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圧倒的な販売力。トヨタ・ルーミー/タンクが発売から1カ月で計3万5000台を受注

11月9日に発売されたトヨタ・ルーミー/タンクは、ダイハツ・トールのOEMモデルで、設計、開発から生産(ダイハツ本社の池田工場)までをダイハツが受け持っています。スバルにも22年ぶりに復活した車名・ジャスティでダイハツから供給されています。

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トヨタからルーミー/タンクの発売1カ月(ダイハツは未公表)の受注台数が発表されました。トヨタ店、トヨタカローラ店で販売されているルーミーは約1万8300台、トヨペット店、ネッツ店扱いのタンクは約1万6700台。

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月販目標台数は両モデルともに3750台という設定ですから、ルーミーが約4.8倍、タンクが約4.4倍という出だしになります。主な好評点は、下記の通りです。

・堂々迫力のデザイン性
・コンパクトながら広い室内空間
・広くて使い勝手のよい荷室
・衝突回避支援システム(スマートアシストⅡ)搭載
・1.0Lターボのゆとりある走り(1.5L相当のパワー)

ルーミー、タンク両モデル合わせると3万5000台に達します。これは、現行シエンタの発売から約1カ月の4万9000台には及ばないものの、ダイハツ・トール、スバル・ジャスティを合わせるとさらに数字が伸びるだけに、「ガチンコ」のライバルであるソリオを発売してきたスズキからするとその販売力は驚異でしょう。

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スズキとトヨタの提携は発表済みとはいえ、具体的に何か決まっているようでもなさそうだけに、今後の販売動向にも注目が集まります。

(文/写真 塚田勝弘)

ダイハツ・トール/トール カスタム、トヨタ・ルーミー/タンク、スバル・ジャスティってどんなクルマ?

「コンパクトカー以上、ミニバン未満」のクルマというと、背を高くした2BOX系に行き着きます。

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トヨタ・bB(ダイハツ・クー)や日産キューブなどの2BOX系コンパクトカーが以前ほどの存在感を示していないなか、トヨタではポルテ/スペイドなどがユーザーをある程度吸収してきたのでしょう。

ひと回り小さなボディサイズで「コンパクトカー以上、ミニバン未満」というモデルとなると、現状では両側スライドドアを採用するスズキ・ソリオ(OEM:三菱デリカD:2)のみ。

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ダイハツとトヨタ、スバルがコンパクト2BOXの両側スライドドア車に参入するのは、現状のマーケットを踏まえると十分理解できます。

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ダイハツが開発、生産するトール/トール カスタム、トヨタ・ルーミー(トヨタ店およびカローラ店)/タンク(トヨペット店およびネッツ店)、スバル・ジャスティの見どころは、全長3700(3725)×全幅1670×全高1735mmというコンパクトなサイズに、両側スライドドア、前後席間のウォークスルーを加えたミニバン的な要素。

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追いかけられることになったスズキ・ソリオは全長3710×全幅1625×全高1745mmで、ソリオの方が45mm狭く、最小回転半径は4.8mとなっています。

しかし、トール/ルーミー&タンク/ジャスティは全幅が45mワイドでも最小回転半径を4.6m(一部4.7m)にするなど、取り回しの面でも気が配られています。

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パワートレーンの見どころは新開発の直列3気筒1.0Lターボで、98ps/140Nmというスペックは、1.5Lクラスの最大トルクを発揮するとしています。そのほか1.0LのNAエンジンも設定し、気になる燃費は2WD車が24.6km/L、4WD車は22.0km/L。1.0Lのターボ車は21.8km/Lを達成。

なお、スズキ・ソリオは全車1.2LのNAエンジンを搭載し、ハイブリッドが27.8km/L(FF)、1.2Lのガソリンが24.8km/L(FF)。発売が遅れているフルハイブリッドなしでも燃費で負けていません。

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価格帯はトヨタとダイハツが146万3400円〜200万8800円。スバル・ジャスティはグレード数が少なく、価格帯は152万8200円〜207万1440円 となっています。

(塚田勝弘)

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