Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

東レがターボダクト向けに3Dサクションブロー成形機を導入

東レは、ターボ搭載車に必要なターボダクト向けに、世界最大手のサクションブロー成形機メーカーであるドイツのKautex Maschinenbau GmbH (カウテックス社)から大型3Dサクションブロー成形機を導入することを決定しました。

【差替】Kautexサクションブロー成形機

東レによると、日系エンジニアリングプラスチックメーカーによる同成形機の導入は初めてになります。今後、本年8月までに同社名古屋事業場(樹脂応用開発センター内)に設置し、10月から本格稼働する計画です。

近年のダウンサイジングターボ車では、ターボチャージャーとエンジンを繋ぐターボダクトを樹脂製とすることが軽量性と設計自由度の優位性から主流となっており、高い長期耐熱性や耐薬品性などの要求特性を満たす材料として、PPS樹脂やナイロン樹脂、PBT樹脂などの高機能エンジニアリングプラスチックスの適用が広がっています。

20160711b_jp

樹脂製ターボダクトの成形方法としては、主に射出成形とサクションブロー成形がありますが、長尺で複雑な形状にも対応できる利点に加え、一体成形により短時間で製造できるサクションブロー成形への注目が高まっています。

東レはターボダクト向け材料に好適な各種エンジニアリングプラスチックを幅広く製品のラインナップにそろえています。

今回、世界最大手のカウテックス社からサクションブロー成形機を導入して、新たな成形方法に関する技術・ノウハウを蓄積して、サクションブロー成形に最適な材料の開発力を強化すると同時に、ターボダクトの成形加工技術を磨くという狙いがあります。

(山内 博・画像:東レ)

ホンダの燃料電池車・CLARITY FUEL CELLには、カーボン材料が生きている

ホンダの燃料電池車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」(以下「クラリティ」)が3月に発売されて以来、最近「クラリティ」に使われている部品や材料についての発表が続いています。

0
(画像:ホンダ)今回は東レの炭素繊維材料が「クラリティ」に使われていることが明らかになりました。

東レの発表によると「クラリティ」に採用された炭素繊維材料は、燃料電池スタックの電極基材用カーボンペーパーと、および高圧水素貯蔵タンク用高強度炭素繊維の2つです。

0 (1)
(画像:東レ)まず、燃料電池スタックの電極基材用カーボンペーパーについては、東レが30年来開発を続けてきたもので、ガス拡散性、耐久性などの要求特性を兼ね備えて、燃料電池スタックの性能向上、省スペース化に貢献している、ということです。

0 (2)
(画像:東レ)次に高圧水素貯蔵タンクには、東レの高強度炭素繊維 トレカ(登録商標)が使われており、東レでは高圧水素貯蔵タンクの安全性や強度・軽量性を両立することができた、と説明しています。

燃料電池車には、いままでになかった新技術や新しい部品が満載で、これらを開発する部品メーカーや素材メーカーの活躍が目立っています。

(山内 博)