Motor Fan's YEAR 2016

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日産NV350キャラバンが一部改良。バンの主要グレードに「エマージェンシーブレーキ」を標準装備

日産の「はたらくクルマ」の代表格であるNV350キャラバンが一部改良を受けました。

今回の一部改良では、バンの主要グレード(バン/2WD/ロングボディ/低床/AT車)に「エマージェンシーブレーキ」および「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」が標準装備されています。

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「エマージェンシーブレーキ」は、フロントに配置されたセンサーで前方の車両を検知し、衝突の危険性があるとシステムが判断した場合にはメーター内の警告灯とブザーでドライバーに衝突回避操作を促すもの。さらに、万一ドライバーが安全に減速できなかった際には、緊急ブレーキを作動させて、衝突を回避または衝突時の被害や傷害を軽減するシステム。

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バン/2WD/ロングボディ/低床/AT車仕様は、2016年1月の仕様向上で「VDC」と「エマージェンシーブレーキ」が一部にパッケージモデルとして設定されていますが、今回の一部改良で標準化されたのがニュースです。

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今回(2016年11月25日)の改良では、ワゴン、マイクロバスの全グレードに、VDCを標準装備することで安全性の向上が図られています。さらに、5ATトランスミッション車のシフトレバーのインジケーター部に夜間照明を追加することで、夜間運転時の視認性を向上。

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また、NV350キャラバンの一部仕様向上に併せて、オーテックジャパンによるカスタムカーの「ライダー」シリーズ、「ライフケアビークル(LV)」シリーズの一部仕様向上も実施。バンベースのモデルは11月25日から、ワゴン、マイクロバスベースのモデルは30日より発売されます。

NV350キャラバン「ライダー」では、本革巻ステアリングや防水シート地などが用意される「インテリアパッケージ」も設定し、機能性と上質感の両立が図られています。また、ダーククロムのフロントグリルなどを採用し、人気の高いアイテムを標準装備とした「ライダー ブラックライン」も設定されています。

今回の一部改良では、ベース車と同様に「ライダー」シリーズの主要グレードに「エマージェンシーブレーキ」および「VDC」を標準装備。

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さらに、「ライダー」シリーズ、「ライフケアビークル(LV)」シリーズのうちワゴン、マイクロバスベース車に、シフトレバーのインジケーター部に夜間照明を追加することで、夜間運転時の視認性向上を実現しています。

価格帯はNV350キャラバンのバン仕様が220万7520円〜359万6400円、ワゴンが256万3920円〜336万3120円、マイクロバスが285万6600円〜348万4080円。

ライダーは247万7520円〜378万円、ライフケアビークルのチェアキャブ仕様が355万2000円〜480万8000円。送迎タイプ仕様が281万7720円〜360万720円です。

(塚田勝弘)

何台知ってる?実は日産が販売する車両の5台に1台は商用車。

世界規模でみると、日産が販売している車両のうち5台に1台が商用車。

ボクも知らなかったのですが、例えば日本でも2015年4月から2016年1月までの日産の車種別販売台数を見ても、6位がクリッパー(NT100やNV100)、7位がNV350キャラバン、そして8位がADと、トップ10のうち3台は商用車なのだそう。こういうのを隠れ人気車っていうのでしょうか。

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日本では10モデルの商用車を販売しているのですが、代表的なモデルを紹介しましょう。あなたは何台知っていますか?

■NV350キャラバン

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先日のマイナーチェンジで自動ブレーキが追加され、クラス唯一の自動ブレーキ装着車となりました。カスタマイズモデルやキャンパー仕様、福祉車両などバリエーションも豊富です。

■NV200バネット

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NV350キャラバンよりも一回り小さな商用ワンボックス。駆動方式はFRです。

■NV200タクシー

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バネットをベースにしたタクシー。日産はセダン型タクシーの供給をやめ、すべてバン型を販売しているのです。

セダン型タクシーと違って荷室に大型スーツケースが複数積めるのが最大の特徴で、空港では大人気。燃料はLPGとガソリンのバイフューエル(どちらも使える)なんですよ。

■e-NV200

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NV200をベースにリーフのパワーユニットを搭載して電気自動車化したモデル。2列シートと3列シートがあります。日本で販売される車両もスペイン製の「輸入車」です。

■アトラスF24

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1.15〜2トン積みをラインナップする小型トラック。兄貴分として最大積載量2〜4トンとひとまわり大きな「NT450アトラス」もあり、そちらは三菱ふそうからのOEM供給。

ちなみに三菱ふそうはドイツのダイムラー(ベンツを擁する会社)の傘下にあり、日産とはアライアンスの関係です。

■タイタン(手前)とNP300ナバラ(奥)


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日本では絶滅状態にあるピックアップトラックも海外では大きな柱。北米だけで販売されているタイタンは全長約6mの巨大なボディで、ベッドと呼ばれる荷台が大きいだけでなく居住スペースもセダン顔負けの広さ。ワイルドですねー。

NP300ナバラは東南アジア、欧州、オセアニア、そして南米と世界各地で発売されているグローバルカー。昔で言う「ダットラ」ですね。

えっ、タイタンの走る様子が見てみたい?ではこちらもどうぞ。

(工藤貴宏)

商用車購入のポイントは使い勝手だけでない。NV350キャラバンの隠れた実力を発見!

今年2月にエマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)の採用など、一部改良を行ったNV350キャラバン。

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このクラスとしては初となる自動ブレーキ、VDC(ビークルダイナミクスコントロール)、ヒルスタートアシストと安全装備をセットにした「エマージェンシーブレーキパッケージ」を設定したことで、ライバルとなるハイエースに安全装備では大きく差をつけました。

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荷物の積載能力や使い勝手ばかりに目を向けられる商用車ですが、今後は安全面を重視したユーザーが増えていくかもしれません。

そんなNV350キャラバンですが、あまり表に出ない走行性能についても実は高い実力を備えていることはあまり知られていません。

というか、試乗するまで筆者も知りませんでした…。

今回試乗したのは、NV350キャラバンのプレミアムGX・4WD。ボディバリエーションが複数ある同車ですが、ロングボディの標準ルーフボディです。

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試乗車には2.5L直4ディーゼルのYD25DDTi型エンジンが搭載されていました。

最高出力は129psとスペック的には高くありませんが、低速からトルクが大きい(最大トルクが36.3kgf・m)ターボディーゼルは、アクセルを踏み込むとグイっと加速していきます。

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ワインディングロードでは機敏なハンドリングを実現…とはいきませんが、逆に荷物を積んでいない状況であっても安定した走行を見せてくれます。

また乗り心地もなかなか。これなら長距離ドライブで運転手や同乗者がキツイ思いをすることはないでしょう。

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試乗していたなかでとくに感心したのが不整路の走破性。

試乗時は一部コースでは圧雪路はあったものの、暖冬の影響で融雪路を中心としたコースでしたが、路面の状況を気にせずスムーズな走行が可能だったのです。

試乗したNV350キャラバンはパートタイム式4WDだったことも大きな要因かもしれませんが、もともとの基本性能が高いことは試乗するだけでよくわかりました。

商用車を購入する条件で、安定した走行ができる性能を重視するユーザーは少ないでしょう。1年間に3万km以上走るといわれる商用車にとって走行性能が高いNV350キャラバンは大きなメリットになるのではないでしょうか。

【テヅカ・ツヨシ】