名にその名を残していますが、マツダへ改名したのは1984年のことですから、旧社名を覚えている人も少なくなっているかもしれません。

そんな東洋工業が自動車産業に進出したのは1931年。1920年に東洋コルク工業として創立、1927年に東洋工業に改名した後に工作機械や3輪トラックの生産を始めています。

その当時から車名(ブランド名)としてはマツダを使っていたこともあり、1984年の社名変更は非常にスムースだった印象があります。

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そして、東洋工業がマツダへと名前を変えてから出てきたモデルとして記憶に残るのは、1985年にデビューした2代目のサバンナRX-7(FC3S型)。当時の代表取締役社長がマツダ・ロータリーエンジンの父ともいえる山本健一氏だったこともあり、新生マツダを印象づける一台となりました。

2017年にSUBARUへと社名を変更すると同時に、積極的にニューモデルを投入する予定のスバルにも、そうした改名を印象付ける名車の数々を期待したいものです。

(山本晋也)

ロードスターのデザインは薄着勝負!? RFの狙いはどこに?

マツダ・ロードスター(海外名MX-5)が、2016年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーに加え、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを同時受賞しました。

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同じくファイナリストだったジャガーXEを下しての受賞。その理由はどこにあるのか? 受賞直後のいま、あらためてチーフデザイナーに話を聞きました。

[語る人)
マツダ株式会社デザイン本部
チーフデザイナー・中山 雅

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──まず魂動デザインそのものについてお聞きします。今回は世界的な賞を受賞したわけですが、そもそも魂動デザインは海外市場を想定したフィロソフィーだったのでしょうか?

「意識はしますが媚びはしません。たとえば、アメリカ人に寿司を出すにはマヨネーズをかけた方がウケそうですが、それでは日本発信の意味がない。マツダがいま考える日本美の本質は「引き算」の美で、油彩のように絵の具を盛るのではなく、水墨画のようにスッと一発で決めるような美しさです。まだまだ試行錯誤中ですが、そこを突き詰めれば世界に通用すると確信しています」

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──獣がいまにも走り出しそうなイメージを伝えるのが魂動デザインですが、いまエモーショナルなデザインは世界的時流とも言えます。その中で魂動デザインの独自性はどこにあるのでしょう?

「ロードスターでは、エモーショナルとシンプルという相反する要素の両立を目指しました。服装でたとえればシンプルとはTシャツにジーンズのような薄着。そこでエモーションを表現するには体形のよさが必須です。つまり、ベースがよければ薄着でもいいデザインはできる筈。その点、逆に厚着に頼っているメーカーがあるかもしれませんね(笑)」

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──マツダの新世代ラインナップはシグネチャーウイングやボディのキャラクターラインなど、コンセプトカー「SHINARI」のモチーフを採用していますが、ロードスターだけにはその要素が見当たりません

「遠目でSHINARIを見ると本質的なスタイルのよさが浮かんできますが、そこを採り入れたと。全長3.9mのコンパクトなボディで、しかもドライバーが外から見えるという特殊な条件では、できるだけ要素を省く必要があったのです。つまり、ロードスターだからこそのデザインアプローチなんです」

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──では、受賞の話を。あのジャガーを抑えての快勝となったわけですが、今回、世界のジャーナリストからはどのような評価の声が届いていますか?

「やはりプロポーションのよさですね。中でもフロントオーバーハングの短さ、キャビンの小ささへ賞賛をいただいています。このミニマムなボディは、いわば設計部門の全面的協力があってこそです。つまり、単にカタチの評価だけではないことがダブル受賞の価値だと思っています」

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──ただ、プロポーションのよさはどのメーカーも意識しているかと思いますが、マツダデザインとの違いはどこにあるのでしょう?

「条件、つまり機構等によるデザインの制約はどこも一緒なんです。デザイナーの仕事というのは言ってみればその制約をいかにクリアするかで、最初からあきらめてしまうか否かの違いでしょう。各国のデザイナーによるプロ視点では、よくぞそこを突破したネという評価だと思います」

──受賞会場のニューヨーク・ショーではファストバックスタイルのRFを発表しました。ルーフ全体が格納できなかったことからの逆転の発想と聞きますが、この提案も世界に影響を与えそうですね

「はい。一見タルガトップに見えつつリアガラスが開く、つまりエンジン音がオープンと同様に聞こえるというのはまったく新しい価値です。また、実は屋根は開かなくていいからクーペを作って欲しいという声が多いのですが、その回答のひとつになるかもしれませんね」

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──では最後に今後について。発表間もない新型としては、次のモデルチェンジまでの長い間、いかに魅力的な成長をするのかが重要です。その点、何か具体的な計画はありますか?

「たとえば黄色のボディが出たら絶対買う!など、スポーツカーの購入動機は実用車とちょっと違う。今回のRFもそうですが、そうした特別な嗜好に応えるような展開が必要です。もちろん色も重要な要素ですね。いずれにしても、ロードスターは明快な理由をもってデザインしたクルマですから、そこをひっくり返すようなことは絶対にしませんので安心してください(笑)」

──本日はありがとうございました。

(聞き手:すぎもとたかよし)

ギネス記録を更新中!マツダ・ロードスターが累計生産100万台を達成

マツダは、「マツダ ロードスター(海外名:MX-5)」の累計生産台数が4月22日に100万台に達したことを発表し、Webサイトに特設ホームページを開設しました。

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「ロードスター」の100万台達成は、1989年4月に宇品第一工場で初代モデルの生産を開始して以来、27年で達成したことになります。

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「ロードスター」100万台達成の特設ページでは、「ロードスター」愛が高じて32台のロードスターを収集しているロードスターファンの様子を動画で紹介しています。

マツダの小飼 雅道(こがい まさみち)代表取締役社長兼CEOは、

「初代の登場以来、これまで3度のフルモデルチェンジをしながら今日まで販売を続けることができたのは、世界中で『ロードスター』を支持してくださっているお客様のおかげです」

と感謝をコメントしています。

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マツダでは、100万台達成記念車を5月3日に開催される「第40回ひろしまフラワーフェスティバル」への参加をはじめ、日本国内、世界各国のファンイベントを巡回し、展示することを予定しています。

・国内の「ロードスター」100万台達成記念車展示予定

2016年 5月3日 第40回ひろしまフラワーフェスティバル 花の総合パレード
2016年 5月8日 オアシス ロードスター ミーティング
2016年 5月12日-27日 マツダブランドスペース大阪
2016年 5月29日 軽井沢ミーティング201

・「ロードスター」の沿革

1989年 2月 米シカゴモーターショーにて初代ロードスター発表
1997年10月 東京モーターショーで2代目ロードスター発表
1998年12月 10周年記念限定車発表
2000年 5月 「2人乗り小型オープンスポーツカー生産累計世界一(531,890台)」ギネス世界記録認定
2002年 1月 累計生産台数60万台達成(ギネス世界記録認定)
2005年 3月 ジュネーブモーターショーで3代目ロードスター発表
2005年 4月 累計生産台数70万台達成(ギネス世界記録認定)
2006年 7月 英国国際モーターショーでリトラクタブルハードトップモデル発表
2007年 1月 累計生産台数80万台達成(ギネス世界記録認定)
2009年 7月 20周年記念車発表
2011年 2月 累計生産台数90万台達成(ギネス世界記録認定)
2014年 4月 25周年記念車発表
2014年 9月 4代目ロードスター発表
2016年 3月 ニューヨーク国際モーターショーでロードスターRF発表

ロードスターがこれからも「2人乗り小型オープンスポーツカー」生産累計世界一のギネス世界記録を更新し続けることを、自動車ファンとして、日本人として期待しましょう。

特設ホームページ:【MAZDA】ROADSTER 25th ANNIVERSARY

(山内 博・画像:マツダ)

新型マツダ「CX-4」を世界初公開!コンパクト&ワイドな新クロスオーバー!!

マツダはCX-3、CX-5を日本国内向けにリリースし、北米市場には新型CX-9、中国向けにはCX-7を継続生産していますが、世界初公開されたCX-4は、マツダの新世代技術である「SKYACTIV(スカイアクティブ)TECHNOLOGY」とデザインテーマである「魂動(こどう)-Soul of Motion」を全面的に採用。2016年6月に中国での発売を予定しているそうです。

Mazda at Pre-Event For Beijing Motor Show - Auto China

新型マツダCX-4は、探検を意味する「Explore」から採用されたと思われる「Exploring Coupe(エクスプローリング・クーペ)」というコンセプトのもと、既存の概念や枠組みを越えることを目指して開発されたそう。

ボディサイズは、全長4633×全幅1840×全高1535mmと、コンパクトな割にワイドな全幅が際立っているのと、全高の低さも印象的です。

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ひと目で最新のマツダ車と分かる、「魂動」デザイン特有の躍動感あるフォルムをベースに、力強い踏ん張り感とクーペのような流麗なキャビンを組み合わせた「際立つ存在感」が特徴。

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ほかにも、優れた乗降性やフレキシブルな荷室など日常の扱いやすさに注力したという「考えぬかれた機能性」、SUVらしい地上高と新世代4WDシステム「i-ACTIV AWD(アイ・アクティブ・エーダブリュディー)」による走破性と、低重心ボディによる操縦安定性などによる、さまざまなシーンでの「人馬一体」の走りが目指されているとのことで、最近のマツダらしいSUVといえそうです。

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エンジンは、2.0Lのガソリン(6MT、6AT)、2.5Lガソリン(6AT)が設定されていて、燃費は6.3〜7.2L/100kmとなっています。

BEIJING, CHINA - APRIL 24: Iwao Koizumi, Chief Designer for CX-4 (L) and Naoki Okano, Program Manager for CX-4 of Mazda Motor Co (R) pose for photographs during the Pre-Event For Beijing Motor Show - Auto China on April 24, 2016 in Beijing, China. Mazda China unveiled the CX-4, a brand new SUV model in the event. (Photo by Xiaolu Chu/Getty Images for Mazda Motor Co ) *** Local Caption *** Naoki Okano; Iwao Koizumi

中国事業を統括するマツダの稲本信秀(いなもと のぶひで)取締役専務執行役員は、「CX-4は、中国におけるマツダ新世代商品の第4弾で、SUV需要の旺盛なこの市場において、マツダブランドのさらなる成長を支える商品です。今後もマツダは、中国におけるブランド強化に取り組み、クルマを通じてお客様の人生をより豊かにするブランドを目指します」とコメントしています。

SUVではホンダもアキュラCDXを北京モーターショーで披露していますが、中国でもSUVブームが爆発すれば、世界的なSUVの流行はさらに加速しそうです。

(塚田勝弘)

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【スーパー耐久2016】開幕戦もてぎ5時間レースでデミオディーゼルが2位表彰台の快挙!

4月3日に決勝レースが行われたスーパー耐久開幕戦「スーパー耐久シリーズ2016 第1戦 もてぎスーパー耐久」。

FIA GT3規格のST-Xクラスからフィット、ヴィッツ、デミオなどのコンパクトカーで争うST-5クラスまで総勢62台というの大量エントリー!

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ST-Xクラスでは日産GT-R NISMO GT3からBMW Z4、メルセデスSLSなどSUPER GTのGT300クラスのような顔ぶれ。

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ランサーの横をフェラーリが駆けぬけるという珍しいレース風景がみられるのは、日本ではスーパー耐久シリーズだけの魅力です。

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そんなスーパー耐久シリーズに昨年から投入されたTEAM NOPROのデミオディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。

昨年はスターティンググリッドがすべて最後尾という不名誉な記録を更新しましたが、最終戦の鈴鹿でST-5クラスで3位の表彰台に登り、シーズンが終わってみればクラス4位という好位置に。

昨年の実績を見れば、今年は更なる期待を抱かずにはいられません。

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そのデミオディーゼルが開幕戦のもてぎで5時間を走りきり2位で表彰台に登りました。

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軽量化に明け暮れた昨年でしたが、今年は速さの部分にも手が入ることになり、予選順位はST-5クラス13台中8位。それでもラップタイムでクラストップから3秒差がついている状態です。

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しかし、スタートドライバーの谷川達也選手は余裕の表情。なぜか?

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デミオディーゼルの強みはなんと言っても、レーシングスピードでの圧倒的な燃費のよさ。ライバルが給油などで2時間で3回以上のピットインをする間、デミオディーゼルはノーピットで走りきるほどの実力を持っています。

そのライバルがピットインをしている間に、気がつけばトップ!それも2位に2周差をつけてのトップを20周以上に走ります。

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このままピットイン回数を規定の3回だけで終わらせて、その間にどんどん周回差を広げて行こうという作戦だったといいますが、スタートからちょうど3時間、タイヤトラブルのために緊急ピットイン。

タイヤ交換と給油のみ、ドライバーチェンジは行わず、タイムロスを最小限にとどめてピットアウトしていきます。それでも順位は4位まで落ちてしまいますが、ロングランは続行。

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その総計2時間以上もロングランをしたのは井尻薫選手。緊急ピットイン後にはトップのマシンと互角のラップタイムを刻み、なおかつ走りで前走車を追い抜いて見せるなど、かなりエキサイティングな見せ場を作ってくれました。

その井尻選手に2時間に及ぶロングランについて聞いてみると「この季節だからそんなに辛くはなかった。クールスーツは着てなかったから背中に汗はかいているけど、クルマが乗りやすいから疲れた!というほどの疲労はしてませんね」とのこと。

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作戦といえば、マシンのつくりにしても燃費を活かした作戦に合わせている様で、他車に比べて給油回数が少ないために給油口を車外に作ることを避け、トランク内の安全タンクに直接設けた給油口に給油するつくりになっています。この方が数kgほど軽く作ることができるとのこと。

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ディーゼルはエンジン単体の重量がかなりあるために、他の部分をどこまで軽量化するかがディーゼルレーシングカーを作るうえでのポイントだ、と監督の野上敏彦さん(上の写真右)は語っています。

そんな、徹底した作戦に合わせたマシンをロングランした井尻選手からバトンタッチしたのは野上達也選手(上の写真左)。

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そしてラスト1時間。再び谷川選手がドライブ。上位にいた1台がトラブルでピットに入り大きく順位を落とすと、デミオは順位を3位に。そして谷川選手が前走車を自力で抜き去ると順位を2位まで上げていきます。

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そして5時間後のゴール!

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堂々の2位入賞で表彰台に登ります。

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耐久レースは速さだけがすべてではない!ということを一人ひとりの強さと、それを総合したチームワークで実証し、そしてクリーンディーゼルがモータースポーツで活躍する時代の幕を開けたTEAM NOPROのデミオディーゼル「DXLアラゴスタ・NOPROデミオSKY-D」。

第2戦以降も活躍を期待します。

(写真・文:松永和浩)

マツダが4月に組織改革へ!新車開発はどう変わる?

マツダが4月1日付けで組織改革と役員人事の変更を実施しました。

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この組織改革はMDIプロジェクト領域、デザイン領域、国内営業領域、中国事業領域、R&Dリエゾン領域の5つの事業領域に及んでいます。

MDIプロジェクト領域では、ITの進化や顧客ニーズの多様化に備え、「MDI」の新たなステージに取り組むべく「MDI プロジェクト室」を新設しているのが目を引きます。

「MDI」は“マツダデジタルイノベーション”の略で、他社に先駆けて新車開発をデジタル化、3D設計データを軸に金型加工までを一気通貫させるべく3次元CADをいち早く導入したのは自動車業界では有名な話。

同社は開発効率や製品の品質向上を目的に1995年に初代「デミオ」の開発でデジタル化の有効性を検証、翌1996年から新車開発に「MDI」を導入しています。

設計部門で作成するCADデータの品質が向上したことで、部品間の干渉等に起因する生産技術部門の“やり直し”作業が低減、新車の開発効率向上に寄与することから、現在では他の自動車メーカーでも3Dデータによるデジタル開発が普通に行われるようになりました。

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同社がエンジン、トランスミッション、プラットフォームなどを対象に展開している「SKYACTIV」において、今後は「MDI プロジェクト室」がさらなる開発効率の向上やコストセーブの役割を担うものと予想されます。

ちなみにMDIプロジェクト領域では藤原常務執行役員が4月以降、専務執行役員として研究開発・MDI統括、コスト革新など、MDI全体を統括。

またデザイン領域では、デザイン本部に「ブランドスタイル統括部」を新設、前田執行役員が常務執行役員となりデザイン・ブランドスタイルを統括。

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さらに中国事業領域では中国第1事業部と中国第2事業部を統合して「中国ビジネス推進部」を新設、ブランドの確立とさらなるビジネス基盤の強化を図るとしています。

一方、トヨタ自動車も4月1日付けでカンパニー制の導入など、大掛かりな組織変更とそれに伴う役員人事の変更を行いました。

将来の技術/ビジネスを“長期視点”、“社会視点”で創造していく「未来創生センター」と、長期視点に立った経営の方向性策定と経営資源の最適化を図る「コーポレート戦略部」を新設しています。

今回のマツダの組織改革も顧客ニーズの多様化や世界情勢の変化に迅速に対応するための体制作りに主眼が置かれている点では共通する部分も多いようです。

このように自動車各社では環境対応を含め、持続可能なサステイナブル・モビリティ社会の実現を目指しており、それに伴い、従来にも増して大掛かりな組織改革が目立つようになっているのが特徴です。

Avanti Yasunori

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新型マツダ・ロードスターRFは快適性も期待大!

「走りを愉しむのであれば軽ければ軽いほどいい」というのは、歴代マツダ・ロードスターが最大の課題として追求してきたこと。ですが「自分が乗るクルマは屋根があるものを選ぶという方は少なくありません」とは、マツダ・ロードスターRF(MX-5 RF)の広報資料にあるフレーズ。

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確かに、ソフトトップの防犯性や耐候性を考慮し、ましてや新車で手に入れるのであれば青空駐車は避けたい気持ちになります。

実際に先代ロードスターのライフサイクル終了時の販売台数のうち、リトラクタブルハードトップモデルは半数以上を占めていた、と聞くとリトラクタブルハードトップモデルの重要性が理解できます。

走りを極めたい人には軽いソフトトップモデルを、オープンエアと快適性の両方を重視したい人には、さらにファストバックスタイルという新しい美しさも手に入れたロードスターRFを提供するという戦略は、間もなく世界累計生産台数100万台を迎えるロードスターにとって、何代もモデルチェンジを繰り返す意味でも、幅広いユーザーの獲得は重要なのでしょう。

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ロードスターRFで気になる快適性は、オープン時にはアクリル製の大型エアロボードが後方から巻き込んでくる風を抑制。

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サスペンションや電動パワステもロードスターRF専用チューニングが施されていて、軽快な走りを提供しながら、より落ち着きのある上質な乗り心地を実現しているそうですから楽しみです。

快適性を左右する遮音関連では、フロントルーフとミドルルーフの内側に吸音タイプのヘッドライナーを、またリヤホイールハウスに遮音材を採用し、クローズ時の静粛性を大幅に向上したそう。

気になるのが、身を削るようにして得た軽量化がRFではどうなっているのかという点ですが、車両重量は明らかになっていませんので、登場を待ちたいと思います。

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そのほか、インテリアデザインの変更点は、3眼メーター左側のインフォメーションディスプレイに、リトラクタブルハードトップ開閉動作中のアニメーションが表示される専用の4.6インチTFTカラー液晶を配置。また、エアコンダイヤル下のパネルにリトラクタブルハードトップの開閉ボタンが追加されています。

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シートは市場により異なるそうですが、オーバーンカラーのナッパレザーが採用され、落ち着きのある洗練された雰囲気になっているそうで、シートやドアトリムセンター部などには、グレーのステッチが施されています。

(塚田勝弘)

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マツダ・ロードスターのリトラクタブルハードトップの開閉方法が判明!

3代目である先代(NC)ロードスターにリトラクタブルハードトップモデルが加わったのは、2006年8月(日本市場)。日本市場向けの車名は「マツダ・ロードスター パワーリトラクタブルハードトップ (RHT)」、北米向けも「Mazda MX-5 Power Retractable Hard Top」でした。

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なお、3代目ロードスターのライフサイクル終了時の販売台数のうち、リトラクタブルハードトップモデルは半数以を占めていたそうで、天候や季節を問わない快適性、そして防犯性や耐候性などを重視する方がそれだけ多い、ということでしょう。

現行(ND)ロードスターに加わるリトラクタブルハードトップモデルは、北米向けは「Mazda MX-5 RF」。リトラクタブルハードトップの「R」とデザインの特徴であるファストバックスタイルの「F」を表現しているそうです。

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気になるリトラクタブルハードトップの開閉方法ですが、新型ではフル電動化されていて、10km/h以下なら走行中でも開閉が可能。

先代NCでは、前席頭上にあるロックを解除してから(手動式のトップロック)、開閉スイッチを押すという手順でしたが、フル電動化ということは、ほかのライバル車のようにスイッチひとつで開閉が可能になったということでしょう。

なお、先代はルーフを3分割し、シートバック後方のキャビンスペース(ソフトトップを収納する)に格納するシステムで、コンパクトなリンク機構の採用とモータ駆動制御により、量産車の電動ハードルーフモデルとして世界最速の12秒という開閉時間を実現していました。

新型は10km/h以下なら走行中でも開閉が可能なうえ、フル電動化され、フロントルーフ、ミドルルーフ、リヤルーフの3つのルーフとバックウインドウで構成される電動格納式ハードトップが採用されています。

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気になる開閉時間ですが、開閉時にはそれぞれのパーツの動きをオーバーラップさせることで、世界最短レベルのルーフ開閉時間を実現しているそうです。

また、ファストバックスタイルのデザイン、そしてソフトトップモデルと同じ荷室容量を両立。

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そのトランク容量は、ルーフ収納時でもソフトトップモデルとまったく変わらず、130L(DIN方式)が確保されていて、550×400×220mmサイズとなっています(キャリーオンバッグがふたつ積載可能)。

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なお、ロードスターRFのボディサイズは、ソフトトップモデルとまったく同じ全長、全幅、ホイールベースですが、全高のみ+5mmとなっています。

(塚田勝弘)

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マツダ・ロードスターが「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞

毎年、ニューヨーク国際自動車ショーの場で開催されている「World Car of the Year(WCOTY)/ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」。「World Car Awards」により世界で販売されているニューモデルからイヤーカーを決めるという賞です。

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過去にどんなモデルが大賞に輝いているか見てみると、2015年はメルセデス・ベンツCクラス、2014年がアウディA3、2013年はVWゴルフとなっています。

日本車では、2011年に日産リーフ、2008年にマツダ・デミオ、2007年にレクサスLS460が「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を獲得。

そして2016年は、ニューヨーク国際自動車ショーでリトラクタブルハードトップモデルのMX-5 RFを世界初公開したマツダ・ロードスター(MX-5)が「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝きました。

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新型MX-5 RFのお披露目を祝うような快挙ですが、「2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤー」も獲得しているロードスターの受賞ラッシュが続くのでしょうか。

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公式サイトによると「今回のマツダの快挙は、ライトウェイト・スポーツという原点のコンセプトに帰ってスポーティなデザイン、優れたハンドリングを実現したMX-5ロードスターを世界が高く評価、支持した結果といえる。パフォーマンス、ヴァリュー、エモーションでの評価項目で2位のメルセデス・ベンツGLC、アウディA4に差をつけた」と、ドイツ勢2台を退けての快挙とレポートしています。

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ほかの賞では、「ワールド・ラグジュアリー・カー」にBMW7シリーズ、「ワールド・パフォーマンス・カー」にアウディR8クーペ、「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」にマツダMX-5ロードスター、「ワールド・グリーン・カー」にトヨタMIRAIが輝いています。

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ロードスターは大賞とデザイン部門の2冠となりましたが、1車種によるダブル受賞は、同賞創立以来初の快挙です。

先述したようにマツダは2008年にマツダ2/マツダ・デミオが、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞していますが、2014年には3ファイナリストに選ばれつつも受賞を逸していただけに喜びも大きいはず。

また、2016年の「ワールド・グリーン・カー賞」の3ファイナリストには、トヨタMIRAIのほか、シボレー・ヴォルト、トヨタ・プリウスが入っていました。北米では、カリフォルニア州でのZEV規制の強化で、ハイブリッド車が対象車から外れたこともあり、MIRAIへの期待が高いはず。トヨタもひと安心でしょうか。

Audi R8 is the “2016 World Performance Car”

なお、ホンダ・シビック・タイプRは、「ワールド・パフォーマンス・カー」の3ファイナリストに選ばれていましたが、アウディR8が受賞しています。

(塚田勝弘)

マツダ・デミオの熟成でCX-3との差が縮まったか!?

昨年12月24日に一部改良を受けたマツダ・デミオ。マツダCX-3も同日商品改良を受け、動的質感の向上が図られています。

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静粛性の向上がひとつの狙いで、ディーゼルエンジン特有のノック音を抑える「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を全グレードに標準装備しているほか、 こちらも全車のフロントドアガラスの厚みを増すことにより車外騒音の室内への透過を抑えることで、静かなキャビンを得ているというもの。

乗り心地やハンドリングの面も改良されています。足まわりでは、前後ダンパーの内部構造、そしてフロントスタビライザーの構造の改良により、乗り心地の改善が図られているほか、デミオ同様に電動パワーステアリング制御の改良により、操舵初期の車両コントロール性を向上。

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また、こちらもデミオ同様に、エンジンのトルク応答を緻密にコントロールする「DE精密過給制御」が採用され、低負荷領域においてアクセル操作に対するクルマの反応がよりダイレクトになるよう設定されるなど、マツダが唱える「人車一体感」のさらなる向上も静粛性とともに大きなテーマになっています。

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改良後を受けたデミオから乗り替えると、アイポイントの高さが印象的で、視界がよく感じる分、CX-3の方が運転しやすく感じるかもしれません。

ただし、着座姿勢はアップライトになりますから、SUVが初めての方は慣れが必要かも。それでもペダル配置に違和感はなく、運転姿勢が決めやすいのも美点。

気になる静粛性に関しては、改良後デミオといい意味で大差ない印象で、路面から少し高い位置に座るぶん同じ速度域でも静かに感じるかな、といった程度。実施的には同等といえそう。

また、音対策以上に乗り心地の向上が印象的で、改良前はややピッチングが大きめでしたがよりフラットライド感を得ているのも朗報でしょう。

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デミオよりもアップライトで着座位置が少し高いにも関わらず、コーナリング時に過大なロールを感じさせず、路面が波打っているような場所でもボディの揺れがよく抑えられています。

改良前からCX-3のフットワークは非凡なものがあり、やや粗めの乗り心地が気になるという感じでしたが、よりナチュラルになったパワステのフィーリングやフラットライドといえるレベルにまで引き上げられた乗り味は美点。

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デミオが改良後で大きくCX-3に近づいた感がありますが、それでも今回のCX-3の改良でこちらも引き上げられていて、車格の差は絶妙に保たれている印象を受けました。

(文/写真 塚田勝弘)

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走りと質感、快適性を向上させたマツダ・デミオ

昨年末に一部改良を受けたマツダ・デミオ。新型は1月中旬から発売(ガソリン車が1月15日、ディーゼルが1月22日)されています。

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クリーンディーゼルの「SKYACTIV-D 1.5」搭載モデルでは、エンジンのノックオンを抑制する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」の設定(XD Touring、XD Touring L Package、特別仕様車XD BLACK LEATHER LIMITEDに搭載)のほか、低負荷領域でアクセル操作に対してリニアな加速が可能となった「DE精密過給制御」の採用がトピックス。

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「SKYACTIV-D 1.5」、「SKYACTIV-G 1.3」ともに電動パワーステアリングの制御を見直し、ステアリングの切り始めの応答性を改善することで、よりナチュラルな操舵感を得ているなど、細部にわたって走行フィールの改善が図られているのはマツダらしいところです。

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ガソリン車の「SKYACTIV-G 1.3」搭載モデルには、トノカバーとフロントウインドウシールド遮音ガラスを採用(13S Touring、13S Touring L Package、13S BLACK LEATHER LIMITED)することで、静粛性を向上させる手も打たれています。

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そのほか、シャークフィンアンテナや3段階の温度調整が可能なシートヒーターを前席両側への設定、CX-3と同様にスタイリッシュなフォルムのフラットワイパー(フロント)を採用するなど、質感と快適性の向上が図られているのも朗報。

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デミオよりも後発で、少し車格が上になるCX-3から採用された装備も多く、常に新しいモデルをショールームに並べるという、マツダの意気込みを存分に感じさせる改良とでしょう。

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なお、価格帯はガソリンが135万〜193万3200円、ディーゼル搭載車が178万2000円〜221万4000円です。

(塚田勝弘)

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大人の雰囲気が漂うマツダ・デミオ「BLACK LEATHER LIMITED」

マツダの隠れたロングセラーモデル(?)、ベリーサが生産を終えたいま、コンパクトで上質なモデルの受け皿という意味もあると思われるのがデミオの特別仕様車。黒革インテリアの「BLACK LEATHER LIMITED」は、上質感を追求したモデルになっています。

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ベース車は「13S Touring L Package」、「XD Touring L Package」で、黒の本革シートを採用。デミオの「スタイルコレクション」と呼ぶコンセプトの第3弾。

スポーティかつ上質な雰囲気が漂う黒内装に、グレーのファブリック、シルバーのストライプやステッチをシートなどに採用しているほか、助手席にインパネデコレーションパネル、ドアトリムにビニールレザー・ブラックを用意。

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装備では、CD/DVDプレイヤー+地上デジタルTVチューナー、運転席&助手席シートヒーター、シャークフィンアンテナ、フラットワイパー(フロント)などが採用されています。

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ボディカラーは「ブルーリフレックスマイカ」、「ソウルレッドプレミアムメタリック(有償色)」、「ダイナミックブルーマイカ」、「チタニウムフラッシュマイカ」、「スモーキーローズマイカ」など全10色で、フロントグリルガーニッシュは「13S BLACK LEATHER LIMITED」がボディ同色、「XD BLACK LEATHER LIMITED」がソウルレッドプレミアムメタリック塗装となります。

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価格は「13S BLACK LEATHER LIMITED」の2WDが177万12000円(AT/MT)、4WDが196万5600円(AT)、「XD BLACK LEATHER LIMITED」の2WDが205万2000円(AT/MT)、4WDが224万6400円(AT)となっています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

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デミオ・ディーゼルは走りもさらにブラッシュアップ

マツダ・デミオにクリーンディーゼルエンジンを搭載した「SKYACTIV-D 1.5」に、CX-3にも用意されている「ナチュラル・サウンド・スムーザー」が設定され、エンジンのノック音を低減することにより静粛性が向上されていますが、今回の商品改良はそれだけではありません。

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「DE精密過給制御」と呼ぶエンジン制御の見直しによりダイナミック性能を進化させたほか、電動パワーステアリングの制御の改良によってナチュラルなハンドリングを得ているのが特徴。

その進化が分かるのは主に街中などの低速域のステージ。

DE精密過給制御により低速域の出足感をよりリニアなものにされたもので、新旧デミオを乗り比べると、アクセル操作に対する反応が素早くなっているのが分かります。

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しかも、停止時から急に加速するような「飛び出し感」を伴うのではなく、アクセル操作に連動するようなスムーズなものですから、ストップ&ゴーの多い街中でより感じられる制御になっています。

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電動パワステの制御改良もひと言でいうと、スムーズそのもの。切り始めの応答性を高めることで、たとえば信号待ちからの発進、そして右左折による操舵時などでその効果を新旧乗り比べで実感できましたし(新型はシャークフィンアンテナを採用)、首都高速のような中・高速域でもより自然なハンドリングを披露。

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経済性の高さやトルクフルな走りだけでなく、操舵応答性やアクセルワークの改善、そして「ナチュラル・サウンド・スムーザー」の設定により動的質感が高まったデミオのディーゼルモデル。

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軽快な走りが魅力のガソリン車も、トノカバーとフロントウインドウシールド遮音ガラスにより静粛性を向上させていますから、ますますエンジン選びには悩まされそうです。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

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マツダ・デミオの走りは国産コンパクトカー随一!?

マツダといえば、クリーンディーゼルエンジンを思い浮かべる方も多いでしょう。ほかにも「魂動(こどう)」デザイン、エンジンやプラットフォームだけでなく、新しいクルマ作りを総称する「スカイアクティブ」テクノロジーなど、クルマ好きだけでなく幅広い層にそのブランド哲学が広まりつつある、そんな状態ではないでしょうか。

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クルマ好き以外の方々にも新世代商品をズラリと揃えるマツダを知ってもらう入り口として最適なのがデミオ。

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現行型は、走りもデザインも質感も国産コンパクトカーの中で一頭地を抜く存在といえる完成度でしたが、ほかの最新マツダ車と比べると、ノイズ(エンジン)の高さや室内スペース、一部部品の見栄えなどがネガティブなコメントとしてユーザーから上がっていたそうです。

1月から販売されている改良後モデルですが、看板グレードといえる「SKYACTIV-D 1.5」搭載車に、CX-3にも採用されていたエンジンのノック音を抑制する「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を設定(XD Touring、XD Touring L Package、特別仕様車XD BLACK LEATHER LIMITEDに採用)されているほか、「SKYACTIV-G 1.3」搭載車にトノカバーとフロントウインドウシールド遮音ガラスを採用(13S Touring、13S Touring L Package、13S BLACK LEATHER LIMITED)することで、ノイズの侵入が抑制されています。

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気になる走りですが、ディーゼルに搭載された「ナチュラル・サウンド・スムーザー」は、パーシャル域から少し踏んでいった際のノック音を抑制するもので、CX-3と同様に注意深く聞いてみるとその差を感じ取れる程度。

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今回、新旧デミオ(ディーゼル搭載車)に乗り比べる機会がありましたので、乗り比べるとその差は確かに実感できました。これなら、デミオのディーゼルはやや音が大きめといった声もかなり少なくなるでしょう。

また、全グレードがEPS(電動パワステ)のアシスト力(セッティング)を見直すことでよりスムーズなハンドリング、とくにステアリングを切り始めの応答性能改善も図られています。

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その後に乗り比べたCX-3と改良後デミオの差が縮まった印象で、音・振動面や走りの上質感、ハンドリングなどは国産コンパクトカーの中でもトップクラスの実力の持ち主であることは間違いないでしょう。

(文/塚田勝弘・写真/小林和久)

【クルマが誘う非日常】ZOOM-ZOOMのワクワク感をいつまでも

クルマという閉鎖空間はときに自分だけの世界を提供してくれます。
ここでは、そんなクルマがもたらすひと時の非日常を紹介したいと思います。

こちらはマツダのブランドイメージビデオ「Mazda Brand Essence Movie」です。
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子どものときに初めて触れたクルマがもたらす高揚感を伝えています。
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大好きなクルマのおもちゃで夢中で遊んだ……、しかし成長するとともに、日々の生活に追われ遠ざかってしまうそんな気持ち。
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この映像は思い出させてくれます。
実はクルマのもたらす人生の喜びが、いつも自分のすぐそばにあることを。
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From youtube Mazda Channel
「ブランドエッセンスビデオ/Mazda Brand Essence Movie」