Motor Fan's YEAR 2016

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パーク24、道路上にカーシェアリングステーションを設置した日本初のカーシェアリングの社会実験に参加

パーク24は、2016年12月20日(火)より、国土交通省の「道路空間を活用したカーシェアリング社会実験」に参加して、日本初の公共の道路空間を活用したカーシェアリングの運用を開始すると発表しました。

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本社会実験は、国土交通省が公共交通とカーシェアリングを連携させたときの利便性・問題点を検証するために地下鉄駅の近くの道路上に、通常は許可されないカーシェアリングステーションを設置して実施されます。

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ビジネス上の利用者が多い地下鉄・大手町駅の出入り口に近接し、乗り換え利便性の高い国道1号の道路上に、道路運送車両法の第一種原動機付自転車に該当するトヨタCOMS、i-ROADを使って、いわゆる小型モビリティによるカーシェアリング用のステーションを設置。道路上におけるカーシェアリングの分析・検証が行われることになります。

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カーシェアリングステーションは地下鉄大手町駅から400mの国道1号線沿いという便利なロケーションで、国道の歩道脇をホラードという伸び縮みする車止めで区切った状態で設置されています。車両を出入りさせる時には、車両の内部にあるリモコンで伸縮操作することにより、ホラードを上下させる仕組みになっています。

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また、大手町駅の出入り口にはカーシェアリングの利用に必要なカードを受け取る無人入会機が設置されており、カーシェアリング社会実験に参加しやすいように配慮されています。

公共の道路上に社会実験でもカーシェアリングのステーションを設置するのは、国内初の試みで、地下鉄の駅の近くに利用できる小型モビリティを設置すると、どのように利便性が向上するのか、関係者のみならず多方面から注目を集めています。

(山内 博・画像:パーク24)

NEDOがEVの行動範囲を拡大する実証事業「DRIVE the ARC」を米カリフォルニア州で開始

新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)、日産自動車、Nissan North America, Inc.、商社の兼松は、カリフォルニア州政府とEVgoの協力を受けて、米カリフォルニア州北部都市圏で電気自動車(EV)の行動範囲を拡大する実証事業「DRIVE the ARC」を11月14日から開始したと発表しました。

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本実証事業は、充電インフラに不安がある都市間を繋ぐ幹線道路沿いの20カ所以上に50基の急速充電器を設置したうえで、急速充電器の位置をEV利用者に案内する誘導サービスシステムを提供し、EVの行動範囲拡大を目指します。

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米・カリフォルニア州は、自動車メーカーに対してEVなどの販売を義務付けるZEV規制や、EVには優先レーンの通行を許可する法制を施行する環境先進州です。それでもEVの利用者には、EVの充電切れを心配してEVでは遠出しないというEV特有の心理的不安(Range Anxiety)があり、EVの活用が近距離利用に限定されてしまう原因になっているといわれています。

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そこで、今回の実証事業では、充電切れを心配するEV利用者の心理的不安を解消して、EVの行動範囲を拡大することに取り組みます。

NEDOでは、本実証の成果が他の地域へ波及し、世界各地のEV行動範囲が広がることで、EV市場が拡大することに期待しています。

(山内 博・画像:NEDO)

ドコモとDeNAが、自動運転車両を第5世代移動通信方式を利用して遠隔管制する実証実験を実施

NTTドコモ(ドコモ)とディー・エヌ・エー(DeNA)は、第5世代移動通信方式(5G無線技術)を利用して自動運転車両を遠隔管制する実証実験を共同で進めることを合意したと、それぞれ両社のHPで発表しました。

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5G無線技術は、10Gbpsを超える超高速な通信速度で通信容量を拡大できることが特徴です、IoTの普及に対応できる次世代の移動通信方式として研究開発と国際標準化が進行しています。

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今回の実証実験は、運転手のいない自動運転車両と遠隔地にいるオペレータとの間を5G無線技術でつなぐもので、具体的には、走行中の自動運転車両周辺の高精細映像をカメラで撮影し、5G無線技術を使って遠隔地のオペレータに伝送する実験を実施します。

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両社は、ドコモの5G無線技術に関するノウハウと、私有地で無人の自動運転バス「Robot Shuttle (ロボット シャトル)」を活用したモビリティーサービスを手がけるDeNAのノウハウを組み合わせ、遠隔地からの自動運転車両の監視や乗客へのサポートなどに5G無線技術を利用して、運転手のいない自動運転の実用性・利便性を向上させることを目論んでいます。

発表された実証実験の内容を見ると、5G無線技術は自動運転車両の監視や乗客へのサポートに利用されるようで、自動運転車両の運行を5G無線技術で制御するものではなく、補助的な遠隔管制にとどまっていますが、今後は5G無線技術で無人の自動走行車両の運行を直接に遠隔管制する方向に発展することが期待されます。

(山内 博・画像:ドコモ、DeNA)

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ヴァレオの自動運転車「Cruise4U」がヨーロッパ一周13000キロの公道実証走行へ出発

欧州の自動車部品大手・ヴァレオは、同社の自動運転車「ヴァレオ Cruise4U(クルーズ4U)」が10月26日にヨーロッパ一周の公道実証走行へ出発したと発表しました。

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ヴァレオ Cruise4Uは、一年前のフラン ス一周、今夏の米国一周、一カ月前のパリ環状道路 24 時間走行に続いて、5 週間かけて欧州の主要地を巡る13000キロの公道を自動運転で実証走行することになります。

今回の自動運転による公道実証走行は、まず英国からスタート。エジンバラからプリマスまで走行した後、大陸に渡り、ドイツでベルリン、カールスルーエ、ミュンヘンなどの都市を走行して、オランダのアムステルダムで U ターン。チェコ・プラハまで走行した後、フランスとスペインを走行し、 セビリアからパリに戻るというコースを巡ります。

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ヴァレオ Cruise4Uがどのような自動運転システムを備えているかは発表されていませんが、今回ヨーロッパ一周・6カ国を自動運転モードで走行することで、ドライバーの代わりに運転操作を担うヴァレオが開発したソフトウェアを実際の道路状況の中でテストする絶好の機会が得られるとしています。

(山内 博・画像:ヴァレオ)

ホンダが水素インフラ不要の高圧水電解型「70MPa スマート水素ステーション」の実証実験を開始

ホンダは、太陽電池パネルの電力で水を電気分解して高圧水素を製造できる充填圧力70MPa(メガパスカル)の「70MPa スマート水素ステーション(70MPa SHS)」の実証実験を東京都江東区青海で開始したと発表しました。

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70MPaの高圧水素を製造できる水電解型水素製造ステーションは世界初(ホンダ調べ)となります。

この実証実験は、環境省のCO2排出削減対策を強化・誘導する実証事業として、太陽光エネルギー由来の水素を製造する70MPa小型水素ステーションを実際に運用した場合の効果を実証するために実施されます。

70MPa SHSの特徴は、①水素ステーションまで水素を輸送するインフラが不要、②70MPaの高圧で、市販されているFCV(燃料電池自動車)を満タンにできる、という点です。

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この70MPa SHSを市街地に設置して、ホンダのFCV「クラリティ フューエル セル」と可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」を使用すれば、FCVが走行するときのCO2を削減できるとともに、停電時にはFCVを家庭やオフィスの発電設備として活用することができます。

今回の実証実験を通じてホンダは、FCVが自動車として走行するときにCO2排出量を削減できるだけではなく、駐車時には発電設備として機能することをアピールして、FCVの普及を推進するねらいがあるようです。

(山内 博・画像:ホンダ)

NEDO、フィリピンで電動3輪車による新公共交通システムの実証事業を開始

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、フィリピンで電動3輪車を使った新公共交通システムの実証事業を開始したと発表しました。

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今回のNEDO実証事業は、フィリピンの貿易産業省(DTI)およびイントラムロス監督庁(IA)と共同で、日本のソフトバンクを委託先として、電動三輪自動車とEVエコシステムを組み合せた新公共交通システムの実証事業を行うものです。

具体的には、2016年10月から2018年9月までの2年間で、マニラ市内の観光・文教地区であるイントラムロスで実施され、現地の交通事情に合わせた定期運行管理、車両稼働率管理、EV充電管理を行って、現地ニーズに適合した公共交通システムであるかを検証する、ということです。

フィリピンでは、125ccのガソリンバイクにサイドカーをつけた「トライシクル」と呼ばれる3輪タクシーが400万台も走っており、年式の古いトライシクルが大気汚染や交通渋滞の原因になっています。

フィリピン政府はトライシクルの電動化を進めており、愛媛県の渦潮電機が2014年からトライシクルを電動化した「e-トライクル」を現地で生産する事業を開始しています。

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今回の実証事業は、現地で生産されている「e-トライクル」に代表される電動3輪車にクラウドを利用した「EVエコシステム」を組み合わせて、①個別認証を含む充電インフラ、②運行管理・アセット管理をするテレマティクス、③運賃課金等のサービスプラットホーム、④車両に搭載する通信機器の4テーマについて実証するものと見られます。

NEDOは、今回の実証事業で電動3輪車を使った新公共交通システムを実現して、エネルギー消費量を85%削減することを目指しています。

(山内 博・画像:NEDO、渦潮電機)