Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

ノートe-POWERの登場でますます混沌とする「HV&EVのセカイ」を整理してみる

日産から発売されたノートe-POWERは、ガソリンエンジンで発電し、その電力をバッテリーに蓄え、モーターを駆動する「シリーズハイブリッド」という方式を採用する。

2016120e_power-gymkhana_052

ホンダの現行フィットなどはガソリンエンジンの力で走行することが基本で、発進時や急加速時などにモーターが手助けするもので、これを「パラレルハイブリッド」という。

4150917-fit_004h

ハイブリッドの代名詞ともいえるトヨタのプリウスは、パラレルハイブリッドとシリーズハイブリッドの両方の特徴を持った方式で「シリーズ・パラレルハイブリッド」などと呼ばれる。ハイブリッドはいずれの方式でもモーターのみで走るモードが存在することが多い。

20161201_02_02

これら3つのハイブリッド方式をまとめて「フルハイブリッド」や「ストロングハイブリッド」と呼ぶ。

対して、日産のセレナなどが採用する簡易的なものを「マイルドハイブリッド」と呼ぶ。「ストロングハイブリッド」と「マイルドハイブリッド」の境界線は明確ではないのが現状。

160824-01-11-1200x900

日産リーフのような「EV(電気自動車)」は、クルマを充電器につないで電気を充電し走るものだが、それだと充電切れでストップしてしまう恐れがあるため、充電用に小さなエンジンを積んだタイプもある。これを「レンジエクステンダー付きEV」と呼ぶ。

BMW i3は普通のEVと「レンジエクステンダー付きEV」が用意されている。「レンジエクステンダー付きEV」と「シリーズハイブリッド」は構造的似ているが、エンジンの存在が常に充電のため(シリーズハイブリッド)と、充電切れ対策のため(レンジエクステンダー)の違いがある。

161003-02-02-1200x873

さらに、ハイブリッドでありながら、充電器につないで電気を充電できる「プラグインハイブリッド」というものも存在する。三菱のアウトランダーPHEVなどがこのタイプ。「プラグインハイブリッド」はHVとEVの中間的存在ともいえる。

1506_ph_1-2_fr

トヨタ・ミライやホンダ・クラリティ フューエル セルなどの「燃料電池車」は、水素を使って発電し、その電気を使って走るクルマ。シリーズハイブリッドのエンジンの部分を燃料電池に置き換えたものと考えればわかりやすい。燃料電池というのは電池というよりも水素発電装置と考えるといい。ただし、水素を燃やすのではないところがポイントだ。

mir1411_01 c160526b_001h

各社はそれぞれ販売戦略もあって、いろいろな名称で名前をつけているが、そろそろしっかり整理して、どんな方式なのかが一目でわかる表示が必要な時期に来ているのではないか……と感じる。

(諸星陽一)

ニスモのブランドネームが付けられた「ノートe-POWER NISMO」は速くて快適!

ノートe-POWERのカスタマイズドモデル「ノートe-POWER・ニスモ」は、内外装をドレスアップしたうえで、エンジンや足まわりなどをチューニングしたモデル。ニスモの名が付くが、開発はオーテックジャパンが担当した。

2016120e_power-gymkhana_033

エクステリアでは、ほかのニスモ仕様と同様の赤いアクセントを使ったエアロパーツが目をひく。エクステリアでおもしろいのは、グリルには電動モデルを象徴する青のアクセントがあるなかで、各所に赤のアクセントを入れたこと。静と動が共存しているような印象を与えてくれる。

2016120e_power-gymkhana_034

インテリアで好感度が持てたのはステアリング。2時〜4時、8時〜10時の部分にアルカンターラを使っていてグリップ感がいい。また、ステアリング操作に慣れていないドライバーは、間違った位置を握ってしまったときに気づくという効果もある。

2016120e_power-gymkhana_067 2016120e_power-gymkhana_060

モーター出力はノーマルモデルと同一ながら、少ないアクセル踏み込み量で速度が上がるセッティングとしたことで発進加速が鋭くなり、スポーティな加速フィールを獲得している。

2016120e_power-gymkhana_071

サスペンションはフロント・ショックの減衰力アップとスタビのバネレートアップ。リヤはスプリングのバネレートアップとショックの減衰力アップを行い、さらにフロントキャンバー角のネガティブ化を行った。

タイヤも185/70R14→195/55R16に変更。キャンバーのネガティブ化によって、直進安定性が向上、タイヤのセルフアライニングトルクが増し、剛性感も向上している。

161208-01-10-1200x768 2016120e_power-gymkhana_035

また、ボディ剛性を向上するパーツを取り付けたことで、乗り心地や静粛性もアップ。比較試乗としてメダリストに乗ったのだが、メダリストよりもいい。メダリストは標準のノートe-POWERよりも静粛性を向上しているのに、その上を行くのだから大したもの。

161208-01-12-source

実は走りに影響する部分は同じくオーテックジャパン扱いのモードプレミアも同一。ニスモの走りは欲しいけど、ラグジュアリーな内外装がいいという方は、モードプレミアを選ぶというのもひとつの方向性だ。

161102-01-35-1200x549

(文/諸星陽一 写真/小林和久)

日産デイズ・ルークスが大胆な顔つきに変身!! 快適性を高める装備を満載

三菱eKスペースと同様に、スーパーハイトワゴンの日産デイズ・ルークスも2016年12月21日にマイナーチェンジを受けました。

デイズ・ルークス・ハイウェイスターは、新しいVモーショングリルと大開口であることを感じさせるバンパーにより、プレミアム感と存在感を強調。

161221-01-06-1200x608

標準仕様のデイズ ルークスは、Vモーションをモチーフとしたワイドなグリルで、エレガントな佇まいとなっています。

インテリアは、新たなシート表皮に加えて、質感を向上した特別なインテリア、「プレミアムグラデーションインテリア(デイズ・ルークス ハイウェイスターにメーカーオプション)」を新設定。高級感のあるダイヤキルティングパターンのグラデーションクロスと合皮のコンビシートにより、汚れを簡単に拭き取ることが可能になっています。

161221-01-12-1200x900

装備では、先行車や対向車のライトを認識し、ハイビームとロービームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」を搭載。一部グレードには、高速走行時の疲労を軽減するクルーズコントロールも用意されています。

161221-01-33-source

161221-01-38-source

さらに、「ナノイー」搭載の「リヤシーリングファン」と「スピード消臭シート」を軽自動車として初めて採用(Sを除く全車に標準装備、イノドールクイック瞬感消臭による消臭シートの採用で)されているほか、「高性能エアコンフィルター(花粉・黄砂・PM2.5対応タイプ)」を搭載。

161221-01-45-source161221-01-11-source

また、炎天下での室温上昇を抑制する「断熱ルーフ」、強い日射しの赤外線による肌のジリジリ感を抑制する「IR(赤外線)カットガラス」、冬の始動時も室温の上昇を早める「運転席ヒーター付シート&PTC素子ヒーター&リヤヒーターダクト」も搭載されるなど、車内の快適性向上も図られています。

マイナーチェンジを受けた日産デイズ・ルークスの価格帯は、2WDが130万6800円〜175万5000円、4WDが142万7760円〜187万5960円です。

(塚田勝弘)【関連記事】

三菱・eKスペースが大幅改良でフェイスリフトを実施!
http://clicccar.com/2016/12/21/428417/

三菱eKスペースが装備を充実!! 新グレード追加とターボの燃費を向上
http://clicccar.com/2016/12/21/428433/

大幅改良で室内の快適性を向上させた、三菱・eKスペース
http://clicccar.com/2016/12/21/428501/

日産エルグランドにゴージャスな「ハイウェイスター ホワイトレザーアーバンクロム」を設定

日産の最上級ミニバンであるエルグランドは2010年8月の登場ですから、すでに6年半の月日が経っています。次期型は2018年あたりか? という噂もあがっています。

161219-01-01-1200x863

次期型の有無や登場時期などは別にして、いずれにしてもモデル末期であることは間違いなく、長いライフサイクルとなっているモデルを狙うのであれば特別仕様車がオススメ。

2016年12月19日に発売された「ハイウェイスター ホワイトレザーアーバンクロム」は、シートとドアトリムにプレミアムホワイトレザーを採用するというゴージャスな仕様。

161219-01-04-1200x563

シート表皮には本革(シートバック、シートサイド、アームレストおよびヘッドレストには人工皮革)を採用し、ギャザーを入れることで上質感が演出されています。

161219-01-03-1200x730

また、本革巻きステアリングとインストルメントパネルには、艶感のあるエレガントなブラックメープルフィニッシャーを用いていて、ブラックとホワイトのコントラストにより、高い質感が醸し出されています。

もちろん装備も強化されています。3.5Lモデルはインテリジェントクルーズコントロール、踏み間違い衝突防止アシスト、アラウンドビューモニターなどを特別装備。さらに、全車にパーソナルドライビングポジションメモリーシステムを用意しています。

161219-01-02-1200x800価格は2.5Lの2WDが4,136,400円、4WDが4,428,000円。3.5L車の2WDが5,337,360円、4WDが5,628,960円です。

(塚田勝弘)

新型・マーチ NISMO、さらなるエアロダイナミクスで2017年3月に発売?

日産・マーチの新型がワールドプレミアされて間もないですが、モータースポーツの血を引く、「マーチ NISMO 」のレンダリングCGを入手しました。

Spy-Shots of Cars This image has been optimized for a calibrated screen with a Gamma of 2.2 and a colour temperature of 6500°K

「NISMO」は日産モータースポーツ・インターナショナルの略で、モータースポーツ仕様のチューニングモデルなどを手がけています。

65_dl0000482236

現在NISMOチューンモデルは、「フェアレディZ」「ジューク」「マーチ」「GT-R」「ノート」「セントラ」などに設定されており、新型マーチにも設定されます。

これまで以上にエアロダイナミクスを追求した次期型は、フロントバンパーに大口エアダクトを持ち、サイドミラーを赤に、またVモーショングリル、エアダクト、リップスポイラー、サイドシルにも赤をあしらった、スポーツモード全開のエクステリアとなっています。

追加発売が予想されるNISMO「S」モデルのパワートレインは、5速MTと組み合わされる、1.5リットル直列4気筒DOHC。NISMO専用チューンにより最高馬力は120psまで引き上げられます。

現行NISMOからさらに向上された強化ボディ、スポーツサス、ブレーキセット、スポーツシート、アグレッシブなエクステリアはマニアの心を掻き立てる筈です。

(APOLLO)

BMWへの対抗か?日産が急速充電器「使いホーダイ」サービスをスタート

日産自動車のEV「リーフ」は、2010年の発売開始から国内累計7万台を販売、グローバルでも累計24万台以上を販売しているそうです。

そうしたなか、同社は12月1日に「リーフ」のオーナー向けサポートサービス「ZESP」(日産ゼロ・エミッションサポートプログラム)を改定。新サービス「ZESP2」の提供を始めたと発表しました。

NISSAN_LEAF

「ZESP」は日産販売店舗や高速道路SA、コンビニなどに設置されているNCS(日本充電サービス)運営の全国約5,600基の急速充電器が定額で使い放題となるもので、「リーフ」のオーナーの約9割が加入しているそうです。

今回のサービス改定の目的は、より魅力的な料金体系の実現とオーナーの利便性向上を図ることにあり、具体的な変更内容は次の2点となっています。

①ZESP2 「使いホーダイプラン」

月会費2,000円(税別)で、日産販売店舗および高速道路SAやコンビニなどのNCS急速充電器が使い放題に。

NISSAN_ZESP2

②ZESP2 「つど課金プラン」

月会費1,000円(税別)で、日産販売店舗および高速道路SAやコンビニなどのNCS急速充電器を、15円/分の充電料金で利用可能。

NISSAN_ZESP2

共通サービスとして、カーナビゲーション内の充電スポット情報更新や、オペレータサービスが利用できる「ITサポート」、レンタカー利用時の基本料金が最大で半額になる「日産レンタカー割引」、車両トラブル発生時に常時24時間体制でサポートする「エマージェンシーサポート」を設定。

NISSAN_e-NV200

また今回の改定で、サポート対象車種に「e-NV200」が追加されており、「ZESP2使いホーダイプラン」に申し込んだオーナーを対象に、月会費を2年間無償とするキャンペーンを実施するそうです。

BMW_ChargeNow

この改定は、BMWがEVやPHVなどの電動車拡販を目的に、公共充電サービス「ChargeNow」を今秋から導入、購入者向けのお得なサービスを充実させたことが背景にある模様。

国内でも電動車が普及するにつれ、今後はこうしたサービス競争が本格化することになると予想されます。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車、BMW)【関連記事】

トヨタ自動車が「EV事業企画室」を始動!電動化加速へ
http://clicccar.com/2016/12/05/423003/

2025年にEV販売100万台で首位狙う!VWが新戦略を発表
http://clicccar.com/2016/11/28/421115/

メルセデス・ベンツなどドイツ3強がEV投入を加速!
http://clicccar.com/2016/10/19/409118/

BMWがEV、電動化による新戦略「ナンバーワン・ネクスト」を発表!
http://clicccar.com/2016/03/28/362878/

「日産リーフ」からビルへ給電し、夏場のピーク電力削減に成功していた!
http://clicccar.com/2013/12/09/239756/

【関連リンク】

日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2
http://ev.nissan.co.jp/ZESP2/

BMW i3「ChargeNow」
http://www.bmw-i.jp/BMW-i3/

日産ADシリーズが「NV150 AD」に進化。単眼カメラの衝突被害軽減ブレーキを装備

モデルライフが10年にもなる日産の小型商用車「AD」シリーズが、車名を「NV150 AD」に変更するというビッグマイナーチェンジです。

161130-01-05-1200x750

FFは1.5リッターエンジン、4WDは1.6リッターエンジンとなるパワートレインの基本は従来通り。フロントマスクに新世代日産のデザインシグネチャーである「Vモーショングリル」を採用しているのが外観で目立つポイント。

内装では、インストアッパーボックスの容量拡大や大容量グローブボックスの採用、さらにセンターコンソールに500ml紙パックに対応したカップホルダーを設定するなど、ビジネスシーンでの使い勝手を向上させています。

注目は安全性能。単眼カメラを用いた先進安全装備とVDC(横滑り防止装置)を全車に標準装備。カメラを使うことで歩行者も検知できるエマージェンシーブレーキ(10〜80km/hで作動)や居眠りなどでのハンドル操作を誤り車線を逸脱したときに警告する機能も備えます。

メーカー希望小売価格は、2WDが155万3040円〜171万1800円、4WDは178万2000円〜193万5360円となっています。

(山本晋也)

日産・追浜工場でリーフを使った無人搬送システムが稼働中!

日産が、自動運転技術を活用した無人搬送システム 「Intelligent Vehicle Towing(インテリジェント ビークル トーイング)」を追浜工場に導入していることを発表しました。

161205-01-11-1200x801

すでに1年前から試験をしてきたという「インテリジェント ビークル トーイング」は、自動運転機能を備えた電気自動車「リーフ」をベースの牽引車を使った完成車無人搬送システムで、一度に最大3台のクルマを運ぶというもの。

台車へのクルマの載せ降ろしは人間が行ない、そこから構内の移動を無人運転で行ないます。

自動運転技術としては、複数のカメラとレーザースキャナーにより白線、路肩、障害物などの情報と地図データを組み合わせたもの。また、管制センターから緊急停止させることも可能ということです。

自動運転の基準としては、もっとも高度といえる「無人走行」を、クローズドエリアとはいえ、実用化した日産の自動運転技術。これにより、車両搬送のスタッフを減らすことができ、労働人口減少に対するソリューションのひとつとして考えているということです。

(山本晋也)

プリウスが首位転落! 2016年11月の登録車新車販売のトップは日産ノート

一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(自販連)より、2016年11月の登録車(軽自動車と海外ブランドを除く)の車名別の販売ランキングが発表されました。

前月、プリウス、アクア、セレナという新しいトップ3の顔ぶれになった登録車セールスランキングですが、ついにプリウスがトップの座から陥落です。

161102-01-29-1200x822

●2016年11月 登録車販売ランキングトップ10(自販連調べ)
1位 日産 ノート 15,784台
2位 トヨタ プリウス 13,333台
3位 トヨタ アクア 12,409台
4位 トヨタ シエンタ 11,608台
5位 ホンダ フリード 10,445台
6位 トヨタ ヴォクシー 8,878台
7位 日産 セレナ 7,293台
8位 トヨタ カローラ 6,546台
9位 ホンダ フィット 6,333台
10位 トヨタ ノア 5,750台

日産が新しい電気自動車としてアピールするシリーズハイブリッド「e-POWER」を搭載したことで向上した商品性が評価されて、ノートがトップを獲得したと考えられます。

一方、前月に3位となった自動運転技術「プロパイロット」を搭載するセレナは新車効果が落ち着いたのか、3列シートのライバルに押しのけられるように7位にダウン。

はたして、ノートのトップが新車効果の瞬間風速なのか、新しいトップランナーの登場なのか、気になるところといえそうです。

(山本晋也)【関連記事】

ついにトヨタのトップ3が崩れた!2016年10月の登録車セールスランキングはミニバンに注目
http://clicccar.com/2016/11/08/414884/

日産ノートe-POWERの魅力は、リーフを超える走りにあり!!
http://clicccar.com/2016/12/04/421410/

充電要らずのEV「日産ノートe‐POWER」、3週間で受注2万台超!
http://clicccar.com/2016/11/29/421543/

その購入計画、ちょっと待って!販売絶好調のノートe-POWERを買うなら12月12日以降がオススメ!?
http://clicccar.com/2016/11/28/420301/

駆動もブレーキも…新型ノートe-POWERは「逆転の発想」でできている!

■パワーユニットは新開発のシリーズ式ハイブリッド

新型ノートe-POWERの特徴は、駆動もブレーキも従来のEV車やエンジン車とは異なる発想で構成されていることでしょう。

駆動面では、EV車で最も重要な大容量の駆動用バッテリーをほとんど降ろしてしまいました。そして、リーフの弱点だった航続距離と充電問題(充電時間と充電拠点)を解決するために、エンジンを搭載して発電機として活用し、モーターが100%駆動を行う「シリーズ式ハイブリッド」を開発したのです。

1230

発電に徹するエンジンは、直3の1.2Lで圧縮比を12.0と高く設定したミラーサイクルを採用。街中ドライブでは最も効率が良い2000回転前半で発電しますが、急発進や急加速時には、発電量を稼ぐために結構な回転数まで上がります。

モーターは、発電用と駆動用の2機をエンジンに組み合わせて搭載。駆動用モーターは、リーフと同タイプでパワー109psとトルク25.9kgmを発揮。瞬時に反応するレスポンスと野太いトルクが自慢です。

駆動用のバッテリーは新開発のリチウムイオン式で、プリウスよりも1割程度の多い1.5kWhを確保。フロントシート下部に配置することで、ガソリン車と同等の居住空間を実現しました。

■高張力鋼板を贅沢に使って軽量化と高剛性を両立

ノートのVプラットフォームは、世界のどこでも生産できるように標準鋼板と低グレードの高張力鋼板を利用する設計となっています。

ただ日本向けのノートは、九州工場で生産されているため、590MPaまでの高張力鋼板を採用してきました。今回のe-POWERでは大掛かりなカスタマイズが必要なため、更に高いグレードの高張力鋼板を積極的に導入しています。

1231

プラットフォームでは、フロントシート下部に駆動用バッテリーを搭載するために、床構造を専用設計。2本のクロスメンバーを780MPa級の高張力鋼板で仕立てて、軽量化と高剛性を両立。またボディでも、左右のサイドシルに980MPa級を配置して衝突安全性能を確保しています。

■逆転の発想、ワンペダルドライブ!

また新型ノートe-POWERでは、アクセルOFFで減速操作を行うドライビング機能「ワンペダルドライブ」を新たに開発しました。駆動用モーターは、減速時には電力を回生する発電機として動作します。その際、発電が抵抗となって減速を促し、エンジンブレーキとよく似た回生ブレーキがかかりますが、e-POWERでは減速だけでなく停止まで動作するようにしました。

1232

またノーマル・エコ・スポーツのドライブモードを設定。特にエコとスポーツでは、アクセルOFF時にノーマルの3倍近い回生ブレーキで減速がかかります。そのためアクセルのペダル操作一つで「走り出し〜加速〜巡航〜減速〜停止」まで自在にできるようになったのです。

新型ノートe-POWERでは、エンジンに駆動を任せなかったように、ブレーキでもフットブレーキ無しで止まれる仕組みを採用しました。e-POWERは駆動でもブレーキでも、逆転の発想が発揮されているのです。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第544弾新型ノートe-POWERのすべて (より深く知りたい方はこちらがオススメ)

1213

日産ノートe-POWERの魅力は、リーフを超える走りにあり!!

発売から3週間で2万台超のオーダーを獲得したという日産ノート。こちらでもご紹介したように、「新しい電気自動車」を標榜するシリーズハイブリッドのe-POWERが約8割を占めているそうです。

20161109note-e-power_015

最高値37 .2km/Lの「e-POWER S」はマニュアルヒーターのみでエアコン未装着、タンク容量を標準モデルから5L減らした35Lになっている燃費スペシャルですから、34.0km/Lの「e-POWER X」以上が選択肢になるのではないでしょうか。

34.0km/Lという燃費、100%EV走行のみという走りが支持されての人気ぶりといえるノートe-POWER。

街中から走り出すと、モーター駆動ならではのスムーズかつ出足の鋭さは、バッテリーEVのリーフと通ずるものがあります。グレードよりも異なりますが、リーフよりも約250kg軽いですから、アクセルを乗せてからの初期応答性、さらに踏み込んでいった時の力強さ、レスポンスの良さは予想以上で、初めてだと感動するかもしれません。

20161109note-e-power_022

さらにアクセルを踏み込むと、街中でもエンジンの始動音や振動も思ったよりも抑制されている印象で、この領域になるとほかの風切り音やロードノイズなどが侵入してきますから気になりません。エンジンの始動も瞬時に行われ、従来型ハイブリッドの約半分だといいますから、音・振動面抑制にひと役かっているのでしょう。

20161109note-e-power_024

ハンドリングは前席下に重いバッテリーが搭載されているEVやハイブリッドらしい重心の低さを感じさせます。ドッシリとした安定感があるのを美点と受け取るか、重い(ガソリン仕様のノートよりも180kgほど重い/MEDALIST・2WDの場合)と感じるかは好みで分かれそうですが、2.0Lターボを凌ぐという加速フィールに助けられ軽快な走りを披露します。

20161109note-e-power_046

70kW(90ps)/3008-10000rpm、254Nm(25.9kgf-m)/0-3008rpmというスペックは、リーフと同じ出力ですが、先述したようにリーフよりも大人3〜4人ほども軽いですから当然かもしれません。

20161109note-e-power_036

少し気になるのは、広さが自慢の後席の乗り心地。前席はシートでもそれなりに減衰されていることもあって不満は感じさせませんが、前後席で乗り比べると路面からの振動は後席の方が大きく感じさせます。

こうした課題は残るものの、日産ノートe-POWERは、ポロGTIやルーテシアR.S.TROPHYといったホットハッチ系をのぞけば、Bセグメント随一の快速コンパクトといえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

日産・セレナの25周年限定車には、選べる3つのスペシャルセットと5万円オプション券が付いてくる!

発売から約1カ月で2万784台を受注し、2016年10月の新車(登録車)販売ランキングにおいて1万2408台で3位にランクインした日産セレナ。前年同月比はじつに331.5%増を記録し、新型の登場がどれだけ待望されていたかが伺えます。

161130-02-01-1200x635

11月30日から発売されている「セレナ・25thスペシャルセレクション」は、初代バネット・セレナ誕生から25周年を記念した特別仕様車。

新型セレナには、部分自動運転技術の「プロパイロット」をはじめ、「スマート・ルームミラー」などが設定されています。同限定車には、これらの装備に加えてLEDヘッドランプやアラウンドビューモニターなどを組み合わせた期間限定車(2017年3月末までの販売)。

160824-01-03-source

さらに、同限定車で利用できるディーラーオプション券5万円のプレゼントキャンペーンも同時に実施されています。日産オリジナルナビゲーションなどのオプション購入に使えるほか、「25thスペシャルセレクション」のみで選択可能な3つのスペシャルオプションセットなどにも利用できます。

気になるスペシャルオプションセットは下記の3つ。

●スペシャルセット1:UV&IRカットフィルムとクリーンフィルタープレミアムのセット。通常価格6万7010円が5万円の特別価格。

●スペシャルセット2:ETC2.0本体とリバース連動下向きドアミラー(助手席側)のセット。通常価格6万5996円が5万円の特別価格。

●スペシャルセット3:ミシュランスタッドレスタイヤ(195/65R15)の4本セット。通常価格9万3744円が5万円の特別価格。

セレナ25周年記念車は、ハイウェイスター、Xの2WD/4WDに設定され、さらに、スペシャルセレクションAとスペシャルセレクションBが用意されています。なお「プロパイロット」と「スマート・ルームミラー」はスペシャルセレクションBに設定。

160824-01-04-928x1200

日産セレナ・25thスペシャルセレクションの価格帯は、284万7960円〜346万7880円となっています。

(塚田勝弘)

新型・ノートe-POWERは、ガソリン車と同じ室内空間を実現!

■ブラックパネルやコマンダーで近未来感を演出

新型ノートe-POWERの運転席ドアを開けると、蒲鉾型のステアリングが迎えてくれます。下部がフラットなので、運転席に乗り込みやすいのが良いですネ。

インパネは、センターパネルのピアノブラックが上質感を演習。メーターは、中央に綺麗な白地でクッキリ見易す大型スピードメーターが陣取っています。内側のディスプレイには、瞬間燃費や平均燃費、航続可能距離等が表示されます。

1227

またe-POWERでは、コンソールからシフトノブがなくなりました。かわりにリーフと同じコマンダーが採用されており、操作面でもデジタル感を演出して、近未来感を上手に作り出しています。

ただ左手のすぐ後ろに、お馴染みのブレーキレバーがニョキっと伸びており、少しだけアナログチックが残っていたりします。

■e-POWERは、ガソリン車と同じ室内空間を実現

居住性は、フロントもリアもガソリン車とほとんど変わりません。電動化で新設した駆動バッテリーをフロントシート下部に収納するなどの工夫で、同じ居住空間を維持しているのは立派!

車重も電動パーツや補強材等で約120kg増えていますが、その分静粛性や乗心地、ボディ剛性の改善に活かしています。

1229

荷室もガソリン車と同じ空間容量を確保しています。大きな違いは荷室下部で、底面のボードを上げるとタイヤ補修キットと一緒に、本来エンジンルームにあるはずの補機用の鉛バッテリーも収まっています。

新型ノートe-powerは、新開発の電動システムだからといって、居住性や使い勝手の面で言い訳をすることのない見事な仕上がりとなっています。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第544弾新型ノートe-POWERのすべて (より深く知りたい方はこちらがオススメ)

1212

月会費2000円で急速充電器が使い放題になる、日産リーフ・e-NV200向けサービス

2016年12月1日、日産リーフのオーナー向けのサポートプログラムである「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」(以下、ZESP)の内容が改定され、「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2」(以下、ZESP2)として加入受付を同日より開始すると発表しました。

161201-01-02-1178x1200

ノートe-パワーの登場により、バッテリーEVであるリーフの販売がどうなるのか気になるところで、急速充電サービスである「ZESP2」によってどれだけ販促効果があるか注目が集まります。

というのも、BMWが今秋から大胆な充電サービスを展開しているからで、EVなどのオーナー候補にとっては充電サービスの充実化は、クルマ選びにも程度の差はあれ影響を与えるかもしれないからです。

BMWの場合は、i3をはじめとしたEV、レンジエクステンダー付EVのi3、PHEVのBMW X5 xDrive40eなどを対象に「ChargeNow(チャージナウ)」を2016年10月1日から導入。

専用のChargeNowカードにより、国内最大の充電器ネットワークである「NCSネットワーク」の充電器の利用が可能で、月会費、および充電器利用料(急速および普通)が初年度無料となるだけでなく、普通充電器の利用料は永久無料というもの。

161201-01-01-1200x345

日産の「ZESP」は、日産販売店舗をはじめ、高速道路のSAやコンビニなどに設置されている日本充電サービス(以下NCS)が運営する全国約5600基の急速充電器が定額で使い放題になるなどのプログラムです。

161003-02-02-1200x8731

今回改定される「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム2」は、一部プログラム内容と料金体系を見直すことで、よりお得な価格で、オーナーの利便性を高めたプログラムの提供を実現としています。

改定された「ZESP2」には、以下の2つのプランが用意されています。

1. ZESP2 使いホーダイプラン:月会費2000円(税別)で、日産販売店舗および、高速道路SAやコンビニなどのNCS急速充電器が使い放題となるプラン。

2.ZESP2 つど課金プラン:月会費1,000円(税別)で、使いホーダイプランと同じ充電設備を15円/分の充電料金で使えるプラン。

また、上記の2プラン共通サービスとして、カーナビ内の充電スポット情報更新やオペレータサービスなどが利用できる「ITサポート」、レンタカー利用時に基本料金が最大50%オフとなる「日産レンタカー割引」、出先での車両トラブルを365日24時間体制でサポートする「エマージェンシーサポート」が提供されます。

なお、今回のZESP2より、リーフに加えてe-NV200もプログラムの対象となっています。

me0-150408-01-1200x802さらに、これからリーフかe-NV200を購入し、「ZESP2使いホーダイプラン」に申し込むと、ZESP2の月会費(2000円)が2年無償になるキャンペーンも実施されます。

(塚田勝弘)

日産NV350キャラバンが一部改良。バンの主要グレードに「エマージェンシーブレーキ」を標準装備

日産の「はたらくクルマ」の代表格であるNV350キャラバンが一部改良を受けました。

今回の一部改良では、バンの主要グレード(バン/2WD/ロングボディ/低床/AT車)に「エマージェンシーブレーキ」および「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」が標準装備されています。

161125-02-02-1200x607

「エマージェンシーブレーキ」は、フロントに配置されたセンサーで前方の車両を検知し、衝突の危険性があるとシステムが判断した場合にはメーター内の警告灯とブザーでドライバーに衝突回避操作を促すもの。さらに、万一ドライバーが安全に減速できなかった際には、緊急ブレーキを作動させて、衝突を回避または衝突時の被害や傷害を軽減するシステム。

161125-02-06-1200x607

バン/2WD/ロングボディ/低床/AT車仕様は、2016年1月の仕様向上で「VDC」と「エマージェンシーブレーキ」が一部にパッケージモデルとして設定されていますが、今回の一部改良で標準化されたのがニュースです。

161125-02-03-1200x865

今回(2016年11月25日)の改良では、ワゴン、マイクロバスの全グレードに、VDCを標準装備することで安全性の向上が図られています。さらに、5ATトランスミッション車のシフトレバーのインジケーター部に夜間照明を追加することで、夜間運転時の視認性を向上。

161125-02-09-1200x953

また、NV350キャラバンの一部仕様向上に併せて、オーテックジャパンによるカスタムカーの「ライダー」シリーズ、「ライフケアビークル(LV)」シリーズの一部仕様向上も実施。バンベースのモデルは11月25日から、ワゴン、マイクロバスベースのモデルは30日より発売されます。

NV350キャラバン「ライダー」では、本革巻ステアリングや防水シート地などが用意される「インテリアパッケージ」も設定し、機能性と上質感の両立が図られています。また、ダーククロムのフロントグリルなどを採用し、人気の高いアイテムを標準装備とした「ライダー ブラックライン」も設定されています。

今回の一部改良では、ベース車と同様に「ライダー」シリーズの主要グレードに「エマージェンシーブレーキ」および「VDC」を標準装備。

161125-02-10-source161125-02-08-1200x720

さらに、「ライダー」シリーズ、「ライフケアビークル(LV)」シリーズのうちワゴン、マイクロバスベース車に、シフトレバーのインジケーター部に夜間照明を追加することで、夜間運転時の視認性向上を実現しています。

価格帯はNV350キャラバンのバン仕様が220万7520円〜359万6400円、ワゴンが256万3920円〜336万3120円、マイクロバスが285万6600円〜348万4080円。

ライダーは247万7520円〜378万円、ライフケアビークルのチェアキャブ仕様が355万2000円〜480万8000円。送迎タイプ仕様が281万7720円〜360万720円です。

(塚田勝弘)

充電要らずのEV「日産ノートe‐POWER」、3週間で受注2万台超!

11月2日の発売から3週間で2万台を超える受注を獲得した日産ノート「e‐POWER」。

HVやPHVに対して「e‐POWER」は、EV同様にモーターによる駆動のみで静かに力強く走行し、さらには充電までも不要にしている点が人気の要因になっています。

NISSAN_NOTE_e-POWER

発進時から一気に最大トルクを発生するモーター特有の優れた瞬発力により、EVと同様の加速感が得られるのが特徴。

2.0Lターボエンジン車に匹敵するトルク(25.9kgm)を発生するリーフ用の大容量モーターを搭載しており、高い静粛性と優れた燃費、スムースでリニアな加速を実現。

NISSAN_NOTE_e-POWER

市街地や高速道路での走行時においても、アクセル・レスポンスが良く、俊敏な走りを意のままに楽しめるのが魅力です。

構造的には、トヨタ「プリウス」がエンジンとモーターの駆動力を使い分けて走行する「パラレル式ハイブリッド」なのに対し、ノート「e‐POWER」ではエンジンを発電用に特化、EVのようにモーターで走行する「シリーズ式ハイブリッド」を採用。

この方式は「レンジエクステンダーEV」とも呼ばれるもの。

NISSAN_NOTE_e-POWER

急加速や登坂時などには、駆動用バッテリーからの電力に加え、1.2L直列3気筒「HR12DE改」エンジンで発電した電力を直接モーターに供給、減速時にはエンジンを停止、回生した電力をバッテリーに充電します。

またワンペダル運転を可能にする「e‐POWER Drive」モードでは、アクセルペダルを戻すだけで強く減速。渋滞時やカーブの多い道路など頻繁に加減速が必要なシーンなどでアクセル・ブレーキペダルの踏みかえが少なくて済むのも好評点のひとつ。

駆動にモーターしか使わないためトランスミッションが不要で、システム全体がシンプルになるのに加え、エンジンで発電しながら走るので、蓄電用バッテリーが要らず、バッテリー容量も最小限で済むというメリットがあります。

ノート「e‐POWER」に搭載されているリチウムイオンバッテリーの容量は1.5kW/hで、同社のEV「リーフ」(30kW/h)の僅か20分の1。

高価なリチウムイオンバッテリーの容量を抑えることはコスト低減に直結します。

車両価格は「e‐POWER S」が177.2万円、「e‐POWER X」が196万円、「e‐POWER メダリスト」が224.4万円と比較的リーズナブル。

気になる燃費も37.2km/L(e‐POWER S)と、「プリウス」の通常グレードと同数値となっています。

日産の11月24日の発表によると、グレード別の売れ筋では「e‐POWER X」が全体の47%、「e‐POWER メダリスト」が31%を占めているそう。

NISSAN_NOTE_e-POWER

またボディカラー別ではブリリアントホワイトパール(QAB)が23%、ブリリアントシルバー(K23)が15%、ダークメタルグレー(KAD)が13%、スーパーブラック(KH3)が10%などとなっています。

EVの走りと、ガソリン車の使い勝手を両立するためにシリーズ式ハイブリッドを選んだ日産ノート「e‐POWER」。

EVの魅力を「充電無し」で手軽に味わえる、次世代のエコカーと言えそうです。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

2025年にEV販売100万台で首位狙う!VWが新戦略を発表
http://clicccar.com/2016/11/28/421115/

トヨタが少数精鋭の「社内ベンチャー」でEV開発を加速!
http://clicccar.com/2016/11/24/418416/

トヨタがPHV/FCVに加えて、「EV」開発にも本腰を入れる理由とは?
http://clicccar.com/2016/11/15/416047/

メルセデス・ベンツなどドイツ3強がEV投入を加速!
http://clicccar.com/2016/10/19/409118/

BMWがEV、電動化による新戦略「ナンバーワン・ネクスト」を発表!
http://clicccar.com/2016/03/28/362878/

【関連リンク】

日産ノート「e-POWER」
http://www2.nissan.co.jp/NOTE/index.html

三菱自動車がゴーン会長を筆頭とする新取締役人事を発表!

三菱自動車(以下三菱自)が11月28日、新役員体制を発表しました。

nissan_mitsubishi

それによると、代表取締役会長にカルロス・ゴーン氏、新任の社外取締役候補に日産自動車で副会長を務めた元通産省官僚の伊佐山建志氏、日産自動車専務執行役員の川口均氏、日産自動車 常務執行役員で経理担当の軽部博氏の3名が挙げられています。

これにより三菱自の取締役は、カルロス・ゴーン会長以下、益子修社長、山下光彦取締役、白地浩三取締役、池谷光司取締役の11名体制となる予定。

mitsubishi

また、今回の人事で国内営業担当の服部俊彦氏と生産担当の安藤剛史氏が取締役から退任する予定で、三菱自生え抜きの取締役は不在に。

益子修氏については以前にお伝えしたとおり、ゴーン氏からの強い要請により、一定期間に渡り、取締役社長として当面の経営にあたる予定。

将来的には日産から先行して派遣され、三菱自の立て直しに尽力中の山下光彦氏が同社の取締役社長職に就くものと予想されます。

新役員体制は、12月14日開催予定の臨時株主総会、並びに同総会後の臨時取締役会で正式決定されることになります。

Avanti Yasunori・画像:三菱自動車/日産自動車)

【関連記事】

日産ゴーン社長が三菱自動車の会長を兼任、益子氏は社長留任で何が起きる?
http://clicccar.com/2016/10/19/409698/

三菱自動車が不正防止対策のため組織変更。副社長直轄体制へ
http://clicccar.com/2016/10/03/404281/

元初代プリウス開発者が精査した三菱自動車の開発実態は?
http://clicccar.com/2016/08/04/390331/

三菱自動車、日産との提携を正式に締結!「外の目」で体制立て直しへ
http://clicccar.com/2016/05/31/374144/

日産がいち早く発動した三菱自とのシナジー戦略とは?
http://clicccar.com/2016/05/25/373756/

その購入計画、ちょっと待って!販売絶好調のノートe-POWERを買うなら12月12日以降がオススメ!?

ガソリンエンジンを発電機として利用し、発生した電気によってモーターを駆動させ走行するという新電動パワートレインを採用した、日産ノートe-POWERが11月2日に登場しました。

001

発売開始から約3週間が経過した11月23日の時点で、月間販売台数の2倍となる2万台を突破したそうです。

購入した方のうち約8割がe-POWERを選び、最上級モデルで224万4240円のe-POWERメダリストが約30%を占めているそうで、皆さんイイ買い物していらっしゃいます。

002 003

しかし、日産ノートe-POWERを購入するなら、12月12日まで待ったほうが良いのではないかと思います。それはオーテックジャパンから「モード・プレミア」が発売されるからです。

なぜ、モード・プレミアを待った方がいいと言えるのか。それは一足早く試乗することができたから……

オーテックジャパンは日産自動車のファクトリーブランドで、ライダーやアクシスといったコンプリートカーを製作しています。

今回オーテックジャパンはマイナーチェンジを行ったノートに従来のライダーではなく、モード・プレミアという新しいカスタムカーを提案しています。

013 015

モード・カスタムはエクステリア・インテリアの高級感を高めて、上質な個性を求めるユーザーをターゲットにしています。エクステリアは専用デザイアンのフロントマスクを採用し、要所にメタル調塗装をアクセントとして使用し、スタイリッシュかつ洗練された上質感を表現しています。

008 009

インテリアでは、ウォームトーンのグレージュとシックなブラックのシート地を選ぶことができ、専用の本革シートやシルバーフィニッシャーなど使用する素材にもこだわりハイセンスな空間を演出しています。

006 016

010 011

そして最も重要なのが、ノートe-POWERモード・プレミアを選ぶと8万6400円のメーカーオプション、ツーリングパッケージを装着できてしまうことです。

ツーリングパッケージは伸びやかなパワーフィールをもたらすファインレスポンスVCM、そしてフロントクロスメンバー、フロント&リアサスペンションメンバーステーなどのボディ補強、専用チューニングサスペンションそして専用16インチアルミホイール&タイヤがセットになっています。

004 012

しかもこのツーリングパッケージ、実はノートe-POWERニスモ用に開発されモード・プレミアが先行して装着しているというパーツなのです。

そう、見た目は高級仕様、中身はニスモというのがツーリングパッケージを装着したモード・プレミアの正体なのです。

実際にツーリングパッケージを装着したモード・プレミアを運転してみると、標準車に比べて加速と減速の仕方が大きく変わります。特にSモードにするとアクセルのレスポンスに対してリニアに反応し、鋭い加速を見せます。

018 019

そしてモード・プレミアの注目のポイントは、専用サス+タイヤ、そしてボディ補強による操縦安定性です。今回はクローズドコースのみでしたが、設定されたスラロームコースでもステアリングを切ってからのクルマの動きは素早く、しかも姿勢の乱れが非常に少ないです。

乗り心地をスポイルすることなく加速時などに発生する前後方向の揺れや、コーナリング時の左右方向の揺れを極力抑えているので、運転していても安心感が高いですし、ロングドライブなどでは大きなメリットとなるでしょう。

ノートe-POWER Xベースのモード・プレミアにオプションのツーリングパッケージを装着した車両本体価格は229万3920円。ノートe-POWERメダリストとの差は約5万円ありますが、後々後悔したくないなら、決めるのはモード・プレミアを試乗してからでも遅くはないと思います。

(文・萩原文博、写真・小林和久)

【関連記事】

日産ノートe-POWER ニスモの概要判明!中身はアレと共通だった!!
http://clicccar.com/2016/11/16/417486/

マイナーチェンジを受けた日産ノートが発売後約3週間で2万台超!! 「e-POWER」の販売比率は?
http://clicccar.com/2016/11/24/420223/

日産エクストレイルにLEDヘッドライトやオートバックドアを備えた特別仕様車

日産の本格SUV「エクストレイル」は、状況に応じて前後駆動力配分をリニアに変化させる「ALL MODE 4×4-i」 に、「ヨーモーメントコントロール」などのシャシー制御技術を組み合わせたパフォーマンスが特徴的なモデル。

さらに、エマージェンシーブレーキ、インテリジェントパーキングアシスト付のアラウンドビューモニターといった先進安全装備も充実しているのも特徴です。

161124-01-06-1200x765

そのエクストレイルに、特別仕様車「20Xtt」が登場しました。

ガソリン車20X“エマージェンシーブレーキパッケージ”をベースに、視認性を高める「LEDヘッドランプ」、「フォグランプ」、手をかざすだけで開く「リモコンオートバックドア」、新デザインを採用した「専用18インチアルミホイール&タイヤ」を特別装備しています。

さらに、アラウンドビューモニター(MOD[移動物検知]機能付き)、インテリジェントパーキングアシスト、BSW(後側方車両検知警報)等の先進安全装備や、ナビゲーションやオーディオをコントロール可能なステアリングスイッチと連携することで、使い勝手を向上させた「Nissan Connectナビゲーションシステム」を標準装備しつつ、お買い得な価格設定としているのも注目です。

2列シート、3列シート仕様が用意され、それぞれに2WDと4WDを設定。メーカー希望小売価格は282万8520円〜310万7160円となっています。なお、ナビゲーションレス仕様も選択可能です。

●日産エクストレイル20Xtt “エマージェンシーブレーキ パッケージ” 2列 4WD
全長:4640mm
全幅:1820mm
全高:1715mm
ホイールベース:2705mm
車両重量:1510kg
乗車定員:5名
エンジン形式:直列4気筒ガソリン直噴
総排気量:1997cc
最高出力:108kW(147PS)/6000rpm
最大トルク:207Nm(21.1kg-m)/4400rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:16.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/60R18
メーカー希望小売価格(税込):3,034,800円

(山本晋也)

日産エクストレイルに、LEDヘッドランプやフォグランプなど装備を充実させた「20Xtt」を設定

日産の人気SUVエクストレイルは、登録車の販売ランキングで10位〜15位に前後に位置し、ここ半年では月販3000台〜4000台前後という推移になっています。

161124-01-01-1162x1200

少しずつ販売台数が落ちている状況ですから、3月の年度末に向けてもテコ入れが欲しいところで、11月24日に特別仕様車にエクストレイル20Xttが追加されました。

「20Xtt」は、ガソリン車の「20X エマージェンシーブレーキパッケージ」がベース。

夜間や悪天候時の視認性を高める「LEDヘッドランプ」、「フォグランプ」をはじめ、手をかざすだけで開く「リモコンオートバックドア」、ダイナミックな新意匠が印象的な「専用18インチアルミホイール&タイヤ」が用意されています。

161124-01-06-1200x765161124-01-07-1200x765

さらに、アラウンドビューモニター(MOD/移動物検知機能付き)、インテリジェントパーキングアシスト、BSW(後側方車両検知警報)といった先進安全装備や、ナビゲーションやオーディオをコントロールできるステアリングスイッチと連携することで使い勝手を向上させた、「Nissan Connectナビゲーションシステム」を設定(ナビレス仕様も用意)しています。

161124-01-04-1200x765161124-01-05-source

エクストレイル20Xttの価格は、2WDの2列仕様が282万8520円、2WDの3列仕様が290万880円。4WDの2列仕様が303万4800円、4WDの3列仕様が310万7160円です。

(塚田勝弘)

マイナーチェンジを受けた日産ノートが発売後約3週間で2万台超!! 「e-POWER」の販売比率は?

11月2日に発売された日産ノートの発売約3週間の受注台数が発表されました(11月23日時点)。台数は2万台超となる2万348台で、今回追加されたシリーズハイブリッドの新電動パワートレーンの「e-POWER」が高い評価を得ているそうで、好調なスタートを切ったといえるでしょう。

20161109note-e-power_021

ノート e-POWERは、ガソリンエンジンで発電し、100%モーターで駆動するシリーズハイブリッドで、電動車両らしいスムーズな発進や加速フィールが魅力。

走行に必要な電力はエンジンで発電するため、外部電力からの充電なしで走行可能で、ガソリンスタンドがあればOK。ピュアEVのように電池切れを気にせずに走行できます。

20161109note-e-power_026

また、複数の走行モードを用意し、とくに「e-POWER Drive」は、慣れればアクセルペダルの踏み戻しだけで加速から減速までコントロールできます。

20161109note-e-power_04320161109note-e-power_054

ディーラーを訪れ、試乗を通じて「e-POWER」の魅力を感じてオーダーするケース方が多いとのことで、新型ノートの受注台数のうち、約8割が「e-POWER」をチョイスしているそう。

20161109note-e-power_006

グレード別受注構成で見ると、「e-POWER X」が47%でトップ。続いて上級グレードの「e-POWER MEDALIST」が約30%を占めています。3番目は1.2L直列3気筒を積むガソリンエンジン仕様の「X」で12%。

20161109note-e-power_039

オプションでは、アラウンドビューモニターや踏み間違い衝突防止アシスト、スマートルームミラーなどの先進安全装備セットの装着が約70%となっています。

ボディカラーは、「QAB (ブリリアントホワイトパール)」が23%、「K23 (ブリリアントシルバー)」が15%、「KAD (ダークメタルグレー)」が13%、KH3 (スーパーブラック)が10%と続いています。なお、写真の「HAJ ギャラクシーゴールド」は3%となっています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

新型ノートのVモーショングリルは、e-POWERのための国内限定デザイン!

■国内限定の大掛かりなフェイスリフト

ビックチェンジした新型ノートですが、目玉メカのe-POWERの搭載は、当面国内販売に限定されるとのこと。また。せっかく大掛かりなフェイスリフトも行ったのに、こちらのデザインも国内向けとのこと。生産の都合もあると思いますが、実質的にはe-POWERのためにフェイスリフトを行ったようなものなのです。

1223

従来のフロントマスクは、横方向のラウンド感をテーマにしていましたが、新型では、Vモーショングリルとフェンダーからショルダーに流れる縦基調のデザインを採用しました。リアデザインも、従来はリアゲートを中心に円を描くまとまったイメージでしたが、新型では逆に外へ外へと張り出していく勢いを重視しています。

■見せ場は、ダイナミックなVモーショングリル

新しいデザインの見せ場は、やはりフロントのVモーショングリルでしょう。Vモーションがグリル内にとどまらず、ボンネットからAピラーにかけて、ダイナミックに造形されているのですネ。

あまりの変貌振りに、バンパーやヘッドライトだけでなくボンネットも新設計かと思いきや、ボンネットはそのまま流用しているとのこと。

1224

Vモーショングリルは、ヘッドライト上部にあるライン状のポジションライトとも連続しており、フロントマスクを一層シャープに引き締めています。新型ノートのダイナミックな変貌振りに、e-powerにかけるデザイン陣の気合いと熱意を垣間見た気がしました。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第544弾新型ノートe-POWERのすべて (より深く知りたい方はこちらがオススメ)

1211

燃料はガソリンなのに100%電動!新型ノートe-POWERはエネルギッシュなデザインとスマートな走りを両立!

■ビックチェンジで、エネルギッシュなデザインとスマートな走りを両立

新型ノートのビックチェンジに参画した谷内RPM(リージョナルプロダクトマネジャー)は、「ノートは日産の最量販車ながら、エネルギッシュなデザインとスマートな走りが不足している」と指摘。特に走りの面では、アクアやフィットのハイブリッドに対抗するパワーユニットを持ち合わせていませんでした。

1219

そこで日産は、電気自動車リーフで培ったEV技術をフルに活用して、新しい電動システム「e-POWER」を開発。新型ノートにおいて「エネルギッシュなデザインとスマートな走り」を両立するべく、フェイスリフトとe-POWER搭載のビックチェンジを実施したのです。

e-POWERはライバルと全く異なり、エンジンは発電に徹してモーターだけで駆動する「シリーズ式ハイブリッド」を採用しています。

開発の狙いは、リーフの良さである「100%電動」をいかに活かし、弱点の「航続距離」をいかに克服するかがポイント。また今後、市場拡大が確実な電動車の力強い走りの魅力を、出来るだけ早く多くの人に知って欲しいという思いもありました。

■e-POWERは、リーフの電動技術をフルに活用

e-POWERは、リーフのモーターユニットを中核にして構成されています。ただやはりエンジンとバッテリーのバランスが非常に難しく、どちらかが偏ると、駆動モーターがフルに性能を発揮できないというから悩ましいところ。苦心の結果、開発陣は公道のいかなる走行状況でも80kwの駆動モーターの性能を発揮するために、58kwの発電用エンジンと55kw程度の駆動用バッテリーを組み合わせるというベストアンサーを導きだしたのです。

1220

また新システムだからといって、激戦区のコンパクトカー市場において、居住性や使い勝手が犠牲になることは許されません。そこで、パッケージングにも工夫を重ねています。

例えば駆動バッテリーはフロントシート下部に、また補機用の鉛バッテリーはリア荷室下部に配置するなどして、エンジン車と同等の室内空間を確保しています。

■ワンペダルドライブで、新しい走りを提案

さらに日産は新型ノートe-POWERで、新しいドライビングを提案しています。それは「走り出す〜走る〜減速する〜停まる」の一連の動作を、ブレーキを使わずアクセルだけで実現する「ワンペダルドライブ」です。

1222

e-POWERでは、一般的なノーマルモードとECO、そしてスポーツのSと、3つの走行モードが選択できます。中でもECOとSは、アクセルOFFでの電力回生を高めており、ノーマルモードの約3倍の回生ブレーキを効かせながら、減速から停止まで行います。つまりドライバーはアクセル操作だけで減速度合いを調整できる訳で、まさしく文字どおり「ワンペダルドライブ」を実現しているのです。

モーターを主役にすると、ドライビングでも新たな差別化がはかれるのですネ。e-POWERを開発した日産も見事なら、こんなにも多様なハイブリッドシステムをリーズナブルな価格で提供する日本の自動車メーカーも、本当に素晴らしいと思います!

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第544弾新型ノートe-POWERのすべて (より深く知りたい方はこちらがオススメ)

1210

日産自動車がエンジン生産工程で重要な加工技術のライセンスを工作機械メーカーに供与

日産自動車は、自動車エンジンの生産工程で使用するホーニング加工技術のライセンスを工作機械メーカーのエンシュウに供与すると発表しました。

53f2acb90a83eefffa8c1cb3233a950aeef9366f

エンシュウは今回の日産からのライセンス供与を受けて、ボーリング加工とホーニング加工の工程を集約するホーニング機能付きマシニングセンタ(自動工具交換機能を備え、ボーリング加工、フライス加工などの異なる加工を行うことができる数値制御工作機械)を市販する予定です。

yougo_honing

ホーニング加工とは、自動車エンジンの重要な構成要素であるシリンダーブロックの内径を研磨する技術。一般にホーニング加工は、回転軸の周囲に円筒状に配置された砥石を研磨対象の円筒内面に押し付けることで、シリンダーブロックの内径を研磨します。

従来のシリンダーブロックの内径加工では、シリンダーブロックの荒加工を行うボーリング加工用のマシニングセンタと、仕上げ加工にあたる研磨用のホーニング加工機の2種類の工作機械が必要でした。

日産とエンシュウが共同開発したマシニングセンタは、1台のマシニングセンタのみでシリンダブロックの内径を荒加工と仕上げ加工を一連の工程で加工することが可能となりました。

これにより、日産のライセンスを利用したマシニングセンタでは、仕上げ精度の向上、異なる内径エンジンの混流生産、設備移設の簡便化、投資額の削減という効果が得られるとしています。

日産は、自社が保有する技術・ノウハウの利用を促進することで技術発展に寄与するとともに、ライセンス供与で得られる収入を新たな技術開発に投資して自社の技術開発を高めていきたい、と今回のライセンス供与に対する姿勢を説明しています。

通常、自動車メーカーは自社開発技術のライセンス、特に今回のようなエンジン生産の重要工程に関するライセンスを他社に供与することは稀なことで、業界では今回の日産のライセンス供与が話題になっています。

(山内 博・画像:日産自動車、東大阪市技術交流プラザ)

日産のEVが80万円に!? 2018年までに中国販売を目指す

ルノー・日産アライアンスのカルロス・ゴーンCEOが、リスボン(ポルトガル)で行われたウェブサミットや、ニューヨーク・タイムズ紙主催のカンファレンスなどで、中国市場に約80万円(補助金除く)で購入できるEVを2年以内に導入する予定であることを発表しました。

nissan

中国では昨年、約2,400万台の新車が販売され、都心部などで渋滞等に伴う大気汚染が深刻化しており、政府はEV1台当たり200万円を超える補助金を付けるなどして、普及を急いでいます。

この10年間で中国が世界最大のEV市場になるとの予想も有り、ゴーンCEOは将来、EVが自動車産業の中で大きなウエイトを占めるようになると予想している模様。

他方、中国と共に新車市場で大きなシェアを占める米国では、ガソリン安から日本が得意とするエコカーの販売が苦戦しており、大型ピックアップトラックが新車販売の大勢を占めている状況。

年初からの米国における電動車(EV、PHV)販売台数は約10万台程度で、同社としてはEV販売の活路を中国に見出したいところ。

既にダイムラーやVWが中国におけるEV販売の拡大方針を明らかにしていることや、「リーフ」の販売が安価な現地製EVに押され気味なことから、ゴーンCEOとしてもリーズナブルなEVの投入で、中国における販売を早期に拡大したいとの思いが透けて見えるようです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

トヨタがPHV/FCVに加えて、「EV」開発にも本腰を入れる理由とは?
http://clicccar.com/2016/11/15/416047/

メルセデス・ベンツなどドイツ3強がEV投入を加速!
http://clicccar.com/2016/10/19/409118/

BMWが米・テスラへの対抗で全モデルにEVを設定?
http://clicccar.com/2016/10/17/408715/

ルノーのキュートなEV「ZOE」、航続距離が400kmに伸長
http://clicccar.com/2016/10/16/408352/

フォルクスワーゲンが2020年に「MEB」搭載の新型EVを投入!
http://clicccar.com/2016/10/08/404829/

アクアを抜いてクラス燃費1位。新型ノートe-POWERは100%モーター駆動が魅力!

■ビックチェンジで100%モーター駆動のe-POWERを追加

日産の国内販売で屋台骨を支えるノートが、ビックチェンジを実施しました。今回は、大幅なフェイスリフトでイメージを一新するだけでなく、目玉として新開発した100%モーター駆動のe-POWERを投入。ハイブリッド優位のコンパクトカー市場へ最新システムで勝負をかけてきたのです。

1215

新型ノートのフロントデザインは、グリルのVモーションを強調した最新の日産トレンド。バンパーとヘッドライトのデザインを一新した精悍なマスクが、ボディサイドの個性的な造形とマッチして、エネルギッシュなイメージを強調しています。

新型ノートは、直列3気筒1.2Lガソリンエンジンをベースにして3種類を用意。NA仕様とスーパーチャージャー仕様は従来どおりCVTと組合せて搭載。そして新開発のe-POWERでは、エンジンは発電だけを担当してモーターが全ての駆動を担うシリーズ式ハイブリッドを採用しました。

■e-powerのモーターによる力強く新しい走り

新型ノートe-POWERの走りは、100%モーター駆動ならではの特性を活かしています。アクセルONの出力では、エンジン駆動ではできない卓越したレスポンスと加速を実現。またアクセルOFFの電力回生では、減速だけでなく停止まで行う新たな走行モードを備えています。

1217

ちなみにバッテリー容量が少ない状態でアクセルを踏み込むと、発電のためにエンジンもグワーっと回ります。まるでエンジンが、普通に駆動力を発揮しているようで、何やら可笑しかったりします。

実用面では燃料がガソリンなので、航続距離はエンジン駆動車と遜色ありません。カタログ燃費でも、37.2km/lを達成。これはハイブリッド・ベストセラーことアクアの37.0km/lを抜いてクラストップを奪取! 日産の新型ノートe-POWERにかける意気込みが、ビシバシ伝わってくるようです。

■新型ノートe-POWERは、ライバル他車とガチンコ勝負!

新型ノートの価格帯は約139.3万〜224.4万円で、中でもe-POWERは上位の約177.2万〜224.4万円に設定されています。コンパクトカー市場では、アクアやフィットとガチンコ勝負になります。新型ノートe-POWERは、他社対抗はもちろん新型ノート全体でも販売を牽引する商品力を有していると思います。

1218

e-POWERのグレードは3種類で、ベースグレードのSは、エアコンレスでオプション制限もある燃費スペシャル仕様。実用的には中位グレードのXが、エアコンはもちろんオプション制限もなく、200万の大台を切った戦略価格でオススメです。またトップグレードの「メダリスト」では、本革巻きステアリングや高級生地のシート、15インチアルミなどを装備して、高級感を演出しています。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第544弾新型ノートe-POWERのすべて (より深く知りたい方はこちらがオススメ)

1209

日産ノートe-POWERは、電気自動車嫌いを治す特効薬になるか?

日産リーフをはじめ電気自動車(以下EV)のシームレスな加速と高い静粛性に魅了される人は多いです。しかし実際にEV購入に踏み切れない理由として、“高・短・長”という3つのワードが挙げられます。

001

“高”は、EVがガソリン車やハイブリッド車に比べて高価格であること。“短”は満充電時の走行距離が短いこと。そして“長”は充電時間が長いことです。

そんなEVが敬遠される3つのワードを打ち破るクルマが登場しました。それが日産ノートe-POWERです。

013 014

日産ノートe-POWERはリーフのような純粋なEVではありません。リーフは充電システムを備えていて、電気を燃料として走行します。しかしノートe-POWERは充電システムがありませんし、使用する燃料はガソリンです。すなわちガソリンを燃料にして発電しモーターで走行する、充電する必要のないEVというのがノートe-POWERの特徴を最もわかりやすく表しています。

ノートe-POWERが走行するための駆動力は、リーフ譲りのモーターで発生します。そしてモーターを動かすエネルギーとなる電気は搭載する1.2Lガソリンエンジンで発電します。つまり、充電システムを搭載しないノートe-POWERは、ガソリンエンジンで電気を発生させてモーターを動かす、シリーズハイブリッド車なのです。

003 010

一般的なハイブリッド車というとエンジンとモーターを搭載し、エンジンの弱点であるスタート時や加速する際など大きな負荷が掛かるときにモーターがサポートするというエンジンがメインで、モーターがサブという関係性です。しかしノートe-POWERは駆動するモーターがメインで、発電機であるエンジンはサブという全く逆の関係となっています。

012 011

これによりノートe-POWERの走りは、リーフ譲りの高い静粛性とアクセルを踏むと瞬時に加速するリニア感、そしてスムーズな加速を実現しているのです。エンジンはスタート時や加速する際に掛かりますが、インパネ内の表示を見ていてもスタート時以外はほとんどわかりません。特に走行時はロードノイズが気になる程度でエンジン音や振動は感じられません。

そしてノートe-POWERのもう一つの特徴が、アクセルペダルだけで可減速が御可能なe-POWER Driveです。SモードやECOモードにしてアクセルを戻すと、強い減速力が発生しブレーキに踏み替えることなく、クルマを停止させることができます。

002 009

最初はこの減速力にとまどうシーンもありましたが、慣れてくると信号待ちなどの停止線にピタッと停めることができるようになり楽しくなります。このアクセルペダルだけで、可減速ができるのも駆動力がモーターだからこそできる技です。

004 005

気になる燃費ですが、JC08モード燃費でノートe-POWER Sが37.2km/L。そしてe-POWER X、メダリストが34.0km/Lです。燃料タンクはSが35L、Xとメダリストが41Lですから、モーターで走行するノートe-POWERは、ガソリン車やハイブリッド車と変わらない走行距離を実現しています。

006 008

価格は177万2280円〜224万4240円とかなりリーズナブルです。しかも今回のノートe-POWERの発電用エンジンは1.2Lですが、バッテリーの大きさと発電用のエンジンを変更することで、ほかの車種にも搭載できるという話です。EVをリードする日産が提案するこのe-POWERがEVの食わず嫌いを治す特効薬になるのは間違いないでしょう。

(萩原文博)

アメリカ向け「セントラ NISMO」を初公開【ロサンゼルスオートショー16】

米国向けの主力モデルであるセントラをNISMOバージョンに仕立てた「セントラ NISMO」がロサンゼルスオートショーで初公開されました。

161116-01-02-1200x801

ベース車から大幅な改良を受けたエクステリアに加えて、機能性を重視したインテリアデザインを採用。足まわりもNISMO専用のサスペンションチューニングが施されるなど、スポーティな内・外装、走りを期待するファンの声に応える仕様になっています。

外観はスポーツグレードである「セントラ SR」や「セントラ SRターボ」を超える迫力に満ちています。さらに、空力デザインでは、空力抵抗値(Cd値)を犠牲にすることなくダウンフォースを増大させることでゼロリフトを追求。

The 2017 Sentra NISMO is the latest in a long line of compact Nissan performance sedans going back nearly 50 years to the Datsun 510 and the original Sentra SE-R. The new, first-ever Sentra NISMO is also the first mainstream U.S. Nissan model to offer motorsports-inspired NISMO factory-tuned performance. It joins the GT-R NISMO, 370Z NISMO, JUKE NISMO and JUKE NISMO RS in the 2017 Nissan lineup.

従来モデルと同様のCd値0.29を維持しながら、揚力を30%低減させているそうですが、ニスモ専用のリヤスポイラーだけでなく、デザインを刷新したリヤバンパーも揚力低減に大きく貢献しているとのこと。

Nissan Sentra NISMO 2017 debuta en el Auto Show de Los ÁngelesNissan Sentra NISMO 2017 debuta en el Auto Show de Los Ángeles

デザインや機能面では、ニスモの特徴である「レイヤード・ダブル・ウィング」デザインを前後とサイドのボディパネルに採用することで、ひと目でニスモ仕様であることが分かります。また、パネル下部の赤いラインも目を惹くアクセントになっています。

Nissan Sentra NISMO 2017 debuta en el Auto Show de Los Ángeles フロントには、標準となるLEDデイタイムランニングライト、専用ダーククローム仕上げの「Vモーショングリル」、専用エンブレムを装備。

2017 Nissan Sentra NISMO

そのほか、専用のサイドシル、リヤデザイン、スポイラー、エキゾーストフィニッシャー、ダーククローム仕上げのドアハンドル、トランクフィニッシャー、リヤエンブレム、専用レッドライン入りウインカー搭載のサイドミラーキャップなど、ニスモならではの特徴が散りばめられています。

2017 Nissan Sentra NISMO

足まわりは、米国向けらしくオールシーズン対応タイヤ「215/45R18パイロットスポーツ」を装着。ニスモの10本スポークアルミニウム合金ホイールが組み合わされています。

Nissan Sentra NISMO 2017 debuta en el Auto Show de Los Ángeles

インテリアもニスモらしいスペシャルな仕様になっています。サイドの強度を高めNISMOのロゴをあしらったフロントシートをはじめ、後席にもレッドステッチ入りの専用シート素材が採用されています。

2017 Nissan Sentra NISMO

インパネには、専用の本革・アルカンターラ巻ステアリング、リング型エンジンスタートボタン、赤い文字盤のタコメーターを特徴とする専用メータークラスター、本革シフトレバー、専用刺繍を施したカーペットなど、スポーティ感を強調する赤のアクセントを用意。

Nissan Sentra NISMO 2017 debuta en el Auto Show de Los Ángeles

エンジンは「セントラSR」の2017年モデルに初搭載された新型1.6Lの直噴ターボガソリンエンジンで、最高出力188ps/5600rpm、最大トルク177 lb-ft/1600-5200rpmを発揮。

アルミニウム合金製となるDOHC16バルブ直列4気筒エンジンは、圧縮比10.5:1、連続可変バルブタイミング制御システム(CVTCS)を採用し、シリンダーボアには溶射皮膜のミラーコーティングが施されています。可変圧縮オイルポンプと低圧縮EGRシステムの採用により、排ガスの低温化とノッキングを改善しているのもポイントです。

足まわりは、フロントが専用チューンの施されたストラット式インディペントフロントサスペンションで、リヤがトーションビーム式でモノチューブリヤダンパーと専用チューンのフロントスプリングおよびストラットを採用。

2017 Nissan Sentra NISMO

軽量型モノチューブ式ダンパーは、オイルとガスを切り離したチャンバーや高圧ガスチャージにより、ダンパーのストローク量や速度変化に対して素早いレスポンスを可能にするもので、ダンパーレスポンスを向上させることで、ステアリングやロードコンディションの変化により素早く対応することが可能となっています。

残念ながら日本に導入されていないセントラですが、米国でもニスモブランドのラインナップ強化が図られていて、「NISSAN GT-R NISMO」、「370Z NISMO」、「JUKE NISMO」、「JUKE NISMO RS」とともに「セントラNISMO」が同ブランドのプレゼンスを高める役割が期待されます。

(塚田勝弘)

ノート「e-POWER」がハイブリッドと名乗らなかったワケは?

いま、ワタクシはパソコンの前でこの原稿を一字一句進めています。キーボードのキーを打つたびに画面上には文字が綴られ、逆に「delete」キーを押すごとに文字は消えていく。さらにコピー&ペーストも使えば、好きな位置に文章を瞬間移動させられます。非常に便利ですが、この操作の裏側、つまり仕組みについて考えたことはありません。

思うに、クルマについても同じことが言えるのではないでしょうか?

多くの人にとってクルマとは、アクセルを踏めば前進、ブレーキを踏めば減速、そしてハンドルを傾けた方に移動するモノであり、エンジンが生みだしたパワーがトランスミッションやドライブシャフトを介してタイヤに伝わったことで動き出すという仕組みについては二の次のはず。

だからこそ、ひょっとしたら知らない方もいるかもしれません。日産が販売するコンパクトカー「ノート」に加わった「ノートe-POWER」が、エコカーとして人気の “ハイブリッド”とはひと味違う仕組みで動いているということを。

%e5%8d%98%e5%93%81%e8%a9%a6%e4%b9%97

そもそも、現在人気のハイブリッドカーのほとんどは、あくまでエンジンが主役でモーターは脇役。ガソリン消費量を抑えるためにエンジンを小型化する一方で、発進時などエンジンが心許ない場面でモーターがアシストすることで、動力性能と燃費性能を両立させています。

「ノートe-POWER」もエンジン(79ps/10.5kgm)とモーター(109ps/25.9kgm)の両方を搭載する点は共通。ですが、エンジンは駆動用モーターを動かすために必要な電力を賄う発電機であり、モーターがタイヤを動かしている点が決定的に異なります。その結果、加速の滑らかさや走行時の静粛性などは向上し、電気自動車(EV)に近い感覚に仕上がっています。

%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%aa%e3%83%bc

すでに日産は「リーフ」と「e-NV200」など電気自動車を次世代エコカーとして普及させようとしていますが、当初から充電インフラと航続距離がネックとなることを予想しており、その解決策のひとつとしてこの「e-POWER」の開発は行なわれたと言います。

実際、「ノートe-POWER」は、充電の必要は無く、ガソリンを給油するだけとお手軽。電気自動車の魅力はそのままに弱点を克服していることから、慣れ親しまれている“ハイブリッド”というバッジではなく、一歩先を行くエコカーというニュアンスを込めて「e-POWER」と冠したと思われます。

ハイブリッドや電気自動車さらには燃料電池車など、新たなパワートレーンが登場するたびに指摘されるのが居住空間や荷室など実用性の低下でしょう。

%e4%bd%bf%e3%81%84%e5%8b%9d%e6%89%8b

「ノートe-POWER」の場合、ガソリンエンジン車とほぼ同じボディサイズ(全長:4100mm×全幅:1695mm×全高:1520mm)にエンジン/モーター/バッテリーを収めるために、プラットフォームの構造がガソリンエンジン車と異なる専用品を採用し、ガソリンエンジン車と同等の空間を確保しています。その上で、インテリアには電気自動車「リーフ」と共通のギヤセレクターを採用し、先進性を強調。

「ノートe-POWER」は、使えば使うほど後戻りできない先進性が随所に宿った一台に仕上がっています。

(今 総一郎)

【関連リンク】

より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

%e8%a1%a8%e7%b4%99

ひと目惚れならぬひと踏み惚れ(!?)してしてまう、日産 ノートe-POWERの加速とは?

日産が販売するコンパクトカー「ノート」に、新パワートレーン『e-POWER』が追加されました。

161102-02-02-1200x900

エンジンとモーターを組み合わせる点から一般的なハイブリッドを想像しますが、すでに販売されている競合車「トヨタ・アクア」「ホンダ・フィット」とは異なり、1.2L直列3気筒エンジン(79ps/10.5kgm)はモーター(109ps/25.9kgm)を動かすための電力を賄うためだけに搭載されています。

燃費は最良値で37.2km/Lと、「アクア」を打ち破ったことも話題です。

161102-02-09-1200x799

100%モーター駆動と聞くと同社の電気自動車「リーフ」をイメージしますが、「ノートe-POWER」は電気自動車に不可欠な充電の手間が不要です。普通のクルマと同じくガソリンスタンドで給油するだけとお手軽です。

「ノートe-POWER」の真骨頂は、その走行フィール。これまでのハイブリッドカーは発進時などエンジンに負担が掛かるような場面をモーターでアシストが行なわれ、スルスルと滑らかに動き出す感覚に未来感を感じさせられました。

しかし、「ノートe-POWER」では、わずかにアクセルを踏むだけで瞬時にトルクを発揮するという特性をもつモーターがあらゆる速度域での駆動を担うため、発進時の滑らかさは留まるところを知らず、バッテリー残量が十分なら発電用エンジンが掛からないため音も静かなのです。

00 03

キィイイインと高周波な音が微かに響く中、小柄なボディがみるみる速度を上げていく加速は一度体感したらクセになること間違いなし。実際に「ノートe-POWER」の加速を体感した方のうち、約96%がひと踏みで惚れるような爽快なフィーリングに魅了されたそうです。

(今 総一郎)

日産ノート モード・プレミアは、オーテックジャパンによるワンランク上の内外装を装備

新しくなった日産ノートには、オーテックジャパンの手による内・外装の質感向上がメニューの「モード・プレミア」もラインナップに加えられています。こちらは、12月12日から発売が開始されます。

161102-01-39-1200x800

外観は、専用デザインのフロントマスクやアルミホイールなどをはじめ、随所にメタル調塗装が施されています。

内装は、ウォームトーンのグレージュ、シックなブラックのシート地から選択が可能で、専用本革巻ステアリング、シルバーフィニッシュなどとのコーディネイトによりスタイリッシュな仕上がりになっています。

161102-01-36-1200x8001

さらに、「モード・プレミア」の「e-POWER」仕様には、「ファインレスポンスVCM(Vehicle Control Module)」を採用した「ツーリングパッケージ」をオプション設定。電動パワートレーンの走行性能を制御するVCMを専用チューニングすることで、加速時の反応向上、追従走行時のパンチ力を高めるもので、日産リーフのカスタムモデルでもおなじみの装備です。

ほかにも、16インチタイヤやサスペンション、パワステの特性などもチューニングされていて、ロングツーリングでも安定した走りが可能となっています。

「モード・プレミア」の価格帯は169万200円から220万7520円です。

161102-01-41-1200x800

なお、オーテックジャパンからは、福祉車両の「助手席回転シート」、「助手席スライドアップシート」もベース車同様の一部改良が施されて新たにリリースされています。

こちらの価格は「助手席回転シート」が158万2200円〜205万6320円、「助手席スライドアップシート」が181万〜211万7000円です。

(塚田勝弘)

日産・スカイラインに本革シート、BOSEサウンドシステムを採用した60周年記念車を設定

1957年4月24日に誕生した日産スカイライン。2017年4月に60周年を迎えることを記念して、2016年11月7日に特別仕様車の「60th Limited」を発売。同時に一部仕様向上も受けています。

161107-02-01-source

13代目となる現行モデルは、「ダイレクトアダプティブステアリング」や「全方位運転支援システム」など歴代のスカイラインと同様に、その時点での最新装備が搭載されています。

今回発売された「60th Limited」は、「350GT HYBRID Type SP」、「350GT FOUR HYBRID Type SP」、「200GT-t Type SP」がベース。

注目は、従来よりも柔らかな本革にセミアニリン加工が施された高級本革シートを全席に採用している点で、フロントシートにはホールド性の高いスポーツシートが採用されています。また、内装のトリムに木目の風合いをそのまま活かす塗装仕上げを用いたオープンポアウッドを採用し高級感を演出。

161107-02-02-1200x776

なお、「60th Limited」は2017年9月末日受注分までの期間限定販売で、価格は3.5L V6エンジン+モーターの「350GT HYBRID Type SP 60th Limited」が581万400円、「350GT FOUR HYBRID Type SP 60th Limited」が609万1200円。2.0Lターボの「200GT-t Type SP 60th Limited」が496万3680円です。

161107-02-04-1200x707

161107-02-05-1200x707

また、カタログモデルも一部仕様向上を受けています。国産車初となる「BOSE Performance Seriesサウンドシステム」がオプション設定されています。左右のリヤドアに新規でツイーターを設定して16スピーカー構成となっているのが特徴。

さらに、フロントドアのツイーターを刷新するともに、スピーカーグリルをより薄く、洗練されたデザインに変更、さらに音響特性がよいメタル素材を採用し、上質で豊かな音響空間を実現したとしています。

ボディカラーは、過去のスカイラインで採用したヘリテージカラーを受け継いだ特別な車体色である「オーロラフレアブルーパール(2P)」を採用。こちらは、スカイラインGT-R Vスペック R34(1999年)のボディカラー「ベイサイドブルー」がベースです。同色の設定により合計9色(ガーネットブラックパールはメテオフレークブラック2コートパールに変更)が用意されることになります。

(塚田勝弘)

メルセデス・ベンツ初のピックアップ「X-クラス」はこんなクルマ!

米国をはじめ、世界的にSUVや中型ピックアップモデルの人気が高まるなか、ダイムラーがメルセデス・ベンツ初のピックアップトラック「X-Class」を示唆するコンセプトモデルをワールドプレミアしました。

Mercedes-Benz_X-Class

同社がストックホルム市立美術館で公開したのは「パワフル アドベンチャー」と「スタイリッシュ エクスプローラー」の2モデル。

「パワフル アドベンチャー」は、アウトドア派向けのヘビーデューティなクロスカントリータイプ、一方の「スタイリッシュ エクスプローラー」は都会派向けに仕立てられています。

Mercedes-Benz_X-Class

ダイムラーによると、2017年後半に発売するとしており、コンセプトモデルとしながらも、インテリアの質感など、市販車を思わせる仕上がりとなっています。

サイドビューからは日産の海外向けモデル「NP300 NAVARA(ナヴァラ)」の面影が感じられますが、それもそのはず、このモデルはダイムラーとルノー・日産アライアンスとの提携により誕生したもの。

NISSAN_Navara

プラットフォームなど、多くのパーツを「NP300 NAVARA」と共用しているようです。

NISSAN_Navara

しかし、そこはメルセデス・ベンツ。車両の前後意匠は近年のデザイントレンドを取り入れたものとなっています。

Mercedes-Benz_X-Class

AWD仕様で、2.3L直4ターボエンジン(190ps)をはじめ、トップグレードモデルにはV6エンジン(260ps)が搭載される模様。

ダイムラーによると、同モデルは日産のスペイン・バルセロナ工場で生産するそうで、欧州、豪州、中南米、南アなどが主要市場とのこと。

Mercedes-Benz_X-Class

日本に導入されるかどうかは現時点で不明ですが、スタイリッシュなピックアップモデルだけに、SUV系のファンにとっても、気になる存在ではないでしょうか。

価格は日産NP300 NAVARAの海外向け価格から推測して、恐らく300万円台後半から400万円台クラスが中心になるものと思われます。

限定販売などを含めた今後のメルセデス・ベンツ日本の動向が注目されます。

Avanti Yasunori・画像:DAIMLER/NISSAN UK)

【関連記事】

メルセデス・ベンツなどドイツ3強がEV投入を加速!【パリモーターショー16】
http://clicccar.com/2016/10/19/409118/

乗ってみてわかった新型メルセデス・ベンツ「Eクラス」の凄さとは?【動画】
http://clicccar.com/2016/09/04/397222/

M/B Eクラスの「ドライブパイロット」は車線が無くてもステアリング・アシスト可能!
http://clicccar.com/2016/08/25/394859/

後方からはモデルの判別ができない? これぞメルセデス・マジック!
http://clicccar.com/2016/07/29/389267/

メルセデス・ベンツ日本が「クルマを置かないショールーム」を開設!
http://clicccar.com/2016/07/17/386803/

日産ノート「e-POWER」はブリヂストンのエコタイヤ「ECOPIA」を装着

日産のシリーズハイブリッドであるノート「e-POWER」の新車装着タイヤとして、ブリヂストンの「ECOPIA(エコピア)」が選定されました。

161102-01-29-1200x822

今回装着される「ECOPIA EP150」は、ブリヂストンの材料技術である「ナノプロ・テック」が適用されたゴムを採用することなどにより、安全性能や操縦性能を維持しながら低燃費タイヤらしく、転がり抵抗の低減を追求したタイヤです。

2016110401さらに、日産ノートe-POWERの特徴である高い低燃費性能に加えて、操縦安定性能や快適な乗り心地の実現にも貢献。同車向けのタイヤサイズは185/70R14 88S、185/65R15 88Hとなっています。

161102-01-30-1200x8202
ブリヂストンの「ECOPIA」ブランドは、安全性能や操縦性能、乗り心地性能などタイヤに求められる諸性能を高次元で維持しながら、転がり抵抗の低減を追求したタイヤという位置づけです。

現在では様々な車種に向けた商品ラインアップをとなっていて、高い評価を獲得。同社では今後も「ECOPIA」の展開、新車装着の拡大を積極的に推進していくとしています。

(塚田勝弘)

「e-POWER」以外も大幅に進化。日産ノートのプレミアムコンパクトらしい装備に注目

ガソリンエンジンで発電、モーター駆動のみで走る日産ノート「e-POWER」に注目が集まっています。

161024-01-03-1200x799

今回は、「e-POWER」以外のポイントについてご紹介します。

外観はVモーショングリルとシャープなヘッドランプが印象的で、リヤバンパーやリヤコンビネーションランプなどを変更することで、ワイド感が強調されています。

トップグレードとなったノート「e-POWER」は、VモーショングリルにBlueのライン、バックドアなどに専用エンブレムが配されています。また、ボディカラーは「プレミアムコロナオレンジ・パールメタリック」など全13色を設定(5色を新色)として設定。

161102-03-01-1200x822

インテリアでは、ステアリングリムの下側をフラットにしたD型3本スポークを全車に採用しているほか、「e-POWER」に専用メーター、高い質感を誇る専用インテリアを用意。上級グレードの「MEDALIST」には、フル合皮シートが際立つ「プレミアムホワイトインテリア」をオプション設定しています。

161102-01-23-1200x5671161102-01-24-source

走りでは、「e-POWER」の静粛性向上を図るべく、入念な遮音対策が施されています。中でも最上級の「e-POWER MEDALIST」は、ボディ側面の静粛性をさらにアップさせるなど、コンパクトプレミアムモデルにふさわしい念の入りよう。

161102-01-05-1200x519

そのほかの装備では「インテリジェントアラウンドビューモニター」表示機能付のスマートルームミラーに注目。また安全面では、「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「LDW(車線逸脱警報)」、踏み間違い衝突防止アシスト、LEDヘッドランプを設定。

なお、「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「LDW(車線逸脱警報)」は「e-POWER S」をのぞいて全車標準装備になっています。日産ノートの価格帯は、139万3200円〜224万4240円です。

(塚田勝弘)

意外や意外!新型GT-Rが箱根ターンパイクの下りで発揮したハンドリング性能とは!?【等身大インプレ】

■箱根ターンパイクの急な上り坂で、アクセルが踏めない!?

東名高速での高速巡行を終え、いよいよ有名スポットのMAZDA箱根ターンパイクにやってきました。新型GT-Rの走りを、MTモードを駆使して体感してみましょう。

料金所を抜け、最初の見通しの良い上りの直線でアクセルを踏み込みました。すると新型GT-Rは非常に強いGで加速するのですが、何しろ2速でアクセルを踏み込んだ直後に法定速度に達してしまうのですネ。さらに3速と4速でも加速が強烈で、急な上り坂なのに次のコーナーが一気に眼前に迫ってくるような勢いでした。

20184

新型GT-Rが素晴らしいのは、暴力的な加速Gなのに乗心地が滑らかなこと。レスポンスとパワーの特性がリニアで、パワーコントロールがとてもしやすいこと。そしてあり余るパワーのおかげで、サイドウインドウの景色が急角度で傾いているのに、全くドライブ中は全く上り坂に感じないこと、でした!

■箱根ターンパイクの急な下り坂も、下りに感じない!?

箱根ターンパイクの下り坂といえば、クルマを突っ込んで止めるための「緊急避難所」があります。箱根ターンパイクがどれだけ長く急なワインディングであるかは、「頭文字D」でR32GT-Rのブレーキがフェードしたエピソードでもお馴染みですよネ。

0200

そんなフロントヘビーなイメージを思い浮かべながら、新型GT-Rで下りのワインディングに入っていくと、意外や意外、全く異なる印象が待っていました。

コーナーの手前で強めにブレーキをかけると、クルマ全体がググッと沈み混むように減速。そしてステアリングを切ると、ドライバーを中心軸にしてクルマが旋回していきます。この挙動は、前後の重量バランスにこだわったFRのBMWやマツダロードスターに近い感覚なのですネ! まさか重量級ハイパワーマシンのGT-Rが、同様の挙動を示すとは夢にも思っていませんでした。

20187

R35GT-Rでは、R32からR34GT-Rが抱えていたフロントヘビーの悪癖を消すために、エンジンとミッションを前後に分離した「PMパッケージ」を採用しました。これにより重量バランスを改善した訳ですが、まさにその素性を、箱根ターンパイクの過酷な下りで体験することができたのです。ひょっとすると、過酷な環境だからこそ、その素性が顕著に現れたのかもしれません。

さらに、強靭なボディと逞しい足回り、そして野太いタイヤが、下りのワインディングでしなやかに踏んばり、安定したままコーナーを駆け抜けていくのですから本当に素晴らしい。新型GT-Rの基本的な素性は、実はPMパッケージを基盤とした「爽快なハンドリングマシン」だったのです!

20189

しかも自分自身、新型GT-Rをドライブしていて、事故を起こす気がしませんでした。というのも、自分が体で覚えている公道での体感限界よりも、新型GT-Rの性能の方が比較にならないほど高いのですネ。だから万一誤って体感限界を超える領域に入ってしまっても、クルマが逞しくカバーくれるという不思議な信頼を感じていました。

新型GT-Rを運転して、あらためて非日常の超性能が安全に資すると実感できたように思います。

■でも1000万円のクルマですから、何かと気疲れしちゃいました!

ところで新型GT-Rは、車両価格1000万円のクルマですから、事故はもちろん傷でもつけたら大変です。ただとにかく目立つし、出ているんですよネ、強烈なオーラが! コンビニやファミレスの駐車場に停めるだけでも、イタズラが心配で冷や冷やものでした。

0230

また追い越しや割り込みでは、前後のクルマが何度も道を譲ってくれました。いつもどおり流れに合わせて運転していても、相手方が率先して道を開けてくれるのですネ。新型GT-Rは、フロントマスクが精悍さと迫力を増したから尚更なのでしょう。

ちなみに今回の費用ですが、割引期間中の24時間レンタル代で約4万円。気になる燃費は、434km走って約7.2km/lでした。これだけ走りを楽しませて貰って、この費用と燃費なら大満足です!

20239

「箱根の山は天下の険」と言いますが、峻険な箱根の山をもろともしない新型GT-R。極低速での柔軟性や圧倒的な加速力、そして重量級なのにハンドリングマシンという超性能の素晴らしさを、あらためて実感した次第です。

絶え間ない進化と熟成の勝利だ!凄すぎるゾ、技術の日産!

【関連記事】ビックリ仰天!新型GT-Rの低回転域での柔軟性とワープのような加速感が凄い【等身大インプレ】

(「第540弾新型GT-Rのすべて」の関連記事もどうぞ@星崎俊浩

「e-POWER」が投入された新型ノートは、フィット・アクアを追い越せるか?

待望の新型セレナは好調なスタートを切っており、100%モーター駆動で走る「e-POWER」を追加して一部改良を受けたノートにより、国内市場での存在感をさらに増したい日産自動車。

161102-01-35-1200x5491

同社によると、日本国内のコンパクトカー市場ではトヨタ・アクアが31%でトップを独走し、フィットが18%、ノートが15%と続いています。また、日産の予想では同マーケットのガソリン車のシェアは徐々に縮小し、ハイブリッド車が伸張するとしています。

Image converted using ifftoany

aqua1511_02_s

ハイブリッド車のシェアを拡大するには、燃費などのランニングだけでなく、イニシャル面でのコスト削減が必須。ノートがフィットを抜いて、アクアにどれだけ迫れるかは「e-POWER」の販売成績が大きなウェイトを占めるのは間違いありません。

161102-01-08-1200x900

コンパクトカーで最も気になる価格は、ノートの「e-POWER」が177万2280円〜224万4240円。JC08モード燃費は、177万2280円の「e-POWER S」が37.2km/L、34.0km/Lの「e-POWER X」が195万9120円、「e-POWER MEDALIST」が224万4240円。

4150917-fit_006h

ノートがすぐにでも追い越したいフィット・ハイブリッドのカタログ燃費は、FFが31.4km/L〜36.4km/L。4WDが27.6km/L〜29.0km/Lとなっています。

価格は、169万円(FF)/188万4400円(4WD)〜205万9000円(FF)/222万1000円(4WD)で、広い後席や折りたたみ式後席など独自のシートアレンジのほか、4WDも設定する点がフィットの強みといえるでしょう。

aqua1511_02_s

いまやプリウスと並ぶ国民車となったアクアはハイブリッド専用車。噂では4WDの設定も来年あたりにあるのでは? とされていますが、2016年11月時点ではFFのみです。JC08モード燃費は、33.8km/Lの「X-URBAN」をのぞいて全車37.0km/L。

価格帯が176万1382円〜243万1963円と幅広いのは、「X-URBAN」や「G’s」仕様など多彩なバリエーションを設定しているため。

161102-03-01-1200x822

このように、日産ノートのカタログ燃費が僅かとはいえトップに躍り出たことで、国産コンパクトカー市場が大きく変化する起爆剤となりそうです。価格設定もフィットはもちろん、アクアを強く意識したものになっています。

161102-02-01-1200x799

あとは、モーター駆動ならではの力強さ、発電用に使われるエンジンの静粛性などがどれだけ確保されているかといったハイブリッドの快適性能と、デザインや広さ、使い勝手、安全装備などクルマとしての総合力が試されます。

(塚田勝弘)

新技術「e-POWER」を手にして生まれ変わった、新型・日産ノート

日産のコンパクトカー「ノート」が生まれ変わりました!

従来から定評ある1.2リッターエンジンを高効率なミラーサイクルとして発電専用に利用。同社の電気自動車「リーフ」譲りの電動モーターによってフロントタイヤを駆動する、シリーズハイブリッドのパワートレインが新搭載されたのです。

161102-01-29-1200x822

新しいパワートレインには「e-POWER」という名前が与えられました。2.0リッター級のエンジンを積む2モーターハイブリッド車にはエンジンで発電、モーターで駆動するというモードを持つタイプもありますが、コンパクトカーのハイブリッドシステムとして電動モーターだけで駆動するシリーズハイブリッドを採用したのは量産車としては世界初。

254Nmというモーターならではの大トルクや、駆動系の雑味を排したことで、クラスを超えた走り味を実現しているといいます。

161102-01-30-1200x820

そんな新型ノートですが、「e-POWER」搭載車はあくまでも追加設定。従来通り、2種類のガソリンエンジン(1.2リッターNA、1.2リッタースーパーチャージャー)もラインナップしています。

なお、「e-POWER」の登場に合わせて新世代の日産フェイスへとマイナーチェンジをしており、「Vモーショングリル」や「ブーメランシグネチャー」といったデザインランゲージがアピールしています。

さらにe-POWER専用色のプレミアムコロナオレンジなど5つの新色を加え、全13色のカラフルなボディ色設定となっているのも見逃せません。また、Dシェイプのステアリングホイールが全車に与えられるなど、インテリアも一新されています。

メーカー希望小売価格は、ガソリンエンジン車(2WD)が139万3200円〜198万5040円、ガソリンエンジンの4WD車が171万1800円〜192万9960円、そして新ラインナップのe-POWER(2WDのみ)が177万2280円〜224万4240円となっています。

先進装備として、カメラの映像をルームミラーに映し出す「スマート・ルームミラー」をオプション設定。インテリジェントエマージェンシーブレーキや車線逸脱警報、LEDヘッドランプといった安全装備も充実しています。

161102-01-05-1200x519

●日産ノート e-POWER X 主要スペック
車両型式:DAA-HE12
全長:4100mm
全幅:1695mm
全高:1520mm
ホイールベース:2600mm
車両重量:1210kg
乗車定員:5名
パワートレイン:HR12DE-EM57
エンジン形式:直列3気筒DOHCミラーサイクル
総排気量:1198cc
最高出力:58kW(79PS)/5400rpm
最大トルク:103Nm(10.5kg-m)/3600-5200rpm
モーター形式:交流同期電動機
モーター定格出力:70kW(95PS)
モーター最高出力:80kW(109PS)/3008-10000rpm
モーター最大トルク:254Nm(25.9kg-m)/]0-3008rpm
燃料消費率:34.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:185/70R14 88S
メーカー希望小売価格(税込):1,959,120円

(山本晋也)

ビックリ仰天!新型GT-Rの低回転域での柔軟性とワープのような加速感が凄い【等身大インプレ】

■東京近郊で、最新型GT-Rのレンタカーを見つけた!

筆者は、サーキットや峠の「走り屋」ではなく、クルマの素性や個性を味わいながらドライブをエンジョイする「ドライブ派」です。カーライフでも、日常は家族を乗せて安全運転を、また山坂道ではクルマと対話するような爽快な走りを心がけてきました。

そこで、そんな自分なりのカーライフの視点から、レンタカー等でじっくり試乗した”等身大インプレ”をお届けしたいと思います。

20182

今回は、東京近郊で見つけた「新型GT-R」のレンタカー! まだ2000kmしか走行していないバリバリの新車を24時間借りて、首都高〜東名高速〜箱根ターンパイク〜箱根スカイライン等のコースで、総走行距離434kmを走ってきました。

■ビックリ仰天、新型GT-Rの極低回転域での柔軟性

ドアを開けて運転席に乗り込むと、高級感がアップしたインパネが迎えてくれます。1000万円超のスーパーカーながら乗用車ベースなので、視界は前後左右とも良好。窮屈な姿勢を強いられることも、視界を遮る構造物もありません。

全幅が広いのがちょっと心配でしたが、運転席からは常時ボンネットが見えるため、車幅が気にならず運転しやすいですネ。何よりどんなに速度域でもクルマが思った通りに動いてくれるので、ドライビングでボディサイズに不安を感じるシーンはありませんでした。

0233

街中を走り出すと、新型GT-RのATモードは、積極的にシフトアップしていくエコ優先設定であることがわかります。どのギアでも1000〜1500回転の間で粘って走る様子は、まるでディーゼルエンジンのよう。大排気量3800ccの強味を引き出していると思います。

新型GT-Rは、570psを捻り出すモンスターマシンとは思えないほど、極低回転域でもとてつもない柔軟性を備えているのです。

0220

唯一残念なのは、ATモードでは低回転域に留まりすぎるため、室内にエンジン音がこもりぎみになるところ。でもパドルシフトでシフトダウンすると、パワーがクルマ全体に行き渡り、音も挙動も乗り心地も活き活きして別物に変身したようでした。

とはいえ、本当に高いギアでもよく粘り、6速2000回転強で100km/hが出ますから、ちょっと回しただけでも速度が出すぎてしまうので注意が必要です。

■いよいよ高速道路に突入、まるで”ワープ”のような加速感!

次は首都高に入りましたが、混雑していたので流れに乗って走りました。首都高名物のワインディングでは、重量級のボディに関わらず良く曲がってくれます。4WDのトルクメーターを見るとほとんど後輪駆動のままでしたから、FRとして非常に素性が良いことが伺えます。

足回りは固めで、道路の継ぎ目や荒れた路面を結構拾い、わだちではハンドルが取られる印象。そこでサスをコンフォートモードに切り替えたところ、固さにしなやかさが加わりドイツ車風の乗り味になりました。

20179R

首都高ではアクセルを踏めず終いだったので、東名高速の料金所から加速を体感すべくアクセルを踏み込むことに。すると次の瞬間「おいおいおい〜っ」と絶叫している自分がいました。

何しろ、今までクルマの運転で体験したことないスタートダッシュが炸裂! アクセルを踏み込んだのはほんの数秒なのに、強烈かつ滑らかな加速を発揮して、まるで一瞬で前方のクルマまで”ワープ”したようでした。

正直ビビッて、すぐに右足をブレーキペダルに移しましたヨ。街中での柔軟性に驚いた後に、今度は570psの超性能の片鱗を見せつけられた次第です。

0195R

ただこの光景を目撃した白バイが静かに追跡してきたので、東名高速では流れに合わせつつ、たまに前車を「プチワープ」で追い越して、快適なクルージングを楽しみました。

箱根ターンパイク編に続きます。

(「第540弾新型GT-Rのすべて」の関連記事もどうぞ@星崎俊浩

誰でも履きこなせるように誂えられた「ビンテージスニーカー」のような2台のコンパクト

オーテックジャパンが、創立30周年を記念して30台限定で販売したマーチボレロA30。

価格は356万4000円で 、高い走行性能を実現するため、エンジンをはじめとして足回り、ブレーキをチューニング。高級感を演出するため、インテリアまで手を加えられたコンプリートカーです。

001

コンパクトカーのマーチが支払総額約400万円というのにはビックリするかもしれませんが、同価格帯のコンパクトカーが他にもありました。

それは「アバルト595コンペティオーネ」です。5速MT車が353万1600円、ATモード付きの5速シーケンシャルミッションが369万3600円。

価格だけでなく、ボディサイズなどもライバルといえそうな、マーチボレロA30とアバルト595コンペティオーネを比較してみました。

002 003
009 008

まずボディサイズです。マーチボレロA30は全長3865mm×全幅1810mm×全高1510mmでホイールベースは2450mmとなっています。対してアバルト595は全長3655mm×全幅1625mm×全高1500mm、ホイールベースは2300mmです。

5ドア車であり、リアの居住性は圧倒的にマーチボレロA30が優勢ですが、全幅1810mmというのは、若干取り回しに気を遣うのは間違いありません。その点、アバルト595コンペティオーネは室内空間の広さは一歩譲りますが、取り回しという点ではリードしています。

続いてインテリアです。マーチボレロA30はフロントシートにレカロ社製のバケットシートを装備しています。そしてハンドルもシルバーステッチをあしらった専用の革巻きステアリングを採用しています。

対してアバルト595コンペティオーネは、フロントシートにサベルト製のスポーツシートを採用。アルカンターラとレザーのコンビシートがスポーティさを際立たせますし、リクライニングを調整するダイヤルにもアバルトのサソリのエンブレムが彫られています。

010 005
012 004

装着されるタイヤサイズはマーチボレロA30が205/45ZR16に対して、アバルト595コンペティオーネは205/40ZR17と1インチ上回り、ホイールの中には赤いブレンボ社製のブレーキキャリパーが収まっています。サスペンションはマーチボレロA30がカヤバ製、アバルト595コンペティオーネはKONI製です。

011 006

搭載されるエンジンは、マーチボレロA30は高回転仕様にチューニングを施された1.6L直列4気筒DOHCエンジン。最高出力は110kW(150ps)を7000回転で発生し、最大トルクは160N・mを4800回転で発生します。組み合わされるミッションは5速MTのみ。

一方のアバルト595コンペティオーネは、1.4L直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載。最高出力は132kW(180ps)を5500回転で、最大トルクは230N・mを2000回転で発生します。組み合われるミッションは5MTと5速セミATの2種類となります。

両車ともに使用燃料はハイオクです。

車格も価格もコンセプトも似ているマーチボレロA30とアバルト595コンペティオーネですが、乗り味は全く異なります。

アバルト595コンペティオーネはサーキット走行を見据えて徹底的に締め上げたサスペンションのセッティング。路面からの衝撃はダイレクトにドライバーに伝わりますし、バンピーな路面では跳ねることもあります。

一方のマーチボレロA30はサーキットではなく、普段の街乗りで楽しめる走行性能を目指しており、アンジュレーションやバンピーな路面でも衝撃を吸収して、上質な乗り味を実現しています。

013 007

マーチボレロA30とアバルト595コンペティオーネ、2台の乗り味は異なるものの、誰でも運転する楽しさを味わえるという点では非常に似ています。

コンパクトカーは日常のアシとしてカジュアルで機能的なスニーカーに例えられますが、今回紹介した2台のコンパクトカーは、価格は高いけれども誰もが履きこなせるように誂えられたビンテージのスニーカーのようでした。

(萩原文博)

【関連記事】

マーチ ボレロA30の楽しい乗り味に、プリンスのDNAを感じた
http://clicccar.com/2016/10/25/410298/

マーチ ボレロA30の楽しい乗り味に、プリンスのDNAを感じた

オーテックジャパンは、エルグランドやセレナのライダーやマーチボレロなどのメーカー純正のカスタムカーを手がける日産の特装車メーカー。1986年に設立され、今年で30周年を迎えました。

001

創立30周年記念してリリースされた「マーチボレロA30」は、限定30台、356万4000円で発売。即完売となりました。

今回、この限定30台というレアなモデルに試乗できることができました。

002 003

これまでオーテックジャパンは技術継承を目的として、創立10周年にA10、創立25周年にはA25や、マーチをベースにエンジンをミッドシップに搭載したMID-11というクルマを課外活動にて製作しました。

しかし、これらのクルマは販売を目的としたものではなく、あくまでも社内活動の一環による“まかないクルマ”でした。

aog_20121110_01_hi aog_20121110_05_hi

こうしたクルマたちは年に一度大磯プリンスホテルで開催され、全国のオーテック車ユーザーが終結するオーテックジャパン主催のAOG(オーテック・オーナーズ・グループ)湘南里帰りミーティングでなどで展示され、ユーザーからは販売を望む声が多く聞かれました。

そこで、今回の30周年記念車は販売を前提としてプロジェクトが発足。アンケートを行った結果ベース車はマーチに決まったのです。

ノーマルのマーチ・ボレロは158万6520円、最高グレードのNISMO Sでも184万2480円のマーチ。A30の356万4000円という価格に驚くかもしれませんが、細部に至るまで徹底的に手が加えられています。

搭載する1.6L直列4気筒DOHCエンジンのHR16DEは、ノーマル比+1000回転の7000回転まで最高出力が発生するように高回転化が図られています。

専用のカムや強化バルブスプリング、バランスを向上したクランクシャフトなどを使用。コンロッドやピストンは重さの誤差がわずか0.1gという精密さを誇ります。そして職人の手によるシリンダーヘッドのポート研磨を施したうえ、一基ずつ手組されています。

004 006

パワーアップしたエンジンを十二分に楽しめるよう、約90mmワイドトレッド化されたボディは、リアフロアのフラット化&メンバーの追加をはじめとして5点の剛性強化パーツを追加することでボディ剛性を向上。

足まわりには、専用のサスペンション、サイズアップしたスタビライザーを装着。さらにエンケイと共同開発した専用の16インチ鍛造アルミホイールには、30周年記念車の刻印が施されています。専用ホイールに組み合わされる205/45R16インチのタイヤは、優れたハンドリングとロングドライブの直進安定性を両立させたミシュランパイロットスポーツ3チョイス。

そのほかにもブレーキの大径化や、VDCのリセッティングなど、ここでは書ききれないほどのチューニングが施されています。

005 011

筆者はマーチボレロA30のプロトタイプを追浜のグランドライブで試乗していますが、完成車の大きく張り出したブリースターフェンダーから、ただならぬポテンシャルを期待させます。

ドライバーの体をしっかりとホールドしてくれるレカロシートに腰掛け、触り心地のより革巻きステアリングを握ると、ワクワク度が一気に上昇します。

008 009

今回の試乗は、アンジュレーションや段差のある一般道で行いました。乗ってまず感じるのが、乗り心地の良さ。ボディ剛性の向上やストリートでの使用を重視したサスペンションシステムによって抜群の乗り心地を実現しています。

試乗コースの西湘バイパスは、路面のつなぎ目などがありバンピーなうえ、路面もガタガタで乗り心地が悪い部分があります。しかし、マーチボレロA30はそんな路面状況でも路面からの入力をいなしてくれ、非常にフラットな乗り味となっています。

007 010

そしてエンジンですが、「本当に気持ちイイ!」の一言につきます。アクセルを踏んでいくと、高回転までパワーの落ち込む部分がなく、気持ち良くレッドゾーンまで回ります。ただ、エンジンの回りが気持ち良すぎるため、ミッションがもう一段欲しくなるシーンもありました……。

最近では国産車でも最高出力600psというハイパワーなクルマもありますが、このマーチボレロA30の150psはドライバーが楽しく使い切るベストなパワーだと思います。誰が乗っても扱えるようにボディやサスペンションがセッティングされており「思わずにやけてしまう走行性能」に偽りはありませんでした。

012

2016年は日産とプリンスが合併して50周年を迎えます。航空機系の企業だったプリンスはスカイラインなどがモータースポーツシーンで活躍した自動車メーカーでした。そして今年創立30周年を迎えるオーテックジャパンの初代社長はプリンス出身でスカイラインの父を呼ばれた櫻井眞一郎さんです。

30台の限定車であるマーチボレロA30には、メイドイン茅ヶ崎の職人の誇りと高い技術力というプリンスのDNAが息づいているのを感じました。

(萩原文博)

日産ブランドの新しい情報発信拠点「NISSAN CROSSING」を動画でチェック!

東京の一等地である銀座。その四丁目交差点に新たな複合商業施設「銀座プレイス」が9月24日に開業しました。

160923-01-01-1200x800

地上11階、地下2階で構成され、銀座の新たなランドマークとしての存在感を表現したという白亜の塔ですが、その1階と2階では日産ブランドの発信を目的とした「NISSAN CROSSING」が展開されています。

同所では、1963年8月から「日産ギャラリー」が親しまれていたのですが、ビルの建て替えに伴い2014年より一時休館しており、この度、大幅なリニューアルを受けての再スタートとなります。

「NISSAN CROSSING」の狙いは、“ワクワクする未来のドライビング体験”の提供とのこと。

ビル正面の入口をくぐった先には最先端の自動運転技術搭載車や電気自動車など日産ブランドのクルマが数多く展示されているほか、2階では日産の歴史やモータースポーツでの活躍を紹介。

03

さらに、360度バーチャルリアリティコンテンツを通して、あたかも運転しているかのように「GT-R」が参戦するモータースポーツを体感できたり、ミニカーやオリジナルグッズの販売店やカフェも併設されており、ちょっと立ち寄るだけでも十分楽しめるコンテンツが盛り沢山。

また、通常の販売店と異なり、クルマの購入を考えていなくても気兼ねなく立ち寄れるのも嬉しいポイントでしょう。

0204

この「NISSAN CROSSING」の設営の舞台裏や用意されているコンテンツ、そして来場者の興奮の声をまとめた動画も公開中。ぜひ、チェックしてみてください。

[NISSAN CROSSING]

住所:東京都中央区銀座五丁目8番1号
営業時間: 10:00〜20:00
電話番号:03-3573-0523
休館日:不定期

(今 総一郎)

日産リーフの世界累計販売20万台を記念した特別仕様車「thanks edition」が発売

2016年10月3日、日産リーフの特別仕様車「thanks edition」が発売されました。

2009年12月に日米で発売されたピュアEVのリーフが世界累計20万台に到達したことを記念する特別仕様車。

161003-02-02-1200x8732015年12月に追加された30kWh駆動用リチウムイオンバッテリーを搭載したモデルは、一充電走行距離280km(JC08モード)を実現するなど、度重なる価格改定などを経ながら着実に進化されています。

今回発売された「thanks edition」は、2015年12月のマイナーチェンジで追加された30kWh駆動用バッテリー搭載モデルの「X」、「X エアロスタイル」、「G」、「G エアロスタイル」がベース。

特別装備の内容は、「X」、「X エアロスタイル」がLEDヘッドランプ(ロービーム、オートレベライザー付き)、オートライトシステム(フロントワイパー連動、薄暮れ感知 おもいやりライト機能付き)、17インチアルミホイール(エアロスタイルはベース車に標準装備)。

161003-02-01-1200x873

「G」と「G エアロスタイル」には、本革シート(エアロスタイルはモダンホワイトレザーシート)ヒーター付ドアミラー、アラウンドビューモニター(トップビュー/サイドブラインド/フロントビュー/バックビュー)、「BOSE Energy Efficient Series 7スピーカー」を用意。

161003-02-04-1200x892161003-02-05-1200x945

また、新たに3色のボディカラーが追加され、全12色となったカラーバリエーションは「thanks edition」に加えて、カタログモデルを含めたすべてのグレード(福祉車両「ライフケアビークル」(LV:Life Care Vehicles)も含む)で選択できます。

161003-02-03-1200x873

日産リーフ「thanks edition」の価格帯は、372万3840円〜456万4080円。なお同車は、CEV補助金(クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金)を受給対象で、24kWhバッテリー搭載モデルは補助金が26万4000円、30kWhバッテリー搭載モデルは補助金が33万円となります。

(塚田勝弘)

新型GT-Rで熟成したメカと製造精度とは!?

■熟成の極み、PMパッケージとV6・3.8Lツインターボ

R35GT-Rが採用したプレミアムミッドシップパッケージ(PMパッケージ)は、2007年の登場当時から変わらず、新型GT-Rも踏襲しています。

おさらいするとPMパッケージは、エンジンはフロントに搭載したまま、ミッションを車両後方に配置したトランスアクスル方式の4WDシステムです。重量物のミッションがリアに移ったことによって、R32〜34GT-R時代の悪癖だったフロントヘビーが一気に解決しました。

2196

エンジンは3.8LのV6ツインターボで、標準車では発売当初の480psから2015年モデルの550ps、そして新型では、気筒別点火時期制御といった制御系の熟成で、20psアップの570psを達成しました。

ミッションは、2ペダル式の6速DCT。フライホイールダンパーの特性変更等によって、駆動系ノイズと変速ショックを低減し、静粛性や快適性を向上しました。

また4WDは、有り余るパワーを確実に路面に伝え、いかなる速度域や路面状況でも安定した走りを実現しています。

■ボディはバランス向上に加え、製造精度も進化

新型GT-Rでは、堅牢なボディ剛性のバランス向上にも注力。特にねじり剛性の前後バランスを改善するために、フロントウィンドウまわりを補強し、乗心地や操縦安定性を改善しました。

また、超高速の300km/h走行時には、ボンネットが130kgの揚力で変形して空力を悪化させていたことが判明。そこで新型では、ボンネットの剛性を33%高めて、揚力による変形を抑えています。

これらのきめ細かいメカニズムの熟成によって、新型GT-Rは高級スーパースポーツカーとしての完成度を大幅に向上させたのです。

2197

ちなみにR35GT-Rは、フーガやスカイライン、フェアレディZ等のFRベースのFMパッケージ車を担当する栃木工場で製造されています。他の市販車に比べて、高度な製造技術を要するにも関わらず、混成ラインを活用して製造されていることでも知られています。

中でもR35GT-Rは、全ボディを対象にした「全数加振テスト」を生産開始以来継続しており、今では検査失格で廃棄されるボディはほぼなくなったとのこと。R35GT-Rの車両性能UPとともに、栃木工場の製造精度も進化していることが伺えます。

■第540弾 新型GT-Rのすべて (電子版はこちら

2184

(星崎 俊浩)

日産セレナが「2016年度グッドデザイン賞」を受賞した理由とは?

自動運転技術「プロパイロット」や「ハンズフリーオートスライドドア」、「デュアルバックドア」など装備面が話題の新型セレナ。発売から約1カ月で2万台強を受注し、待望の新型モデルにふさわしいスタートダッシュを切っています。

160824-01-01-1186x1200

装備以外にも、グローバルで展開されている新世代の日産デザイン言語が適用され、歴代からのセレナらしさを継承しつつも次世代ミニバンとしての新しさが表現されているほか、2トーンカラーを含めた13色のボディカラーなど見どころ満載。

そのセレナが「2016年度グッドデザイン賞」を受賞しました。

今回の「2016年度グッドデザイン賞」の受賞は、

「5ナンバーサイズ(一部グレードは3ナンバー枠)ながら、広大な室内空間を実現することに注力している。サイドのシュプールラインをより強調するとともに、クラス初の2トーンカラーを採用し、一目でセレナとわかる個性を実現した」

160930-01-01-1200x486

「前方視界やインテリアの質感も大幅に改善。死角を減らすピラーのスリム化や、狭い場所でも分割して開閉ができるデュアルバックドアの採用など実用面にも配慮が行き届いている。先進運転支援技術であるプロパイロットをいち早く採用」

という点が高く評価されたそうです。

160824-01-10-1200x900160824-01-32-1200x597

セレナに限らず、5ナンバー枠でしかも空間効率を極限まで高めようとすると、箱型になるのは必然で、衝突安全や空力性能などの面からもデザイン性を高めるのは難しいはず。

モデルライフを通してヴォクシー/ノア/エスクァイア、ステップワゴンとの競争をどう勝ち抜いていくのか、デザインの力も試されています。

(塚田勝弘)

スマートの日産版が出る!? ルノー・日産とダイムラーの協力関係を両社のトップがアピール【パリモーターショー16】

2016年9月30日、パリモーターショーにおいて開かれた記者会見において、7年目を迎えたルノー・日産とダイムラーのパートナーシップ関係が順調に発展していることを発表しました。

Daimler und Renault-Nissan Pressegespräch 2016, Paris

記者会見に臨んだのは、ルノー日産のカルロス・ゴーンCEOと、ダイムラー取締役会長のディーター ツェッチェの両氏。それぞれが協力関係が順調に進んでいることをアピールしました。

両グループの協力関係は、日本においても、スマートとルノー・トゥインゴが共同プラットフォームを用いていることや、スカイラインがダイムラー由来の4気筒ターボを搭載していることなどで知られていますが、三大陸をまたぎ全領域において共同プロジェクトを進めることで、スケールメリットを生み出しているというわけです。

Mercedes-Benz auf der „Mondial de l’Automobile 2016“

パリモーターショーでは、そうした協力関係を示す一例として、ルノーのクレオン工場で生産されたモーターを搭載した新型「スマート フォーツー」、「スマート カブリオ」、「スマート フォーフォー」のEV版が世界初公開されています。

(山本晋也)

新型GT-Rのインテリアは「スパルタン」から「高級」に大進化!

■高級感と機能性を両立した新造形のインパネ

当初は走り重視の硬派なクルマとして登場したGT-Rですが、9年間の熟成の中で価格もアップしてきました。

今回のビックチェンジでは、5つのグレードのうち4つが1000万円の大台を突破。そこはまさに、ドイツ車が君臨する高級スーパーカーの領域といえるでしょう。

そこで新型GT-Rでは、持ち前の日常性はそのままに、車格に相応しいインテリアにするべく全面的に変更してきました。

2201

新型GT-Rのドアを開けて運転席に座ると新造形のインパネが迎えてくれます。

これまでは、走り優先のスパルタンなデザインで「男の仕事場」という印象でしたが、今度の新型では、機能性はそのままに、センターコンソールを中心に高級感溢れる造形と色合いに変更。

「大人の余裕」を感じさせるインテリアで、全く別のクルマと言っても良いほど大幅にアップグレードしてきました。

■日常性を確保した居住空間とユーティリティ

GT-Rのプレミアムミッドシップパッケージ(PMパッケージ)は、走行性能と重量バランスを高次元で両立する4WDシステムを実現しました。

ただミッションがリアシート下部にあるために、リアの室内空間やトランク容量が取りにくい構造になっています。それでもリアシートは、小柄な女性や子どもが座れる位の空間ではありますが、クッションの効いた居住性を確保しています。

2203

トランクも外観から想像するほど広くはありませんが、ゴルフバッグが2個入るだけの容量をキープしているので、某ドイツ車のようにリアシートに押し込まなくても大丈夫。大人のゴルフエキスプレスとしても、充分なユーティリティを保持しています。

高級にシフトしたスーパースポーツカーでありながら、しっかり日常性を確保しているところが新型GT-Rの特徴なのです。

■第540弾 新型GT-Rのすべて (電子版はこちら

2183

(星崎 俊浩)

自動で動くイス「プロパイロットチェア」を日産が製作。飲食店などに貸与する計画も

新型にスイッチした日産セレナは、発売約1カ月で2万台超と好調なスタートを切りました。

看板装備のひとつである同一車線限定、部分自動運転技術の「プロパイロット」装着車は約7割に達したそうです。

160927-02-02-1200x675

そんな中、日産が開発した自動で動くイス「プロパイロットチェア」の動画が公開されました。

2016年2月に自動駐車支援技術「インテリジェントパーキングアシスト」の役割を疑似化したような「インテリジェントパーキングチェア」の動画を公開し、SNS上で好評を得ているそうで、今回の動画は第2弾になります。

160927-02-06-1200x675「プロパイロットチェア」は先行するイスを認識し、一定の距離を保ちながら追従する機能だけでなく、指定されたルートに合わせて自動でストップ・アンド・ゴーを行い、自動操舵で移動できます。

新型セレナに搭載された「プロパイロット」が渋滞によるドライバーのストレス緩和に貢献するように、「プロパイロットチェア」は人気飲食店の店先などでの行列時に、イスから立っては移動してまた座るという煩わしさを解消するものとしています。

実際のイスの製作は、最先端のデジタルプロモーションを手掛けるインタラクティブカンパニー「BIRDMAN」が担当。

この自動で動くイス「プロパイロットチェア」は単なるプロモーション用動画だけでなく、実際に「プロパイロットチェア」の試用を希望する飲食店などへの無償貸与を実施する予定だそうです。

160927-02-01-1200x675

お客さんなどの行列待ち(渋滞)のストレスから解放させたい、とお考えのオーナー様いかがでしょうか?

(塚田勝弘)

【プロパイロットチェア試用の応募方法】

●募集期間

9/27(火)16:00〜12/27(火)17:00

※店舗募集については、予告なく中止する可能性があり、募集の方法や期間についても変更する可能性もあるそうです。無償貸与の対象は日本国内のみ。

●応募方法

自身のSNS(ツイッター、フェイスブック、インスタグラム)のアカウントより 「 #NissanProPilotChair #Wanted 」 とハッシュタグを付け、店舗情報がわかるサイトのURLなどの必要事項を記載の上、応募した希望者(店舗、会社など)には、公開設定で投稿されたツイートの中から、情報や走行条件等を精査した上で、事務局より当選の連絡があります。

新型GT-Rのデザインは、ゲーム「グランツーリスモ」に由来する!?

■新型GT-Rの精悍なデザインは、ゲームのグランツーリスモに由来していた!?

ビックチェンジを受けた新型GT-Rの実車は理屈抜きにカッコいい!

9年に及ぶモデルライフの中で、遂に理想のデザインにたどり着いたと思えるくらい、精悍かつ重厚な存在感を放っています。

その新型GT-Rのデザインのモチーフには「日産コンセプト2020 ビジョン グランツーリスモ(NC2020VGT)」が採用されました。昨年の東京モーターショーに超アグレッシブな1/1モデルが出品されていましたが、もともとはゲームのグランツーリスモ「GT」用にデザインしたコンセプトカーなのです。

2193

そして新型GT-Rでは、このNC2020VGTが持つ2つのモチーフを取り入れています。

ひとつは、Vモーショングリルからボンネットに続くラインの外側にフロントフェンダーのカタマリがあること。2つ目は、グリルの両サイドの面がフェンダーの裏側を通ってボディサイドに伸びること。

これらのデザインモチーフが、新型GT-Rに新たにダイナミックな印象を与えているのです。

■「GT-Rコンセプト」に原点回帰したデザインも新鮮!

また従来と大きく異なるのが、ヘッドライト下部のフロントバンパー・デザインです。

2007年の市販以来ボディ同色のデザインでしたが、今回新たにブラックガーニッシュを新設しました。どこかで見覚えがあると思いきや、実は01年発表の「GT-Rコンセプト」と05年発表の「GT-Rプロト」が、ヘッドライトからブラックガーニッシュに伸びるデザインを採用していました。

2194

また新型GT-Rでは、NC2020VGT譲りのフロント両端のエッジに加え、リア両端でもエッジを効かせました。実はこのリア造形も「GT-Rコンセプト」に織り込まれていたデザインで、空力的にもしっかりと清流効果を発揮。15年の時を経て原点回帰した「GT-Rコンセプト」のデザインが、機能面でも効果を発揮しているのです。

今回の新型GT-Rのスタイルには、ゲーム用のコンセプトカーと15年前のコンセプトカーがモチーフとして採用されているわけですが、新旧様々なデザイン要素を融合させることで、こんなにも大きく印象が変わるものなのですね。

クルマのデザインとはかくも奥が深いものかと、改めて実感した次第です。

■第540弾 新型GT-Rのすべて (電子版はこちら

2182

(星崎  俊浩)

次期マーチは3ナンバー&ダウンサイジングターボを搭載?日産・マイクラGen5が世界初公開【パリモーターショー16】

4代目となる現行マーチは、タイで生産されているというイメージもあってか、また登場時は確かに質感の面で物足りなさを感じさせたのも確かです。

軽をのぞいた日産のエントリーカーであっても、同社を代表するコンパクトカーでもあり、「安かろう悪かろう」では満足されるわけもありません。

新興国向けのスモールカーでは日本市場で受け入れられないのは、三菱ミラージュと同じ。

160929-01-01-1200x800

少し辛口になってしまいましたが、それだけマーチに対するユーザーの期待は大きく、日産も販売台数に直結するというのは実感したのではないでしょうか。

パリモーターショーで披露された「マイクラGen5」は、歴代のマーチ(マイクラ)と比べてロー&ワイドなプロポーション。そして、広い室内空間が確保されているそうです。

160929-01-04-1200x800160929-01-03-1200x800 160929-01-06-1200x800

「マイクラGen5」のボディサイズは、全長3999mm×全幅1743mm×全高1455mmで、現行よりも174mm長く、77mmワイドで、55mm低くなっています。新型マーチがどうなるか現時点では分かりませんが、このままいくと3ナンバーのワイドボディということになります。

160929-01-26-1200x801

また、欧州勢を中心に定着したダウンサイジングターボのほか、ディーゼルとガソリンのNAを設定。最大の注目である0.9Lの直列3気筒ターボは、最高出力66kW(90hp)、最大トルク140Nm(ブーストアップ時は10Nmアップ)。

160929-01-13-1200x800

直列4気筒の1.5Lディーゼルも最高出力66kW(90hp)、最大トルク220Nm。直列3気筒の1.0L NAエンジンは、最高出力54kW(73hp)、最大トルク95Nm。なお、組み合わされるトランスミッションはすべて5MTです。

160929-01-16-800x1200

160929-01-14-1200x889

ドライバーに重点を置いたという室内は、質感向上も図られているそうで、拡大された全幅と長くなったホイールベースにより、クラストップレベルの室内空間の広さを実現。また「グライディングウィング」形状のダッシュボードにより、洗練されたムードが醸し出されています。

160929-01-15-1200x800

内・外装ともに印象的なデザインと革新的な技術が採用され、安心感のある軽快なドライビングパフォーマンスを提供することで、従来のBセグメント上回る仕上がりを得ているという5代目マイクラ(マーチ)。

ルノー・日産アライアンス戦略の一環として、フランスにあるルノーのフラン工場で生産され、2017年3月に欧州で発売予定とアナウンスされています。

160929-01-01-1200x800 160929-01-04-1200x800 160929-01-26-1200x801 160929-01-31-1200x800 160929-01-16-800x1200 160929-01-13-1200x800 160929-01-15-1200x800 160929-01-14-1200x889 160929-01-03-1200x800 160929-01-06-1200x800

塚田勝弘

【関連記事】
パリモーターショー特集

フォルクスワーゲン「I.D.」は最長600km走行可能な次世代EV【パリモーターショー16】http://clicccar.com/2016/09/30/403554/

ポルシェ・パナメーラ4 E-ハイブリッドと911 GT3 Cupがデビュー【パリモーターショー16】http://clicccar.com/2016/09/30/403168/

新型・セレナの販売が絶好調! 発売約1カ月の受注台数は?

部分自動運転技術の「プロパイロット」をはじめとして、「デュアルバックドア」、「ハンズフリーオートスライドドア」など、フルモデルチェンジにふさわしい最新装備、そして目を惹く2トーンカラーなど気合いを感じさせる充実ぶりが目を惹く新型セレナ。

NISSAN_SERENA_01

日産の販売現場にとっては久しぶりのフルモデルチェンジモデルですから、販売にも力が入っていそうで、8月24日からの発売約1カ月の受注台数が公表されました。

9月26日時点の受注台数は2万784台で、8000台に設定されている月間目標販売台数の約2.5倍。

冒頭で紹介したように、同一車線に限定した部分自動運転技術「プロパイロット」などが好評だそうで、非常に好調な立ち上がりと日産では分析。

NISSAN_SERENA_08

「プロパイロット」の装着率は約7割に達するそうで、同技術に対する期待の高さが感じられます。

また、キーを携行していればスライドドア下に足を抜き差しするような操作で開閉する「ハンズフリーオートスライドドア」も全体の7割以上が装着。その便利な機能が幅広い年代の方から好評を得ています。

NISSAN_SERENA_09

新規設定されたボディカラーの2トーンカラーは、全体の約2割が選択しているそうで、こちらは当初計画の約2倍になるそう。

購入している人の年齢層は、30〜40代が6割以上でミニバンらしい結果になっています。

NISSAN_SERENA_03

グレード別では、2WDのハイウェイスターが24.0%、2WDのハイウェイスター Gが18.0%、ハイウェイスター プロパイロットエディションが16.2%、Xが12.9%と続いていて、ハイウェイスター人気は新型も同様のようです。

NISSAN_SERENA_05

新型に移行した日産セレナ。まずは順調な滑り出しと言えそうです。

ヴォクシー/ノア/エスクァイア、ホンダ・ステップワゴンとの競争がこれからモデルサイクルを通じて繰り広げられることになりますが、フルハイブリッド仕様の設定など強烈なカンフル剤が必要な時期も来るかもしれません。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史、塚田勝弘)

SUV系が人気の中国で日本車がモテモテ? ホンダが好調!

昨年の軽自動車を含む国内新車販売台数は505万台(前年比9.2%減)で、今年は8月までの販売台数が330万台と、年間販売が500万台を切りそうな状況となっています。

HONDA_XR-V

一方、中国では日系ブランド車が年々販売を伸ばしており、1-8月の累計販売台数が265万台と、初めて400万台を突破しそうな情勢。

エンジン排気量1,600cc以下の小型車に対して、新車購入1台当たり10万円前後の減税措置策が続いており、新車販売に大きく寄与しているようです。

HONDA_XR-V

SUV系モデルが人気(前年比+44%)のなか、いち早く「VEZEL」「CR-V」「XR-V」などのSUVを投入したことや、減税対象車が主力車の中に多いことから、ホンダが販売を伸ばしており、8月単月で10.7万台(+36.3%)を販売。

年初からの累計で75.1万台(+22.7%)を販売するなど、好調を維持しています。

また日産も8月:10.4万台(+16.6%)/累計:80.6万台(+5.9%)を販売、トヨタが8月:9.6万台(+1.8%)/累計:78.6万台(+12.3%)、マツダが8月:2.4万台(+47.9%)/累計:16.3万台(+9.6%)をそれぞれ販売。

日産は小型車減税の対象車となる「シルフィ」やSUV「キャシュカイ」が好調で、今後はEVについても販売を強化する構えを示しています。

トヨタは減税政策の恩恵を受けて「カローラ」や「レビン」が引き続き好調。マツダは「アクセラ」や6月に投入した現地生産のSUV「CX-4」が好調となっています。

MAZDA_CX-4

日米の新車市場が足踏みするなか、中国では市場の成熟に伴って、大型車からSUVやコンパクトモデルに人気が移行しつつあり、年内に減税処置が終了した後、どこまで現在の勢いを持続できるかが、今後の焦点になりそうです。

Avanti Yasunori・画像:HONDA、MAZDA)

新型NSXも参戦!「第6回世界一すごいゼロヨン」の結果は?【動画】

NSXは速いのか? 勝てるのか?

6th_WG_Drag01

アメリカの『モーター・トレンド』誌は、毎年各種スポーツカーを集めて『世界一すごいゼロヨン』っていう企画をやってるんですね。

マッスルカーやスポーツカー、合計10数台を並べて、広いコースで一斉にドラッグレースをやるわけです。

この企画ももう6回目なんですが、2015年の優勝はシボレー・コルベットZ06、2014年はポルシェ911ターボS、2013年は日産GT-Rでした。

6th_WG_Drag03

今年の目玉はやっぱり新型NSXが参戦しているところかな。

NSXって、あまりマッチョな感じではないので、ドラッグレースとイメージがむすびつきにくいですが、ハイブリッドで4WDだから、案外速いかもしれません。

エントリーされている車両は、

アストンマーティンV12 VANTAGE S(565馬力)
シボレー・カマロSS 1LE(455馬力)
フォード・マスタング・シェルビーGT350R(526馬力)
BMW M4 GTS(493馬力)
ダッジ・ヴァイパー ACR(645馬力)
ポルシェ911カレラS(420馬力)
ジャガーFタイプ SVR(575馬力)
メルセデスAMG GTS(530馬力)
日産GT-R(565馬力)
マクラーレン570S(562馬力)
アウディR8 V10(PLUS)(602馬力)
アキュラNSX(573馬力)

6th_WG_Drag02

以上です。さぁ、このゼロヨン大会の結果は!? 次のページの動画でどうぞ。

なお、けっこう前フリが長いので、手っ取り早くレースが見たいかたは、6:20くらいから見るのがおススメです。

ふーん。NSXとGT-Rがいい勝負なんですねー。

余談ですが、ふだん、400mフル加速する機会なんて、そうそうないですよね。こんなふうに、手軽に400m競争ができるイベントとかあるといいですね。

なお、第1回から第4回の動画は、こちらの記事から見ることができます。

(まめ蔵)

【関連記事】

BMW i8のタイムは? 第4回「世界一すごいゼロヨン」GT-Rとポルシェの一騎打ち!【動画】
http://clicccar.com/2014/09/29/270765/

新型GT-Rは、グランドツーリングの「GT」とレーシングの「R」、2極に深化

■グランドツーリングの標準車とレーシングのNISMOで2極深化

2007年の登場以来、日産GT-Rは着実に進化を遂げてきました。そして2014年からは、持ち前の超性能をベースにして、標準車ではグランドツーリング性能を、またNISMOではレーシング性能を大きく向上させています。

そして今回は、9年目にしてビックチェンジを実施。新型GT-Rは、内外装をスーパースポーツに相応しいデザインに仕立て直すとともに、GTのグランドツーリングとRのレーシングの2極のベクトルで、更に性能を深化させてきたのです。

2186

■精悍なVモーショングリルに重厚なインパネ、パワーアップを実現!

新型GT-Rのスタイルは、フロントマスクにVモーションを織り込み、精悍さと存在感をアップ。

内装では、インパネを全面変更して重厚な高級感を演出しています。パワーユニットは、お馴染みのV6の3.8Lターボに6DCTと4WDを組み合わせた日産の独自技術を継承。エンジンは発売時の480PSに対し、標準車で570PS、NISMOで600PSを発揮しています。

2188

またボディと足回りでは、NISMOとNISMOチューンの標準車で、ボディパネルを接着剤で補強するボンディングボディや専用サスペンション、専用アルミ&タイヤを採用。

さらにNISMOは、空力性能を突き詰めた赤いライン入りのエアロパーツで武装して、標準車以上にアグレッシブなデザインを採用しました。

■標準車とNISMOチューンの標準車、NISMOの3つの個性で1000万円の大台へ

思い起こせば、デビュー時には777万円の衝撃プライスで発売されたGT-Rも、アップデートを繰り返すうちに1000万円の大台に乗ってきました。今回の新型GT-Rは、装備や性能面から3つのカテゴリーに分けられます。

1つ目の標準車では、装備毎に「ピュア、プレミアム、ブラックエディション」のグレードがあり、車両本体価格は約996万〜約1186.9万円となっています。

2つ目はボディや足回りをNISMOチューンで固めた「トラックエディション」で、価格は約1370万円。実はこのグレードが、コンセプト的には一番GT-Rらしいかもしれません。

3つ目は、サーキットで走るために生まれてきた「NISMO」で、約1870万円のプライスタグとなっています。

2206

新型GT-Rは、標準仕様でもアウトバーンを300km/hで安全快適にドライブできる超性能車。その上にニュルブルクリンク対策を施したNISMOがあるのですから、新型GT-Rは、真に日本を代表するスーパーカーに成長したと強く実感した次第です。

■第540弾 新型GT-Rのすべて (電子版はこちら

2180

(拓波幸 としひろ)

新型GT-Rの開発責任者はGT-RコンセプトとR34 GT-R Mスペックの産みの親!

■新型GT-R開発責任者は、GT-RコンセプトとR34GT-R Mスペックの産みの親!

縁は異なもの味なものといいますが、新型GT-Rにも不思議な縁を感じます。

開発責任者の田村CPS(チーフプロジェクトスペシャリスト)は、かつてR35GT-Rの原点ともいうべき2001年発表の「GT-Rコンセプト」を立案。当時は斬新すぎて2ペダルに対する反発も強かったというエピソードからも伺えるとおり、まさしくR35GT-Rの基本構想の産みの親なのです。

2190

さらにR34GT-R時代には、走りを極めたVスペックに対し、大人のプレミアムな乗り味を実現したMスペックを開発してGT-Rの新しい価値を創造しました。ちなみにR34GT-Rでは、MスペックはVスペックと同じくらいの販売台数を誇るとのこと。

そして今回の新型R35GT-Rのビックチェンジでも、腕を振るうことになったのです。

[nextpage title=”標準車で目指したのは、非日常の超性能と日常のプレミアム性能の両立”]

■標準車で目指したのは「非日常の超性能」と「日常のプレミアム性能」の両立

新型GT-Rの開発では、1000万円を超えるスーパースポーツカーとして、速さの追求はもちろんのこと、Mスペック同様に大人が味わいを堪能できる性能の実現を目指しました。
ただそれは、非日常の走りを堪能できる超性能と、日常では快適性と高級感を備えたプレミアム性能を同時に両立すること。

2191

開発陣にとって、この難易度は「目標」というよりも「理想」に近いものかもしれません。そのため、フルモデルチェンジではないにも関わらず、開発における熟成の手は、タイヤ以外全てに及んだそうです。

[nextpage title=”R36、R37GT-Rと呼べる程の進化で「究極のドライビングプレジャー」を実現”]

■R36、R37GT-Rと呼べる程の進化で「究極のドライビングプレジャー」を実現

例えばボディ剛性では、前後のねじり剛性のバランス改善に着目。しかしながら調整は微妙で大変難しく、技術要素を見つけ出すまでに様々な試行錯誤を要したとのこと。同様にエンジンやトランスミッションでも技術要素の改善を積み上げるとともに、精力的に走行試験も実施。

特に速度域の異なるクルマが混走するアウトバーンを超高速で徹底的に走り込むことで、300km/hで安全かつ快適にドライブできるクルマに仕上っています。

2192

新型R35GT-Rは、田村CPSが「R36とかR37と言ってもいいくらいの進化をしています」と胸を張るくらい、新たな高みに到達。非日常の超性能と日常のプレミアム性能を両立し、「究極のドライビングプレジャー」を実現しているのです。

■第540弾 新型GT-Rのすべて (電子版はこちら

2181

(拓波幸 としひろ)

新型セレナのエンジンにはGT-Rのエンジンコーティング技術が採用されている!

■先代から継承したプラットホームをきめ細かく熟成

新型セレナは、先代から評価の高いプラットホームを熟成させることで、基本性能を向上させています。

ボディでは高張力鋼板の利用を拡大するとともに、結合部構造の最適化とサス取り付け部等の補強により、剛性アップと軽量化を両立しました。

1017

サスペンションも、フロントはストラット、リアはFFがトーションビームで4WDがマルチリンク式を継承。リアダンパーをサイズアップして、安定感のある乗り心地に改善しています。

またデュアルバックドアでは、上半分のバックドアを樹脂製して、大幅な軽量化を実現しています。

■GT-R譲りのシリンダーコーティング技術

新型セレナのエンジンは型番こそ変わりませんが、中身は大幅に改良されました。

一番のポイントは、圧縮比を11.2から12.5に大幅に高めたこと。高圧縮比による効率向上を実現するために、日産は様々な技術を投入してきました。

1019

中でも注目なのが、エンジン冷却効果を高めるためにシリンダー内の鋳鉄ライナーを廃止して、低炭素鋼の薄膜コーティングを採用したこと。

これはGT-Rのエンジンに使われている先進技術で、新型セレナでは更にシリンダー研磨まで実施。この「ミラーボアコーティング」によって、冷却効果に加え、大幅なフリクションの低減を実現しました。

このように1000万円のスーパースポーツカーの技術が、ファミリー向けのミニバンに採用されることこそ、技術の進歩であり醍醐味だと思います。

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら

1005

(拓波幸 としひろ)

日産/ルノーが累計35万台のEVを販売、4.5億トン超のCO2排出を抑制!

日産自動車が2010年12月にピュアEV「日産リーフ」を発売以来、今年8月までに世界で累計25万台以上のEVを販売したそうです。

NISSAN_LEAF

「リーフ」の累計走行距離は27億kmを超えており、世界で約4.5億トンのCO2排出を削減。2014年以降は「リーフ」に加えて「e-NV200」を国内と欧州を中心に導入。

NISSAN_e-NV200

同社がこれまでに世界で販売した25万台のうち、米国、日本、欧州の3地域が全体の9割を占めており、中でも米国が9.7万台と最も多く、次いで日本が6.8万台、欧州が6.1万台の割合になっているそうです。

一方、日産がアライアンスを組むルノーでも、「SM3 Z.E.」、「ZOE(ゾエ)」、「Kangoo(カングー)Z.E.」、「Twizy(トゥイジー)」の4車種のEVを販売しており、2011年10月の「KangooZ.E.」発売以降、世界で累計10万台のEVを販売。

Renault_SM3_Z.E.Renault-ZOE

ルノー・日産アライアンスとして、これまでに累計35万台を販売するなど、世界で販売されたEVの半数を占めており、中でも「日産リーフ」はグローバルで累計23万台以上を販売する業界最量販EVとなっています。

日産は昨年11月、同車の航続距離を250kmに向上させたモデルを米国と日本に導入、欧州でも今年初めに発売。

Renault_Kangoo_Z.E.Renault-Twizy

またルノーも昨年「ZOE」の航続距離を+30km延長、充電時間を10%短縮、電気制御の最適化によりモーターの効率を向上させるなど、ルノー・日産アライアンスでは今後もEVの革新を続ける考えとしています。

Renault-ZOE

さらにアライアンスは今年1月、2020年までに自動運転技術を10モデル以上に採用する計画を発表。

今後主要な量産車に手頃な価格で搭載することで、「ゼロ・エミッション」、「ゼロ・フェイタリティ」の実現に向けたコミットメントを確固たるものにするとしています。

Avanti Yasunori・画像:NISSAN、RENAULT)

【関連記事】

日産ノートにモータードライブの「セミEV」が登場する!?
http://clicccar.com/2016/09/09/397633/

内燃機関の可能性に挑む!日産が新型「QX50」に次世代エンジン搭載か?
http://clicccar.com/2016/08/31/396181/

日産が新型セレナで実現した自動運転「レベル2」って何?
http://clicccar.com/2016/08/27/395565/

日産が米国でインフィニティのフラグシップセダンを公開!
http://clicccar.com/2016/08/21/393771/

日産がプロパイロット搭載の新型「スカイラインクーペ」を年内発売か?
http://clicccar.com/2016/08/12/392439/

新型セレナは、広くて使える快適空間が魅力!

■パノラマ感がある見晴らしの良いフロントシート

新型セレナのドアを開けて運転席に乗り込むと、低いインパネと見晴らしの良さに気づきます。またAピラーが細く左右のフロントドアのガラス面が大きいので、前方のパノラマ感がとても素晴らしく印象的です。

1022

デジタルスピードメーターと並んで配置される7インチ液晶ディスプレイでは、タコメーターや燃費、走行距離等を表示。またインパネ中央には9インチの大型ディスプレイ(オプション)が鎮座して、存在感をアピール。ステアリングは下面を真っ直ぐにして、ゆったり感や乗降性を向上させました。

■すべてのシートが使える広くて快適な空間を実現

2列目シートは、前に大きくスライドしてフロントシートの肘掛にもなるスマートマルチセンターシートが自慢。上級グレードでは、左右にスライドする機能も備えています。またシートベルトを背もたれから出して、3列目乗降の邪魔にならないようにしました。

1024

3列目シートでは、座面と幅に十分なサイズを確保するとともに、スライド機能を持たせて足元空間を確保できるようにしています。またUSB電源ソケットを最大で6か所設置できるので、どの席でもバッテリー残量を気にすることなく、スマホやゲームを楽しむことができます。

■使い勝手に優れたデュアルバックドアと新型スマートルームミラー

新開発のデュアルバックドアは、上半分とバックドア全体が開く優れもの。これまで大きくて重いバックドアを開けるのが面倒で、2列目シートの足元に荷物を置く人が多かったそうです。特に上半分のバックドアは、樹脂製で軽く作られていますから、手軽に使えますネ。

1025

カメラ映像で後方を映し出すスマートルームミラーも、新型セレナ用では、カメラとデジタル処理の向上でより鮮明な表示に進化しました。

ミニバンの場合、通常のルームミラーでは、人や荷物を満載すると後方が見えにくくなりますが、スマートルームミラーなら安心です。日産は、駐車時のアラウンドビュー機能をはじめ、視界のスマート化について先進的に取り組んでいます。

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら) 

1004

(拓波幸 としひろ)

2017年モデルの日産・GT-Rはラグジュアリーセダンと錯覚する快適さを実現

2007年のデビュー以来、最大規模の変更を施された2017年モデルの日産GT-R。

車両本体価格が996万840円からという高価格帯のクルマながら、2016年7月27日の販売開始から、わずか1カ月で年間の販売台数である800台を超えており、ユーザーからの注目の高さも伺えます。

その注目の17年モデルのGT-Rに公道で試乗することができました。

002 003

まずは変更点をおさらい。エクステリアデザインでは、フロントからリアまで大幅に変更されています。エクステリアの変更の目的はスポーティでシャープに見せるだけでなく、空気抵抗、ダウンフォース、冷却性能という3つの性能を高次元でバランスさせています。

フロント部分では新デザインのグリルを採用し、開口部を拡大させパワーアップしたエンジンの冷却性能を向上させています。また、開口部の拡大に伴い空気抵抗の増加をふせぐため、バンパーサイドの形状を最適化することで、従来の空気抵抗・ダウンフォースを維持しています

004 005

サイドではこれまで直線的なデザインだったサイドシルを、空気の流れを改善させるため前方を張り出させています。

リアは新形状のサイドアウトレットを採用することで、リア廻りの空気の流れを改善させています。さらに新デザインのシルバーフィニッシャーのリアディフューザーを囲むバンパー下部とボディカラーを分けるラインは高い位置に変更され、よりワイドに見せる効果を発揮しています。

006 009 011 012

インテリアではインパネやセンターパネルのデザインが大幅に変更されました。ナビのディスプレイはこれまでの7インチから8インチに拡大。一方、操作するスイッチも27個から11個へと減少。

そしてパドルシフトがステアリングホイール固定式となり操作性が向上しています。インパネには高級本革のナッパレザーを使用し質感も高めています。

それでは、いよいよ17年モデルのGT-Rの試乗です。

試乗したモデルはGT-Rプレミアムエディション。

GT-Rに乗り込み、走り出して感じたのは静粛性の高さです。吸音材や遮音構造の徹底的な見直しを行ったため、エンジン音や風切り音の室内への侵入が抑えられ、車内での会話やオーディオの音が非常に明瞭に聞こえます。その静粛性の高さはプレミアムブランドの高級セダンに匹敵するレベルです。

走行安定性の高さも17年モデルGT-Rの特徴です。2007年当時のGT-Rは路面のキレイなサーキットなどでは抜群の速さを発揮しましたが、硬いサスペンションとワイドタイヤによって、路面にアンジュレーションのある一般道ではハンドルが取られることがありました。

しかし、17年モデルのGT-Rはボディ剛性の前後バランスの調整などを行ったことで、ハンドルを修正するという操作がほとんど必要ありません。サスペンションは一般道でも高速道路でも路面からの入力をしなしてくれ、快適に走行することができます。

001 010

最高出力570ps(419Nm)、最大トルク637Nmまでパワーアップした3.8LV6ツインターボエンジンは、非常に扱いやすいです。試乗した日はあいにくのウェット路面でしたが、安心して踏み込むことができますし、高速道路での追い越し加速も右足に少し力をいれるだけで、スッと加速してくれます。

2速や3速といったギアでレッドゾーンの始まる7000rpmまで回してもまったくパワーダウンすることがなく、スカッとする気持ちの良い加速を見せてくれました。

GT-Rは日本的なおもてなしの精神で上質な乗り心地そしてどこまでも気持ち良く乗り続けられるGT(グランツーリスモ)性能と圧倒的な速さのR(レーシングテクノロジー)という2つの両立をさせることを目指しているクルマです。

今回試乗した17年モデルのGT-Rは世界基準の圧倒的な走行パフォーマンスとラグジュアリーな装備そして乗り心地を両立させたモデルへと進化しています。

008 007

GT-Rは登場した当時は速さが際立ったモデルでしたが、9年という時間の経過による熟成によって、速さとラグジュアリーを両立した日本のスーパースポーツカーに相応しいモデルに仕立てられています。

これまでは欧州のプレミアムブランドのスポーツカーが目標でしたが、この17年モデルのGT-Rはそれらに肩を並べるレベルまで来たといえます。

(萩原文博)

現役続行?それとも引退? 新型GT-Rの決断とは……

「GT-R」というネーミングに興奮を覚えないクルマ好きは少ないのではないでしょうか?

その歴史は長く、古くは1969年の“ハコスカ”こと「スカイライン2000GT-R」から始まり、全日本ツーリングカー選手権をはじめとした活躍が輝かしい「スカイラインGT-R(R32)」など、「GT-R」を冠するモデルはいずれも人気が高いです。

0

2002年に販売を終了した「スカイラインGT-R(R34)」までは同社のセダン「スカイライン」をベースとした高性能グレードでしたが、2007年の「NISSAN GT-R(R35)」ではスカイラインから独立した専用モデルとして登場したことが話題を呼びました。

デビュー当初のスペックで最高出力は480ps、ドイツのニュルブルクリンクで7分38秒54を記録するなど、高性能モデルから距離を置いていた国産メーカーの中で明らかに異彩を放っていました。

さらに「NISSAN GT-R(R35)」では、2007年から2014年にかけて毎年欠かさず改良を行なって、その実力を研鑽してきたのも特徴のひとつであります。

そして、2016年7月。2017年モデルにあたる新型GT-Rが登場しました。

デビューから9年が経過し、一流アスリートでは現役の続行もしくは引退がちらつく頃のはず。ひょっとしたら、2017年モデルはR35の集大成として役目を終えて、R36の登場を期待している方もいることでしょう。

しかし、開発を率いた田村宏志氏が言うには「R36とかR37と言っても良いくらいの進化をしている」そうです。

1

2017年モデルのGT-Rの改良内容を見ると、エンジンに新たに気筒別点火時期制御を採用してトルクの向上を図ったこともポイントですが、とくに大きく手が加えたのがボディです。なかでもAピラー周りの強化が肝。この解答を見つけ出すのに2年間を費やしたそうです。

エンジンそしてボディの強化が進めば、次はサスペンション。4輪の接地荷重を最適化するためのチューニングが行なわれ、結果としてスラローム時の車速が約4%向上しています。

これらメカニズムの改良が運動性能の向上をもたらすのはイメージしやすいですが、実はボディのデザインもクルマの性能向上には欠かせない要素なのです。

新型GT-Rではエンジンのパワーアップに伴って、グリルの開口面積が20%拡大しており、それによって空気抵抗が増えてしまったのです。それをいかにして取り戻すかがデザインの命題ですが、これはフロントとリヤのフェンダーを延ばすことで対処に成功。

そのほかにもフロントバンパーやサイドシルさらにはボンネットの形状も変えてダウンフォースを向上させています。

その上で、最近の日産車が採り入れているVモーショングリルを織り込むなど、新型GT-Rのデザインは緻密な計算のもと成り立っているのです。

2

とにかく卓越した走行性能を追求してきたのがGT-Rでしたが、実は2014年に行なわれた改良で、その趣に変化が起きたことをご存知でしょうか?

デビューから数年は走行性能をひたすらに追い求めたストイックなキャラクターでしたが、2014年の改良を機に、通常のGT-Rでは走りに加えて日常での快適性や上質感も含めた総合力の高さを追求。その一方で、走りをひたすらに磨くのは「GT-R NISMO」と、その役割を分担しています。

今回の新型では快適性や上質感をさらに押し上げるべく、インパネの水平基調を強めたほか、新たに8インチのタッチパネル式ナビを搭載してスイッチの数を半減して、視認性と操作性を改善。

さらに「プレミアムエディション」のインパネには牛革を一枚使って余計なステッチのない上質な空間づくりが行なわれています。新型GT-Rの内容を見る限り、まだまだ現役続行の意思が伺えます。

使い勝手

より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

(今 総一郎)

540_GTR

日産デザインをもう一歩先に! ─ 新型セレナのチャレンジ(後編)

スタイリングを一新した新型セレナのデザイン・インタビュー。後半はボディサイドからインテリアに迫ります。

[語る人]
日産自動車株式会社
グローバルデザイン本部プロダクトデザイン部
プログラム・デザイン・ダイレクター
入江 慎一郎

入江氏2

──  ボディサイドの話を続けます。屋根を浮かす『フローティングルーフ』は比較的コンパクトなクルマで有効とされますが、このサイズであっても必要ですか?

「これは日産車のグローバル・デザイン言語ですが、今回は国内専用であるセレナでも同等の表現にしたかった。また、新型は重厚さやボクシーさよりも、スポーティさや開放感を優先させたかったと」

IMG_2913

──  ブラックアウトしたAピラーについて2点。まず、ピラーはすべて黒いのではなく、ルーフの手前からボディ色になっていて、若干中途半端に見えますが

「たとえば、GT-Rのようにルーフラインでスッと色を切ってしまうと、ボディとルーフが完全に断絶してしまって弱さを感じてしまう。ミニバンはモノフォルムに近くノーズも短いので、それが強調されてしまうのです。その点を試行錯誤し、ここに落ち着きました」

ツートンアップ

──  もう1点はAピラーの付け根で、フェンダーとの段差が大きく、クルマとしては異例に強い鋭角表現になってしまいました

「はい、機能的な制約もありそうなっていますね。ただ、それよりもフロントランプからショルダーへの流れを強調したかった。そのためにピラーの下端はわざわざ別パーツとして作って横へのラインを入れているんです。本来はひとつのパーツでも可能なんですが」

IMG_2911

──  途中で止まったリアピラーと縦長のリアランプの組み合わせですが、リアガラスが上下に広く、支えるパネル面がないので少々不安定に見えます

「リアガラスは、後方の広い視界を表現するためにこれ以上ボディパネルで狭くしたくない。不安定さについては、リアピラーをしっかり太くすることで支えられていると認識しています」

リア

──  次にボディカラーです。先代までは水色などソリッドな表現が特徴でしたが、一転メタリック基調になりました

「デザイン自体が品格を上げ、より上質な方向に振っていますので、カラーもリッチな表現にしています。とくに『カシミアグレージュ』というベージュは角度によって色が変化し、質感を上げています」

──  青系と茶系が2色ずつありますが、その分もっと他の色は考えなかった?

「青のうち濃い方は、先代までの紫に近い青を引き継ぐという位置づけです。もうひとつの青は、実は若干グリーンを加えているんですよ。茶系はデザインテーマの上質感とともに、暖かみや親しみも同時に感じる色として2色を用意しました」

ブルーブルー2

──  インテリアに移ります。インパネは翼を表現し『グライディングウィング』と呼ばれていますが、それにしてはドライバー側が大きく凹んでいますね

「最初は左右とも真っ直ぐだったんですが、実はステアリン越しに平行線ばかりが見えると鬱陶しいんです(笑) また、視認性の面でも、横方向だけでなく前方への開放感が必要なんですね」

──  パッド調のセンターパネルはマーチやノートと似ていますが、これは日産車の決めごとなんですか?

「それはないですね。セレナでやりたかったのはフローティング感です。シルバー加飾で囲み、インパネに埋め込まれない独立した面で、同時に視認性も上げたかった」

160824-01-21-source

──  そのシルバー加飾は一種の流行で、本当に金属のようなメッキから安っぽいものまで各社で多用されていますが、セレナではどのように考えましたか?

「セレナというよりブランドで考えていて、日産は『マットクローム』を全車で展開したいと。メッキもあまりピカピカしているとかえって安っぽくなるし、逆にプラスティッキーなものじゃいけません。下地のクロームを大切にしつつマット感を出したい」

160824-01-26-sourceインテリア2

──  インテリアカラーでも茶系をプッシュしているのは、ボディカラーとの絡みですか?

「ボディと同様上質感を狙っていますが、濃い茶色のプレミアムカラーは社内でもかなり評判がいいんです。また、ハイコントラストの淡いグレージュは欧州ハッチバックなどで見られる表現ですが、ミニバンでは例がない試みだと思います。これもチャレンジですね」

──  なるほど。本日はありがとうございました。

(すぎもと たかよし)

新型セレナのベースデザインは、押しの強いハイウェイスターだった!

■グローバルな新世代デザインと「BIG,EASY,FUN」のセレナらしさの融合

新型セレナのスタイリングは、日産のグローバルデザインである「エモーショナル・ジオメトリー」と、ファミリーを象徴するセレナのコンセプトである「BIG,EASY,FUN」をいかに融合させるかが、大きな課題でした。

言うなれば、「革新と保守の融合」という難しいデザイン・チャレンジだったのです。

1013

開発初期デザインでは、日産の最新トレンドであるVモーショングリルやフローティングルーフ、ブーメランランプで構成。さらに彫りの深いサイドのシュプールラインやリアサイドラインのキックバックを織り込み、革新の塊のようなデザインが採用されました。

一方でカプセルキャビンをイメージして、居住空間を最大限確保しているところが、セレナらしさだといえるでしょう。

■デザイン開発のベースは、押しの強いハイウェイスターの方だった!

デザイン開発が進むにつれて、強烈な印象のブーメランランプは無くなりましたが、その他のデザイン要素はしっかりとスタイルに反映されました。

またフロントマスクでは、Vモーショングリルが重厚なデザインとなって進化。標準車でも、堂々たるグリルを備えています。

1014

ちなみに一般的には、大人しい標準車が先にベースとしてデザイン開発されます。

ところが新型セレナでは、押しの強いエアロパーツで武装したハイウェイスターを優先して開発したとのこと。確かに初期デザインのアグレッシブ振りを見れば、納得ですよね。

また、ボディカラーでは、ルーフとボディを塗り分けたバリエーションも4タイプから選べるので、様々な印象のセレナを楽しむことができます。

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら

1003

(拓波幸 としひろ)

日産デザインをもう一歩先に! ─ 新型セレナのチャレンジ(前編)

先進の自動運転支援技術「プロパイロット」を搭載した新型セレナは、スタイリングもまた一新されての登場となりました。

そのアグレッシブなスタイルの秘密について、早速チーフデザイナーにインタビューを試みました。前半は、コンセプトからボディサイドについてを紐解きます。

[語る人]
日産自動車株式会社
グローバルデザイン本部プロダクトデザイン部
プログラム・デザイン・ダイレクター
入江 慎一郎 氏

入江氏2

──  まずは全体的なところからお聞きします。歴代セレナは日産のヒット作となりましたが、デザイン面から見たヒットの理由はどこにあったと分析していますか?

「セレナは先々代にあたる3代目までで、ほぼセレナらしさが確立されたと言えますが、それは『誠実さ』だと考えます。ユーザーが接することで得られる安心感や親しみやすさ、あるいは優しさですね」

050531-02-1200x800

──  それは具体的にはどんなところでしょう?

「たとえば、セレナの特長であるボディサイドのシュプールライン。ミニバンであってもスポーティでスピード感のある表現としつつ、機能的には視界の確保と開放感を与えている。単なるスタイル優先に走らない姿勢が誠実さを生んでいると思います」

──  新型は、いま日産車が展開する『エモーショナル・ジオメトリー』と呼ばれるデザイン・フィロソフィを反映していますが、そもそもこの発想はどのように生まれたのですか?

「他社と日産との表現の違いを考えたとき、インフィニティブランドはエモーショナルオンリーに特化させ、一方で日産ブランドはジオメトリー(幾何学的)な要素を加えました。さらに、そこへリッチなテイストを加えたのが特徴です」

インフィニティNI_mainvisual01スウエイ

──  かつて、V字回復時の日産車は非常にプレーンな表現でしたが、いまなぜエモーショナルなのでしょう?

「いや、ベースはあくまでも当時のモダンな造形が基本なんです。そこに面の抑揚や豊かなサーフェスを加えた。それによって、もう一歩先の新しい日産テイストが表現できるだろうと。変わったのではなく、進化ですね!」

──  新型セレナ独自の造形コンセプト、あるいはキーワードのようなものは設定しましたか?

「チャレンジです。歴代のよさは残しつつ、次のステップへ進むために私たち自身の殻を破りたかった。当初はキープコンセプトな案もありましたが、結局もうひとつのアグレッシブ案を採ったわけです」

スケッチ不採用スケッチ採用

──  では、フロントから各パートを見ます。先代後期に準じた二段構造のランプとしましたが、これはそれほど重要な要素なんですか?

「いえ、これは単純な二段構造ではなく、上下で別モノと考えています。上はシュプールラインにつながるサイド面のスタート地点で、下はグリルの一部なんです。それぞれがまったく別の要素になっている」

IMG_2932

──  Vモーションの表現を標準車で2段、ハイウェイスターで3段と多層にしたのは? また、メッキ部分をボディ色にする案はなかった?

「当初はマーチなどと同じ1段だったのですが、ボディサイズに対してちょっと弱かった。ただ、あくまでも最下段がメインの表現です。色については、ボディカラーを挟んでしまうとグリルが煩雑になるし、そもそもVモーションはメッキによる表現が日産での定説なので」

グリル2

──  では、ボディサイドに移ります。見せ場の大きなキャラクターラインですが、本来張りのある広い面にあえて強い線を流した必然性は?

「まず今回のチャレンジング案では、当初からプレーンな面は作らないと決めていました。ショルダーの張り出した面をこのラインで一旦大きくエグって、もう一度下で膨らませる変化を見せたかった。もうひとつは、ミニバンの宿命であるスライドドアレールへの対応で、機能としてのレール部分を、今回はキャラクターの一部にしてしまおうと。実際には、直線のレールと曲線のラインをつなげるのは至難の業でしたげど(笑)」

IMG_2923IMG_2929

──  このラインは、少し上のシュプールラインとは逆方向で、いわば2本が泣き別れの流れになっていますね

「サイド面では、フロントがキャラクターラインより下のフェンダー部に張り出しを持たせているのに対し、リアへ向けては次第にラインの上の部分が張り出して来る。そうした、交差する彫刻美のような表現にすることで見せ場を作っているんです」

──  なるほど。では続きは後編で。

(すぎもと たかよし)

新型でもミニバン販売No.1へ 新型セレナの王道を行く進化が凄い!

クルマのグローバル化が進む中、今やミニバンは日本における独自かつ専用のカテゴリーになってきました。

NA2000cc級のパワーと全幅1700mm程度のサイズでCVTを搭載し、両側スライドドアと7〜8人が乗れる広い居住空間を備え、FFと4WDが選べる設定が定番となっています。

ファミリー世代にとってこんなに便利で快適な乗り物が、なぜもっと世界に広まっていかないのか本当に不思議なくらいです.

そんな中で新型日産セレナは、単一車種としては国内販売台数No.1を誇ってきました。

1007

今回のフルモデルチェンジでは、従来の「BIG・EASY・FUN」のコンセプトを更に進化。そしてマーケットの王道を突き進むべく、スタイリッシュなデザインとより便利な使い勝手を実現するとともに、日産の戦略的商品である自動運転技術「プロパイロット」を搭載して登場したのです。

■王道を行く進化と最新の自動運転技術「プロ・パイロット」

新型セレナは、従来どおり標準車とハイウェイスターの2タイプをラインナップ。

日産デザインの最新トレンド「Vモーショングリル」と彫りの深いウエーブしたサイドラインで、躍動感のあるスタイリッシュなデザインを実現しています。

1009

室内はメーターを低くして広々感を演出。また3列目シートにスライド機能を付けて、居住性も向上させました。バックドアでは、上半分が開くデュアル式を採用して、使い勝手も進化させています。

パワーユニットは、直4のNA2000ccエンジンにCVTを組み合わせたFF仕様と、エンジン+モーターにCVTを組み合わせたスマートハイブリッドにFFと4WD仕様が設定されています。

燃費は、スマートハイブリッドのFF仕様が17.2km/l、4WDでも15.8km/lで優秀です。

「プロパイロット」と命名された自動運転機能は、車線中央走行と先行車追従走行機能等を駆使して、高速道路での巡航と渋滞時の自動運転を実現しています。一定条件の元ではクルマがアクセル・ブレーキ・ステアリングを制御してくれますが、現時点ではTV-CMのような完全自動運転には届いておらず、ドライバーがコントロールすることを前提とした仕組みとなっております。

■お買い得なグレードは「G」

新型セレナの車両本体価格は、約231.6万〜約313.5万円。パワーユニットはNAエンジンを搭載したFFと、NAエンジンにモーターを組み合わせたスマートハイブリッドにFFと4WDを用意。

スポーティと豪華さで人気のハイウェイスターは、後者に設定されています。なおスマートハイブリッドは、ジェネレーターをアシストモーターとして活用する仕組みで、アイドリングストップ等による燃費向上を実現しています。

お買い得グレードは、標準車ではスマートハイブリッド仕様で、LEDヘッドライトや3列目スライドシート、両側オートスライドドアやアルミホイールを装備したGがお勧めです。

また自動運転の「プロパイロット」はオプションですが、エアロパーツで武装したハイウェイスターでは、期間限定オプションの「プロパイロットエディション」がお勧め。価格帯は291.6万〜318.7万で、贅沢仕様のGは装備以上にお買い得です。

1020

■第539弾新型セレナのすべて (電子本はこちら)

1001

(拓波幸としひろ)

ミニバン販売No.1の実績とプライド。新型セレナの揺るぎないコンセプトとは!?

日本の5ナンバーミニバン市場は、セレナ、ヴォクシー/ノア、ステップワゴンの3車種が中心となってしのぎを削ってきました。

ライバル他車が様々なパッケージや付加機能、パワーユニットにトライする中、セレナはいささかもぶれることなく進化を続け、先々代と先代の過去11年間においてミニバン販売No.1の王座を維持してきました。

セレナの原点は「モノより思い出」というキャッチコピーです。これは1999年からのCMですが、17年経っても全く色褪せないのは、この言葉がセレナの本質とユーザーの本音を言い当てているからなのでしょう。

そして新型セレナは、変わらぬコンセプトをベースにして、最新のアイディアと技術を織り込んで開発されたのです。

1011

■揺るがない「BIG,EASY,FUN」の基本コンセプト

新型セレナ開発責任者の遠藤RPM(リージョナルプロダクトマネージャー)は、歴代セレナの人気の秘密を「BIG,EASY,FUN」の価値が受け入れられたからだと語ります。

それはまさしく「室内が広く、使いやすく、家族みんなが楽しめる」ということ。歴代セレナは、「クルマで家族、友人、知人をもてなしたい」「クルマはみんなで乗った方が楽しい」という子育て世代のニーズに合致していたのです。

また最近では、子育て世代と親が1時間以内に住む「近居率」が増加しており、更に「家族の範囲」が、祖父母や兄弟姉妹の家族にまで拡大傾向にあるとのこと。そのため3列目シートの利用頻度が、これまで以上に増えてきているのだそうです。

そこで新型セレナでは、3列目のスライド化やバックドアのデュアル化をはかり、居住性や乗降性、使い勝手のおもてなし度を大幅に向上させました。

1012

■ワクワクする新たなユーティリティも大量投入

開発陣は新たなユーティリティにもこだわりました。足をスライドドア下にかざすと自動開閉する「ハンズフリーパワースライドドア」や6個のUSBソケット設定は、開発陣から商品企画に逆提案したもの。

また3列目への乗降の動線を確保するために2列目のシートベルトを背もたれ内蔵式に変更したり、ママのネイルを傷つけないようにキャップレス給油口を採用する等、なるほどアイディアを機能に盛り込みました。

自動運転「プロパイロット」も、新型セレナで初搭載された新機能です。日産の世界戦略技術ですが、最初から世界市場に出すのではなく、国内でしっかり熟成させる方針とのこと。ファミリー世代がドライブに出かけた場合、月曜の子どもの学校を考えると、渋滞とわかっていても帰路につかざるを得ません。だからこそミニバンのセレナにプロパイロットが必要との判断は、本当にそのとおりだと思います。

ただですネ、「セレナは国内市場で横綱相撲ができている、日産では数少ない車種です。」なんて言わないでくださいまし。いつだって多くの日産ファンが、新型セレナのように開発陣の魂がこもった魅力的でリーズナブルなクルマの登場を心待ちにしてるんですから!

1026

■第539弾新型セレナのすべて (電子版はこちら

1002

(拓波幸 としひろ)

日産ノートにモータードライブの「セミEV」が登場する!?

日産が年内にマイナーチェンジを予定している「ノート」に発電専用エンジンを搭載、モーターで走る「シリーズ式ハイブリッドシステム」採用のHVを設定するようです。

NISSAN_NOTE

これにより、EV「リーフ」に匹敵する軽快な走りと、静粛性、優れた加速性能、低燃費を実現している模様。

これは同社が「Pure Drive e-Power」と呼ぶシステムで、6月の定時株主総会の際にカルロス・ゴーンCEOがこのシステムに言及、その存在が明らかになっています。

NISSAN_2016 NISSAN_2016

このシステムは来春の発売が予想される次期「ジューク」や、先頃発売された新型「セレナ」にも来夏頃に搭載される模様で、「ノート」への搭載が第一弾となるようです。

発電専用エンジンは1.2Lクラスの直列3気筒エンジンとみられ、走行中に最も発電効率の良い条件でエンジンを回し続けることで燃費効率を高める仕組み。

最高出力80kW、最大トルク254Nmを発生する「リーフ」用のモーターに発電用エンジンをプラスした構成となり、リチウムイオンバッテリー搭載量を減らせることから、コストを抑制できる可能性があります。

NISSAN_NOTE

気になる燃費はトヨタ「アクア」のJC08モード燃費「37.0km」を上回る見込みで、車両価格も200万円以下となると予想され、同車の強力なライバルモデルとなりそう。

新型「ノートHV」はEVと異なり、ガソリン給油によるエネルギー補給が可能で、航続距離の心配や充電の手間が無いことから今後の普及が期待されます。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

内燃機関の可能性に挑む!日産が新型「QX50」に次世代エンジン搭載か?
http://clicccar.com/2016/08/31/396181/

日産が新型セレナで実現した自動運転「レベル2」って何?
http://clicccar.com/2016/08/27/395565/

日産がプロパイロット搭載の新型「スカイラインクーペ」を年内発売か?
http://clicccar.com/2016/08/12/392439/

日産が「e-POWER」システム搭載の新型「ノート」発売?
http://clicccar.com/2016/06/28/381908/

日産が次期「リーフ」で航続距離500km超えを達成する?
http://clicccar.com/2016/03/22/360805/

カーデザインも「AI」で!? 次期「GT-R」や「フェアレディZ」に活用か?

日産自動車がカーデザインへの「AI」(人工知能)導入に挑戦しているそうです。

8月31日に同社が開催したシンポジウムで、総合研究所の上田哲郎氏が明らかにしたもので、同氏によると、まだ実験段階としながらも、すでに「AI」にデザインを任せたことがあるとしており、実用化への可能性を示唆しています。

NISSAN_GT-R_Concept

手法としては、「AI」に膨大な画像を認識させることにより自動車の共通点を抽出、演算させることでデザインのベースとなるアイデアをアウトプットできるそうです。

昨年3月にジュネーブモーターショーで同社が公開した次期「マーチ」のコンセプトモデルとみられる「SWAY(スウェイ)」 や、10月の東京モーターショーに出展したコンセプトカー「日産 IDS」、さらには次期「フェアレディZ」次期「GT-R」などでも「AI」が創出したデザインモチーフが取り入れられている可能性も。

「AI」がすぐに人間のデザイナーに取って代わる訳ではないものの、常に新しいアイデアを求められるデザイナーにとって、心強いパートナーになりそう。

日産ではデザイナーにインスピレーションを与えることが可能としており、これまでに見たことが無いようなデザインが得られたことから、今後はスポーツカーやコンパクトカー、ミニバンなど、カテゴリー別にアウトプットできるように改良するそうです。

一方、トヨタ自動車は今年1月、「AI」を開発する新会社「TRI」(Toyota Research Institute)を米国に設立 。

自動運転や家庭用ロボットの分野での「AI」活用を研究しており、今後はいっそう、「クルマ」と「AI」の関わりが深まりそうな状況になって来ました。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

日本人デザイナーが米で「kode57」をワールドプレミア!
http://clicccar.com/2016/08/24/394375/

日産マーチ・次期型、新たなるプロトタイプをキャッチ!
http://clicccar.com/2016/08/10/392143/

日産フェアレディZ次世代型、2017年東京モーターショーで登場か!?
http://clicccar.com/2016/08/03/390209/

これが日産マーチ次期型か? レンダリングCGが流出!?
http://clicccar.com/2016/07/20/387197/

日産・GT-R次期型は650馬力のハイブリッドで東京五輪デビュー!?
http://clicccar.com/2016/06/28/382088/

日産GT-R、17年モデルが受注好調で中古車ならば手が出るか?

2007年に販売開始した日産GT-R。

2016年7月に発表された17年モデルは、登場以来最大規模となる変更を行い、エクステリアのみならずインテリアそして走行性能が大きく進化。その結果、年間販売台数計画の800台をわずか1カ月で超える858台(2016年8月25日現在)を達成しました。

GTR17走り

1000万円クラスのスポーツカーが、わずか1カ月で800台を超える受注を記録することに正直驚きを隠せませんでした。

しかし、これだけ販売台数が伸びると俄然注目が集まるのが中古車相場でしょう。17年モデルのGT-Rを予約した人の多くが現在GT-Rオーナーである可能性が高いと考えられるからです。

そこで、現在のGT-Rの中古車の状況を調べてみました。

GT-R002 GT-R003

中古車情報サイト、カーセンサーnetを見ると現在日産GT-Rの中古車は177台流通しています。

約9年間販売されてきて中古車が177台ですから、17年モデルの800台受注という数字がいかに凄いかがよく分かります。中古車の平均価格は3カ月間が約763万円で、今月も約753万円と10万円ほど値落ちしていますが、それほどまだ 目立った動きではないと言えます。

GT-R004 GT-R005

GT-Rといえば、最近では変更する間隔が伸びていますが、以前はイヤーチェンジで進化を遂げてきたモデルです。そこで、イヤーチェンジごとに中古車相場の推移を見てみましょう。

初期の2007年〜2008年式はGT-Rの中古車の約3割という流通量を誇りますが、平均価格は3カ月前の554万円に対して、今月は550万円とほぼ横這いなって。これは当面の底値と言える状況です。しばらくは目立った動きはなさそうです。

GT-R07フロント GT-R07002 GT-R07003 GT-R07004

以降のモデルでは、2008年〜2010年までの平均価格は値上がり傾向を示し、一転して2010年〜2014年までは値落ち傾向と動きが大きく分かれています。

特に値落ちが大きいのが2010〜2011年式で、3カ月前の約794万円に対して今月は約720万円と約74万円の値落ちを記録。続いて大きいのが2012〜2013年の約43万円となっています。

GT-R11001GTR11002 GTR11004 GTR11003

また、体制が変わった2013年以降は、2013年〜2014年が34万円値落ちする一方で、2014年〜2016年は約100万円の値上がりと動きが分かれています。

ココから見えてくるのは、2011年や2013年など大幅な値落ちを示した年式はちょうど車検サイクルに当たる年に当たっているということ。

2014 Nissan GT-R 2014 Nissan GT-R

GT-Rもほかのクルマと同様に3年、5年の車検サイクルに当たる年式の中古車は買いのタイミングと言えるでしょう。しかし、現在受注の入っている800台のうちその1/4である200台が中古車市場に流通すると、現在の相場は大きく変わるはずです。

2014 Nissan GT-R 2014 Nissan GT-R

しかし、それは100万円でGT-Rを買えようになる!ということではなく、流通台数が増加することで、割高感のあった相場が最適化され、憧れの存在からより身近な存在になるのではないかと予測しています。

しかし、GT-Rは海外でも非常に高いモデルなので、増加した中古車は日本に流通せず、海外に輸出なんてこともありえるかもしれません。17年モデルのデリバリーが開始されてからの、中古車相場をしっかりと確認していく必要があるでしょう。

(萩原文博)

2017年モデルの日産GT-Rに採用されたチタン合金製マフラーの特徴は?

新日鐵住金(新日鉄住金)は、同社のチタン合金「Super-TIX10CU」(スーパータイエックス10CU)が、日産自動車の新型「GT-R」のエキゾーストシステムに採用されたと発表しました。

20160902_100_01

スーパータイエックス10CUはチタンに1.0%の銅(Cu)を添加し、合金組織中の酸素を低減したチタン合金で、純チタンと同等の室温加工性を保ちながら、排気系に要求される高温強度と耐食性が高いという特徴を備えています。

20160902_100_0220160902_100_03

新型「GT-R」では排気系部品をチタン化することによって、従来、四輪車用マフラーの主要素材に使われてきたステンレスと比較して軽量化を達成できたということです。

さらに、チタンエキゾーストシステムによる心地よいエンジンサウンドを楽しむことができ、新型「GT-R」のチタン・サウンドに期待が膨らみます。

先日、ホンダが量産二輪車の燃料タンクにチタン薄板を採用したことが明らかになったばかりですが、高価とされるチタン素材が自動車部品にどれだけ広がって行くのかに注目が集まっています。

(山内 博・画像:新日鉄住金)

「自動運転」の国際基準作りで政府が国連会議を主導か?

日産自動車が8月24日、国産車で初となる運転支援機能「プロパイロット」を搭載した5代目「セレナ」を発売しました。

NISSAN_SERENA

高速道路における渋滞走行時や長時間の巡航走行において、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作の全てを自動的に制御するもので、政府が策定した自動運転技術ロードマップによると「レベル2(準自動走行システム)」に相当します。

「レベル2」では、システムはあくまで「ドライバーの補助」としての位置付けで、アクセル・ブレーキ・ステアリング操作のうち、複数の操作をクルマが自動で行うものを指します。

NISSAN_SERENA

欧米では既にテスラやメルセデス・ベンツが実用化しており、トヨタ、ホンダも2020年には「レベル2」の車両を市販する予定になっているようです。

そうした中、政府(国土交通省)は今年5月24日、官民からなる連携組織「自動運転基準化研究所」を設立しました。

国交省をはじめ、経産省、日本自動車工業会、日本自動車部品工業会、自動車技術会、JASICなどが参画しており、政府としては日本の技術を背景とする国際基準を「世界標準」とすることで、国際競争力を高めたい考え。

01

自動運転は、自動ブレーキなどの「レベル1」から人が運転に関与しない「レベル4」まで、難易度に応じて4段階に分類されています。

02

今回、国交省が策定する基準は、「レベル2」に対応するもの。

新聞報道などによると、国連の専門家会議で2018年にも基準が確定する見通しの中、国交省は「日本案」をベースに国連の議論を主導したい考えのようで、2017年度予算の概算要求において、自動運転関連で3億4,100万円を要求するそうです。

政府は2020年を目処に、高速道路上での車線変更や追い越しを伴う自動運転「レベル2」を実用化させる方針。

人的要因が大半とされる交通事故撲滅に向け、日本が得意とする技術力を活かし、「自動運転」の国際基準作りで世界をリードしたい考えのようです。

Avanti Yasunori・画像:総務省、日産自動車)

【関連記事】

シンガポールで自動運転タクシーが試験運行開始!
http://clicccar.com/2016/08/31/395894/

日産が新型セレナで実現した自動運転「レベル2」って何?
http://clicccar.com/2016/08/27/395565/

新型Eクラス「ドライブパイロット」は車線無しでもステアリング・アシスト可能!
http://clicccar.com/2016/08/25/394859/

米・フォードCEOが2021年「完全自動運転」実現を宣言!
http://clicccar.com/2016/08/19/393375/

新型・セレナは「プロパイロット」搭載でドライブがココまで変わる!
http://clicccar.com/2016/08/14/392611/

新型「セレナ」のキャップレス給油口のサプライヤーはトヨタ系部品会社だった!

トヨタ系の自動車部品大手・豊田合成は、同社製の「キャップレス給油口」が日産の新型「セレナ」に採用されたと発表しました。

8f74121270cffd3967d7dae175c02160

「キャップレス給油口」は、日本国内で生産・販売される車種として初めて新型「セレナ」に採用されたもので、セルフ式が増えているGSでの給油時に燃料キャップの開閉操作が不要になります。

新型「セレナ」の「キャップレス給油口」は、給油キャップに触れずに済む、給油キャップの閉め忘れをなくすなど、自動車の利便性の向上に貢献する新装備として注目されています。

82_dl0000618384

同時に、その「キャップレス給油口」のサプライヤーがライバルのトヨタ系部品会社の豊田合成であることが今回の発表で明らかになったわけで、系列の壁を越えた新装備の部品供給が業界で話題になりそうです。

82_dl0000618385

自動車部品の供給に関しては従来から系列外からの取引が行われていましたが、外観からは分からない機能部品が主で、今回の「キャップレス給油口」のようにユーザーの目に触れる部品、しかも話題になる国産車で初めての新装備に系列外の部品が採用されるのは稀な出来事です。

豊田合成では「キャップレス給油口」とともに、給油口とタンクをつなぐ燃料配管である「樹脂フューエルフィラーパイプ」も軽量化した同社の製品が新型「セレナ」に採用されており、従来の燃料キャップと金属製配管の組み合わせと比べて約40%の軽量化を達成。車両の燃費性能を向上させる効果があるとしています。

豊田合成は「キャップレス給油口」と「樹脂フューエルフィラーパイプ」をトヨタ系だけに限らず、全メーカーに拡販することを狙っているようで、今後「キャップレス給油口」と「樹脂フューエルフィラーパイプ」がトヨタ系を含めた他のメーカーにどれだけ広がるかが注目されます。

(山内 博・画像:豊田合成、日産自動車)

内燃機関の可能性に挑む!日産が新型「QX50」に次世代エンジン搭載か?

日産自動車が先頃、VQエンジン(3.5L V6)の後継となる2.0L直4ダウンサイジング・ターボエンジン「VC-T」(バリアブル・コンプレッション・ターボチャージド)を10月のパリ・モーターショーで初公開すると発表しました。

Infiniti-QX50_Concept

最高出力270psを発生する「可変圧縮比エンジン」で、各種情報によると「インフィニティQX50」を皮切りに2017年からシリーズへの搭載を予定しているようで、走行中に圧縮比を8から14まで変化させることができるのが最大の特徴となっています。

低回転域(加給圧:低)を使う巡航時では圧縮比を上げてトルクを引き出し、加速時など、高回転域(加給圧:高)を使うシーンでは圧縮比を下げることでノッキングの発生を防止します。

INFINITI_VC-T

これにより、VQエンジン比で約30%、競合する2.0直4ターボエンジン比でも約10%もの燃費低減を実現しているといいます。

機構的にはエンジン外部に設けたモーターでコンロッドの下端位置を変化させており、ピストンの上死点位置を上下方向に制御する方式。

INFINITI_VC-T

内燃機関に潜在する可能性を引き出すことに成功した点で、まさにエンジン史上に残る大発明ともいえそうです。

一方、8月29日には早稲田大学の研究グループが「熱効率」を最大で60%と、約2倍に高めるエンジンの試作機を開発、燃焼実験に成功したと発表しました。

実用化できれば、燃費を2倍に伸ばせる可能性があるとしています。

01

現在の自動車用エンジンは、燃料を燃やしたガスの力でピストンを動かしていますが、多くの熱が逃げてしまうため「熱効率」は30%〜35%、最大でも40%と、燃料が持っているエネルギーの半分以下しか活用できておらず、理論上も50%を超えるのは難しいとされています。

そこで、開発品では複数の方向から音速に近い速さで燃料と空気を吹きこみ、シリンダの中心で衝突させることで、燃料を一点に集中させて燃焼させる仕組を採用。

これにより、燃焼する際の熱が外部に逃げ難くなるなど、より効率よくエネルギーを取り出すことができるそうで、研究室では排気量30ccの試作機を作り、燃焼試験を行ったところ、計算どおりの出力が得られたとしています。

エンジン周辺の温度もほとんど上がらず、熱が逃げていないことが確認できたとしており、研究室を率いる内藤教授のもとには自動車メーカー10社余りが視察に訪れ、技術協力の話を進めているそうです。

Infiniti-QX50_Concept

ただ、クルマは加速したり止まったりと動作が一定ではなく、エンジンの燃焼も一定ではないため、燃料を常に一点集中で燃やし続けられるかなど、技術的な課題もあり、実用化には少なくとも5〜10年かかるとのこと。

このように、クルマの電動化が進む中、日産をはじめとする自動車メーカーや大学研究室では次世代のエンジン開発が本格化しているようで、内燃機関の可能性追求は今後も続くことになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

圧縮比が8から14まで可変する日産の次世代ターボエンジン
http://clicccar.com/2016/08/16/392862/

次期「スープラ」はスポーツHVターボで2018年に登場か?
http://clicccar.com/2015/09/23/328501/

燃費リッター41.1km! トヨタ2000GTがアクアの技術で現代的に蘇った!
http://clicccar.com/2015/08/27/323726/

マツダが2017年に「ロータリー」エンジンを復活させる!?
http://clicccar.com/2014/10/30/275371/

MAZDA「SKYACTIV」に続く低燃費技術を開発!?
http://clicccar.com/2014/06/16/258509/

【関連リンク】

早稲田大学 基幹理工学部
https://www.waseda.jp/top/news/44166

日産が新型セレナで実現した自動運転「レベル2」って何?

日産自動車から8月24日に登場した5代目となる新型「セレナ」。

NISSAN_SERENA

同社が独自に開発した国産車初、ミニバンクラスでは世界初となる運転支援機能「プロパイロット(ProPILOT)」をOPT設定しています。

これは高速道路における渋滞走行時や長時間の巡航走行において、アクセル、ブレーキ、ステアリングの全てを自動的に制御するもの。

政府が策定した自動運転技術ロードマップによると、難易度を初期段階の「レベル1 」から完全自動運転の「レベル4」まで4段階に分けており、今回日産が実現した「プロパイロット」は「レベル2」に相当します。

01

「レベル2」では、システムはあくまで「ドライバーの補助」としての位置付けで、アクセル・ブレーキ・ステアリング操作のうち、複数の操作をクルマが自動で行います。

欧米では既にテスラやメルセデス・ベンツが実用化しており、トヨタ、ホンダも2020年には「レベル2」の車両を市販する予定になっているようです。

新型セレナでは、高速道路の単一車線内において、常に前走車との車間距離を保持しながら追従走行可能となっており、ドライバーが設定した車速(約30〜100km/h)を上限に、車線中央を走行するようにステアリング操作を支援します。

NISSAN_SERENA

一方、「レベル3」ではアクセル、ブレーキ、ハンドルの全ての操作が自動で行われ、事故時の運転責任は原則としてシステム側が負うことになります。

基本的にドライバーが運転操作に関わる必要が無くなる訳ですが、システムに異常が発生した場合など、緊急時に操作する義務は残るため、ドライバーの責任が無くなるわけでは無さそうです。

いずれにしても、実用化のハードルがいっそう高くなるのは間違いありません。

日産は今後、2018年に自律走行の適用範囲を高速道路の複数車線に、さらに2020年には一般道路に広げるとしており、ドライバーの介入無しで市街地での交差点・信号停止・自動合流・自動分岐・インターチェンジ走行を可能にするそうです。

国内メーカーでは同技術において一日の長がある日産の今後の展開が注目されます。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

新型Eクラス「ドライブパイロット」は車線無しでもステアリング・アシスト可能!
http://clicccar.com/2016/08/25/394859/

米・フォードCEOが2021年「完全自動運転」実現を宣言!
http://clicccar.com/2016/08/19/393375/

トヨタ自動車がミシガン大学との「AI」研究に2,200万ドルを投資
http://clicccar.com/2016/08/15/392778/

新型・セレナは「プロパイロット」搭載でドライブがココまで変わる!
http://clicccar.com/2016/08/14/392611/

国家戦略特区プロジェクト「自動運転タクシー」実証開始!
http://clicccar.com/2016/03/14/358394/

【関連リンク】

日産セレナ
http://www.nissan.co.jp/SERENA/

総務省
http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/iinkai/jidousoukou_5/5_jidousoukou_siryou_4.pdf

NSXにGT-R! ジャパン・ブランド・スポーツカーの夏

先日、やっと2代目「ホンダ NSX」が発売されました。

1990年の初代NSXからは26年。長~い長~い道のりでした。

14137910_901416880002578_1154996372_n

今回のトピックは3モーターのハイブリッドシステム「スポーツハイブリッド SH-AWD」を搭載。スポーツカーでもハイブリッドモデルオンリー。3.5リッターV6ツインターボエンジンに9速DCT(デュアルクラッチ・トランスミッション)の組み合わせ。

新型NSXの発表会は東京ビッグサイトで行われ、私も楽しみにしていましたが、渋滞に見舞われ遅刻。しかし助かるのは、ここ最近、新車発表会などはUSTREAMなどでライブ配信され、もちろんNSXも配信あり。というわけで途中、観ながら聞きながら会場に向かいました。発表会自体は、後半から発表会に参加ですが、発表会の雰囲気はバッチリ味わえますし、イベントの内容もほぼほぼ聞いたので助かります。

ちなみに私がこの会場にいた様子は、その日のテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」にチラッと映っていたとか。でも「出演」ではありません。たまたま映り込んだだけです。

ちなみにお値段2370万円。

そして今週は、日本を代表するスポーツカーのひとつ「日産GT-R」の取材も行われました。

14111574_901416933335906_1245675419_n

久しぶりに三栄書房「日産GT-Rのすべて」出演です。

GT-Rは「スカイラインGT-R」から「日産GT-R」に変わったのが2007年。

初代の「日産GT-Rのすべて」は大入り袋が出るほど人気でしたが、こちらもかれこれ9年が経過。

2017年モデル&NISMOバージョンの発売に合わせて、「すべてシリーズ」の発売です。

今回、鮮やかなオレンジ「アルティメイトシャイニーオレンジ」のボディカラー&インテリアカラーの「GT-Rプレミアム・エディション」がイチオシみたい。この日私は、事前に考えていた洋服を当日の気分でやめて、サリーちゃん風(?)ダークグリーンのワンピースをチョイス。私の中で「GT-R」はこんなイメージです。

気になる方は9月13日発売「日産GT-Rのすべて」でご覧ください。

14159073_901416746669258_655866084_n

お楽しみに♪

(吉田 由美)

日常的に役に立つアレ!? 新型セレナに採用された「日産初」の装備

2016年8月24日にフルモデルチェンジして5代目となった日産セレナ。

ミニバン・ナンバーワンの座を狙う新型セレナには、同一車線における自動運転技術「プロパイロット」など魅力的な新技術が搭載されていますが、誰もが恩恵をあずかることのできる、とある日産初の装備が採用されているのはご存知でしょうか。

20160809Serena_003

その装備は、外観からは見えませんがインテリアでもありません。そして、プロパイロットのような目に見えない機能でもありません。誰でもひと目で、従来との違いがわかるアイテムです。

ヒントは「セルフ給油」での利便性アップ。これで何が変わったのかわかるでしょうか。

20160809Serena_073

そうです、給油キャップを外す手間がなくなったのです。

給油口にそのままノズルを差し込むことができる「キャップレス給油口」を日産として初めて採用しています。

昔からセルフ給油の多いアメリカではキャップレス給油口は珍しくありませんが、日産としてはグローバルでもキャップレスの採用例はなく、このセレナが初採用になるといいます。

その理由は、給油キャップを外すという手間が、ユーザーによっては想像以上に負担となっているから。

とくに、ネイルアートを楽しんでいるユーザーは給油キャップを回して外すという作業を嫌がるという話もあったといいます。

そこでノズルを差し込むだけのキャップレス給油口が採用されたわけです。もちろん、キャップの付け忘れ、締め忘れといったケアレスミスを起こしようのない構造なのも嬉しいところ。

スプリングを利用したキャップレス給油口、そのシンプルな印象からゴミの混入などが心配されるかもしれませんが、ダブルフラップ構造とすることにより、ダストや水の侵入を防ぎ、一方で燃料漏れも防ぐ設計になっているといいますから、安心です。

(写真:冨士井明史 文:山本晋也)

2017年モデルの日産・GT-R NISMOが発売開始、その価格は?

日産のスポーツフラッグシップ「GT-R」に、ファクトリーチューニングを施したNISMOロードカー、GT-R NISMOの2017年モデルが登場です。

160825-01-02-1200x541

ビッグマイナーチェンジを果たした2017年GT-Rと同様に、外観とエンジンの両面でパフォーマンスアップを果たしています。

大きなダウンフォースを発生させるNISMO専用のカーボンファイバー製フロントバンパーは、カーボンファイバーシートを幾層にも重ねて精巧に作り上げることで理想的な強度を実現したもの。

新しい形状はこれまで以上に冷却性能を向上させつつ、空気抵抗を増やすことなくダウンフォースを確保していることが期待されます。

160825-01-03-1200x507

また、インテリアではモニターサイズの拡大(7インチ→8インチ)とカーボン製センターコンソール上にマルチファンクションスイッチを配置するといった変更を果たしています。

さらに、標準車と同じようにパドルシフトをステアリングホイール固定タイプに変更。アルカンターラをセンターに貼ったレザー仕様のレカロ製カーボンバケットシートも専用アイテムです。

最高出力441kW(600PS)の3.8リッターV6ツインターボは日産が誇る選ばれた匠によって組み立てられたもの。レーシングカーであるGT3から受け継ぐ高流量、大口径のターボチャージャーを組み合わせています。

奇しくも、ホンダのスーパースポーツ「NSX」と同じ日に発表された新型「NISSAN GT-R NISMO」。

国産スポーツカーとしては最強といえるパワーを誇る全天候型スーパースポーツは同じように力強い走りを楽しめるクルマへと深化を遂げているということです。

●GT-R NISMO 主要スペック
車両型式:
全長:4690mm
全幅:1895mm
全高:1370mm
ホイールベース:2780mm
車両重量:1740kg
乗車定員:4名
エンジン型式:VR38DETT
エンジン形式:V型6気筒ツインターボ
総排気量:3799cc
最高出力:441kW(600PS)/6800rpm
最大トルク:652Nm(66.5kg-m)/3600-5600rpm
変速装置:6速DCT(トランスアクスルレイアウト)
メーカー希望小売価格(税込):1870万200円

同時に、GT-R Track edition engineered by nismoも発売開始となりました。こちらのメーカー希望小売価格は1369万9800円となっています。

(山本晋也)

新型セレナの初期受注で7割が部分自動運転技術「プロパイロット」を選択

8月24日に発売された5代目の新型セレナ。最大の目玉である部分自動運転技術「プロパイロット」は、ミニバンでは世界初となる同一車線内での部分自動運転技術。

NISSAN_SERENA_04

同装備は「プロパイロットエディション」として2017年3月末までの期間限定生産される特別仕様車、またはカタログモデルにメーカーオプションとして用意されています。

なお、メーカーオプションで選ぶ際は、3種類の「セーフティパックA、B、C」の中から選択する必要があります。

[nextpage title=”初期受注で7割が「プロパイロット」を選択”]

「プロパイロットエディション」をおさらいすると、単眼カメラのみで前方の車両や白線などを検知し、車間距離と車線維持(車線中央を維持)を行うもので、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動で制御。高速道路での使用を前提としています。

NISSAN_SERENA_08

約30〜100km/h(実際はメーター読みでACCの作動範囲である約114km/hか?)の速度内で作動。操作は、プロパイロットの青いボタンを押してスタンバイ状態になった後、セットスイッチで車速を設定し、プロパイロットがオンになります。

NISSAN_SERENA_03

NISSAN_SERENA_05

そのため、作動には30km/hを超える必要があります。プロパイロットが作動すれば、前走車に追従して新型セレナも自動的に停止し、3秒以内の停止であれば自動的に再発進しますから、ダラダラとした渋滞中にも威力を発揮します。3秒を過ぎるとアクセルやスイッチの操作が必要になります。

NISSAN_SERENA_10

新型セレナのプロパイロット装着車は予約受注の段階で装着率が7割に達したそうで、これは日産が想定していた4割という予測を大きく超えるもので、手応えを得ているそう。

なお、販売、納車時などの現場では、「自動運転技術」を謳うプロパイロットの作動条件や使い方などの周知を徹底するとしています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史、塚田勝弘)

新世代デザインに移行した新型セレナ「ライダー」のデザインは?

新型セレナにもオーテックジャパンによる「ライダー」がもちろん用意されています。

「クラスを超えた存在感」という「ライダー」のこだわりはもちろん貫かれていて、さらに「ニュージェネレーション・ライダー」を謳う進化を遂げています。

NISSAN_SERENA_23

もはやベース車とは「別モノ」といえる圧倒的な存在感は新型セレナでも十分に発揮していて、専用エアロパーツによる迫力はかなりのもの。

外観では、フロントグリルやバンパーグリルに独特の輝きを放つメタル調塗装が施されているのをはじめ、シャープな印象を受けるフロントバンパー下側には、奥行きを表現した深いブルーの「ブルーホールLED」が配置されています。

NISSAN_SERENA_24

内装は、インパネに専用表皮を施したうえに、シートやステアリングと合わせたブルーステッチでコーディネイト。バンパー下のブルーホイールLEDとの組み合わせももちろん意識されています。

Image converted using ifftoany

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

Image converted using ifftoany

ほかにも、メタル調塗装のエクステリアパーツや専用マフラーなどを「ライダーダイナミックエクステリアパッケージ」としてオプションで用意されていて、さらに迫力あるスタイリングの構築が可能。

c27_rider_20160824_pre01

ボディカラーは、特別塗装色の「ブリリアントホワイトパール」や「ダイヤモンドブラックパール」などのほか、ベース車同様に2トーンカラーも用意。新型セレナ「ライダー」の価格帯は、294万9480円〜385万200円となっています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

新型セレナの広さ、燃費、注目装備は?

1991年の初代登場以来、5代目にスイッチした日産セレナ。モデルチェンジのたびに台数を増加させ、国内の軽自動車をのぞく日産の登録車でエース級の存在となっています。

NISSAN_SERENA_21

ここでは、プロパイロットをのぞいた新型セレナのポイントについてお届けします。

ボディサイズはベース車が全長4690×全幅1695×全高1865mm、ハイウェイスター系は全長4770×全幅1740×全高1865mm、ホイールベースは2860mm。

先代のベース車は、全長4685×全幅1695×全高1865mm。ハイウェイスター系は全長4770×全幅1735mm×全高1865mm。ホイールベースは2860mmで同値。

ベース車は先代よりも全長が5mm、ハイウェイスター系は全幅が5mmワイドになっています。ハイウェイスターこそデザイン面から5ナンバー枠を突破していますが、基本的にボディサイズの制約があるため、ほとんど変わっていません。

NISSAN_SERENA_01

新型セレナは室内長が180mmも長くなり(サードシートスライド付車が180mmで、それ以外は110mm延長)、室内幅は65mmワイドに、室内高は20mm高くなっています。

NISSAN_SERENA_09NISSAN_SERENA_10NISSAN_SERENA_11

なお、新型セレナはクラスナンバー1の室内長、室内幅としています(日産調べ。全高1.8m以上の1.5L〜2.0Lクラスの8人乗りミニバンで、3列目シートスライド装着車との比較)。

さらに、室内の広さだけでなく、Aピラーのスリム化やメーターデザインを工夫することで前方、左右の見晴らしの良さを確保したとしていますが、確かに前方視界はパノラマビューのようで開放感は抜群。

ただし、ボンネット前やAピラー下側付近の視界など、見切りのしやすさはもう少しという印象なのは、カウルトップ高がやや高いためかもしれません。

NISSAN_SERENA_14

使い勝手で新しいのは、SUVなどでお馴染みのガラスハッチをリヤゲートに追加した「デュアルバックドア」の採用で、車両後方にスペースがない場合でもガラスハッチのみを開閉することで荷物の出し入れが可能になっています。

NISSAN_SERENA_20

また、スライドドアの自動開閉機能に加わったのが「ハンズフリースライドドア」。

インテリジェントキーをバッグやポケットなどに入れておけばスライドドアの下に足先を入れて引くことで、自動でオープンまたはクローズします。リヤドアのアウターハンドル下側にセンサーがあり、一度操作できれば慣れそう。子どもを抱っこしていたり、荷物で両手がふさがっていたりする際に重宝しそうです。

NISSAN_SERENA_12

ほかにも、シートスライド時の操作力を大きく軽減したり、3列目の乗降性の向上、690mmに達する2列目の超ロングスライドシートを設定したりすることで、乗降性、居住性を向上させるなどの工夫が凝らされています。

2列目と3列目の広さは、上記のような工夫で確実にアップされているのは朗報ですが、フロアから座面までの高さ(ヒール段差)が身長171cmの私には少し不足気味に感じました。

それでも先代よりも数cm高くなっていますし、3列目はとくに座面の前後長もかなり余裕がありますが、少しシートの高さが低く感じるのは、跳ね上げ時の操作性、斜め後方視界の配慮によるものでしょう。

NISSAN_SERENA_13

エンジンは先代と同じMR20DD型ではあるものの、高圧縮化(11.2から12.5)や徹底した効率化などにより、新ベルトテンショナー構造などによりモーターと組み合わせた燃費は17.2km/Lと、先代のSハイブリッドよりも2km/L向上。

さらに、新型には4WDにもSハイブリッドを設定し、最高で15.8km/Lというカタログ燃費を得ています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

新型セレナが発売!価格は231万6600円〜、部分自動運転仕様は291万6000円〜

待望の新型セレナが8月24日に発売されました。

先に発表されていた同一車線自動運転技術「プロパイロット」が最大の目玉で、気になる価格帯は2WDが231万6600円〜318万7080円、4WDが260万3880円〜317万6280円。

NISSAN_SERENA_07

「プロパイロット」搭載車で、ローンチエディション(2017年3月末までの期間限定)である特別仕様車「プロパイロットエディション」は、2WDの「ハイウェイスター プロパイロットエディション」が291万6000円、同じくFFの「ハイウェイスターG プロパイロットエディション」が318万7080円。4WDの「ハイウェイスター プロパイロットエディション」は317万6280円です。

これらの特別仕様車には、プロパイロットのほか、踏み間違い防止アシスト、キーを携帯していればスライドドア下付近で足を動かすだけで開閉できる世界初の「ハンズフリーオートスライドドア」、16インチアルミホイール(2WD車)も用意された買い得感の高い仕様。

NISSAN_SERENA_03NISSAN_SERENA_05NISSAN_SERENA_08

なお、メーカーオプションのプロパイロットは単体でのオーダーはできず、「セーフティパックA、B、C」の3つのパッケージ+プロパイロットのセットとして設定されています。セーフティパックが3つ展開されているのは、グレードにより基本となる装備が異なるため。

NISSAN_SERENA_06

セーフティパックの中身は3タイプで異なり、たとえば、セーフティパックBは、SRSカーテンエアバッグシステム(前席)、踏み間違い衝突防止アシスト、インテリジェントパーキングアシスト、進入禁止標識検知、アラウンドビューモニター(MOD/移動物検知機能付)、ふらつき警報、フロント&バックソナー、スマートループミラー、電動パーキングブレーキ、オートブレーキホールド、プロパイロット、LDP(車線逸脱防止支援システム)、ステアリングスイッチ(プロパイロット、オーディオ)などがセットで用意されています。

NISSAN_SERENA_04

なお、セーフティパックの価格は24万3000円で、特別仕様車のプロパイロットエディションの方が5400円安くなっています。

(文/塚田勝弘 写真/冨士井明史)

米NHTSAが衝突安全性能5つ星に認定したインフィニティ・QX60はこんなクルマ!

日産自動車の海外向けモデル インフィニティ「QX60」が、NHTSA(米運輸省道路交通安全局)の衝突安全テストにおいて、最高評価となる5つ星に認定されたそうです。

Infiniti_QX60

NHTSAの衝突安全テストは、前面衝突(56km/h)、側面衝突(62km/h)、ロールオーバー(横転)試験の3種類で構成されており、同2017年モデルは前面衝突試験で4つ星(ドライバー席:4つ星/助手席:5つ星)、ロールオーバー試験で4つ星(転倒リスク17.9%)、側面衝突試験で5つ星を獲得。

NHTSA

これにより、インフィニティ「QX60」は総合評価で5つ星に認定されました。

[nextpage title=”QX60はこんなクルマ”]同車はインフィニティ初となる7人乗り3列シート仕様の大型クロスオーバーSUV車。

3.5LのV6エンジン(265ps)搭載モデルと、2.5Lのスーパーチャージャー付き直4エンジンを搭載したHVモデル(250ps)が有り、それぞれFF/AWDモデルがラインナップされています。

車両サイズは全長:4,990mm、全幅:1,960mm、全高:1,720 mmで、乗車定員は7名、米国価格は42,600ドル(約450万円)からとなっています。

Infiniti_QX60

2017年モデルではさらにエンジン出力が高められ、インフォテインメントシステム搭載やリヤシートの大型化を図るなど、インテリアの充実が図られている模様。

Infiniti_QX60

世界的に人気のあるSUV系でHVモデルが存在し、安全性能や品質の高さなどを考慮すると、日本でも「Q60」と併せてラインナップを望む声が出るかもしれません。

Avanti Yasunori・画像:NHTSA、日産自動車)

【関連記事】

日産が米国でインフィニティのフラグシップセダンを公開!
http://clicccar.com/2016/08/21/393771/

日産がプロパイロット搭載の新型「スカイラインクーペ」を年内発売か?
http://clicccar.com/2016/08/12/392439/

【関連リンク】

NHTSA (Overall Rating)
http://www.safercar.gov/Vehicle+Shoppers/5-Star+Safety+Ratings/2011-Newer+Vehicles/Vehicle-Detail?vehicleId=11410

日産が米国でインフィニティのフラグシップセダンを公開!

日産自動車が米カリフォルニア州で開催される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で、「インフィニティ Q80インスピレーション」を公開すると発表しました。

Infiniti_Q80

クーペのようなエレガントさを備えたインフィニティのフラッグシップモデルで、米国では初公開となります。

全長5,060mm、全幅2,010mm、全高1,340mmと、同社の現行「シーマ」に迫る堂々としたボディサイズを持つ4ドアセダンとなっており、カーボンファイバーやアルミ、レザーなどの素材を使用するなど、最高の品質を追求したといいます。

ハイブリッドシステムを採用しており、新型「Q60」や「Q50」改良新型に搭載された3.0L V6ツインターボエンジンを搭載、モーターとの組み合わせによるシステム出力は550hpに達しています。

駆動方式はFRと4WDを切り替えられる仕組みになっており、燃費性能は、欧州複合モードで18.2km/L。

インテリアは、独立4シーターとなっており、運転席や助手席にHUD(ヘッドアップディスプレイ)が装備されています。

Infiniti_Q80

ルノー出身で現在はインフィニティ副社長のフランソワ・バンコン氏によれば、「同モデルはプレミアムセダンの新境地を開拓するもので、これまでの伝統的な高級セダンではない」とした上で、「製品化の意図を持ったインフィニティの野望を示唆するモデル」と説明。

Infiniti_Q80

また「インフィニティ・ブランドのプレミアムカーにとって、自動運転機能は不可欠」としており、日産がセレナ以降、各車種に展開中のドライバー支援システムにも注目が集まりそうです。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

新型・セレナは「プロパイロット」搭載でドライブがココまで変わる!【動画】
http://clicccar.com/2016/08/14/392611/

「新型」日産・セレナの登場でミニバン市場はこう変わる!
http://clicccar.com/2016/08/10/392078/

日産が「e-POWER」システム搭載の新型「ノート」発売? 自動運転車も投入!
http://clicccar.com/2016/06/28/381908/

日産が高速道路での「自動運転」機能搭載車を年内に発売!
http://clicccar.com/2016/03/05/358508/

運転能力に過信?高齢者層増大で「自動運転」実現急務 !
http://clicccar.com/2016/02/04/352299/

現在の「BC戦争」はいかに?プレミオ/アリオンと日産・シルフィを比べてみると…

1960年代を中心に「BC戦争」というB(日産ブルーバード)、C(トヨタ・コロナ)の激しい販売競争がありました。

1972年生まれの私にとっては、かつてそんなことがあったのか、という逸話のひとつでしかありませんが、セダン全盛期の「隣のクルマが小さく見えます」という日産サニーのコピー(対トヨタ・カローラ)とともに記憶に残るキーワードのひとつ。

20160701Toyota Premio vs Nissan006

トヨタ・プレミオ/アリオンは5ナンバーサイズ枠にこだわっていて、一方の日産シルフィは、2000年に初代ブルーバード・シルフィとしてブルーバードの名を冠していました。現在の3代目は2012年に登場し、シルフィという車名になっています。

現行シルフィが3ナンバー枠に拡大されたため、サイズの比較では若干異なるものの、実際の販売現場では互いに意識しあう関係ではないでしょうか。

プレミオは全長4595×全幅1695×全高1475mm(FF)、ホイールベースは2700mmで、最小回転半径は5.3m。

20160701Toyota Premio vs Nissan008 20160701Toyota Premio vs Nissan009

ライバルのシルフィは、全長4675×全幅1760×全高1495mm(Sツーリング)で、ホイールベースはこちらも2700mm。最小回転半径は5.2m。

ただし、シルフィ・Sツーリングの全長は、エアロパーツ装着により長くなっていて、ほかのグレードは全長4615mmとプレミオ/アリオンよりも20mm長いだけ。

両モデルを並べると、ワイドかつ伸びやかなシルフィの存在感が上回っているように見えます。しかし、プレミオ/アリオンはマイナーチェンジにより5ナンバー枠という限られたサイズの中で最大限、質感の向上が果たされているだけあって、高級感というキーワードでは明らかに上回っている印象を受けます。

内装も質感ではプレミオ/アリオンが一歩リード。ただし、シルフィがSツーリングというスポーティなグレードであったこともあり、シンプルな仕上がりで、こちらの方が好みという方もいそう。

20160701Toyota Premio vs Nissan016 (1) 20160701Toyota Premio vs Nissan017

走りでは、1.8L+CVTのみのシルフィに対して、プレミオ/アリオンは1.5L、1.8L、2.0Lと3種類のガソリンエンジンを用意しているのが強みでしょう。

試乗したのは2.0L(2.0G EXパッケージ)で、152ps/193Nmというスペック。動力性能は街中はもちろん、高速道路でも不足はないはずで、乗り心地の良さや素直なハンドリング性能が印象的です。プラットフォームが初代プリウスをベースとしたものと考えると上出来。

20160701Toyota Premio vs Nissan045

一方のシルフィも、ロードノイズがやや高い点を除けば走りは悪くありません。とくに高速域の直進安定性の高さが光ります。また、131ps/174Nmという1.8Lエンジンは、高速道路で流れをリードすることもできるなど必要十分といえる動力性能を確保しています。

20160701Toyota Premio vs Nissan05420160701Toyota Premio vs Nissan06120160701Toyota Premio vs Nissan023 20160701Toyota Premio vs Nissan031

商品力では今夏マイナーチェンジを受けたばかりで、「Toyota Safety Sense C」を標準化したプレミオ/アリオンに軍配が上がりそうですが、居住性や積載性を重視するなら荷室容量510Lを確保するシルフィが適任かもしれません(プレミオ/アリオンは491L)。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

圧縮比が8から14まで可変する日産の次世代ターボエンジンはパリサロンで発表

日産の上級ブランド「インフィニティ」のモデルに搭載される『VC-T(バリアブル・コンプレッション・ターボチャージド)』・2.0リッター4気筒エンジンの単体画像が公開されています。

2016年9月のパリサロン(パリ・モーターショー)にて世界初公開される予定のVC-Tエンジン。日産が20年以上も開発を続けてきた「可変圧縮比エンジン」がついに実現するのです。

INFINITI four-cylinder turbocharged gasoline VC-T engine

10年以上前にリンク式コンロッドを用いた可変圧縮比エンジンの技術発表をしている日産ですが、今度のVC-Tエンジンについては、圧縮比が8から14の間で可変できるという数値が公開されているくらいで、具体的な機構についてはパリサロンでプレゼンテーションする予定となっています。

なお、圧縮比の低い状態はハイパフォーマンスを発揮するため、高い状態は高効率を可能にするためと、可変圧縮比のメリットを説明しています。

環境と動力性能を両立できる新世代エンジンは、まさにインフィニティという上級ブランドにふさわしいパワートレインとなるということなのでしょう。

INFINITI four-cylinder turbocharged gasoline VC-T engine

(山本晋也)

新型・セレナは「プロパイロット」搭載でドライブがココまで変わる!

日産自動車の国内中核モデルとして長年ファミリー層を中心に多くのユーザーに支持され、1991年の初代モデル発売以来、累計150万台以上を販売して来た「セレナ」。

NISSAN_SERENA

8月下旬にフルモデルチェンジを予定している5代目では、日産が独自に開発した国産車初、ミニバンでは世界初となる運転支援機能「プロパイロット(ProPILOT)」を装備しています。

高速道路の単一車線内で、カーブ走行を含め、常に前走車との車間距離を保持しながら、追従走行することが可能となっています。

NISSAN_ProPILOT

設定した車速(約30〜100km/h)を上限に、アクセル、ブレーキ操作はもちろん、車線中央を走行するようにステアリング操作をアシスト。特に発進・停止を繰り返すような渋滞発生時にはドライバーの疲労低減に大きく寄与しそうです。

なお、「プロパイロット」作動中にステアリングから手を離した際には、2段階でワーニングが発せられ、従わない場合には最終的にシステムを解除する仕組みになっています。

今回搭載されるのは「プロパイロット1.0」ですが、2018年には「プロパイロット2.0」へバージョンアップ。車線変更を含む、複数レーンでの自律走行が可能になるようです。

NISSAN_ProPILOT

さらに2020年には「プロパイロット3.0」に進化、ドライバーの介入無しで市街地での交差点・信号停止・自動合流・自動分岐・インターチェンジ走行が可能になる模様。

一方、2017年初頭には、次期「ノート」で採用が予想される、発電用小型エンジンを搭載したレンジエクステンダー方式のEV(e-POWER)もラインナップされるとの噂もあり、同車の今後の展開が注目されます。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

「新型」日産・セレナの登場でミニバン市場はこう変わる!
http://clicccar.com/2016/08/10/392078/

日産が「e-POWER」システム搭載の新型「ノート」発売? 自動運転車も投入!
http://clicccar.com/2016/06/28/381908/

日産が高速道路での「自動運転」機能搭載車を年内に発売!
http://clicccar.com/2016/03/05/358508/

運転能力に過信?高齢者層増大で「自動運転」実現急務 !
http://clicccar.com/2016/02/04/352299/

日産は「自動運転」の市場投入で一歩先を行く!
http://clicccar.com/2015/11/09/338761/

日産の栃木工場で海外向けスポーツクーペの生産を開始

日産の高級ブランドといえる「インフィニティ」、その新型スポーツクーペとなる「Q60」の生産が本格的に始まりました。

海外向けに展開している同ブランドですが、生産を支えるのは日本の匠。業界最高レベルという生産ラインは、栃木の工場に置かれているのです。

160810-02-05-1200x800

ダイナミックで官能的とさえいえるボディラインを実現するために、プレスボディ加工技術や樹脂製トランクリッドなど、生産・組立工程において改良されたラインになっているといいます。

さらに、新色の『ダイナミック・サンドストーン・レッド』のために、専用塗装ブースが設置されたというのも、生産技術面でのトピックということです。

そして、プレミアムカーであるインフィニティの生産を担当するのは、栃木工場4500名のスタッフから厳選された216名の熟練した職人。匠と呼ばれる人々によって、その高品質は支えられているのです。

(山本晋也)

日産エルグランド・ライダーにオーテック30周年記念車。価格は426万600円から

日産のカスタムカーや福祉車両、特装車などを生み出したきたオーテックジャパンが創立30周年。それを記念した特別仕様車がエルグランドにも登場です。

エルグランドの特別仕様車は、キング・オブ・ミニバンのカスタム仕様「エルグランド・ライダー」をベースにした「Rider “AUTECH 30th Anniversary”」。

160809-01-02-1200x559

特別装備での注目は、ギャザー入りブラック/ホワイトレザーシートなどによるハイコントラストレザーインテリア。

エクステリアでは、ダーククロムフロントグリル、ダーククロムバンパーグリル、ダーククロムヘッドランプフィニッシャー、リヤコンビネーションランプ(クリアブラックタイプ)、専用LEDフォグランプで差別化を図ります。

さらに、内外装に「30th Anniverary」と入った専用エンブレムが与えらているのも、アニバーサリーモデルらしいところ。

2.5リッター、3.5リッターのいずれにも設定されるアニバーサリーモデルのメーカー希望小売価格は、426万600円〜518万4000円(それぞれ2WD/4WDを設定)。

さらに、300馬力にパワーアップされたRider HIGH PERFORMANCE SPECにも30周年記念車を設定、こちらのメーカー希望小売価格は538万9200円となっています。

(山本晋也)

日産・エクストレイルに本革シートのオーテック30周年記念車が登場

日産車の特装車やカスタマイズカーなどを長年にわたって担ってきたオーテックジャパンは、2016年に創立30周年。

その記念すべきアニバーサリーイヤーを祝う特別仕様車が、エクストレイルに登場です。

160809-01-07-1200x1199

LEDヘッドランプや専用フロントバンパーなどで差別化したエクストレイル「モード・プレミア」をベースに、30周年を記念した特別仕様車「AUTECH 30th Anniversary」が設定されました。

アニバーサリーモデルだけの主な装備は、ブラック本革シートのほか、ダーククロムフロントグリル、専用ダーククロムバンパーフィニッシャー、専用LEDフォグランプ、専用エンブレム(30th Anniversary)などとなっています。

2.0リッターエンジン(5人乗り/7人乗り)とハイブリッド(5人乗り)に設定され、駆動方式は2WDと4WDをラインナップ。メーカー希望小売価格は、239万1120円〜356万7240円となっています。

(山本晋也)

日産がプロパイロット搭載の新型「スカイラインクーペ」を年内発売か?

日産自動車が8月10日、デトロイトショー2016でワールドプレミアした「インフィニティQ60スポーツクーペ」(国内:スカイライン・クーペ予想)の本格生産を栃木工場で開始したと発表しました。

NISSAN_SKYLINE_Coupe

栃木工場では同車の生産に向け、4,500名の中から216名の高度な技能を有する熟練の職人である「匠」を選出。プレミアムカーの生産に関する特別な訓練を実施し、その「匠」の中から選出された6名が「マイスター」として生産に関わるあらゆる面を監督しているそうです。

新たに開発した新色「ダイナミック・サンドストーン・レッド」の塗装のために、専用の塗装ブースを導入したそうで、艶のある深い赤色の仕上げに際し、機械と人間の手による塗装を組み合わせた新工法を採用。

NISSAN_SKYLINE_Coupe

このダイナミック・サンドストーン・レッド塗装工程は、数百種類の塗料配合・塗布方法をテストして生まれたもので、塗膜厚さや品質をより緻密に管理しているそうです。

ピンと張った筋肉質のボディデザインを表現すべく、深いボディプレス加工技術を採用するとともに、トランクリッドには樹脂製の外板にスチール製のフレームを組み合せた世界初の構造を採用。

NISSAN_SKYLINE_Coupe

リヤスポイラーをトランクリッドと一体成形するなどの工夫が織り込まれています。

エンジンは2.0L直4ターボ(211ps)と、新設計の 3.0L V6ツインターボ(305ps/405ps)をラインナップ。ミッションは7速ATを採用。

NISSAN_SKYLINE_Coupe

駆動システムにはオプションでFRベースのAWDシステムを採用、ハンドリング性能と乗り心地を高次元でバランスさせる新設計の「ダイナミック・デジタル・サスペンション」を用意。

第2世代の「ダイレクト アダプティブ ステアリング」の採用により、操縦性能を高めており、より自然なステアリングフィールとフィードバックを実現しています。

NISSAN_SKYLINE_CoupeMercedes-Benz_C-Class_CoupeNISSAN_SKYLINE_CoupeMercedes-Benz_C-Class_Coupe

2010年4月以降、ダイムラーと提携関係にある同社だけに、デザイン的にメルセデス・ベンツCクラス・クーペとの類似点がみられるのも興味深いところ。

米国では今秋発売(車両価格400〜600万円)、日本でも年内に発売される可能性がありそうです。

さらに、セレナに初採用される「プロパイロット」搭載の噂もあるようで、同車に関する今後の情報が待たれます。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

【関連記事】

「新型」日産・セレナの登場でミニバン市場はこう変わる!
http://clicccar.com/2016/08/10/392078/

日産の新型V6エンジン搭載のクーペ初公開、日本ではスカイラインになる?
http://clicccar.com/2016/01/14/347634/

「新型」日産・セレナの登場でミニバン市場はこう変わる!

初代モデルの発売以来、累計150万台以上を販売して来た日産自動車のミニバン「セレナ(SERENA)」ですが、いよいよ8月下旬に5代目が登場しようとしています。

NISSAN_SERENA

同車は国内ミニバン市場において、2013年に販売台数No.1の座を獲得(9.6万台)。

その後、2014年にはトヨタ「ヴォクシー」のフルモデルチェンジに伴い、2位(7.7万台)に、2015年にはトヨタ「シエンタ」の登場で3位(6.2万台)へと後退したものの、一貫して上位をキープし続けている人気モデル。

NISSAN_SERENA

そこで5代目ではミニバン販売TOPの座奪還に向けて、国内初となる先進の運転支援機能「プロパイロット」を搭載、一気に巻き返しに出ようとしています。

NISSAN_SERENA

新型セレナに搭載されるこの「プロパイロット」は同社が2016年、2018年、2020年と段階を踏んで実用化を目指している自動運転システムの第一弾となるもの。

設定した車速を上限に車間距離を保ち、車線中央を維持するようにステアリングを制御、渋滞時のステアリング、アクセル、ブレーキの全てを自動化しており、ドライブにおける疲労感軽減に大きな威力を発揮しそう。

新型セレナではプラットフォームを現行モデルからキャリーオーバーしており、乗り込み易さでは超低床フロアを採用しているトヨタ「ヴォクシー」に軍配が上がりそうですが、先進の運転支援システム「プロパイロット」搭載による商品力の向上により、ライバルに対して大きなアドバンテージを持つことになります。

TOYOTA_VOXYHONDA_STEP_WAGON

おりしもマツダのミニバン販売が他社に押されて低迷しており、今年の2月末には、2017年を目処にSUV開発に専念するとの情報が新聞報道で伝えられるなど、今後のミニバン販売競争はトヨタ、日産、ホンダの3強で繰り広げられる様相となっています。

NISSAN_SERENA

そうした中、スッキリとしたエクステリア・デザインを継承、日本初となる高度運転支援システム搭載モデルを300万円以下の車両価格に抑え、8月24日に発売するとみられる「新型セレナ」に大きな注目が集まります。

Avanti Yasunori・画像:日産自動車)

日産マーチ・次期型、新たなるプロトタイプをキャッチ!本物パーツ装着で「擬装返り」か?

日産の人気コンパクト・ハッチバック『マーチ』次期型の、新たなプロトタイプをカメラが捉えました。

Nissan Micra 002

通常、新型プロトタイプは、捕捉される度に擬装が軽くなっていくものですが、今回捉えた試作車は以前より擬装が重くなる「擬装返り」しています。

Nissan Micra 009

前回、むき出しだったヘッドライトはダミーで、このプロトタイプには本物のヘッドライトが装着されている可能性が高いです。

また、ヘッドライトの上部に怪しいボックス、ルーフレールの部分にも謎のパネルが装されています。コンセプトモデル「スウェイ」の立体感のあるデザインを隠しているのか、気になる所です。

ディテールこそ、「スウェイ」と異なるデザインが採用される可能性は高いですが、「Vモーショングリル」を始め、サイドの流れるようなプレスライン、ルーフラインの傾斜などは酷似しており、かなりスポーティーで刺激的なデザインが期待出来そうです。

パワーユニットは1.2リットル直列3気筒ターボが予想され、ワールドプレミアは早ければ2016年内、遅れれば2017年になりそうです。

(APOLLO)

「ニッサン ブレードグライダー」の最新版がオリンピックの開催地ブラジルで公開

2013年の東京モーターショーで披露されたEVコンセプトカーの「ニッサン ブレードグライダー」。2016年8月4日に、オリンピックが開催されるブラジルのリオデジャネイロで最新のプロトタイプが公開されました。

160805-01-04-1200x800

車名からも想像できるように「滑走するように走るクルマ」がテーマ。何といっても外観で目を惹くのは、超ナローのフロントトレッドと、高い空力性能と安定したハンドリングを実現するというワイドなリヤトレッド。

矢先形状の車体部分に設置された運転席には、広々としたレッグルームが広がり、コックピットは継ぎ目のないウィンドスクリーンを採用。3シーターのどこに座ってもパノラミックな景色が楽しめるそうです。

160805-01-11-1200x800

また、同車専用のステアリングコントローラーには、バッテリー残量、速度、回生モード、トルクマップなどを表示する最新型ディスプレイを搭載。

160805-01-10-1200x644

さらに、センターディスプレーの左右に配された2つのスクリーンには、フロントホイール後方に搭載したカメラにより、斜め後ろの映像が映し出されます。カメラはドアミラーの役割も果たすだけでなく、空力性能の向上にも貢献します。

160805-01-07-1200x800

技術面のトピックスは、英国のWilliams Advanced Engineering(ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング)が開発したバッテリー(5個の電池モジュールから構成する220kWのリチウムイオンバッテリー)、モーター技術を動力源としている点で、左右のタイヤに設置された130kWの電気モーターにより後輪を駆動。

160805-01-06-1200x800

「滑走するように走るクルマ」を掲げるだけに、プロトタイプの最高時速は190km/hに達し、0-100km/h(62mph)加速は5秒を切るそうです。なお、同コンセプトカーの1台はオリンピック・パーク内に常設展示され、もう1台をメディアやVIPの試乗に使用する予定となっています。

(塚田勝弘)

西部警察で活躍した劇中車が小樽で揃って見られるのもあと1年!

2016年8月1日ショッキングなニュースが舞い込んできました。

北海道小樽市の観光名所として知られる「石原裕次郎記念館」が、施設の老朽化などを理由に来年の夏に閉館されることになったのです。

PHOTO_001

湘南のイメージの強い石原裕次郎さんですが、幼少期に小樽で過ごしたことあった縁もあり1991年に記念館が開館しました。石原裕次郎さんの愛車をはじめ、ヒット曲のレコードジャケットや出演したドラマで使用されたクルマなど、およそ2万点が展示されています。

その展示物の中には、40代以上の男性が学生時代に興奮して見ていた西部警察の劇中車があるのです。

西部警察は、1979年10月から1984年10月までテレビ朝日系で全3シリーズが放送された石原プロモーションが製作したテレビドラマ。現在では考えられないようなカーアクションと銃撃戦、そして爆破が見どころのかなりバイオレンスな刑事ドラマでした。

その西部警察の主役である大門軍団が悪質な犯罪者と戦うために設計された特殊捜査車両が、小樽の石原裕次郎博物館で2011年6月から展示されていました。

2代目の日産S130フェアレディZをベースとした「スーパーZ」はガルウィングを採用し、軍団を率いる渡哲也演じる大門圭介の愛車として西部警察パート2第15話からパート3の最終回まで活躍しました。

Z

スカイライン

そしてスーパーZと同じ回から登場したのが「マシンRS」です。

6代目スカイライン・R30型をベースとした特殊捜査車両で、捜査用コンピューターを助手席に搭載していました。このマシンRSは2L直列DOHCエンジンを搭載しています。

さらに西部警察パート3第16話からはターボエンジンを搭載したRS-1、RS-2がラインナップに追加され、マシンRSはRS-3として登場します。

アフターバーナーやマシンガンを搭載したRS-1は攻撃車。RS-2は情報収集車、そしてRS-3は情報分析車として位置づけられ活躍しました。

R30型の前期型は西部警察の影響で赤黒のツートンボディが大人気で、レプリカを作るツワモノも多いですが、劇中の東京駅丸の内口でのフォーメーションによる走行は現在では絶対不可能です。

ガゼール

そして石原裕次郎が演じた小暮課長の愛車ガゼールのオープンカーも展示されています。

ラインナップにないオープンカーで、芝浦のヤナセ本社前で運転中に自動車電話を使う小暮課長の姿を羨望のまなざしで見た人は多いはず。

さらに、鳩村刑事の愛車だったスズキ・カタナも展示されるなど、当時西部警察に熱狂した人なら一度は行きたい場所。私もいまだに再放送で西部警察を見ています。

来年夏の閉館までに一度は足を運んで、大門軍団の愛車を見学してくるのはいかがでしょうか。

(萩原文博)

元初代プリウス開発者が精査した三菱自動車の開発実態は?

前東京高検検事長で弁護士の渡辺恵一氏を委員長に、委員として2名の弁護士と、元トヨタ自動車の理事、八重樫(やえがし)武久氏を含む4名で構成する特別調査委員会が、8月2日に三菱自動車の燃費不正に関する調査結果を公表しました。

NIKKEI

同委員会は本問題の事実関係や原因・背景等を明らかにするため、今年の4月25日から7月31日までの約3ヶ月に渡り、MMC(三菱自)、NMKV(日産/三菱自合弁会社)、MAE(三菱自動車エンジニアリング) の役職員、及び元役職員等154名を対象に実施した計236回に上る聞き取り調査をベースに、綿密に開発の実態を調査したそうです。

今回、調査委員として抜擢された八重樫氏は、入社以来一貫してトヨタのクリーンエンジンの研究開発に携わり、初代プリウスのハイブリッドシステム開発を担った中心人物で、「ハイブリッドの父」の異名を持つエンジン開発のベテラン。

そうした経歴を持つ元トヨタ自動車の八重樫氏らが今回の調査で目の当りにした同社の開発現場の実態はどのようなものだったのか、さっそく見て行きましょう。

報告書によると、下記に列記した原因/背景の根本まで掘り下げて分析した結果、「MMCの経営陣及び開発本部の幹部による開発現場に対する関心が低く、開発本部の各部署も自分たちの業務にしか関心を持っていない」と指摘しています。

・性能実験部、認証試験が燃費の責任を負う仕組み
・開発工数が慢性的に不足
・性能実験部が「できない」と言えない風土
・法規違反に対する意識が希薄
・不正行為が長年にわたり改められない
・技術的議論が不十分なまま燃費目標を設定
・会社一体となってクルマを作り、売るという意識が欠如

そうした背景から「MMC全体で自動車開発に対する理念の共有がなされず、全社一体となって自動車開発に取り組む姿勢が欠けていたことが本質的な原因」とした上で、今回の問題は「性能実験部及び認証試験グループ、更には開発本部だけの問題ではなく、経営陣をはじめとするMMC全体の問題」と結論付けています。

具体的には、MMCの開発業務について、経営陣が開発の実情や実力を十分に把握していたとはいい難く、開発の現場にほぼ任せきりにしており、開発責任者や開発本部の幹部らも、性能実験部の業務に対し、無理解、無関心だったと指摘。

性能実験部では、一足先に「惰行法」が採用されたディーゼル車の走行抵抗測定に関する経験から、法律に定める「惰行法」による走行抵抗測定が煩雑といった認識が浸透。

少なくとも1991年12月頃には「高速惰行法」による走行抵抗データを使って、あたかも「惰行法」によって走行抵抗を測定したかのような負荷設定記録を作成するようになっていたそうです。

MitsubishiMitsubishi

このような状況になってしまったのは、各車種の開発チームや担当者の意思によるものだった可能性が高く、その一方で、上司は部下が法規を遵守して業務を行うように、指導や監督をしていた形跡すら見当たらなかったといいます。

おりしも、2005年に当時の新入社員が評価方法の違法性を指摘、また2011年に実施したコンプライアンス(法令順守)に関する社内アンケートでも「報告書の虚偽」との指摘があったにもかかわらず放置しており、一連のリコール隠し問題が発覚以降も全く自浄作用が働かなかったことを考慮すると、この根深い状況は一筋縄では解決しそうに無さそうです。

NIKKEI

そこで先頃、三菱自動車を傘下に収めた日産自動車は、山下光彦副社長(開発・品質担当)を事業構造改革の責任者として早々に送り込んでおり、既に開発部門の多層からなる階層のフラット化や、会議体の見直しなどに着手しているそうです。

7月からは開発部門でエンジニアリング子会社を含む約5,000人を対象にした「パフォーマンス・レボリューション活動」をスタート。

新聞報道などによると、部長以上を対象に、現状認識、会社の実態等について議論を開始しており、9月末を目処に課題をまとめ、共通認識を高めた上で、具体的な解決策を見出し、その後、社内全体の活動に拡大していく計画とか。

開発の現場で役員が議論に参加する仕組みづくりも併せて進めているようです。

山下副社長の今後の手腕が注目されるとともに、「外部の目」として日産自動車本体のサポートも引き続き、必須の状況と言えそうです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

三菱自動車、燃費不正問題に関するユーザーへの賠償額を公表
http://clicccar.com/2016/06/19/379750/

三菱自動車、日産との提携を正式に締結!「外の目」で体制立て直しへ
http://clicccar.com/2016/05/31/374144/

日産がいち早く発動した三菱自とのシナジー戦略とは?
http://clicccar.com/2016/05/25/373756/

三菱自 相川社長が辞任表明、益子会長が当面留任する背景は?
http://clicccar.com/2016/05/18/372721/

日産が三菱自動車の燃費不正解明を待たずに買収に動いた訳は?
http://clicccar.com/2016/05/13/371662/

日産フェアレディZ次世代型、2017年東京モーターショーで登場か!?

一時は存続も危ぶまれた、日産のピュアスポーツ『フェアレディZ』次世代「Z35型」に関するリポートが、レンダリングスケッチと共に欧州から届きました。

Z

昨年までの情報では、コンポーネンツからパワーユニットまで、メルセデスベンツと共有するという情報もありましたが、やはり日産独自のスポーツモデルとしてデビューが濃厚となっています。

Nissan-370Z-2013-1280-04

パワーユニットは、最高馬力400psが見込まれる日産の新世代3リットル「VR30DETT型」V6DOHCツインターボエンジンの可能性高いようです。

フロントマスクはメッキVモーショングリルに現行モデルのブーメランヘッドライトとは異なる、鋭く釣り上がるヘッドライトや迫力を増すパワーバルジも描かれています。

ワールドプレミアは2017年東京モーターショーが有力で、2018年からの発売が予想されています。

(APOLLO)

日産、新たな3列7人乗りクロスオーバーSUVを開発!?

日産が新たに開発していると思われる、ミッドサイズSUVのプロトタイプをカメラがキャッチしました。

IMG_9414

捉えたプロトタイプは、ピックアップトラック『NP300ナバラ』と、クロスオーバーSUV『パスファインダー』をミックスさせた、ミュールボディの試作車のようですが、果たしてその正体は…

IMG_9425

リポートによれば、「NP300ナバラ」をベースに日産が新たに開発していると見られる、3列7人乗りの新型のクロスオーバーSUVで、名称は現時点で未定ながら、『ナバラSUV』と名乗る可能性もあるようです。

パワートレインは2.5リットル直列4気筒ツインターボエンジンを搭載し、最高馬力は220ps程度と予想されているます。

気になる日本発売に関しての情報はないですが、手薄なクロスオーバーSUVだけに、可能性は十分あると思われます。

(APOLLO)

日産ジューク「15RX Vセレクション」に、オプションパッケージ「Style Blackパッケージ」を設定

日産・ジュークの「15RX Vセレクション」に、キセノンヘッドランプとブラック17インチアルミホイールを組み合わせたオプションパッケージ「Style Blackパッケージ」が設定されました。

5cc40b8b9266b55e95684dd681864fdf33212886 (1)a

今回、設定されたオプションパッケージ「Style Blackパッケージ」は、夜間の視認性を向上させる「キセノンヘッドランプ」と、これまで「パーソナライゼーション」専用オプションでしか選べなかった「ブラック17インチアルミホイール」を組み合わせて、83,160円(税込み)というお買得な価格設定としたことが特徴です。

5cc40b8b9266b55e95684dd681864fdf33212886

日産「ジューク」は、国内販売で販売台数が伸びているコンパクトSUVの分野に先鞭をつけて登場しましたが、昨年度はホンダ「ヴェゼル」にSUV販売台数トップの座を奪われています。

そこで、ジュークで最も人気のあるグレード「15RX Vセレクション」に「Style Blackパッケージ」を投入して、過熱する国内コンパクトSUV市場でジュークの販売をてこ入れする狙いがあるものと見られます。

(山内 博・画像:日産自動車)

これが日産マーチ次期型か? レンダリングCGが流出!?

ルノー・日産は7月5日、2016年中に日産マーチ次期型の生産を開始することを発表しましたが、その市販モデルと思われる次世代型のレンダリングCGが欧州エージェントから流出しました。

Spy-Shots of Cars - This image has been optimized for a calibrated screen with a Gamma of 2.2 and a colour temperature og 6500°K

6年振りのフルモデルチェンジとなるこの第5世代モデルは、これまでのマーチのイメージを刷新、2015年のジュネーブモーターショーで公開された『スウェイ』コンセプトをベースに、シャープでスポーティなフロントマスクとなっています。

Nissan-Sway_Concept-2015-1280-04

これまで、プロトタイプもキャッチしていますが、このCG通りのデザインなら、試作車のヘッドライトはダミーだった可能性もあります。

パワートレインは最高馬力82psを発揮する、1.2リットル直列3気筒エンジンを搭載、JC08モード燃費は25km/L以上が期待できそうです。

ワールドプレミアは2016年パリモーターショーが有力です。

(APOLLO)

インテリアの質感向上は必見!! 大人になった新型「NISSAN GT-R」─ 画像ギャラリー

内・外装デザインだけでなく、メカニズムにも手を入れるビッグマイナーチェンジを受けた日産GT-R。概要はこちらでお届けしましたが、「NISSAN GT-R」の2017年モデルは熟成の極みという域に達しています。

NISSAN_GT_R_39

日産のデザインシグネチャーである「Vモーション」を採用したフロントマスクが目を惹きますが、新しいエンジンフードは、剛性向上で超高速域での変形を抑制し、新形状のフロントスポイラーもレースカー直系を感じさせるデザインになっています。

もちろん、高レベルのダウンフォースを維持するのに貢献するなど、性能面でも向上が図られています。

サイドビューは、GT-Rらしい流線型フォルムはそのままに空気の流れを改善させるため、サイドシル前部を張り出させているのが特徴。

リヤはトレードマークであるリング型テールランプを引き続き採用するも、新形状のサイドアウトレットなどにより、リヤまわりにも空気の流れを改善させるためのデザインになっています。

NISSAN_GT_R_06

オーディオとヒーターコントロールのダイヤルやノブ類は、本アルミ削り出しとすることで、高い精度感と高品質なクリック感を実現。エアコンの吹き出し口は、人間工学に基づいた優れた操作感を追求し、精緻かつアイコニックなデザインが目を惹きます。

NISSAN_GT_R_01

NISSAN_GT_R_11

また、プレミアムエディション専用のファッショナブルインテリアには、これまでの「アンバーレッド」、「アイボリー」に加え、プレミアム感が際立つ「タン」とスポーティ感を印象づける「アーバンブラック」の新色2色が追加され、計4色から選択できるようになっています。

NISSAN_GT_R_37

装備では、不快な音を低減しながらクリアで心地よいエキゾーストサウンドを実現し、軽量化にも貢献する新設計のチタン合金製マフラー(電子制御バルブ付)の採用が注目で、室内ではドライバーがエンジンサウンドを心地よく感じるよう音質をコントロールする「アクティブ・サウンド・コントロール」を採用し、1000万円級のプレミアム・スーパースポーツにふさわしいサウンドを実現。

NISSAN_GT_R_42

ボディカラーでは、カラーアルミを採用した鮮やかな新設定の「アルティメイトシャイニーオレンジ」が注目。上塗りに4層塗装を施し、上側のベースを半透明タイプとすることで、彩度の高さと色の深み感を強調。さらに、下側のベースには平滑性の高いカラーアルミを蒸着させることで、輝きを増すというボディカラーになっています。

また、2014年11月に発売された「Track edition engineered by nismo」を17年モデルでも継続設定し、最新の「NISSAN GT-R NISMO」のサスペンションとホイールを搭載。なお、発売日・価格などの詳細発表は今夏の予定とされています。

(塚田勝弘)

【関連記事】

大幅に進化した日産GT-Rの2017年モデルを発売開始
http://clicccar.com/?p=385391

大幅に進化した日産GT-Rの2017年モデルを発売開始

4月1日に先行公開された最新NISSAN GT-Rの発売が7月11日から開始されました。

2017年モデルは、2007年の発売以来、最大のビッグマイナーチェンジを受けたもので、内・外装だけでなく、メカニズムにも手が加えられています。

NISSAN_GT_R_06

まず外観では、フロントからリヤに至るまで大幅な変更がされていて、フロントは日産のデザインシグネチャーである「Vモーション」を採用するとともに、性能向上も実現。

マットクローム仕上げを施し、最新のメッシュパターンを採用した新デザインのフロントグリルは、開口部の拡大により冷却性能を向上させつつ、バンパーサイドの形状を最適化することで、従来の空気抵抗、ダウンフォースの維持を可能にしています。

NISSAN_GT_R_05

また、新デザインのシルバーフィニッシュのリヤディフューザーを囲むバンパー下部と、ボディカラーを分けるラインは、リヤビューをさらにワイドでアグレッシブに見せるために高い位置に変更されています。

NISSAN_GT_R_04

インテリアは質感向上がテーマ。インパネは、熟練の職人が高度な技術を用いて厳選した一枚革で仕立てられたナッパレザーに、精巧なステッチを施すという入念な仕上がりが見どころ。水平基調ながらもスポーツカーらしく、メーターからセンターコンソールまでドライバーを包み込むように配置することでドライバーオリエンテッドな空間が演出されています。

NISSAN_GT_R_01NISSAN_GT_R_03

ナビのディスプレイは7インチから8インチに拡大され、併せて大型のアイコンを採用することで、使い勝手と視認性を向上。また、カーボン製のセンターコンソール上に配置したマルチファンクションスイッチにより、ナビ機能を手元で操作することも可能です。

パドルシフトもステアリングホイール固定タイプに変更され、ドライバーが手を離すことなくシフトチェンジできる操舵角領域が拡大。さらに、操作力やストローク量だけでなく、音にまでこだわった改良も行われています。

エンジンは3.8Lの24バルブV6ツインターボですが、さらに高効率を追求することで、高出力と燃費性能を同時に向上。「GT-R NISMO」の技術を使った気筒別点火時期制御を採用することで、ノッキングの発生を抑え、燃費を損なうことなく最高出力 570ps/6800rpm、最大トルク637Nm/3300-5800rpmというアウトプットを得ています。

NISSAN_GT_R_02

また、改良型6速デュアルクラッチトランスミッションとの組み合わせにより、中速〜高速域においてスムーズな加速を実現しているそうで、日常的に多用するシーンでのドライビングフィールの向上は朗報といえそう。

快適性の向上も図られています。現行モデルよりもさらにスムーズな乗り心地を実現しているだけでなく、吸音材・遮音構造の徹底的な見直しによりキャビンのロードノイズや風切音を大幅に低減し、全速度域で高い静粛性を実現。

NISSAN_GT_R_07

さらに、エンジン始動時から低回転走行時の排気音を低減することが可能な「エキゾースト・サウンド・コントロール」を採用することで、夜間や住宅地など静かさが求められる時間帯、場所でも音を気にせずに走り出すことができるのも朗報と言えそう。

大きく進化した最新GT-Rの価格は、「GT-R Pure edition」が996万840円、「GT-R Black edition」が1186万9200円、「GT-R Premium edition」が1170万5040円です。

(塚田勝弘)

【関連記事】

インテリアの質感向上は必見!! 大人になった新型「NISSAN GT-R」─ 画像ギャラリー
http://clicccar.com/2016/07/11/385407/

日産・ラフェスタ ハイウェイスターが2WD全車に両側スライドドアを標準装備

プレマシーのOEM車である日産ラフェスタ ハイウェイスター。

供給元のマツダがミニバンから撤退するという一部報道もあるだけに、次期ラフェスタはどうなるのか、商用系をのぞく乗用ミニバンは、日産もエルグランドとセレナのみの品揃えになるのか気になるところです。

LAFESTA_Highstar_04

ラフェスタ ハイウェイスターとプレマシーの魅力のひとつに、BOX系ではないステーションワゴン派生型のようなスタイリッシュなフォルムでも両側スライドドアを実現している点があります。

7月5日に受けた一部改良では、2WD(FF)の全グレードに、ドアの開閉を楽にしてくれる電動スライドドアとスライドドアイージークロージャーを標準装備。

LAFESTA_Highstar_01

なお、上記の両装備は「ハイウェイスター」と「ハイウェイスターG」の助手席側に、「ハイウェイスターGスプレモ」には運転席、助手席の両側に標準装備されます。

LAFESTA_Highstar_02LAFESTA_Highstar_03

また、2WDの一部グレードにインテリジェントキー、キセノンヘッドランプを標準装備することで使い勝手を向上。さらに、ホワイト系のボディカラーに「スノーフレイクホワイトパール」を採用することで上質なエクステリアを加えています。

日産ラフェスタ ハイウェイスターの価格帯は、6ATの2WDが230万3640円〜270万円、4ATの4WDが237万6000円〜260万7120円です。

(塚田勝弘)

日産・GT-R次期型は650馬力のハイブリッドで東京五輪デビュー!?

日産は2016年3月のニューヨークモーターショーでR35『GT-R』改良新型を発表しましたが、次期型となる「R36」に関するレポートが欧州エージェントから届きました。

GTR1

エクステリアは2014年に公開された『2020ビジョンGTグランツーリスモ』コンセプトの意匠を継承しているようです。

確定デザインではないようですが、「Vモーション」とLEDヘッドライトを組み合わせたフロントマスクの可能性は高いと言えそうです。

Nissan-GT-R-2017-1280-01

注目のパワートレインは、2016年デトロイトモーターショーで公開された次世代3リットルV型6気筒ツインターボエンジンと、プラグインハイブリッドシステム「R-ハイブリッド」を組み合わせ、最高馬力は650psを叩き出すという情報が入っています。

ワールドプレミアは東京オリンピックで盛り上がる2020年が有力です。

(APOLLO)

日産が「e-POWER」システム搭載の新型「ノート」発売? 自動運転車も投入!

日産自動車が先頃開いた定時株主総会で、カルロス・ゴーンCEOが今年度に投入する新型車や新技術について説明しました。

NISSAN_2016

最新のハイブリッドパワートレーン「e-POWER」システムを搭載した新型コンパクトカーの国内導入を控えているとしており、航続距離の拡大と燃費向上を求めるユーザーのニーズに応え、EVの「リーフ」に匹敵する軽快な走りと、静粛性、優れた加速性能、低燃費を実現しているそうです。

各種情報によると、同車は日産が11月頃の投入を目指している「ノート」のHVモデルとみられ、発電専用のガソリンエンジンを搭載してモーターで走行するレンジエクステンダー方式を採用している模様。

この「e-POWER」システムは昨秋のフランクフルトモーターショーで同社が公開した「GRIPZコンセプト」に搭載されていたシステムで、「ノート」のビッグマイナーチェンジに合わせて市販化する計画のようです。

NISSAN_Gripz_Concept

さらに、単一車線での自動走行を実現する「プロパイロット」技術を他市場に先駆けて国内に投入することを発表。

これは、同社が2016年度末までに国内で販売する中核モデルの8割に搭載する既存の自動ブレーキ技術をさらに発展させたもの。

NISSAN_IDS_Concept

より安全で効率的なドライビングを提供するとしており、国内に投入後、米国、欧州、中国で商品化する計画のようです。

あわせて、「e-POWER」システム、「プロパイロット」技術を搭載した新型車を株主にひと足先に公開予定で、今年後半に発表会と試乗会を企画しているそうです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

日産が高速道路での「自動運転」機能搭載車を年内に発売!
http://clicccar.com/2016/03/05/358508/

運転能力に過信?高齢者層増大で「自動運転」実現急務 !
http://clicccar.com/2016/02/04/352299/

日産は「自動運転」の市場投入で一歩先を行く!
http://clicccar.com/2015/11/09/338761/

日産・マーチ後継モデル、ヘッドライトが見えた!

日産のBセグメント・ハッチバック・コンパクト『マーチ』の後継モデル試作車が再びカメラの前に現れたました。今度はヘッドライトやリアコンビランプの一部も確認ができ、そのディテールの一端が見えてきました。

IMG_2099

マーチの後継モデルに関しては、2015年のジュネーブモーターショーで公開された「スウェイ」コンセプトのデザインを、継承するのではと複数のメディアで報じられていますが、どうでしょうか。

IMG_2120

ヘッドライトはコンセプトモデルがシャープに細く切れ上がっているのに対し、こちらは上に向かって太く広がりを見せています。

「Vモーショングリル」は、コンセプトモデルは下部がバンパーまで大きく食い込んでいるのに対し、こちらは現行モデル程度の大きさのようです。

そのほか、コの字型だったリアコンビランプのデザインやツインエキゾーストパイプも変更されている様子で、どこまでデザインが採用されるか不明ですが、現行モデルよりかなりスポーティーになることは間違いなさそうです。

パワートレインは、1.2リットル3気筒ターボが予想され、市販モデルは2017年東京モーターショーでワールドプレミアが期待できそうです。

(APOLLO)

バイオエタノールを燃料に使った日産のレンジエクステンダーEV「e-Bio Fuel-Cell」は何がスゴイ?

SOFC(固体酸化物型燃料電池)の車載では世界初の試みとしている日産自動車の「e-Bio Fuel-Cell」。エタノール燃料を使った車上(水素)改質型のレンジエクステンダーEVという位置づけになります。

IMG_2091

今回の日産「e-Bio Fuel-Cell」のように、エタノールなどのアルコール燃料、ガソリンなどの炭化水素燃料を使った車上改質は、80年代後半から1990年代後半にかけて各自動車メーカーが研究してきました。

しかし、改質器の小型化や熱対策や耐久性、始動性や応答性などが解決できず、高純度の水素を使ったSOFC(固体高分子型燃料電池)へと収斂していったという流れがあります。

こうした課題は、日産が発表した「e-Bio Fuel-Cell」の課題でもあるのでしょうが、こちらでも紹介したように、FCスタックの熱対策や作動温度のさらなる低温下などにより、かつてとは状況が違うというのも「絵空事ではない」ことにつながっているようです。

IMG_2129

燃料となる100%エタノールやエタノール混合水は、ブラジル、アメリカ、タイなどの世界中で普及しているという状況もあります。

食料と競合してしまう(バイオエタノール生産か食料か)フード・コンフリクトという問題も、サトウキビなどの残渣からバイオエタノール生産に成功するなど、解決策も芽生えつつあります。

なお、エタノール混合水の比率は水が55%、エタノールが45%となっています。この比率は改質器でエタノール混合水から水素を取り出す際の化学式の主反応によるものだそうで、これ以上水の割合を増やしても反応はするが、効率が悪くなるそう。

IMG_2096

日産が発表した「e-Bio Fuel-Cell」は、100%エタノールもしくは水を混ぜたエタノール混合水を補給する燃料タンクが30L前後で済み、航続可能距離は600km以上。

60%前後という燃焼効率の高さも利点で、ガソリンエンジンが究極的には43〜44%というところを目指すとされていますから、1.5倍以上という効率の高さが目を惹きます。

日産の算出によると、Cセグメントクラスを前提としたランニングコスト(参考値)は、ガソリンエンジン車が9.0円/km、「e-Bio Fuel-Cell」が3.1円/km、EVが2.9円/kmと、EV並のコストで済むうえに、エタノール燃料もしくはエタノール混合水の補給もすぐ完了し、EVのように長時間充電する必要がありません。

ガソリンや水素よりもインフラの制約が低く、自分で補給することも難しくないため、日本だけでなく世界的にガソリンスタンドの減少にも対応できるほか、高純度の水素が必要なPFEC(固体高分子型燃料電池)を採用するトヨタMIRAIやホンダFCXクラリティなどのような高額な水素スタンドの必要もありません。

e_bio_fuell_cell_04

日産では、同システムを短距離走行、長時間使用のデリバティブ・ユースを想定。バッテリーEVを軸に、エタノール燃料を使ったレンジエクステンダーEVでトヨタやホンダなどの高純度水素を使ったFCVに対抗する構えを取りつつあるといえそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

【関連記事】

2020年にも実用化!? 商用バンを想定したバイオエタノール燃料使用の「e-Bio Fuel-Cell」技術
http://clicccar.com/?p=379044

2020年にも実用化!? バイオエタノール燃料使用の「e-Bio Fuel-Cell」技術

バッテリーEVを次世代エコカーの主軸に据えている日産自動車。

500km以上の航続可能距離を目指すなど、今後もバッテリーEVを主役と据えながらも、バイオエタノール燃料を使う、新しい燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」の技術を発表しました。

e_bio_fuell_cell_03

技術説明会では副社長の坂本秀行氏(下の写真左)、日産自動車 総合研究所所長の土井三浩氏(下の写真右)が同技術の利点などを解説。

e_bio_fuell_cell_02

「e-Bio Fuel-Cell」システムは、バイオエタノール燃料を使うレンジエクステンダーという位置づけで、同システムを積んだプロトタイプもテストされているそうで、「絵空事ではない」と強調しているのが印象的でした。

今回、日産が発表したのは、バイオエタノール(100%もしくは、水とエタノールの混合水)をタンクに補給し、改質器により水素に改質、SOFC(固体酸化物型燃料電池)と呼ぶFCスタックが発電を行ってバッテリーに蓄電し、モーターによる電動駆動するというシステム。

e_bio_fuell_cell_06

SOFC(固体酸化物型燃料電池)は、700〜1000℃(技術革新により年々下がっているが動作温度には700℃は必要)にもなる高温の固体電解質を使った燃料電池で、家庭用エネファームのひとつのタイプとしても採用。大阪ガスやトヨタ、アイシンなどにより化石燃料を使い、発電効率46.5%を実現しすでに市販化されています。

e_bio_fuell_cell_05

SOFCは、酸素と反応する燃料であれば発電し、トヨタMIRAIが採用するPEFC(固体高分子型燃料電池)のように高純度の水素が不要で、純度の低い水素でも発電でき、コンパクトな車載システムの設計が可能というのが利点です。

さらに、高温で作動するため希少金属を使った高活性な触媒も不要というメリットもあります。

しかし、SOFCは発電効率が一般的に40〜70%(日産の同システムは60%)といわれている高さが魅力でも、700℃にもなる高温への対策が課題でした。そこで、FCスタックの材料をセラミックから金属ベースに変更をもくろみ、その目処が経ってきたことが、今回の発表に至った理由のひとつのようです。

なお、熱源があることは、常温と700℃の間を行ったり来たりするため、スタックが割れてしまうというデメリットがあります。

逆にメリットは「熱源を持つ」という点。バッテリーEVがヒーターなどを使うと航続可能距離が急速に短くなってしまうことからも分かるように、熱源の確保に心配する必要がないという、長短を併せ持っているのも特徴です。

ほかにも長短いくつもありますが、別記事でもご紹介します。なお、市販化は2020年を目指し、デリバティブ・ユースの商用車などが想定しているそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

日産が燃料改質・固体酸化物型燃料電池を世界で初めてクルマに搭載!

日産自動車から、まったく新しい燃料電池自動車を生み出すテクノロジーが発表されました。それが、バイオエタノールから発電した電気で走行する燃料電池システム「e-Bio Fuel-Cell」です。

160614-01-05-1200x406

現在、トヨタやホンダが市販している燃料電池車は、水素を燃料とする固体高分子型燃料電池(PEFC)を搭載しています。一方、日産が発表した技術は、エタノールや天然ガスなどを改質する(水素を取り出す)ことで、燃料電池を動かそうというもの。

さらに燃料電池そのものも、常温域で動くPEFCではなく、固体酸化物型燃料電池(SOFC)としているのがポイントです。これまでSOFCは高温(700度以上)で作動する上、起動にも時間がかかる傾向にあり、移動体に使うには向いていないと言われていました。

160614-01-01-1200x649

しかし、エタノールなどの液体燃料を使うことで、燃料インフラの整備やタンクのコストなどでは大きなメリットがあります。とくに、サトウキビ由来のエタノールを自動車用燃料として利用しているブラジルなどでは、従来のインフラのまま利用できる燃料電池車となるといいます。

こうしたバイオ燃料は、実質的に大気中の二酸化炭素を増やさずに済む「カーボンニュートラル」を実現することも、「e-Bio Fuel-Cell」のメリットです。

さらにSOFCは、高温で作動するため高価なレアメタルを使った触媒が不要というのもコストや持続性において有利なシステム。また、一般にSOFCはPEFCに対して発電効率に優れているといのもアドバンテージといえそうです。

自動車の動力源として世界で初めてSOFCを車両に搭載するという「e-Bio Fuel-Cell」、まずは長時間連続稼働を前提とした商用車などでの活用が期待されます。

(山本晋也)

働く電気自動車「日産・e-NV200」の国内希望小売価格を値下げ

2016年6月1日、日産自動車株式会社は電気自動車「e-NV200」の販売価格を改定しました。

ME0-140910-05-1200x800

「e-NV200」は、すでに「LEAF(リーフ)」で電気自動車の分野で実績を上げていた日産が2014年10月に販売を開始したモデル。

多目的商用バンである「NV200 バネット」をベースにe-パワートレーンが搭載されているのですが、小型化と薄型化さらには搭載位置の工夫により、室内空間を損なうことなく実用性を維持しているのがポイントです。

ME0-140609-14-1200x586ME0-140609-15-1200x620ME0-140609-12-1200x618

また、電気自動車の強みである加速の力強さと走行時の静粛性も獲得。

従来のガソリンエンジンを用いる商用車と比較して、重量物となるバッテリーは床下に敷かれているため、車両の重心も低くなっており、走行時の安定性も高まっているほか、周辺騒音や環境への配慮の点でも企業のイメージアップに貢献するとのこと。

つまり、決められた用途で使われることが多い商用車にピッタリの長所が盛り沢山なのです。

満充電時での走行距離は190km。走行以外にもバッテリーに蓄えた電力は最大1500Wを取り出すことができるパワープラグ(100Vコンセント)を介して、屋外などでの電源提供や、災害時の非常用電源としても活用することもできます。

今回の価格の見直しは、バンおよびワゴンの全グレードが対象。

クリーンエネルギー自動車導入促進対策補助金(26万4000円)を利用すれば、最もお手頃な「VXルートバン」が303万円から購入が可能になります。

(今 総一郎)

「ギュ、バキ、ドン」!? ジムカーナチャンピオンに聞いた、リーフでタイム短縮のコツ。

前回の記事「日産リーフでジムカーナ。390kg軽いノートと勝負してあのCMを証明?」で、日産自動車広報部の期待通りに(クリッカー編集部の目論見が完全に外れて!?)、ノートよりも速いタイムでジムカーナを走った電気自動車のリーフ。

速いだけでなく楽しいってことは十分わかったんだけど、それだけで終われるわけがない。

S_IMG_9027

だって、クリッカーは常に読者の役に立ちたいと思っているから、記事を読んでリーフでジムカーナをしようという人のために、どうやったら人より速くリーフを走らせることができるのか?というコツくらいは聞いておかないと編集長が許してくれるわけがないってもんです。

……なんて思っていたら、ちょうどいい先生をスタッフの中に発見。

「日産自動車実験部でリーフ担当」と紹介されたちょっと怖そうな見た目の人(ああ書いちゃった!)、実は現役ジムカーナドライバーの顔も持つ河本晃一さん。2015年の全日本ジムカーナ選手権ではPN2クラスでシリーズ2位になった凄い人に、リーフを速く走らせるコツを聞いてみましたよ。

S_IMG_8979

「大事なことは、抑える(減速する)ところは抑えることです。音で言うと『ギュ、バキ、ドン』。ギュっと減速して速度を抑え、バキッと曲げる、そしてドン!と加速する。リーフの優れた加速を上手に生かすのがタイムアップの近道ですね。」

なるほど。減速してきちんと曲がり、リーフの鋭い立ち上がりを生かせばタイムが短縮できると。

タイムアタックの後に河本さんの助手席に乗せてもらいました。その動きのスムーズなことといったら、素人の僕とは次元違い(当たりまえだ!)。

LEAF_IMG_8929 LEAF_IMG_8969

コーナーを繋げるライン取りの滑らかさに感動しました。パイロンを抜けるときは、すでに2つくらい先のパイロンを見ているのだとか。視線も大事です。

そんな河本さんがリーフで走ったタイムは54秒46(ウェット)。同条件でのクリッカー編集部のタイムは59秒96。予想通りにぜんぜん違う(笑)。

ちなみにタイムアタック前にコースを歩いてまわるのですが「その時にコース図を見ているようではダメ。どんなライン取りでどう走るかイメージしながら歩くのはあたりまえ」なのだそうで。

ここだけのナイショですけど、ボクはその時コースを覚えるので精いっぱいでした。

S_IMG_9005

(クリッカー編集部)

【関連記事】
日産リーフでジムカーナ。390kg軽いノートと勝負してあのCMを証明?
http://clicccar.com/?p=375772

日産リーフでジムカーナ。390kg軽いノートと勝負して「あのCM」を証明!?

電気自動車って速いらしい ── という噂は電気自動車に乗ったことない人でもクルマ好きなら聞いたことはあるでしょうけれど、じゃあどのくらい速いかといえばそれを感覚で説明するのもまた難しい。

そこへ舞い込んできたのが「論より証拠。じゃあジムカーナでタイムを計ってみれば!」という日産自動車からのイベントへのお誘い。

それはやるしかないでしょ、白黒つけてやる!とばかりにやる気満々で出かけてきましたよ、クリッカー編集部も。

LEAF_IMG_8957

ルールを簡単に説明すると、
・コースは1分弱でまわる特設ジムカーナコース
・まずガソリン車のノートで練習兼アタック3本
・続いてリーフで練習走行1本
・リーフでタイムアタック2本

これでリーフとノートのタイムアタックをしようというわけ。

LEAF_IMG_8780 LEAF_IMG_8955

電気自動車のリーフは、パワーが109ps、トルクは254Nm。そして車両重量は1480kg。
対するノートはスーパーチャージャー付のエンジンを搭載したグレードで98ps、142Nm、車両重量1090kg。

比べると最高出力はほぼ同じだけどリーフはトルクが2倍弱。だけど390kgも重い。
果たして予想どおりリーフは速いのか?

というわけで、タイムアタック開始。

多分リーフのほうが速いんだろうけど、もしノートのほうが速かったらそれも面白いかな……記事的には、とひそかに思っていたのはここだけの内緒。

日産さん、そんな気持ちでタイムアタックしてごめんなさい(笑)

LEAF_IMG_9056

しかし残念なことに、そんな企みはリーフでスタートした瞬間に打ち砕かれた。
速いぞリーフ。この加速の伸びは何なんだ……。

というわけで、結果を報告しましょう。

クリッカーチームの記録(ベストタイム)は、
ノート(ガソリン車):1分3秒05
リーフ(電気自動車):59秒96

LEAF_IMG_8888

おっ……(悔しいけど!?)リーフのほうが速い!!

リーフがゼロヨンで180SXに勝つCMは決してオーバーじゃなかったんだ!!(←というのまでは検証できてないですね今回は)

いずれにせよ、リーフが遅くない(むしろ速い)というのを身をもって体感できた今回のジムカーナ対決。

なにが凄いかって、モーターが湧き出すように発生する大トルクを生かした加速ですよ。

もちろん単純な加速も驚いたんだけど、エンジンと違ってパワーバンドがないから立ち上がりがとにかく鋭い。

ガソリン車と違ってシフトダウンの必要もなく、スタビリティコントロール(VDC)をオフにしてロールを残したままフル加速すると、簡単にタイヤスモークを上げちゃうんだから駆動力はたいしたもの。

文句なしに速いよこれは。

S_IMG_8917 - コピー

そしてもうひとつ。

単に速いっていうだけでなく「抜群に気持ちよかった」のも今回のジムカーナを通じて強く感じたこと。低重心によるコーナリングの安定感、そして鋭くスムーズな加速が生む爽快感がその理由。

電気自動車じゃモータースポーツはできない!? 誰だそんなことを言っているのは!?

ボクはもう口が裂けても言いませんよ、絶対。

またやりたいなあ。

S_IMG_8999

(クリッカー編集部)

5月国内新車販売、登録車は6.6%増も軽自動車14.3%減!

自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)の発表によると、5月の軽自動車を含む国内の新車総販売台数は前年同月比1.2%減の33.2万台と、2ヶ月ぶりの前年割れとなっています。

2016.05

内訳では登録車が22.4万台(6.6%増)、軽自動車が10.8万台(14.3%減)と、軽自動車の不振が目立ちます。

これは三菱自動車の燃費データ改ざんで「eKワゴン」などに加え、同社からOEM供給を受けていた日産「デイズ」などの販売が大きく落ち込んだ事が影響しています。

三菱自動車の軽自動車販売は75%減の912台、日産も76.8%減の3,105台。また、燃費試験方法で不正があったスズキは15.4%減の3万8,094台の状況。

一方、ダイハツは5.4%増の3万8,358台、ホンダも3.8%増の2万786台となっており、日産や三菱自から顧客が流入した可能性が考えられます。

軽自動車は昨年1月以降、17ヶ月連続で前年割れが続いており、好材料が無いことから登録車との対比がいっそう鮮明化、総販売台数への影響も顕著になっています。

Avanti Yasunori

【関連記事】

トヨタ自動車の4月生産、地震の影響で国内生産18.8%減!
http://clicccar.com/2016/06/03/376246/

三菱自動車、日産との提携を正式に締結!「外の目」で体制立て直しへ
http://clicccar.com/2016/05/31/374144/

トヨタのHVモデル世界販売、年内にも1,000万台到達か?
http://clicccar.com/2016/05/31/373471/

スズキの報告から見えてくる燃費試験「惰行法」の課題とは?
http://clicccar.com/2016/05/22/372757/

2016年4月の軽自動車販売、前年同月比減ながらも上向き!
http://clicccar.com/2016/05/16/371965/

「シルビア」復活!? 後継モデルは発売されるのか

『シルビア』は、日産がスペシャリティカーとして1965年に発売後、No.1デートカーとしての地位を築いたが、時代の流れと共に2002年、惜しまれつつも生産終了となりました。

fac6e6185f295ef068ccacb2c6651d68-20160531180707

しかし、その10年後の2012年、トヨタのスポーツクーペ「86」がヒット、翌2013年には、東京モーターショーで日産が「IDx」コンセプトを発表したことにより、「シルビア」復活の噂がネットを中心に広がりました。

 

そして今回タイミングよく、海外からも発売可能性を探るスケッチが入ってきました。

シルビア

スケッチは2013年東京モーターショーで公開された「IDx NISMO」の意匠を取り入れたフロントマスクですが、当時のシルビアを彷彿させる、市販されても違和感のないデザインのようです。

噂されるパワートレインには、メルセデスベンツ「Cクラス」に搭載されている1.6リットル直列4気筒ターボチャージャー付きエンジンの可能性があり、メルセデスは2017年に「Cクラス」改良新型を発表する予定で、アップデートされるタイミングで搭載される可能性もあるようです。

ワールドプレミアは2017年東京モーターショーが期待されています。

(APOLLO)

数少ない国産5ナンバーワゴンの日産ウイングロードが一部仕様変更

急激に数を減らしている国産ステーションワゴン。

5ナンバー系では、ホンダ・シャトル、トヨタ・カローラフィールダー、そして日産ウイングロードがありますが、ウイングロードの販売台数は月300台に満たないようで、残念ながらその存在感は年々薄くなっています。

WINGROAD_02

6月1日に一部改良を受けたウイングロードは、全車にリヤヒーターダクト、ヒーター付ドアミラー、スチール製リヤワイパーを標準装備し、使い勝手を向上させています。

なお、価格帯は167万6160円〜206万8200円で、約2万1000円高となっています。

WINGROAD_03

また、オーテックジャパンも今回の一部改良を受けて「ライダー」とライフケアビークルの「アンシャンテ」の仕様を一部変更。

WINGROAD_01

ベースモデルと同様に全車にリヤヒーターダクト、ヒーター付ドアミラー、スチール製リヤワイパーを標準装備。価格はライダーが237万6000円、アンシャンテ(助手席スライドアップシート)が235万9800円〜252万7200円です。

(塚田勝弘)

テスラ対策!? 日産がリーフに続いてe-NV200を値下げ

発表1週間で約32万台という先行予約を受けたというテスラ・モデル3のインパクトは大きなものがあります。

しかも米国での価格は3万5000ドル〜ということで、1ドル110円で換算すると385万円。移送費や諸経費を入れると多少高くなるとはいえ、日本での売れ行きも気になるところ。

e_nv200_04

テスラが登場するまでピュアEV市場をリードしてきた日産は、2016年1月にようやく? 20万台に達する見込みというリリースを出しています。

テスラが凄いのか、日産の踏ん張りをもっと期待しなくてはならないのか分かりませんが、テスラの店舗に行列(日米ともに)ができた写真を見ると前者のような気がします。

登場以来、リーフは度重なる値下げをしてきましたが、今回は商用バンである「e-NV200」の値下げを実施しました。

同モデルは室内の広さや多用途性、EVならではの滑らかな加速性や高い静粛性が好評なだけでなく、最大1,500Wの電力を供給するパワープラグは、電源が無い屋外での電源供給が可能となり、走る蓄電池などの利点があります。

e_nv200_02 e_nv200_01

あくまで個人的な印象ですが、「e-NV200」を街中で見かけることは多いとはいえず、さらに商用ではない乗用ニーズとして使っているケースも多いとは言えなそうです。

今回の価格改定では、ユーザーの裾野を広くするべく価格が見直され、全グレードにおいて価格を値下げ。

国の購入補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進対策費補助金)26万4000円を利用すれば、303万円〜という設定になります。なお、補助金をのぞく価格帯は、329万4000円〜476万7120円です。

e_nv200_03
日産によると、全国で約2万3000基を超えた充電インフラが設置完了していて、充電のしやすさもアピールしていますが、サービスエリアや空港の駐車場などの充電ニーズが多い場所でPHVが充電していてピュアEV(主にリーフ)が充電できない、という問題も出てきています。

充電可能な新型プリウスPHVの販売開始も控えており、車両価格の値下げだけでなく充電インフラの拡充もEVの普及にとっては重要な課題になってきているようです。

(塚田勝弘)

日産とメルセデスが共同開発する新型ピックアップトラックは「Xクラス」!?

2015年4月、ダイムラーと日産はピックアップトラックの共同開発を発表。日産は『NP300』を既に公開しています。

現在はメルセデス版の発表が待たれている状況ですが、プロトタイプがテストドライブを始めたようです。

Spy-Shots of Cars This image has been optimized for a calibrated screen with a Gamma of 2.2 and a colour temperature of 6500°K

スクープレポートによれば、その名称は「Xクラス」と名乗る可能性が高く、「NP300」とは多くのコンポーネンツを共有する兄弟車となるようです。

Spy-Shots of Cars This image has been optimized for a calibrated screen with a Gamma of 2.2 and a colour temperature of 6500°K

カモフラージュされているフロントマスクは「NP300」と比べると釣り上がるデザインのヘッドライトは似ているようにも見えます。

メルセデス版はよりワイルドなデザインが採用されるとも噂されており、アグレッシブなバンパーにフロントグリルにはスリーポインテッドスターが入り、メルセデスベンツ版の誕生となりそうです。

(APOLLO)

シェフラーが日産と協業して電動可変バルブタイミング機構を開発

欧州自動車部品大手のシェフラーは、日産自動車と共同で、ガソリンエンジン向け電動可変バルブタイミングコントロール(Electric Cam Phaser、以下ECP)機構を開発したと発表しました。

0001A679

両社は、この技術で加速レスポンスを向上させながら、CO2削減および排気性能向上にも対応することを狙っています。

従来の可変バルブタイミング機構の多くは、エンジンの油圧を駆動源とした油圧制御であったため、その作動範囲(エンジン回転数/温度)および応答速度に制限があり、エンジン冷機始動後ではある程度潤滑油が暖まるまでは作動できないという課題がありました。

0000ABA9

今回シェフラーが開発したECPは電動モータとギアボックスによってバルブの開閉タイミングを制御させるので、すべての条件下における応答時間の向上や変換角度を拡大することができ、油圧制御と比較して高度で繊細な制御を行うことが可能になる利点があります。

000160FB 000160FC

また、アイドリングストップなどのストップスタートエンジンアプリケーションでは、最適なバルブタイミングをエンジンの再始動前に設定することができ、排気エミッションの低減、燃費の向上、加速レスポンスの向上などをもたらすことができます。

000160FD 000160FE

シェフラージャパンの代表取締役社長 四元伸三氏は

「今回、日産との協業によりシェフラー初となるECPを提供できることを大変光栄に感じています。ECPは単体の部品開発とは異なり、エンジンの一部となるシステム開発になるため、精緻なすり合わせが必要になります。今回の開発は、シェフラージャパンの技術者が日産の開発チームと緊密に連携をとり、さらにドイツ本社の開発チームも日本を訪れて日産とともにワークショップを開くなど、シェフラーのローカルとグローバルR&Dの機能が融合した成果と考えています。(今後)さらに日本のR&D体制を強化しながら、日本メーカーの開発に貢献していく考えです。」

とコメントしています。

今回、欧州自動車部品大手のシェフラーが日産と協業してECPを開発したことで、国内の自動車メーカーと外国の部品メーカーとの取引が増加すれば、国内の自動車部品業界が影響を受けることになり、今後の動向が注目されます。

(山内 博・画像:シャフラージャパン)

三菱自動車、日産との提携を正式に締結!「外の目」で体制立て直しへ

三菱自動車が5月25日、日産自動車との資本業務提携に向けた「戦略提携契約」を正式に締結したと発表しました。

MMC_Masuko_CEO

これにより、日産は10月に約2374億円を投じて三菱自動車株の34%を取得、総議決権を得て三菱自動車は事実上、日産の傘下に入ることになります。

また同日、6月24日に予定している株主総会後の新役員人事について発表。

開発部門の立て直しを目的に、日産から担当副社長として山下光彦氏(63)、財務経理担当副社長として三菱東京UFJ銀行から池谷光司氏(58)を招くとともに、三菱商事出身の白地浩三氏(63)を常務執行役員から副社長に昇格させるそうです。

三菱自動車生え抜きで開発部門に長く携わってきた相川哲郎社長(62)と中尾龍吾副社長(63)は、不正問題の責任を取って辞任することになります。

益子会長(67)については当面、社長を兼任、10月に日産が出資後、年内に開く臨時株主総会にて新体制が発足する時点で辞任する模様。

一方、三菱自動車は同日、2016年3月期決算を修正、偽装問題の対応で191億円の特別損失を計上すると発表。軽4車種のユーザーへの燃料代の差額支払いや、エコカー減税の追加納税などに対する補償費の一部に引き当てるとしています。

新聞報道などによると、三菱自動車の開発部門に入る山下光彦氏は既に日産を退任しているそうですが、日産時代にEV開発にも携わっていたこともあり「日産での経験を生かし改革を進めたい」と意気込みをみせているそうです。

「外の目」による社内改革が必須の三菱自動車だけに、開発部門のトップとなる山下副社長の今後の手腕に期待がかかります。

Avanti Yasunori ・写真:小林和久)

【関連記事】

日産がいち早く発動した三菱自動車とのシナジー戦略とは?
http://clicccar.com/2016/05/25/373756/

三菱自動車 相川社長が辞任表明、益子会長が当面留任する背景は?
http://clicccar.com/2016/05/18/372721/

日産が三菱自動車動車の燃費不正解明を待たずに買収に動いた訳は?
http://clicccar.com/2016/05/13/371662/

三菱自動車動車 相川社長が燃費偽装で引責辞任か?国交省の対応は?
http://clicccar.com/2016/04/27/369037/

日産、三菱自動車が100万円台の「EV軽」を共同開発
http://clicccar.com/2014/08/07/264089/

日産史上、最大のダウンフォースを誇る新型GT-R NISMOの凄み

2017年モデルに移行した日産GT-Rに続き、新しいGT-R NISMO(ニスモ)もニュルブルクリンクサーキットで初公開されました。

GT-R_NISMO_08

ドイツだけでなく世界屈指の難コースとして知られるニュルブルクリンクは、GT-Rが世界最高峰のスポーツカーになるべくその性能を引き上げてきたステージ。

2017年モデルの「NISSAN GT-R NISMO」は、標準GT-Rと同様、フロントエンドの新しいバンパーが目を惹きます。

600psというハイパワーエンジンの冷却性能を向上させるために、開口部は空力性能を悪化させることなく大胆に拡大され、ダーククローム仕上げのVモーショングリルが配されています。同時に、フード剛性も大幅に強化することで超高速域での変形を抑制し、高い空力性能を実現。

GT-R_NISMO_03

NISMO専用のカーボンファイバー製フロントバンパーは、カーボンファイバーシートを幾層にも重ねて精巧に作り上げられることで理想的とする強度を実現しているそうです。また、カナード形状のデザインがもたらす空気の流れにより大きなダウンフォースを発生させると同時に、ホイールハウス周辺の空気を吸引することで空力性能もさらに高まっています。

GT-R_NISMO_06

これらの改良により「NISSAN GT-R NISMO」のボディ形状はいままでの日産車の中で最大のダウンフォースと、超高速域での優れた安定性を得ているそうですから、サーキットでのパフォーマンス向上にも期待できます。

もちろん走りもブラッシュアップされていて、スラロームタイムやコーナーリング性能が向上。標準モデルでも引き上げられた高いボディ剛性とダウンフォースにより、超高速域まで含めたコーナーリング時の安定性が向上しています。また、ボディ剛性向上に伴い、ダンパーやスプリング、スタビライザーそれぞれの突き詰めたセットアップを行うことで、接地性と走行性能も高められています。

GT-R_NISMO_05

標準GT-Rが採用しているビルシュタイン製の「DampTronic」は、複数の車両情報システムを活用することで、路面状況や走行条件に対して適切なサスペンションの減衰力設定が可能。状況に応じた高レベルのコントロールができるモード設定型電子制御式ダンパーですが、当然ながらNISMO向けにチューニングが施されています。

ベース車同様に新しいインテリアも見どころ。新デザインのダッシュボードの上層部やステアリングホイール、センターアームレストにアルカンターラを採用することで上質感を演出。

GT-R_NISMO_07

センターダッシュボードのレイアウトも見直されています。現行モデルでは27個あったナビゲーションやオーディオのスイッチを、2017年モデルでは11個にまで削減するなど、最近のインパネレイアウトの流行に沿うものに刷新されています。

GT-R_NISMO_01

8インチに拡大されたタッチパネルモニターには、大型アイコンにより操作性を向上。カーボンファイバー製のセンターコンソールに搭載された新しいディスプレーコマンドコントロールは、高速域における運転中でもモニターをタッチすることなく操作が可能とのこと。

シートは、赤のアルカンターラを中央部分に使用したレザー仕様のレカロ製カーボンバケットシートも目を惹きます。

心臓部のVR38DETTエンジンは、6速DCTとの組み合わせで、GT3選手権で採用している高流量、大口径のツインターボチャージャーが搭載されています。なお、2017年モデルのGT-Rニスモの発売時期や価格はまだ公表されていませんが、5種類のボディカラーから選択できます。

(塚田勝弘)

走行距離500km超! 日産のリチウムイオン電池がお披露目【人とくるまのテクノロジー展】

2016年5月25日〜27日にかけてパシフィコ横浜にて開催されている自動車関連の展示会・企画会議「人とくるまのテクノロジー展2016 横浜」において、まさに地元企業といえる日産自動車が、話題のバッテリーを公開しています。

nissan_60kWh

電気自動車の航続可能距離は、バッテリーの電力量に大きく左右されます。空力やマネージメントなどにより電費を改善することも重要ですが、満充電時の総電力量が大きいほど航続距離が伸びるというのは大原則です。

すでに2015年秋のマイナーチェンジによって、30kWh(それまでは24kWh)のリチウムイオン電池を載せた新グレードを設定している日産の電気自動車「リーフ」ですが、人とくるまのテクノロジー展にて公開された次世代バッテリーの総電力量は60kWhと倍増。

パッケージ状態の展示を見る限り、総電力量は倍増しても、十分に既存のプラットフォームに載せることが可能と思えるものでした。

バッテリーを増やすと車重が重くなってしまうという電費のネガティブ要素が出てくるため、単純に総電力量だけで航続可能距離を試算することはできませんが、30kWhでの航続可能距離(JC08モード)が280kmというリーフ、その総電力量が60kWhともなれば満充電からのスタートで500kmを超えるドライブも不可能ではなくなるかもしれません。

(撮影・文 山本晋也)

トヨタ、日産、ホンダが伊勢志摩サミットで最新の自動運転車両を披露

2016年5月26日〜27日に開催されている伊勢志摩サミットには、G7などの首脳だけでなく世界各国のメディアが集結します。

20160526_01_01

2020年の東京オリンピックに向け、日本の自動運転技術を披露するには格好のステージといえますが、トヨタ、日産、ホンダが最新の自動運転車両を披露しました。

トヨタは、Lexus LSに開発中のUrban Teammate(新型自動運転実験車)を搭載。一般道の自動走行に必要となる歩行者、二輪車、障害物の検出が可能なほか、交差点での右左折や信号機認識、道路規制情報に従って走行することを念頭に開発されています。

20160526_01_04 20160526_01_05

そのため、センサーとしてGPSやカメラに加えて、周囲の距離画像計測機能を備える新規開発のSPAD Lidar(高解像度レーザーレーダー。従来から大幅な小型化、低コスト化を実現)を新たに搭載。

今後は、2015年12月に発表した地図自動生成システム(市販車に搭載されているカメラやGPSを活用して自動運転の走行に必要な高精度地図を自動的に生成)やAIなどが追加搭載され、「Urban Teammate」を常に進化させることで、より複雑な交通環境下で自動運転の実験を実施していく予定としています。

日産は、お馴染みのリーフをベースに、ミリ波レーダー、レーザースキャナー、カメラ、専用のHMI(ヒューマンマシンインターフェイス)など自動運転を支える特別な機能が搭載された最新の自動運転技術「プロパイロット」を披露。

160526-01-04-1200x675

EUのトゥスク議長が試乗したサミット専用の同車両は、2つの革新的な自動運転技術が搭載されています。

ひとつは世界最先端の小型・高性能レーザースキャナーで、高精度な3次元計測によって車両周囲の物体との距離を正確に把握しながら安全に走行することができます。

160526-01-02-1200x675160526-01-03-1200x675

もうひとつは、遠方までの360度視野を持つ8カメラシステム。交差点やきついカーブ路を走行するときにクルマの進む方向を的確に決めることが可能です。

これらの技術は昨年から日本と米国の一般道や高速道路でテストを重ねてきたそうです。

日産は、2016年に混雑した高速道路上での自動運転技術「プロパイロット1.0」を世界に先駆けて日本市場に導入するとアナウンスしていますが、日本だけでなく、その後、欧州、米国、中国へと導入する予定。

さらに、2018年には高速道路での車線変更の自動化を含む、複数レーンでの自動運転技術の実用化を目指しているほか、2020 年までに交差点を含む一般道での自動運転技術を投入する予定とされています。

ホンダは、最新の燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」と自動運転車「AUTOMATED DRIVE(オートメイテッド ドライブ)」を提供しています。

c160526b_001H
また、G7伊勢志摩サミットの開催に合わせて設置された国際メディアセンター内の日本国政府広報展示スペースには、パーソナルモビリティ「UNI-CUB β(ユニカブ ベータ)」、超小型EV「MC-β(エム・シー・ベータ)」、歩行訓練機器「Honda歩行アシスト」を展示するなど、同社のスマートコミュニティを世界に発信。

c160526b_002H

G7伊勢志摩サミットに先立って開催された閣僚級会合でも、先進技術の展示や試乗車の提供などを行ったそうです。

(塚田勝弘)

日産がいち早く発動した三菱自とのシナジー戦略とは?

三菱自動車の燃費偽装をきっかけに、同社を傘下に収めることになった日産自動車が、さっそくそのシナジー効果を出すべく動き出しているようです。

NISSAN

6月24日付けで日産から開発担当トップを送り込み、三菱自動車 開発部門の抜本的な改革に着手するようで、産経新聞によると、それを担うのは日産の元開発担当副社長、山下光彦氏としています。

同社は三菱自への34%出資が完了する10月には会長を送り込む予定。

注目される日産の今後のシナジー戦略は以下となっているようです。

・ルノーの欧米工場を活用して三菱の輸出車を現地生産化
・軽自動車を生産する水島製作所に日産の製造ノウハウ導入
・三菱自の東南アジア販売網を活用して販売をてこ入れ
・EV、PHV開発における両社の役割分担を明確化
・将来的に三菱自からのOEM車種を拡大
・国内外の生産拠点を相互活用

なかでも注目されるのが、開発における役割分担で、今後は日産がEV開発を一貫して担当、三菱自は経営資源をPHV開発に集中させる考えのようです。

NISSAN_LEAFMITSUBISHI_i_MiEV

日産はEV「リーフ」の世界累計販売が21万台を超えるなど、EV開発に強みを持っており、PHVは「アウトランダーPHEV」のノウハウを持つ三菱自が得意としていることが背景にあります。

また軽自動車タイプの小型EV開発については既に日産主導で進めている模様。

このように早くも日産はゴーンCEOの号令のもと「マイナス」を「プラス」に転換する作戦を着々と進めつつあるようです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

三菱自 相川社長が辞任表明、益子会長が当面留任する背景は?
http://clicccar.com/2016/05/18/372721/

日産が三菱自動車の燃費不正解明を待たずに買収に動いた訳は?
http://clicccar.com/2016/05/13/371662/

三菱自動車 相川社長が燃費偽装で引責辞任か?国交省の対応は?
http://clicccar.com/2016/04/27/369037/

日産、三菱自が100万円台の「EV軽」を共同開発
http://clicccar.com/2014/08/07/264089/

EVで先行する日産と三菱自が軽自動車ベースのEVを共同開発
http://clicccar.com/2013/11/06/235271/

日産と三菱の資本提携で浦和レッズが危機だって!? そんなバカな

浦和レッズをなめるな。あいつらは強い。

futta2483m

私はFC東京サポーターなので浦和レッズはべつに好きじゃないんですが、サッカーファン、Jリーグファンとしてちょっと気になるのは、日産自動車と三菱自動車の資本提携です。

これ、まず自動車業界で話題になったニュースですが、Jリーグにも影響してくるんですね。

というのは、Jリーグ規約の第25条第5項に

「Jクラブは、直接たると間接たるとを問わず、他のJクラブまたは当該他のJクラブの 重大な影響下にある法人の経営を支配しうるだけの株式(公益社団法人または特定非営 利活動法人にあっては社員たる地位)を保有している者に対し、自クラブまたは自クラブの重大な影響下にあると判断される法人の経営を支配できるだけの株式(公益社団法 人または特定非営利活動法人にあっては社員たる地位)を保有させてはならない。」

というのがあるんです。

日産自動車は横浜Fマリノスの株式の過半数を持つ筆頭株主、三菱自動車は浦和レッズの株式の過半数を持つ筆頭株主のようなんですね。

そこで三菱自動車が日産自動車の傘下に入ると、どちらかが株式を売却しないといけないことになると思われます。この場合、おそらくは三菱自動車が浦和レッズの株式を売却することになるでしょうね。

というわけで、いまスポーツ新聞やらなんやらは、『浦和レッズ存続の危機か?』みたいな記事を出しているわけです。

でもね。悔しいけど、浦和レッズはそんなにヤワじゃないですよ。

じっさいにこのままではJリーグ規約に抵触するっぽいので、そうであれば三菱自動車は浦和レッズの株式を(あるていど)手放すでしょう。でも、保有している株式の全部手放さなくてもいいんじゃないかな。

『経営を支配しうるだけの株式』じゃなければいいわけだから。

で、浦和レッズはあぶないか? そんなバカな! あのクラブすげえ観客動員があるんですよ。1試合平均3万8000人を超えるんだよ! Jリーグの中でもダントツの1位ですよ。

ちなみに2位がFC東京で1試合平均2万8000人台だから、いかに浦和レッズの人気がバケモノかわかるでしょう。予算も潤沢だし、浦和レッズは優良企業なんです。

futta2464m

じつは三菱自動車の大きな不祥事っていうのは今回が初めてじゃないんですね。

以前のリコール隠しのときにも三菱自動車の経営が危うくなる事態があったんですが、浦和レッズの経営陣は「三菱自動車が撤退しても浦和レッズは問題なくやっていける」と表明していたと記憶しています。

親会社に支えられないと成り立たないクラブじゃないんですね。

そもそも浦和レッズはJリーグ発足当初は弱小クラブでした。それがビッグクラブに成長できたのは、まぎれもなく地元サポーターのおかげです。そのサポーターからひんしゅくをかうような名称の変更なんか、筆頭株主が変わってもこわくてできないでしょう。

というわけで、マスコミは『浦和レッズの危機』みたいに騒ぐ記事が好きだろうけど、残念ながら!浦和レッズは(すくなくとも見た目には)あまり大きな影響を受けずにビッグクラブでありつづけるんじゃないかな。それくらいあのクラブは手ごわいです。

(まめ蔵)

日産が三菱自動車の燃費不正解明を待たずに買収に動いた訳は?

三菱自動車の燃費データ改ざんが公表された4月20日以降、被害者の立場で沈黙を続けていた日産が5月12日に三菱自動車との資本業務提携を発表。同社を事実上、傘下に収めるという話題が注目を集めています。

NISSAN

日産と三菱自動車は同日、アライアンスに関する覚書を締結したと発表。三菱自動車の発行済み株式34%を日産が2,370億円で取得することになるそうです。

日産が三菱自動車の買収に動いた背景には、三菱自動車がタイなどに生産拠点を置いて主力市場としている東南アジアでの販売シェア拡大に繋げたいとの狙いがあるものとみられます。

三菱自動車は11日の記者会見でその後の不正全容解明に向けた状況を発表しましたが、燃費テストの委託先が100%子会社のMAE(三菱自動車エンジニアリング)であることを明かした程度で、「依然、社内で聞き取り調査中」の報告に終始。

振り返れば三菱自動車の燃費不正発覚の発端となったのは、当時合弁会社「NMKV」を中心に共同開発を行っていた日産からの指摘によるものでした。

日産は三菱自動車への損害賠償などについて、不正の全容が明らかになるまで静観するとしていましたが、その一方で4月の「デイズ」販売台数が前年同月比で約7割減となっています。

三菱自動車も今回は三菱グループの情勢や倫理上の観点から、救済が期待できない状況にあり、日産の要求を受け入れざるを得なかったと推測されます。

MITSUBISHI_eK_Wagon

ではなぜ、日産は燃費不正の全容が明らかになっていない現段階で三菱自動車の買収に動いたのでしょうか。

それが外資比率の高い企業特有の手法だとすれば、わかりやすいのかもしれません。

以前に日産がNMKVで開発した軽自動車の自社生産を匂わせたことから、これに三菱自動車が抵抗、ひと悶着有った件が買収の引き金になっているとすればどうでしょうか。

あくまで推測ですが、全ては事の発端から日産側のシナリオどおりに進んでおり、三菱自動車が記者会見で燃費不正の事実を認めた段階で、迅速かつ比較的安価に同社を傘下に収めることで、海外を含む他企業からの三菱自動車買収を未然に防ぐ狙いが有ったのかもしれません。

今回の資本業務提携で、日産、ルノー、三菱自動車を合わせた世界販売台数は950万台を超える規模となり、首位のトヨタやフォルクスワーゲンなどに迫ることになります。

それが目的だったとすれば4月20日以降、日産の三菱自動車買収戦略にマスコミを含め踊らされていたことにもなりかねず、真相がどうなのかが大いに気になるところです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

三菱自動車 相川社長が燃費偽装で引責辞任か?国交省の対応は?
http://clicccar.com/2016/04/27/369037/

三菱自動車の新たな発表「1991年から続いた4重の不正」とは?
http://clicccar.com/2016/04/26/368979/

日産自動車、三菱自動車動車、NMKVの三社、軽自動車の協業を拡大、
http://clicccar.com/2015/10/25/334493/

VWがディーゼル車の燃費優先で環境対応を軽視か?
http://clicccar.com/2015/09/26/329216/

新型「ekワゴン」が三菱自動車動車経営再建の切り札になるこれだけの理由 !
http://clicccar.com/2013/06/21/223007/

軽自動車販売減をカバーできるか!? 日産ノートに特別仕様車を設定

日産にとっては思いもしなかった三菱自動車の燃費不正問題。デイズ、デイズ ルークスという売れ筋モデルが販売停止となり、2016年4月の軽自動車販売が67%減という状況はかなりの痛手のはず。

NOTE_02当該車種は販売再開までは時間がかかりそうですし、当面は登録車を売るほかないという状況にしても、販売のテコ入れ効果が望める新車やマイナーチェンジはすぐに用意できるわけではありません。

5月11日から販売を開始したノートの特別仕様車「Vセレクション+SafetyⅡ」は、安全性を向上させる「踏み間違い衝突防止アシスト」をはじめ、「アラウンドビューモニター」や「ディスプレイ付自動防眩式ルームミラー」、「ヒーター付ドアミラー」、「LED ヘッドランプ」を標準装備とした特別仕様車らしい装備が充実したモデル。

特定のグレードのみに設定されているのではなく、すべての仕様から選択できるのも特徴。

NOTE_04

なお「X DIG-S Vセレクション+Safety2」および「MEDALIST Vセレクション+Safety2」の2WD は、「平成32 年度燃費基準+20%」と「平成17 年基準排出ガス75%低減レベル」を達成し、自動車取得税・自動車重量税ともに「免税」になります。

NOTE_05NOTE_01

「X Vセレクション+Safety2」と「MEDALIST X Vセレクション+Safety2」の2WD は、「平成32年度燃費基準」と「平成17 年基準排出ガス75%低減レベル」を達成し、自動車取得税が60%、自動車重量税が50%それぞれ減税されます。

NOTE_07

さらに、オーテックジャパンからも今回の特別仕様車をベースとした「ライフケアビークル(LV)」も設定。ノート「Vセレクション+Safety2」の価格帯は、147万9600円〜200万7720円です。

(塚田勝弘)

日産自動車が三菱自動車の筆頭になるメリットとは?

三菱自動車が日産自動車の傘下に入り再建を期すというニュース、新聞やテレビなどの報道にすでに接している方も多いでしょう。

new_headquarters_yokohama_03-788x1200

日産と三菱が2011年6月に折半出資で設立したNMKVは、日本市場向けの軽自動車の商品企画、開発という事業内容です。

燃費不正という根の深い問題が起きましたが、軽自動車の提携という実績からいっても、三菱グループ外で再建を図るとしたら日産しかないだろうな、というのは皆さんが感じていたことではないでしょうか。

一部報道によると、日産が2000億円を投じて三菱自動車の3割強の株式を取得するというもので、日産が三菱自動車の筆頭株主になります。

三菱自動車の筆頭株主は、同社のホームページによると三菱重工業が約12%、三菱商事が約10%、三菱東京UFJ銀行が4%弱で、三菱グループが約26%となっています。

20151106MitsubishieK_0028

日産が三菱を事実上、傘下に収める利点は軽自動車の生産面(水島製作所)もあるでしょう。

B21W-151022-02-1200x607

ほかにも、両社が注力しているEVやPHVなどの電動化車両でも共同開発が進めばコスト削減や性能向上などの相乗効果も期待できます。

あくまで想像ですが、日産エクストレイルにプラグインハイブリッドが設定されることもあるかもしれません。あるいは、ルノーブランドで新しいプラグインハイブリッドモデルを出すということもできるかもしれません。

IMG_8398P1450775

さらに、日経新聞などの一部報道によると、タイやインドネシアで人気の高い三菱製のSUV、パジェロやパジェロスポーツなどブランド力を日産が魅力的に感じているという内容もありましたが、日産の「DATSUN(ダットサン)」と三菱の2つのブランドで新興国のシェアを高める戦略もあるのかもしれません。

三菱自動車からすると、再度三菱グループの支援を仰ぐことができるのか不透明な中、同じ業種の日産からの支援があれば軽自動車事業の継続、EVやPHVなどの電動車両の推進などの利点がありそうですが、車種のリストラや開発拠点や生産工場などが今後どうなるか気になるところ。

両社からの正式発表が待たれますが、やはり今回の燃費不正問題は、日本の自動車業界再編にまで及ぶことになりそうです。

(塚田勝弘)

【関連記事】

■三菱自動車の燃費不正問題の影響は業界再編にまで及ぶ?
http://clicccar.com/2016/04/23/367698/

■三菱自動車が国土交通省へ燃費不正問題の報告書を追加報告
http://clicccar.com/?p=371514

日産が三菱自動車の株34%取得して資本業務提携!

2016年4月20日に三菱自動車が委託生産をしている軽自動車(三菱eKシリーズ、日産DAYZシリーズ)の認証取得時における不正が公表され、両社が該当モデルを販売停止にするなど大きな問題となっています。

13199140_1082708351817016_1618862509_o

その後の調査で、三菱自動車においては1991年から排ガス・燃費試験において不正な数値を申請していた可能性が明らかとなり、実測が求められている走行抵抗値を机上計算によって導き出したという不正も同社により公表されています。

そうした中、三菱自動車の今後について様々な風説が飛び交いましたが、わずかな期間で日産との資本業務提携を結ぶことが発表されました。

日産のカルロス・ゴーン氏、三菱自動車の益子修氏という両CEOの記者会見では、まずゴーンCEOが「日産が三菱自動車の発行済株式の34%を2370億円で取得。筆頭株主となることで、シナジー効果を高め、ウインウインの関係となることを期待しています。また三菱自動車の筆頭株主として、同社のブランドと歴史を尊重し、大きな成長の可能性の実現をサポートすると同時に、アライアンスファミリーの一員として迎えたい」と資本提携による戦略的アライアンスであることを説明します。

13211042_1082708268483691_1350555836_o

また、益子CEOは「軽自動車の試験における不正において日産の責任について、そうした認識はない」と明言。

そのうえで「非常に近いところにいたこと、将来的な成長などから手を結ぼことにした」、「2011年の軽自動車事業におけるパートナーシップやアセアン地区におけるピックアップトラックの生産など以前から進んでいたことが、このタイミングでカタチになった」と、軽自動車の不正がきっかけではないとしています。

このアライアンスにより、日産の意思を受けた取締役会会長を含む議決権に比例した人数の取締役候補を提案することになるということです。

日産(ルノー)は、ダイムラーとのアライアンスも結んでいますが、かつてダイムラーの傘下にあった三菱自動車が、またアライアンスの一員として再会することになるというのも不思議な縁を感じさせます。

(写真:小林和久・文:山本晋也)

激動の軽自動車セールス、2016年4月のトップ10は?

一般社団法人 全国軽自動車教会連合会より、2016年4月の軽四輪車通称名別新車販売速報(乗用)が発表されています。

4月といえば、三菱自動車と日産の軽自動車「eK」シリーズと「デイズ」シリーズに認証取得に関わる不正があったことが発表され、それぞれ販売が停止になり、キャンセルもあったことがニュースとなりました。

当然セールスランキングには、その影響が大きく出ています。

NBOX_CUSTOM_2tone

セールスランキングのワン・ツーは、ホンダN-BOX、ダイハツ・タントといったスーパーハイトワゴンとなっているのは前月同様。

前月3位だった日産デイズはトップ10圏外の11位となりました。日産と三菱の軽自動車については、5月中の販売再開がなければ、それぞれスズキからOEMを受けている車種を除くと5月の台数は限りなくゼロに近い数字となることが予想され、その間に他ブランドがどれだけ市場を奪えるのか、また軽自動車市場のシュリンクを加速させることになるのか、注目されます。

altoworks_3841

●2016年4月軽四輪車通称名別新車販売ランキング(全軽自協調べ・速報)
1位 ホンダ N-BOX 11,691台
2位 ダイハツ タント 10,996台
3位 スズキ アルト 8,076台
4位 スズキ スペーシア 6,838台
5位 スズキ ハスラー 6,681台
6位 スズキ ワゴンR 5,541台
7位 ホンダ N-WGN 5,356台
8位 ダイハツ ミラ 4,789台
9位 ダイハツ ムーヴ 4,622台
10位 ダイハツ キャスト 4,492台

日産デイズと三菱eKの販売停止によって大きく動いたランキングですが、注目すべきは3〜6位を占めたスズキのラインナップでしょう。ザ・軽自動車というべき軽量モデルの「アルト」が伸びている一方で、かつて軽自動車のメインストリームだったワゴンRは、スペーシアやハスラーにも劣るポジションとなっています。

他ブランドにおいても、ダイハツ・ムーヴが同社のミラを下回っているように、いよいよ全高1600mm台のハイトワゴン系モデルから、「高いか、低いか」のいずれかにユーザーが分かれる傾向が見えてきたといえそうです。

(山本晋也)

【関連記事】

合計62.5万台が不正!三菱自動車工業がekワゴン等軽自動車の認証取得時の不正を公表。日産含め販売停止
http://clicccar.com/2016/04/20/367615/

2016年3月の軽自動車新車販売は前年比83.3%と縮小傾向、もっとも売れた車種は?
http://clicccar.com/2016/04/07/365119/

ホンダN-BOXが3回目の軽自動車販売ナンバーワンに返り咲き!
http://clicccar.com/2016/04/11/365124/

低燃費だけじゃない!! 2016年オススメの軽自動車
http://clicccar.com/2016/02/01/351186/

日産自動車がアセアンに研究開発の拠点を設置

日産自動車は4月28日、同社のアセアン地域統括会社であるアジア・パシフィック日産自動車会社(NMAP)がタイにR&Dテストセンターを開設すると発表しました。

NMAP opening-source1

新テストセンターは、アセアン地域の自動車生産の中心であるタイに開設され、日産グループのアセアン地域の研究開発における主要ハブになるものです。

タイの新テストセンターでは、日産のアセアン地域のコアモデルである「ナバラ」や、最もよく売れているエコカーの「アルメーラ」や「エクストレイル ハイブリッド」を含む計12車種の車両テストを同センターで行うとのことです。

NMAP opening-source2a

2003年に現在も稼働中のR&Dセンターをタイに設立して以来、タイは日産にとって、アジア・パシフィック地域における拠点になっており、今回の新テストセンター開設によって、市場投入に向けた商品の品質保証という商品開発の下流工程から、プロトタイプの評価テストなど商品開発の上流工程までの広範囲の開発業務をタイで行うことができるようになります・

今後NMAPの新R&Dテストセンターは、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ヴェトナム、タイのアセアン5カ国を対象にサービスを展開し、さらにタイ工場から輸出される90カ国以上の車両もテストすることになる、ということです。

NMAP opening-source2b

NMAPは、新テストセンターの開設で、従来のR&Dセンターの設備に加えて無響室、電波暗室、振動シミュレータ装置のある環境試験室など、タイにおいて業界初のテスト設備を搭載したR&Dセンターを有することになり、日産のタイにおける開発能力が増強されることになります。

日産は今回の新テストセンターに10億バーツを追加投資して、敷地面積6,600平方メートルの同施設を開設しました。同施設では今年度中に新たに雇用を増やし、従業員数を合計330名に増員する予定で、日本でトレーニングを積んだタイ人の技術者らとともにテスト設備を運営したい、としています。

NMAP opening-source2c

同R&Dセンターの開所式に出席したタイのソムキット副首相は

日産の、タイへの技術および人材開発の移管に向けた投資を称賛します。本開発投資は、国内の生産及び輸出需要を伸ばし、タイの更なる経済発展に貢献することでしょう。

と挨拶しました。

それに対してタイ日産自動車の南部一孝社長は、

アジア・パシフィック日産の新テストセンターは、日産のタイにおけるプレゼンスを高めるとともに、タイの自動車産業の発展における重要なマイルストーンでもあります」と述べ、新R&Dセンターの実現は、タイの高い技術を持つ労働力や競争力、強固なサプライチェーンに加え、タイ政府による効果的な政策支援のおかげである

と強調しました。

タイはアセアン地域での日系自動車メーカーの拠点となっており、日産の新テストセンター開設でタイがますますアセアン地域での自動車生産の中心地になるものと見られます。

(山内 博・画像:日産自動車)

三菱の軽乗用車販売、4月は前年比37.9%の680台。日産は?

全国軽乗用車協会連合会が、2016年4月の軽自動車セールスデータ(速報)を発表しています。

認証取得時の不正が明らかとなった三菱自動車「eK」シリーズと、その兄弟モデルである「DAYZ」シリーズを販売していた日産自動車の両社の販売数は、三菱が前年同月比55.1%の1,477台、日産は同48.8%の5,574台となっています。

いずれも不正問題の発覚後、販売を停止しているのでこうした数字は予想の範囲ですが、それにしては台数の落ち込みが少ないという見方もあるかもしれません。

Image converted using ifftoany

ここでポイントとなるのは、上記の数字は各社の軽自動車販売のトータルの数字であること。

三菱、日産ともに販売を停止しているのは乗用モデルのeKシリーズ、DAYZシリーズに限った話。軽自動車全体では、スズキからOEM供給を受けている商用車などを含めての軽自動車セールス台数ということになります。

そこで、両社の軽乗用車に限った数字を見てみると、三菱は前年同月比37.9%の680台。結果として、三菱の軽自動車販売は商用車のほうが多いという非常に珍しいバランスとなっています。

また、日産はスズキからOEMのモコを含んだ台数となりますが、軽乗用車に限った4月の実績は同35.7%の3185台と、比率でいえば三菱自動車より落ち込んでいます。

そもそも不正を行なったのは三菱自動車であり、しかも1991年から不正が続いていたということで、社会的な問題となっています。

しかし、販売現場での影響でいえば、日産の軽自動車への影響がより目立つ結果となっているようです。

(山本晋也)

ファルケンのオールシーズンタイヤが日産ローグの新車装着タイヤに採用

デュアリスをベースにコンパクトSUVとして誕生した日産・ローグ。2代目の現行モデルは、3代目エクストレイルをベースとして北米市場を中心に販売されています。

北米では、コンパクトSUVとして最適なサイズ、使いやすいユーティリティスペース、優れた環境性能などが評価されています。

今回、新車装着タイヤとして採用された「FALKEN ZIEX ZE001 A/S」は、非対称パターンの採用により左右の剛性を最適化することで、日産ローグが持つ高い走行性能と優れた環境性能、上質な乗り心地を高次元でバランスさせたとしています。

2016_037_01b

「FALKEN(ファルケン)」のSUV向けタイヤとしては、SUV用の「AZENIS FK453CC」がありますが、今回発表された「FALKEN ZIEX ZE001 A/S」はスポーティ系タイヤの「ZIEX ZE914 E」と同様に「ZIEX」の名が冠されています。

ただし、北米向けですから単なるスポーティ系ではなく、A/S(オールシーズン)とすることで現地化に対応、日産ローグの足元を支えるタイヤとして供給されます。

(塚田勝弘)

日産、南米向け新型SUV「キックス」をリオ五輪の聖火リレーで初公開

日産自動車は中南米市場で発売を予定している新型クロスオーバー車「KICKS(キックス)」を、5月3日から始まるリオデジャネイロオリンピックの聖火リレーにて初公開し、さらに公式車輌に指名されたことを発表しました。

Nissan Kicks Concept Nissan Kicks Concept
(画像はコンセプトモデル)

この「キックス」は、2014年のサンパウロモーターショーにてコンセプトモデルが発表されています。ボディサイズは全長:4300mm×全幅:1800mm×全高:1600mmとコンパクトにまとまっているのが特徴。

その一方で、フロントグリルには最近の日産のモデルに与えられる「Vモーション」を配置したり、立体感の強いフェンダー、ボディ後端に向かって傾斜するルーフラインなどで躍動感を演出。

その佇まいには、コンパクトSUVとして高い注目を集めた「JUKE(ジューク)」を彷彿とさせます。

なお、このデザインは日本の拠点を先頭に、カリフォルニアとリオデジャネイロのデザインスタジオも含めた共同で開発したとのこと。

Nissan Kicks Concept

デザインもさることながら、「キックス」は開発に際してブラジルの地域性に焦点があてられたほか、生産もブラジルのレゼンデ工場にて行われる予定ということから、リオデジャネイロオリンピックおよびパラリンピックの公式車両に指名。聖火リレーの舞台でのデビューとなります。

(今 総一郎)

日産はどうする? 三菱自動車の不正、NMKVの行方は?

三菱自動車工業の軽自動車による認証取得時の不正問題が拡大しています。

三菱が生産、日産にも供給する軽自動車だけでなく、四半世紀にわたって法規に則った走行抵抗の試験が行なわれていなかったことが明らかとなるなど、問題の根深さがあらわとなっています。

ekspace004

問題の軽自動車については、当事者でもある日産ですが、まずは三菱が生産を担当している軽自動車「DAYZシリーズ」に関しては販売停止中(スズキからOEMを受ける車種は販売続行)としています。

2015年度の同社国内販売を見ると、登録車は37万5498台、軽自動車は19万7083台となっています。前年同期比でマイナス15.6%と減っている軽自動車ですが、それでも同社における国内販売の比率では34%もあり、このまま軽自動車の販売を停止していては営業への影響が大きいことは容易に想像できる状況です。

Nissan_Dayz_B21-10

もともとスズキからのOEMによって軽自動車ビジネスに参入した日産が、独自のモデルを開発しようとした狙いと、開発リソースに悩む三菱自動車の思惑が合致して2011年に生まれたのが、両社のジョイントベンチャー「NMKV」といえます。

『日産・三菱・軽・自動車』を意味する名前を持つ同社が担うのは、商品企画とプロジェクトのマネージメント。

認証取得における不正が問題となっている三菱eKシリーズ、日産DAYZシリーズの開発・生産は三菱自動車が担当していましたが、次期モデルについては、開発段階においても日産の関与が深くなることが2015年10月に発表されていました。

その内容について、公式発表では次のように表現されています。

具体的には、設計開発、実験など実際の開発業務については、今後、日産自動車もより深くかかわることとなります。

また、NMKVの機能を強化し、従来担当してきた商品企画やプロジェクト開発などのマネジメント機能に加え、開発と生産の連携をより円滑、強化するための部署を新たに設けます。

なお、生産については、引き続き、三菱自動車の水島製作所で行う予定です。

今回の不正については、そうした日産の設計開発への”深い関わり”によって明らかになったという面もありますが、このままでは従来と同じ体制により次期モデルを開発するというわけにはいかない状況です。

不正行為を正すのは当然でしょうが、それだけでは信頼回復とはならないといえるでしょう。つまり、このまま次期モデルを開発しても市場が受け入れるとは考えづらいのも事実。

とはいえ、前述のとおり日産の国内販売において軽自動車は欠かせないプロダクトであり、いまさら軽自動車抜きのマーケティングに切り替えるというのも無理めな話といえそう。しかしながら、三菱の不正問題は1991年から始まっていたと根が深く、短期間での解決は難しい様相。

可能性としては、あらためてスズキのOEMを増やす可能性を模索して、商品を揃えるというカタチをとるのか、それともすでに進めていた路線を拡大して独自に軽自動車を開発・生産するといった2つの方向が考えられます。

いずれにしてもジョイントベンチャーとして生まれたNMKVが、その存在意義が問われる状況になるのは必至といえそうです。

(写真:山本晋也/小林和久/日産自動車)

(文:山本晋也)

【関連記事】

三菱自の新たな発表「1991年から続いた4重の不正」とは?
http://clicccar.com/2016/04/26/368979/

三菱自動車の燃費不正問題の影響は業界再編にまで及ぶ?
http://clicccar.com/2016/04/23/367698/

合計62.5万台が不正!三菱自動車工業がekワゴン等軽自動車の認証取得時の不正を公表。日産含め販売停止
http://clicccar.com/2016/04/20/367615/

【関連リンク】

日産自動車、三菱自動車、NMKV、次期型軽自動車の企画・開発で基本合意
http://www.nmkv.com/info/2015/10/info20151016.html

三菱自の新たな発表「1991年から続いた4重の不正」とは?

三菱と日産のJVであるNMKVが企画した軽自動車、三菱「eKシリーズ」、日産「DAYZシリーズ」における燃費試験データの不正使用が明らかになってから、およそ一週間。不正行為について国道交通省に報告したのに合わせて、概要が発表されています。

その内容は大きく2点。

ひとつは軽自動車の認証取得に際して、開発中における燃費性能の引き上げと、それに伴う不正。

もうひとつは、1991年から続いていたという走行抵抗試験に関する不正行為についてとなります。

P1000245

軽自動車については、2013年に発売されたeKワゴンとデイズについて、開発段階で燃費目標の引き上げ(26.4km/Lから29.2km/L)があり、道路運送車両法に定められた「惰行法」とは異なる「高速惰行法」において走行抵抗値を実測。

そのうえで中央値をとらずに、最良値を申請したという二重の不正が明らかとなっています。

ターボエンジン車や4WD車、そして標準モデルについては、前述した燃費訴求車の数値を元に、机上で計算したといいます。本来であれば、いずれも実測する必要があり、この行為により三重の不正です。

全高の異なるeKスペースやデイズルークスなどの追加モデルや、その後のマイナーチェンジモデルについても、初期の高速惰行法によって得られた数値をベースに算出したデータによって申請していたといいます。

シリーズ名こそ共通していますが、誰が見ても異なるモデルにおいても実測をしていないというのは、四重の不正であり、またコンプライアンス意識の低さを感じさせる行為といえます。

Image converted using ifftoany

さらに、三菱自動車工業においては、日本国内の法規で定められた「惰行法」による走行抵抗の計測は行なわれていなかったと思わせる発表もされました。その経緯を以下に引用します。

(1)1991年、道路運送車両法により走行抵抗の測定法が「惰行法」と指定されたが、当社ではそれと異なる「高速惰行法」で国内向け車両の計測を始めた。

(2)1992年1月、走行抵抗から惰行時間を逆算する計算法が作られた。

(3)2001年1月、「惰行法」と「高速惰行法」の比較試験を実施し、最大2.3%の差にとどまることを確認。

(4)2007年2月、試験マニュアルにより、「DOM(国内)はTRIAS(「惰行法」)」と追記改定したが、以降も「高速惰行法」を継続して使用していた。

この発表は、国内で必要とされる「惰行法」による計測を行なっていなかったとも読み取れます。つまり、軽自動車の燃費目標を達成するためのインチキではなく、法規が定められたときから守ることがなかったと捉えることもできるでしょう。

日産自動車は同社WEBサイトにて、デイズとデイズルークスの販売停止に関する『お詫びとお知らせ』を出した後は、公式なアナウンスはありません。

不正な計測方法が1991年から続いていたとなると三菱自動車工業の社内的な問題が大きく、日産は静観するほかないということでしょうか。

また、1991年から不正行為が続いていたとすると、2000年から5年間ほど提携を結んでいたダイムラークライスラー(当時)の品質管理の目もかいくぐったということになります。

今回の発表は、ひとまずの報告に基づいたもの。検事経験者などによる特別調査委員会による徹底的な調査結果が待たれます。

(山本晋也)

【関連リンク】

三菱自動車工業・当社製車両の燃費試験における不正行為に係わる国土交通省への報告について
http://www.mitsubishi-motors.com/publish/pressrelease_jp/corporate/2016/news/detailg427.html

三菱自動車の燃費不正問題の影響は業界再編にまで及ぶ?

三菱自動車の燃費不正問題。概要をおさらいすると、三菱自動車製の軽自動車の型式認証取得において、同社が国土交通省へ提出した燃費試験データが燃費を実際よりも良く見せるため、不正な操作が行われていたということです。

20151106MitsubishieK_0077

なお、4月21日現在、三菱自動車のホームページには、おわびが掲載されるとともにeKシリーズのWEBページは閲覧できなくなっています。日産もホームページからデイズとデイズ ルークスが消えて、モコとNV100クリッパーリオのみとなっています。

では、eKワゴンの登場時はどんな走りだったかというと、とくにNAエンジンモデルは、スロープを上ったり、大きな通りに合流、加速したりする際など「今時こんなに遅いの?」かと驚くほどで、思わずサイドブレーキ引いたまま走り出したのか確認したこともありました。

20151106MitsubishieK_0037

その後の改良で改善されていますが、デビュー時は燃費を達成するためにこんなに出力を絞るしかないのか、と思い知らされました。

今回の問題点は、クルマの型式認定を受ける際に燃費に有利になる走行抵抗値(主にタイヤの転がり抵抗と、空気抵抗)を使ったというもので、一部報道などによると、カタログ燃費への影響は5〜10%くらい悪くなる可能性があるそう。

P1420357

JC08モード燃費と実燃費の乖離は、三菱車だけではなく全メーカーに当てはまるものですが、唯一の統一基準であるはずのカタログ燃費になる大きな要因の走行抵抗値が不正のものだったとなると、国交省のお墨付きだと思っている人が多そうだけに(メーカーが提出する届け出値とはいえ)カタログ燃費への信頼も揺るぎかねません。

また、問題は軽自動車だけにとどまらない可能性も否定できないようで、同社では「国内市場向け車両についても、社内調査の過程で国内法規で定められたものと異なる試験方法がとられていたことが判明しました。

また、状況の重大性を鑑み、海外市場向け車両についても調査を行います」とコメント。

20151106MitsubishieK_0074

こちらも調査待ちとなりますが、該当車両以外のカタログ燃費が適正であるかも分からなくなるという事態になりかねません。さらに、一部報道によると国土交通省は他メーカーにも調査するように指示したそうです。

また、記者会見ではエコカー減税などの税金や補助金関連も国や自治体への返納についても言及したようですが、燃費不正による燃料代なども含めてユーザーへの補償も全容が解明されるまでには時間がかかりそう。

三菱自動車は、軽自動車とSUV、EV、PHVなどの電動車両に経営資源を集中して投下していましたが、利益率はSUVや電動車両と比べて低いと想像できる軽自動車とはいえ、その影響は絶大でしょう。

ブランド失墜、販売大不振で経営問題に発展した場合、過去のリコール隠しなどの時のように、三菱グループが支えることができるか気になるところ。

現在の大株主は三菱重工業(約12%)、三菱商事(約10%)と2社だけで22%を超え、三菱UFJなど同グループが多くなっています。

今回の不正は、まだ分からないことだらけですが、自動業界再編も含めた問題になる可能性もはらんでいそうです。

(塚田勝弘)

合計62.5万台が不正!三菱自動車工業がekワゴン等軽自動車の認証取得時の不正を公表。日産含め販売停止

三菱自動車工業の軽自動車において、型式認証取得時に不正を働いていたことが同社によって公表されました。

認証取得時の不正が判明したのは、日産とのJVであるNMKVによって開発された『eKワゴン』『eKスペース』と、日産自動車が販売する『デイズ』『デイズルークス』の計4車種(2013年6月から三菱自動車工業が生産)。

合計62.5万台(三菱15.7台、日産46.8台)が生産されたといいます。

不正の内容は、国土交通省へ提出する燃費試験データについて、燃費を実際よりも良く見せるために走行抵抗値をごまかし、燃費がよく見えるようにしていたというもの。

これは、日産が現行モデルを測定したことにより発覚、三菱自動車工業に指摘したことから明らかになったということです。

ひとまず、該当する4車種については生産・販売を停止。日産自動車への補償や、ユーザーへの対応は決定していないとのこと。

また、他の国内向けモデルについても国内法規と異なる試験方法がとられていたことが判明。第三者機関による真相究明が急がれる事態となっています。

(山本晋也)

日産・エルグランドがマイナーチェンジ。利便性を向上

日産自動車は、ミニバンの「エルグランド」の仕様を一部変更し4月4日(月)から販売を開始しました。

160404-01-01-1200x564

今回の仕様変更では、乗降性や荷物の積載などで役立つ運転席側ワンタッチオートスライドドアとリモコンオートバックドアを「250ハイウェイスタープレミアム(413万6400円〜442万8000円)」に標準装備し、利便性を向上させました。

なお、リモコンオートバックドアについては「250ハイウェイスタープレミアムアーバンクロム(434万1600円〜463万3200円)」にも標準で装備されます。

また、日産車をベースにスポーツモデルなどの特装車を手掛ける株式会社オーテックジャパンは、「エルグランド(250ハイウェイスタープレミアム)」をベースにした福祉車両を同日で販売をスタート。

乗り降りをアシストするステップを備えており、エルグランド持ち前の高級感と相まって、ホテルや旅館などでの送迎への活用も見込まれています。

(今 総一郎)

フェアレディZ NISMOパトカーに先導されてパレードした1日署長の元AKB48とは?

お台場にある東京湾岸警察署が春の交通安全運動をアピールするために、4月10日に交通のつどい・パレードを開催しました。

パレードには導入されたばかりの新型フェレディZ NISMOのパトカーが登場し、多くの人で賑わいました。

PHOTO002

交通安全のつどいでは、元AKB48の松井咲子さんが1日署長を務めました。

AKBでは制服のような衣装を着る機会の多かった松井さんですが、今日は本物の婦人警官の制服で登場し、ファンからは熱い声援が飛びました。

PHOTO005

松井さんはまだ自動車の免許証はもっていないため、移動は徒歩か自転車で行うそうです。

最近自転車で飛び出してくる人やスマートフォンなどをイジリながら歩いたりする人が多いので本当に危険だなと思うことが多い、とのこと。

PHOTO004

今回、こうして1日署長となったことで、改めて交通安全について考える良い機会になったそうです。そして「これからゴールデンウィークなどで外出する機会が増えるので、さらに気を付けてください!」と交通安全をアピールしていました。

PHOTO006

1日警察署長の挨拶が終わると、東京湾岸署の署長と松井さんがオープンカーに乗り込み交通安全をアピールするパレードのスタートしました。このパレードを白バイと一緒に先導するのが、先日導入されたばかりの日産フェアレディZ  NISMOのパトカー。

PHOTO003

沿道には松井さんのファンも多く集まりましたが、Z のパトカーを目当てにしたファンも多くカメラを向けていて、注目の高さを感じました。しかしこのパトカーには追われたくないですね。

(萩原文博)

この発想は便利。乗り降りしている人も確認できるアラウンドビューモニター

これは便利。アイデアが素晴らしい。

32台もの商用車を集めておこなわれた、報道向けの「小型商用車(LCV)オールラインナップ試乗会」。その会場内でボクの興味を引いたのが、新しいタイプのアラウンドビューモニター。

「アラウンドビューモニター」というのは車体の前後左右に取り付けた4つのカメラ画像を合成し、車両を真上から見下ろす俯瞰画像として画面に映す仕掛け。

バック時に車両後方を写すバックモニターの発展型で、車両周囲360度を見渡せるから安全確認がしやすく(クルマの直近にある障害物は死角となるので意外に気付きにくい)、そして駐車枠や周囲の車両との位置関係が理解しやすく車庫入れをサポートしてくれる機能です。

今やいろんな自動車メーカーに、それこそ高額なクルマだけでなく軽自動車にまで広まりつつあるけれど、最初に実用化したのは日産なんですね。

20160317Nissan LCV AloundView_11

そんなアラウンドビューモニター。ボクも知らなかったんだけど、派生モデルともいえる通常と違うタイプもあったんです。その違いをもっとも表している画面がこれ。

20160317Nissan LCV AloundView_09

普通のアラウンドビューモニターとの違いが分かります?

そう、乗り降りしている人が確認できるんです。

普通のアラウンドビューモニターの側面用カメラはドアミラーについているので、地面付近の障害物は映るけれど乗り降りしている人がいても足元しか映らない。

しかしこのモニターは、ルーフにカメラがついていて乗り降りしている人やドアの周りの様子が一目瞭然というわけなのでした。

このシステムは普通の乗用車ではなく、NV350キャラバンベースの送迎車や福祉車両、幼稚園バス、そして救急車用に考えられたもの(オプション設定)。運転席から乗り降りの様子がしっかりと確認できることで、利便性、そして安全性を高めようというアイデアなのです。

また、狭い場所では前方モニターも大活躍。クルマは真後ろだけでなく車両直前も死角であり、実はギリギリまで寄せるのは難しいけど、モニターがあれば距離感がつかみやすいから簡単確実に車両を寄せることができるのです。

送迎車などの購入を考えているみなさん、この機能を用意しているのはキャラバンだけ。「あのライバル」にはありませんから、よく検討しましょう!

(工藤貴宏)

まるでUFO。日産の電動トラックe-NT400の走りの衝撃は異次元の世界だった

これは素晴らしい! まるでプロペラ機からUFOに乗り換えたみたいな異次元感。

軽トラックからマイクロバスまでたくさんの商用車を集めて開催された日産の商用車大試乗会。

とっかえひっかえいろんな商用車に触れた後、帰りがけに広報スタッフから聞かれたのが「いちばんよかったのはどれですか?」という質問。

「e-NT400に決まっているじゃないですか」とボクは即答しました。

だって凄いんです、e-NT400。ここまで異次元感を味わえるのは、年間200台以上の車に乗る僕だってそう経験できることじゃありません。まるで脳天を貫かれたようなレベルです。

20160317Nissan LCV e-NT400_09

e-NT400のどこが素晴らしいか。走りが凄いんです。

エンジンをかけるとガラガラガラと荒々しい音を立ててアイドリングする、振動も乗員にたくさん伝わってくる。加速は鈍くてかったるい。

ディーゼルエンジンを積む商用トラックはだいだいそういう感じ。ドライバビリティとか快適と言う言葉は本当に本当に縁遠い。

だけど、e-NT400はそんなトラックらしさがすべてない。「影を潜めている」とか「緩和されている」なんてレベルじゃなくて一切ないんです。これを大革命といわずしてなんと表現したらよいものか。

……なんて書くと大げさだと思うでしょ? でもこれでも控えめに書いているくらいの衝撃だったのです。

20160317Nissan LCV e-NT400_02 20160317Nissan LCV e-NT400_04

ところで「e-NT200」ってなにか。実はエンジンを取り外してかわりにリーフ譲りの電動ユニットを組み込んだモーターで走る電気トラック。

まだ試作車レベルで発売はしていないけれど、量産化を目指して宅配会社や生協が日産のパートナーとなりモニターで使用しています。

その走りが凄い。見た目が普通のトラックだから動きが鈍いと思うじゃないですか。だけどアクセルを踏み込むとヒューンという甲高いインバーター音(だけどうるさくはない)を発しながら滑るように加速。

それが滑らかなだけじゃなく俊足なのだから最初に見たときは目を疑いましたワタクシ。そのうえ加速感だって伸びやかで爽快。なんだこの見た目のギャップの大きさは。

その様子は言うなれば目を疑う速さで疾走するカバ。その見た目の想像を裏切る感覚が痛快です。もはや異次元の世界。道路を走るUFOですこれは。

そのうえ、メリットは加速感だけじゃないのだからまた素敵。

「EVだから環境にやさしい」なんて優等生的なことを言うつもりはないけれど、アイドリングがないから閑静な住宅街でも音が迷惑にならないし、エンジンの振動がないから乗り心地だっていい。

ドライバーにとってはいかにもトラック的な加減速のクセが少なくて運転しやすい。そして振動がないから精密機械などの荷物がシェイクされずにだってすむ(かもしれない)。

もちろん通常のEV同様に長距離は無理だけど、担当地区を回る宅配会社の集配業務など狭い範囲での使い方には最適です。

20160317Nissan LCV e-NT400_06

だけどすぐに実用化できないネックがやっぱりあって、そのひとつが航続距離の短さ。いまの仕様(リーフ用24kWバッテリーを搭載)だと実質30キロくらいしか走行距離が持たないのだそうで。

「この倍くらい走れば広く活用できると思うのですが」と開発者は言ってました。まずはリーフ上級仕様用の30kWバッテリー搭載かな。ポテンシャルは高いと思います。

それから高価なバッテリーを積むので価格も安くはない。これも事業者にとっては難しい問題。バッテリー搭載の都合で荷物スペースも狭くなってしまう。

とはいえ、個人的にはこの電気トラックにはとても将来性を感じるし期待したいところ。だって、ガラガラうるさいエンジン音で近所迷惑にならないし、とっても運転しやすいんだから。乗用車よりも電動化のメリットがあるんじゃない?と思っているくらい。

それにしても、あの加速の爽快感は思わず顔がにやけちゃった。トラックなのに。

(工藤貴宏)

2.5リッターのエルグランドがリモコンバックドアを標準装備化

日産のキング・オブ・ミニバン「エルグランド」が一部仕様変更を実施しました。進化の対象となったのは、4気筒エンジンを積む250系の上級グレードです。

160404-elgrand

「250ハイウェイスタープレミアム」には、運転席側ワンタッチオートスライドドアおよびリモコンオートバックドアを標準装備。「250 ハイウェイスタープレミアム アーバンクロム」には、リモコンオートバックドアを標準装備しています。

LLサイズのミニバンだけに、リヤゲートが電動で開閉できる機能の標準装備化は、ユーザーの利便性を大きく向上させるといえそうです。

消費税込メーカー希望小売価格は、「250ハイウェイスタープレミアム」が413万6400円(2WD)/434万1600円(4WD)。「250 ハイウェイスタープレミアム アーバンクロム」は442万8000円(2WD)/463万3200円(4WD)となっています。

(山本晋也)

日産の2月度グローバル販売、42万台で2ヶ月ぶり増へ!

日産自動車と自販連(日本自動車販売協会連合会)の発表によると、2月度の国内登録車の販売台数は4.1万台(前年同月比+2.4%)。

うち、乗用車については上位30車種中、4位の「ノート」が9,800台(-6.6%)、7位の「エクストレイル」が7,367台(+34.8%)、10位の「セレナ」が6,569台(-3.7%)、28位の「リーフ」が2,819台(+74.9%)となっています。

NISSAN_NOTE

また軽自動車の国内販売については2.2万台(-11.5%)で、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)によると、上位15車中、デイズが1.6万台(-12.7%)で3位にランクインしています。

一方、海外販売では北米が16.9万台(+11.1%)と好調な反面、ロシアが9,378台(-26.8%)、中国が6.1万台(-13%)と伸び悩んでいるものの、グローバルでは41.9万台(+0.5%)と、2ヵ月ぶりに前年実績を上回っています。

他社でも言えることですが、国内市場(特に軽自動車)や新興国での販売不振を北米市場(カナダ、メキシコを含む)の販売好調で補完している構図と言えそうです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

日産が「超小型EV」4台をカスタマイズ!NYショーに出展
http://clicccar.com/2016/03/30/362961/

日産が次期「リーフ」で航続距離500km超えを達成する?
http://clicccar.com/2016/03/22/360805/

日産が高速道路での「自動運転」機能搭載車を年内に発売!
http://clicccar.com/2016/03/05/358508/

日産が中型バン「NV300」を今年後半に欧州市場へ投入!
http://clicccar.com/2016/02/23/355705/

日産がミャンマーで「サニー」の生産を年内にスタート!
http://clicccar.com/2016/02/22/355580/

日産・ティアナに安全装備充実の新グレードを設定!!

日産自動車は、同社が販売するセダンの「ティアナ」に新たなグレード「XVナビAVMパッケージ」と「XLナビAVMパッケージ」を設定し、4月4日(月)から販売をスタートしました。

L33-150210-02-1200x614

新たに追加されたグレードの目玉は安全装備の充実。

車両を俯瞰しているような映像を映し出し、駐車などでの周囲の確認にひと役買う「アラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)」をはじめ、「LDW(車線逸脱警報)」「BSW(後側方車両検知警報)」さらには長距離移動に便利な「クルーズコントロール」がセットになったメーカーオプションナビが標準装備となっています。

価格は以下の通りです。

「XLナビAVMパッケージ」:321万3000円
「XVナビAVMパッケージ」:351万3240円

(今 総一郎)

この巨大サイズ。あふれるワイルド感。オトコがこのクルマに憧れるのはやっぱり本能?

「使いやすいクルマ」とか「快適なクルマ」とか、ときには「燃費のいいクルマ」とか、末席とはいえ自動車ライターとして仕事をしているので基本的にはユーザーの賢いクルマ選びをサポートすべく原稿を書いているワタクシ。

ですが、時には小難しい理論とか理由付けなんかすっかり忘れて憧れてしまうクルマだってあるのです。

先日、そんなクルマに乗るチャンスがありました。その名はタイタン!……といっても同名のマツダのトラックではありません

見てくださいこのスタイリング。

20160317Nissan LCV Titan_23

ワイルドでしょー。そして全長約6mという巨大サイズ。

この押し出しの強さ。いかにも頑丈そうな雰囲気。磨き上げられた道具感。

20160317Nissan LCV Titan_24

いわゆるフルサイズピックアップで、アメリカではこれを乗用車として個人で愛用する人がけっこう多いんですよね。

もし日本で使ったら、車体が大きすぎてファミレスの駐車場ではとんでもないことになりそうです。

20160317Nissan LCV Titan_31 20160317Nissan LCV Titan_3020160317Nissan LCV Titan_27 20160317Nissan LCV Titan_28

ダブルキャブ車は後席が広いのも特徴。足元の余裕も凄い。

20160317Nissan LCV Titan_32

エンジンは日産製ではなく、カミンズ社製のディーゼルを搭載。V8の5Lで、最高出力は310馬力。トルクはなんと753Nm。

これだけの強心臓なのだから、車重約3トンとはいっても加速は豪快。巨体が勢いよく動く様子は、まるで疾走するバッファロー(アメリカっぽくまとめてみましたよ)。

20160317Nissan LCV Titan_07

今回撮影した車両は上級仕様で、日本円にすると約650万円。

その値段を出せばそれなりのプレミアムセダンも買えるけれど、実車を前にするとあえてワイルドなトラックを選ぶ気持ちもよくわかります。理論ではどうにも説明できない、もはや本能的としかいえない魅力ってやつですね。

これでホームセンターとか行ったらカッコいいぜ。あぁ欲しい。

(工藤貴宏)

何台知ってる?実は日産が販売する車両の5台に1台は商用車。

世界規模でみると、日産が販売している車両のうち5台に1台が商用車。

ボクも知らなかったのですが、例えば日本でも2015年4月から2016年1月までの日産の車種別販売台数を見ても、6位がクリッパー(NT100やNV100)、7位がNV350キャラバン、そして8位がADと、トップ10のうち3台は商用車なのだそう。こういうのを隠れ人気車っていうのでしょうか。

20160317Nissan LCV etc_01

日本では10モデルの商用車を販売しているのですが、代表的なモデルを紹介しましょう。あなたは何台知っていますか?

■NV350キャラバン

20160317Nissan LCV Caravan-G_01

先日のマイナーチェンジで自動ブレーキが追加され、クラス唯一の自動ブレーキ装着車となりました。カスタマイズモデルやキャンパー仕様、福祉車両などバリエーションも豊富です。

■NV200バネット

20160317Nissan LCV NV200_01

NV350キャラバンよりも一回り小さな商用ワンボックス。駆動方式はFRです。

■NV200タクシー

20160317Nissan LCV NV200Taxi_05

バネットをベースにしたタクシー。日産はセダン型タクシーの供給をやめ、すべてバン型を販売しているのです。

セダン型タクシーと違って荷室に大型スーツケースが複数積めるのが最大の特徴で、空港では大人気。燃料はLPGとガソリンのバイフューエル(どちらも使える)なんですよ。

■e-NV200

20160317Nissan LCV e-NV200_23

NV200をベースにリーフのパワーユニットを搭載して電気自動車化したモデル。2列シートと3列シートがあります。日本で販売される車両もスペイン製の「輸入車」です。

■アトラスF24

20160317Nissan LCV Atlas_01

1.15〜2トン積みをラインナップする小型トラック。兄貴分として最大積載量2〜4トンとひとまわり大きな「NT450アトラス」もあり、そちらは三菱ふそうからのOEM供給。

ちなみに三菱ふそうはドイツのダイムラー(ベンツを擁する会社)の傘下にあり、日産とはアライアンスの関係です。

■タイタン(手前)とNP300ナバラ(奥)


20160317Nissan LCV Navara_28

日本では絶滅状態にあるピックアップトラックも海外では大きな柱。北米だけで販売されているタイタンは全長約6mの巨大なボディで、ベッドと呼ばれる荷台が大きいだけでなく居住スペースもセダン顔負けの広さ。ワイルドですねー。

NP300ナバラは東南アジア、欧州、オセアニア、そして南米と世界各地で発売されているグローバルカー。昔で言う「ダットラ」ですね。

えっ、タイタンの走る様子が見てみたい?ではこちらもどうぞ。

(工藤貴宏)

日産自動車が中国で目指す「ゼロ・フェイタリティ」とは?

日産自動車の中国現地子会社である日産(中国)投資有限公司(以下、NCIC)は、北京モーターショー2016に、日産の将来ビジョンを具現化したコンセプトカー「ニッサンIDSコンセプト」を出展します。

160329-01-01

昨年の東京モーターショーにサプライズ出展された「ニッサンIDSコンセプト」は、日産の将来ビジョンである「インテリジェント・モビリティ」を具現化したモデルとして、「ゼロ・エミッション」、「ゼロ・フェイタリティ」を目指しています。

「ゼロ・エミッション」は汚染なしですが、「ゼロ・フェイタリティ」の意味をご存知でしょうか?

「フェイタリティ(fatality)」とは、辞書によると不幸・事故による死亡という意味。つまり、「ゼロ・フェイタリティ」とは事故死ゼロということ。

「ニッサンIDSコンセプト」のテーマである電動化と自動運転で事故死ゼロ、つまりNCICは安全性の高さを強調しているのです。

160329-01-02

さらに、同モーターショーでは「マキシマ」も展示します。

「マキシマ」は2015年の広州国際モーターショーで中国初公開されました。中国のヤングエリートから注目を集めており、若者をターゲットにした東風日産の「Young Nissan」戦略を強化するモデルとして、販売を強化するねらいがあるようです。

北京モーターショー2016は、チャイナ・インターナショナル・エキシビジョン・センターで4月25日〜5月4日に開催されます。

(山内 博・画像:日産自動車)

日産スカイラインが全車に「エマージェンシーブレーキ」を標準装備

日産スカイラインが一部改良を受け、改良後モデルが4月18日から発売されます。目玉は、「エマージェンシーブレーキ」をはじめとした、最新の安全装備である「全方位運転支援システム」の標準装備化。

160328-02-01-1200x800

前方への備えとしては、まず目玉の「エマージェンシーブレーキ」は、衝突の危険があるとシステムが判断すると、メーター内の警告灯とブザーでドライバーに衝突回避操作を促し、万一ドライバーが安全に減速できなかった場合に緊急ブレーキを作動させて衝突を回避。または、衝突時の被害や傷害を軽減させる装備です。

作動条件は、約5km/h以上で前方の車両に作動し、停止車両に対しては、約70km/h以上では作動しません。また、約60km/h以下で衝突回避が可能(能力がある)とされています。

160328-02-03-source

さらに、自車から見えない2台前を走る車両の状況を検知し、自車の減速が必要と判断した場合にディスプレイとブザーによる警報でドライバーに注意を促す「PFCW(前方衝突予測警告)」、高速道路などでの長距離ドライブ時にドライバーの疲労を低減する「インテリジェントクルーズコントロール」などを搭載。

160328-02-04-source

側方の安全支援については、死角になりやすい斜め後方にいる車両を検知し、インジケーターでドライバーに知らせる「BSW(後側方車両検知警報)」、後側方に車両がいるときにレーンチェンジを開始すると、インジケーターとブザーで警報を発するとともに、接触を回避するよう車両を元のレーンに戻す操作を支援する「BSI(後側方衝突防止支援システム)」を用意。

160328-02-05-source

そして、後方については、バックで駐車場を出る際など、接近する車両を検知してインジケーターやディスプレイの表示とともに、音でもドライバーに注意喚起し、さらに後退している最中に車両が接近した場合に衝突を回避するよう運転操作を支援する「BCI(後退時衝突防止支援システム)」が搭載されています。

ほかにも、車両の周囲が表示されるだけでなく、周辺の移動物を検知しドライバーに注意を喚起する「MOD(移動物検知)機能付きアラウンドビューモニター」も搭載されています。

価格は3.5Lエンジン(ハイブリッド)の「350GT HYBRID」が492万6960円、「350GT FOUR HYBRID」が520万7760円、2.0Lターボの「200GT-t」が413万3600円です。

(塚田勝弘)

いまさら聞けない、日産の4WDシステムの違いとは?

「4WD」を聞いたことがないクリッカー読者はいないと思いますが、いまやそのシステムは多岐にわたります。同じメーカーでさえ、複数のシステムを用意していることは珍しくありません。

今回は、駆動方式や車種により異なる複数のシステムを用意している日産の4WDシステムの違いを見ていきましょう。

20160127Nissan4WD067(1)

■ALL MODE 4×4

エクストレイルに搭載されている4WDシステム「ALL MODE 4×4」。大きな特徴はアクセルを踏むとセンサーが路面状況を感知し4WDコンピューターが走行状態を判断することでしょう。

20160127Nissan4WD070

20160127Nissan4WD060

走行状況に応じて前後トルク配分を燃料消費が少ない(フロント)100:(リア)0から、悪路などで走破性を高める約50:50に切り替えることで、滑りやすい路面でも安定した走りを可能とします。

20160127Nissan4WD068

また「ALL MODE 4×4」搭載車に標準装備される「ヨーモーメントコントロール」は、自動的にきめ細かい前後トルク配分を行う機構。さらに「VDC(ビークルダイナミクスコントロール)」などとの組み合わせで、あらゆる路面で安心して走行できる4WDシステムと言えるでしょう。

■ALL MODE 4×4-i(トルクベクトル付)

ジュークに搭載されている4WDシステム「ALL MODE 4×4-i(トルクベクトル付)」をひと言でいうと「曲がる4WD」。

20160127Nissan4WD041

新開発のリヤファイナルドライブユニットは、左右に電子制御カップリングを搭載していて、旋回時に後輪外輪側により大きな駆動力を配分するのが特徴です。

20160127Nissan4WD044

20160127Nissan4WD050

このユニットにより左右の駆動力に差が出て車両ヨーモーメント(車を旋回させようとする力)をダイレクトにコントロールします。言ってみれば機敏なハンドリングでコーナリング時にクルマを思い通りに操ることができるシステムと言えるでしょう。

20160127Nissan4WD046

また舗装時にスポーティなハンドリングが楽しめるだけでなく、滑りやすい路面でのより安定した走行が可能な4WDモードを選択することも可能です。

■ATTESA E-TS

GT-Rが搭載している4WDシステムが「ATTESA E-TS」。

PHOTO_0022-618x412

この4WDシステムはリヤタイヤに必要なグリップ力をもたらしつつ、ブレーキング時などで車両姿勢を保つために必要なフロントタイヤのグリップ力と荷重を割り出し、4輪にいかに荷重をかけるかという考え方のもと開発されたシステムです。

「あらゆる路面で旋回ライントレース性と加速性を高い次元で両立させた」と、日産は説明していますが、ハイパフォーマンスカーのGT-Rにふさわしい4WDシステムであることは間違いありません。

■パートタイム4WD

NV350キャラバンなどに搭載されている4WDシステムが「パートタイム4WD」。

20160127Nissan4WD015

「パートタイム4WD」とは、基本は二輪駆動で走行しますが、路面状況などに応じてスイッチひとつで2WDから4WDの切り替えが可能なシステムです。

20160127Nissan4WD016

20160127Nissan4WD025

NV350キャラバンのような商用車にとって、市街地などでは二輪駆動(FR)、悪路や雪道では4WDと切り替えることができるこのシステムは燃費などを考えたときメリットがある4WDシステムといえますね。

(テヅカ・ツヨシ)

新型日産GT-R、2017年モデルは20馬力アップに深化して日本お披露目!

2016年ニューヨークオートショーにおいて世界初公開された、大幅に進化した日産GT-Rが日本上陸です。

2017MY_R35_JapanPremiere105

4月1日に行なわれた入社式に続き、日産グローバル本社ギャラリーにおいて先行披露された2017年モデルのGT-R、日本仕様のスペックや価格は未発表。

しかし、グローバル仕様の左ハンドル車に加えて右ハンドル仕様も展示されるなど、日本でのデビューも遠からずと感じさせるのです。

日産ブランドのデザインシグネチャーである「Vモーション」を採用したニューフェイスは、開口部を大きくしているのが特徴。

その理由は取りも直さずパワーアップに伴う発熱量増大に対応するためといいます。

2017MY_R35_JapanPremiere110

すでに発表されている北米仕様のスペックでは最高出力は6800rpmで565馬力を発生するというもので、発生回転は400rpmほど高められ、最高出力も20馬力アップとなっているのです。

とはいえ、ハードウェアは基本的にキャリーオーバー。これまでバンクごとに設置したノックセンサーで検知して点火時期を決めていた制御を、クランク位置とノックセンサーの信号から、各気筒ごとのノッキングを知るように細やかにしたことで、よりエンジンの性能を引き出せるようになったということです。

また、ブースト圧についても数kPaレベルで高めているのもパワーアップには効いているといえそうです。

GT-Rの特徴ともいえる、リアに置かれたトランスミッションについても、ハードウェアの基本はそのままに制御をきめ細かく煮詰めることで、街乗りなど低速時の乗りやすさと本気走りでのダイレクト感を共に高めているというのも、パワートレインでは見逃せない点といえそうです。

そうしたメカニズムの進化(深化)は生まれ変わった内外装でもアピールしていますが、キャビン部分のボディパネルではCピラーの形状も含めて一新されているのが注目でしょう。

ボディ剛性の前後バランスも考慮した新キャビンは、従来モデルの特徴でもあったCピラーのキャラクターラインをマイルドにすることで、空力性能も向上しているというのがポイントです。

2017MY_R35_JapanPremiere108

そのほか、フロントのアンダーリップスポイラーやリアバンパー両脇の形状など、細かい部分にまで空力における深化のあとが確認できる2017年モデルのGT-R。

スポーツ性はもちろん、プレミアム度もグッと高めた、日産のフラッグシップであり、日産テクノロジーの象徴といえそうです。

(写真・文 山本晋也)

次期日産リーフ?「ニッサンIDSコンセプト」を中国初披露

昨年の東京モーターショーにサプライズで出展された日産の「IDSコンセプト」が4月25日から5月4日まで開催される「北京モーターショー2016」で初披露されるほか、プレミアムスポーツセダンを標榜するマキシマも出展されます。

151028-01-07-source

「IDSコンセプト」は次期リーフか? という噂や見方も一部であるようですが、どう見てもその名のとおり、フルカーボン製ボディを使った外装など、「コンセプト」然とした内・外装になっています。

簡単におさらいすると、完全自動運転と部分自動運転の切り替えが可能など、自動運転を見据えた技術、そして60kWhというリチウムイオン電池は、最新リーフの倍。

151028-01-24-1200x675

日産では「ゼロ・エミッション」、究極的には死亡事故ゼロを目指す「ゼロ・フェイタリティ」の実現に向けた将来ビジョン「日産インテリジェント・モビリティ」を体現するコンセプトカーとして中国でも提案するとしています。

The all-new 2016 Nissan Maxima, which goes on sale in summer 2015, sets a new standard for style, performance and technology in the mid-size sedan segment.

また、最新のプレミアムスポーツという位置づけのマキシマは、「高品質かつエキサイティングな商品を中国市場にもたらす」という日産のコミットメントを体現する商品として出展。

160329-01-02-source

2015年の広州国際モーターショーで中国初公開されたマキシマは、洗練されたスポーツカーのようなスタイリングや高い走行性能、 セグメントをリードする先進技術の搭載により、とくに中国のヤングエリートから注目を集めているそうです。

2016 Nissan Maxima

同車には、セーフティ機能が多数搭載されていて、ラグジュアリーモデルにふさわしい高級感あるインテリアが特徴。

8代目マキシマは、 2015年に米国でのデビュー以来、高い評価を得ているそうで、中国でも、若者をターゲットにした東風日産の「Young Nissan」戦略を強化するモデルとして、販売に寄与するものと期待されています。

(塚田勝弘)

商用車購入のポイントは使い勝手だけでない。NV350キャラバンの隠れた実力を発見!

今年2月にエマージェンシーブレーキ(自動ブレーキ)の採用など、一部改良を行ったNV350キャラバン。

20160127Nissan4WD018

E26-160126-06-source

このクラスとしては初となる自動ブレーキ、VDC(ビークルダイナミクスコントロール)、ヒルスタートアシストと安全装備をセットにした「エマージェンシーブレーキパッケージ」を設定したことで、ライバルとなるハイエースに安全装備では大きく差をつけました。

20160127Nissan4WD022

20160127Nissan4WD023

荷物の積載能力や使い勝手ばかりに目を向けられる商用車ですが、今後は安全面を重視したユーザーが増えていくかもしれません。

そんなNV350キャラバンですが、あまり表に出ない走行性能についても実は高い実力を備えていることはあまり知られていません。

というか、試乗するまで筆者も知りませんでした…。

今回試乗したのは、NV350キャラバンのプレミアムGX・4WD。ボディバリエーションが複数ある同車ですが、ロングボディの標準ルーフボディです。

20160127Nissan4WD007

試乗車には2.5L直4ディーゼルのYD25DDTi型エンジンが搭載されていました。

最高出力は129psとスペック的には高くありませんが、低速からトルクが大きい(最大トルクが36.3kgf・m)ターボディーゼルは、アクセルを踏み込むとグイっと加速していきます。

20160127Nissan4WD009

ワインディングロードでは機敏なハンドリングを実現…とはいきませんが、逆に荷物を積んでいない状況であっても安定した走行を見せてくれます。

また乗り心地もなかなか。これなら長距離ドライブで運転手や同乗者がキツイ思いをすることはないでしょう。

20160127Nissan4WD019 20160127Nissan4WD003

試乗していたなかでとくに感心したのが不整路の走破性。

試乗時は一部コースでは圧雪路はあったものの、暖冬の影響で融雪路を中心としたコースでしたが、路面の状況を気にせずスムーズな走行が可能だったのです。

試乗したNV350キャラバンはパートタイム式4WDだったことも大きな要因かもしれませんが、もともとの基本性能が高いことは試乗するだけでよくわかりました。

商用車を購入する条件で、安定した走行ができる性能を重視するユーザーは少ないでしょう。1年間に3万km以上走るといわれる商用車にとって走行性能が高いNV350キャラバンは大きなメリットになるのではないでしょうか。

【テヅカ・ツヨシ】

日産「スカイライン」、自動ブレーキを全グレードに標準装備で死角なし!?

日産自動車株式会社は、同社が販売するセダン「スカイライン」の全グレードに自動ブレーキを標準装備しました。

0410504_01-20160328160311

今回の一部仕様向上で自動ブレーキが標準装備されるグレードは、「350GT ハイブリッド」「350GT FOUR」「200GT-t」の3モデル。

システムが衝突の危険があると判断すると、メーター内の表示とブザーで衝突回避操作を促し、それでも安全に減速できなかった場合には緊急ブレーキをかけて衝突の被害を回避または軽減するというもの。

さらに、自車の2台前を走るクルマの状況を検知して減速を知らせる「PFCW(前方衝突予測警告)」や、高速道路などの走行時にドライバーの疲労を軽減させる「インテリジェントクルーズコントロール」も搭載。

0410504_08

また、後側方にいる車両を検知してドライバーへ知らせるとともに、車線変更時には接触を防ぐように元のレーンへと戻す操作を支援する「BSI(後側方衝突防止支援システム)」のほか、後退時に接近してきた車両を検知して注意を促す「BCI(後退時衝突防止支援システム)」を採用。

0410504_09 0410504_10

駐車時に車両周囲の状況を俯瞰で確かめられる「アラウンドビューモニター」は移動物を検知し、ドライバーへ必要に応じて警告する機能も付いています。

販売は4月18日から開始されます。

(今 総一郎)

日産が「超小型EV」4台をカスタマイズ!NYショーに出展

日産が4月3日までの日程で開催中のニューヨーク国際オートショー16に、「NNMC」(日産ニューモビリティコンセプト)のカスタマイズ車を出展するそうです。

Nissan New Mobility Concept

ベースモデルは日本でもかねてからカーシェアリングの実証実検などが行われているので、実車をご覧になった方も多いかもしれません。

同車はルノーが欧州で販売しているパーソナルEV「TWIZY(トゥイジー)」の日産版で、スリーサイズは全長2,337mm×全幅1,237mm×全高1,453mmとコンパクト。

Nissan New Mobility Concept

車両重量も474kgと軽量で、車内は2名が縦に並んで座るタンデムレイアウトとなっています。

17psのモーターを搭載しており、満充電までの時間は3.5時間。航続距離は約64kmで最高速度は40km/hとなっています。

NISSAN(出展 NISSAN)

そのコンパクトさを活かして駐車車両の隙間に停めることも可能。

Nissan New Mobility Concept

北米日産では色違いのコンセプトモデル4台を出展する予定で、大都市における交通渋滞や排ガスによる大気汚染、駐車場問題を解決するのに有効としています。

Avanti Yasunori

【関連記事】

乗り捨て型の登場で激アツのカーシェア最新事情!
http://clicccar.com/2015/05/03/305427/

トヨタや日産が小型EVのカーシェアリングを本格化!
http://clicccar.com/2014/07/13/261687/

超小型EV トヨタ「i-ROAD(アイロード)」が公道走行へ!
http://clicccar.com/2014/03/05/248429/

日産「ニューモビリティコンセプト」のレンタカーが瀬戸内国際芸術祭へ !
http://clicccar.com/2013/07/29/226157/

話題の超小型モビリティが「超小型車」として神奈川県で初認定!
http://clicccar.com/2013/06/22/223277/

まるで「R35.5 GT-R」。新型2017年式日産GT-RがNYで世界初公開!【動画】

ニューヨーク国際自動車ショーで、日産自動車が2017年仕様となるGT-Rを発表しました。

今までのR35 GT-Rのイヤーモデルとは異なり、外観が明らかに異なる、よりアグレッシブさを出したデザインになっております。

RES_2017_nissan_gtr_11

心臓部は3.8LV6ツインターボのVR38DETTエンジンに変わりはないのですが、最高出力が565馬力に引き上げられて、熟成が進んだ6速DCTと4WDシステムによって、0-60mph加速を2.7秒で完了してしまう日本が世界に誇る駿馬です。

また走りの高性能だけではなく、快適性も進化しています。

RES_2017_nissan_gtr_24

Premiumグレードに標準装備されていた新技術として「アクティブ・ノイズキャンセル」と「アクティブ・サウンド・エンハンスメントシステム」を合わせたチタンエキゾーストシステムを採用し、走行状況に応じてサウンドノイズを抑えることが可能になります。

RES_2017_nissan_gtr_19

2017年GT-Rの顔つきは、公開されたオレンジボディも相まってチューニングカーの様な迫力を感じさせます。

このフロントグリルは「V-モーション」グリルと呼ばれ、凄い熱を持つパワーユニットの冷却を可能な範囲で向上させています。高速走行時の安定性にも寄与しているそうです。

RES_2017_nissan_gtr_38インテリアは、今回のGT-Rで一番変化した箇所になります。GT-Rのコンディションをリアルタイムでドライバーに伝える8インチのタッチパネル式モニターはダッシュボードからはみ出さずに収納されています。

RES_2017_nissan_gtr_42

エアコンの吹き出し口、ダイヤル、走行モードの切替スイッチもそれに合わせて低く設置されています。とてもすっきりして使い勝手は良さそうですが、あまりにもすっきり“しすぎて”「GT-R」というプレミアムカーと見るとちょっと地味ではないかと僕は感じました。

ステアリングも、裏のパドルシフトスイッチが小型化し、ステアリングと一緒に回るものになったのでよりドライビング集中できると思います。

いかがでしょうか?

今回の2017年式でR35 GT-Rは次世代へバトンタッチすると言われていますが、やはりどんなに形が変化しても「GT-R」のバッチを付けることを許された日産車はクルマ好きにとっては特別な1台だなと改めて思いました。

現在PS4/Xbox One/PCで大好評発売中のストリートレースゲーム「Need for Speed」上で現地時間の24日から(PC版は30日から)、誰もが無料で新型GT-Rのパフォーマンスをバーチャルですが、体感できます。

最近のゲームアップデートで本格的なハンドルコントローラーも対応しましたので、是非Need for Speedの舞台「ベンチュラ・ベイ」を新型GT-Rでドライブしてみませんか?

北米日産アナウンス(英語)
Need for Speed公式サイト

(栗原 淳)

日産は独自のバッテリーで電気自動車の600km走行を目指す

いち早く100%電気自動車「リーフ」を発売するなど、EVの実績を積み重ねている日産自動車。「誰よりも早く、電気自動車の時代を実現する」をテーマに、『EV進化論2016』を発表しています。

EVlution_J-source

販売開始から5周年を目前にしたマイナーチェンジにより、リーフはバッテリーを進化させ、パッケージを変えずに総電力量を30kWhへと向上。満充電からの航続可能距離を280kmに伸ばしています。

EV進化論2016の第一号では、その新しいリチウムイオンバッテリー開発者が、EV用バッテリーの展望について語っています。

Module_battery_crush_test02-1200x798

日産では1992年から自動車用の駆動バッテリーとしてリチウムイオンバッテリーの開発を進めていたといいます。また、リーフなどにも使われているラミネート構造のバッテリーセルは独自に開発した技術と主張するもので、コスト面でもパッケージ面でも有利な構造だということです。

ラミネート構造は強度的に不安に思うかもしれませんが、これまでバッテリーに起因する事故は起きていないというから安心ですし、新しい30kWh仕様に使われているバッテリーでは容量保証も8年間・16万kmへと延長しています。

Battery_cell-source

着実に進化している電気自動車用の駆動バッテリーですが、満充電からの航続可能距離が280kmというのでは、まだまだエンジン車には届いていません。次なるステップとしては、軽自動車の満タン状態からの航続距離に匹敵する600kmを目指しているといいます。

また、バッテリーの性能は蓄電能力を示す電力量だけではありません。バッテリーから同時に取り出すことのできるパワー(出力)もクルマのパフォーマンスを左右するスペックです。

リーフの30kWhバッテリーパックから瞬間的に取り出すことのできるパワーは、なんと200kWにも達するといいます。すなわち、かつて自主規制値として存在していた280馬力のスポーツカーに匹敵する加速性能を実現することができるだけのポテンシャルがあるというわけです。

さらに航続距離を伸ばすこと、加速性能を高めること。電気自動車の進化を担うバッテリーの伸びしろに期待が高まります。

日産が次期「リーフ」で航続距離500km超えを達成する?

「第7回国際二次電池展」にて、電動車向けバッテリーの開発、製造、販売を手掛ける「AESC」(オートモーティブエナジーサプライ)社がリチウムイオン電池の最新動向をプレゼンテーションしました。

AESCは日産自動車とNECが共同で設立したバッテリーサプライヤーで、展示会では今後の電動車の航続距離拡大の鍵を握る革新技術を紹介。

NISSAN_LEAF

それによると同社はEVの航続距離を倍増させる技術に目処を付けているようです。

おりしも昨年6月、日産自動車が株主総会で株主に対してガソリン車並みの航続距離を実現したEV(実検車両)の存在を明らかにしており、日産に電池を供給する「AESC」の出展内容が注目されていました。

NISSAN_LEAF

「AESC」はエネルギー密度を1.3倍以上に向上させたリチウムイオン電池を2018年に製品化する考えのようで、EVの航続距離を現行比で1.5倍から2倍近くにまで伸ばせる見込みとしています。

具体的には正極材に使用している“マンガン酸リチウム”を三元系材料に置き換えることでエネルギー密度を200Wh/kgにまで高める模様。

日産リーフは2010年12月の発売以降、航続距離を年々伸ばしており、発売当初の160km(JC08モード)から5年後の昨年12月には大容量(30kWh)化の実現により、約1.8倍となる280km(JC08モード)にまで拡大しています。

日産が製作した動画の中にも航続距離“544km”という数値が示されており、次期リーフでは500km超えが期待できそうです。

NISSAN_LEAF(出展 日産自動車)

また三菱自動車も2020年までにエネルギー密度を200Wh/kgにまで高めるとしており、これまでEV普及の足かせになっていた“航続距離”問題も2018年を目処に解消されそうな状況に向かいつつあるようです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

日産が高速道路での「自動運転」機能搭載車を年内に発売!
http://clicccar.com/2016/03/05/358508/

日産が中型バン「NV300」を今年後半に欧州市場へ投入!
http://clicccar.com/2016/02/23/355705/

日産がミャンマーで「サニー」の生産を年内にスタート!
http://clicccar.com/2016/02/22/355580/

次世代リチウムイオン電池開発が本格化!電動車のモーター走行距離倍増へ
http://clicccar.com/2016/02/12/353035/