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「5G」活用で無人運転バスを遠隔制御!DeNAとドコモが実証実験を実施

ディー・エヌ・エー(DeNA)とNTTドコモが、「5G」(第5世代移動通信方式)活用による自動運転車両の遠隔制御に向けた実証実験を共同で進めると発表しました。

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この実証実検は、DeNAの自動運転技術を使ったモビリティーサービスのノウハウと、ドコモのLTEや5Gのノウハウを組み合わせることで、遠隔地からの自動運転車両の制御に加え、運転状況の監視や乗客へのサポートの実現を目的としています。

DeNAでは仏イージーマイル社が開発した「ロボットシャトル」を使い、大型ショッピングセンターに隣接する公園内で今年の8月から試験運用を開始するなど、実用化に向けた実証実検を重ねており、各地で乗車体験会を開催。

また今月13日には、内閣府が秋田県仙北市の県道を使い、同バスに地元の乗客を実際に乗せて国内初となる公道を使った自動運転走行を実施しました。

今後DeNAとNTTドコモは、自動運転車両に複数のカメラを設置、周辺環境情報を高精細な映像で取得し、「5G」により瞬時に情報を伝送する実験を共同でスタートさせる計画。

次世代の移動通信方式「5G」は10Gbpsを超える超高速通信により、飛躍的な通信容量の拡大が可能となり、これを無人運転バスの遠隔制御に活用することで、より安心・安全な運行サービスが期待されます。

Avanti Yasunori・画像:DeNA、Docomo)

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ドコモとDeNAが、自動運転車両を第5世代移動通信方式を利用して遠隔管制する実証実験を実施

NTTドコモ(ドコモ)とディー・エヌ・エー(DeNA)は、第5世代移動通信方式(5G無線技術)を利用して自動運転車両を遠隔管制する実証実験を共同で進めることを合意したと、それぞれ両社のHPで発表しました。

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5G無線技術は、10Gbpsを超える超高速な通信速度で通信容量を拡大できることが特徴です、IoTの普及に対応できる次世代の移動通信方式として研究開発と国際標準化が進行しています。

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今回の実証実験は、運転手のいない自動運転車両と遠隔地にいるオペレータとの間を5G無線技術でつなぐもので、具体的には、走行中の自動運転車両周辺の高精細映像をカメラで撮影し、5G無線技術を使って遠隔地のオペレータに伝送する実験を実施します。

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両社は、ドコモの5G無線技術に関するノウハウと、私有地で無人の自動運転バス「Robot Shuttle (ロボット シャトル)」を活用したモビリティーサービスを手がけるDeNAのノウハウを組み合わせ、遠隔地からの自動運転車両の監視や乗客へのサポートなどに5G無線技術を利用して、運転手のいない自動運転の実用性・利便性を向上させることを目論んでいます。

発表された実証実験の内容を見ると、5G無線技術は自動運転車両の監視や乗客へのサポートに利用されるようで、自動運転車両の運行を5G無線技術で制御するものではなく、補助的な遠隔管制にとどまっていますが、今後は5G無線技術で無人の自動走行車両の運行を直接に遠隔管制する方向に発展することが期待されます。

(山内 博・画像:ドコモ、DeNA)

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自動運転車向けの地図配信にNTTドコモの携帯電話ネットワークを活用する研究

NTTドコモ(ドコモ)は、総務省・自律型モビリティシステム(自動走行技術、自動制御技術等)の委託事業で、パスコ社と共同で委託先に選定され、7月15日に採択通知書を受け取ったと発表しました。

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今後ドコモは、エッジコンピューティングを利用した高度地図データベースの高効率なリアルタイム更新・配信技術の開発を開始することになります。

今回ドコモとパスコ社が委託先に採択されたのは、総務省の「平成28年度 情報通信技術の研究開発『自律型モビリティシステム(自動走行技術、自動制御技術等)の開発・実証』」の4つの研究開発課題のうち、課題III「高度地図データベースの高効率なリアルタイム更新・配信技術の確立」についてです。

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ドコモとパスコ社の役割分担については、パスコは主に自動走行に必要な高度地図データベース(以下、ダイナミックマップ)の更新技術の開発を分担し、ドコモは自動走行車へのダイナミックマップの効率的な配信技術の開発を分担します。

ダイナミックマップとは、道路情報や道路上の物体に関する高精度な地図情報と、道路交通情報や他の車、バイク、歩行者等の状況に応じて変動する情報を、時間的・空間的に統一して三次元の空間情報にまとめた地図のことです。

ドコモが開発する技術は、自動走行車へのマップ情報配信に携帯電話のネットワークを活用することを想定したものです。

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現状のネットワーク技術で膨大なデータ量となるダイナミックマップを高速移動する自動走行車に配信すると、携帯電話ネットワークへ高負荷がかかり、ダイナミックマップの配信に不具合が発生することが予想されるため、より効率的な配信技術が求められています。

そこでドコモは、エッジコンピューティングの技術を用いて、ダイナミックマップのサーバーを携帯電話のネットワークに分散して配置することで、ネットワークに与える負荷を低減する技術を検証し、効率的な配信技術を開発します。

エッジコンピューティングは、ユーザーの近くに情報を処理するサーバー(エッジサーバー)を分散設置することで、クラウドコンピューティングに比べて、遅延の少ない情報処理やデータの分散を可能とする技術です。

ドコでは、今回の実証実験で携帯電話(モバイル)のネットワーク網にエッジサーバーを設置することで、モバイルエッジコンピューティングの環境を構築することを目指しています。また、今回の委託事業による技術開発の一部をNTT未来ねっと研究所と連携して進めるとしています。

(山内 博・画像:総務省、ドコモ)