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全受注の半数以上が競合車からの乗り換え!新型インプレッサの魅力とは?

12月9日、420点の高得点で「2016-2017 COTY」 (日本カー・オブ・ザ・イヤー)のイヤーカーに輝いたスバルの人気モデル「インプレッサ スポーツ/G4」。

SUBARU

5年ぶりに全面刷新された新開発の「スバルグローバルプラットフォーム」などにより、質の高い走行性能を実現するとともに、国産車初の歩行者保護エアバッグ、運転支援システム「アイサイト」をはじめとする多くの安全装備を標準装着。

世界トップレベルの安全性能を実現しながらも、エントリーモデルでは200万円を切る手頃な価格を実現したことなどが受賞理由として挙げられています。

SUBARU

同車のフルモデルチェンジにあたっては、先頃の記事でご紹介したとおり、今後のバリエーション展開における基幹車種だけに目標を高く設定し、その達成に向けた開発陣の並々ならぬ努力があったといいます。

インプレッサは、国内市場や主力となる米国市場のアウトドア派にターゲットを定めて開発が進められたそうで、車体強度の向上に加え、走行時の挙動をより精密に測定できる機器の導入により、「安全性」「走り」「乗り心地」などが格段に向上。

また、これまで競合車に対するウイークポイントとされていたインテリアのデザインや質感についても、徹底的にこだわったそうで、新聞報道などによると、新型では競合他車からの乗り換えが全受注の半数を超えているとか。

SUBARU

商品力の向上や、それによるCOTY受賞の影響も含め、新たな顧客層の獲得に繋がっているようで、来年、富士重工業から新たな社名「SUBARU」に変わる同社にとって、幸先の良い出足となりそうです。

Avanti Yasunori・画像:SUBARU)

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日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞記念!「スバル インプレッサ」開発メンバー総登場

自動車評論家 約60名による審査を経て、その年の最高の1台を決定するイベント、「2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー」。

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今年は12月9日に最終選考会・表彰式が行われ、ノミネート車10台の中で420点の高得点を獲得した「インプレッサスポーツ/G4」が、強豪トヨタ プリウスを抑えて本年のイヤーカーに輝きました。

受賞理由として、新開発の「スバルグローバルプラットフォーム」などにより質の高い走行性能を持つとともに、国産車初の歩行者保護エアバッグ、運転支援システムアイサイトをはじめとする多くの安全装備を標準装着。世界トップレベルの安全性能を実現しながらも、200万円を切る手頃な価格から実現したことなどが挙げられています。

内装の質感や静粛性の向上も図られており、開発にあたっては多くのエンジニア達が全力を尽くしたといいます。

本稿ではそんなエンジニア達から寄せられた受賞への喜びの声や、開発に纏わるエピソードを各部門別に幾つかご紹介したいと思います。

・車体設計部 中島主査

「動的質感を向上させるために、新しいプラットフォームの開発で多くのチャレンジをしてきた。長く険しい開発だったが、その結果できた新しいインプレッサ・新しいスバルを感じて頂き、カーオブザイヤーを受賞できたことを本当に嬉しく思う」

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・シャシー設計部 井本主査

「スバルグローバルプラットフォームの開発でこだわった動的質感の向上については、一部の人だけが判る変化ではなく、誰もが乗った瞬間から体感できる変化を目標に一から開発をやり直した」

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・先進安全設計部 柄澤主査

「安心と愉しさの具現化に向け、歩行者保護エアバッグや進化したアイサイト、インフォテイメントの開発に挑戦。新しい挑戦が故に困難な開発となったが、苦しい時でもメンバーの前向きな姿勢に助けられて、全員で懸命にやりきった」

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・内装設計部 岡本主査

「弱点と言われた内装を一気に引き上げるため、高い目標を掲げ、総力を結集して開発。道のりは想像以上に険しく、苦難の連続だったが、諦める事なく粘り強く取り組み、その成果がCOTY受賞という最高の形で認められた事は感無量」

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・車両研究実験総括部 担当 峯岸氏

「インプレッサを乗って頂いた全ての人が違いが判る動的質感に仕上がっていること、それを評価頂いたことがとても嬉しく思う。動的質感を向上させるために専門部署からの度重なる提案を受け入れ、その都度関係部署と合意して、全社一丸となって仕上げた結果の表れだと思う」

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・車両研究実験部 担当 桑原氏

「プラットフォーム、サスペンションの全てが新製で、設計者には無理難題を、製作所の方には手間の掛かる作業に対応して頂き、インプレッサの感動質感を実現することができた。全員で鍛え上げた車両がCOTY受賞の一報を受け、嬉しさと共に開発時の苦労が思い出され涙が出た」

・車両研究実験部 担当 永末氏

「かれこれ3年間、操縦安定性・乗心地開発に携わってきた。北米や欧州での海外試験で課題を見つけ、日々改善に取り組んだ。新しいプラットフォームのため、多忙だったが、COTY受賞という結果で見える形で成果が表れて嬉しい」

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・認証技術部 担当 安田氏

「富士重工業として最後のフルモデルチェンジ。社員全員のDNAの結晶として有終の美を飾れた。SUBARUでも今まで以上の飛躍を目指して突き進む!」

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COTY受賞に関するエピソードとしては、「受賞後販売店への来客数が増えた」、「友人から連絡が有り、凄いね!と褒められた」といったエンジニア冥利に尽きるようなコメントが多く見受けられました。

開発に携わった人達のこれらのコメントからは、新型インプレッサの開発に際し、苦労が多かったものの、「やりきった!」という達成感が伝わってくるとともに、頼もしさを感じます。

今後の開発においても、奢ること無く「安心・安全」の精神を追求していって頂きたいと願うばかりです。

※画像をクリックすると大きいサイズで見れます。

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【関連リンク】

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考結果
http://www.jcoty.org/result/

選考委員別配点表
http://www.jcoty.org/result/points/

BRZ GTが証明した、高い走行性能と乗り心地の良さの両立【BRZ GT試乗】

2016年7月にデビューして以来、初めて大幅な改良を行ったスバルBRZ。数あるトピックスの中で最も注目されたのは、最上級グレードGTの追加でしょう。

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GTはBRZの進化の象徴として走りのパフォーマンスと上質感を追求し、ZF製のザックスダンパーやブレンボ製ブレーキ、そして専用アルミホイールを装備することで、操縦安定性を向上させています。

発売開始は11月7日、今回機会を得て試乗することができました。

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BRZ GTのエクステリアには、スーパーブラックハイラスター塗装された専用デザインの17インチアルミホイールをはじめ、フロント4ポッド、リア2ポッドのブレンボ製ブレーキシステム。そしてフローティングタイプのアルミ製リアスポイラーが標準装備されます。

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インテリアには、メイン部分のアルカンターラにBRZのロゴをあしらい、質感の高さとスポーティさを表現したアルカンターラ/本革のコンビシートが標準装備されています。

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GTという名称から硬めの足回りを想像していましたが、試乗のため公道に出ようと駐車場の段差を乗り越えた時の入力が小さく、そして収束が速いことに早速驚かされました。

荒れた路面を走行しても前後方向のピッチングは抑えられていますので、乗り心地も良いです。特にリアからの入力を抑えてくれるので、安心してアクセルを踏み込むことができます。

走り出して間もないブレーキが冷えた状態では独特の感覚があるブレンボ製のブレーキですが、走り出してしまえば、踏みはじめからグッとブレーキが利くので、スピードのコントロールが非常にしやすいです。

タイトなコーナーの進入でブレーキを遅らせても、グッと効いてスピードは落ちますし、姿勢も乱れないので素早くアクセルを踏み込むことができます。

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ザックスのダンパーを装着した足回りはしなやかさが増したことで、路面からの入力を抑えつつ路面追従性を高めているので乗り心地の良さとコントロール性が高まっています。Sグレードと乗り比べてみるとGTは無駄な動きが少なく、ドライバーの意のままに動かすことができます。

ザックスのダンパーやブレンボ製のブレーキなどを装着して走りの質感を高めた結果、優れた乗り心地と高い操縦安定性を両立したのがGTグレードといえます。

価格は6MTが331万5600円、6AT車が337万5000円で、充実した装備を考えると割安に感じます。なお、7月7日より予約を受け付けていた100台限定のBRZ GTイエローエディションはすでに完売とのこと。こちらは、コレクターズアイテムの1台となりそうです。

(文・萩原文博、撮影・小林和久)

ラゲッジルームを影なく照らす、最新スバル車にストレスフリーなLEDカスタムラゲッジランプ。レヴォーグ、BSレガシィ・アウトバックにも!

シャイニングスピードからりリースされている便利アイテム・LEDカスタムラゲッジランプに、BSレガシィ、YAエクシーガ(クロスオーバー7を含む)用が登場しました。

ラゲッジランプを使うシチュエーションにないユーザーにはまったく何でもないコトでありますが、ノーマルのラゲッジランプに不満を持っているなら、ひとつの解決となりうるパーツです。

おおよそのスバル車のラゲッジランプは、クォーターガラス下、ウエストラインのあたりの片側に付いているのがデフォルト。ラゲッジルームのものは見える角度がありますが、アンダートレイの蓋を立てると真っ暗闇が再度訪れる仕様……。

そこはメーカーも考えており、純正オプションに「LEDリヤハッチライト」がラインアップされていますが、フロントのLEDフォグランプよりも高かったりと、いささか高価な3万円越え(レヴォーグ参考)。

いっそ「プレミアムブランドを狙うなら標準でつけてよ」という気分になるものです。また車種によってはゲートのヒンジ近くにあり、場合によっては結局見えない場所が多いというオチも。

今回紹介するLEDカスタムラゲッジランプはリアゲートの純正パネルを使用し、片側24発の高輝度LEDを左右に展開。明るさだけでなく、影の問題も解消してくれるケースが多くなります。

もちろん純正パネルを元に戻せるので、ノーマル復帰も……。

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オプションの電源取り出しハーネスを使用すれば、配線知識がなくとも全てカプラーオンとなっており、カラー写真付き取扱説明書も付属しているので内装剥がしのDIYレベルで取り付けが可能。

今回追加されたBSアウトバック、YAエクシーガなどの現行車種だけではなく、BPレガシィからラインアップされているので、今回はその全車種を紹介!

新型インプレッサ(GT系)にも近日対応予定とのこと。

上からBS、BR、BPの各レガシィツーリングワゴン/アウトバック。ゲート側に光源があるのはなにかと便利。落とし物なども探しやすい。

こちらはSJフォレスター、GR/GHインプレッサ/XV、YAエクシーガ。

シャイニングスピード LEDカスタムラゲッジランプ
VMレヴォーグ 1万4,000円(税抜)
BSレガシィアウトバック 1万5,000円(税抜)
BRレガシィ 1万4,000円  (税抜)
BPレガシィ 1万5,000円  (税抜)
YAエクシーガ(クロスオーバー7) 1万5,000円  (税抜)
SJフォレスター 1万4,000円 2,500円(税抜)
GR/GHインプレッサ/XV 1万4,000円(税抜)(ドレナビ編集部)

富士重工業の航空機製造部門って何をしているの?【半田工場見学編】

中部国際空港(セントレア)での見学の後は、富士重工業の航空機宇宙カンパニー 半田工場見学会に訪れました。

セントレアも立ち入り禁止区域での見学でしたが、半田工場も富士重工業の社員(もちろん関係者をのぞく)であっても、そうそう立ち入ることができないとのことです。

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2017年4月1日から社名をSUBARUに変更する富士重工業には、自動車事業などのほかに、航空宇宙事業を展開していて、同社の売上高でみると全体の約5%を占めています。

この数字は一見少ないように感じますが、日本の航空機産業と自動車産業を比べると、前者はその3%しかことを考えると、決して低い数字ではありません。

また、世界の航空旅客もジェット旅客機の需要も今後伸びていく予測があるそうで、SUBARUにとって航空機宇宙事業は今後さらに重要な地位を占めるのは間違いないでしょう。

さらに、自動車生産工程をそのまま活用するわけではない、という前提がつきますが、自動車産業の手法を応用したコスト低減、調達管理なども採り入れられているそうです。

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半田工場で組み立てられているのは航空機(ボーイング777、787、777X)の中央翼。左右の主翼外翼と前後胴体をつなぐ非常に重要な翼で、ありとあらゆる方向から荷重がかかります。

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使用されている素材は、ボーイング777がアルミ合金(ジュラルミン)、787が炭素繊維複合材、チタン合金、アルミ合金を使用。防衛省のP-1、C-2はアルミ合金となっています。

なお、半田工場のほか、約4km離れた場所に半田西工場があり、こちらではボーイング787の中央翼の炭素繊維複合材製の外板パネルが製造されています。

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中央翼を組み立てている半田工場では、現在の787用が月産10機、777用が8.3機で、777X用の組立工場も新設されています。

ボーイング社からの設計どおりに作り、組み立てるのはもちろんですが、穴の開け方や必要な刃具、工具などの設計や使い方などは富士重工業に任されているそうです(全部ではないかもしれませんが)。

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また、設置場所のミスを防いだり、装着のし忘れを防いだりするため、部品供給キットを段ボールで作るなど、随所に工夫が凝らされています。

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中島飛行機というルーツをもつスバル。現在のクルマにもフロントグリルやバンパーのウイングチップなどに航空機由来のモチーフが使われているのは周知のとおり。

ほかにも、複合材を使ったパーツをクルマにも使われているのはもちろん、「アイサイト」も無人機の制御技術を活用しているそう。自動車産業と航空機産業をもつスバルの技術の深さを感じることができました。

(文/塚田勝弘 写真/富士重工業、ボーイング)

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2017年4月1日に社名をSUBARUに変更する富士重工業。今秋、航空宇宙カンパニーが行っている航空機事業の半田工場と関連施設を見学する機会がありましたのでご報告します。

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愛知県の半田工場に向かう前に訪れたのは、中部国際空港セントレアの立ち入り禁止区域。ここでは、世界で4機しかないというB747 LCFドリームリフターがボーイング787の部品、つまり「航空機の部品を航空機に積み込む」という作業が行われています。

富士重工業 航空宇宙カンパニーの半田工場では、ボーイング777、787の「中央翼」をはじめ、防衛省向けのP-1哨戒機、C-2輸送機の中央翼組立も行われています。

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787用の部品を収めたコンテナは陸送ができないため、工場近くの亀崎港からセントレアに船で輸送され、巨大な鯨のような形をしたドリームリフターでアメリカのノースカロライナ州にあるボーイングのチャールストン工場に運ばれているそうです。

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なお、777用の中央翼は、亀崎港から名古屋港まで海上輸送され、その後外洋船に積み替えられ、西海岸のワシントン州エバレット工場に運ばれます。

ドリームリフターへの部品の積み込みは、富士重工業のほか、三菱重工、川崎重工の担当分も含め約4時間もかかるそう。

Boeing 747 Dreamlifter Achieves FAA Certification

運良くその積み込み風景を遠くから少し見学できましたが、航空機の後部がガバッと大きく開き、ゆっくりと閉じていく姿、そして部品を運ぶ巨大なカーゴローダーには驚かされました。

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さらにセントレアでは、ボーイング787ドリームライナー(ZA001号機)の見学もできました。この機体は飛行試験機として製造されたもので、機体の35%が中部地域で製造されていることからボーイングから中部国際空港に寄贈されました。

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なお、2017年度下期には、セントレア内にZA001号機を屋内展示できるスペースを含む複合商業施設を開設予定としていて、新たな人気スポットになりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/ボーイング、富士重工業)

穴開け加工しても「戻しやすい」。 ゼロスポーツのレヴォーグほかスバル車用シングルメーターフード

ゼロスポーツから、レヴォーグ(VM型)をはじめとしたスバル車専用設計の追加メーター用フードがラインアップされています。

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取り付けられる追加メーターはφ60mmのもので、ドライバーの視界や純正の各インジケーター、そして時計などの視認性を重視し、ステアリング右側に配置。スポーツ系のインテリアカラーとなじみやすいマットグレー塗装が施されています。

レヴォーグのほか、WRX STI、WRX S4、フォレスター用としての追加ラインアップとなります。

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配線を隠してマウントするには、エアコンのベンチレーターダクトのパーツに穴あけをして内側に配線するのがスマート。

パーツ変更や車両売却等でノーマルに戻す際も、「グリルアセンブリ、ベンチレータライト(税抜2500円・執筆時)」を入れ替えることになるので、ダッシュボード本体である「パネルコンプリートインストルメント(2万8000円・同)」を丸ごと交換するのに比べて、1/10以下の出費で済みます。

もちろん、配線をダッシュ上に這わせることもできますが、せっかくなら純正チックにいきたいもの。

スマートに取り付けて、スマートに復帰。 交換工賃等も考えると、満足度にかなり差が出てくるかもしれません。

・ZERO/SPORTS シングルメーターフード マット塗装品
適合車種:スバル WRX STI(VAB)、WRX S4(VAG)、LEVORG(VM#)、フォレスター(SJ#)
価格:2万円(税抜)

(ドレナビ編集部)

スバル「アイサイト」搭載モデルが累計販売100万台を突破

富士重工業が12月14日、先進運転支援システム「アイサイト」搭載モデルの世界累計販売台数が、2008年5月から8年7か月で100万台に到達したと発表しました。

SUBARU

「アイサイト」はステレオカメラのみで自動車、歩行者、二輪車を検知することで、プリクラッシュブレーキや、全車速追従機能付クルーズコントロールなどを実現した世界初のシステム。

現在、同システム搭載車は日本をはじめ、豪州、北米、欧州、中国の各市場で販売されており、米国のIIHS(道路安全保険協会)による2017年安全評価の前面衝突予防性能試験で最高評価となる「Superior」を獲得。

SUBARU

国土交通省とNASVAが実施する予防安全性能アセスメントでも最高評価となるJNCAP「予防安全性能評価ASV++」に選定されています。

さらに、欧州のユーロNCAPにおける2016年安全性能総合評価で最高評価のファイブスターを獲得するなど、第三者機関から高い評価を獲得。

同社は今後もオールラウンドセーフティの考えに基づき、0次安全、走行安全、予防安全、衝突安全の各技術を進化させ、「安心と愉しさ」を追求し続けるとしています。

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富士重工業が2020年に新プラットフォームを全車種展開!

2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、「トヨタ プリウス」と大接戦の末、本年のイヤーカーに輝いた新型「スバル インプレッサ」。

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今回受賞した富士重工業の「スバル インプレッサ」には、衝突強度を従来比で1.4倍に引き上げた「スバルグローバルプラットフォーム」が採用されており、同社は今後他モデルにもフルモデルチェンジを機に順次採用を拡大する方針のようです。

新聞報道などによると、2020年をめどに同プラットフォームを全車種展開する計画のようで、衝突回避ブレーキなどの運転支援システム「アイサイト」に加え、車両本体の性能向上により「安心・安全」を訴求する考えとか。

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同社の2017年3月期の世界販売台数は約106万台(前期比10.9%増)となる模様で、初となる100万台超を記録する見込みといいます。

吉永社長はその主な要因として、「安心・安全」のイメージ浸透によるブランド力向上を挙げており、今後もその根幹となる新プラットフォームの優位性を活かしていく考えを示唆しています。

安全性の高さを武器に勢いに乗るスバルですが、SUV系を含めた今後の車種展開が注目されます。

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【関連サイト】

スバル インプレッサ SPORT
http://www.subaru.jp/impreza/impreza/

スバル インプレッサ G4
http://www.subaru.jp/impreza/g4/

圧倒的な販売力。トヨタ・ルーミー/タンクが発売から1カ月で計3万5000台を受注

11月9日に発売されたトヨタ・ルーミー/タンクは、ダイハツ・トールのOEMモデルで、設計、開発から生産(ダイハツ本社の池田工場)までをダイハツが受け持っています。スバルにも22年ぶりに復活した車名・ジャスティでダイハツから供給されています。

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トヨタからルーミー/タンクの発売1カ月(ダイハツは未公表)の受注台数が発表されました。トヨタ店、トヨタカローラ店で販売されているルーミーは約1万8300台、トヨペット店、ネッツ店扱いのタンクは約1万6700台。

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月販目標台数は両モデルともに3750台という設定ですから、ルーミーが約4.8倍、タンクが約4.4倍という出だしになります。主な好評点は、下記の通りです。

・堂々迫力のデザイン性
・コンパクトながら広い室内空間
・広くて使い勝手のよい荷室
・衝突回避支援システム(スマートアシストⅡ)搭載
・1.0Lターボのゆとりある走り(1.5L相当のパワー)

ルーミー、タンク両モデル合わせると3万5000台に達します。これは、現行シエンタの発売から約1カ月の4万9000台には及ばないものの、ダイハツ・トール、スバル・ジャスティを合わせるとさらに数字が伸びるだけに、「ガチンコ」のライバルであるソリオを発売してきたスズキからするとその販売力は驚異でしょう。

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スズキとトヨタの提携は発表済みとはいえ、具体的に何か決まっているようでもなさそうだけに、今後の販売動向にも注目が集まります。

(文/写真 塚田勝弘)

アイサイト3を搭載する新型インプレッサなどが「予防安全性能評価 ASV++」を獲得

国交省と自動車事故対策機構(NASVA/National Agency for Automotive Safety & Victims’Aid)が実施している「予防安全性能アセスメント」。2016年度から評価対象が一部変更されています。

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2015年度の評価対象は、衝突被害軽減制動制御装置(AEBS/Autonomous Emergency Braking System)の対車両、車線逸脱警報装置(LDWS/Lane Departure Warning System)、後方視界情報提供装置でした。

今年度は2015年度の評価対象に加えて、道路横断中の歩行者を模擬したターゲットに10km/h〜60km/hで車両を接近させ、警報および被害軽減ブレーキの作動状況を評価する対歩行者のAEBS試験も実施されています。

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スバルの車両では、新型インプレッサは68.9点、レガシィは68.0点、フォレスターは69.5点、レヴォーグ/WRX S4は68.5点の評価となり、試験車種すべてが最高ランクの「予防安全性能評価 ASV++」を獲得。

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スバル車はこれまでに実施された予防安全性能アセスメントにおいて、「EyeSight(アイサイト)」を搭載するすべての車種が最高ランクを獲得しています。

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さらに、2016年10月に発売された新型インプレッサでは、全車にアイサイト(ver.3)が標準装備されているだけでなく、万一の事故の際に歩行者の頭部への被害軽減を図る歩行者保護エアバッグも標準化するなど、安全装備を強化しています。

(塚田勝弘)

【XVハイブリッドtS試乗】XVハイブリッドtSは新しいカスタマイズの方向性を示したSTIの意欲作

スバルXVハイブリッドtSを目の前にして、心の中でつぶやいたのは「やっちまったなSTI……」でした。私の中でSTIのコンプリートカーというとアスリートのような機能美を追求したエクステリアが特徴と思っていました。

しかし、XVハイブリッドエアロパーツは装着されているものの、オレンジに塗られたホイールなどがポップな印象を強く感じたからです。

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標準車のXVハイブリッドはSUVらしい、ロールがやや大きめのソフトな乗り味が特徴です。エンジンのフィーリングも穏やかでステアリングフィールも良い意味で緩さがあり、全体的に穏やかな乗り味に仕立てています。

しかしXVハイブリッドtSに試乗してみるとポップな見た目とは裏腹に「おぉ!これぞSTIの乗り味!」すぐに納得することができました。

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XVハイブリッドtSのサスペンションは、ピンク色に塗られたノーマルと同じスプリングに専用チューニングされたダンパーを組み合わせます。さらにフレキシブルダンパーをはじめとしたボディ補強を施してしているので、SUVらしいソフトな乗り味は損なっていないのに、ピッチングやロール量は抑えられているのでフラットな乗り味となっています。

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ステアリング操作もリニアな味付けです。ノーマルに比べて、ハンドルを切り始めてからのクルマの動きが素早くなっていますので、クルマと一体感を感じられます。全体的には揺れの少ないフラットな乗り味を実現し、クルマは無駄な動きをしなくなったためシャープさが増しています。これにより、ノーマルのXVの特徴を消すことなく、さらに乗り心地が良くなっています。

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モーターのトルクアップによるエンジンのフィーリングは発進時や追い越し加速を掛けるときなど、アクセルをグッと踏み込んだときに感じられます。それはオプションで設定されているスポーツマフラーのサウンドとの相乗効果もあるでしょう。

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インテリアでは、シート表皮にSTIロゴ入りの本革とウルトラスエードのコンビシートを採用し、ドアトリムにもオレンジとアイボリーを採用したカジュアルな雰囲気を演出しています。

エクテリアのオレンジのピンストライプをはじめとしたXVハイブリッドtSに漂うカジュアルな雰囲気。これに最初戸惑いを感じていましたが、試乗して納得できました。

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XVハイブリッドtSはこれまでのSTIが販売したモデルとは異なり、たとえ、STIを知らない人が試乗して、乗り心地も良くカジュアルな雰囲気が良いと選んでくれることを願って開発されているのです。

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従来のtSのターゲットユーザーはSTIというブランドに惚れ込み、走行性能を高める様々なチューニングメニューを見て満足そして納得して購入してくれる人たちです。しかし、このXVハイブリッドtSは、STIを知らない人でもtSの乗り心地を気に入って、運転しやすいと感じて購入して満足してもらえればいいということなのです。すなわちSTIがターゲットユーザーの拡大を狙った意欲作と呼べるクルマなのです。

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STIの掲げる「強靱でしなやかな走り」は一見、スポーティな走りをイメージしがちですが、ドライバーのスキルに関わらず、意のままに操れるという点では従来のSTIファン以外にも受け入れられるでしょう。

なぜなら、ダンパーとボディの強化キットだけでも市販化してほしいとXVオーナーが思うほどの優れたパーツだったからです。これまでのtSモデルのリセールバリューの高さを考えたら、332万6400円はお値打ち価格といえます。

(文・萩原文博、撮影・小林和久)

税抜き価格200万以下で安全装備テンコ盛り。スバル・インプレッサの1.6Lモデルが発売開始

日本車として初めて歩行者用エアバッグを全車に標準装備し、先進安全技術のトップランナーといえる「EyeSight」も全車に標準装備するなど、安全意識の強い新型インプレッサ。そのエントリーグレードとなる『1.6i-L EyeSight』の発売日が決定しました。

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「FB16」という型式こそ従来通りですが、多くの部分で設計が進化した軽量1.6リッターエンジンを搭載する待望のグレードです。ボディはセダンのG4と5ドアのSPORTの2種類、いずれもFFとAWDが設定されています。

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メーカー希望小売価格は、FFが192万2400円、AWDは213万8400円(いずれも消費税込)。税抜き本体価格で200万を切る価格帯で、これだけの安全装備を持っているのは新しい時代のベンチマークとなることでしょう。

●スバル・インプレッサSPORT 1.6i-L EyeSight(2WD)主要スペック
全長:4460mm
全幅:1775mm
全高:1480mm
ホイールベース:2670mm
車両重量:1300kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB16
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1599cc
最高出力:85kW(115PS)/6200rpm
最大トルク:148Nm(15.1kg-m)/3600rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:18.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:205/55R16
メーカー希望小売価格(税込):1,922,400円

(山本晋也)

受注締め切り迫る!最上級の上質さとスポーティが融合した「LEGACY B4 SporVita」

2016年9月8日に発売開始となった「LEGACY B4 SporVita(スポルヴィータ)」。ベースとなるLEGACY B4 Limitedに専用の内外装を備え、より上質な仕立てとしたモデルで、現行レガシィB4初の限定モデルとしても注目の1台です。

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特徴的なインテリアには、タンカラーの専用本革シートを採用。ドアトリムやステアリングホイールなど内装もシートカラーと併せて随所にタンカラーを採用するとともに、シートとドアトリムにはステッチを波型に並べて立体感を出す「カーブキルト」を施すことで、独特の陰影と美しさを表現しています。

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このタンカラーのレザーシートには、イタリアの老舗革製品サプライヤーMALIO LEVI(マリオ・レヴィ社)製を採用。マリオ・レヴィ社はイタリア トリノを拠点とする自動車用皮革製品の老舗サプライヤーで、革を知り尽くした一流の技術と経験により生みだされるクオリティの高い製法が特徴です。

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マリオ・レヴィ社とのコラボモデルは、昨年の10月28日発表の「WRX S4 SporVita」につづく第2弾モデル。スポーツ性を重視したWRX S4に対し、レガシィB4のもつフラッグシップに相応しい知的さをより強調しています。

タンカラーのシートやドアトリムに合わせ、インパネやシフトノブにはピアノブラック調パネルや金属調パネルを施し、イタリアンレザーの風合いを引き立てています。

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エクステリアも専用装備を数多く採用しており、大人のスポーツセダンに相応しい上質なたたずまいを感じ取ることができます。主な専用装備としては、ブラックハイラスター塗装の専用アルミホイール、高艶ベロアメッキ付ブラックフロントグリル、高艶ベロアメッキ付ピアノブラック調フロントフォグランプカバー、サテンメッキドアミラー、高艶ベロアメッキリヤガーニッシュを装備。

随所に高艶ベロアメッキやピアノブラックを配置することで、B4のもつプレミアム感を加速させています。

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スバルのフラッグシップモデルであるレガシィB4の最上級モデルをベースとした「LEGACY B4 SporVita」。12月12日に300台限定の受注締め切りとなります。スバルの頂点に君臨する知的な大人のためのスポーツセダンを手に入れるチャンスはあとわずかです!

(井元 貴幸)

【関連リンク】

LEGACY B4 SporVita
http://www.subaru.jp/legacy/b4_sporvita/

200万円切りで台数を伸ばせるか!? インプレッサの1.6Lモデルが発売開始。

2016年末発売予定とされていた新型スバル・インプレッサの1.6Lモデル。12月20日に発売を開始されることが発表されました。

価格は、5ドアのSPORT、4ドアセダンのG4ともに2WDが192万2400円、AWDが213万8400円です。

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2015年11月15日に発表された発売から約1カ月の受注状況では、5ドアのインプレッサSPORTが74%、4ドアセダンのG4が82%と圧倒的に2.0Lモデルの方が高くなっていました。

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2.0Lモデルが優勢なのは、どんなモデルにも言える傾向である、初期受注時は「高いグレードから売れていく」というのと、インプレッサに走りの良さを求める層が多いということではないでしょうか。

今回の1.6Lモデルの発売開始を受けて、ディーラーに試乗車が配備されれば、1.6Lエンジン搭載車のシェアも増えそうです。コアなファンだけでなく、他メーカーからの買い替えを促したいスバルとしても1.6Lモデルの成功は欠かせないはず。

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また、1.6Lモデルでも静粛性の高さや広くなった室内などの新型の強みは2.0Lモデルと同じで、街中中心の乗り方であれば115ps/148Nmというエンジンスペック(2.0Lは154ps/196Nm)でも不足はないでしょう。1.6Lエンジンはポート噴射ではありますが、「直噴化しないギリギリ」のところまで性能を高めたそうですからCVTを含めたパワートレーンの進化も享受できます。

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p06_02sなお、用意されるボディカラーは「クリスタルホワイト・パール(3万2400円高)」、「アイスシルバー・メタリック」、「クリスタルブラック・シリカ」、「ダークグレー・メタリック」、「ピュアレッド」、「ダークブルー・パール」、「クォーツブルー・パール」の計7色。

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200万円を切る(2WD)車両価格からいっても、モデルライフが進むに従って1.6Lエンジン車の存在感が高まりそうです。

(塚田勝弘)

新型インプレッサをSTIスポーツパーツやビルトインナビでドレスアップ!

■ドレスアップは機能性抜群のSTIスポーツパーツで!

新型インプレッサは、純正のアフターパーツも充実しています。外装のドレスアップなら、STIスポーツパーツがオススメ。フロントアンダースポイラーやリアサイドアンダースポイラーは、整流効果もしっかり発揮してくれます。またフレキシブルタワーバーは、中央のリンクボールで縦方向の突き上げをいなす高性能タイプで、新型インプレッサの走りを一層際立たせてくれます。

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ユーティリティの純正オプションでは、ラゲッジだけでなく後席背もたれまでカバーする樹脂製のカーゴトレーマットや、後席のペット用パートナーズカバー等の商品が盛り沢山。様々な便利グッズが、アクティブなカーライフをサポートしてくれます。

■内装では8インチのビルトインナビがオススメ

スバルは新型インプレッサから工場の生産ラインで取り付けるメーカーオプションのカーナビを廃止しました。これは開発に時間がかかり、最新版をタイムリーに提供できないのが理由とのこと。相当思い切った戦略転換で、ユーザーはディーラーのオプション品やカー用品店での市販品から、好きなカーナビを選ぶようになります。

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そこでスバルはディーラーオプションに、メーカーオプションと同等の魅力的なカーナビを準備しています。中でもパナソニック製のビルトインナビは、大型8インチディスプレイタイプで、コンソール全面が専用パネルで覆われた高級感溢れる仕様。もちろん、ステアリングスイッチやインパネ上部のマルチファンクションディスプレイとも連動しているからオススメです。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第543弾新型インプレッサのすべて (より深く知りたい方はこちらがオススメ)

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新型スバル・インプレッサにヨコハマタイヤの「アドバン」が採用

新型にスイッチしたスバル・インプレッサ。日本だけでなく、北米やオーストラリアに展開されるグローバルモデルで、「SUBARU GLOBAL PLATFORM」採用第1弾として新生スバルの今後を占う重要な1台でもあります。

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新型インプレッサのの走りを支える新車装着(OE)用タイヤとして、ヨコハマタイヤの「アドバン」が採用されています。

日本市場とオーストラリアでは「ADVAN Sport V105」、北米では「AVID S34」が装着されています。

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装着サイズは日本向けの「ADVAN Sport V105」が225/40R18 88W、オーストラリア向けとして225/40R18 92W、北米向けの「AVID S34」はP225/40R18 88Vとなっています。

日本向けの「ADVAN Sport V105」は、主にハイパワー、プレミアムカーに向けたサマータイヤ。高いドライビングパフォーマンスを発揮するとともに、優れた快適性や安全性を高次元でバランスさせているのが特徴。同タイヤを履いたインプレッサを長距離走る機会がありましたが、グリップと静粛性の高さは確かに印象に残りました。

2016112114tr001_3一方の「AVID S34」は、北米市場で販売されている乗用車用オールシーズンタイヤ「AVID」に「環境性能のさらなる向上+人に、社会にやさしい」をテーマとした横浜ゴムのグローバルタイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」の基盤設計や材料技術を採用して開発されています。優れた走行性能と安全性能を実現しながら低燃費性能も高めているのがポイント。

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2016年10月25日から発売された新型インプレッサは、順次各国・各地域での発売が予定されています。なお日本向け車両には、横浜ゴム社製のパンク応急修理キットが搭載されています。

※タイヤの画像はイメージです。ホイールも純正装着品ではありません。

(文/塚田勝弘 写真/横浜ゴム、小林和久)

注目の5台をピックアップ!新型SUVがロサンゼルスショーに大集結【ロサンゼルスオートショー16】

11月18日‐27日の会期で開幕したロサンゼルスオートショー16では、各社が新型車やコンセプトモデルを披露しています。今回は、その中でも注目度が高い5台をご紹介したいと思います。まずは日本勢による出展車から。

スバル VIZIV-7 SUV コンセプト

今回スバルがワールドプレミアしたのは、3列シートを装備した7人乗りのミッドサイズSUVで、ゆとりの有るキャビン空間が確保されています。

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車体のスリーサイズは、全長5,200mm×全幅2,030mm×全高1,860mmで、ホイールベースが2,990mmと、現行のフォレスターより一回り大きく、同社のラインナップ中、最大サイズとなります。

同社はこのミッドサイズSUVを2018年に北米市場に導入する予定としています。

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このモデルは、2014年まで米国など海外で販売されていたクロスオーバーSUV「スバル・トライベッカ」の後継車とみられます。

マツダ CX‐5

こちらのSUVはマツダが来年2月に国内発売予定の新型「CX-5」。

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SUVでありながら、品格や成熟さを感じさせるデザインを目指しており、ボディカラーには新色の「ソウルレッドクリスタルメタリック」を採用。

従来の「ソウルレッドプレミアムメタリック」よりも彩度を約2割、深みを約5割増しているそうで、艶やかな透明感を実現しています。

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スリーサイズは全長4,545mm×全幅1,840mm×全高1,690mm、ホイールベースが2,700mmと、現行モデル比で5mm長く、15mm低くなっています。

ガソリンエンジンの「SKYACTIV-G 2.0」「SKYACTIV-G 2.5」、ディーゼルエンジンの「SKYACTIV-D 2.2」をラインナップしており、「SKYACTIV-D 2.2」には同社が独自に開発したノッキング音を抑える技術「ナチュラル・サウンド・スムーザー」や「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」を採用。

高回転域まで軽快に伸びるパフォーマンスやトルクフルな走り、クラストップレベルの優れた燃費性能を両立しているといいます。

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車両運動制御技術「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」の第1弾、「G-Vectoring Control」を搭載。

トヨタ C‐HR 米国仕様

日本国内でもWebによる先行受注が開始されている「C‐HR」ですが、こちらの出展車は米国仕様となっており、前後ランプ類の仕様が国内向けとは異なっています。

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またフロントバンパー意匠も専用で、国内仕様よりも突出量が大きい分、よりスポーティな印象を与えます。

トヨタ自動車の発表によると、対米向けには146ps/190Nmを発生する2.0Lの4気筒エンジンが搭載されているようです。

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本場ザックス(SACHS)製のダンパーが走安性と乗り心地の両立に大きく貢献しているとの評判。また欧州向け等にはオーリス用のマニュアル・トランスミッションをベースに、シフトフィールを改良した6MT仕様車が存在しており、欧州における先行試乗会でも評判が良いようです。

「C-HR」はTNGA採用車が海外で生産される初のモデルで、欧州のトルコ工場で既に生産を開始しており、北米、カナダなどに輸出される計画になっています。

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スリーサイズ(国内仕様)は全長4,360mm×全幅1,795mm×全高1,550mmと堂々としており、ホイールベースは2,640mm。

国内向けについてはトヨタ自動車東日本の岩手工場で生産される模様で、1.8LのFFハイブリッドモデルにはプリウス用、1.2Lの4WDターボモデルにはオーリス120T用のエンジンをそれぞれ搭載。車両価格帯は250‐290万円との予想。

ジャガー I-PACE

ジャガーカーズは同社初となるリチウムイオンバッテリー(90kWh)とモーターを搭載したEV仕様の5人乗りSUVコンセプト「I-PACE」を発表しました。

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車体のスリーサイズは全長4,680mm×全幅1,890mm×全高1,560mmで、搭載モーターは400ps/700Nmを発生。0-100km/h加速が約4秒と、スーパースポーツモデル並みのパフォーマンスと、SUVのユーティリティを兼ね備えた一台となっています。

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一充電当たりの航続可能距離は約500km。

一際美しいエクステリアデザインが映える「I-PACE」は2018年後半の市販を予定しているそうです。

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アルファロメオ ステルヴィオ

世界的なトレンドにのってアルファロメオもSUV市場への参入を予定しており、今回のショーでアルファ ロメオブランド初のSUV「ステルヴィオ」を披露しました。

新型ジュリアと同じプラットフォームを採用しており、外観についもヘッドランプやフロントグリルなどに、同系統のデザインが施されています。

車体のスリーサイズは全長4,680mm×全幅2,160mm×全高1,650mm。

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最上級グレードに4WDの「クアドリフォリオ」が設定されており、同モデルに搭載されるフェラーリ・チューンの直噴2.9L V6ツインターボエンジンは、512ps/600Nmを発生。0-100km/h加速3.9秒、最高速284km/hを誇る高性能SUVとなっています。

その他にも、284ps/400Nmを発生する4気筒2.0Lターボエンジンに、8速ATを組み合わせたモデルもラインナップされるようです。

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以上、注目車種について見て来ましたが、各社ともにSUVの出展が主で、セダンが苦戦するなか、SUVやピックアップトラック系が人気の米国市場にジャストミートさせた出展内容になっていることが判ります。

Avanti Yasunori

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ジャガー初の電気自動車「I-PACE」コンセプトをワールドプレミア
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スバル史上最大サイズのフラッグシップ・コンセプトがデビュー
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【関連サイト】

ロサンゼルス オートショー2016
http://laautoshow.com/

スバル史上最大サイズのフラッグシップ・コンセプトがデビュー【ロサンゼルスオートショー16】

2016年11月18日より一般公開となるロサンゼルスオートショーにて、スバルが次世代フラッグシップとなる大型SUVのコンセプト「SUBARU VIZIV-7 SUV CONCEPT」を世界初公開です。

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「Vision for Innovation」から生まれた「VIZIV(ヴィジヴ)」という名前は、スバルの次世代コンセプトカーに共通するものですが、そこに「-7」と付いていることからもわかるように、このコンセプトカーは7シーターの3列シート仕様となっています。

ゆったりとしたキャビンを実現するために、ボディサイズは全長5200mm・全幅2030mm・全高1860mmとスバル史上最大級。ホイールベースは2990mm、タイヤサイズは265/55R21と、シャシーも別格のサイズ感です。

また、フロントウインドウ上にはステレオカメラのイメージが確認できます。フラッグシップの登場に合わせて、スバルの特徴でもあるEyeSight(先進安全装備)の進化も期待されます。

なお、このコンセプトカーが示す次世代のフラッグシップSUVコンセプトは、2018年に北米市場に投入される3列シートのミッドサイズSUVにつながるということです。

(山本晋也)

新型インプレッサの爽快な走りは「ボディの歪み」と「人の感性」を分析した成果!

■SGPは、ボディ歪みと感性を分析して構築

新型インプレッサでの大注目は、今後スバルが全車種に展開する次世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」の第一号であること。「世界最高水準の衝突安全性能」と「動的質感の向上」を目指して開発されました。

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特に「動的質感」では、走行時にボディがどのように歪むかを、ボディ骨格の200ヶ所に歪みゲージを貼って計測。そして1/1000秒単位で捉えた歪みの変化値を、ドライバーの官能評価と比較分析していきました。

その結果、ドライバーの違和感の原因を数値で捉えながらボディ開発ができるようになり、人の感性に響く走りを創り上げていったのです。

■SGPの驚異的な剛性アップが凄い!

完全新設計のSGPは、全長を一気に貫くメインフレームを左右に配置して、骨格結合部を強化することで、先代比で各部1.7〜2倍の剛性を確保。また連続的な剛性変化を適正化して、爽快な走りを実現。さらに衝突エネルギー吸収率を1.4倍に向上して、安全性能も進化させました。

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エンジンは「吹け上がりの質感」にこだわった改良を実施。例えばエンジンのゴロゴロ音対策として、クランクシャフトの支持剛性の強化を行い、約23%の振動低減を実現しています。2Lエンジンでは、直噴化により圧縮比を10.5から12.5にアップさせることで、レスポンスと燃費を向上させています。

■2つの最新安全装備を全車に標準装備

新型インプレッサは、ボディの衝突性能向上に加えて安全装備も充実強化しています。全車に標準装備される「アイサイト3.0」は、スバル独創の2眼カラーカメラ式運転支援システム。歩行者や自転車にも対応する衝突回避・軽減軽減ブレーキや全車速追従型オートクルーズ、車線逸脱抑止機能などを備えています。

ちなみにアイサイト登載車は、非登載車に比べて追突事故率が84%も減少しているのですから、本当に素晴らしい!

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アイサイトと合わせて全車に標準装備されるのが、「歩行者保護エアバック」です。これは事故の際にボンネット上にエアバックを展開して、歩行者頭部を保護する最新の安全装備。ボルボとランドローバーにつづいて世界3例目の採用ですから、まさに大奮発なのですネ。

新型インプレッサのメカニズムを見ると、スバルのクルマ創りが王道を歩み始めたと強く感じる次第です。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第543弾新型インプレッサのすべて(より深く知りたい方はこちらがオススメ)

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スバルが中国市場への「アイサイト」初導入を発表!【広州国際モーターショー16】

富士重工業が中国市場向けに、独自の運転支援システムである「アイサイト」を初導入すると発表しました。

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アイサイトはステレオカメラのみで自動車、歩行者、2輪車を識別、プリクラッシュセイフティ機能や、全車速追従クルーズコントロール機能を実現した世界初のシステム。

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11月19日に開幕する広州国際モーターショーに、現地仕様の「アウトバック」と「レガシィ」の出展を予定。アイサイト搭載車の更なる展開拡大を図るとしています。

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アイサイトは2008年4月の国内導入以降、豪州、北米、欧州に導入されており、搭載車両は世界累計で90万台を超えているそうで、今回の中国への導入により同社が海外販売するほぼ全ての地域に導入が進むことになります。

同社が今年1月、交通事故総合分析センターのデータを元に、2010年度から2014年度にかけて販売した車両の事故状況を調べた結果、バージョン2搭載モデルの事故発生件数が非搭載モデルに比べて約60%減、追突事故では84%減少していたそうです。

富士重工業では2014年6月に発売した「レヴォーグ」から進化版となる「バージョン3」を導入、その機能を年々進化させており、さらに2020年には車線変更を含めた高速道路における自動運転機能を導入する計画になっています。

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アイサイト搭載車は米国IIHSの前面衝突試験で最高評価「Superior」を獲得しており、国内JNCAPでは先進安全車プラス(ASV+)に選定、欧州でもユーロNCAPで最高評価のファイブスターを獲得するなど、その安全性には定評が有ります。

富士重工業では同社が掲げる「SUBARU ALL-AROUND SAFETY」の思想のもと、より一層の「安全」を実現していくとしています。

Avanti Yasunori・画像:SUBARU)

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クルマのブレーキと恋愛対象は「守ってくれる」感覚が肝心!?
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スバル「アイサイト」効果で追突事故が84%も減った⁉︎
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アイサイトについて、スバルのエンジニアが教えてくれなかったこと!?
http://clicccar.com/2015/07/06/315487/

【関連リンク】

広州国際モーターショー
http://www.autoguangzhou.com.cn/

スバル・インプレッサが発売約1カ月で1万1050台を受注!過半数が他メーカーからの乗り替え

10月13日に発表された新型スバル・インプレッサの発売1カ月の受注台数が発表されました。これは他メーカー同様、発売前の先行予約分を含めたもので、インプレッサは9月1日から先行予約されていましたから、9月1日〜11月14日までとなります。

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その間の受注台数は1万1050台で、月間目標販売台数の4倍超となっています。内訳はセダンのインプレッサG4が2226台、5ドアハッチバックのインプレッサSPORTが8824台。

販売台数のうち、スバル以外のクルマに乗っている人からの乗り替えが全体の51%と過半数超えしていて、スバルの拡販を担う期待の新世代モデルという役割をまずは果たしているといえそう。

グレード構成比をインプレッサG4から見ていくと、「2.0i-S EyeSight」のAWDが35%と最も多く、ついで「2.0i-L EyeSight」のAWDが24%、「2.0i-L EyeSight」のFFが13%。排気量別では2.0L車が82%、1.6L車が18%となっています。

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インプレッサSPORTも「2.0i-S EyeSight」のAWDが一番人気で27%、つぎに「2.0i-L EyeSight」のAWDが24%、「1.6i-L EyeSight」の2WDが16%と続いています。

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排気量別では、1.6L車が26%、2.0L車が74%で、G4よりも1.6L車の割合が高め。なお、1.6L車の比率が低いように感じるかもしれませんが、こちらは2016年末の発売となっているため、今後はさらに増えるはず。

ボディカラーは、G4が「クリスタルホワイト・パール」と「アイスシルバー・メタリック」が26%で1番人気。以下、「クリスタルブラック・シリカ」が15%、「ダークブルー・パール」が10%と続いています。

SPORTも「クリスタルホワイト・パール」が32%と最も多く、「アイスシルバー・メタリック」が24%、「クリスタルブラック・シリカ」が12%、「クォーツブルー・パール」が10%、「ダークブルー・パール」も10%となっています。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

目を見張るグレードアップを実現した、新型インプレッサの内装

■目を見張る内装のグレードアップを実現

新型インプレッサのドアを開けると、大幅にグレードアップした内装が迎えてくれます。インパネは、スバルらしい機能的なレイアウトを踏襲しながら、ナビ両側にエアアウトレットを縦型で配置してクールな印象を演出。中央上部の大型マルチファンクションディスプレイでは、水温や油温、アイサイトの動作状況などが確認できます。

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特に目を見張るのが高級感で、インパネはソフトパットで造作し、2L仕様では贅沢にも本物のステッチを採用しています。またステアリングステーや空調、コンソールの枠等をシルバー調の枠で囲い、シャープさと高級感を演出。特にこの立体感を持たせたシルバー枠が、内装のグレードアップに効いています。

■大切なのは運転しやすさと使いやすさ

フロントシートは先代よりもホールド性を高めた形状ですが、ウレタンを2倍にして振動吸収性を高めており、タイトというよりも体の収まりが良く快適な仕上がりとなっています。頭上中央にあるアイサイトのユニットも、小型のVer3.0なので目立たなくなりました。また、太目のステアリングと2眼式のアナログメーターから、運転のしやすさと楽しさを大切にするスバルのポリシーを感じます。

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リアシートは、ハッチバックの「スポーツ」もセダンの「G4」も、リアシートの座面幅が広く、座面中央の盛り上がりも少な目なので、横3人でも座りやすくなっています。足元も十分広く、頭上高は「G4」が「スポーツ」がよりも少くなっていますが、標準以上の居住性を確保しています。

荷室では、リアサスペンションの張り出しを抑えることで容量と使い勝手を向上。「スポーツ」は、ゴルフバック3個が後席背もたれ上部よりも低い位置に収まるのが自慢。また後席格納では、6:4分割可倒式を採用しています。「G4」のトランクは、ゴルフバック4個が収まる大容量を確保。ここでも使い勝手や使う楽しさを重視するスバルのポリシーが、強く感じられました。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

第543弾新型インプレッサのすべて(より深く知りたい方はこちらがオススメ)

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新型インプレッサのデザインは、躍動感と塊感のかけ算でできている!

■躍動感と塊感は、たし算ではなくかけ算

新型インプレッサは、次世代プラットフォーム「SGP」を最初に採用するでなく、スバルの次世代デザインの先駆けでもあります。スバル次世代デザインのテーマは「ダイナミック×ソリッド」で、躍動感と塊感を融合したスタイルを目指しています。

ポイントは、躍動感と塊感の関係が「足し算」ではなく「掛け算」ということ。つまり全てのスバル車が同じ割合ではなく、車格やキャラクターに応じて割合を変化させていくというのです。

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新型インプレッサのデザイン開発は、ダイナミックが7でソリッドが3の割合で造形。躍動感を強調して、若年層マーケットへアピールする狙いがあります。

ちなみに他の車種はどうかというと「SUVのフォレスターなら3:7、フラッグシップのレガシィなら5:5という割合になるかもしれません」とは、石井デザイン部長兼商品開発企画部長のコメント。

■若々しい「スポーツ」と伸びやかな「G4」

あらためて、新型インプレッサのデザインを見てみましょう。フロントマスクは中央にフロントグリルを置いて、両サイドにコの字型のポジションライトを配置する最近のスバルトレンド。

またヘッドライト前のうねるような段違いの面構成と力強いフロントフェンダーを加えて、新たな個性を主張。更にショルダーライン下を凹面に切り取ることで、サイド面に躍動感と塊感を与えています。

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なおハッチバックの「スポーツ」とセダンの「G4」は、フロントセッションからリアドアまでが共通ですが、リアセッションのシルエットと造形で「スポーツ」では若々しさを、また「G4」では伸びやかさを表現しています。

新型インプレッサでは、デザイン陣が狙ったダイナミック7とソリッド3のかけ算が、異なるボディタイプでもしっかり具現化されているのです。

(星崎 俊浩)

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■第543弾 新型インプレッサのすべて (電子本はこちら

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ダイハツ・トール/トール カスタム、トヨタ・ルーミー/タンク、スバル・ジャスティってどんなクルマ?

「コンパクトカー以上、ミニバン未満」のクルマというと、背を高くした2BOX系に行き着きます。

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トヨタ・bB(ダイハツ・クー)や日産キューブなどの2BOX系コンパクトカーが以前ほどの存在感を示していないなか、トヨタではポルテ/スペイドなどがユーザーをある程度吸収してきたのでしょう。

ひと回り小さなボディサイズで「コンパクトカー以上、ミニバン未満」というモデルとなると、現状では両側スライドドアを採用するスズキ・ソリオ(OEM:三菱デリカD:2)のみ。

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ダイハツとトヨタ、スバルがコンパクト2BOXの両側スライドドア車に参入するのは、現状のマーケットを踏まえると十分理解できます。

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ダイハツが開発、生産するトール/トール カスタム、トヨタ・ルーミー(トヨタ店およびカローラ店)/タンク(トヨペット店およびネッツ店)、スバル・ジャスティの見どころは、全長3700(3725)×全幅1670×全高1735mmというコンパクトなサイズに、両側スライドドア、前後席間のウォークスルーを加えたミニバン的な要素。

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追いかけられることになったスズキ・ソリオは全長3710×全幅1625×全高1745mmで、ソリオの方が45mm狭く、最小回転半径は4.8mとなっています。

しかし、トール/ルーミー&タンク/ジャスティは全幅が45mワイドでも最小回転半径を4.6m(一部4.7m)にするなど、取り回しの面でも気が配られています。

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パワートレーンの見どころは新開発の直列3気筒1.0Lターボで、98ps/140Nmというスペックは、1.5Lクラスの最大トルクを発揮するとしています。そのほか1.0LのNAエンジンも設定し、気になる燃費は2WD車が24.6km/L、4WD車は22.0km/L。1.0Lのターボ車は21.8km/Lを達成。

なお、スズキ・ソリオは全車1.2LのNAエンジンを搭載し、ハイブリッドが27.8km/L(FF)、1.2Lのガソリンが24.8km/L(FF)。発売が遅れているフルハイブリッドなしでも燃費で負けていません。

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価格帯はトヨタとダイハツが146万3400円〜200万8800円。スバル・ジャスティはグレード数が少なく、価格帯は152万8200円〜207万1440円 となっています。

(塚田勝弘)

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ダイハツからトールタイプの小型車「THOR(トール)」誕生。トヨタ、スバル4兄弟の合計6チャネルで販売!
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新型インプレッサが「次世代スバルの成功の試金石となる」とは!?

■新型インプレッサは、次世代スバルの成功の試金石!

スバルは中期経営計画で、「際立とう2020」というスローガンを打ち出しています。しかし競争厳しいクルマ市場では「ダントツ」で良くならない限り際立つことなどできません。

そこでスバルは、今後10年近くレガシィやフォレスターなど、全スバル車の基盤となるプラットフォームの刷新を計画。性能を大進化させた次世代プラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」を開発しました。

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従来のプラットフォームでは、開発陣がやりたくてもできない制約が数多く存在します。しかし全く新しいプラットフォームならば、できなかったことが実現できるのですネ。

新型インプレッサ開発責任者の阿部PGM(プロダクトゼネラルマネジャー)は、「SGP採用第一号の新型インプレッサは次世代スバルの幕開けであり、次世代スバルの成功の試金石」と表現しました。まさに社運をかけたプロジェクトであることが、コメントから滲み出ています。

■ダントツに良くなっても、発揮しているポテンシャルはまだ6〜7割程度

そこで新型インプレッサの開発陣は、あらゆる領域で「ダントツ」を目指しました。

エクステリアとインテリアでは、パネルの繋ぎ目や見映え品質等の「静的質感」を大幅に向上。ボディ開発では、走行時の連続するボディ剛性の変化を適正化して「動的質感」を進化させてきました。また衝突安全ボディや安全装備でも、大幅なアップグレードを果たしています。

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しかも阿部PGM自身が「新型インプレッサでは、狙った性能を実現できた」と満足を語る一方で、「SGPが発揮しているポテンシャルは6〜7割程度にすぎず、伸び代はまだまだある」と自信満々にコメントしていますから、将来への期待もますます膨らむばかりです。

■開発も生産も営業も、心をひとつに!

新型インプレッサは初めてSGPを採用するため、開発陣は関連部署と密に連携してきました。

生産面では、高剛性化のためにボディ溶接に接着剤を併用していますが、生産サイドからすると手間が増えて大変なのですネ。そこで接着剤有りと無しの試験車を用意して、生産担当者に走行性能や快適性の変化を実体験して貰い、接着剤の必要性を相互に共有しました。

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安全性能も、運転支援等の安全装備は車両価格が割高になるため、営業サイドが標準装備に難色を示すケースが一般的です。ところが新型インプレッサでは、アイサイト3.0だけでなく国産車初の歩行者保護エアバックも標準装備にする企画について、営業サイドは反対どころかごく自然に合意!  既にスバル社内ではアイサイト等の安全機能は当たり前の装備なのですネ。

「次世代スバルの成功の試金石」と位置づけられた新型インプレッサは、まさしく「ダントツ」の期待を裏切らない仕上がりで誕生したのです。

(星崎 俊浩)

【関連リンク】

■第543弾 新型インプレッサのすべて (電子版はこちら

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【新型スバル・インプレッサ公道試乗】最新アイサイトの完成度は?

スバルの「安心・安全」という考え方は、「アイサイト」の「ぶつからないクルマ?」という積極的なプロモーションもあって、「走り」と並んで同社の大きな強みになっています。

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「SUBARU GLOBAL PLATFORM」採用第一弾となる新型インプレッサには、歩行者用エアバッグが採用されるなど、最新の安全装備が満載されています。

今回試乗した車両には、メーカーオプションの「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」とハイビームアシストからなる「アドバンスドセイフティパッケージ」も装備されていました。

車線移動の際に重宝したのが、「スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)」。ドアミラーとルームミラー、斜め後方の直接目視はドライバーの責任なのは当然としても、ドライバーの「うっかり」を防いでくれる安全装備は助かるシーンがありそうです。

新型インプレッサに搭載されている最新の「アイサイト3」そのものは、既存の搭載車で定評あるものと同様のシステムです。

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プリクラッシュブレーキ、アクティブレーンキープ(車線中央維持/車線逸脱抑制)、AT誤発進抑制制御、AT誤後進抑制制御、車線逸脱警報/ふらつき警報という多彩な安全装備。それに加え、全車速追従機能付クルーズコントロール、定速クルーズコントロール、先行車発進お知らせ機能、電動パーキングブレーキ(ヒルホールド機能付)の運転支援系からなります。

今回、名古屋から東京まで移動しましたが、とくに高速道路で重宝するのがアクティブレーンキープ(車線中央維持/車線逸脱抑制)、ACC(全車速追従機能付クルーズコントロール、定速クルーズコントロール)です。

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「アイサイト」は長年培われてきたスバル自慢の技術だけあって、トータルでの性能に不満はありません。精度や安心感は追従メーカーに比べ先頭を走っている感はあります。

ただし、部分自動運転技術が浸透し、積極的にステアリングやブレーキに介入させてくるメーカーが増えてきた欧州勢などと比べると、相対的にアクティブレーンキープ(車線中央維持/車線逸脱抑制)の介入が弱めに感じます。

これは、ドライバーがあくまで主体という考え方と、完全自動運転をにらんで積極的に介入するのかという、メーカーの哲学の違いにもよるでしょう。いずれにしても、高度なシステムの精度は必要です。

しかし、アクティブレーンキープ(車線中央維持/車線逸脱抑制)の効果があるのも確かで、新型インプレッサで長距離走らせても疲れにくかったのは間違いありません。もう少しコーナーで介入してくれればよりラクなのかな? というのはドライバーの堕落かもしれません…

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一方のACCは、高めの速度域でのブレーキングが「わかってて走ってる人」くらいに丁度いいというか、他社のものよりゆっくりめに感じます。もちろん認識率が悪いとか前走車に近寄りすぎるというわけではありません。逆に前走者がいなくなった時の加速はもう少しアクセルを踏んで先行車に追いついて欲しいという印象。そのほうがドライバーの感覚もしくは交通の流れに沿ったものになるでしょうが、これは安全方向に振ったセッティングと思われます。

なお、新型インプレッサのマルチファンクションディスプレイには、先行車キャッチの有無、車間距離がイラストで表示され、アイサイトがちゃんと働いていることがわかり、安心感も増します。

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停止時までサポートし、ストップ&ゴーもラクな「アイサイト3」(最近こうしたACCも増えましたが、依然として輸入車、国産車ともに低速域は解除されるACCが多いのも確か)、トータル性能は依然トップクラス。

シンプルなシステムにより比較的安価で、スバル車のコアモデルであるインプレッサにも用意されているのはもちろん大歓迎。「アイサイト3」の装備がインプレッサを高く評価すべきひとつの大きなポイントなのは、新型でももちろん変わりません。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

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【新型スバル・インプレッサ公道試乗】350km走らせて分かった「走り」の長所と短所は?
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【新型スバル・インプレッサ公道試乗】約350kmを走破した新型インプレッサの実燃費は?

【新型スバル・インプレッサ公道試乗】約350kmを走破した新型インプレッサの実燃費は?

新型インプレッサは、ドイツ車に匹敵する走行性能とボルボに負けない安全性能を全車標準装備

■次世代プラットフォームでドイツ車に匹敵する走行性能と、アイサイトでボルボに負けない安全性能を標準装備

アメリカでの販売戦略が成功して、大いに勢いに乗るスバル。その勢いを更に加速させるために、スバルはグローバル車種に成長したインプレッサのフルモデルチェンジを実施しました。新型インプレッサの一番の特徴は、クルマの基盤となる次世代の「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」をスバル車種で最初に採用したことでしょう。これにより新型インプレッサは、VWなどのドイツ車に匹敵する走行性能を実現することができました。

また、スバルでは安全装備にも力を入れています。新型インプレッサでは、最新版「アイサイト3.0」と国産車初「歩行者安全エアバック」を全車に標準装備して、ボルボに負けない安全性能を確保しているのです。

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ボディ形状は、4ドアハッチバックの「スポーツ」と4ドアセダンの「G4」の2タイプを用意。ヘキサゴングリルやCシェイプのポジションランプをアイコンとしながら、ボディサイドのダイナミックなフェンダーやキャラクターラインで力強いボリューム感を訴求しています。

インテリアも質感を大幅に向上。インパネは機能性をそのままにデザインを刷新するとともに、シルバー調の枠加飾を効果的に配置して高級感を演出しています。

■水平対向NAエンジンとCVTの組合せにFFとAWDを用意

新型インプレッサのエンジンはNAのみの設定で、直噴化した水平対向NA・2Lと改良を施した1.6Lの2種類。ミッションは、全車にマニュアルモード付のリニアトロニック(CVT)を組合せて、自分でギア操作する楽しさを用意してくれました。そして2種類のエンジン双方に、FFと4WDを設定しています。

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新型インプレッサで特筆すべきは、2つの安全装備です。ひとつはスバルお馴染みのアイサイトで、2眼カラーカメラ式の最新版アイサイト3.0を全車に標準装備しました。

さらに、人身事故の際にボンネットに激突する歩行者を保護する「歩行者保護エアバック」を国産車初めて搭載。コストアップ覚悟で全車に標準装備しているのですから、スバルの安全に対するポリシーは本当に素晴らしいと思います!

■グレードと価格はシンプルで特徴的な設定

新型インプレッサの車両本体価格帯は約192.2万〜259.2万円。ハッチバックの「スポーツ」もセダンの「G4」も共通の価格設定になっています。グレードは1.6L仕様が「L」だけ、2.0L仕様が「L」と「S」の2つというシンプル構成。それぞれFFの約20万円増で、4WDを選択することができます。

またLグレードの燃費を見ると、1.6L仕様のFFが18.2km/l、4WDが17.0km/l。2.0L仕様のFFが17.0km/l、4WDが16.8km/lとなっています。

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Lグレードの装備を見ると、16インチアルミや分割可倒式リアシート、アイドリングストップ、アイサイト3.0、歩行者エアバック等が標準で、非常に充実しています。

特に200万を切ってアイサイト3.0を装備した1.6L仕様は、大いに魅力。また内装の高級感を増し、17インチアルミを装備した余裕の2L仕様もおススメです。

2L仕様のSグレードは、パワーシートや18インチアルミ、トルクベクトリング機能等、価格差以上の装備が付いてお買い得。どのグレードにも特徴があって、わかりやすい設定だと思います。

星崎 俊浩

【関連リンク】

第543弾 新型インプレッサのすべて(電子版

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スバル女子がレオーネ〜最新インプレッサを試乗!走りの進化を体感。【SUBARU テックツアー 2016 Vol.2】

今回のテックツアーで私が楽しみにしていた1つ、「プラットフォーム50年の熟成」の「プラットホーム進化確認試乗」についてお伝えします。

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用意されたクルマは、AA型 レオーネ ツーリングワゴン GT(3代目)、BC型 レガシィ GT  セダン(初代)、GP型 インプレッサスポーツ(4代目)、GT型 インプレッサスポーツ(5代目)の4台。

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まずはGP型インプレッサスポーツから試乗です。この1年、数々のスバル車に試乗してきましたが、4代目インプレッサは現在販売されている他のスバル車との共通点が多く、現行モデルの基本となっている部分を再認識しました。

ベーシックなモデルながら、しなやかな中にもしっかりとした安定感のある乗り味。今でも色あせない魅力的なクルマといえます。

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続いて、新型インプレッサスポーツ(GT型)。4代目インプレッサのあとに新型に試乗できるなんて恵まれてるな〜と思いつつクルマへ。

まず、めちゃくちゃカッコいい!4代目と比べるとキリッとした印象で、プレスラインにうっとり。これが「ダイナミック&ソリッド」かぁ、と思いつつ乗り込みます。ほかにも内外装について書きたいことは山ほどありますが……今回は割愛させていただきます。

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ご存じのとおり、新型インプレッサには新世代プラットフォーム(SGP=スバル グローバル プラットフォーム)が採用されました。走り出しからまるで違う!思わず声が出るほどの安定感。路面に吸いついていくような感覚ですごくなめらかな走り、思い通りに反応してくれるこの感じ。乗っていて気持ちいいです。コースを2周したのですが、「全然足りない。もっと乗りたい」と思えるクルマでした。

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次に試乗したのは、3代目 レオーネ  ツーリングワゴン GT(AA型)。新型インプレッサのあとの試乗ということもあり、時代を感じた1台です。まず乗車して驚いたのは、飛行機のコックピットのようなインパネ周り!スイッチのレイアウトにも困惑してしまいました(笑)

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ステアリングスポークの形状も、今のクルマからは考えられない独特な形でびっくり!いつもの感覚で試乗していると予想以上に曲がりません。でも、乗り心地は思っていたよりもシッカリとした印象を受けました。

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「プラットホーム50年の熟成」を締めくくるのは、初代レガシィ GT セダン(BC型)。レオーネと比べると一気に近代的になったインパネは現代でも通じる印象です。室内の装備もパワーシートやフルオートエアコンといった快適装備まで至れり尽くせり。

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ただ1つ気になったのはドアのロックノブ。現行型のクルマと比べると4倍くらいはあるんじゃないか?という大きさに最初は戸惑いすら覚えました……

実際の乗り心地もレオーネと比べると最近のスバル車に近く、座学の時にうかがった「赤字を出してまで開発された話」にも納得です!きびきびとしたコーナリングやしなやかな乗り心地は、すでにこの時代に確立されつつあったのですね。

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1980年代の3代目レオーネから、最新の新型インプレッサまで一気に試乗することで、スバルの走りの進化を体感できたのは非常に貴重な体験でした。

座学の時からレオーネは「曲がらないクルマ」というのを聞いていましたが、これまで3代目インプレッサ以降のモデルしか乗ったことのない私にとっては、ある意味非常に勉強になりました。

もちろん、新型インプレッサが先代モデルから大幅に進化した乗り心地であることも実感。これまでプラットフォームという名称や役割は知っていても、クルマの動きに対してどのくらいの役割を持つものなのかはピンと来ていませんでしたが、今回の試乗でその重要さと走りに大きく影響する部分であることも理解できました。

次回はスバル360をはじめ、貴重なスバル車の試乗記をご紹介しちゃいます。

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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テックツアー第2弾!スバル歴史講座に行ってきました【SUBARU テックツアー 2016】
http://clicccar.com/2016/10/30/407823/

新型スバル・インプレッサを350km走らせて分かった「走り」の長所と短所は?

「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を初めて採用した新型インプレッサ。10年、15年単位で一新されるプラットフォームですから走りに期待が高まるのは当然でしょう。

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プロトタイプを限られた条件下(日本サイクルスポーツセンターの自転車専用コース)で味見したのと、量産車を一般道で走らせての相違点、あるいは同じ点などをご報告したいと思います。

プロトタイプ試乗会が開催された日本サイクルスポーツセンターは、自転車競技用コースということもあって路面の状態は良好。上り下りや多様なコーナーがあってもボディが大きく揺すられることはあまりありませんでした。

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今回の試乗では、量産仕様の5ドアハッチバックである「IMPREZA SPORT 2.0i-S EyeSight」を借り出し、愛知県半田市にある半田工場(航空宇宙カンパニー)を出発。トレーラーやトラックが数多く走る工業地帯ということもあって路面には多様なアンジュレーションがあり、乗り心地を感じるには格好のスタート。

路面状態を考えると、225/40R18タイヤ(ヨコハマ・アドバンスポーツ)の割に乗り心地の良さが伝わってきます。路面の凹凸を乗り越える際は、18インチなのでそれなりに当たりは大きめですが、ボディのしっかり感があるため、不快とはいえません。

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しかし、距離を重ねて一般道や高速道路を走っていると熟成不足と感じさせるシーンもあります。概ね「よく動く足」という美点がある一方で、ボディ(上屋)の動きが一発、二発で収束せずに、揺れの余韻が残ってしまう点です。

100km/h巡航時の高速道路で路面のアンジュレーションがきついと特に顔を出す悪癖で、「リヤスタビの車体直止め」という工場(ライン)での工程数を増やすという手間を踏んだ割には……というのが正直なところ。

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プロトタイプ試乗会でも感じた点ではありますが、おそらく量産車も17インチの方が(セダンのG4ならなおさら)乗り心地、ボディの揺れなどは抑制されるのではないでしょうか。

また、高速道路の直進安定性、スタビリティはもう少し向上して欲しいところです。

ステアリングのセンター付近が不感気味であるのに加えて、路面が良くて風が弱いシーンでもアクティブレーンキープ(車線中央維持/車線逸脱抑制)が助けになっているものの、フォルスワーゲン・ゴルフやプジョー308、メルセデス・ベンツAクラスのように矢のようにピタッと巡航するというところまではいっていません。

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154ps/196Nmという2.0Lの動力性能は「I」モードだとややトルクが細い印象。「S」モードにすれば元気にスタートダッシュを決めてくれますし、「I」モードでも流れに乗ってしまえば不足はありません。ただし、デフォルトの「I」モード時にもう少しトルク感があった方がアクセルをそれほど深く踏まなくなる分、実燃費が改善する気もします。

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一方、新型インプレッサの明らかな美点は静粛性の高さ。中・低速域のこもり音などはほとんど感じさせず、高速道路で流れに乗って走るようなシーンでも静かな車内が保たれるため、長距離移動でも疲れを誘いません。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

約350kmを走破した新型スバル・インプレッサの実燃費は?

ディーラーにも試乗車が配備され、新型インプレッサが公道を走り出しました。

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プレス向けには、プロトタイプ試乗会と題して日本サイクルスポーツセンターを試乗ステージにステアリングを握る機会があり、当サイトも含めて多くのメディアに取り上げられていますが、ナンバーが付いたばかりの新車(オドメーターで約1342km)名古屋から東京まで走らせる機会がありましたので、ここでは気になる実燃費についてお届けします。

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試乗車は「FB20」型の2.0L水平対向エンジンを搭載した「IMPREZA SPORT 2.0i-S EyeSight」で、トランスミッションはCVTのリニアトロニック。ボディサイズは全長4460×全幅1775×全高1480mmで車両重量は1350kg。タイヤは225/40R18サイズ。

154ps/6000rpm、196Nm/4000rpmという2.0Lエンジンは、本体や動弁まわり、クランクシャフトなどの主運動系、吸排気系など積み重ねることで質量を12kg低減させ、CVTも7.8kg軽量化するなどパワートレーンも念入りに改良が施されています。

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レギュラーガソリンを指定する2.0L車のJC08モード燃費は、15.8km/L(CO2排出量は147g/km)となっています。

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名古屋から東京への移動は新東名と東名高速道路が主体で、名古屋市内、都内も走行しましたが、名古屋高速道路に乗る前に給油したため、約9割強が高速道路。トータルの走行距離は352.4kmで、給油時のメーター(車載)の平均燃費計は13.8km/Lを指していました。

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同距離を走った後の給油量は28.35Lで、一般的には誤差の多い満タン法では12.43km/L。平均燃費計とは1.34km/Lの差が出ています。

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なお、瞬間燃費計は高速道路の平坦地(見た目)で100km/L巡航時(ACC使用)で2.0km/Lを超えることもある一方、上り坂や一般道のストップ&ゴーでは10km/L程度のこともあり妥当でしょうか。

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15.8km/LのJC08モード燃費からすると、瞬間燃費計の13.8km/Lはカタログ燃費の約87%、満タン法の12.34km/Lは約78%に達していますので、高速道路主体であることを感じさせる良好な燃費といえるかもしれません。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

Cセグメントの新ベンチマークとなり得る、新型スバル・インプレッサの居住性、使い勝手

いよいよ新型インプレッサが公道を走り始めました。全長4460×全幅1775×全高1480mmのボディサイズで、先代よりもひと回り大きくなっています。

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ボディサイズ拡大の恩恵は、前後席のワイド感のある横方向、そして後席フットスペースで顕著に感じられます。

身長171cmの私がドラポジを決めて後席に座ると、膝前にこぶし3つ分、頭上に1つ分強のスペースがあり、前席下に足先が入るため、足を伸ばして座ってリラックスできますし、小柄な方であれば足を組んで座れそうです。

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身長171cmの私の場合、後席の座面高(フロアから座面までの高さ)は少し低めに感じるもの、横方向、タンデム(前後席間の距離)が明らかに拡大しているため、先代よりもリラックスできますし、開放感を抱くレベルにまで広くなっています。

最小回転半径は先代と同じ5.3mに抑制されているとはいえ、大きくなったということは狭い道での取り回しが気になります。実際、狭くて入り組んだ道が多い住宅街(東京杉並区)ではすれ違いなどで気を使うシーンもありました。

しかし、前方、左右ともに視界が良好で1775mmという全幅の割には取り回ししやすいといえそう。

また、疲れにくいシートも長所といえそうです。ホールド性と座り心地の「良いとこ取り」したような前席は一見普通に見えますが、腰痛持ちの私が約350km走ってもほとんど痛み、疲れを感じさせませんでした。

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低めのフロア開口部と大きな開口部をもつラゲッジは、重い荷物でもラクに乗せ降ろししやすそうですし、小柄な女性でも特に閉める際に苦労することはないでしょう。リヤゲートの開閉操作も力要らずでラクにできるため、重いドアの開閉が苦手な人でも気にならないはず。

また、385Lの荷室容量も350L〜360L程度が多いCセグメントモデルの中にあって広め。後席は6:4分割式でほぼフラットに可倒できるほか、荷室下に小さめですが工具や洗車用品などが少し入りそうなサブトランクが備わっています。

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静粛性の高さ、快適なシート、広いキャビン、そして質感の高さを抱かせる内装は欧州Cセグメント車と比べてもトップクラスであり、新たなベンチマークになりえる実力の持ち主といえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)

テックツアー第2弾!スバル歴史講座に行ってきました【SUBARU テックツアー 2016】

栃木県佐野市にあるスバル研究実験センター(SKC)にて、テックツアー第2弾としてメディア向けスバル歴史講座が開催されたので、クリッカー編集長の小林さんと共に参加させていただきました。

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テックツアーは、スバルの歴史や取り組みをメディア向けにわかりやすく体感しながら学べるプログラム。第2弾となる今回は、歴史車試乗やプラットホーム進化確認試乗に加え、座学などもおこなわれました。

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まず最初に、開発OBの大林眞悟さん、新型インプレッサPGM(プロジェクト・ジェネラル・マネージャー)阿部一博さん、スバル第一技術本部 車両研究実験第一部 部長の藤貫哲郎さんによるフリートーク【スバルプラットホーム50年の歴史】が行われました。

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スバル1000について3人の思い入れでトークがスタート。スバルの水平対向エンジンの原点であるスバル1000は、今のスバルの「革新」の原点であり、阿部さんからは「軽くて楽しい!」といった感想も述べられ、この後の試乗にも期待が高まり、テンションがあがってしまいました!

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続くレオーネからレガシィへの話では、レオーネは排ガス規制などによって、エンジニアの方々がとても苦労して、思い通りに作れなかった部分があったことや、スバル1000の良かった部分を伸ばせなかったという苦労話もとても興味深かったです。

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初代レガシィでは、その思いを受け継ぎ、コスト度外視であった部分もあったそうで、会社として開発で赤字となった話には驚きました。しかし、そうした妥協を許さないクルマ作りをしたことで、初代レガシィは今でも語り継がれるほどの名車となったことは皆さんもご存じだと思います。

その後に登場したSVXやR2などの話も飛び出しましたが、次に興味深かったのは、なんといってもプラットフォームの話。

長きにわたり開発に携わった大林さんも「美しい!」と絶賛した新型インプレッサのSGP(スバル グローバル プラットフォーム)には、スバルの本気を感じる力作であると感じ、こちらも、この後の試乗にめちゃめちゃ期待しちゃいました!

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2代目レガシィのマイナーチェンジで登場したGT-Bに280psのエンジンを搭載したとき、そのハイパワーを受け止める足としてビルシュタインのダンパーが装備されましたが、ビルシュタイン側からは、生産するにあたり工場の拡張などを伴うために、「何台売れるの?」という質問があったそう。スバルは「月販500台」と答えたそうですが、実際は月5000台も売れるほどの大ヒットとなったそうです。

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続く座学では、スバル第一技術本部 車両研究総括部 部長 新田亮さんによる「人を中心とした安心と愉しさのクルマづくり」の歴史について語られました。

スバル360の開発では、わざわざ専用タイヤをブリジストンに発注したという開発秘話や、衝突実験がスバルP-1の時代から行われていたという話は、当時から他のメーカーより時代を先取りしたクルマづくりをしていたことを実感するお話でした。

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続いて登壇されたのは、スバル第二技術本部 エンジン設計本部 兼 PU先行開発統括 主査 小野大輔さん。お話しの内容は「スバルの水平対向エンジンの歴史」について。

スバルの象徴ともいえる水平対向エンジンを採用した理由は、全長が短く、室内を広くでき「ひとめ見るだけではっきりと斬新なシステムと理解できる」というこだわりからとのことで、ほかにも低重心によるハンドリングの良さなど様々な理由があるのは皆さんもご存じだと思います。この水平対向エンジンは初搭載のスバル1000から今年で50周年を迎え、大きくわけて3世代のモデルが存在します。

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初代のEA型エンジンは初のオールアルミエンジンとして誕生しましたが、当時としては鉄に比べ14倍もの価格となるアルミ製エンジンは、現行モデルの水平対向エンジンまで受け継がれる素材であることにも驚きです。

その後はターボを組み合わせたものも登場しましたが、OHVだったこともあり120psにとどまり、他メーカーの同クラスと比較して若干非力だったそうです。今のハイパワーなスバル車のイメージからするとちょっと考えにくいですよね。

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第2世代のEJエンジンでは、いよいよDOHC化され、初代レガシィには水冷式のインタークーラーターボを備えるモデル「GT」や「RS」といった当時クラストップレベルのパワーを発揮するモデルも登場!残念ながら私はまだこの世に登場していません(笑)

もちろんEJ20エンジンは今でも生産されており、スバルのスポーツフラッグシップであるWRX STIに搭載され、今では308PSというスバルでも最強のエンジンとしてファンも多い名機です。

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そして、現行モデルの多くが搭載する第3世代のFA、FBエンジンでは水平対向エンジンが苦手としてきた低燃費化実現のためにロングストローク化をはじめとした環境性能を強化。

BRZに搭載されているFA20エンジンでは極力隙間を減らしたことで高さを65mm、エンジンの搭載位置をなんと60mmも下げたことで、エンジニアの皆さんは腰痛になったとか(笑)

もちろんスバル自慢のターボエンジンはFA20DITとして直噴化などによりハイパワーで低燃費を実現。新世代のユニットながら登場時から300PSを誇り、これからのスバルを象徴するエンジンとして進化に期待です。

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座学では、スバルのプラットフォームやクルマの歴史、そして代表的なメカニズムである水平対向エンジンの歴史を学んだことで、試乗の時間がさらに期待が高まりました。

しかし、歴史車試乗では思わぬ落とし穴があることに、この時は気付かず……驚きと爆笑の試乗編はまた次回!是非お楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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【新型スバルインプレッサ公道試乗】クルマのブレーキと恋愛対象は「守ってくれる」感覚が肝心!?

もうすぐ始まる今年一番のクルマを決める「日本カーオブザイヤー」投票。

その前に、10台を選出する「10ベスト」の投票が行われますが、それに向けて各メーカー試乗会も私個人の試乗も大忙し。私は日ごろからいろいろなクルマに試乗しているのに、それでもまだ試乗していないクルマがあるという…(-_-;)

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そんな中、新型「スバル インプレッサ」の公道試乗会が行われました。

試乗会のコース選びは、短時間にそのクルマの個性やメーカーの世界観をアピールする意味もあり、実は重要。

ちなみに新型「インプレッサ」のプロトタイプはすでにサーキット試乗を行っているので、走りには自信があるということなのでしょう。

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そんな新型「インプレッサ」のお話。
今回は10月25日に発表された5ドアハッチバックの2リッター「インプレッサ スポーツ」。
試乗コースは名古屋から蒲郡まで。
その間に私が真っ先に気が付いたのは、ブレーキです。
新型「インプレッサ スポーツ」乗り込んだ後、駐車場から一般道に出る手前のブレーキ操作でその効き具合を体感。
特に意識せずに、どちらかといえばラフに踏んだブレーキでしたが、私の想像以上に効きが良く、「なるほど」…。
このブレーキのファーストインプレッションは、とても重要なのです。それでその後、そのクルマのブレーキの踏み方が変わって来ますから。効きが良すぎる、いわゆる「カックンブレーキ」も困りもので、その『味付け』が難しいのですが、「自分を守ってくれそう」というブレーキと「恋愛対象」は大歓迎。まさに新型「インプレッサ」はそんな印象でした。

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エクステリアの華やかさはありませんが(ごめんなさい)、インテリアの質感はかなりグレードアップした感じがあります。「高価」とか「ゴージャス」というわけではありませんが、手に触れる部分の素材や手触りを替えたり、ちょっとしたポイント使いがされ、見栄えはかなり変わった感があります。

しかしなにより、クルマの骨格を「スバル・グローバル・プラットフォーム」に変えたことも新型「インプレッサ」に走りの安定感を与えている模様。

ほかにもこの新型「インプレッサ」には、国産車初の歩行者保護エアバッグと7つの乗員保護エアバッグ、そして最新の「アイサイト」を標準装備するなど、かなり攻めてます。

ちなみにそんな新型インプレッサの試乗の目的地は愛知県蒲郡の蒲郡クラシックホテル。
ここは、ドラマ「華麗なる一族」のドラマロケ地となった素敵な洋館。

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そしてその後は、「富士重工業 航空宇宙カンパニー 半田工場」で手掛ける旅客機「ボーイング777」と「ボーイング787」、そして今後稼働する「ボーイング777X」の「中央翼」を製造する工場見学。
その後、セントレアに移動して、それが使用されている「ボーイング787ドリームライナー」を見学。

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なるほど、富士重工業(スバル)はクルマはもちろん、航空ビジネスも行っていて、そこからインスパイアされている部分も多いのかも。

そしてボーイングといえばANA。ANAといえばドラマ「GOOD LUCK!!」…この共通点から『キムタク』を連想したのは私だけでしょうか(笑)

(吉田 由美)

新型インプレッサは、まだ実力の6割しか出していない!?

クルマ選びにおいて、具体的なブランドや車種よりも、まず検討するのは「どのボディタイプにするか」ではないでしょうか?

セダンやワゴンさらにSUVなど様々なジャンルがありますが、なかでも操縦性と実用性から、ハッチバックの人気は根強いものがあります。

そのなかでも車両価格などのバランスの良さから、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」に代表される『Cセグメント』のクルマは各メーカーのメインストリームとなっています。

海外では「フォード・フォーカス」や「プジョー・308」といったモデルが売れ筋となっており、国産ブランドもこのクラスにおいてはグローバルを視野に入れたモデルを開発・生産しています。

その過酷な戦いの中にスバルが送り込んでいるのが「インプレッサ」です。1992年の初代「インプレッサ」の登場時から、実用的な乗用車という側面を持つ一方で、WRC(世界ラリー選手権)も視野に入れるほど武闘派の一面も持ち、その名前に特別な想いを抱く人は少なくありません。

試乗記

その「インプレッサ」が新型となって登場しました。

5代目となる新型のトピックスは、新しいプラットフォーム「スバルグローバルプラットフォーム」と歩行者保護エアバッグを含めた安全性の強化です。

とはいえ、「先進環境技術の採用で圧倒的な低燃費を実現!!」や「自動運転技術を初搭載!」といったことが声高に叫ばれるなかでは、新型「インプレッサ」の内容は「ちょっと地味」に見えませんか? しかし、この部分こそが販売台数の多い『Cセグメント』には欠かせない魅力なのです。

■クルマの基本を徹底的に極める

近年、自動車の土台であるプラットフォームの刷新がトレンドになっており、トヨタやフォルクスワーゲンを筆頭に、ひとつのプラットフォームをベースに様々なクルマを仕立てることで生産や開発の効率化が図られています。

メカニズム

新型「インプレッサ」に初めて採用された「スバルグローバルプラットフォーム」もまさにそれ。今後、レガシィやフォレスターの次期型にも展開される予定だといいます。

そうなると、最初の一歩が肝心。計測技術の進歩によりドライバーが違和感を覚えるツボを特定できたほか、剛性の連続性を高めるために骨格の途切れや屈曲を極力減らしたことでポテンシャルは大幅上昇。新型「インプレッサ」では、その実力のうちまだ6〜7割ほどしか引き出せていないそうです。

開発ストーリー

また、新型「インプレッサ」でスバルの持ち味である安全性はさらにワンランク上へ。その大きな要素が25-60km/hで作動する歩行者保護エアバッグです。すでに海外ブランドでは採用例がありますが、国産車としては初なうえに、全車に標準装備されるのも魅力。社内では「スバル=安全」という考えが浸透しており、標準装備化はさも当然の如く進んでいったそうです。

■デザインから機能まで全面刷新!

新プラットフォームの採用はクルマの走りを磨いただけでなく、インテリアの仕立てを含めた質感向上にも貢献しています。

使い勝手

インテリアで最も目を引く8インチの大画面をもつナビゲーションシステムと、6.3インチへ拡大したマルチファンクションディスプレイが設けられたインパネをはじめ、エアコンユニットも全面刷新され、より使い勝手が良くなっています。

こうした内容を踏まえると、ハイブリッドや自動運転技術といった飛び道具こそ持たないですが、普段当たり前に思っているからこそ忘れがちなクルマの本質(走る、曲がる、止まる、使う)が徹底的に磨かれたことが分かります。

より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

表紙

(今 総一郎)

新世代スバルのスタンダード、新型インプレッサを知る3つのキーワード

インプレッサがフルモデルチェンジして5代目となりました。単一モデルのフルモデルチェンジではなく、スバル自身のフルモデルチェンジとまで言わしめるほど革新的なニューモデルです。

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従来通り、ボディタイプは5ドアハッチバックの「SPORT」と4ドアセダンの「G4」を用意。それぞれに、エントリー役を担う1.6i-L EyeSight(2016年末発売予定)、スタンダードといえる2.0i-L EyeSight、18インチタイヤを履く2.0i-S EyeSightの3つのグレードを設定。2.0リッター車は10月25日からの発売となります。

この新型インプレッサを理解するには、3つのテーマが挙げられます。

スバル・グローバル・プラットフォームの採用
新デザインフィロソフィー「ダイナミック×ソリッド」
国産初採用を含む先進安全装備の充実

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新型インプレッサから順次スバル車に採用されていく、新世代アーキテクチャーである「スバル・グローバル・プラットフォーム」は、剛性と軽さという相反する要件を満たすクルマの基礎となるも。

危機回避や衝突時の乗員保護といった面での「安全」と、優れたハンドリングや乗り心地が示す動的質感といった運転する「愉しさ」を高次元で両立することを目指したものです。

1/1000秒単位の車体各部の動きを定量化することにより生み出された次世代プラットフォームは、フロント曲げ剛性で90%増し、ねじり剛性で70%増しとなっているなど走行性能につながる面を進化させただけでなく、電動車両にも対応する将来性をも兼ね備えた設計となっているのがポイント。

つまり、新型インプレッサの走りというのは、まさしくスバルの未来につながるものなのです。

インプレッサのみならず、スバルのクルマづくりにおけるキーワード「安心と愉しさ」をカタチで表現するのが、デザインフィロソフィー「ダイナミック×ソリッド」です。

これまでも年次改良により、各車にエッセンスが採用されてきた「ダイナミック×ソリッド」ですが、新型インプレッサのスタイリングには、その考え方が全面採用されています。

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躍動感(ダイナミック)と塊感(ソリッド)という基本概念が持つ2つの要素を、インプレッサというキャラクターに合わせてバランスさせたことで、インプレッサ自体が目指した「スポーティ&アドバンス」を実現したスタイリングです。

注目ポイントは、サイドのキャラクターライン。

前後フェンダーをつなぐまっすぐな強いラインと、その下に配された後方に向かって跳ね上がる、まるで毛筆のような強弱を持ったラインの相乗効果はダイナミックなサイドスタイルを生み出しています。

また、ダイナミック×ソリッドの考え方はインテリアでも表現されています。ステアリングホイール、シフトノブ、パワーウインドウスイッチなど手に触れる部分を一新しているだけでなく、インパネのシボ模様まで刷新された、新世代スバルを示すキャビンとなっているのです。

なによりも、先進安全技術を採用しているのが新型インプレッサの特徴といえます。

Cセグメントながら、重要な安全装備は全車標準装備とするなど、セーフティへの高い意識を感じさせる設定となっていることは、新型インプレッサの美点といえるでしょう。

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先進安全技術の主だったところでも、歩行者保護エアバッグ(国産車初採用)、ニーエアバッグを含めた7エアバッグ、ステレオカメラによるプリクラッシュセーフティシステム「EyeSight(ver.3)」は、エンジンや駆動方式にかかわらず全車に標準装備。

EyeSight(アイサイト)が実現する全車速追従クルーズコントロールについてはエコ、コンフォート、スタンダード、ダイナミックと4つのモードを用意して、ドライバーの意思に合った加速を選ぶことができるように進化しています。

また、白線を認識して車線の中央を走るようにステアリング操作をアシストする「アクティブレーンキープ」についても、きついコーナーにも対応できるよう進化しているのは新型インプレッサのポイントです。

そのほか、進化ポイントの多いインプレッサのキャッチコピーは「愛でつくるクルマが、ある。」というもの。じっくりと付き合っていく中で伝わる魅力にも期待される一台です。

メーカー希望小売価格は、1.6i-Lが192万2400円(2WD)/213万8400円(AWD)、2.0i-Lが216万円(2WD)/237万6000円(AWD)、2.0i-Sは237万6000円(2WD)/259万2000円(AWD)となっています。

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●インプレッサG4(4ドア)1.6i-L EyeSight 2WD主要スペック
全長:4625mm
全幅:1775mm
全高:1455mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:130mm
車両重量:1300kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB16
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCガソリン
総排気量:1599cc
最高出力:85kW(115PS)/6200rpm
最大トルク:148Nm(15.1kg-m)/3600rpm
変速装置:CVT
変速比:3.600〜0.512
燃料消費率:18.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:205/55R16
価格:192万2400円(税込)

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●インプレッサSPORT(5ドア)2.0i-S EyeSight AWD主要スペック
車両型式:DBA-GT7
全長:4460mm
全幅:1775mm
全高:1480mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:130mm
車両重量:1400kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCガソリン直噴
総排気量:1995cc
最高出力:113kW(154PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
変速比:3.600〜0.512
燃料消費率:15.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/40R18
価格:259万2000円(税込)

(写真:小林和久/SUBARU 文:山本晋也)

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新井敏弘選手も参戦した「魅せる」ラリークロス・レッドブルGRC最終戦LAラウンド

PWRCで2度の世界チャンピオンに輝いている国内屈指のラリードライバーとなる新井敏弘選手が、WRX STIを駆りGRC(Redbull Global Rally Cross)に参戦するということで話題を浴びた最終戦のロサンゼルスラウンド。

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10月8日の土曜日にラウンド11、9日の日曜日にラウンド12の2戦が行なわれました。

GRCはダートとターマック(舗装路)が混在するコースに、20mを越えるジャンピングスポットが設けられているのが特徴になります。

通常は1.5km程度の特設コースが作られるのですが、ロサンゼルスラウンドは約1.2kmと今シーズンでもっとも短いコースとなりました。

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コースレイアウトは、短い直線をタイトなヘアピンコーナーと直角コーナーで繋げていて、計9つのコーナーが設けられています。勝負どころとなるダート路面は5〜7コーナーまでで、その中にジャンピングスポットを設置。

直線が短いといっても0-100km/hの加速がわずか1.9秒というモンスターマシンは、200km/hに迫るトップスピードを出します。

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金曜日に実施されたプラクティスでは、シリーズチャンピオンを狙う2台のフォルクスワーゲン・ビートルが速さを見せ、2台を追うのはフォード・フィエスタ。WRX STIとホンダ・シビックは、苦手なコースレイアウトということもあり、やや劣勢な展開でした。

迎えた土曜日のラウンド11の予選。ここではタイムアタックにより1周のタイムを競いあいます。トップタイムをマークしたのは、ポイントランキングトップに付けているフォルクスワーゲンの♯41スコット・スピード選手で43秒745。2位にコンマ3秒差をつけて他のドライバーを圧倒しました。

3台が出走しているSRTUSA(スバル・ラリーチームUSA)は、エースの♯55クリス・アトキンソン選手が44秒104で4位、♯75デビット・ヒギンズ選手が10位、♯88新井敏弘選手はマシンの特性を掴みきれず13位となりました。

ただ予選は走行順位を決めるもので、GRCは予選のあとにヒートレース、セミファイファイナルレース、LCQ(ラスト・チャンス・クオリファイ)、決勝と複数回のレースを実施して勝者を決めます。そのため、予選で出遅れても挽回は可能になっているのです。

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ところが予選レースで新井選手のマシンから出火してしまいレースの途中でマシンを止めることになってしまったのです。原因は燃料ラインからの出火とのことで、エンジンハーネスなどが燃えてしまったため決勝レースを走ることはできませんでした。

ヒートレースと予選レースでもフォルクスワーゲン勢の強さは変わらず、全セッションでトップをマーク。スバル勢は、アトキンソン選手と予選レースを3位で終えて決勝レースへ進出。ヒギンズ選手もLCQから決勝レースへ駒を進めました。

12台で競われた決勝レースもフォルクスワーゲン勢の強さが光りました。2台が競り合って逃げていきデットヒートを展開。結果は予選でトップタイムをマークしたスピード選手が勝ちシリーズチャンピオンに一歩前進したのでした。

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スバル勢はヒギンズ選手が6位、アトキンソン選手が7位となり今シーズンのベストリザルトとなりました。

翌日のラウンド12は、予選でアトキンソン選手で好走。前日のタイムを大幅に上回る42秒594で初のトップタイムをマーク、僚友のヒギンズ選手は12位となりました。

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新井選手はベストタイムが抹消されるというジャッジにより13位。しかし前日よりも1秒以上はタイムアップしていて、マシンにも慣れたと語っていました。

予選後のヒートレースは1Aをフォード・フィエスタを駆る♯00スティーブ・アルピン選手が1Bをフォルクスワーゲンの♯34ターナー・ファウスト選手が制しました。そして決勝進出を争うことになる予選レースは、Aレースをスピード選手、Bレースをホンダの♯31ヤニ・ウィーマン選手がトップで通過。

スバルの3台は予選レースAとBで上位3台に入れずLCQに回ることになりました。LCQでアトキンソン選手は2位、ヒギンズ選手は6位となり決勝レースに駒を進めることになりましたが、7位だった新井選手は残念ながらここでレース終了となりました。

12台の決勝レースは、フォード・フィエスタの♯38ブライアン・ディーガン選手とスピード選手が激しいトップ争いを演じ、中盤でスピード選手を抜いたディーガン選手がトップチェッカーを受けました。2位に入ったスピード選手は、この結果により年間のシリーズチャンピオンが決定しています。

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スバル勢は表彰台争いを行なったヒギンズ選手が5位、アトキンソン選手が6位と前日のリザルトを上回ってチームに有終の美をもたらしました。

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今シーズンは、チーム体制を整えることやマシンの熟成を図るためにシーズン途中からの参戦となったSRTUSA。尻上がりにリザルトを残すようになり、来シーズンの活躍が期待できる後半戦のシーズンとなりました。

(真鍋 裕行)

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スバル水平対向エンジン50年の歩みとプラットフォーム進化の歴史【後編】

スバルがメディア向けに開催した「SUBARU歴史講座」では、1967年式のSUBARU 1000からこの秋に発売される新型インプレッサまで用意され、まさに水平対向エンジン50周年にふさわしいスバル車の進化を体感することができました。

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今回、2台のレオーネ・ツーリングワゴンに乗ることができましたが、レオーネの印象は、今も昔もけっして良いものではありませんでした。

あらためて試乗した2代目レオーネ・ツーリングワゴンはバタバタとした乗り心地で、SUBARU 1000であれほど高いレベルにまとまっていたシャシーがなぜ失われてしまったのか不思議なほど。

ただ、時代のニーズに合わせていくための方向性も違えば、またスバルに対して優れた耐久性が求められていたということも、その乗り味に影響していたのかもしれません。

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最終進化形といえるレオーネ・ツーリングワゴンGTエアサスは、記憶を書き換えなければいけないと思うほど、芯の感じられる乗り心地でしたが、それでもハンドリングのレベルは記憶の通り。その後に登場したレガシィとの差が大きいことを確認することになったのです。

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第二世代ボクサーエンジンを搭載することになった初代レガシィは、現在の自動車産業では重要な要素となっているプラットフォーム戦略が最初にとられたモデルともいえます。

その初代レガシィが出たときの記憶をたどれば、レオーネとはすべてが異なるレベルに向上したと感じたことを思い出します。

しかし、あらためて乗ってみると、じつは圧倒的というほどではなかったことに気付きます。レオーネの最終進化形は、それほどブラッシュアップされていたのでした。

もっとも、今回の試乗車については、レオーネ(3代目)とレガシィ(初代)ともに労って試乗するコンディションということだったので、そうした部分を差し引かねばなりませんが。

それはさておき、スバルのプラットフォームは、この初代レガシィを第一世代とすると、間もなく発売される新型インプレッサでは第三世代にまで進化することになります。

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第二世代プラットフォームの初採用は4代目レガシィ。その後、インプレッサ(3代目と4代目)、フォレスター(3代目と4代目)にも広がります。

レガシィについては5代目以降、パワーユニットの搭載方式が「クレードルマウント」となりますが、基本的には第二世代プラットフォームなのだそうです。

先日、新型インプレッサ(プロトタイプ)を伊豆の日本サイクルスポーツセンターで試乗した際にも比較していますが、今回もテストコースに設けられた大きなコーナーやパイロンスラロームにおいて第二世代プラットフォームの最終形といえる現行インプレッサ(4代目)と新型インプレッサを比べることができました。

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乗り心地については第二世代プラットフォームも十分なレベルで、圧倒的な違いを感じるほどではありませんが、ハンドリングは別次元といえる仕上がりになっていることを再確認。

スラロームでは4代目インプレッサで気持ちよく走ることのできる速度を基準に、同じようなスピードで第三世代プラットフォームの新型インプレッサで進入するとドライバーが感じる余裕が一段上のレベルなのです。

第二世代プラットフォームではリズムが崩れるとスラロームを駆け抜けられないと感じる速度から加速もできますし、リズムにのったスラロームの最中にわざとブレーキをかけても姿勢の乱れは感じません。

なるほど第三世代の大きな進化を感じることができました。

そして、初代ボクサーエンジンといえるSUBARU 1000と最新の新型インプレッサまで、快適性とハンドリングにおいて自然さを追求しているという点において、スバルが目指している先に大きなブレがないことも実感することができたのです。

(写真:SUBARU/YsPlanning 文:山本晋也)

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台数上限なし! 期間限定販売WRXの特別仕様車「WRX S4 tS」そのお値段は?

スバルテクニカインターナショナル(STI)は、スバル WRX S4をベースとした特別仕様車「WRX S4 tS」を、2016年10月4日から2017年3月12日までの期間限定(台数制限なし)で発売します。

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チェリーレッドストラップの入ったメッシュタイプフロントグリル、過渡領域でのエンジントルクアップ、しなやかに引き締めたサスペンションに19インチタイヤ、大径ホイールの中にはブレンボ4ポットキャリパー(フロント)を収めるなど、STIのノウハウを活かしたコンプリートカーとなっています。

基本となる「WRX S4 tS」の価格は496万8000円。ドライカーボン製リヤスポイラーなどを装備したNBR CHALLENGE PACKAGEは529万2000円で用意しています(いずれも消費税込)。

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【WRX S4 tS主要装備】

■足回り/メカニズム
・STI製低背圧パフォーマンスマフラー(STIロゴ入り)&エキゾーストパイプリヤ
・STI製低圧損エアクリーナーエレメント
・CVTオイルクーラー&ラジエーターファン強化タイプ
・STI製ビルシュタイン フロントストラット(DampMatic®II、倒立式)&コイルスプリング
・STI製ビルシュタイン リヤダンパー&コイルスプリング
・STI製255/35R19 92Yタイヤ(ダンロップSPORT MAXX RT、特殊吸音スポンジ付)
・brembo製17インチ対向4ポット フロントベンチレーテッドディスクブレーキ(STIロゴ入り)
・STI製フレキシブルタワーバー(フロント)
・STI製フレキシブルドロースティフナー(フロント)
・STI製ピロポールブッシュリヤサスリンク(ラテラルリンクフロント内側、ラテラルリンクリヤ内側)
・STI製フレキシブルサポートサブフレームリヤ

■ エクステリア
・STI製BBS19インチ×8 1/2J鍛造アルミホイール(シルバー)
・メッシュタイプフロントグリル(チェリーレッドストライプ、STIオーナメント付)
・大型フロントアンダースポイラー
・ブラックルーフアンテナ(シャークフィンタイプ)
・STIエンブレム付サイドガーニッシュ
・リヤバンパー(チェリーレッドストライプ)

■ インテリア/その他
・ルミネセントメーター(マルチインフォメーションディスプレイ付、STIロゴ入り)
・本革巻ステアリングホイール(高触感革、メッキベゼル、金属調フィニッシャー、シルバーステッチ)
・STI製本革巻シフトレバー(STIロゴ入り)+ピアノブラック調加飾パネル
・STI製プッシュエンジンスイッチ(STIロゴ入り、レッドタイプ)
・STI製RECAROバケットタイプフロントシート[本革(メイン:ブラックセミアニリン、サイド内側:ブラック)、
・シルバーステッチ+シルバーアクセント、シートヒーター付、STIロゴ型押し、SRSサイドエアバッグ]
・リヤシート[本革(ブラック)、シルバーステッチ+シルバーアクセント]
・インパネ加飾パネル(レッド)&オーナメント(tS LIMITED EDITION)
・サイドシルプレート(STIロゴ入り)

■「NBR CHALLENGE PACKAGE」専用装備
・STI製BBS 19インチ×8 1/2J鍛造アルミホイール(ブラック)
・STI製ドライカーボンリヤスポイラー(STIロゴ入り)
・NBR CHALLENGE PACKAGE 専用エンブレム(リヤ)
・ウルトラスエード巻ステアリングホイール(メッキベゼル、金属調フィニッシャー、シルバーステッチ、シルバーセンターマーク付)

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■WRX S4 tS主要スペック
車両型式:DBA-VAG
全長:4635mm
全幅:1795mm
全高:1475mm
車両重量:1550kg(参考値)
エンジン型式:FA20
エンジン形式:水平対向4気筒直噴ターボ
最高出力:221kW(300PS)/5600rpm
最大トルク:400Nm(40.8kg-m)/2000-4800rpm
変速装置:スポーツリニアトロニック(CVT)
燃料消費率:km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:255/35R19
メーカー希望小売価格(税込):496万8000円

(山本晋也)

スバル水平対向エンジン50年の歩みとプラットフォーム進化の歴史【前編】

スバルがメディア向けに「SUBARU歴史講座」を開催しました。

これは座学と試乗により同社の歴史を一気に肌で感じるというもので、会場となったテストコースには1967年式のSUBARU 1000からこの秋に発売される新型インプレッサまで用意され、まさに水平対向エンジン50周年にふさわしいイベントとなったのです。

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今回乗ることができた水平対向エンジンの生き証人ともいえる試乗車を、古い順に並べると次の通り。

SUBARU 1000(昭和42年式)
レオーネ・ツーリングワゴン4WD(2代目)
レオーネ・ツーリングワゴンGTエアサス(3代目)
レガシィ2.0ターボ(初代)
インプレッサ(現行型)
新型インプレッサ(2016年秋発売予定)

2016年に50周年を迎えたスバル水平対向エンジンの進化と、また新型インプレッサから採用される新世代プラットフォームにつながる流れを、同時に体感することができました。

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まず、エンジンの進化は、EA、EJ、FA/FBの3世代に大きくわけることができます(6気筒やディーゼルを除く)。

EA系というのは初代スバルボクサーエンジンである4気筒OHV・977ccの「EA52」型からはじまり、OHCとなったレオーネの最終モデルまで使われたもの。排気量は倍近く増えていますが、クランクシャフトが3ベアリングタイプとなっているのが共通点です。

非常にロングライフなエンジンとなったこともあり、初期には十分なパフォーマンスだったといいますが、最後の方はライバルの後塵を拝することも多かったようです。

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そこで、EA系から「100馬力アップ」を目指して新開発されたのが、初代レガシィから採用されたEJ系です。初代レガシィのトップグレードに採用されたEJ20 DOHCターボの最高出力は220馬力。国産2.0リッターターボのトップランナーとなりました。

それ以前のレオーネなどに搭載された1.8リッターOHCターボの最高出力は135馬力でしたが、その測定方法はグロスという古いもので、現在使われているネット換算すると120馬力程度になりますから、たしかに目標は達していたのでした。

このEJエンジンは現在のWRX STI(308馬力)まで使われています。結果としては200馬力アップに迫る進化を遂げたというわけです。

そして、第三世代のボクサーエンジンが2010年に登場。当初はフォレスターのマイナーチェンジで搭載され、レガシィ、インプレッサ、レヴォーグ、エクシーガ、BRZとスバル車の主力エンジンとなっています。

EA型からEJ型へと大きく進化したときの印象が強く、EA型は時代遅れのエンジンというイメージもありましたが、ボクサーエンジンの始祖といえるSUBARU 1000に乗って、そうした思いは覆されます。

当時、会社としての売上に匹敵するほど多額の開発費を投じたというSUBARU 1000のOHVエンジンは、生産から半世紀近くが経ったいまでもスムースに回っています。

恥ずかしながら、アイドリングしている状態からセルモーターを回そうとカギに手をかけそうになったほどキャビンは静かだったのです。アイドリングでボンネットを開けてもエンジンがブルブルと震えている様子はありません。

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さらに驚いたのは、SUBARU 1000の乗り心地。当時の日本国内の事情を考えれば当然ですが、未舗装路を前提としたサスペンションは豊かなストロークがあります。

また、横幅の広い水平対向エンジンをフロントに搭載しながらサスペンションのスペースを確保するためにセンターピボットのウィッシュボーン・サスペンションをフロントに採用したこともあり、ハンドリングも素直で現在のレベルで見ても、大きな不満は感じないものだったのです。

最初に生み出した乗用車が、これほど高いレベルでまとまっていたことは本当に驚きでした。

ただ、ここから順調に発展したわけではなかったようです。

【後編】へつづく。

(写真:SUBARU/YsPlanning 文:山本晋也)

スバル「WRX S4 ts」を2017年3月12日までの期間限定で販売

10月25日から発売されるスバルXV HYBRID tsに続き、「WRX S4 ts」が10月4日から来年3月12日までの期間限定で発売されました。

STIコンプリートカーとして圧倒的な支持を集めた「S207」の技術を受け継ぎながら、「アイサイト3」や「アドバンスドセーフティパッケージ」などのスバルの最新安全装備が搭載されています。

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FA20型の水平対向4気筒直噴ターボエンジンは、吸排気系の通気抵抗を低減し、加速中の過渡トルクを最大約10%向上 (STI測定値)することで強化されています。

また、オイルクーラーを追加するなど、スポーツリニアトロニック(CVT)のクーリング性能も強化され、耐力を向上。

足まわりでの注目点は、「S207」で採用された可変減衰力サスペンション「DampMaticⅡ(ダンプマチック)」の装備で、操縦安定性と乗り心地を両立させています。

ブレーキは、フロントにブレンボ製対向 4ポットブレーキにより制動能力も向上されているほか、VDC とアクティブトルクベクタリングは専用となる前後2輪制御とすることにより、旋回時のライントレース性能を向上。

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さらに、STI 製のフレキシブルタワーバー(フロント)、フレキシブルドロースティフナー(フロント)、プロポールブッシュリヤサスリンク、フレキシブルサポートサブフレームをリヤに装備することで、ステアリングの応答性が高められています。

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アグレッシブな外観も見どころで、STI製BBS 19インチ鍛造アルミホイール(シルバー)やメッシュタイプフロントグリル(チェリーレッドストライプ、STI オーナメント付)をはじめ、大型フロントアンダースポイラー、ブラックルーフアンテナ(シャークフィン タイプ)、STI オーナメント付サイドガーニッシュ、チェリーレッドストライプ入りリヤバンパーが専用装備されています。

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インテリアは、セミアニリンレザーが採用されたSTI製レカロ・バケットタイプのフロントシートや STI ロゴ入りルミネセントメーターなどを専用装備。

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なお、WRX STIで参戦しているニュルブルクリンク 24 時間レースにおいて、2015 年、2016 年とスバルがクラス優勝したことを記念して、STI製BBS 19インチ×8 1/2J 鍛造アルミホイール、STI 製ドライカーボンリヤスポイラー、NBR CHALLENGE PACKAGE 専用リヤエンブレムといった特別な装備が追加された「NBR CHALLENGE PACKAGE」も設定されています。

価格は「WRX S4 tS」が496万8000円、「WRX S4 tS NBR CHALLENGE PACKAGE」が529万2000円です。

(塚田勝弘)

スバル・クロスオーバー7に水平対向エンジン50周年記念車が登場

スバルがBOXER(水平対向)エンジンを最初に搭載した「スバル1000」の発売(1966年5月14日から50周年を記念した特別仕様車の第五弾が、クロスオーバー7(正式名称:「EXIGA CROSSOVER 7」)に設定されます。

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特別仕様車「Active Style」のベースとなっているのは、「2.5i EyeSight(税込メーカー希望小売価格:275万4000円)」。

チャコールグレーとタンカラーを組み合わせた専用撥水シートやリバーシブルカーゴフロアボードがMPVとしての使い勝手を高めているのが特徴です。

そのほか、内装ではタン&ブラックレザー調のインパネ加飾や撥水ファブリックのドアトリムなどを採用。外観ではガンメタリック塗装と切削光輝の17インチアルミホイールを採用しています。

特別仕様車「クロスオーバー7 Active Style」のメーカー希望小売価格は276万4800円(消費税込)と非常にお買い得な設定。2016年10月3日より発売されています。

(山本晋也)

スバル・フォレスター特別仕様「スタイルモダン」はボクサーエンジン50周年記念モデル

スバルのアイデンティティともいえるコア・テクノロジー「BOXER(水平対向)エンジン」の市販50周年を記念した特別仕様車の第六弾としてフォレスター「Style Modern」が登場しました。

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特別仕様車のベースに選ばれたのは2.0リッターNAエンジンを搭載する「2.0i-L EyeSight(税込メーカー希望小売価格:268万9200円)」。

キーレスアクセス&プッシュスタートや運転席&助手席のパワーシートなど快適性を向上させる装備を与えられています。

インテリアでは、ウルトラスエード/合成皮革シート(ブルーグリーンステッチ+専用タグ)、ウルトラスエードドアトリム/合成皮革ドアトリムアームレスト(ブルーグリーンステッチ)、インパネ加飾(クロスメッシュ+シルバー塗装)で仕上げているのも特徴です。

さらに、メーカーオプションとして、18インチアルミホイール、パワーリヤゲート、シルバールーフレール、アドバンスドセイフティパッケージが設定され、より上級仕様に仕上げることも可能です。

メーカー希望小売価格は280万8000円(消費税込)となっています。

(山本晋也)

スバルBOXERエンジン50周年記念車「レヴォーグ・スマートエディション」登場

スバルBOXERエンジン50周年特別記念車の第四弾として、特別仕様車「レヴォーグ 1.6GT EyeSight Smart Edition」が発表されました。

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この特別仕様車のベースに選ばれたのは「1.6GT EyeSight」(税込メーカー希望小売価格:277万5600円)。

リヤビークルディテクションなどで構成されるアドバンスドセイフティパッケージを標準装備し、スバルの安全哲学をアピールする仕様となっています。

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エクステリアでは、上級グレードである「1.6GT-S EyeSight」と同デザインのLEDヘッドランプ(ブラックベゼル)、ダークメッキ加飾+ブラック塗装フロントグリルを採用。専用17インチアルミホイールやブラックカラードドアミラーも与えられています。

さらに、インテリアには運転席8ウェイパワーシートとアルミパッド付スポーツペダルを標準装備することで、レヴォーグらしいスポーツツアラーさを強調しています。

メーカー希望小売価格は290万5200円(消費税込)と、装備を考えると非常にリーズナブルなのも注目といえそう。発売開始は2016年12月12日となっています。

(山本晋也)

クロスオーバーSUVをSTIチューン!スバルXVハイブリッド tSは10月25日に発売

2016年7月28日から先行予約の始まっていた「スバルXVハイブリッドtS」がついに正式デビュー。発売日は2016年10月25日であることも発表されました。

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オレンジのアクセントカラーが印象的な内外装を与えられた「tS」は、SUBARU XVハイブリッドに足回りの専用チューンも施したSTIコンプリートカー。

そのコンセプトは、「Enjoy Driving Hybrid」と掲げられています。

より具体的にいえば「誰がどこで乗っても気持ちがよく、運転が上手くなるクルマ」に仕上げることがターゲット。STIらしいシュアなハンドリングとSUVに期待される乗り心地を高度にバランスさせているということです。

ボディカラーは、クリスタルホワイト・パール(3万2400円高)、クリスタルブラック・シリカ、ハイパーブルーの3色。メーカー希望小売価格は消費税込332万6400円です。

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■スバルXVハイブリッドtS主要専用装備

足回り/メカニズム
・ STI製フロントストラット&コイルスプリング
・ STI製リヤダンパー&コイルスプリング
・ STI製フレキシブルタワーバーフロント
・ STI製フレキシブルドロースティフナーフロント
・ 17インチアルミホイール(オレンジ塗装&切削光輝)

視界
・ HIDロービームランプ(ブルーインナーレンズ、ブラックアイライン)

シート
・ 専用シート[メイン:ウルトラスエード&本革(ブラック)/サイド:合成皮革(オレンジ)&トリコット(アイボリー)、オレンジステッチ、STIロゴ型押し、フロントシートヒーター付]
・ 可倒式&上下調整式フロントシートヘッドレスト(オレンジステッチ)
・ リヤシートヘッドレスト(オレンジステッチ)

内・外装
・ STIロゴ入りステンレス製サイドシルプレート(フロント)
・ STI製フロントスポイラー(オレンジピンストライプ)
・ STI製サイドアンダースポイラー(オレンジピンストライプ)
・ フロントフォグランプカバーデカール(STIロゴ入り)
・ ルーフエンドスポイラー(LEDハイマウントストップランプ内蔵、オレンジピンストライプ)
・ STIオーナメント(フロント、リヤ)
・ tSオーナメント(リヤ)

■SUBARU XV HYBRID tS 主要スペック

車両型式:DAA-GPE
全長:4485mm
全幅:1780mm
全高:1550mm
車両重量:1530kg
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒エンジン
最高出力:110kW(150PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4200rpm
メーカー希望小売価格(税込):332万6400円

(山本晋也)

【関連記事】

XVハイブリッドにも「tS」が追加!「XV HYBRID tS」の先行予約開始。価格は332万6400円
http://clicccar.com/2016/07/28/389066/

新型インプレッサは電子制御にもタイヤにも頼らず走りが良い!

伊豆・修善寺の日本サイクルスポーツセンターにて、スバルの新型インプレッサ(プロトタイプ)に試乗することができました。

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非常に路面コンディションがよく、クルマの印象がポジティブに感じられるステージだというのを差し引いても、スバルの新世代プラットフォーム「スバル・グローバル・プラットフォーム(SGP)」の乗り心地の良さを実感する試乗となりました。

一方、コーナリングでのフィーリングはどうでしょう。

サイクルスポーツセンターで乗ることができた新型インプレッサ(プロトタイプ)は、新開発の2.0リッター4気筒水平対向ガソリン直噴エンジンを積む5ドアのインプレッサ・スポーツ。17インチタイヤの2.0i-L EyeSightと、18インチタイヤ2.0i-S EyeSightとなりました。いずれも駆動方式はAWDです。

18インチタイヤを履く2.0i-S EyeSightには、ブレーキを利用した「アクティブ・トルク・ベクタリング」が備わり、さらにコーナリング性能を高めているといいます。

ちなみに、旋回時に内輪側にブレーキをかけ、外輪の駆動力を増すことで旋回性能をサポートするという「アクティブ・トルク・ベクタリング」は、すでに同社のレヴォーグにも搭載されている機能です。

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今回、自転車用のコースのためタイヤを鳴らしてはいけない(スキール音の禁止)というお達しがあり、クローズドコースだからといって飛ばしたわけではなく、あくまでもワインディングを模したロードコースという風に走らせています。

まずノーズの入り方でいえば、今回からステアリングギアレシオが13.0とクイックになったこともあり、非常にスパッと向きを変え始めるといった印象。かといって、リアタイヤのグリップを落として旋回の初期応答性を上げているというわけではありません。

コース内には、かなりタイトなコーナーもあり、ステアリングを切り増すようなアクションもしてみましたが、グイグイと曲がっていく様は、これまでのインプレッサとは桁違いといえるほどで、AWDとは思えないほど自然に曲がっていきます。

さらに、ボトムスピードも高く、四輪がしっかりと接地している印象を受けます。

とくに新プラットフォームになって変わった感じを受けるのはリア内輪の接地感で、脚を伸ばしてタイヤを押し付けているという感覚ではなく、そもそもロールを抑えることにより、きっちりと接地させているように感じるのです。

つまり、タイヤサイズや電子制御に頼らずとも、基本となるシャシー性能が高いという風に感じたのです。逆にいうと、今回のシチュエーションにおいて、「アクティブ・トルク・ベクタリング」と225幅の18インチタイヤを履くスポーティグレードのアドバンテージは実はそれほど感じませんでした。

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むしろ、路面とのマイルドな当たり感などで、205幅・50扁平の17インチタイヤの好印象が記憶に残ったほど。もちろん、スタイリングの面では18インチのスタンスが効いた様子も魅力ですが。

今回は、同じパワートレインの2グレードしか乗っていませんからインプレッサのベストチョイスは17インチとは言えませんが、シャシーの持つ素性の良さからすると、タイヤサイズどころか、駆動方式も関係なく、四輪をうまく接地させていく新プラットフォームの走りを味わえそう。

つまり、新型インプレッサは、どのグレードを選んでも気持よく走れることが期待できるのです。

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●インプレッサSPORT(5ドア)2.0i-L EyeSight AWD主要スペック(開発目標値)
全長:4460mm
全幅:1775mm
全高:1480mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:130mm
車両重量:1400kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCガソリン直噴
総排気量:1995cc
最高出力:113kW(154PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:16.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:205/50R17

(写真:前田惠介 文:山本晋也)

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300台限定!スバル・レガシィにイタリアンレザーの特別仕様車「B4 SporVita」誕生

スバルのフラッグシップセダン「レガシィB4」に、特別仕様車『LEGACY B4 SporVita(スポルヴィータ)』が300台限定で登場です。

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すでにWRX S4に『SporVita』は登場していますが、同様にイタリアの老舗レザーサプライヤーであるマリオ・レヴィ社とコラボレーションしたタン色レザーのインテリアが特徴です。

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シート、コンソールリッド、ドアトリム、シフトブーツ、ステアリングなどにタンカラーのレザーを採用。各種パネルのピアノブラック調加飾や、エアベントやカップホルダーのメッキリングがゴージャスなキャビンを演出します。

エクステリアでは、高艶ベロアメッキ付ブラックフロントグリル、高艶ベロアメッキ付ピアノブラック調フロントフォグランプカバー、高艶ベロアメッキリアガーニッシュ、サテンメッキドアミラー、18インチアルミホイール(ブラックハイラスター塗装)が差別化のポイント。

販売台数は300台限定、受注期間は2016年9月8日から12月12日までとなっています。

メーカー希望小売価格は340万2000円です(消費税込)。

(山本晋也)

話題の新型インプレッサ、気になる価格は? グレードは?

SGPと呼ばれるスバルのまったく新しいプラットフォーム(SUBARU GLOBAL PLATFORM)や国産車初の対歩行者用エアバッグ、FFモデル初のアイサイト装着車の展開など、話題を集めている新型インプレッサ。

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筆者もつい先日、静岡県で開催されたプロトタイプの試乗会にお邪魔しましたが、その進化度に驚愕しました!

これまでのスバル車のモデルチェンジの中で最も進化、感動したモデルといえます。

内外装の質感の高さはもちろん、なによりその走りの進化はコースインする際にステアリングを少し切っただけでわかるレベル!今までも進化に驚くスバル車は数多くありましたが、これほどまでに大きく進化したモデルは今までなかったのではないでしょうか。

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さて、実際の試乗インプレッションなどは、他の記事を見ていただくとして、気になる価格のほうはいったいいくら位なのでしょう。

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すでにディーラーでは先行予約が始まり、その価格やグレード展開は誰でも店頭で知ることができるようです。ラインナップは5ドアのSPORTと4ドアのG4という2種類のボディ構成は変わらず。エンジンラインナップも1.6Lと2.0Lという排気量構成も同じです。

ただ、エンジンに関しては2.0Lに新開発の直噴エンジンを採用しているほか、1.6Lモデルもスペックは不変ながら各部をブラッシュアップし改良が施されているそうです。

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駆動方式は各排気量ごとにFFとAWDを設定している点も現行モデルと変わりません。ただし、1.6Lモデルに設定されていたMT(マニュアルトランスミッション)が消滅しました。

アイサイトについては現行モデル末期に1.6Lにも追加設定されましたが、新型ではさらにFFでもアイサイトを標準装備としました。

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これにより2つのボディ形状に2種類のエンジン、2つの駆動方式の組み合わせとなり、2.0Lモデルでは標準モデルともいえる2.0i-Lとスポーティな専用サイドシルスポイラーや18インチアルミホイールなど充実装備の2.0i-Sの2グレード、1.6Lモデルは標準の1.6i-Lのモノグレード構成となっています。

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アイサイトのほか、話題の対歩行者用エアバッグも全車標準装備となっており、内外装や走りの質感だけでなく安全面でも魅力的な仕様といえるでしょう。

価格帯は1.6LのFFでは100万円台後半からとなるようで、この質感、装備で考えたら猛烈なバーゲンプライスといえるでしょう。現行インプレッサでは1.6Lの価格が159万8400円からとなっていましたが、FFではアイサイトが装備されておらず、AWDからしか選択できなかったことを考えると価格自体は据え置きと考えてもいいかもしれません。

もちろん、新たな装備や質感までも考えたら値下げといっても過言ではないでしょう。

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上位モデルとなる2.0i-Sでも250万円程度とされており、まさにいずれのグレードも”買い”といえるのではないでしょうか。

スバル最新のプラットフォームとクラスを超えた質感をこの価格で手に入れることができるのはクルマの進化や性能につづきますます驚きのポイントといえるでしょう。

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全国の一部のディーラーでは新型インプレッサのプロトタイプの実車が展示される店舗もあるようなので、実車と合わせて是非価格もチェックしてみてください。

(井元 貴幸)

新型インプレッサとマツダ・アクセラ、VWゴルフのフットワークはどう違う?

スバル・インプレッサが新型に移行するにあたって、「輸入車を含めてCセグメントでトップを取る!!」という意気込みで開発されたことがプロトタイプの走りからも伝わってきました。

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従来型インプレッサのガチンコとなるライバルは、マイナーチェンジを受けたばかりのマツダ・アクセラ。スバルによると、従来型インプレッサを買った人も、アクセラを買った人も購入時に同じような比率でライバル車として意識(競合させた)していたそうです(割合でいうと20数%)。

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一方、従来型インプレッサとCセグメントのベンチマークとして自他ともに認めるフォルクスワーゲン・ゴルフではどうでしょうか。

インプレッサを買った人はゴルフを「ほとんど見ていない」そうで、比率は10%以下のひと桁台。逆にVWゴルフを買った人は、「そこそこ」インプレッサを競合として見ていたそう。

ここでは新型スバル・インプレッサ、マツダ・アクセラ、フォルクスワーゲン・ゴルフの3台を取り上げてフットワークの違いをチェック。ただし、インプレッサはプロトタイプという条件付き。

また、同じコースで、同条件下で乗り比べたわけではありませんので参考程度です。

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スバル・インプレッサの魅力は、なんといっても「ハンドリングと乗り心地」のバランスがCセグメント随一といえる次元にまで引き上げられている点。

足を引き締めてフットワークを機敏にすることは可能ですが、突き上げが大きくなるなど乗り心地への影響が出る場合が多く、そうしたモデルはいくつもあります。

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現行VWゴルフの登場時は、とくに高速域で圧倒的なスタビリティを披露する一方で、コツコツとした乗り心地傾向にありましたし、最新モデルでも多少そうした乗り味があります。

また、日本車と異なるのがとくに高速域の直進安定性で、矢のように走り抜くのであれば、GTIでなくても「TSI Highline」でも十分に期待に応えてくれるはず。

マツダ・アクセラは、まずハンドリング命といえるほど旋回性能に注力。マイナーチェンジで採用された「G-VECTORING CONTROL」がそのキモとなっています。エンジンの駆動トルクを制御して減速Gを発生し、フロントへの荷重移動をスムーズにするというもの。

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FF車で、ある程度速く走るときに、前荷重をかけて曲がることを意識しなくても「スー」っと自然に曲がっていく感じ。アクセラの新旧モデルを乗り比べると「G-VECTORING CONTROL」の有無でフットワークは明らかに異なり、運転が上手くなったようが気がします。

一方の新型インプレッサの「アクティブ・トルク・ベクタリング」は、従来どおり横滑り防止装置のVDCを使って旋回時に内輪側(FFは前輪のみ)にブレーキを掛けることで、外輪側の駆動力を大きくして旋回していくものです。

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新型インプレッサでは、最近の他モデル同様に介入をあまり意識させない自然なフィーリングになっているという条件をクリアしつつ、ノーズが容易にインを向き「曲がる!! 曲がる!!」と驚かされました。

走り慣れている公道で、実際にどういった旋回性能を披露してくれるか気になるところではあります。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介、ダン・アオキ)

新型インプレッサは全3グレード展開で、1.6Lと2.0L、AWDとFFを用意

今秋、正式に発表・発売となる新型インプレッサは、9月1日から先行予約を開始しています。受注は順調のようで、お客さんも販売現場、もちろんメーカーもまさに待望の新型といえるでしょう。

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あくまでプロトタイプでの詳細となりますが、気になるグレード展開は、インプレッサSPORT、G4ともに「1.6i-L EyeSight」、「2.0i-L EyeSight」、「2.0i-S EyeSight」の3つ。

エンジンはポート噴射ながら大幅に改良された1.6Lと、直噴化された2.0L。全車CVTのリニアトロニックで、駆動方式はAWDとFFを用意。

JC08モード燃費は、1.6LのFFが18.2km/L、AWDが17.0km/L。2.0Lは、「2.0i-L EyeSight」のFFが17.0km/L、AWDが16.8km/L。「2.0i-S EyeSight」のFFが16.0km/L、AWDが15.8km/L。この数値はあくまで社内測定値で、届け出値ではありません。

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ボディカラーは「クリスタルホワイト・パール」、「アイスシルバー・メタリック」、「ダークグレー・メタリック」、「クリスタルブラック・シリカ」、「ダークブルー・パール」、「クォーツブルー・パール」、「ピュアレッド」の全7色が予定されています。

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内装色はブラック基調のみで、インパネの加飾(パネルタイプ)は2.0Lが「ダークシルバー金属調」、1.6Lが「カーボン調」となっています。シート表皮は、2.0Lのメイン部がファブリック、サイド部がトリコット。1.6L車はメイン、サイドともにトリコット。

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なお、「ブラックレザーセレクション」を全車にオプション設定し、LEDハイ&ロービーム+ステアリング連動ヘッドランプ、クリアビューパック、本革巻ステアリングホイール&セレクトレバー、運転席&助手席8ウェイパワーシート、前席シートヒーターなど快適装備がセットで用意されます。※画像や仕様、装備はプロトタイプで変更される可能性があります。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

BOXERエンジン50周年記念「スバル・アウトバック Xアドバンス」はイエローグリーンステッチが特徴

2016年はスバルの水平対向「BOXER」エンジンの50周年という記念すべき年。

そのBOXERエンジン50周年記念の特別仕様車第3弾として、レガシィ アウトバックをベースとした「アウトバック Xアドバンス」が登場です。

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特別仕様車のデザインテーマは「本物の機能性を備えたスタイリッシュなアウトドアギア」。

まず、インテリアでは、撥水ファブリックと合成皮革を組み合わせて機能性を高めた専用シートを採用。シートのほか、ステアリングやシフトブーツ、レザー調ドアトリムなどにイエローグリーンステッチを施すことで洗練された印象を表現しています。

エクステリアは、ルーフレールとドアミラーをブラック化に加えて、アルミホイールをガンメタリックとすることで機能性を表現しています。さらに、サイドクラッディングに付くOUTBACKオーナメントのカラーをイエローグリーンとすることで、インテリアとの一体感を出し、特別なクルマであることをアピールしています。

メーカー希望小売価格は321万8400円(消費税込)。特別な内容でありながら、お買い得な価格設定となっているのも注目です。

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(山本晋也)

新型インプレッサに速攻試乗。正常進化ではなく、まったくの別物だった!

2016年秋の発売に向けて、予約も始まっている新型インプレッサ。

スバルのエントリーモデルであり、完全新設計の「スバルグローバルプラットフォーム(略称:SGP)」を与えられたCセグメントのスタンダードを狙う力作に乗ることができました。

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今回、クローズドコースで試乗できたのはプロトタイプということですが、その感触はほぼ市販モデル。ボディパネルのチリもきれいに仕上がった状態です。

さて、新型インプレッサは新プラットフォームに、新しい2.0リッター直噴エンジンといったメカニズムが特徴ですが、サスペンション形式は見慣れたものですし、エンジンしても型式は従来通りのFB20ですから、正常進化版かと思っていました。

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しかし、ステアリングを握れば、そのフィーリングは完全に別物。レガシィやレヴォーグさえも超えたと感じるほど、フロントのしっかり感は高いレベルになっています。

具体的には上り下りが続くワインディングを模したクローズドコースにおいて、フロントタイヤの接地感は安定していて、ステアリング操作に機敏に反応するのです。

下りながらのコーナーでリアの接地感に変化を感じるのは当然ですが、仮にそうなってもフロントがしっかりと喰いついている感覚なので、安心して曲がっていけるのです。

コーナーのボトムスピードも高くなっているように感じます。

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試乗コースには、旧型(現行?)インプレッサも用意されていました。そこで同じ17インチタイヤを履くグレード同士で乗り比べてみると、圧倒的な差がありました。

あくまでメーター読みですが、新型インプレッサが70km/h程度で曲がっていける(それも余裕しゃくしゃく)コーナーを、旧型で同じように走ろうとすると不安感が漂います。

実際、メーター読みでは60km/h少々のボトムスピードになっています。いくらSGPという新プラットフォームを手に入れたとはいえ、ここまでの違いがあるというのは予想以上の進化ぶり。

いや、進化というよりは完全に別物といえるほど走りのレベルが違ったのです。

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エンジンやトランスミッションからのノイズも格段に小さく、キャビンのNVH性能も段違い。ただし、18インチタイヤを履いているグレードに限り、リアタイヤ由来のポンポンといった共鳴音が気になりましたが、今回の試乗車はあくまでもプロトタイプ。発売までの改善を期待したいところ。

それにしても、スバルのエントリーモデルだと思って乗ると、その高フィーリングに驚くこと必至。そして、旧型インプレッサのオーナーは、もし試乗したら買い換えたくなってしまいそう。そう感じるほど、走りがレベルアップしているのです。

こうした走りに加え、ステレオカメラを使った先進安全システム「アイサイト」や、国産車としては初採用の歩行者保護エアバッグを全グレードに標準装備している新型インプレッサ。

Cセグメントの新しいベンチマークと市場で評価されそうな予感ビンビンのプロトタイプ試乗となりました。

●インプレッサSPORT(5ドア)2.0i-S EyeSight AWD主要スペック(開発目標値)
全長:4460mm
全幅:1775mm
全高:1480mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:130mm
車両重量:1400kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCガソリン直噴
総排気量:1995cc
最高出力:113kW(154PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:15.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/40R18

(写真:前田惠介 文:山本晋也)

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車線中央維持機能を搭載! スバル・レガシィ改良型は10月3日から発売開始!!

スバル・レガシィ アウトバック/B4が安全性能などをアップ、2016年10月3日より発売されます。

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両モデルに共通する改良ポイントは、車線中央維持機能を追加したこと。あわせて、アクティブレーンキープ機能の作動速度を60km/h以上としています(従来は65km/h以上)。

また、スイッチオンから約10分で38度まで温めるというステアリングヒーターを標準仕様としています。

P0405OUTBACK

さらに、アウトバックには専用の新色「オークブラウン・パール」を追加しています。

2.5リッター水平対向4気筒エンジンとリニアトロニック(CVT)を組み合わせたAWDというパワートレインは従来通り。メーカー希望小売価格は、セダンのレガシィB4が293万7600円〜315万3600円。SUVのアウトバックは320万7600円〜347万7600円となっています(いずれも消費税込)。

(山本晋也)

Cセグメントの指標になるか?新型インプレッサの先行予約を開始

2016年秋発売予定とされている新型インプレッサの先行予約がスタートしました。

「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用し、走りや安全、広さや使い勝手など全方位進化させることで国内外のCセグメントをリードしようとする意欲作であり、これからのスバル車の核となるモデルでもあります。

SUBARU_impreza_04

従来型と同様に、5ドアハッチバックの「SPORT」と4ドアセダンの「G4」を設定。エンジンは約12kg軽量化が果たされた新開発の2.0L直噴NAもしくは、1.6L NA エンジンを搭載。

SUBARU_impreza_09SUBARU_impreza_02安全面では、「EyeSight(アイサイト)ver.3」はもちろん、国産車初となる歩行者保護エアバッグを全車に標準装備することで、次世代スバル車第一弾にふさわしい力作となっています。そのほか、運転席SRSニーエアバッグを含む合計7つのエアバッグを標準装備。

SUBARU_impreza_01

また、前後サスペンションの構造を刷新することで大幅な剛性アップを図っているほか、ボディもフレームワークを一新して全体の剛性を高めることで、従来比で+70〜100%の大幅な剛性向上を実現し、操縦安定性に磨きがかけられています。

SUBARU_impreza_06SUBARU_impreza_07

ほかにも、静粛性向上や乗り心地の改善など、走りだけでなく快適性も高められているとのことで、期待が高まります。

ボディサイズは全長4460×全幅1775×全高1480mm(SPORT)と、従来型の全長4420×全幅1740×全高1465mmからひと回り近く大きくなっていますが、最小回転半径は従来型と同等の5.3mと取り回しにも配慮されています。

SUBARU_impreza_05

チェックすべきポイントのひとつとしては、最小回転半径は変わらずともに大型化されたボディサイズで、Cセグメントのベンチマークであるフォルクスワーゲン・ゴルフの全長4265×全幅1800×全高1460mmよりも200mm近く長くなっています。

9月中旬から10月中旬にかけて開催される新型インプレッサの先行展示の店舗は、公開中のティザーサイトで確認できます。

(塚田勝弘)

【関連リンク】

新型スバル・インプレッサ・ティザーサイト
http://www.subaru.jp/impreza/impreza/index.html

新型インプレッサ予約開始!エンジンは2種類、スペックも発表

国産車として初めて歩行者保護エアバッグを採用、しかも全車に標準装備すると事前アナウンスしたことで、安全性能について一歩先を行く存在として期待されているスバル・インプレッサ。

その新型モデルの先行予約が始まり、スペック(開発目標値)が公開されました。

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ボディは、従来通りに5ドア「SPORT」と4ドア「G4」の2種類。

パワートレインは、新開発の2.0リッター水平対向4気筒ガソリン直噴エンジンと、1.6リッター水平対向4気筒エンジンの2種類で、いずれもマニュアルモード付きリニアトロニック(CVT)が組み合わされています。

なお、変速比は同一で、ファイナルギアを変更することで排気量の違うエンジンとマッチングさせています。

駆動方式は全グレードでFWD(前輪駆動)とAWD(全輪駆動)を設定。スバル独自の先進安全技術「EyeSight(アイサイト)」も全車に標準装備となっています。つまり、FWDとしては初のアイサイト設定車というわけです。

サスペンション形式はフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーン。駐車ブレーキは全車にEPB(電気式)が採用されています。

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気になる燃費性能はボディ形状による違いはなく、1.6リッターが18.2km/L(FWD)、17.0km/L(AWD)。2.0リッターはグレードにより、FWDが16.0〜17.0km/L、AWDは15.8〜16.8km/Lとなります。

このように、AWDでも燃費性能がそれほど変わらないのも、新型インプレッサの特徴といえそうです。

●インプレッサSPORT(5ドア)2.0i-S EyeSight AWD主要スペック(開発目標値)
全長:4460mm
全幅:1775mm
全高:1480mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:130mm
車両重量:1400kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒DOHCガソリン直噴
総排気量:1995cc
最高出力:113kW(154PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:15.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/40R18

●インプレッサG4(セダン)1.6i-L EyeSight FWD 主要スペック(開発目標値)
全長:4625mm
全幅:1775mm
全高:1455mm
ホイールベース:2670mm
最低地上高:130mm
車両重量:1300kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB16
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1599cc
最高出力:85kW(115PS)/6200rpm
最大トルク:148Nm(15.1kg-m)/3600rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:18.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:205/55R16

(山本晋也)

スバル・レヴォーグが欧州の安全性能走行評価で最高評価を獲得

日本、北米、欧州などの主要マーケットで安全性の高さが評価されているスバル各モデル。

今回、スバル・レヴォーグの欧州仕様車が、欧州の新車評価基準である「ユーロNCAP」において、2016年安全性能総合評価で最高評価となる「ファイブスター」を獲得しました。

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「ユーロ NCAP」は、欧州各国の交通関連当局などで構成された独立機関が1997年より実施している安全性能評価。

2016年の同評価では、歩行者への衝突回避または衝突被害軽減性能を評価する自動緊急ブレーキ試験が追加され、「アイサイト(ver.3)」が標準装備されたレヴォーグが高評価を獲得したそうです。

同試験を含めた「2016ユーロNCAP」では、「乗員(大人)保護性能」、「乗員(幼児)保護性能」、「歩行者保護性能」、「安全補助性能」の4分野において安全性能が試されています。

スバル車の「ユーロNCAP」での最高評価の獲得は、2009年のレガシィ、2011年の SUBARU XV、2012年のフォレスター、2014年のアウトバックに続いて今回のレヴォーグで5回目。

Levorg 2016 ENCAP on_test

「アイサイト」の予防安全性能については、同装備を搭載したスバル車が米国の「IIHS(道路安全保険協会)」の2016年安全評価の前面衝突予防性能試験において最高評価「Superior」を獲得しています。なお、「IIHS」は「Insurance Institute for Highway Safety」の略で、米国保険業界の非営利団体。

一方、お膝元の日本でも国土交通省と「NASVA(National Agency for Automotive Safety & Victims’ Aid、独立行政法人自動車事故対策機構)」が実施する予防安全性能アセスメントにおいて最高評価であるJNCAP「先進安全車プラス(ASV+)Advanced Safety Vehicle +」に選定されるなど、第三者機関から高い評価を得ています。

(塚田勝弘)

ドライビングアカデミーってなんだろう?・ジムカーナ編【SUBARU テックツアー 2016】

前回、同乗体験レポートのパート1として高速周回路編をお届けしました。今回はいよいよレポートパート2・ジムカーナ編をお届けします。

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高速走行と高速制動プログラムを終えた私たちは、ウエット旋回プログラム・ジムカーナプログラムを体験するために、WRX STIからBRZに乗り換えコースを移動しました。

まずはウエット旋回プログラム!こちらは同乗していませんが、その時の様子をお伝えします。

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低μ路での定常円旋回体験!この低μ路は半周ごとにμが変わる特殊な路面です。

μが途中で変わるということは、通常の定常円旋回よりコントロールが難しく高度なテクニックを必要とします。アクセルとステアリングを繊細に操作しなくてはならず見た目より難しそうでした。

しかし、クルマを自由自在に操る基本的なテクニックであり定常円旋回をしっかりマスターすればドリフト走行も夢ではありません。

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ここでも、のむけん仕込みのドラテク発揮!高速周回路で顔色一つ変えずに運転していた小林編集長。私の見る限り他のBRZより上手く走っているように見えました。カッコよかったなぁー!私もいつかあんなにカッコよく定常円走行できるようになりたい(泣

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続いてジムカーナプログラム。こちらは同乗することができたので、その様子をお伝えします。

このプログラムでは特設のジムカーナコースで参加者全員のタイムを計測し、ランキングで発表。ジムカーナコースでは、先ほどの定常円走行の応用ともいえる、サイドターンやスラローム走行を行いました。高速周回路では恐怖のあまりじっくり小林編集長を観察することができませんでしたが、今回は観察に成功!(アシストグリップには摑まりっぱなしだったけど…

とにかく、アクセル・ブレーキ・クラッチ・シフト・ステアリング全ての操作が繊細に行われていて、普通にMTを運転したことしかない私にはどの操作も感動ものでした。

こんなに手足が忙しいにも関わらず、高速周回路のときと同じく顔色一つ変えずに運転している小林編集長。凄すぎる!

気になる結果ですが・・・1位を取れる腕前はあるにも関わらず、私というウエイトのせいで1位ゲットならず。賞品の佐野ラーメンは他の人の手に……小林編集長ごめんなさい。

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今回の取材を通して、スバルのクルマ作りに対する真面目さや情熱を感じ取ることができました。それは、基礎から学べるドライビングアカデミーがあるからこそドライバーの気持ちにエンジニアがなれるのだと感じました。

もちろんドライビングアカデミーの内容はどれもプロドライバーが学んでいくものと同様で、あくまでもエンジニア向けのプログラムですが、このトレーニングを受ければプロを目指すことができるのでは?と感じるくらいレベルの高いものでした。

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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ドライビングアカデミーってなんだろう?・高速周回路編【SUBARU テックツアー 2016】

前回、技術資料館で昇天してしまった私のお気に入りをランキングで紹介しました。

今回は、のむけん仕込みの超絶ドライビングスキルを持つ小林編集長の助手席に同乗する機会を得ることができたので、その様子をご紹介したいと思います。

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まずは、ドライビングアカデミーのドライバーによるデモランを見学。高速周回路を3台のWRXが接触寸前の車間距離で縦一列に並んで超高速走行!

デモランを普段見ることがない私は恐怖のあまり目を背けそうに……(おいおい

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ドライビングアカデミー恐るべし……こんなことができるエンジニアって他のメーカーにはいないのでは? そんなことを考えてしまうくらい圧巻の走りでした。

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デモランも終わり、いよいよ同乗体験へ。同乗させていただいたクルマはWRX STI。

ん?待てよ、何かがおかしい。よく見てみるとブレーキが6ポットになってる!

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標準モデルはブレンボの4ポットキャリパーが装着されていますが、ドライビングアカデミーのWRXには6ポットのキャリパーが装着されており、市販車へのフィードバックなどにも使用されているそうです。

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他にも、フルバッケットシートやロールバーなどの安全装備などが追加されていますが、基本的には市販のモデルと大きく違いはないそうです。

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同乗体験では、このWRXを使用し高速周回路を走行。生まれて初めての200km/hを超える速度とバンクを体験しました。

サーキットなどを走行したことがない私は超高速走行に大興奮でしたが、200キロを超えた瞬間を撮影することに成功したものの写真はブレブレ、撮影後はアシストグリップから両手が離せない上に踏ん張っていた足はガクガク……。そんな私を横目に顔色一つ変えず200キロのスピードを出す小林編集長。

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WRXのSIドライブのS#モードですぐにアクセルを抜いてしまうビビりな私には、200キロの壁はデカかった……。しかも、バンクではこのまま横に転がってしまうのではないかと考えてしまう始末(どんだけビビりなの

横Gはクルマに乗ったことがある人なら誰もが体感できるものですが、縦Gをクルマで体感できることってそうそうあることじゃありませんよね?あの上から押さえつけられる感覚。ビビりながらも感動!不思議な感覚でした。

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高速周回路体験に続いては、フルブレーキング体験!

残念ながら同乗はしていませんが、こちらの様子も紹介しましょう。

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この体験では、全開加速後120km/hからのフルブレーキングを行いABSを作動させた場合とさせなかった場合の2パターンでの停止距離を測定しました。普段フルブレーキをすることなどほとんどありませんが、いざという時には役に立つ技術です。

パニックになると意外と力いっぱいブレーキペダルを踏むことはできずABSを正しく作動させることはできません。この訓練により正しくABSを作動させることで危険回避することができます。

今回の同乗体験で、スバルの走行安定性にも驚きましたが、プロドライバー並みのスキルを有するエンジニア達にも驚かされました!

非日常的な領域でも高いレベルの走りができるスバル車はこうしたエンジニア達がいるからこそ実現できる性能なんだな〜と思いました。

次回は、同乗体験レポートパート2をお届けします。こちらもお楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸・岩本 佳美)

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スバル・レヴォーグの「STI Sport」が発売1ヶ月で異例の3,000台超!

富士重工業が7月21日に発売した、レヴォーグの最上級グレードとなる「STI Sport」の受注台数が、発売後1ヶ月で3,052台に達したそうです。

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専用のフロント周り(バンパー、ラジエータグリル、LEDフォグランプ)や、18インチアルミホイール、大型デュアルマフラーカッター、ボルドーカラーのインテリア、専用に仕上げた可変減衰力サスペンション「DampMatic II」など、最上級モデルにふさわしい内容になっています。

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操縦安定性の向上と乗り心地を高次元で両立、ステアリングギアボックスの取付け剛性の向上により操舵応答性を高めており、ドライバーの意のままに走る愉しさをさらに突き詰めた一台。

2.0Lと1.6Lのパワートレインを用意、もちろん、アイサイトも標準装備しています。

同社の8月23日発表によると、「STI Sport」がレヴォーグ全体に占める割合は「42%」と、追加グレードとしては異例の好調なスタートとなっている模様。

SUBARU_LEVORG_STI_Sport

受注の内訳では、1.6Lモデル(348万8,400円)が52%、2.0Lモデル(394万2,000円)が48%となっています。

ボディカラーの構成比は、

クリスタルホワイト・パール 25%
ダークグレー・メタリック 23%
クリスタルブラック・シリカ 21%
WRブルー・パール 20%
アイスシルバー・メタリック 4%
ラピスブルー・パール 4%
スティールブルー・メタリック 2%
ピュアレッド 1%

購入者年齢の構成比は、

29歳以下 7%
30歳 〜 39歳 15%
40歳 〜 49歳 35%
50歳 〜 59歳 28%
60歳以上 15%

ボディカラーについては上位4色が大勢を占めており、年齢層では車両価格との兼ね合いで40代のユーザーを中心に人気があることがわかります。

2014年6月に登場したレヴォーグですが、今回の「STI Sport」の投入により、再びスバリストからの熱い視線を浴びることになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:富士重工業)

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前回、SUBARUテックツアー2016に参加した様子を紹介しました。

今回はその中で私が昇天してしまった、スバル技術資料館に保管されている数ある名車の中から、私のお気に入りの5台をランキング形式で紹介したいと思います。

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スバル技術資料館とは、クルマの開発の過程で先人となるエンジニア達の考え方やアイデアなどを資料として参考にするため、さまざまなスバルの名車や試験車両を保管している施設です。

【第5位】インプレッサWRX STi Version 22B

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インプレッサが大好きな私としては外せない1台!

22Bは、インプレッサWRX STi Version TypeRをベースにバランス取りされ排気量を2200ccに拡大した専用エンジンを搭載しているほか、WRカーを彷彿とさせるブリスターフェンダーなどが装備されたスペシャルなインプレッサです。

わずか400台限定のモデルで登場当時の価格は約500万円でした。それがなんと2日で完売!発売は1998年。当時の私は7歳……。もっと早く生まれたかったなぁ(涙)フェンダーフェチの私としては、この迫力のあるフェンダーにはうっとりしてしまいます。

【第4位】REX GSR

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REXは、1972年に登場したR-2の後継モデル。惹かれたのはなんといってもこの鮮やかなボディーカラー。

XVや輸出仕様のWRXやBRZに設定されているハイパーブルーを連想させる水色にくぎ付けになりました。今の軽自動車と比べると小さくて可愛らしいですね。当時のカタログを見てビックリ!画像のGSRの他にもTSというグレードが存在したことにも驚きました。

【第3位】A-5

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A-5は、スバル初の水平対向エンジンを搭載したクルマ。残念ながら世には出ていないものの、今のシンメトリカルレイアウトのルーツとなったクルマです。

驚いたのはなんといってもリアビュー!断崖絶壁のリアウィンドウやCピラーに埋め込まれたウィンカーなどが特徴的です。内装色に赤を多用しているのも、今のスバル車から考えると斬新!今のコの字のテールも好きですが丸いテールも可愛いなぁと思いました。

【第2位】ドミンゴ アラジン

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ドミンゴは、サンバーのボディーに3気筒1.2リッターエンジン(初代は1リッターの設定もあり)を搭載した7人乗りのワンボックスワゴン。

ドミンゴ アラジンはドミンゴをベースにポップアップ式のルーフをはじめとしたキャンピングカー装備を架装したモデルです。

スバル車唯一のキャンピングカーですが販売台数は22Bより少ない282台という激レアモデルです。スバル車にキャンピングカーがあったことにも驚きですが、現代の軽キャンピングカーブームを先取りしたようなコンパクトなサイズにもビックリ!1度でいいからドミンゴ アラジンでキャンプに行きたい!

【第1位】スバル 360 コマーシャル

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スバル 360 コマーシャルは、乗用車にしか見えませんがれっきとした軽貨物扱いのトラックです。

開閉式のルーフや折りたたみ式のクオーターウィンドウなど、さまざまな工夫がされています。のちにサンバーが登場するまでの間スバルの軽貨物乗用として活躍しました。

このクルマは技術資料館に数あるスバル車の中で、もっとも古いモデルだそうです。ミラーがないことにビックリ!当時の法規制ではミラーを装備していなくても車検に通ることにも驚きです。

スバリストからは、テントウムシの愛称で親しまれているスバル 360。なんといっても丸みのあるこの形!!可愛すぎるぅ〜。

紹介したいクルマがありすぎて……5台に絞るまでに相当な時間を費やしました。技術資料館は、私にとってまさに夢の国!!!興奮のあまりその日眠れませんでした(笑)

次回は、初めての同乗体験レポートをお届けします。こちらもお楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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スバルの2016年ニュル挑戦のキーポイント“あの瞬間”を本人が語る

5月29日にチェッカーを迎えた2016年ニュルブルクリンク24時間。難攻不落のコースで一昼夜走るだけでも厳しいレースだが、今シーズンさらに輪をかけてレースを難しいものにしたのが、開始1時間ほどに突然降りはじめた雷雨と雹だ。

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このレースはテレビやインターネットでライブ中継を見ていたファンも多いと思うが、この雷雨によって、多数のマシンがコースアウトし、クラッシュ。また、雹によって最高峰のSP9クラス=GT3のレーシングカーが、コースの坂道を登れず立ち往生する衝撃のシーンが映し出された。

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強い雨と雹に巻き込まれたレーシングカーのなかで、唯一と言っていいほど大きな損害を受けなかったのが、今シーズンSP3Tクラスで優勝を飾った、スバルWRX STI。

カルロ・ヴァン・ダムのドライブ中に雷雨に見舞われ、クラッシュ車両が多発するなか、いったんはコースアウトするものの危機一髪回避するシーンは、SNS上でも「あぶねえええ」「神回避」「さすがAWD」という声であふれていた。

そんな“神回避”の瞬間を、7月に来日していたヴァン・ダム本人に語ってもらった。まずは、下記の動画の2分20秒あたりからをご覧頂きたい。

突然降り出した雨、そしてコースアウト、危機一髪の回避……。映像で見ると簡単そうだが「もしスティーブン・スピルバーグがモータースポーツの映画を作るとしたら、こんな嵐にするんじゃないかな」とヴァン・ダムが語るほどの状況だったのだ。

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本人に振り返ってもらおう。

「スタートして1時間くらいだったかな。コースで言うと、スタートラインから6〜7kmくらいのあたりだったと思うんだけど、それまではまったくのドライだった。200km/hくらいで走っていたんだけど、前に何かスモッグのようなものが見えたんだ。「いったいなんだ!?」と思って、ひょっとして雨なのかもしれないと思った」

とヴァン・ダム。

「ブレーキングポイントでブレーキを普通に踏んだんだけど、その瞬間、ドライから一気にものすごい雨になったんだ。信じられなかったよ! そこからはロケットに乗ってしまったみたいに止まらなかった。もうクルマはどうしようもない状況で、流れていくままになってしまったんだ」

「当然、ワイパーに触る余裕もないから、すごい雨で何も見えなくなってしまった。ブレーキングしているので車速は落ちていたので、前に1台クルマがいるのが見えたんだ。そして、そのクルマがガードレールにぶつかって、跳ね返されるのが見えた。そして僕もグラベルに入っていってしまったんだけど、その瞬間、辰巳さんやチームメイトの顔が一瞬頭をよぎったよ(笑)

制御できないスバルWRX STIはコースアウトしていく。このままでは、前のマシンにぶつかってしまう……! しかし、ここからがヴァン・ダムの本領発揮だ。

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「『どうする!?』と思ったんだけど、グラベルに出たときに、前のクルマに本当にギリギリのスペースが見えた。そこをなんとか通過して、ひょっとするとわずかにぶつかったのかもしれないけど、なんとか抜け出すことができたんだ。ラッキーだったよね」

「その後の2〜3kmは、ずっとクルマが問題ないことを確認しながら、『クレイジー! クレイジー!』とラジオで叫びながら走っていたんだ。そうしたらピットからは『テレビで見えてるよ』って(笑)」

なんとかクラッシュを回避したヴァン・ダムだが、その先も雹のなかでなんとかピットまで帰り着く。

「クラッシュを避けたあと、3〜4kmくらいはすさまじい嵐が襲ってきたんだ。雨と、ゴルフボールくらいの大きさの雹が襲ってきた。運転席側は閉まっているんだけど、助手席側の窓は開いていて(注:レーシングカーのサイドウインドウは、窓のなかにスライド式の小窓が設けられており、そこを開けていることがある)、そこから雹が飛び込んできたり大変だったよ!」

「クルマはAWDだししっかり走ることはできたけど、とにかく気をつけながら走っていた。その先、いきなり今度はドライになったんだよ! お日様は出ているしね(笑)。そうしてメインストレートに戻ることができたんだ」

なんとかコース上にマシンを留めたヴァン・ダムだが、

「あとで車載を見てみると、カルロは最後までシフトダウンしているんです。そして何事もなかったように曲がっている。すごいことですよ」

と辰巳英治総監督もこの“神回避”がクラス優勝に繋がったと絶賛していた。

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(クリッカー編集部)

厳選 ! 「Fuji 86Style」で見かけた素敵な86/BRZカスタマイズ車たち !!

富士スピードウェイで7月31日、恒例の夏の祭典「Fuji 86Style」が開催され、イベント広場には、カスタマイズコンテストに参加したトヨタ86/スバルBRZがずらりと並べられていました。

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そこで今回は、「Fuji 86Style」に9千人超の86・BRZファンが集結!で予告したとおり、会場で筆者の目に止まったステキなクルマ達をご紹介したいと思います。

まずトヨタ86系で目を引いたのがこちらのクルマ。

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黒1色でシンプルにまとめており、控え目なエアロを装着しながらも、よくマッチした大径アロイホイールや、ダークグレー系のストライプをボディ側面に効果的に配するなど、随所に大人のセンスを感じさせます。

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一方のスバルBRZ系ではこちらのクルマが目立っていました。

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アイスシルバー・メタリックのボディにワンポイントとなる「黒」を上手に配しており、白の大径ホイールで上手く引締めています。大口径のチタンマフラーも素敵。

当日はショップによる本格的なカスタマイズ車も出展されており、中でも筆者が注目したのは、DAMDが仕立てた「86VANTAGE」。

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その外観はほぼ全域に渡って手が加えられており、風格のあるフロントグリルやタンカラーのインテリア、よくマッチしたアロイホイールなどが、ダークグリーンメタリックのボディに映え、一世を風靡した「ユーノスロードスター Vスペシャル」をゴージャスにしたような雰囲気を醸し出しています。

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一方、当日はサーキットコースを使って、86によるドリフト対決「FORMULA DRIFT JAPAN 特別戦」 が行われました。

織戸学、谷口信輝選手による追走バトルで、谷口選手が優勝を勝ち取りましたが、織戸選手のマシンが白地にレッドメタリックを配した、遠目からも美しいカラーリングに仕上がっており、ビジュアルの観点ではむしろ優勢だったかもしれません。

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以上、3回に渡ってお届けした「Fuji 86 Style」ですが、いかがだったでしょうか。

今年で7回目を迎える同イベントには、9,000人を超える86/BRZファンが暑い中、遠方から富士スピードウェイに集結するなど、両車への根強い人気ぶりを窺わせました。

Avanti Yasunori

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サーキットで実感。「新型 86」はココまで進化した!【動画】
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「Fuji 86Style」に9千人超の86・BRZファンが集結!
http://clicccar.com/2016/08/01/389822/

カスタマイズの主役は今年も「ハチロク」! 20代も増加!!
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厳選 ! 大阪オートメッセで見かけたステキな“トヨタ86”たち !!
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ドライビングアカデミーってなんだろう?【SUBARU テックツアー 2016】

8月6日・7日の2日間にわたり、栃木県佐野市にあるスバル研究実験センター(SKC)にて、第1回SUBARU テックツアー 2016が開催されました。

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テックツアーとは、スバルの歴史や取り組みをメディア向けにわかりやすく体感しながら学べるプログラムです。

第1回目となる今回は、スバルドライビングアカデミーについて、関係者のお話しや実際に走行するプログラムなどを体験できました。

私は昨年開催された「SUBARU FUN MEETING」に応募するも見事落選!(号泣)

スバリストの私としてはSKCは憧れの聖地の1つでした。今回、クリッカー編集長の小林さんと共にテックツアーに参加させていただき、念願のSKCデビューに成功しました。

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到着してまず案内されたのは、なんとっ!!!私が一番見たかった「スバル技術資料館」。

ここにはスバルの歴代モデルや試験車両などが数多く保管されています。あまりにも夢中になりすぎて、プレゼンテーションに遅刻しそうに……(笑)

ここでの昇天話はまた後日。

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プレゼンテーションでは、スバルのクルマ作りとスバルドライビングアカデミー(SDA)についての解説などが、SDAのチーフインストラクターでもある藤貫さんから行なわれました。

ドライビングアカデミーと聞いたときは、全社員が受ける研修のようなものを想像していました。しかし、想像とは違ってスバルの楽しい走りを生み出す源とも言える重要なものでした。

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プレゼンテーションでは藤貫さんに加え、SKCの管理課 課長の秋山さん、新型インプレッサの開発責任者(PGM)の阿部さん、SDAのアカデミー生でもある車両研究実験 第一部の中路さんの4人による豪華フリートークも聞くことができました!

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このフリートークのなかで、SDAの目的や設立の経緯、苦労話などが語られました。

SDAとは、エンジニアがドライビングスキルを磨くためのカリキュラム。初級・中級・高速・特殊と4段階のランクがあり、主なトレーニング内容は、車両整備の講習や心技体レクチャーといった静的なものから、高速走行やサーキット走行などの動的なものまであります。

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なぜ、SDAが設立されたのか?それは、スバルにはテストドライバーが存在せず、エンジニア一人ひとりがテストドライバーとなって開発に携わっているそうです。

エンジニアが自ら乗って開発することによって、細かいニュアンスまで開発に織り込むことができ、スバルの安全性や走りに、さらに磨きがかかるのです。

テストドライバーが存在しないということは、スバルでは常識ですが他社では非常識と思われているとかいないとか……(笑)

とはいえ、スバルにはなくてはならないものに違いはありません。

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今回テックツア―に参加したことで、スバルのクルマ作りに対するエンジニアたちの熱い想いを強く感じることができました。

変わりゆく時代の中でも、変わらない信頼を提供すること。まさに、「Confidence in Motion」とはこういうことだったのですね。

次回は実際にSDAのプログラム体験記を紹介しちゃいます!是非お楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

ターゲットは輸入ワゴン!! 走りの良さは世界基準に ─ スバル「レヴォーグSTI Sport」画像ギャラリー

6月21日に発表、7月21日に発売されたスバル・レヴォーグSTI Sportは、初期受注で1000台超となっているそう。

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走りの良さは以前から定評があり、さらにドライバーが感じる領域を1/100秒単位で詰めていくことで、さらにブラッシュアップされています。同クラスの輸入車と比べると、課題は走りよりもむしろ、内装を中心とした質感の向上でしょう。

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素のレヴォーグを、NVHや安全性能だけでなく内外装の向上などを年次改良で実施し、さらにSTI Sportを最上級グレードにふさわしいものに仕立てたのが注目点です。

外観では、「STI」エンブレムが付く専用フロントグリルはもちろん、サイドスカート部にメッキ加飾を施した専用フロントバンパー、専用LEDフロントフォグランプ(専用カバー付)などによりスポーティかつ、ワイド感のある佇まいとなっています。

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そのほか、サイドシルスポイラー、LEDハイマウントストップランプ付ルーフスポイラーなどを用意。足元は専用18インチアルミホイール(ダークグレー+切削光輝タイプ)が、リヤは専用大型デュアルマフラーカッターが引き締めています。

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内装の作り込みは、スバルに限らず日本車共通といえる課題。たとえば、ほかにはない個性やデザインではボルボ、細部にまで隙を感じさせない圧倒的な仕上がりならアウディなど、輸入車の多くには抜きんでた点があります(割り切りもありますが)。

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レヴォーグSTI Sportで目を惹くのは、ボルドーの内装色で、かなり思い切った色使いですから好き嫌いが分かれそう。専用装備されるのは、本革巻ステアリングホイール、本革巻シフトノブ、レッドルミネセントメーター、ボルドー/ブラックのドアトリム、ドアアームレストなど。

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中でもSTIのロゴが刻印された本革シートは、短時間の試乗ですがホールド性、快適性のバランスに秀でていている印象を受けました。

1.6Lなら323万円〜(2.0Lは365万円〜)という値付けで、この走りとムードを演出しているレヴォーグSTI Sportは、コストパフォーマンスという項目を入れれば世界に誇れるワゴンであることは間違いありません。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

レヴォーグの中古車を買うなら9月がベスト!といえる理由

スバルレヴォーグは2016年6月に一部改良を行い、走行性能に磨きをかけた最上級グレードのSTIスポーツが登場しました。

販売店に取材してみると、現在レヴォーグの受注台数の半数がSTIスポーツとなっているそうです。従来からスバル車は走行性能を磨いたスポーティグレードに人気が集まりますので、今後レヴォーグの人気モデルはSTIスポーツになることは確実でしょう。

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先日一部改良を行い展示車や試乗車が大量に中古車として市場に出回ったことで、1.6L車は値落ち、2L車は値上がりと動きがハッキリと分かれました。

元々レヴォーグは1.6L車、特に1.6GT-Sアイサイトが人気グレードだったので、この一部改良を機に割安感が出たと言えます。

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今後のレヴォーグの中古車相場ですが、しばらくは現在の相場水準をキープし、次の買い時は9月になると思われます。

なぜ、9月なのか。それは半期決算のタイミングとSTIスポーツのデリバリーが始まるタイミングだからです。

中古車は新車と異なり、人気という要素が価格に反映されます。

例えば同じ車種で新車時に高額なグレードであっても、中古車での価格が高いとは限りません。中古車では需要と供給のバランスで価格が決定しますので、需要の多いすなわち人気の高いグレードは高くなり、逆に人気のないグレードは安くなる傾向があります。

ミニバンのエアロ装着グレードが良い例です。

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そして9月からレヴォーグの人気グレードであるSTIスポーツのデリバリーが始まります。

新車のデリバリーが始まれば、未使用中古車の流通が始まるのは間違いありません。したがって人気グレードであるSTIスポーツの未使用中古車はしばらく強気な価格設定になると思われます。

逆に1.6GT-Sアイサイトなど従来人気グレードだった中古車は流通台数が多いので、価格を安く設定しなければ、長期在庫になりかねません。

したがって、9月がレヴォーグの中古車の買い時と言えるのです。

運転支援システム、アイサイトによる高い安全性能と水平対向エンジン+AWDによる高い走行性能がお手頃価格で手に入るのです。

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中古車はこのように、様々な要因によって相場が変動します。このタイミングを上手く捉えることで、賢い買い物ができるのです。

(萩原文博)

大幅改良でスポーツカー復権の象徴になれるか!? ─ スバル「BRZ」画像ギャラリー

7月5日に発表、8月1日に発売を開始したスバルBRZは、2012年2月の登場以来、初のビッグマイナーチェンジを受けています。

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外観は、航空機のウィングチップ(翼端板)をモチーフにしたという新意匠のバンパーをはじめ、前後ライトにLEDを採用。ほかにも、フェンダーガーニッシュや17インチアルミホイール、リヤスポイラーもフローティング式の新デザインとすることでスポーティムードを高めています。

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SUBARU_BRZ_29内装のクオリティアップも見どころ。インパネをはじめ、ニーパッドやメーターパネルバイザーにレザー調素材を採用し、細部にはレッドステッチが施されています。

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また、ステアリングホイールの小径化やメーターパネルに4.2インチディスプレイを新たに採用することで、運転環境や各種情報の認知性を高めているほか、ヒーターコントロールパネルやドアスイッチパネルをカーボン調とすることにより、課題である質感向上とスポーティな雰囲気作りがされています。

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新設定された最上級グレードの「GT」は2016年秋の発売予定で、GTにはブレンボ製の対向4ピストンブレーキやザックス製ダンパー、17インチアルミホイール(スーパーブラックハイラスター塗装)などを用意。

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「GT」を設定する狙いは、ピュアハンドリングとフラットライドにあり、まさにグランドツーリング的な味付けになっていますから、スポーティであっても快適な乗り味は譲れないという層にオススメ。

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さらに、この「GT」をベースとしたわずか100台限定の「Yellow Edition」も設定されていて、7月7日から先行予約されています。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

最新スバルBRZは「より低くワイドに」をテーマにダイナミックな外観に

今秋登場する新型インプレッサは、次世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」やデザインテーマ「DYNAMIC&SOLID」などを掲げ、スバル車が新たなステージに移行するエポックメイキングなモデルになりそう。

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こうなると、ほかのモデルもマイナーチェンジで顔つきを似たイメージに変更する、という統一化を図るのは、スバルに限らず自動車メーカーの常套手段といえるもの。

今夏、ビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZも例に漏れず、次期インプレッサ同様に「DYNAMIC&SOLID」というデザインテーマに沿ったフェイスリフトを受けています。

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具体的には、BRZを「より低くワイドに」見せるべく、開口部が少し大きくなった感のある新デザインのフロントバンパーを採用。こちらは、空力向上はもちろん、航空機のウイングチップをモチーフとするなど、スバルらしいこだわりを感じさせます。

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前後のライトをLED化することで上質感を強調しているほか、LEDフロントフォグランプも採用。サイド、リヤでは新デザインのフェンダーガーニッシュ、フローティングタイプの新デザインのリヤスポイラーが主な変更点ですが、スポイラーはアルミ化することで見た目だけでなく軽量化など図られています。

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足元では、「R」、「S」に標準装備される17インチアルミホイールをハイラスター塗装の10本スポークタイプに変更し、よりスポーツカーらしさを強調しています。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

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真夏の怪奇現象!? レヴォーグの中古車がわずか1週間で50万円ダウン!

中古車の価格が変動する要因は様々ありますが、最も影響を与えるのが自車のフルモデルチェンジやマイナーチェンジ。そしてライバル車のフルモデルチェンジです。

今回、スポーティワゴンのスバルレヴォーグで目を疑うような中古車相場の動きを発見しました。

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スバルレヴォーグはレガシィツーリングワゴンの後継車として2014年に登場。1.6L直噴ターボと2L直噴ターボエンジンを搭載しています。

毎年のようにアップデートされ、最近では2016年6月27日に一部改良を行うとともに、最上級グレードとなるSTI Sportを追加しました。

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ある販売店ではレヴォーグの受注の半数がこのSTIスポーツとなっているそうです。やはりスバリストはスポーティグレードを好むようです。

中古車相場に変動があったのはちょうどこの一部改良を行った6月末から7月上旬にピッタリあてはまります。

中古車検索サイト・カーセンサーnetを見ると、レヴォーグの中古車全体の平均価格は281万円と3カ月前からほぼ横這いで推移していますが、一部改良を機に流通台数は100台程度から200台へと倍増。平均走行距離も1万5000kmから1万kmへ5000kmも減っているのです。

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その理由を突き止めるためにさらにグレードや年式を詳しく見て行くと、まるで真夏の怪奇現象のような動きがありました。

2015年〜2016年式という高年式の1.6GTアイサイトは一部改良前の平均価格が約320万円でした。しかし改良後わずか一週間で50万円ダウンの約270万円まで暴落といえる値落ち幅を記録しています。

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いくら流通台数が増加したとはいえ、平均走行距離はまだ7000km程度の高コンディション車が多い中での、値落ち幅約50万円というのはかなりインパクトは大です。

しかし、値落ちばかりではありません。当時最上級グレードだった2.0GT-Sアイサイトは6月末の平均価格は約288万円でしたが、一部改良後に約330万円まで逆に値上がりしています。

この上げ下げのバランスによってレヴォーグ全体は横這いという形になっているのです。

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今回のレヴォーグの中古車相場の乱高下は一部改良によって展示車や試乗車の多くが中古車として市場に出回ったことが原因といえます。

2Lモデルは値上がり傾向ですが、1.6L車は1.6GTアイサイトだけでなく、ビルシュタイン製のダンパーなどを装着した1.6GT-Sアイサイトも値落ちしていますので、今、レヴォーグの中古車を購入するなら1.6L車がオススメです。

(萩原文博)

内装の質感向上でスバルBRZは大人のスポーツモデルに変身!?

今夏、ビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZ。

「大幅改良前のBRZもベストだと思っていたが、さらに引き上げる」という意気込みをもって、内・外装、走りなどが磨き上げられています。

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外観はフェイスリフトが中心で、MT車のドライバビリティ向上、乗り心地と操縦安定性の改善などが主なテーマ。今回は内装のクオリティアップについてご紹介します。

「所有する喜び」を感じさせるインテリアを掲げた後期型BRZは、Sグレード以上に4.2インチのカラーTFTをメーターに追加しているほか、インパネをはじめニーパッドやメーターパネルバイザーにレザー調素材を新たに採用し、レッドステッチも施すことで上質感とスポーティムードを演出。

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また、新意匠となったステアリングホイールは小径化されているだけでなく、断面形状の最適化に加えて、高触感革を使うことで操作性とグリップ性を向上。実際にしっとりした触感を味わえますし、スポーティな走りをしても滑ってしまうことはありませんでした。

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ほかにも、「R」グレードにカーボン調インパネパネルを、「S」にデザインフルオートエアコンスイッチパネルを採用するなど、スポーツモデルらしさを強調するフィニッシャーも用意されています。

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スバルBRZが取り込みたい若い人はもちろんですが、より本物志向を抱いている大人の層にビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZがインテリアの色気でアピールできるか気になるところ。

とくに、「S」グレードのスポーティな雰囲気が魅力ですが、より上級志向の方には2016年秋に登場予定の最上級グレード「GT」を待つ手もあります。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

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レヴォーグの最上級グレード「STI Sport」の目指すものとは?

2013年11月、第43回東京モーターショーの会場にて華々しいデビューを飾った「レヴォーグ」。

台座に乗せられた「レヴォーグ」がグルグルと回転している演出風景もさることながら、日本の道路事情などを念頭に置いて開発し、日本専売モデルとして販売がスタートすることも大きな話題となりました。

登場からすでに数回の改良を経た「レヴォーグ」ですが、その熟成は滞ることなく2016年4月にも年度改良を実施。その際に嬉しいサプライズとして、新グレード「STI Sport」が追加されました。

スバル車において、「STI」というネーミングは卓越した高性能モデルに与えられることは有名ですが、「レヴォーグ」が冠するのは「STI Sport」と何やら聞き慣れない響き。

実はこれ、スバルとSTI(スバルテクニカインターナショナル株式会社)が協業した新ブランドとして企画・開発されたものなのです。

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■高性能への敷居を下げるための工夫

新ブランド「STI Sport」の使命は、ズバリ、“認知度の拡大”と“手が届く高性能”の2本柱による強い事業構造の創造です。

そのために、ベースとなる市販モデルに後から専用パーツとチューニングを施すという手法ではなく、ベース車両の製造時に「STI」のエッセンスを織り込む手法を編み出したのが最大のポイント。

「レヴォーグ」は先述したように日本を念頭に置いたモデルであり、現在も主力として販売が好調なことから、新ブランド第一号に抜擢されたそうです。

ただし、製造ラインでは「レヴォーグ」だけでなく、「BRZ」や「インプレッサ」「XV」も製造されており、その作業効率と走行性能との両立は悩みどころ。

製造担当者と相談した結果、最終的に足まわりの3項目にSTIのノウハウが活かされることが決定しました。ちなみに、今後これが軌道に乗れば、装着されるアイテム数は増えるかもしれないそうです。

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■機能性の美点を活かしつつ、ボルドーでプレミアムを演出

足回りをSTIが担当した一方、デザインや装備などは富士重工業が担当しました。そもそも「レヴォーグ」は機能と装備については元から充実しており、「レヴォーグ STI Sport」ではいかにしてスポーティかつラグジュアリーな印象を表現するかが鍵だったと言います。

とりわけ目を引くのはボルドーとブラックで彩られたインテリア。

実はこの色使いのバランスが肝で、当初はシフトノブやステアリングにもボルドーを使い、かえってスポーティさをスポイルしてしまったそうです。

そういった目に見える仕立てを変える一方、機能性はベースとなる「レヴォーグ」から踏襲。とはいえ、ドアポケット内側に不織布を張るといった、最上級グレードだからこそのこだわりも施されています。

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より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

(今 総一郎)

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「スバル・BRZ」の毎年の進化はマイナーチェンジへの伏線だった!?

振り返ると、21世紀に入ってから数年でスポーツカーは、その存続が危ぶまれていました。一部の高性能モデルは販売が続いていましたが、その一方で手頃なスポーツカーは姿を消していき、「もはやこれまで……」と嘆いていた方は多いのではないでしょうか?

そんな冬の時代に舞い降りた「BRZ」と「86」。

スバルとトヨタのコラボで生みだされたこの2台は、後輪駆動(FR)を採用するだけでなく、低重心が魅力の水平対向エンジンを搭載し、トランスミッションは6速のATとMTを設定。

価格も手頃だったことから瞬く間に注目を集め、スポーツカーひいては運転することの楽しみを再び味わわせてくれる救世主となりました。

あれから4年。スポーツカーはもちろん、クルマそのものに走る楽しみという潤いをもたらしたこの2台に内外装からパワートレーンにまで及ぶ大規模なマイナーチェンジが行なわれました。

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■大規模改良へ向けた変更を毎年実施!

今回のマイナーチェンジは、内外装の仕立ての刷新からエンジン性能向上に至るまで、その規模は相当に大掛かり。

とはいえ、実は「BRZ」は登場から毎年なにかしらの改良が施されており、具体的にはダンパーのフリクション特性、減衰力特性のチューニング、リヤバルクヘッド周辺の剛性向上、EPSのリチューニングがそのメニュー。また、特別仕様車の設定も行なわれ、毎年話題に事欠く事がありませんでした。

このように毎年進化させる目的は、ズバリ、話題喚起であります。登場当初は爆発的にヒットするものの、話題がないとそのまま台数は右肩下がりとなってしまうそうです。そのため、毎年改良を実施して存在感を示しているとのこと。しかも、「BRZ」の場合、これまでの改良は今回のマイナーチェンジを見据えてのものだったそうです。

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■素材や形状など、細部のつくり込みで魅力を1UP!!

ルックスやパワートレーンの変更が目を引く一方、インテリアは登場以来のレイアウトを踏襲。しかし、改良後の「BRZ」に乗り込むと細部の仕立てが上質になっていて、よりスポーツカーらしさに磨きが掛かっていることが分かります。

真っ先に違いを感じるのがステアリング。セッティングの変更だけでなく、素材と形状も見直し、362mmへ小径化されたことで、より手にフィットする感覚が強められています。さらに、メーターには走行中のGや、水温/油温/電圧などを表示する液晶を採用。いずれもスポーツマインドを高めるだけでなく、実用面でも重要な役割を果たしています。

そのほかには、インパネやドアトリムにレザー調素材をあしらい質感を向上。オーナーの満足度をアップさせる演出が随所に光っています。

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より深く知りたい方にはこちらがおススメです。

(今 総一郎)

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スバルが米国生産累計300万台を約27年で達成!

アメリカ北部を中心に好調な販売だというスバル。2016年7月28日(米国時間)には、米国での生産が累計台数 300万台に到達したそうです。

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1989年9月、米国インディアナ州の「スバル・いすゞオートモーティブ インク(現スバル オブ インディアナ オートモーティブ インク、以下 SIA)」において初代レガシィの生産を開始して以来、26年10か月での達成です。

現在のSIAでは、「レガシィ(1989年〜)」と「アウトバック(1995年〜)」が生産されていますが、過去には「バハ(2002年〜2006年)」「トライベッカ(2005年〜2014年)」を生産していたこともあります。

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アメリカでの販売は、近年は「売るクルマがないほど好調」という状況もある中、SIA では継続して能力増強投資を実施。

標準操業における生産能力を2016年3月末の218千台から 、2016年末には394千台、2018年度には436千台へ引き上げていくそうです。

これにより2016年内にも新たにインプレッサの生産を開始。2018年には多人数SUVの生産を追加する予定としています。

これらの生産車は、主に米国・カナダで販売されていて、2015年暦年でのスバル車の生産台数は、過去最高の228,804台(対前年比+18.5%)となっています。

これにより、スバル車のシェアはかつての1%程度から4%程度に急拡大しています。新型インプレッサの生産開始で、今後さらにアメリカでの人気が高まるかもしれません。

(塚田勝弘)

「プラス2」の後席を持つスバルBRZの走りはどこまで引き上げられたか?

マツダの初代ロードスターの登場が世界的に熱気を持って迎えられたのは、デザインや価格などはもちろん、誰もが気軽にスポーツカーを楽しめるというのが大きかったはずです。

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ワインディングやサーキットでなくても、街中の交差点をひとつ曲がるだけでも楽しい。こんなモデルはスポーツカーに限らず、走りを楽しむ人から歓迎されます。

とくにスポーツカーに大切な旋回性能は、ボディサイズや重量、足まわりのセッティングなど多様な要素により決まりますが、全長やホイールベースの長さが大切です。

トヨタ86/BRZは、ドライバーをより低く座らせるだけでなく、ドライバーを中心に回転するような設計がされていますが、2570mmという長すぎるホイールベースは心地よい旋回性能という面では、物理的な限界も感じさせるところ。

なお、ひと回り以上小さなマツダ・ロードスターは2310mm。

商品企画上、「プラス2」のリヤシートが不可欠なのは理解できるにしても、純粋に走りを楽しむなら「後席要らないかも」と思わされることも。

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そうはいっても与えられた条件下でのハンドリング向上は、スポーティ志向のユーザーも振り向かせるためには欠かせないはず。

ビッグマイナーチェンジを受けたスバルBRZは、乗り心地と操縦安定性の両立という、相反するメニューが掲げられ、ダンパーやコイルスプリングのチューニング、リヤスタビ径のアップ、車体剛性強化、EPS(電動パワーステアリング)のチューニングなどが盛り込まれています。

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さらに、サスペンションセッテイングにより、横滑り防止装置であるVDC介入のタイミングを最適化し、スピン回避のため「利けばいい」というレベルから進化。

とくに「Track」モードを追加し、車両コントロール領域を拡大し、通常モードよりもドライバーによるコントロール性を重視するなど、介入のしきい値が変更されています。

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公道の普段使いでは、「Track」モードにはせずに、基本制御が変更されたVDCによる安定感と安心感のある走りを楽しみ、サーキットであればまさに「Track」モードで徹底してコーナーを攻める、そんなメリハリのあるハンドリングが楽しめるのが最新のスバルBRZといえそうです。

(文/塚田勝弘・写真/森山良雄)

スポーティなのに乗りやすくなった後期型スバルBRZ

トヨタ86、スバルBRZがビッグマイナーチェンジを受けて、後期型にスイッチしました。ここではスバルBRZについて走りの印象をお届けします。

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スバルBRZ(トヨタ86も)の使命のひとつに、20代など若年層にスポーツカーの魅力を届けるというものがあります。

BRZが2012年3月に発売されて以来、グローバル販売台数は約5万5000台、国内は約1万5000台だそうで、台数だけ聞くと物足りなく感じますが、BRZ/86の投入は「いま時の若者」に振り向いてもらい、さらに新型ロードスターの登場もあって国産クーペ/スペシャリティカーという絶滅しかけていたマーケットを活性化させているのは間違いないでしょう。

内・外装の質感向上とともに、新型スバルBRZで追求されているのはドライバビリティの向上。

MT仕様のエンジンは、アルミ化と赤ちぢみ塗装が施されたインテークマニホールドは、吸気脈動効果最大化を図るべくブランチ長最適化、ポート断面積の拡大などが盛り込まれています。

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こうした吸排気のフリクション低減などにより、最高出力は改良前の200ps/7000rpmから207ps/7000rpmに7psアップ。最大トルクも205Nm/6400-6600rpmから212Nm/6400-6800rpmに向上。

また、MTのファイナルギアも4.100から4.300に低くなっているほか、6速の耐久性向上も盛り込まれています。

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7ps/7Nmアップしたパワーとトルクにより、中低速域ではより扱いやすく、高速域では伸びやかさが増しているのは十分に感じられます。とくに、2000-4000rpm付近のトルク増強が利いている印象で、やや改良前モデルで感じられた線の細さは解消されています。

それだけでなく、エンジンレスポンスの高まりや高回転域の吹き上がりもシャープになっていますから街中から高速、ワインディングまで改良前よりも扱いやすく、しかも楽しめるパワートレーンになっているのは朗報。

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ほかにも操縦安定性や乗り心地の向上、新グレード「GT」の設定など見どころは満載となっているスバルBRZ。GTの追加もあってより幅広い層にアピールするスポーティモデルに仕上がっています。

(文/塚田勝弘 写真/森山良雄)

新型スバル・インプレッサの内装はDセグメント並の質感を実現!?

走りはもちろん、安全性や快適性、そして内・外装の質感向上を掲げて開発されたという新型スバル・インプレッサ。

オーナーやドライバーにとってインパネは、所有する喜びを満たしてくれる重要なセクションといえるでしょう。

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インテリアのクオリティアップも新型インプレッサの見どころで、8インチナビからコンソールまで連なる力強い造形、インパネからドアトリムまでの連続感、インパネのステッチ(上級グレード)などに注力しているそうです。

開発当初のスケッチは、レガシィサイズなどの将来のDセグメント車を見据えたコンセプトデザインだったそうです。

将来デザインを良くしたいということでデザイナーサイドがこっそり作っていたものを、阿部一博プロジェクトゼネラルマネージャーに見せたところ、「これやりたいね」という話になったそう。

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しかし、新型インプレッサはサイズアップされたとはいえ、DセグメントではなくCセグですから「サイズが大きすぎて合わない」ということになります。

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それでも新型インプレッサに落とし込め! ということに。サイズでいうと数十ミリ異なるそうですから、単にスケールを小さくすればOKということではもちろんありません。

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単に入れるだけならできるかもしれないそうですが、ナビを入れるだけでなく、ナビの位置を上に上げることで視線移動を抑えて安全性を確保するなどの要件もあったほか、「シフトレバー前の収納(サイズ)を妥協するな」という指令もあったとのこと。

この開発エピソードを聞く限り、次期レガシィのインテリアデザインは新型インプレッサのそれの延長線上かさらに超えた質感、見栄えを実現してくるのでは? そんな期待も抱かせてくれます。

(文/写真 塚田勝弘、スバル)

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世界で3番目の新型インプレッサに採用された歩行者エアバッグの秘密は? ボルボとの違いは?
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「スバリスト」目線で新型インプレッサの北米仕様と国内仕様を比較してみた!

7月26日に、待望の国内仕様が公開された新型インプレッサ。

SGP(スバル グローバルプラットフォーム)や新デザインフィロソフィー(DYNAMIC × SOLID)、歩行者用エアバッグなど、スバルの”初”がてんこ盛りで公開されました。

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3月23日にニューヨーク国際自動車ショーで先行公開された北米仕様とは細部が異なり、日本の法規制に合わせているほか、デザインや使い勝手も国内に合わせた仕様へと変更されています。

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今回は、すでに公開されている北米仕様との違いを徹底チェックしてみましょう。

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まずはエクステリアですが、ヘッドランプのデザインが異なります。輸出仕様(左)では側面のサイドマーカーがついているほか、ヘッドランプ自体はマルチリフレクタータイプとなります。

国内仕様(右)はプロジェクタータイプになり、照射方向がステアリング連動で可変する機能も備えます。さらに、ポジションランプのコの字型の造形も異なっています。

仕向け地にもよると思われますが、ヘッドランプウォッシャーも国内仕様には装備されています。

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フロントグリルはどちらも飛行機のウイングをモチーフにした意匠が取り入れられていますが、輸出仕様はブラックですが、国内仕様はメッキとなっています。

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フォグランプ周りはデイライトの形状をはじめガーニッシュの形状も全く異なります。輸出仕様(左)がLEDが縦配置となっていますが、国内仕様(右)は横長となっており、イメージもかなり異なりますね。

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インテリアではメーターパネルの配色が異なります。赤を基調とした輸出仕様に対し、国内仕様は白基調となっています。ただし、現行インプレッサではグレードによって配色が異なるので、国内仕様も赤基調のメーターが設定されるかもしれません。

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基本的なインパネ形状はステアリング位置以外はほぼ同一となっていますが、アイサイトを装備する国内仕様はステアリングスイッチのレイアウトや左右独立温度調整機能付きフルオートエアコンなどが異なります。

こちらのエアコンもグレードによっての違いがあるのかもしれません。

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オーバーヘッドコンソールはアイサイト関連のスイッチがつく国内仕様に対し、北米仕様は緊急時のSOSスイッチが装備されています。また、ルーフトリムも北米仕様がブラックであるのに対し、国内仕様はアイボリーとなっている点にも注目ですね。

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運転席のパワーウインドウスイッチでは電動格納ドアミラーが備わらない北米仕様では格納スイッチが省略されているほか、国内仕様にはミラーコントロールスイッチにメッキの華飾が備わるなど、細部が異なっています。

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運転席まわりでは、国内仕様にアイドリングストップのキャンセルスイッチが備わるほか、ステアリング操作と連動して進行方向を照らす「ステアリングレスポンシブヘッドライト」(SRH)のキャンセルスイッチも備わります。

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インテリアで最も大きく異なるのがセンターコンソール。ハンドブレーキレバーのある北米仕様ではカップホルダーが前後に並べて置く形状に対し、国内仕様では電動パーキングブレーキの採用で、カップホルダーが横並びに設置されます。また、フロントのアームレストもこれに合わせ、国内仕様のほうが大型のものが装着されています。

すでに公開されている北米仕様と細部の異なる国内仕様。総じて北米仕様より装備が充実しているように感じました。

もちろん今後公開されるであろうグレード展開により、装備の差異はあると思いますが、そのあたりは北米仕様の装備内容が参考になるかもしれません。

なにはともあれ正式発表が待ち遠しいですね。

(井元 貴幸)

新型インプレッサはスバル初のNA・直噴だけのエンジンを搭載する

2016年秋に発売予定の、5代目となるスバル・インプレッサの国内仕様がお披露目されました。

完全新設計のプラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」の採用、ダイナミック・ソリッドをテーマとした新しいスバルを示す内外装など、その見どころは多くなっています。

そして、国内仕様のお披露目会場では、もちろんスバルのアイデンティティである水平対向エンジンも展示されていました。

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ひとまず2.0リッターガソリン直噴と発表されたエンジンの型式は従来と同様の「FB20」。最高出力は113kW(154PS)/6000rpmと発表されています。ポート噴射のFB20エンジンの最高出力は111kW(150PS)/6200rpmですから、回転を落としながら最高出力をアップするという進化を遂げていることが確認できます。

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これまでスバルの直噴エンジンといえば、1.6リッター・2.0リッターの直噴ターボ「DIT」シリーズと、86/BRZに搭載されるポート噴射と直噴を併用した「D-4S」でしたから、直噴だけのNA(自然吸気)エンジンとしては、これが初ラインナップといえます。

実用タイプの直噴エンジンは耐ノック性を高められることがメリットで、パフォーマンスよりも燃費性能アップに、そのアドバンテージを使っていると想像できます。

初物となるその水平対向エンジンは、カットモデルも置かれ、直噴エンジンのポイントといえるピストン冠面のキャビティ(凹み)も確認することができました。

なお、このエンジンカットモデルは、東京・恵比寿にある富士重工業本社一階のショールーム「スバルスタースクエア」にて、しばらくの期間展示され、誰でも見ることができるということです。

(写真・文 山本晋也)

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歩行者エアバッグとアイサイト3を全車標準化!! 新型スバル・インプレッサの国内仕様を初公開
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【速報】スバル新型インプレッサがスペックを発表!歩行者エアバッグを初採用!
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XVハイブリッドにも「tS」が追加!「XV HYBRID tS」の先行予約開始。価格は332万6400円

スバルXVハイブリッドをベースとしたSTI(スバルテクニカインターナショナル)コンプリートカー「SUBARU XV HYBRID tS」の登場です。

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STIの手が入っているのはフットワーク、そしてXVが持つカジュアルさを強調するオレンジ色をアクセントとした専用カラーの内外装。

発売は2016年秋、予約は7月28日から始まります。メーカー希望小売価格は332万6400円(消費税込み)、ボディカラーはクリスタルホワイト・パール(3万2400円高)、クリスタルブラック・シリカ、ハイパーブルーの3色となっています。

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【SUBARU XV HYBRID tSの主要装備】※予定

■ 足回り/メカニズム
・ STI製フロントストラット&コイルスプリング
・ STI製リヤダンパー&コイルスプリング
・ STI製フレキシブルタワーバーフロント
・ STI製フレキシブルドロースティフナーフロント
・ 17インチアルミホイール(オレンジ塗装&切削光輝)

■ 視界
・ HIDロービームランプ(ブルーインナーレンズ、ブラックアイライン)
[ヘッドランプレベライザー(オート)、ポップアップ式ヘッドランプウォッシャー付]

■ 操作性・計器盤・警告灯
・ インパネセンターバイザー(レザー調素材巻)
・ 本革巻セレクトレバー(オレンジステッチ、ダークキャストメタリック加飾)+ピアノブラック調加飾パネル
・ シフトブーツ(オレンジステッチ)
・ 本革巻ステアリングホイール(オレンジステッチ、STIオーナメント、シルバー/ブラック加飾
+ダークキャストメタリック加飾)
・ 左右独立温度調整機能付フルオートエアコン(抗アレルゲンフィルター付)(メッキリング/シルバー&ピアノブラック調&オレンジベゼル付エアコンダイアル)
・ 高剛性クランプスティフナー(左右)付電動パワーステアリング

■ シート
・ 専用シート[メイン:ウルトラスエード&本革(ブラック)/サイド:合成皮革(オレンジ)&トリコット(アイボリー)、オレンジステッチ、STIロゴ型押し、フロントシートヒーター付]
・ 可倒式&上下調整式フロントシートヘッドレスト(オレンジステッチ)
・ リヤシートヘッドレスト(オレンジステッチ)

■ 内装
・ インパネ加飾パネル(ピアノブラック調+ダークキャストメタリック)
・ ドアトリム加飾(アイボリー、オレンジステッチ)
・ ドアアームレスト(オレンジ表皮、オレンジステッチ)
・ パワーウインドゥスイッチパネル(ダークキャストメタリック加飾、メッキ加飾付スイッチ)
・ STIロゴ入りステンレス製サイドシルプレート(フロント)
・ フロントコンソール(ダークキャストメタリック加飾パネル、レザー調素材巻+オレンジステッチ)
・ スライド機構付コンソールリッド(オレンジステッチ)

■ 外装
・ STI製フロントスポイラー(オレンジピンストライプ)
・ STI製サイドアンダースポイラー(オレンジピンストライプ)
・ フロントフォグランプカバーデカール(STIロゴ入り)
・ ダークメッキ加飾付フロントグリル
・ ブラック電動格納式リモコンドアミラー(LEDサイドターンランプ&ターンインジケーター付)
・ カラードドアハンドル
・ ルーフエンドスポイラー(LEDハイマウントストップランプ内蔵、オレンジピンストライプ※)
・ STIオーナメント(フロント、リヤ)
・ tSオーナメント(リヤ)

■SUBARU XV HYBRID tS(プロトタイプ・参考値)主要スペック

車両型式:DAA-GPE
全長:4485mm
全幅:1780mm
全高:1550mm
車両重量:1530kg
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒エンジン
最高出力:110kW(150PS)/6000rpm
最大トルク:196Nm(20.0kg-m)/4200rpm
メーカー希望小売価格(税込):332万6400円

(山本晋也)

新型インプレッサは大きくなっても最小回転半径と左右ミラー間距離は現行同等

新型スバル・インプレッサのプレビューイベントでは、プロジェクトゼネラルマネージャーの阿部一博氏をはじめ、7人の開発陣が登壇し、開発秘話を明かしてくれました。

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新型インプレッサ(プロトタイプ)は、5ドアのSPORTが全長4460×全幅1775×1480mm、4ドアセダンのG4が全長4625×全幅1775×全高1455mm。ホイールベースが2670mm。

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現行型はSPORTが全長4420×全幅1740×全高1465、G4が全長4585×全幅1740×全高1465mmで、ホイールベースは2645mm。SPORT、G4ともに全長は40mm長くなり、全幅も35mm拡幅しています。

なお、全高はSPORTが15mm高く、G4は10mm低くなっています。ホイールベースは25mm延長ですから前後オーバーハングが長くなっていることが分かります。

全長と全幅、ホイールベースの拡大となると、居住性や積載性の向上、乗り心地の改善が期待されますが、新型インプレッサのデザインテーマである「DYNAMIC×SOLID」を具現化するため、エモーショナルなデザイン実現のために取られたサイズアップだそう。

とくに全幅の拡大は、新型インプレッサのデザインに効いているとのこと。

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ボディサイズが大きくなると、取り回しや駐車などで悪影響が出てきますし、旋回性能を考えても歓迎ばかりはできません。また、駐車への影響については、現行インプレッサで狭い場所で何とか駐車し、ドアを開けているようなケースではさらに厳しくなるでしょう。

しかし、新型インプレッサは取り回しの指標となる最小回転半径、左右ミラー間の距離(ミラートゥミラー)が現行と同等になるように工夫を凝らしたそうです。

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ミラートゥミラーに関しては、視界を左右する「サイドミラーの鏡のサイズや画角を変えずに」という条件付き。場所を微妙に近づけてみたり(ドア側に近づけると風切り音が大きくなる)形を工夫したり、サイドターンランプの形を1mm単位で縮めたりして、モデルを見ながら詰めていったそうです。

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また最小回転半径は、ホイールベースを25mm延ばしながらも現行からのキープを目指し(現行は5.3m)、設計をイチからやり直して達成。

左右ミラー間距離、最小回転半径という数値面では現行インプレッサと同等という新型インプレッサ。サイズ拡大が実際にどれだけ取り回し時の実感として異なるか分かりませんが、開発陣の苦労が数値では結実しているそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

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スバル・レヴォーグ STI Sportは輸入ステーションワゴンを超えた!?

従来のコンプリートカーとは異なり、工場でのインライン化が可能となったスバル・レヴォーグ STI Sport。

その前に2016年4月に年次改良でC型となったレヴォーグのポイントをおさらいします。

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当初、国内専用モデルとしてデビューしたレヴォーグですが、欧州やオセアニア、アジアなどにも投入されています。世界的なSUVブームとはいえ、大きすぎないワゴンのニーズは依然としてあるということでしょう。

C型レヴォーグの改良点は、日本よりも速度域の高い欧州から要望があったという静粛性の向上をはじめ、安全性の強化、質感のアップが盛り込まれています。

静粛性向上のメニューは、フロントドアガラスの室内側ショルダー部ウェザーストリップを2枚化することで車内への透過音を低減させたほか、リヤクォーターガラスの板厚アップやカーゴルームの吸音材追加など、非常に細やかな改善によって静かなキャビン空間を実現しました。

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安全面では、フロントドアビーム強化、リヤシートベルトにプリテンショナーを追加、後席シートクッションの乗員保持向上などが注目点です。

質感向上では「1.6GT EyeSight」に新デザインの17インチアルミホイールを採用。また、「GT-S」には、メーカーオプションで「ブライトパール」内装が新たに加わっています。

C型になってグレード整理もされたレヴォーグですが、やはり最大の注目は「STI Sport」。一見あまり変わっていないように見えるかもしれませんが、外観の変更点は専用18インチアルミホイール、フロントグリル、リヤゲートにSTIロゴの追加、フロントバンパーとグリル&メッキバーの新設計、フロントフォグカバーの新設計、フロントフォグランプのLED化、マフラーカッター(100パイ真円形状)など、多岐にわたっています。

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内装もステアリングなどにSTIロゴの追加、赤ステッチの追加、ドアトリムへの不織布表皮の追加など、細部にまでこだわりを感じさせます。

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「1.6 STI Sport」は323万円〜、「2.0 STI Sport」は365万円〜という価格設定も装備内容を考えると魅力的といえる内容になっています。インライン化により価格を抑えることで、輸入ステーションワゴンにも対抗できる商品力を確保しているのは間違いないでしょう。

(文/塚田勝弘・写真/森山良雄)

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スバル・レヴォーグ「STI Sport」の乗り味はノーマルを超越!?
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スバル・レヴォーグSTI Sportのシャープで扱いやすいハンドリング
http://clicccar.com/?p=388219

スバル・レヴォーグ STI Sportのシャープで扱いやすいハンドリング

スバル・レヴォーグに最上級グレードとして追加された「LEVORG STI Sport」は、こちらでもご紹介したように、良好な乗り心地を実現するなど、シャーシまわりが最大の見どころになっています。

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フロントダンパーの「ダンプマティックⅡ」は、スバル WRX STI S207譲りで、メルセデス・ベンツCクラスなどが採用していますが、日本の量産車ではスバルが初。

大小様々な路面からの入力に対応する乗り心地だけでなく、ステアリング操作に素直に反応する利点、直進安定性やロール剛性、スラロームなどでステアリングを戻した際の追従性などの向上もレヴォーグ STI Sportの狙いのひとつとなっています。

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「ダンプマティックⅡ」以外にもステアリングギアボックスの取付部の剛性アップにより、切れ味鋭いハンドリング、連続するコーナーでも容易に破綻しない追従性も謳われています。さらにリヤサスペンションの最適化によりロール特性、乗り心地の改善を図っているとのこと。

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ショートサーキットでは、コーナーの大小を問わずロール剛性の高さを感じさせてくれました。

ボディの傾きや揺り返しなども抑制されていますから非常にコントロールしやすいうえに、足も硬く引き締められている印象も希薄で、ハンドリングと乗り心地の両立は想像上以上に高い次元で行われています。

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ただし1.6Lと2.0Lは、AWD方式が異なりますから操縦性には差が感じられます。1.6Lは、イニシャルトルクが「前60:後40」で滑りやすいウェット路面でも安心して走れますし、FFからの乗り換えでも違和感を覚えることは少なそう。

一方、「前45:後55」となるVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)の2.0Lモデルは、アクセルを踏んで曲がることがより容易。1.6Lよりも乗り心地は若干硬めに感じますが、動力性能だけでなくフットワークも重視するなら2.0Lをチョイスしたいところです。

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レヴォーグSTI Sportは、高速道路やワインディングなどで気持ちのいい走りを味わえるだけでなく、低・中速域での良好な乗り心地を得るという相反する要素を達成。運転席だけでなく後席でも良好な乗り味が確認できました。

また、レヴォーグそのものマイナーチェンジでC型になり、欧州からの要望で静粛性の向上も図られるなど、最近よく使われる「動的質感」も明らかに高められています。

(文/塚田勝弘・写真/森山良雄)

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スバル・レヴォーグ「STI Sport」の乗り味はノーマルを超越!?
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スバル・レヴォーグ「STI Sport」の乗り味はノーマルを超越!?

国内外でモータースポーツ系モデルの投入が相次いでいます。

スバルも例に漏れず、レヴォーグに新設定された「STI Sport」は、スバルというメーカーのブランド力を高めるだけでなく、STIにとっても認知度のさらなる向上に貢献するモデルと期待も大きいでしょう。

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7月21日に発売されたレヴォーグSTI Sport最大の見どころはシャーシにありますが、従来のSTI製コンプリートカーとは異なりライン生産されるため、足まわりのパーツ点数を抑えるなどの工夫もされています。

そうなると、STIなのに硬派なモデルではないのでは? という突っ込みもありそうですが、当然、多くの人に売りたいカタログモデルである以上、快適な走りを提供すると同時に価格もある程度抑制する必要があります。

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とはいえ、富士スピードウェイで開催された試乗会では、路面が良好なショートサーキット内はもちろん、一部荒れた路面がある外周路でも想像以上に良好な乗り心地を味わえました。

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「STI Sport」は、1.6Lと2.0Lともに同じ225/45R18タイヤ、そして目玉であるフロントダンパーの「DampMatic Ⅱ」も同じ。この「ダンプマティックⅡ」はビルシュタイン製の倒立式ダンパーで、メルセデス・ベンツのA、B、Cクラスなどの採用例があります。

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主に大きなストロークに作用する「メインバルブ」と、微小な入力に作用する「コンフォートバルブ」の2バルブを組み合わせた可変減衰力ダンパーからなり、非線形的な流量コントロールが可能で良好な乗り心地を実現。

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ただし、「ダンプマティックⅡ」を使っていれば乗り心地と操縦安定性の両立が図れるというほど単純な話ではありません。メルセデスの例でいえば、Cクラスは見事な乗り味とハンドリングを得ていますが、それ以外の車種では完璧とはいえませんし、ほかのセッティングや設計なども重要になっています。

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レヴォーグ STI Sportでは、ニュルブルクリンクなどからのフィードバックで得た知見が活かされているだけでなく、選任のテストドライバーをおかず開発陣自らがステアリングを握るなど、新たな開発手法の構築も利いているのかもしれません。

また、今回の結果次第で、走りと乗り心地が磨かれた仕様が数多くスバル、STIから出てくると予想されます。

(文/塚田勝弘・写真/森山良雄)

マイナーチェンジでスバルBRZと統一されたトヨタ86の「あの」部分とは?

「トヨタ86」と「スバル BRZ」のマイナーチェンジが7月5日に揃って発表され、8月1日に発売が予定されています。

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今回のマイナーチェンジでは、エンジンや足廻りなど「走り」に直結する部分の性能が向上したほか、外観についてもフロントバンパーの意匠や、前後ランプのLED化などが図られています。

そうしたなか、今回86のフロント周りに興味深い変更が織り込まれています。

現行の「86」では「BRZ」との差別化を目的に、フロントターンランプがバンパー両側の低い位置に設置されており、当初チューン業界で物議をかもした経緯があります。

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そんな背景もあってか、マイナーチェンジではフロントランプの機能配置をBRZと統一、フロントターンランプのLED化を機に、ヘッドランプ内に移設されています。

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今回、バンパ内のランプが両車共にフォグランプのみとなったことで、新型86とBRZのフロントバンパーに互換性が生まれました。

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全長も変化しないため、好みで86にBRZのフロントバンパーを装着したり、BRZ用の社外パーツの流用等が可能になり、ドレスアップの幅が広がるという訳です。

その逆(BRZ→86)もしかりで、オーナーにとっては新たな楽しみが増えそうです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車、SUBARU)

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スバル・フォレスターに本革シート仕様の「Brown Leather Selection」を設定

7月11日に発売を開始したスバル・フォレスター「Brown Leather Selection」は、スバル初のBOXER(水平対向)エンジン搭載車「スバル1000」の発売から50周年を記念した特別仕様車の第二弾。

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なお、第一弾は5月31日に発売されたSUBARU XVの特別仕様車「SUBARU XV 2.0i EyeSight Proud Edition」となっています。

スバル・フォレスター「Brown Leather Selection」は、NAエンジンの「2.0i S-Limited」と、ターボ仕様の「2.0XT EyeSight」がベース。専用インテリアが最大の見どころで、本革シートをはじめブラウンカラーリングでコーディネートすることで、上質感と特別感のある内装に仕立てられています。

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見た目と座り心地にこだわった高触感の本革巻ステアリングホイールには、ヒーター機能をスバルとして初めて採用。さらに、パワーリヤゲート、アドバンスドセイフティパッケージを標準装備とするなど、快適、安全装備ともに充実しています。

forb1672sforb1671sボディカラーは「クリスタルホワイト・パール※」、「アイスシルバー・メタリック」、「ダークグレー・メタリック」、「クリスタルブラック・シリカ」、「セピアブロンズ・メタリック」、「ジャスミングリーン・メタリック」、「ヴェネチアンレッド・パール※」、「ダークブルー・パール」を設定(※3万2400円高)。

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価格は2.0L NAエンジンを積む「S-Limited Brown Leather Selection」が313万2000円、2.0L直噴ターボの「2.0XT EyeSight Brown Leather Selection」が331万2360円です。

(塚田勝弘)

レヴォーグ STI Sportを「マニア目線」で徹底チェック!

ついに待望の「レヴォーグ STI Sport」が発表となりました。

すでにクリッカーでもインプレッション記事などがアップされていますが、2015年モデルともいえる「アプライドB型」オーナーの筆者が、気になるポイントをチェックしてみました。

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レヴォーグ STI Sportは、レヴォーグの最上級グレードとして設定され、内外装の質感と乗り心地を含めた走りの部分を高めたモデルとして登場しました。

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これまでSTIといえば走りを重視したモデルを数多くリリースし、WRXシリーズ以外ではSTIの名を冠したモデルは限定車となるコンプリートカーのみとなっていました。

こうした経緯もあり、登場を待ち望んでいたユーザーの中には「MTの設定ないの?」とか「なんでブレンボついてないんだ」といった声も聞こえてきます。

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しかし、今回登場したモデルはあくまでカタログモデルであり、レヴォーグの質感を向上させるために、足回りとステアリングフィールの味付けをSTIが担当したモデルといえます。

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グレード名にSTIの名が入ることから誤解を招いてしまいそうですが、フットワークについてはSTIのエッセンスをふんだんに取り入れていますから、期待を裏切らない仕上がりとなっています。

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足回りでは専用チューニングのダンパーとコイルスプリングを採用。フロントにはS207にも採用されているダンプマチックIIを採用しています。

ダンプマチックIIは、微低速域ではコンフォート・バルブが作動して滑らかに、高速域になるに従いリニアでレスポンスの高い減衰特性となるメイン・バルブが働く構造となっています。これにより乗り心地とハンドリングの楽しさを両立しているのです。

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もちろん、リアのダンパーとスプリングもSTI Sport専用のセッティングとなっており、試乗をさせていただいた富士スピードウェイの外周路からショートコースの領域まで、ノーマルのGT-Sとは一線を画す乗り味を体感できました。

外周路の路面の継ぎ目などはトトンと軽やかな音とともにいなしている乗り心地を実現する一方で、ショートコースのような振り返しの多い場所でも破綻することなくハイレベルなフットワークを披露。

まさに、STI Sportの上質なイメージを走りの部分でも裏切らない仕上がりといえるでしょう。

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STIの手掛けたポイントはダンパーとサスペンション以外にもステアリングフィールを向上させるために、専用クランプスティフナーを装備した電動パワーステアリングもあります。

このスティフナーは標準モデルの2.9mmから4.0mmへとアップ。取り付け部分の剛性をアップさせ直進状態から遅れなくリニアに反応する操舵応答性を実現しています。

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レヴォーグSTI Sportは走りの部分でSTIの提唱する「強靭でしなやかな走り」を誰でも手に入れることができるようにしている、まさにSTIの入門モデルといえるでしょう。

もちろん、より応答性や操縦安定性を向上させたいオーナーにはフレキシブルタワーバーやフレキシブルドロースティフナーといったアイテムもディーラー装着オプションとして設定されているので、好みで追加するのもおススメです。

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さて、STI Sportの魅力は走りの部分だけではありません。エクステリアも専用アイテムが上質さを際立たせています。

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まずは専用のフロントバンパー。フォグランプ周りの造形が変更され、サイド部分まで回り込んだ形状はアグレッシブな印象を受けます。

フロントグリルは標準モデルと比べ外周のメッキ部分を細くし、精悍な印象となっています。もちろんグリル内にはSTIのバッヂが添えられ、バンパー下部のメッキアクセントと併せて、STI Sportであることを上品に主張しています。

ちなみにSTI Sportは今後ほかのスバル車にも展開していく計画とのこと。他のモデルでもひとめでSTI Sportとわかるフロントマスクとするために共通のイメージとなるようです。

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ホイールも専用デザインの18インチホイールを採用。デザインはSTI Sport専用となりますが、ベースとなる部分はSTIからリリースされている18インチホイールセットをベースとした軽量、高剛性の鋳造ホイールとなっています。

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リム部のデザインが異なるものの、スポーク形状などはSTIのホイールセットと同一であることがわかります。カタログモデルでありながら、バネ下荷重の低減により乗り心地の面でもSTIのテクノロジーの恩恵を受けることのできる重要なアイテムの一つといえるでしょう。

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リアに回ると、STIのロゴ入りマフラーカッターがさりげなく装着されています。マフラー本体の性能は標準モデルと変わりはないそうですが、こうしたちょっとした配慮もうれしいアイテムですね。

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注目のインテリアですが、スバルの市販車としては初となるボルドー色の内装が最大のトピックといえるでしょう。

シート形状は標準モデルの本革仕様と同一ですが、プレミアムスポーツツアラーのイメージと、STIの象徴色でもあるチェリーレッドを連想させる配色はSTI Sportに相応しいインテリアカラーといえます。

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ヘッドレストにはSTIロゴが入り、インテリアでもさりげなく主張している部分といえます。もちろん角度調整などの機能は標準モデルと同一の機構を備えます。また、シートヒーターや2名分のポジションメモリーも装備されます。

ただ、個人的には本革だけでなく、ウルトラスエードの設定も欲しかったところ。

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インパネ回りも形状はそのままに、配色やSTIロゴを随所に配置することで、標準車とはまた異なったイメージとなっています。

ベースモデルはGT-S系としながらも、加飾パネルはGT系のピアノブラックを採用。ボルドー色とのマッチングも絶妙です。また、各部のステッチ色はGT-S系のブルーに対し、内装色に合わせレッドとなっています。

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メーターパネルも標準車がブルーを基調としているのに対し、リング部分をレッドに変更し、STIロゴを配置。

フルスケールではないものの、白い文字盤にレッドにリングという組み合わせと併せ、控えめにスポーツさを印象付けています。WRX STIのように赤文字盤ほどの過激さはなく、実用域での視認性が良好な180km/hメーターとしたことは、筆者個人的には高評価です。

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インテリアの気になる部分といえば、ドアポケット内に貼られた専用素材。細かい部分ですが、4枚のすべてのドアに貼られています。

ドアポケットのドリンクホルダーは特にこれからの季節飲み物を多く摂取するので大変重宝する収納ですが、500mlのペットボトルより少しポケットが大きいため、荒れた路面ではボトルがガタつき意外と音が気になるのですが、こうした配慮も最上級モデルならではのきめの細かさといえるでしょう。

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また、注目のオプションとしてはサンルーフの設定があげられます。

これまでスバルでSTIの名を冠したモデルでサンルーフが設定されていたのは先代インプレッサWRX STI A-Lineのみで、大人のためのプレミアムスポーツモデルという部分ではA-LineとSTI Sportは共通している部分といえるでしょう。

レヴォーグ STI Sportは2回目の年次改良と同時に発売され、いわゆるアプライドモデルがC型となりますが、標準モデルもきめ細かな進化を果たしています。

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まずはGT-S系に新たに設定されたブライトパール内装。

これまでブラック系のみしか選択のできなかったGT-Sに白系の内装が設定されたことはトピックといえます。ドアアームレストなどもシート色と統一され、新たなインテリアカラーとして注目されています。

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細かな部分としてはエアコン吹き出し口の開閉ダイアルにホワイトのポイントを追加。一目で開閉状態がわかるようになりました。これはレガシィアウトバックやB4ではすでに採用されており、WRXシリーズも今年の年次改良で追加されて部分です。

もちろんポイントの追加だけでなく、ダイアルを操作したときの質感も向上。タッチが上質になっています。

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後席も左右のクッション内部の発砲ポリプロピレンを拡大し、安全性を向上しているほか、左右のシートベルトにプリテンショナーを内蔵することでさらなる安全性の向上が図られています。

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フロントドアのウェザーストリップを2重化し、静粛性も向上。すでに採用されている遮音ガラスと併せて、より静かな室内空間へと進化しています。

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静粛性の面ではカーゴルームのフロアボードをウレタン高密度化することで遮音性を強化。ルーフ部分の吸音材の追加と併せてカーゴスペースの静粛性を大幅に向上。後席の快適性がさらに高まったといえるでしょう。

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遮音性の向上ではクオーターウインドウの厚みが3.1mmから3.5mmへアップしたことで、こちらもカーゴルームの遮音性がアップしています。

レヴォーグ STI Sportは、プレミアムGTツアラーといった印象で、それに相応しい走りと内外装を手に入れたこだわりのモデルといえます。

もちろんC型へ改良された標準モデルもブライトパール内装の追加や各部の静粛性の向上などで、商品力が強化されています。

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標準モデルでも十分すぎるツアラー性能を有するレヴォーグですが、新たに設定されたSTI Sportはプレミアム感とワンランク上の走りを満喫できるイチオシのグレードです。

レヴォーグの購入を検討している方は、一部の店舗では試乗車も用意されるそうなので、是非標準モデルとの違いを体感し、STIの手掛けた走りを体感することをおすすめします。

(井元 貴幸)

「GT」と「S」どちらのグレードが買い? 207馬力にパワーアップしたBRZに試乗

2016年8月1日より発売されるスバルBRZの大幅改良モデルに乗ることができました。

今回のビッグマイナーチェンジでは、内外装が変化しているだけでなく、MTモデルのエンジン出力アップ(200馬力→207馬力)と、ファイナルギアのローギアード化(4.1→4.3)による動力性能やフィーリングの変化も見逃せないポイントです。

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もともとBRZはパワーに頼るキャラクターではありません。今回のマイナーチェンジでも、ボディ剛性アップや、それに合わせてサスペンションのセッティングも変更することにも注力しているといいます。

そうして標準車のシャシー系もレベルアップしていますが、シャシー系のアイテム(ブレンボブレーキやザックスダンパー)をグレードアップした最上級グレード「GT」が追加されるというのもトピックスのひとつでしょう(GTの発売は2016年秋予定)。

まだ発売前ということもあり、参考価格が発表されているのみですが、その価格は331万5600円(MT)。

標準仕様の価格帯243万円〜297万円(MTの場合)と比べると、十分に高価に感じます。果たして、価格差だけの価値は感じられるのでしょうか。

今回、従来の最上級グレードである「S」の進化版と、新たな最上級グレードとなる「GT(プロトタイプ)」、いずれもMT車を同条件で、比較しながら乗りことができました。

メーカー希望小売価格297万円の「S」と、それに対して34万5600円高のGT(プロトタイプ)。

果たして、ドライビングの満足度には価格なりの違いが明確にあったのかといえば、答えはノー。第一印象は、意外にも「S」にドライビングファンを感じるものだったのです。

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その理由はタイヤとのマッチングにあります。いずれのグレードも、ミシュラン・プライマシーHP(215/45R17)を履いていますが、おそらく「S」は標準タイヤに完璧にターゲットを合わせたシャシーと感じられたのです。

それはブレーキやサスペンションから感じたことで、フルブレーキングをしたときの減速感も互角ですし、旋回しながらアクセルを開けていったときの粘り具合も同様。むしろ加速状態で適度にリアが沈み込む「S」の方が、安心してアクセルを踏んでいけると感じたくらいなのです。

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発想を転換して、タイヤをグレードアップしていくと想像すると「GT」の充実したシャシーとバランスが取れ、その能力を存分に味わうことができそうな予感。

自動車メーカーの標準装着タイヤというのは、雪道用のチェーンを装着することも考慮しなければいけないので、ドライ路面での走りだけを考えて選定することはできません。

今回のマイナーチェンジではボディ寸法などには手を入れていませんから、「GT」グレードであっても標準装着は215幅となってしまうとエンジニア氏は言います。

件のエンジニア氏は明言したわけではありませんが、その言葉の行間と「GT」グレードの印象からは『225サイズのタイヤであれば』、『もっとグリップ重視の銘柄であれば』、まったく違う印象になるであろうということは感じられます。

BRZというクルマは、ノーマル状態で乗るだけでなく、オーナーの好みに合わせてモディファイすることも含めてスポーツカーとして受け入れるというキャラクターも持っています。

そうした部分も含めて考えれば、吊るしで楽しむのであれば「S」が最適バランス。一方、タイヤ・ホイールのグレードアップを考えているのならば「GT」を選ぶのがベターといえそう。

17インチに収まるブレンボブレーキですが、その存在感は大径ホイールを履かせても色褪せることなく、相乗効果で足元をマッシブに魅せると思えるからです。

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■スバルBRZ S(6MT)主要スペック
車両型式:DBA-ZC6
全長:4240mm
全幅:1775mm
全高:1320mm
ホイールベース:2570mm
車両重量:1240kg
乗車定員:4名
エンジン型式:FA20 D-4S
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC
総排気量:1998cc
最高出力:152kW(207PS)/7000rpm
最大トルク:212Nm(21.6kg-m)/6400-6800rpm
変速装置:6速MT
燃料消費率:11.8km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:215/45R17
メーカー希望小売価格(税込):297万円

(写真と文 山本晋也)

1.6リッターと2.0リッターでSTI Sportの走りは違う!?【スバル・レヴォーグC型試乗】

2016年6月、スバル・レヴォーグが年次改良でC型へ進化したのに合わせて、新グレード「STI Sport」を設定しました。

スバルのモータースポーツ部門ともいえるSTIのノウハウを量産車にフィードバックした、STIの手が加わった初のカタログモデルです。

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そのSTI Sport、最上級グレードという位置づけながら、最高価格のグレードというわけではありません。

もともと1.6リッターと2.0リッターという2つのボクサー直噴ターボエンジンを設定するレヴォーグは、排気量によって安全装備やシャシー性能を差別しないグレード展開をしてきましたが、STI Sportについても同様。外観では見分けがつかないほどです。

とはいえ、走り味には明確な違いを感じます。

レヴォーグSTI Sportには、ステアリングギアボックスの取り付け剛性を上げるスティフナーとフロントにダンプトロニックIIという仕組みを採用したビルシュタイン・ダンパー、そしてSTIらしいチェリーレッドに塗られたコイルスプリングが与えられています。

スプリングの塗装色は、量産車としての耐久性を満たすために新規に開発された塗料というのも隠れた注目点でしょう。

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このサスペンション、1.6リッターと2.0リッターで区別していないといいます。実際、カタログ重量は10kgしか変わらない両車ですから、あえて別々に作り込むよりも、ひとつの仕様に注力したほうがリソースの無駄にならず、有効といえます。

ただし、その乗り味は意外にも異なるものでした。

今回、それぞれ1つの車体しか乗っていないので個体差という可能性もありますが、2.0リッターのSTI Sportが、ズシッと入力を受け止める筋肉質なフィーリングのフラットライドなのに対して、大げさに言えば1.6リッターのSTI Sportは、リアがヒラヒラと旋回を促すような印象があったのです。

STI Sportのシャシーチューニングは、応答遅れの少ないリニアなハンドリングと、ニュルブルクリンクで鍛えられた柔軟で強靭なサスペンションという2つの要素が大きな特徴ということですが、前者が強調されているのは1.6リッター車、後者は2.0リッター車で、より感じやすい傾向にあるといえそう。

その理由についてエンジニア氏にたずねてみたところ、「駆動システムの違いが大きいのではないか」という見解でした。

2.0リッター車は前後トルク配分45:55を基本としたVTD-AWD方式、1.6リッター車は同60:40を基本に、100:0まで可変するアクティブトルクスプリットAWD方式を採用しています。

こうした駆動トルクの違いにより、軽快さや重厚感といった違いが出ているという見立てです。

レヴォーグSTI Sportのメーカー希望小売価格は、1.6リッター車が348万8400円、2.0リッター車が394万2000円(いずれも消費税込)。45万円以上の価格差がありながら、装備面で違うのはエンジンと前述した駆動システムだけで、どちらも先進安全技術のアイサイトやアドバンスドセーフティパッケージは標準装備しています。

また、STIチューンのサスペンションをはじめ、ボルドー&ブラックのレザーシートや専用エクステリアなどの装備面でも違いはありません。

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さらに、1.6リッター車にはアイドリングストップが備わるなど、よりダウンサイジングターボらしい環境性能を意識したキャラクターで、新しいSTIの解釈による新世代スポーツツアラーとしての印象は強まっているようにも感じます。

STI Sportのリニアなハンドリングに価値を見出すのであれば、あえて1.6リッターに乗るというのも、ひとつの選択といえるでしょう。

●スバル レヴォーグ 1.6STI Sport EyeSight主要スペック
車両型式:DBA-VMG
全長:4690mm
全幅:1780mm
全高:1490mm
ホイールベース:2650mm
車両重量:1550kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB16
エンジン形式:水平対向4気筒DOHC直噴ターボ
総排気量:1599cc
最高出力:125kW(170PS)/4800-5600rpm
最大トルク:250Nm(25.5kg-m)/1800-4800rpm
変速装置:CVT(マニュアルモード付き)
燃料消費率:16.0km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:225/45R18
メーカー希望小売価格(税込):348万8400円

(写真と文 山本晋也)

さらば富士重工業、 2017年度から社名がSUBARUになることが決定!

2016年6月28日、富士重工業株式会社の第85期定時株主総会が開催され、同総会において第2号議案として付議していた「定款一部変更の件(商号の変更)」が承認されました。

すなわち、事前に発表があったように、2017年4月1日をもって、同社の社名は「株式会社SUBARU」(英文表記:SUBARU CORPORATION)に変更されることが決定したというわけです。3D_BI_TypeH_C300

1917年に創設された飛行機研究所(後の中島飛行機株式会社)を源流とする富士重工業が設立したのは1953年。SUBARUというブランドが生まれたのは1958年です。

もともとは四輪車に付けられたSUBARUブランドが生まれる以前には、スクーターの「ラビット」ブランドなどでも知られた富士重工業。富士重工業の頭文字を使った「フ」をモチーフとしたロゴを使っていた時代もありました。

社名をアルファベットにすることで、グローバル企業としてのステップアップを期待させるのはもちろん、『すばる』という美しい響きの日本語をアルファベットにして展開することで、日本のものづくりを感じさせるブランドとなることも想像させる社名変更です。

(山本晋也)

「株式会社SUBARU」への社名変更が正式決定。ところで「アレ」は変更されるの?

「株式会社SUBARU」への社名変更が発表されていた富士重工業株式会社。本日開催された定期株主総会にて社名変更が承認され、正式に「株式会社SUBARU」(英文表記:SUBARU CORPORATION)への変更が決定しました。

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前身である「飛行機研究所(後の中島飛行機株式会社)」の誕生から100年となる2017年度がスタートする4月1日から変更が実施されます。

近年は基幹事業となる自動車部門と航空宇宙部門への経営資源の集中も進められており、さらなる飛躍が期待されます。

ちなみに、富士重工のWebサイトのURLは「http://www.fhi.co.jp」ですが、社名変更によってこちらも変更されるのでしょうか?

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現在「http://www.subaru.jp」はスバル車のWebサイトとなっていますが、来年からこちらが「株式会社スバル」のトップページになるのか、「富士重工業」時代の名残りとして残るのか、4月1日だけに驚きの発表があるのか(←無い)、Webメディアの担当者として気になるところです。

(クリッカー編集部)

【関連記事】

車名も社名もスバルに!富士重工業が「株式会社SUBARU」に2017年4月1日より社名変更
http://clicccar.com/2016/05/12/371678/

スバリストとして、富士重工業の社名変更に思うこと
http://clicccar.com/2016/05/15/372182/

323万円(税抜き)から!スバル・レヴォーグの最上級グレード「STI Sport」の価格が発表

スバル・レヴォーグの最上級グレードとして、スバルテクニカインターナショナル(STI)とコラボレーションした「STI Spott」が、2016年7月21日より発売されることが正式発表されました。

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STI Sport専用フロントフェイスやアルミホイール、ボルドーカラーのインテリアに仕上げられた、最上級にふさわしい内容となっています。また、専用に仕上げたビルシュタイン・サスペンションも与えられています。

装備は最上級ながら、パワートレインは2.0リッターと1.6リッターを用意しているのは、絶対的なスピードではないところでスポーツを感じて欲しいという作り手の思いなのでしょうか。もちろん、スバルの先進安全技術「アイサイト」は標準装備されています。

メーカー希望小売価格は、1.6リッターが税込348万8400円(本体価格323万円)、2.0リッターは税込394万2000円(本体365万円)となっています。

スバル・ステラが一部改良を実施。「カスタム」にエントリーグレードの「F」を新設定

ダイハツからOEM供給されているスバル・ステラがムーヴ同様、6月21日に一部改良を受けました。

ムーヴのブランド違いということになりますが、販売店が近い、あるいは「スバル」ブランドがいい! などの理由であればOEM車でも買わない手はありません。

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最大のトピックスは、ステラ・カスタムにエントリーグレードの「F」が新設定されたこと。

カスタム専用デザインやLEDヘッドランプはそのままに、フルホイールキャップ、2眼ルミネセントメーター(メッキリングなし)や、マルチインフォメーションディスプレイといった一部の装備を簡素化したモデルになり、ダイハツ・ムーヴの同等グレードと同様に、135万円と価格を抑えたのが特徴です。

そうはいっても装備は充実していて、電動格納式カラードドアミラー(キーレスアクセス連動&サイドターンランプ付)、LEDヘッドランプ、LEDフォグランプ、パワーウィンドウ、マルチインフォメーションディスプレイ、UVカットガラス(全面)、濃色ガラス(リヤ)、2眼ルミネセントメーター、オートエアコン、キーレスアクセス&プッシュスタート、運転席シートリフターなどを用意。

また、メーカー装着オプションの「プレミアムセレクション(ステラ・カスタム)」を、加飾パネルやシートステッチのカラーを変更することで、上質でスタイリッシュな内装に見直されています。

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「ブラックインテリアセレクション(ステラにメーカーオプション)」では、インパネ下部やインナーリモートまわりのカラーリングを変更して質感を高め、より幅広いユーザーニーズに対応。なお、一部改良後のスバル・ステラの価格帯は、113万4000円〜174万4200円となっています。

(塚田勝弘)

スバルがタブレット端末による商談システムを2016年8月までに導入

スバルの商談は、カタログやチラシを見ながら展示車を眺めたり、試乗車に乗ったりして進めていく、というオーソドックスなものでした。

2.Sales Support System

今回、2016年8月までに全国のスバル特約店(44社460店舗/2016年6月1日現在)にタブレット端末を活用した商談システムを導入すると発表されました。

すでに輸入車では当たり前になりつつシステムで、国産メーカーでもトヨタや日産などで導入されているほか、トヨタのネッツ店では子ども向けの絵本まで見られるサービスを導入しているなど、販売現場では必需品になりつつあります。

とくに、ボディカラーやインテリアカラー、オプションなどが膨大でセミオーダーメイド感覚の輸入車ではいまやタブレット端末がないと商談が成り立たないかもしれません。

富士重工業は、日立製作所と共同で「SUBARU Sales Support システム」を構築。

カスタマイズ車両の3D画像の提示と、来店から注文までのワンストップ対応により、商談シーンでもスバルの「安心と愉しさ」を提供する先進的なシステムとしています。ほかにもイベント会場やお客さんの自宅での商談でも使えるなど、場所を選ばない利点もあります。

1.Sales Support System

同システムの構築にあたっては、構想段階において日立の顧客協創活動「Ex アプローチ」を活用したそうです。

「Ex アプローチ」とは、店側がお客を深く理解し、課題や問題を一緒に解決しながら、お客がシステムを実際に使った際に得られる質の高い経験価値(Experience)と満足感を生み出す実践活動だそう。

また、利用者の思いを実現するために必要となるものは何かという「人間中心設計」の視点で蓄積してきた技術やノウハウを提供し、業務価値の向上に必要となる要求事項の整理などを行うものとしています。

スバル車のオーナーになる人の利点は、要望に応じた条件を入力すると、具体的な見積金額と3D 画像によるカスタマイズ車両の外観や使用シーンのイメージが瞬時に表示される点。

画像は 360 度回転し、さまざまな角度から車両の外観や内装を確認できるほか、市街地からレジャー、アウトドアなど様々なシーンとのマッチングを確認でき、クルマを手にした後の使用シーンを、臨場感を持ってイメージすることが可能としています。

ほかにも商談時間の短縮など、待ち時間も減るそうで、あとは「どれくらい値引き可能か」どうかも表示されると便利なのですが……

(塚田勝弘)

WRX STIがクラス2連覇!今年も恵比寿でファンと感動の瞬間を共有!【ニュルブルクリンク24時間レース】

ニュルブルクリンク24時間レースが5月28日と29日の2日間にわたり開催されました。

今年もスバルはWRX STIでSP3Tクラスに参戦。2008年から続くスバルのニュルブルクリンク24時間レースへのチャレンジは初参戦から毎年欠かさず参戦し、今年で9回目となります。

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昨年も東京・渋谷にある富士重工業本社ビル内にあるショールーム「スバル スタースクエア」にてパブリックビューイングが開催され、クラス優勝奪還の瞬間をクリッカーでも紹介しました。

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今年のニュルブルクリンク24時間レースはスバルにとって、レース開催前から波乱続きでした。

3月22日に富士スピードウェイで行われたシェイクダウンテストでは、午後のテスト走行の際にクラッシュ。山内選手は肋骨にひびが入るけがを負い、マシンも深刻なダメージを受けました。

当初はニュル24時間レースの前哨戦ともいえるVLN(ニュルブルクリンク耐久レース)への参戦はおろか、ニュル24時間レースそのものへの参戦も危ぶまれましたが、急ピッチでマシンを製作。5月14日に開催されたVLN第3戦へも出場し、見事クラス2位を獲得しました。

VLNでの結果から、ニュル24時間レースへの期待も高まりました。

しかし、VLNでクラス首位を獲得したのは最大のライバルともいえるアウディTT。もちろん24時間レースにも参戦することもあり、ファンも気が抜けない状況で5月27日の予選を迎えました。

VLN Langstreckenmeisterschaft Nuerburgring 2016, 58. ADAC ACAS H&R-Cup

予選でもクラス2位という結果で、期待と不安が入り交じり、ファンの気持ちは決勝での走りに集中します。

REPLAY

決勝レースは28日22時30分(日本時間)スタート!開始早々45分で激しい降雨に見舞われ赤旗中断。アレンベルクと呼ばれるコーナーでは次々とマシンがスピンやクラッシュするも、WRX STIはカルロ・ヴァンダム選手のドライブで、グラベル上でクラッシュしていたマシンを回避!

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ツイッターなどでは「カルロ神回避!」といったツイートが飛び交い、USTREAM配信などでも神がかり的な回避が何度もリピートされ、多くのスバルファンが歓喜しました。

レースは赤旗中断後も雨に見舞われていましたが、スバルが誇るシンメトリカルAWDが威力を発揮!山内英輝選手のアタックでライバルアウディTT RS 2.0を上回るラップタイムを重ね、ついにクラストップに躍り出ます。

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その後は安定したペースでスティントを重ね、じりじりと2位以下を引き離していきます。残り3時間を切るころ、エビススバルビルにはパブリックビューイング参加者が続々と集まり始めます。

このイベントに参加するファンは、イベント開始前からスマホなどでレースの様子をしっかりチェックしている方が多く見受けられました。

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そして、午後8時からニュル24時間レースでも長きにわたりスバルチームのドライバーとして活躍した吉田寿博選手をゲストに迎えスバルのイベントMCとしてお馴染みの濱田恵梨子さんとともに、トークショーがスタートしました。

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昨年のパブリックビューイングでも吉田選手の解説がおこなわれましたが、やはり実際にニュル24時間レースに参戦したドライバーのトークは現地での様子や休憩時間の話など、スバルチームにいたからこそわかる裏話は実に面白く、大画面の中継とともに実際にその場にいるような感覚になります。

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パブリックビューイング中は吉田選手の解説のほか、来場者からの質問を受けるコーナーも設けられ、過酷な24時間を乗り切るための技なども飛び出しました。

また、現地とネット回線を使いレーシングドライバーの松田晃司選手のレポートや山内選手の生の声が届けられ、モニター越しに会場のファンからエールが送られました。

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そして待ちに待ったゴールの瞬間!会場では来場者が一斉にクラッカーで祝福!日本にいるファンとニュルブルクリンクがひとつになった瞬間でもありました。

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昨年、男泣きを見せた山内選手は、事前に今年は泣きません!といっていたものの、シェイクダウンテストでのクラッシュというアクシデントから見事連覇を成し遂げたこともあり、感極まっていた模様。

予定を変更し、地元でもあるマセール選手にアンカーを譲ったものの、結局男泣きしてしまう山内選手のレースに懸ける思いが強く伝わりました。

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イベントの方は、締めくくりに豪華賞品を懸けたじゃんけん大会を開催。連覇の感動とともに、賞品をゲットした参加者は、一層忘れられないレースとなったことでしょう。

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解説を担当した吉田選手によると「連覇できたことが率直に嬉しいです。スバルファンとみんなが一つになって優勝を祝おう!というイベントは大事なことだと思います。スバルのユーザーやファンとともにコミュニケーションのとれるイベントがいろいろ開催できるよう、スバルの方へも提案していきたいと思います。たとえば山内選手などを迎えて凱旋ツアーなんかもいいですよね!」と語りました。

また、勝因については「個人的にはチームが強くなったことだと思います。やるべきことが明確になり、粗削りながらもディーラーメカニックさんをはじめチームが自信をもってレースに挑んでいたことが結果に結びついたと思います。まだまだスバルチームは強くなると思います!」と語りました。

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来年はいよいよ悲願の3連覇を目指し、スバルチームにはより強く、より心をひとつに勝利を目指してほしいと感じました。

(井元 貴幸)

実は薄氷の勝利だった!? ── ニュル24時間スバルSTIチーム・辰己英治総監督に訊く

2016年のニュルブルクリンク24時間レースが終わりました。スバルSTIチームは、SUBARU WRX STI NBRチャレンジ 2016を投入し、見事SP3Tクラス2連覇を達成したことは皆さんもご存じのことでしょう。

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完走することでも、いや、1周を無事に帰ってくることすら困難なことでも知られる、世界屈指の難コース。そこで24時間レースを2年連続で制することの素晴らしさ! 心から賛辞を送らせていただきます。

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レース開始直後45分に降り出した大雨、そして雹がアレンベルクコーナーを埋め尽くす状況となり、コースアウトするマシンが続出。WRX STIもコースオフしてあわや接触という状況で、なんとかそれを回避したカルロ・ヴァン・ダム選手のドライビングテクニックに『神回避』というネットでの命名もありました。

さて、ネットでの皆さんのリアクションを見ると、賛辞の一方で、終盤になにも起こらなかったからか、その戦いぶりを「退屈だった」と表現する方もいらっしゃるようでしたが、果たして実際はどうだったのでしょうか。

ゴール直後の辰己英治総監督にお話しを伺いました。

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── 辰己総監督、優勝おめでとうございます!

「ありがとうございます。いやぁ、今年も大変でした」

── 勝因は?

「今年は・・・運かな? 運ですね。あとは、スバルのグループの人たち、ディーラーメカとかスバルの人たち、そしてスバルファンの皆さんに、なんとかみんなに喜んでもらいたい。そのためにはなにがなんでもゴールさせるぞ! という執念がありましたよね」

── ここまでの道のり、大変だったですね。

「去年から、このクルマづくりおいては(シェイクダウンでのクラッシュなど)大変なことがあった。そういうことを乗り越えて、とにかく出るんだという執念はものすごいものがあったんじゃないかと思いますね。そういう執念がありながら、現地に来ると、もう運でしたね」

── レース序盤、ヒヤッとするシーンがありました。

「これだけ天気に翻弄されたのは初めてですよ。そのせいか、自分で勝ち取った感は、正直、いまいちなんですよ」

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── WRX STIに不利になるようなレギュレーション変更がありましたが、これも対応は大変だったのでは?

「レギュレーション変更が公表されたのが、実は今年に入ってからだったんです。今年に入って急に変えられてれても、実は間に合わない。アウディ勢は、変更されるレギュレーションにのっとって去年からクルマづくりをしている。そういうところでアウェイだなぁと感じましたね。それがわかったのが、実はけっこう最近でした

うちは2月か3月にはクルマをドイツに送らなければならない。そうなると、エンジンに関しては小さくなったレギュレーションに仕様に合わせて開発ができない。昨年仕様にそのままリストリクターを小さくして臨むしかないわけです。そして、日本で事故をして(船便で)送れなくなった。そうしたことにエネルギーを使われてしまいました」

── アウディはしっかり対応できていたと。

「アウディは、リストリクターが大きくなって、タイヤも太くなって、タンク容量も大きくなって、そういうレギュレーションのなかでクルマづくりをしている。でも、レギュレーションについて我々のほうが理解が低かったということですよね。ルールはヨーロッパで作られています。ドイツで勉強が必要だということを痛感しました」

── そういうマシンの状況下、トップを走るアウディTT RS2を追いかけているとき、また、トップに立った後にアウディTT RS2を引き離そうとしても、なかなかその差が変わらず、我慢比べのような展開が続きましたね。

「完全にクルマ作りで負けたなと思いました。有利な展開なはずなのに、逃げられない。蛇ににらまれたカエル状態。まだまだ力が及んでないなと思いましたね。真っ当に戦ったら追いつけないと思いましたね」

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── いっとき差がついても、また戻ったりという展開はなんだったのでしょうか?

「アウディのドライバーのレベルの差だと思いますね。1人はめちゃめちゃ速い選手がいました。彼が走っているときは、うちはかなわなかった。ほかの2人はまあまあ、1人はあまり速くない。そのドライバーのときにうちは追いつくんだけど、そのあとがうまくいかなかったですね」

── その点、STIチームの4人は全員が総じて高いレベルで走れていますしたね。

「そうですね。4人が、うちのクルマのすべてを出してくれました。雹がふったときにグラベルに飛び出して当たりそうになったときも、よく避けられたよね。あれはカルロの執念でした。普通だったら終わっていましたよ。壁とクルマの間に入っていった。パッと切ってすぐ戻した。だから、リアバンパーをかすったくらいで済んだんです。フロントが当たっていたら、クルマが回転してしまって足がやられて、多分終わりだった。直後に来た車にも挟まれて、絶対に終わっていたと思います」

思うようなマシン開発が進まず、レギュレーションにも邪魔をされた今年のニュル。

それをカバーしたのは『運』であり、それを呼び込んだチーム全体の『執念』であり、ドライバー全員の『実力』だったという辰己総監督。

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勝った嬉しさはもちろんですが、マシン開発に関する困難さ、それがゆえに「スパッと勝ちきれなかった」ことに、どこか『悔しさ』が滲んでいるようにも見えました。

「でもね、我々は勝つために出ているわけですから。やっぱり、勝たないといけない。みんなにきっとしばらくの間は喜んでもらえるんだろうなと思いますよ」

そう語って、辰己総監督はチームの輪のなかに入って行きました。

スバルSTIチームは、すぐにスーパーGTへの戦いに集中するとともに、来年に向けたクルマと体制づくりに入るものと思われます。

スバルSTIチームの戦いは、まだまだ続きます。

(写真・文 ハイパーレブ/86&BRZ WORLD編集長 渡辺文緒)

可変減衰力サスペンションなどを搭載したスバル・レヴォーグ「STI Sport」の先行予約を開始

2016年夏にも発売されるスバル・レヴォーグ「STI Sport」。その先行予約が5月27日から開始されました。

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数ある専用装備の中でも注目は、「DampMatic Ⅱ」と呼ばれる専用のチューニングが施された可変減衰力サスペンションの採用。

ダンパーの特性を活かした専用コイルスプリングとの組み合わせにより、操縦安定性の向上と乗り心地の確保という、相反する性能を高次元で両立したというのが自慢。

もちろん、専用チューニングビルシュタインリヤダンパーコイルスプリングも採用されています。

また、ステアリングギアボックスの取り付け剛性向上により操舵応答性を高めるなど、ハンドリングの向上にも余念がありません。

FrontStyleRearStyle

外観は、専用設計となるフロントバンパーやフロントグリルをはじめ、LEDフロントフォグランプが採用されているほか、専用18インチアルミホイール、専用大型デュアルマフラーカッターを装備。ボディの前後にはSTIのオーナメントも配置。

なお、ボディカラーはベース車の7色に加えて、「WRブルー・パール」が用意されています。

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一方インテリアは、「STI Sport」専用のテーマカラーである「ボルドー」でコーディネートされていて、レッドステッチやピアノブラックのパネルとの組み合わせにより、スポーティでありながら落ち着きのある上質な雰囲気を演出。

また、専用アイテムとして、STIロゴ付きとなる専用ルミネセントメーター、ステアリングホイール、サイドシルプレート、運転席・助手席ヘッドレストを採用することで、レヴォーグ最上級グレードという位置づけにふさわしい仕上がりになっているそう。

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そのほか、レヴォーグ STI Sportにも専用クランプスティフナー付電動パワーステアリング(なお、フォレスターtSでは、クランプスティフナーの肉厚化されています)が備わり、アドバンスドセイフティパッケージも標準装備されています。

価格は「レヴォーグ 1.6STI Sport EyeSight」が348万8400円、「レヴォーグ2.0STI Sport EyeSight」が394万2000円です。

公式サイト:LEVORG×STI ティザーサイト|SUBARU

(塚田勝弘)

新型BRZ登場!米国スバルが2017年モデルを先行公開!

スバルの米国法人がBRZの2017年モデルの概要を公開しました。

発売から4年半を経て、ついに本格的なマイナーチェンジを実施。2017年モデルではバンパーやランプ類の意匠が変更されています。

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ヘッドランプやテールランプがLED化されており、リヤスポイラーについてもデザインを変更。

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インテリアではステアリングホイールやメーターのデザインが変更されており、シートの質感が向上しています。

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BOXERエンジンにも手が加えられ、205psに出力が向上。足周りには17インチ×7.5Jの黒色アロイホイールにミシュランタイヤを装着、サスペンションはザックス製のショックアブソーバーを装備しています。

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ちなみに、姉妹モデルのトヨタ86は3月のニューヨークモーターショーでマイナーチェンジモデルを発表済みで、今秋の発売を予定していることからBRZも同時期に発売されると予想されます。

SUBARU_BRZ

米国スバルは6月12日に詳報を公開するとしており、今後の情報が待たれます。

公式サイト:2017 Subaru BRZ | Subaru

Avanti Yasunori ・画像:SUBARU USA)

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次期「86/BRZ」も富士重工業とトヨタが共同開発、2021年にはEV投入!

先頃社名を2017年4月1日以降「SUBARU」に変更すると発表した富士重工業ですが、同社の吉永社長は提携しているトヨタ自動車と開発面で協力を深める方針を改めて示しました。

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これは日経新聞の取材に対して明らかにしたもので、次期「86/BRZ」についても共同で開発するほか、PHVなどの電動車両についてもトヨタの技術を導入することを明言。

吉永社長は「巨額の投資を伴う環境技術を全て自社開発するのは難しい」としており、トヨタからハイブリッド技術で協力を受ける一方、同社のエンジンを搭載した「トヨタ86」「スバルBRZ」の次期モデル開発に向けて協議を進めていることを明らかにするなど、開発面でもトヨタとの協力を続ける考えを示しました。

同社は主力の米国工場でトヨタ車の生産を受託(〜今夏)しており、年内に61万5千台の販売達成に自信を見せています。

また、吉永社長はNHKの取材に対して5年後の2021年をめどに電気自動車を発売するとコメント。走行中に排出するCO2を大幅に抑えるエコカーの開発競争が激しさを増すなか、一旦撤退した電気自動車を再び開発し、発売する方針を明らかにしました。

米カリフォルニア州のZEV(Zero Emission Vehicle)規制が今後更に強化され、富士重も同規制の対象となるため、ZEVを一定以上販売する必要があります。

SUBARU

ZEV規制では2018年までにカリフォルニア州内で販売する車のうち、16%をゼロエミッション車にするよう、自動車メーカーに義務付けています。

これに対応すべく、同社としてはガソリンモデルのプラットフォームをベースにEVを開発することでコストアップを抑制、車両価格を抑えたい考え。

同社では以前に軽自動車「STELA(ステラ)」にリチウムイオン電池を搭載したEV「スバル プラグイン ステラ」を国内の法人向けにリース販売していましたが、インフラ整備が進まないことや、軽自動車の自社生産から退いたことからEV事業からも撤退した経緯があります。

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今回同社が米国に投入するEVは、その際に蓄積した技術をベースに自社で開発を進めていく方針のようで、吉永社長はどのモデルにEVを設定するかは未定としています。

このように同社では一昨年にお伝えしたEV参入への動きががいよいよ具体的になってきたようです。

Avanti Yasunori

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STIのレヴォーグ用エギゾーストキットを試してみた!

スバル車のアフターパーツメーカーといえば真っ先に思い浮かべるのがSTI。

スバル車のスポーツパーツだけでなく、SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースなどのスバルワークスとしての活動など、スバルのモータースポーツにも欠かせないメーカーです。

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STIのスポーツパーツはこうしたモータースポーツなどから得た技術を市販車にフィードバックし、強靭でしなやかな走りを実現しています。

これは、STIのノウハウをふんだんにとりいれたコンプリートカーの「S」シリーズや「tS」シリーズも同様です。

スバル車を知り尽くしたSTIならではの走りのエッセンスを市販車に手軽に取り入れられるSTIスポーツパーツはコンプリートカーには手が届かない筆者のような人間にはありがたい存在ですね(笑)

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STIではWRXをはじめ、BRZなどのスポーツモデルだけでなくレヴォーグやXV、フォレスターといったワゴンやSUVモデルにも様々なスポーツパーツが設定されています。

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最近ではエアロパーツやシャシー系のパーツをセットにした「STI Performanceパッケージ」が設定されているモデルも多く登場しています。

今回はSTIスポーツパーツがふんだんに装着されたレヴォーグのデモカー(1.6GT-S EyeSight)を試乗する機会を得ましたので、新たにリリースされた「エキゾーストキット」を中心に紹介しましょう。

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STIのレヴォーグ用スポーツパーツは、エアロをはじめSTI自慢のフレキシブルシリーズなどラインナップはかなり充実しています。

今回新たにリリースされた「エキゾーストキット」は、すでに発売中の「パフォーマンスマフラー」に中間パイプをセットしたもの。

実は、以前全く同じデモカーに試乗したことがありましたが、その時はパフォーマンスマフラーのみが装着されていたのですが、筆者の個人的な感想からすると、マフラーを交換したときの心地よい排気音や湧き上がるトルク感などが希薄で、ちょっと物足りない感じがしていました。

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しかし、このエキゾーストキットが装着されたレヴォーグに乗って驚愕!「これが同じクルマか?!」と思うほど、劇的にフィーリングが変わりました。

まず排気音はファーストアイドルの状態から乾いたボクサーサウンドを奏で、車内では2500rpmあたりから純正では味わえない気持ちの良い音が聞こえてきます。

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ちなみにスマホの簡易的な音量計測アプリによれば、車外の音量はアイドリング時で54db、約4000rpmで61db。車内のアイドリング時は39dbと、純正とほぼ変わらない数値。車外の音量も決して大きすぎる音量ではなく、アプリに記載されている目安によれば、50dbが静かなオフィス、60dbがデパートの店内とのこと。

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そして、気になる出力のほうは、トルク感が誰でも体感できるほどに向上しています。

このデモカーでワインディングを走ってみたところ、1.6Lモデルにも関わらず、SIドライブをI(インテリジェント)モードのまま切り替えるのを忘れてしまうほどトルクフルに変貌します。

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そのパワーやトルクの出力特性も、決して唐突に出力が上がるわけではなく、全体的に厚みが増した印象。

ブースト圧も純正のマルチインフォメーションディスプレイ上ではオーバーシュート時で0.9kPa程度。実際STIによれば、ピークパワーやピークトルクは純正と変わっていないとのこと。

しかし、体感度でいえば2.0Lには一歩及ばないものの、1.6Lでも高速道路の合流やワインディングの登りでトルクやパワーが足りないと感じることはありませんでした。

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ちなみにこのデモカーにはSTIのエアクリーナーエレメントも装備。吸排気のトータルバランスを考慮したチューニングが施されています。

レヴォーグの1.6Lモデルは、販売台数の半数以上を占めておりレギュラーガソリン仕様であったり、アイドリングストップがついていたりと環境性能の面では2.0Lより魅力的な部分が多いのが特徴となっています。

その反面、一般道や高速道路の巡航では不満が少ないものの、追い越し加速やワインディングの登りなどでは「2.0Lほど過激なパワーはいらないけど、もうちょっとでいいからトルクがほしい……」と感じるユーザーも意外といるようです。

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そんな方にはこのSTI「エキゾーストキット」はおすすめのスポーツパーツです!

もちろん車検対応ですし、各部の溶接の仕上がりなどを見てもそのクオリティの高さから「さすがSTI!」と唸ってしまう逸品。

なによりその心地よいサウンドと満足度の高い力強さは、是非1.6Lモデルで不満を感じているレヴォーグオーナーに強くおススメしたいアイテムです。

個人的には2.0Lにも対応しているので、2.0Lに装着した状態も試してみたいと感じました。

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今回試乗させていただいたレヴォーグには他にも新たにリリースされたアイテムが装着されていました。

それは久々の新デザインとなる19インチホイールセット。従来の18インチと同様に鋳造ながらリム部の成形にスピニング工法を用いているため、軽量化と剛性の確保を両立しています。

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試乗したレヴォーグには純正同等のダンロップスポーツマックス050+を装着。タイヤサイズは225/40R19となっていました。GT-S系の標準サイズは225/45R18ですので、タイヤの性能や幅はほぼ同じ条件といえます。とはいえ、純粋に19インチへインチアップしただけで体感できるレベルで操縦安定性が向上。とくに中高速域でのフィーリングがより軽快になっています。

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もちろんSTI Perfomanceパッケージ装着車ですから、フレキシブルタワーバーやフレキシブルドロースティフナーの恩恵も大きく、トータルで装着することで最大限のパフォーマンスを発揮するといえるでしょう。

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19インチアルミホイールセットを装着することで見た目のイメージもより精悍になり、ドレスアップ面でも効果的なアイテムです。今回リリースされた19インチホイールは、従来の18インチホイールと同じく15本のスポークで構成されていますが、スポーク同士の間隔を変えることでかなり異なった印象となっています。

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また、レヴォーグ用のエアロパーツとして、リヤサイドアンダースカートとルーフエンドスポイラーが追加となり、これでSTIのフルエアロが完成(おそらく……)します。リヤサイドアンダースポイラーはフロント、サイドと流れてきた空気を整流するだけでなく、デザインも統一感をうみだします。

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筆者のレヴォーグは昨年の5月に購入しましたが、その時はまだこのアイテムはリリースされておらず、車体下側の統一感はちょっと物足りない状態となっています。

フロント、サイドにSTIのエアロパーツを装着している人はその効果を最大限に発揮させるためにもぜひ装着しておきたいですね。

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そして、レヴォーグ最新のSTIエアロパーツが、純正ルーフスポイラーにかぶせるカタチで装着する「ルーフエンドスポイラー」。

本格的な風洞実験を繰り返して性能検証したパーツで、走行時のハンドル修正量とふらつきを軽減すること、車両の挙動復元力を向上させることを目的に開発したそうです。

BRZのテールランプ部分や2代目インプレッサWRX STIのフロントバンパーなどにも装着されているボルテックスジェネレーターを上部に6個配置。

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車両の挙動を安定方向に整える効果があり、ダウンフォースにおいては100km/h走行時に後軸を地面に押し付ける荷重を約39.2N(約4kgf) 増加させ、80km/h走行時、ヨーレートの収束は75%、横Gの収束は67%向上する実験結果が得られているそうです。

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それぞれのパーツが本格的なテストを繰り返し開発されたアイテム。レースシーンでのフィードバックも含め、効果の高いパーツがラインナップされています。

もちろん、どのパーツもクオリティの高さと抜群のフィッティングを誇っており、エクステリアの統一感をはじめ、効果に裏付けされているスポーツパーツは新車時の装着はもちろん、すべて後付けが可能なアイテムとなっています。

GTツアラーであるレヴォーグの性能をさらに引き出し、ワンランク上の気持ちの良い走りを求める人にぜひ試していただきたい逸品ぞろいです。

[公式サイト]
STI(スバルテクニカインターナショナル)
STI レヴォーグ用スポーツパーツ

(井元 貴幸)

スバルの先輩!? 漢字の会社名をブランド名に変えたメーカーとは?

株主総会後の正式決定となりますが、富士重工業がSUBARUへと社名変更を行なう(2017年4月1日予定)ことが話題を集めています。

たしかに社名よりもブランド名のほうが認知度は高いのでしょうし、グローバル化を考えるとアルファベットの企業名にすることにも、一般投資家へ認知されることなど、意味はあるのだと思われます。

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ところで、自動車業界で社名をブランド名に変えたのは富士重工業が初めてではありません。有名なところでは、マツダがそうなのです。

マツダの旧名は東洋工業といいました。いまもマツダの創業家がオーナーを務める広島東洋カープという正式名にその名を残していますが、マツダへ改名したのは1984年のことですから、旧社名を覚えている人も少なくなっているかもしれません。

そんな東洋工業が自動車産業に進出したのは1931年。1920年に東洋コルク工業として創立、1927年に東洋工業に改名した後に工作機械や3輪トラックの生産を始めています。

その当時から車名(ブランド名)としてはマツダを使っていたこともあり、1984年の社名変更は非常にスムースだった印象があります。

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そして、東洋工業がマツダへと名前を変えてから出てきたモデルとして記憶に残るのは、1985年にデビューした2代目のサバンナRX-7(FC3S型)。当時の代表取締役社長がマツダ・ロータリーエンジンの父ともいえる山本健一氏だったこともあり、新生マツダを印象づける一台となりました。

2017年にSUBARUへと社名を変更すると同時に、積極的にニューモデルを投入する予定のスバルにも、そうした改名を印象付ける名車の数々を期待したいものです。

(山本晋也)

スバリストとして、富士重工業の社名変更に思うこと

富士重工業が5月12日に、自動車ブランドの「スバル」を正式な社名にすることを発表しました。

富士重工のルーツである中島飛行機研究所の創設から来年で100周年。これを記念する意味もこめて、6月28日に開催予定の株主総会での承認されれば来年の4月1日に正式に「株式会社SUBARU」へ変更されます。

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筆者は中学生のころに初代レガシィが挑んだ10万キロ世界速度記録のドキュメンタリー番組に感銘をうけ、免許を取ったらこのクルマを買う!と心に決めていました。

しかし、中古市場でも価格の高騰しているレガシィを手に入れることができず、2代目レガシィを平成7年にようやく購入。

以来、3代目、4代目、5代目とレガシィを乗り継ぎ、昨年レヴォーグを購入。スバル暦20年におよび、周りからはスバリストライターと呼ばれております。

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そんな自分がこの社名変更に思うことは、ちょっとした”寂しさ”。

スバルという名前は日常的に使っているものの、やはり”富士重”や”FHI”という社名には思い入れもあるのです。

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個人的には「スバル」といえばクルマであり、「富士重工」といえば航空機や汎用エンジン、古くは鉄道車両やバス車体といったイメージ。

すでに撤退してしまった分野もありますが、航空機分野や産業機器などでも活躍を続けています。

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いちスバルファンとしては、自動車メーカーとしては小さいけど、工業製品の分野ではこんなにすごいだぜ!といった気持ちでスバル車に乗っていたこともあり、富士重工の名前が消えてしまうのは少々寂しい気もします。

ちなみに汎用エンジンなどを扱う産業機器部門は自動車部門と統合される予定となっています。

20代のスバルオーナーの中には正式社名が富士重工だということを知らない人もいます。それだけ「スバル」の名前が浸透しているという事でもあるのでしょう。

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しかし、古くからの”スバリスト”は、「富士重工業の名を無くさないで欲しい!」とか「今の社名がいい!」といった反応が富士重工の公式ツイッターに多くリプライされています。

とはいえ、おそらく「株式会社スバル」には確実に移行することとなるでしょう。

次に気になるのは社名変更に伴い、動向が気になるもの。

SUPER GT SUBARU BRZ GT300公式応援団長でもあるマリオ高野氏は「社歌はどうなるんでしょう?」と気にしている様子。ちなみに社歌は3番まであり、途中、富士重工〜富士重工〜と連呼するパートも!

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ほかにも、筆者としては気になるのがFHI=Fuji Heavy Industriesの入る 従業員の方が使用しているメールアドレス(●●●●@subaru-fhi.co.jp)や、語呂あわせで富士重工を2215と置き換えているスバルお客様センターの電話番号(0120-05-2215)といった社内的なものから、東京 三鷹市にある「富士重工前」バス停といった公的なものまで、今後の動向が気になるところです。

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新たな名前に変わっても、”走りを極めると安全になる”というポリシーを貫き、世界トップレベルの安全性と走りの楽しいクルマを作り続け、ファンを魅了し続けて欲しいと思います。

(井元 貴幸)

車名も社名もスバルに!富士重工業が「株式会社SUBARU」に2017年4月1日より社名変更

「スバル」ブランドの自動車で知られる富士重工業が、ついに社名変更を決断しました。

すでに、汎用機器の「ロビン」ブランドを廃止して久しく、スバルに統一している同社ですが、ついに「SUBARU(発表によれば全角・大文字)」という社名に生まれ変わるというわけです。

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富士重工業の源流といえる中島飛行機(最初の社名は 飛行機研究所)の創設が1917年ということもあり、100周年を記念した社名変更により、さらにブランド力をアップさせようという狙いといえます。

また、社名変更を決議した臨時取締役会では、同時に汎用エンジンなどを製造する産業機器カンパニーを自動車部門に統合(2016年10月)することも決定しています。これもスバルブランドを磨きあげるための施策のひとつといえそうです。

なお、社名変更が正式決定するには、6月28日に開催予定の株主総会での承認が条件。その後、予定では2017年4月1日に株式会社SUBARUへと生まれ変わることになっています。

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(山本晋也)

水平対向エンジン50周年記念、スバル・XV特別仕様車はお買い得価格で登場

2016年は、富士重工業が水平対向エンジンを搭載した最初の量産車である「スバル1000」の登場から50年の節目にあたります。

その記念すべき50周年を祝う特別仕様車の第一弾モデルが登場しました。

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全高1550mmながら最低地上高を200mmとしたSUV「SUBARU XV 2.0i EyeSight Proud Edition」が、50周年記念特別仕様車の第一弾です。

■SUBARU XV 2.0i EyeSight Proud Edition特別装備
メッキ加飾付ピアノブラック調フロントグリル
ブラックカラードドアミラー
HIDロービームランプ
運転席&助手席8ウェイパワーシート
キーレスアクセス&プッシュスタート
クリアビューパック(フロントワイパーデアイサー、ヒーテッドドアミラー、撥水加工フロントドアガラス)

発売は2016年5月31日、メーカー希望小売価格は246万2400円。

パワーシートやキーレスエントリーシステムの採用にもかかわらず、ベース車から6万4200円高とお買い得な価格設定となっています。

(山本晋也)

ひと回り大きくなった新型スバル・インプレッサ。気になる取り回し、運転視界は?

ボディサイズの拡大によりダイナミックなデザインを得るとともに、居住性や積載性の向上がはかられている新型インプレッサ。

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北米仕様のボディサイズは、写真のセダンが全長4625×全幅1777×全高1455mm(5ドアは全長4460mm)で、Cセグメントとしてはかなり長めの全長になっています。

サイズアップとなると気になるのが、狭い道や駐車場での取り回しでしょう。

広大な北米ならこのサイズでもコンパクトカーといえるでしょうが、日本の狭い住宅街などでは「小さい」とはいえないサイズ感。

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その点をデザイン部部長の石井 守氏にうかがうと、数値はまだ公表できないとしながらも、すれ違いや通り抜け時などに最も擦りやすいドアミラー間の全幅(ミラーtoミラー)は変わっていないそうで、現行モデルと同じにしてあるそう。

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さらに「ボディ(幅方向)の真ん中を膨らませたことで非常に安心感があり、四角くて大きいと心理的に大きく見えますが、それを緩和するために大きい張りを設けたり、コーナーを削り取ったりして大きく見えないようにデザインしています」と、新型インプレッサの見た目のサイズ感を抑制する工夫も教えてくれました。

もう1つ気になるのが、新型インプレッサの視界。

現行モデルよりもウエストラインが後ろに行くほど駆け上がっていて、リヤのサイドウインドウ、クォーターガラスも小さく感じます。

「視界に関しては、非常に優れている現行車とほとんど同じにしてあります。リヤクォーターガラスを極力後に引っ張ることで、反対側(助手席側)の路面が目視できるようにしてあります」。

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衝突安全などが年々厳しくなることからボディが拡大していることは認めつつも、こうした数々の工夫によって取り回ししにくいことにならないように配慮されています。

ドアミラーに関しては、ドライバーポイントと呼ぶ視界ポイントが10mm外に出たそうで、小さな子どもがきちんと見えるなど、最適な位置にドアミラーを配置しているそうです。

(塚田勝弘)

【関連記事】

■新型スバル・インプレッサは、サイズ拡大で居住性・積載性が向上
http://clicccar.com/2016/04/27/368145/

■新型インプレッサに込めたデザインとは?
http://clicccar.com/2016/04/28/368158/

■「SUBARU GLOBAL PLATFORM」第1弾の新型インプレッサはどんなクルマなのか?
http://clicccar.com/?p=368116

【妄想ドライブデート】ジビエ、絶景、温泉美女 ─ 藤木由貴&レヴォーグで行く蓼科

レヴォーグに乗って、蓼科ドライブデートへ。助手席の彼女は人気レースクイーン・モデルの藤木由貴ちゃん!(その1はこちら!)

■「オーベルジュ・エスポワール」で地元食材にうっとり

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蓼科に着き、まず向かったのは「オーベルジュ・エスポワール」。

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「ロマンチックな建物! ここでご飯を食べるの?」

オーベルジュとは宿泊もできるレストラン、いわばヨーロッパ式の料理旅館。

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中でも蓼科のエスポワールといえば、グルマンたちにはよく知られる「ジビエ(狩猟肉)料理」の名店。オーナーシェフ藤木徳彦氏(日本ジビエ振興協議会代表)は、自身の料理のみならず、日本におけるジビエ肉の普及に尽力し続ける第一人者だ。

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「シェフとご家族を中心にお店をやっているんだって。本当にフランスのオーベルジュみたいね! どんなお料理が食べられるんだろう?」

せっかくなので、鹿肉をメインに選びランチコースをオーダー。僕らの前に現れたのは、色彩と味わいがめくるめくような料理の数々。

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地元産の食材をふんだんに使い、何より季節感が大切にされている。

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「庭の燻製小屋で燻した自家製燻製と蓼科産摘みたて野菜のメリメロサラダ添え」はオーベルジュ・エスポワールの名物前菜。

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地元産の肉や川魚の燻製は、すべて敷地内の燻製小屋で作られている。

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「このシナノユキマスっていうお魚、大好き! しっとりした舌触りだね」

いよいよジビエの登場。鹿肉には何種類ものフルーツが添えられている。

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「鹿肉にフルーツって、こんなに合うんだ♡ 何だか食べるのに夢中になっちゃうよ」

そしてオーベルジュ・エスポワールのもう1つの魅力はサービス。

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ソムリエの野村さんが僕らの料理をサーブしてくれた。気さくで温かな心配りが印象的なプロフェッショナルだ。

あの、すみません、フランス料理に彼女を連れて行くって、ちょっと緊張しちゃうんですけど……。

「なんでも言って、なんでも聞いてください。お客様には徹底的に楽しむことだけに専念してもらう、それが僕たちのスタイル。お客様と話し込みすぎちゃうこともしょっちゅうです(笑)」(野村さん)

アミューズ・前菜・野菜の一皿、メインと、たっぷり堪能し、デザートと小菓子へ。

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その時、一瞬彼女の目が鋭く光った。

「柿のスープに紅茶の香り。これって新しいかも…」

実は、彼女は元パティシエ。いわばお菓子の専門家なのだ。

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「デザートって、普通のスイーツとはまた違うの。食事をした後に食べる人のことを考えて作られているのがわかるでしょ?」

もう完敗!とろけそうな笑顔で食事をしていた美女が、突如として真剣な眼差しを見せる。蓼科1箇所目にして、僕は完全に彼女にやられていた。

(メニューは季節によって変わります)

■静かな池に森が映る「御射鹿池」

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次の行き先は「御射鹿池(みしゃかいけ)」。オーベルジュ・エスポワールからさして遠くない人造湖だ。

東山魁夷の「緑響く」という名画の舞台となった、美しい場所。森閑とした空気の中に、静かに湖面が横たわる。

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「スゴイ! 湖に森が映ってる。2人の秘密の場所みたいだね」……実は、吉永小百合さんの某テレビCMでここを知ったことは内緒にしておこう。

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「白樺って綺麗な木だねえ」

由貴ちゃんも綺麗だよ。

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「いやいやいや。なんかウケる〜」

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……意外にざっくばらんな君が好き。

■信玄の隠し湯「渋辰野旅館」

暮れかける山並みを背景に、最後に向かった先は「渋辰野旅館」。奥蓼科温泉郷にたたずむ深い歴史深い温泉宿だ。

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日帰り入浴も可能なので、名湯として名高い”信玄の薬湯”へ向かう。

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「温泉♪温泉♪ なんだか、秘湯って感じ!」

豪壮な構えの建物に入れば、山国らしい温かみのある雰囲気に包まれる。

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約100年の歴史を数えるこの旅館には、文人や画家も多く滞在したという。その歴史を感じさせる長い廊下を渡って、信玄の薬湯へたどり着くとそこには……。

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「この信玄、可愛いっ♡」

意外にもこの日、彼女が一番熱心に写真を撮っていたのはこの信玄のイラストだった……。”信玄の薬湯”と名付けられたお湯は、神話にも登場するとても古い源泉だ。

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青みがかった乳白色のお湯は、信玄が傷病兵たちを癒すのに使ったとされている。何せ1回15分までの入浴と言う決まりがあるほど、その温泉成分は強いのだ。

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「すぐに体がポカポカしてきたよ。なんだかお腹も減る感じ。もしかして健康になっちゃった?」

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お風呂を出ればもう日は落ちて、木造りの広間に灯りがともっていた。

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ほんのり頬を染めた湯上りの由貴ちゃんを見れば名残おしいけど、今日のデートはこれで終わり。

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山道を下り、日常へ戻ろう。

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「ハイビームアシストってすごい! クルマが自分で対向車を見つけて、ライトを切り替えてくるれんだね!!」

……若干の寂しさにひたる僕をよそに、最後まで由貴ちゃんは元気いっぱいだった。

(企画・撮影:ダン アオキ/文:窪木紘子)

【関連リンク】

オーベルジュ・エスポワール
http://www.auberge-espoir.com

渋辰野旅館
http://www.sib-tatu.com

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富士重工業と日本IBMが高度運転支援システム分野での協業を開始

スバルの富士重工業と日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、高度運転支援システム分野での実験映像データの解析システムの構築、 ならびにクラウド・人工知能技術に関する協業検討について合意したと発表しました。

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富士重工業のアイサイトは、ステレオカメラを用いた運転支援システムで、アイサイトからは走行中の膨大な画像データが得られます。

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一方、日本IBMの「IBM Watson IoT for Automotive(アイ・オー・ティー・オートモーティブ)」は、IBMクラウドを基盤とした自動車業界向けのモノのインターネット(IoT)ソリューション。

車体の個々のセンサーから収集されるデータと他のデータを融合して、リアルタイムな分析を支援することができます。

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そこで富士重工業は、日本IBMと協力して、アイサイト等の先進安全システムの膨大な 実験映像データを集約して統合的に管理するシステムを構築し、2016 年4 月から運用を開始した、ということです。

この管理システムを利用すれば、開発者が必要とするシーンの実験映像データの検索や解析が容易になり、より高度な運転支援技術の開発効率を大幅に向上できる見込みです。

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さらに今後は「IBM Watson Internet of Things (IoT) for Automotive」を活用した新たなシステムの構築なども検討するとのこと。

今回の発表は、自動車メーカーの富士重工業とIT系の日本IBMの協業が明らかになった形で、業界を超えた協業関係の行方に注目が集まっています。

(山内 博・画像:富士重工業)

アイサイトの視力はかなりいい!? 濃霧でもキッチリ作動!【モーターファンフェスタ2016】

モーターファンファンフェスタの会場では、様々な体験型コンテンツが催されていました。スバルからは、お馴染みの「スバル ぶつからないクルマ?体験コーナー」が設置されていました。

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クリッカー読者の皆様には、もはや説明の必要もないかもしれませんが、アイサイトのぶつからない技術とはどういったものなのか?簡単に機能の説明をしましょう。

●プリクラッシュブレーキ【ぶつからない技術】

クルマや歩行者等への衝突の可能性が高いとアイサイトが判断した場合、警告音と警告表示によって運転者の注意を喚起。回避操作が行われない場合、対象との相対速度が50km/h(Ver.2は30km/h) 以内であれば自動ブレーキを作動させて衝突の回避、被害の軽減を行います。また、運転者がブレーキを操作した際はブレーキアシストが作動しドライバーのブレーキ操作をアシストします。

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このほかにも、全車速追従機能付きクルーズコントロール【ついていく技術】、アクティブレーンキープ【はみださない技術】、AT誤発進抑制制御/AT誤後進抑制制御【とびださない技術】、先行車発進やふらつき、車線逸脱などを警報と表示でドライバーに警告する【注意してくれる技術】などがアイサイトの主な機能となっています。

このアイサイトの機能の中でも、プリクラッシュブレーキ機能は交通事故の被害軽減に役立つ機能として、非装着車比で約6割の事故率の低減となっていることもメーカーのデータとして公表されています。

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しかし、このアイサイトにも弱点があります。カメラを使用しているため、対象物の認識精度は高いものの、逆光や視界不良といった人間の目でも苦手とする環境は、対象物の認識がしずらい、またはできない場合があります。

この場合には、自動的にシステムがオフとなり、ディスプレイにアイサイトの作動が停止していることをドライバーに知らせます。

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しかし、アイサイトVer2からVer3へ進化しカメラのカラー化や視野角の拡大などにより、逆光でもロストすることが減り、西日の強い時間帯でも機能が停止することは少なくなりました。

とはいえ、濃霧や豪雨などでは物理的に前方が見えないためにシステムが停止することがあります。

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モーターファンフェスタの天候は途中濃霧に包まれ、体験イベントは中止かと思いきや、なんと長蛇の列!2台のレヴォーグがお客さんを乗せ、イベントを続行していました。

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その霧の濃さは、実際の運転環境であれば、運転を躊躇してしまうほどの濃霧となっていました。

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そんななかでもプリクラシュブレーキはしっかり作動。アイサイトの認識精度の高さに驚かされるばかりでした。

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アイサイトはあくまで運転支援システムであり、アイサイトだけに頼った走行はくれぐれもしないようにしていただくのが大前提です。しかし、万が一に備えるための装置としては、世界トップレベルの性能であることを改めて実感しました。

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日常的にアイサイトを使用している筆者としては、ぜひ多くの人に体験してそのシステムを理解してほしいと思います。

まだアイサイトを体験したことのない人は、こうしたイベントやディーラーなどで体験することを強くおススメします。

(井元貴幸)

新型インプレッサに込めたデザインとは?

「スバル グローバル プラットフォーム」を採用する第1弾モデルであるスバル・インプレッサ。

全長4625×全幅1777×全高1465mm(セダン/北米仕様)というサイズは、先代モデルから全長が45mm長くなり、全幅は37mm広くなっており、10mm下がった全高以外はひと回り大きくなったといえるでしょう。

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見どころのひとつがデザイン。スバルが新たに掲げるデザインフィロソフィーの「DYNAMIC×SOLID」の第1弾でもあります。

スバル商品企画本部 デザイン部の部長である石井 守氏によると、新型インプレッサは「DYNAMIC×SOLID」という大きな考え方を元に、「スポーティ&アドバンス」というコンセプトも掲げられているそうです。

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外観は美しさを重視し、フロントからサイド、リヤにかけて流麗で躍動感と塊感のある骨格として、37mm拡幅されたことでサイドはホイールをより外にあるように感じさせ、スタンスがよく絶対にロールオーバーしない安定したカタチとしています。

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大きく張り出した前後ホイール(ハウス)は、どこにも出かけられそうな雰囲気とし、サーフェイスは躍動感と塊感を象徴的に扱うものを模索した結果、コンセプトカー「VIZIV」などから引き続き「V」の字を進化。

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フロントマスクにもスバル全車共通のモチーフが採用されていて、それが「ヘキサゴングリル」とヘッドランプの中にある「コ」の字の表現。「セットでスバルの顔」だそうで、スバルが掲げる「安心と愉しさ」を演出されています。

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「ヘキサゴングリル」については、スバルの成り立ちである6つの会社ひとつの角に表現し、ハニカム構造も安心感につながるものとしています。

また、「コ」の字の表現には、中島飛行機のDNAが注入されているそうで、当時作っていた飛行機のレシプロエンジンである「栄」や「誉」などの星型エンジンのコンロッドやピストンも表現されているとのこと。

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インテリアでは、スバルの骨格のモチーフを使いながら質感を向上させているのがポイント。

なお、カップルディスタンスが10mm拡大し、フロアコンソールも広がったことでレイアウトの自由度や質感向上にも寄与しているようです。

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最近のマツダなどもデザインのストーリーを語るようになっていますが、走りだけでなくデザインも雄弁に語るものとしているのは、聞いていて楽しくなる気がします。

(文 写真/塚田勝弘)

【関連記事】

■「SUBARU GLOBAL PLATFORM」第1弾の新型インプレッサはどんなクルマなのか?
http://clicccar.com/?p=368116

■新型スバル・インプレッサはサイズ拡大で広さはどうなったか?
http://clicccar.com/?p=368145

新型スバル・インプレッサは、サイズ拡大で居住性・積載性が向上

新型スバル・インプレッサ(北米仕様)は、現行モデルと比べて、全長+45mm、ホイールベース+25mm、全幅+37mmと拡幅され、全高は10mm低くなっています。ホイールベースは4ドアセダンも5ドアも同値の2670mm。

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全長4625×全幅1777×全高1455mmというセダンのスリーサイズは、Cセグメントのベンチマークと誰もが認めるところのフォルクワーゲン・ゴルフ(全長4265×全幅1800×全高1460mm、ホイールベース2635mm)と比べても、全長は360mmも長く、Cセグメント系のセダンであるアウディA3(全長4465×全幅1795×全高1405mm)よりも160mm長くなっています。

実車を見るとずいぶん長いと感じましたが、セダンの全長はBMW3シリーズと同値の4625mmですから当然かもしれません。

なお、日本で人気を集めると思われる5ドアは全長4460mmで、Cセグのハッチバックとしては長めで、A3セダン並。

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こうしたサイズアップの恩恵は、デザイン、そして衝突安全性などに活かされているほか、居住性、積載スペースの大きさにも表れています。

身長171cmの私が前席に座ってドライビングポジションを合わせると、シートの着座位置は低く感じるものの、前方やサイドの視界は良好で、天井が10mm下がったことによる圧迫感も抱かせません。

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そのまま後に座ると、膝前にこぶしが縦に2つ強入る余裕があり、頭上もこぶし1つ程度のクリアランスが残っています。

ホイールベース延長などにより後席フットスペースの拡大は明らかで、室内高も全高が10mm下がったことを感じさせないもの。

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荷室容量(VDA)など正確なスペックはまだ公表されていませんが、トランクの広さも印象的で、ワイドかつ奥行きも十分に確保されています。

奥行きは冒頭で紹介したBMW3シリーズ並の全長などが活かされているはずですが、荷室の高さ、そして開口部もワイドで積載性はかなり高そうです。

(文/写真 塚田勝弘)

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■「SUBARU GLOBAL PLATFORM」第1弾の新型インプレッサはどんなクルマなのか?
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往年のWRカーやスバル1000が富士を走った!【モーターファンフェスタ2016】

2万人もの来場者を迎えた「モーターファンフェスタ2016」。

4月24日の富士スピードウェイには数多くの自動車メーカーや、ショップなどが出展し、様々なコンテンツで来場者が一体となって楽しめるイベントが数多く催されました。

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5周年を迎えるクリッカーの読者の皆様はスバリストの方やスバルファンの方も多く、今回のイベントに、残念ながら足を運べず、スバルブースが見たかった!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方々や、会場でスバルブースを見逃した!という方、もう一度あの興奮を!という方のために、クリッカー・スバル担当の筆者が、モーターファンフェスタのスバルブースやスバルのコンテンツをレポートします!

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スバルブースでは「ニュルブルクリンク24時間レース2013年参戦車両」、STIコンプリートカーの「S206 NBRチャレンジパッケージ」と「S207 NBR チャレンジパッケージ」、さらに往年の名車「スバル1000」と「インプレッサWRC 98 ラリーサンレモ仕様」が展示されました。

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S206やS207は実際に車内に乗り込むことができ、Sシリーズの進化の過程や実際のシートのすわり心地などが体験できました。

市販モデルとはいえ、限られたオーナーだけが味わえる空間を満喫できるのは貴重なひとときだったのではないでしょうか。

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スバルブース内でもひときわ注目を集めたのが、名車「スバル1000」とWRカー「インプレッサWRC 98」の展示。

今回のモーターファンフェスタでは、他のメーカーやオーナーカーからも数多くのクラシックカーが出展されていましたが、1966年に登場したスバル1000は、今年で50周年を迎えるスバルの水平対向エンジンの歴史では欠かせない存在といえます。

スバル初の量産水平対向エンジン搭載車であるスバル1000は、インボードブレーキやダブルオフセットジョイントなど、FF化のために惜しみなく当時の最新技術が取り入れられたクルマとして、今も名車として語り継がれるスバルの歴史を語る上で欠かせないクルマです。

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そして、もう一台注目のクルマといえば、1998年にWRCで活躍したインプレッサWRC 98。展示されたマシンは98年のサンレモラリー(イタリア)に、故コリン・マクレーが実際にドライブしたマシンです。

ゼッケン番号やナンバーも当時のままで、18年前にWRCの最前線で活躍したマシンに当時のファンは歓喜の対面となりました。

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この歴史的に価値のある注目の2台が、富士スピードウェイの国際レーシングコースを走行!

これには数多くのスバルファンが大興奮しました。この記念すべき瞬間をクリッカーはスバル1000に同乗させていただき独占取材させていただきました!

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スバル1000は、普段からSKCで欠かさずメンテナンスを行なっていることもあり、快調なエンジン音と共にピットを出ます。

しかし、ピットレーンでインプレッサWRC98とともに、出走を待つ間にエンジンストール!

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昭和40年代のクルマにアイドリングストップがついているわけもなく、思わず緊張が走ります。

刻々と変わる天気などで、エンジンがへそを曲げるというのは最近のクルマでは考えられませんが、キャブレター式のエンジンを搭載する昭和のクルマではよくあるケースで、クルマの機嫌を伺いながら対話して走っていた時代を、緊張感たっぷりの状態で味わうこととなりました(笑)

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待機していたピットレーン脇のチームの方々の協力などにより、ぎりぎり出走直前にエンジンが始動!無事にコースに出ることができ、インプレッサWRカーとのランデブーを披露しました。

2台はコースを1周したのちグリッドウォークで、数多くの来場者の目を楽しませました。

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これからの自動車文化を語る上でも、スバルの歴史を語る上でも欠かせないこの2台。

三栄書房の様々な雑誌、メディアの周年祭となったモーターファンズイヤーとなったこのイベントで、水平対向エンジン50周年というスバルにとっても記念すべき年であるということを記憶に残してくれる感慨深いイベントであったといえるでしょう。

(井元 貴幸)

新型インプレッサ・セダンのトランクはゴルフバックを積み込みやすいスペースを確保

2016年秋に発売予定という次期スバル・インプレッサ。先日、日本でもお披露目されました。

発売まで時間があるということで、環境性能などの詳細については公表されていませんし、安全装備についても詳細不明。披露された車両についてもアイサイトを装備しない左ハンドル仕様となっていたほどです。

そのため、日本でのお披露目ではパワートレインはシークレットでしたが、トランクは開けて確認することができました。

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限られた時間だったためにスペースを計測することはかないませんでしたが、ひと目で開口部が広く、ラゲッジも余裕たっぷりであることが見て取れます。

平均的なゴルフバッグであれば斜めにするなど工夫しなくても、横にしたまま積み込めることを考慮した使い勝手を実現しているといいます。

「これだけのラゲッジを確保しているということは、まさか前輪駆動ですか」といって、フロアを覗き込み、シンメトリカルAWDであることを確認するメディア関係者も出てくるほど、インプレッサとは思えない広さを体感させてくれるのでした。

後席は前に倒すことができ、ハッチバックよりも広いラゲッジ床面積を確保していることも期待させる、次期インプレッサ。

かつてインプレッサといえば、4ドアセダンを基本としたラインナップだった時代もありますが、新型においてもセダンの存在感を増してくることが期待されます。

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●次期インプレッサ(北米仕様)車両寸法 ※()内は現行型との差
全長:4625mm (+45mm)
全幅:1777mm(+37mm)
全高:1445mm(-10mm)
ホイールベース:2670mm(+25mm)

(写真・文 山本晋也)

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レッドゾーンが下がる?次期インプレッサは直噴エンジン搭載。
http://clicccar.com/2016/04/24/368324/

スバル次期インプレッサが日本に凱旋。後ろ姿に空力の秘密あり
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スバルの次世代プラットフォームにより目指す「世界最高水準の安全性能」
http://clicccar.com/2016/03/15/359240/

新型インプレッサが示す「次世代スバル・デザイン」とは?
http://clicccar.com/2016/03/18/359853/

レッドゾーンが下がる?次期インプレッサは直噴エンジン搭載。

2016年のニューヨークオートショーで世界初公開された新型インプレッサが日本でも公開されました。まずはスタイリングやインテリアの手触りなどを日本のメディアに伝え、2016年秋の発売に向けた情報発信を始めたというわけです。

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新世代の「スバル・グローバル・プラットフォーム」を採用する次期インプレッサ。現時点ではエンジンについて『新開発の2.0リッター水平対向”直噴”エンジン』と発表されているのみで、詳細は今後のお楽しみとなっています。

とはいえ、展示された試作車にはエンジンが載っていて、きちんと自走できる模様。メーター表示を見れば、タコメーターのレッドゾーンは6200〜6300rpmあたりから始まっていることが確認できました。

ちなみに、現行インプレッサが積むポート噴射の2.0リッターエンジンのレッドゾーンは6500rpmからですから、少々低回転指向に振った高効率エンジンのよう。

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現在、スバルの直噴エンジンは、独自に仕上げた直噴ターボと、トヨタと共同開発の86/BRZ用の直噴&ポート噴射の2種類となっていますが、レッドゾーンから想像するに、いずれとも違う方向性のエンジンとなっていると思われます。

新世代プラットフォームを採用する次期インプレッサですが、ボディサイズが拡大することもあり、大幅に軽量化するということはないといいます。

それでいて、レッドゾーンが低回転に振られているということは、トルク型で扱いやすいパワートレインになっていると予想されるのです。

もちろん、燃費など環境性能についても新世代にふさわしいレベルとなっていることが期待できる新型エンジンとなりそうです。

(写真・文 山本晋也)

スバル次期インプレッサが日本に凱旋。後ろ姿に空力の秘密あり

2016年3月のニューヨークオートショーにおいて世界初公開された、次期型スバル・インプレッサが日本のメディア向けに公開されました。

これまで、ほとんどを国内で生産して輸出していたインプレッサですが、新型から北米向け車両に関してはアメリカ・インディアナ州の工場にて生産するということで、国内ユーザーへのアピールを意識したお披露目といえそうです。

もちろん、日本向けは国内生産になります。

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日米で、2016年秋ごろに発売開始となる新型インプレッサ。

見ての通り、スバルらしさを強めながら確実な進化を加えたスタイリングとなっています。そうした点について、スバル商品企画本部 デザイン部の石井 守 部長がプレゼンテーションを行ないました。

スタイリングとしてのデザイン面のキーワードは「構え」、「カタマリ」、「面構成」というもので、カタマリを削り出したかのような面が各部に感じられるのが特徴となっています。

たとえば、リヤバンパーサイドの形状でも、そうした思想は感じられます。しかし、これは見た目のためだけではなく、空力特性を狙った本質的なデザインというのが、新型インプレッサにおけるデザインの進化といえるのだそうです。

また、パッケージングとして視界の広さをうたうスバル車ですが、新しいインプレッサでは、後方視界を十分に確保しながらトランクのハイデッキ化(従来比27mm)を実現しています。

これらの空力的なアプローチにより、ボディ後方での乱流を低減、収束する場所を離すことで車体が後ろに引っ張られる力を低減。ボディをワイド化しつつも、全高を下げることにより全体としての空気抵抗を減らしているということです。

ディテールでは、ドアミラー下部に絞り込んだ形状を採用することで、空力改善と、ミラー面へ雨粒がつくのを防ぐ効果も狙ったという新型インプレッサ。

空力について、あらためてデザイナーが意識を高め、生み出したスタイリングというわけです。

(写真・文 山本晋也)

「童夢-零」「ジオット・キャスピタ」幻のスーパーカーが2台も来る!【4/24 モーターファンフェスタ】

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シルバーが童夢-零、後方2台が北米での認証のために開発されたP-2。今回展示されるのは零。

この週末(4月24日)に富士スピードウエイで開催される、モーターファンフェスタ。そこにはお宝もののクルマが沢山展示されるのですが、なんとあんなクルマも登場する予定なのです。

それは「童夢-零」そして「ジオット・キャスピタ」です。どちらも写真のとおり、まさにレーシングカーやスポーツカーといった出で立ちです。

 

これはいずれも童夢が開発したクルマですが、単なるコンセプトカーというのではなく、市販を前提していてクルマだったのです。”零”は1978年に日本初のスーパーカーとして大注目されました。また、”キャスピタ”は1989年にふたたび市販化の夢を掲げて開発されたモデルで、まさにグループCカーのスタイルでした。

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こちらがジオット・キャスピタ。エンジンはもともとは、水平対向12気筒でした。

 

いずれも市販化は実現されませんでしたが、スーパーカーの夢を実現しようとした2台として、非常に注目されるクルマです。なかなか一般に公開されることも少ないので、この週末この週末、4月24日はぜひとも富士スピードウエイに見に行ってみませんか。入場無料(駐車料金別途)です。

(MATSUNAGA, Hironobu)

【妄想ドライブデート】藤木由貴と蓼科へ、レヴォーグに乗って

木の芽が膨らみかけたころ、彼女と2人、蓼科へドライブへ出かけた。妄想ドライブデート、今日の彼女は今一番ホットなレースクイーン藤木由貴ちゃん!

■妄想ドライブデート、今回の彼女「藤木由貴」

デートの相手は藤木由貴ちゃん。

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涼やかな目元に、ショートカットが良く似合う。

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「2人きりって初めてだね♡ 今日はどこに連れていってくれるの?」

笑うとドキッとするほどあどけない彼女のプロフィールは…

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藤木由貴(Yuki Fujiki)
モデル・レースクイーン
・静岡県出身
・1992年9月27日生まれ
・T160・B80・W61・H86cm

好きな食べ物は?
「焼肉、お寿司、抹茶!」

デートに行くなら、どんな場所?
「水族館や動物園とか、好きかも?」

好きなタイプは?
「温厚な人。カフェが好きだから、一緒に行ってくれると嬉しいな」

実はクリッカーと由貴ちゃんの縁は深い。

彼女は、PONOS日本レースクイーン大賞2015でclicccar賞を受賞しているのだ。デビュー間も無い彼女は清らかな雰囲気と、健康美溢れるプロポーションで僕らを魅了した。

その後、彼女は瞬く間に人気者に。今や押しも押されもせぬトップレースクイーンとなった。

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由貴ちゃん。君とデートできるなんて、死ぬほど光栄です!

■今日の相棒「レヴォーグ」

由貴ちゃんを乗せてドライブデートなら、このクルマ。

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スバル・レヴォーグ。今日はこの1台を相棒に、彼女を迎えに行く。

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「ブルーのクルマに白い内装って、爽やかで可愛い!」

なんでこのクルマを選んだかといえば、今日の行き先が蓼科であること、そしてやっぱり僕が由貴ちゃんが大好きだからだろう。

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蓼科は山間の別荘地。

木々の間をすり抜けるように山道を走る。スポーツツアラーであるレヴォーグは、単なる乗り心地の良さ以上に、ドライブの楽しさや爽快感をたっぷり感じさせてくれる。

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ダイナミックさと上質さが同居するエクステリアは、信州のしっとりした風景にピタリとはまる。

そして安全性能だ。スバルならではのEyeSight(ver.3)は「走る」「止まる」だけではなく「曲がる」領域にまで進化。

「アドバンスドセイフティパッケージ」も投入されていて、ハイビームアシストやサイドビューモニターなど全方位的に安全をサポートしてくれる。

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「知らない機能がたくさんあってビックリ。イマドキのクルマってすごいんだね!」

比類ないこの安全性能は、彼女にも、そして彼女をエスコートする僕にも安心を与えてくれるはずだ。

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このレヴォーグとともに向かったのは、ジビエの名店、絵画の舞台になった美しい池、そして秘湯。

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どんなデートになったのか、そして由貴ちゃんのますます可愛すぎる画像は、その2をお楽しみに!

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「あのモデル」も正式発表!スバル・レヴォーグが年次改良を実施。

スバリスト目線でチェック。ここが変わった!新型WRX

スバルから新型WRXシリーズの改良が発表されました。

スバル車に詳しい人であれば、恒例の年次改良で、アプライドモデルと呼ばれる年改記号から今回の改良モデルは「C型」と呼ばれるモデルとなります。

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今回の改良はインテリアの質感と静粛性を向上し、商品力を強化したそうですが、具体的な内容を見ていきましょう。

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プレスリリースにも謳われている「インテリアの質感と静粛性の向上」ですが、ルーフトリムの素材が従来の不織布からトリコットに変更することで、インテリアの質感を向上しているそうです。

不織布とは繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもので、クルマの内装材のほかトートバッグなどにも使用されている素材です。

一方今回採用されたトリコットは、WRX S4のGT EyeSightのシートにも使用されている素材で、質感の向上に大きく期待できる部分といえます。

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また、静粛性の向上ではリヤワイパーブレードの形状を空気抵抗の少ないエアロタイプの形状とすることで、不快な風切り音を従来型比で85%低減しているとのこと。リヤワイパーの形状変更は昨年のレガシィB4の改良でも採用されています。

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ほかにもフロントドアガラスの室内側ショルダー部ウェザーストリップを2枚化することで風切り音やロードノイズといった室内への透過音を低減し、静粛性を高めるなど、より高い質感を実現する仕様となっているそうです。

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昨年の改良、いわゆるB型の登場時にアドバンスドセイフティパッケージやWRX S4にサンルーフのOP展開、245タイヤ仕様の追加など充実した改良が行なわれましたが、今年の改良では細部を見直し、さらに質感の向上が進化したといえるでしょう。

スバルのスポーツフラッグシップであるWRXシリーズ。S4だけでなくSTIでも質感が向上している点にも注目です。

スバルオフィシャルサイト:WRX S4 / WRX STI

(井元 貴幸)

スバル・WRXが3年目のマイナーチェンジ。キャビンの静粛性をアップ

富士重工業は、2.0リッター水平対向ターボエンジンを搭載するAWDスポーツセダン「スバルWRX S4/STI」に、3年目のマイナーチェンジ(年次改良)を実施。2016年5月11日より発売することを発表しました。

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エクステリアでの変更点はリヤワイパーブレードの形状です。空気抵抗の少ないエアロタイプの形状とすることでリヤワイパーによる風切り音を従来比85%低減しているということです。

また、フロントドアガラスの室内側ショルダー部ウェザーストリップを2枚化することで風切り音やロードノイズを低減し、キャビンの静粛性を高めることで、スポーツサルーンとしてのキャラクターを強めています。

インテリアでは、ルーフトリムの素材を従来の不織布からトリコットに変更しインテリアの質感を向上させるなどしています。

グレード構成は、これまで同様のS4(CVT)、STI(6MT)ともに2グレードを設定。

メーカー希望小売価格(消費税込)は、次の通りとなっています。

WRX S4 2.0GT EyeSight:334万8000円
WRX S4 2.0GT-S EyeSight:356万4000円

WRX STI:379万800円
WRX STI Type S:411万4800円

(山本晋也)

スバルWRX S4/STIが一部改良で静粛性を向上、気になる価格は?

クルマの騒音は、パワートレーンが発生源となるものや、タイヤのロードノイズやパターンノイズ、風切り音などいくつもの要因が積み重なっていますが、最近はハイブリッドやEVなどだけでなく、ガソリンやディーゼルエンジン車などパワートレーン由来に代表される騒音がかなり抑えられています。

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「何かが静かになると、ほかの音が気になっている」というのは、音・振動対策担当者を悩ませる問題で、最近ではとくに風切り音が大きな課題となっています。

5月11日から発売される、スバルWRX S4/STIの年次改良モデルは、この風切り音低減がひとつのテーマです。

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早くも発売から3年目を迎えるスバルWRX S4/STIは、インテリアの質感、そして静粛性の向上がトピックス。質感向上のメニューとして、ルーフトリムの素材を従来の不織布からトリコットに変更されています。

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また、リヤワイパーブレードの形状を空気抵抗の少ないエアロタイプの形状とすることでリヤワイパーによる不快な風切り音を従来型比で85%も低減。どういった工夫が施されているのか詳細は分かりませんが、それだけでリヤワイパー由来のノイズが大きく低減されるとは驚き。

さらに、フロントドアガラスの室内側ショルダー部ウェザーストリップを2枚にすることで風切り音やロードノイズといった室内への透過音を低減し、静粛性を高めるなど、走りの面でもクオリティアップが図られています。

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改良後モデルの価格は、改良前と変わらず据え置きで、「WRX S4 2.0GT EyeSight」が334万8000円、「WRX S4 2.0GT-S EyeSight」が356万4000円、「WRX STi」が379万800円、「WRX STI Type S」が411万4800円です。

(塚田勝弘)【関連記事】

「あのモデル」も正式発表!スバル・レヴォーグが年次改良を実施。
http://clicccar.com/?p=365929

富士重工業が日本カヌー連盟にレガシィ・アウトバック、クロスオーバー7、スバルXVを提供

ニューヨーク国際自動車ショーで初めて披露された新型インプレッサを皮切りに、新プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM(スバルグローバルプラットフォーム)」に移行するなど話題のスバル。

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ブランドの根幹であり、魅力のひとつとして、シンメトリカルAWDによる高い悪路走破性が上げられますが、富士重工業が日本カヌー連盟に協賛を開始し、大会運営を支える公式車両として、レガシィ・アウトバック、クロスオーバー7、スバルXVが提供されることになり、富山県にて行われた「第39回NHK杯全日本カヌースラローム競技大会」で贈呈式が行われました。

様々なアウトドアスポーツの中でカヌーは、カヌー本体だけでなく、パドルやヘルメット、ウェア、さらに多様なメンテナンス品など多種大量な物品を運ぶ必要性があり、クルマが欠かせないスポーツ。

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レガシィ・アウトバックをはじめとするスバル各モデルは、高い走行性能とユーティリティを活かし、日本代表選手をはじめ日本カヌー連盟の活動をサポートしていくとしています。

0302河川敷や林道などの未舗装路を走ることが多そうなカヌーですが、カヌー愛好者などの目に触れる機会があるはずで、スバルの魅力をアピールする格好の公式車両となりそうです。

(塚田勝弘)【関連記事】

■高い旋回性能とトラクションを誇るスバル・シンメトリカルAWD「VTD-AWD」の利点とは?
http://clicccar.com/2016/03/19/360049/

■スバルの「シンメトリカルAWD」の強みとは何か?
http://clicccar.com/?p=359616

■アクティブトルクスプリット式を採用するスバル「シンメトリカルAWD」の走りとは?
http://clicccar.com/?p=359705

「あのモデル」も正式発表!スバル・レヴォーグが年次改良を実施。

1.6リッター、2.0リッターの水平対向直噴ターボエンジンを搭載するスポーツツアラー、「スバル・レヴォーグ」が熟成の年次改良を受けて、2016年6月10日より発売開始となることが発表されました。

パワートレインなどの変更はアナウンスされていませんが、見えない部分での安全性能向上がポイントといえる改良となっています。

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安全性における具体的な改良点は3つ。

前面衝突時に瞬時にシートベルトを巻き取り、乗員を拘束するシートベルトプリテンショナーを左右リヤシートにも採用。リヤシートのクッションも安全性の高い構造に改良するなど、後席の乗員保護性能を向上させています。フロントドアにアッパービームを追加し、側面衝突への対応も強化している点も見逃せません。

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また、今回の改良ではグレード構成が見直されています。

全車にアイサイトは標準装備となるのは従来通りですが、1.6リッター車では特別仕様車として設定されていた「S-Style」がカタログモデルとなりました。一方、2.0リッター車は「GT-S」だけのモノグレード設定となっています。

そして、1.6GT EyeSightには、ガンメタリック塗装と切削光輝を組み合わせた新デザインの17インチアルミホイールを採用。1.6リッター、2.0リッターのGT-Sグレードには、華やかな印象となる「ブライトパール内装」をメーカーオプションとして新設定しています。

フロントドアガラスの室内側ショルダー部ウェザーストリップを2枚化により室内への透過音を低減。リヤクォーターガラスの板厚アップやカーゴルームの吸音材追加等で静粛性を高め、室内の質感と快適性を高めているのも改良点として挙げられています。

さらに注目のニュースは、STIモデルの追加設定について正式発表された点といえましょう。

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詳細は発表されていませんが、レヴォーグに対してSTI(スバルテクニカインターナショナル)が味付けした最上級グレードが登場するということです。

発売予定は2016年夏、スバリストにとって大注目の一台となりそうです。

(山本晋也)

【モーターファンフェスタ】アイサイトも体験! ラリーから先進安全までスバルの今昔が見られる!

2016年4月24日、富士スピードウェイにて開催される「モーターファンフェスタ」は、創刊90周年という『モーターファン』誌からローンチから5周年のWEBメディア『クリッカー』まで、三栄書房が関わるメディアやイベントのアニバーサリーが多数重なっている”モーターファンズイヤー”を記念した一大イベントです。

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その「モーターファンフェスタ」における富士重工業(スバル)の出展内容が明らかとなりました。

まず、史上最大のグリッドウォーク参加車両として、「インプレッサWRカー(1998年)」 と「スバル1000(1966年)」の2台が参加します。

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また、ピットエリアには STI(スバルテクニカインターナショナル)が耐久レースマシンである「WRX NBR2013参戦車」に加え、いまや幻といえるSTIコンプリートカーである「S206」、「S207」を展示します。

そのSTIブースでは、来場者へ数量限定で、NBRクリアファイルや新型フォレスターミニカー等のノベルティグッズの提供も予定されているといいますから、スバリストなら見逃せません。

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さらに、スバルが他社をリードする特徴的な先進安全技術「アイサイト」を体感できる「スバル ぶつからないクルマ?体感コーナー」 も用意する予定となっています。低速からのプリクラッシュブレーキをレヴォーグで実体験できるというのも貴重な機会となりそう。この体験コーナーでも、アンケートなどに回答することでノベルティグッズが貰えるということです。

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スバル、世界一スリリングなタイムアタックに3度目の挑戦を発表!

スバルが世界一危険とも言える公道サーキットに挑戦します。

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スバルとレーシングファクトリーでお馴染みのプロドライブが現行のWRX STIをベースに製作したタイムアタック専用車で、オートバイレースで名高い「マン島」を駆け抜ける非常にチャレンジングなものなのです。

MAP(写真はwelt-atlas.deより)

マン島のコースはオートバイレース「マン島TT」使用される島の外周コース、1周60.7km、200を超えるカーブと海抜0mから396mという高低差が激しい「公道」です。
路面のコンディションも褒められたものではなく、ほんの僅かのミスが言葉通り「命取り」になってしまいます。

スバルは、そんな危険を承知の上で、英国ラリードライバー、マーク・ヒギンズの腕に全幅の信頼を置き、2011年と2014年にWRX STIの市販車にレース用安全装備を追加し、2回とも成功しています。

そして今年は、現行のWRX STIをベースにプロドライブ社がツーリングカー選手権クラスのモデファイを施した「マン島トライアル専用車」で2014年の記録19分26秒(平均速度187.3km/h)の更新だけではなく、同年のマン島TTでホンダCBR1000RRを駆るブルース・アンスティが記録したレコード17分6秒682を狙うぐらいの意気込みをこの純白のマシンから感じ取れます。

[nextpage title=”スペシャルなWRX STIを紐解く!”]

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この「マン島スペシャルカー」は、エンジン、ミッションに関しては、市販車のものをそのまま使用していると思われます。

足回りはマン島専用のサスペンション、ダンパーが与えられ足元はレーシングスリックタイヤを履かせるあたり本気度が伝わります。ボディは、内装に関しては快適装備はすべて外され、サイドウィンドウも固定のアクリル製に交換されています。そしてレーシングカー同様にドライバーの保護と剛性アップの極太ロールゲージで強化されています。

エアロダイナミクスは、長時間のトライからくる熱対策の為と安定した高速走行を可能とするため開口部が拡大され、ボンネットにもダクトが追加されています。

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リアは大きなリアウイングが目立ちます。瞬間的には270km/h近い速度が出るのでマシンを確実にマン島から離さないようにしなければならないのです。マシン下部もおそらく空力をかなり意識したカスタマイズが施されているはずです。

本番は、5月28日〜6月10日の間に開催される「マン島TTレース2016」の間です。一体どれだけのタイムが出るのか、その走る姿を想像しただけでゾクゾクしてしまいます。

(栗原 淳)

スバルの工場見学ツーアの第2弾では歴史的な”あの”場所も公開!【スバルアクティブライフスクエア】

2016年3月21日に群馬県太田市にある富士重工業 群馬製作所 矢島工場と本工場にて、「スバルスピリットにふれる!工場見学ツアー」の第2弾が開催されました。

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前回の工場見学もクリッカーではツアーに同行し、その充実したツアー内容に驚かされるばかりでした。第2弾となる今回も前回同様の充実した行程となっていました。

特に、あらたに見学コースが追加され、さらなるパワーアップでより魅力的な内容となっていました。

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基本的なコースは前回同様、工場の歴史やスバルの歴史を学ぶプレゼンテーションを実施。わかりやすいスライドとともに解説されます。

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その後は昼食の時間となりますが、前回同様ここでしか買えないアイテムの物販も同時に行なわれました。

今回はスバルオリジナルグッズのほかに、群馬の名産品「やまといも」も販売されました。

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午後はバスに乗り、矢島工場から本工場へ移動。

まずはサプライズプログラム第一弾!衝突試験を見学します。今回は試験車両にフォレスターを使用。すでに発売中のモデルということもあり、今回は助走路や衝突後のフロント部分も見ることができました。

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前回の工場見学ではスポーツカーのBRZが使用されましたが、今回はSUVのフォレスターということもあり、その車重の違い(BRZは車両重量約1200kg、フォレスターは約1500kg)もあり、衝突時の音の大きさがかなり異なりました。

フォレスターはかなり音が大きく、参加者の多くが後ろにのけぞるシーンも見受けられました。試験後には富士重工業 車両研究実験第二部の渡森さんから、衝突時の安全性や参加者からの質問を受け付けるコーナーも設けられました。

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衝突試験を見学した後は、サプライズプログラムの第二弾、戦前からある本工場の建物を外部から見学。

航空機を製造していたという建物は、飛行機を出し入れするための大きなスライド式の開閉扉がいまでも残っており、これをバスの車内から見学。残念ながらいまではこの扉の開閉はできませんが、その名残は外部からわかるようになっています。

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続いては、昭和9年に建造されたという本工場本館を見学。こちらはバスを降り、実際に館内の応接室などを見学しました。

この応接室には昭和天皇もお迎えしたことのある由緒正しい部屋。暖炉部分にあるコンセントは、当時から電気ストーブを使用していた名残りであることが明かされ、当時としては最先端の施設であることを物語っています。

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室内には当時からそのまま使われているというカーテンボックスの装飾やついたて等もそのまま使用されており、歴史を感じる重厚な印象をうけました。

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館内はほかにも歴史を感じることのできる部分が数多くあり、中島飛行機時代から受け継がれる長き歴史を「建造物」といカタチで触れることのできる貴重な場所といえるでしょう。

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建物外部では中島飛行機時代の象徴ともいえる㊥マークの入ったマンホールを見ることもできました。

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本館の見学後は再びバスに乗り、矢島工場へ戻ります。

続いてはトリム工場やプレス工場などを見学。トリム工場の見学にはサンラックと呼ばれる専用車にて移動します。こちらはプラグインステラEVを改造したクルマで、吉永社長も見学に使用したVIP専用車です。

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今回はトリムラインの見学中にも、窓枠の接着剤の解説やパーツが納められる専用ラックの細かい説明などが加えられ、こちらもよりパワーアップした内容となっていました。

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コースの最後は矢島工場の見学施設「スバルビジターセンター」で、締めくくられました。

ビジターセンターでの見学も、記念撮影用の小物などが新たに用意され、スバルの名車たちの前で記念撮影をする参加者が多く見受けられました。

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最後は富士重工のデザイン部 主査の河内 敦さんから、デザインの今後の取り組みが語られたほか、工場についてのQ&Aのコーナーも設けられました。

日頃聞くことのできないエンジニアの貴重なお話や、クルマの製造という部分で、気になったところを直接メーカーの方から聞くことができる貴重な時間でした。

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今回の見学ツアーに参加した安藤貴史さんと吉田友紀子さんにお話を伺いました。

「何といっても衝突試験が一番よかったです。自分の愛車と同じフォレスターが衝突する様子はショッキングでしたが、衝突したらどのようにボディが衝撃を吸収するのか実際に見て学ぶことができました。また、プレゼンテーションでは古くから衝突試験の取り組みを行なっていたのは驚きでした。」見学ツアーのコンテンツについては「個人的にはプログラムが若干詰め込みすぎ感はありましたが、全体的には楽しめました!来てよかったです!」と語り、「エンジニアさんのお話も、デザイナーさんだけでなく、足回りやエンジン関連のエンジニアさんのお話も聞きたかったですね。もし可能であればテストコースの走行なども体験できるようなプログラムもあればよかったです」

と、さらなるパワーアップを望んでいるようでした。

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今回のイベントを企画した富士重工業のネクストストーリー推進室長の小島 敦さんと、同室 主事の平手 宏治さんのおふたりも実際にイベントに同行。直に参加者の生の声やイベントの進行をチェックしていました。今後の工場見学の予定は未定とのことですが、第3回はよりパワーアップした内容に期待が膨らみます。

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富士重工のネクストストーリー推進室が企画している様々な体験型イベントは「スバル アクティブライフスクェア」にて、随時参加者を募集しています。

アウトドアスポーツやモータースポーツ観戦など様々なプログラムを企画しています。こちらも是非チェックしてみてくださいね。

公式サイト:スバル アクティブライフ スクエア オフィシャルWEBサイト

(井元 貴幸)

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大人の社会科見学!スバルの工場見学が激アツだった【スバルアクティブライフスクエア】
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スバルがビジネスマン向けのアイサイト搭載のヘルメットを発表、してた!?

4月1日、スバルが社会人支援システム アイサイトを搭載したビジネスマン向けのヘルメットを発表しました!このヘルメットには、スバル自慢のステレオカメラを使用したEyeSight(Ver.Business)が搭載されています。

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ビジネスマンに必要とされる高いスキルをアイサイトで支援するという、画期的なヘルメットです。

主な機能をご紹介しましょう。

・会議でぶつからない技術(プリクラッシュブレーキ)

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会議中の危険な発言にブレーキを掛けることで、会議のスムーズな進行と不要な衝突を回避します。

・上司についていく技術(全業務追従機能付クルーズコントロール)

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判断の難しいついていくべき上司を自動で判断。全ての業務に追従することで円滑な業務を遂行することが可能です。

・出世コースをはみ出さない技術(アクティブレーンキープ)

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予期せぬ出世コースから外れてしまうことを予防。万が一認識した出世コースから外れそうな場合は警報で注意を促します。

・メールが飛び出さない技術(メール誤発進抑制制御)

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メールの添付忘れを防止。送信先を間違えた場合も警報によってお知らせします。

・居眠りを注意してくれる技術(警報&お知らせ機能)

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仕事中に散漫になりがちな注意力を監視、万が一居眠りをした場合は心地よい振動で周囲に悟られること無く起こしてくれます。

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各国での評価も「最高だね」を獲得!世界が認めたプリクラッシュセーフティを備えています。

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続々と寄せられる体験者の声!これはまさに次世代ビジネスマンの必携アイテムといえそうです。

[EQUIPMENT]

モデル名: アイサイト ver.Businessつき ヘルメット

メカニズム:ステレオカメラユニット/3D画像処理エンジン/画像認識ソフトウェア/人体制御ソフトウェア/プッシュスタート

内装:本皮内装(抗菌・消臭内装)/本革あご紐ベルト[自動巻き取り式]/ ウレタンイヤーカバー/USB電源(フロント2ヶ)/オートエアコン

外装:自動防眩シールド/マフラーカッター(デュアル)/ハイビームアシスト /LED4灯ロービーム+ハロゲンハイビームランプ/フロント&リヤフォグランプ/LEDリヤコンビランプ/オールウェザーパック[シールドデアイサー・スーパーUVカット シールド・撥水加工シールド]/大型リヤスポイラー/リヤバンパー/エアロダイナミクス

安全装置:ストレス軽減エアバッグ/ブレーキアシスト/ブレーキオーバーライド/ エマージェンシーストップシグナル

カラー:WRブルー・パール/ピュアレッド/クリスタルホワイト・パール(3,240円高)

サイズ:54.55-56.57-58.59-60.61-62

メーカー:望小売価格 13,110円

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これらはスバルがエイプリルフール用に発表したもので、残念ながら発売の予定はありません(笑)

WEBサイトのレイアウトや紹介文なども本家のアイサイトの紹介サイトを忠実になぞらえ、実にユーモアたっぷりの内容となっています。

しかし、ネタとはいえ、この高機能で1万3000円台とは破格のアイテム!もし実在したら爆発的に売れるでしょう!

主要装備もかなり細かく、本革内装や自動巻き取り式のあごひも、USB電源やオートエアコンまでも装備されるのは魅力的。ほかにも最新の技術で自動防眩シールドやストレス軽減エアバッグなど気になる装備も満載。

エクステリアもWRX STIに準じた仕様で大型スポイラーやLEDロービームなども装備(ハイビームがハロゲンというところがリアルですね 笑)、カラーは3色で実車同様クリスタルホワイトパールが有料色のようです。

各社エイプリルフールのネタが様々登場していますが、これはなかなかのヒットネタといえそうですね。是非本家アイサイトのWEBサイトと併せて見てください。その忠実さにきっと吹き出すはずです(笑)

WEBページ:社会人支援システムアイサイト(Ver.ビジネス)特設サイト(期間限定)

ちなみに、本家「運転支援システム アイサイト(Ver.3)はこちらです。

(井元 貴幸)

17年ぶりの一般開放!スバリストが全国からスバル研究実験センターに大集結!【スバル ファンミーティング】

栃木県 佐野市にあるスバル研究実験センター(通称:SKC)にて、スバルファンミーティングが開催されました。

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スバル研究実験センター(以下SKC)は、スバル車の開発を行なうための実験施設で、通常はスバルのトップシークレットとされる機密施設。

この場所に事前募集で当選した約1000台、2500名のスバリストが全国から集結しました。

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SKCでのイベントは1999年11月7日に開催された「SKC10周年記念イベント」以来実に17年ぶりの一般開放。通常は立ち入ることのできない聖域という事もあり、約3500組8500名もの応募があったそうです。

エビススバルビル(富士重工業本社)、富士重工業群馬製作所など、スバリストから聖地と呼ばれる場所はいくつか存在しますが、なかでもSKCは一般解放がほとんど行なわれないこともあり、聖地度はナンバーワンといえるでしょう。

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今回のイベントの主なコンテンツは、「高速走行体験」や「SUBARUの動く博物館」といった体験型プログラムから、「SKCバスツアー」や「技術資料館見学」といった見て楽しむコンテンツのほか、「SUBARU オーナーズミーティング」、「DNAフォーラム」といったエンジニアとオーナーが直接触れ合うことのできるプログラムまで大変充実した内容となっていました。

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「ドキドキSUBARUステージ」と呼ばれるメインステージではドライバートークショーなどが展開されたほか、同日に富士スピードウェイでSUPER GTのテストをおこなっていた辰己監督や井口卓人選手、山内 英輝選手、現地イベントにゲストとして参加していた山野 哲也選手との中継によるトークショーもおこなわれました。

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会場には富士重工の吉永社長やSTIの平川社長をはじめ、役員の方々や現行各モデルのPGM(開発責任者)やエンジニアの方も数多く来場していました。ステージイベント以外の時間帯には会場内でオーナーの皆さんと直接触れ合い、生の声が伝えられるという夢のような機会に恵まれました。

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スバル車を乗り継ぐいちスバルファンの筆者からすると、天国のような場所に神様みたいな人たちが溢れている環境で、一般参加の方々が羨ましい限り!「あぁあのステージ見たい……」「あの方とゆっくりお話ししてみたい……」といった状況も残念ながらかなわず(笑)丸一日会場内を取材して回りました。

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会場内にはスバルを得意とするアフターパーツメーカーの出展をはじめ、スバル専門各誌の販売ブース、そして地元佐野警察署のブースも設置され、インプレッサWRX STIのパトカーが展示されました。

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ほかにも歴代のラリーカーやレースマシンの展示もおこなわれましたが、やはり感慨深いのは「10万キロ世界速度記録」に挑戦した初代レガシィの展示でしょう。

このクルマはスバル車の競技車両の製作やパーツ販売などでスバリストにもお馴染みの「K・I・Tサービス(ケー・アイ・テーサービス)」にて保存されている車両で、この日は展示のほか高速周回路のデモランも披露されました。

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スバルが挑んだ数々の記録への挑戦のなかでも過酷なチャレンジであった10万キロ世界速度記録は当時中学生だった筆者の心をガッチリつかみ、のちにレガシィを購入するきっかけとなった1台であったこともあり、個人的には感激のワンシーンでした!

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ほかにも様々なコンテンツが催され、大盛況のうちに閉会の時間となりました。最後は参加車両が高速周回路を1周したのち、会場を後にするパレードランがおこなわれ、吉永社長をはじめ、メーカーの方々やスタッフ全員によって見送られました。

パレードランではほとんどの参加者が笑顔で手をふり、イベントの楽しさや充実度がそれだけで伝わってくるような気がしました。

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イベントに参加されたオーナーからは、

「SKCに入れただけでも感動しました。そのうえ直接エンジニアの方からクルマを作る思いや苦労話を聞けたことで、より自分のクルマに愛着がわきました!」

「SKCでのイベント開催はとてもハードルの高いことと思いますが、是非ともこうした機会を再び設けてほしいです。残念ながら抽選に漏れてしまった方達のためにも切に願います」

という熱いコメントが寄せられていました。

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今回のイベントは、スバルオーナーとメーカーのエンジニアや社員の方々が直接触れ合う貴重な機会であることが、最も印象に残りました。

普段愛車を乗り続けることで発見する使い勝手や不満だけでなく、スバルに乗っていたことで、こんな状況で助かりました!といったことも、直接声が届けられたのはスバルにとっても実に有益だったのではと感じました。

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もちろんオーナーにとっては、普段知ることのできない開発秘話やスバルの歴史、そして開発の第一線であるSKCに入れたことで自分のクルマの生い立ちなどをフィールドワークで学べる有意義な時間だったはず。いちスバルファンとしても、是非こうした機会を数多く設けてほしいと感じる充実のイベントでした。

スバルが実施している「スバル アクティブライフスクェア」では、他にも様々なイベントを実施。スバリストが楽しめるイベントから、アウトドアでのアクティビティなど内容も様々。こちらも是非チェックしてみてはいかがでしょう。

公式HP:スバル アクティブライフスクェア

(井元 貴幸)

新型インプレッサが目指した「クラスを超えたインテリアの質感」とは?

スバルの新デザインフィロソフィーである「DYNAMIC×SOLID」を全面採用した新型インプレッサ。ここではインテリアについて触れたいと思います。

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「クラスを超えた質感」という狙いは、スバルに限らず多くの自動車メーカーの目指すところで、CセグメントではアウディA3などがベンチマークとなるべき質感を備えているのではないでしょうか。

新型インプレッサでは、インパネからドアトリムまで連続した造形により空間の広がりと精緻な質感が表現され、より立体的な造形に刷新されたシートはクラスを超えた質感を追求。

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また、インパネ上に施されたステッチを中心にフィニッシャーの仕上がりも質感向上に貢献しているそうです。

インパネの中央には、8.0インチのタッチスクリーンディスプレイが採用されたインフォテインメントシステムが配置され、「Apple CarPlay」や「Android Auto」に対応するなど、最新のコネクティビティが提供されます。

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前方、左右、斜め後方など全方位に渡る優れた視界性能が確保されているほか、拡大されたキャビン、荷室スペースなど、スバルらしい機能性(居住性や積載性)にも気を配った設計となっているそうです。

(塚田勝弘)

■新型インプレッサが示す「次世代スバル・デザイン」とは?
http://clicccar.com/2016/03/18/359853/

■新型インプレッサのエクステリアデザインの見どころは?
http://clicccar.com/?p=362366

■5ドア、4ドアセダンが揃い踏み! 新型スバル・インプレッサを世界初公開
http://clicccar.com/?p=362343

新型インプレッサのエクステリアデザインの見どころは?

ニューヨーク国際自動車ショーで世界初公開された新型インプレッサ(北米仕様)。

ボディサイズは、4ドアセダンが全長4625×1777×1455mm。5ドアは全長4460×全幅1777×全高1455mmで、ホイールベースはともに2670mm。

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現行モデル(日本仕様)と比べると、セダンのG4は全長4585×全幅1740×全高1465mm、5ドアのSPORTは、全長4420×全幅1740×全高1465mm。ホイールベースはともに2645mmとなっています。

セダンは全長が205mm延び、全幅は37mmワイドに、全高は−10mm。5ドアは全長が40mm延長され、37mm拡幅、全高は-10mmとなっています。

新型インプレッサは北米仕様、現行モデルは日本仕様との比較なので、あくまで参考値ですが、全長と全幅がサイズアップを果たし、全高はほとんど変わっていません。しかし、セダンの全長は、北米市場の要求を満たすためか大きく延びています。

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新型インプレッサの見どころのひとつは、エクステリアデザイン。新デザインフィロソフィーと位置づける「DYNAMIC×SOLID」を量産モデルとして初めて全面採用。

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上記したように「ワイド&ロー」のフォルムになった新型インプレッサは、スバルらしいスポーティなフロントマスクに、スバルの象徴であるヘキサゴングリルからシャープなホークアイヘッドランプまで、一体感を抱かせる立体的な造形となっています。

また、フロントからサイド、そしてリヤまでつながる各部のデザインがひとつの塊と感じられるように、起点としての役割もフロントフェイスが担っているそうです。

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サイドビューでは、フロントフェンダーからドアパネル、リヤのショルダーまでをつなぐ抑揚豊かなキャラクターラインとリヤに向けて跳ね上がるドアパネル下部のキャラクターラインが見どころ。

この2本のラインによりソリッドなボディ表面に躍動感が与えられています。また、力強く張り出されたフェンダーフレアーはスバルAWD の信頼感を表現。

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リヤビューは、ヘッドランプと共通のモチーフが与えられたリヤコンビランプが目を惹きます。ワイドなリヤコンビネーションランプが表現する「ワイド&ロー」スタンスが表現されているとのこと。

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伸びやかな印象のセダンは、絞り込まれたキャビンからトランクリッドに至るまでの流麗なシルエットによりスポーティさを強調。

5ドアは、こちらも絞り込まれたキャビンとリヤコンビネーションランプの上まで突き抜ける力強いショルダーにより、軽快でスポーティなデザインとされています。

また、スバルの特徴である視界の良さは、若干現行モデルよりは後方視界が狭くなるとしながらも、Cセグメントトップクラスを維持。優れた空力性能も確保され、機能性とスタイリングとの両立が図られているそうです。

(塚田勝弘)

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5ドア、4ドアセダンが揃い踏み! 新型スバル・インプレッサを世界初公開

ニューヨーク国際自動車ショーにおいて新型インプレッサ(北米仕様)が世界で初めて公開されました。

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スバルが次期プラットフォームとして新規開発した「SUBARU GLOBAL PLATFORM(スバルグローバルプラットフォーム)」を全面採用した5代目インプレッサ。

「レオーネからレガシィに変わった時くらい」の変革と位置づけられ、デザインや走り、そして安全性の高さなどでベンチマークの欧州車をしのぎ、世界トップクラスを目指すクルマ作りといえるものになっています。

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新プラットフォームに組み合わされる注目のエンジンは、新開発の2.0L水平対向直噴エンジン。

スバル自慢のAWDシステムや運転支援システム「アイサイト」などの独自のコア技術を搭載することで、「安心と愉しさ」を進化させ、新型インプレッサを次世代スバルの第一弾にふさわしいモデルに仕上がっているそうです。

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さらに、量産車として初めて新デザインフィロソフィーとしている「DYNAMIC×SOLID」を全面採用。

インテリアのフィニッシャーの仕上げにまでこだわることで、スバルの次世代Cセグメントを担うモデルとして、クラスを超えた質感を実現したというのも注目点でしょう。

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なお、北米向け新型インプレッサの生産は、日本からアメリカのインディアナ州(Subaru of Indiana Automotive)に移管されるそうです。

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新型インプレッサ(北米仕様)のサイズは、4ドアセダンが全長4625×全幅1777×全高1455mm。5ドアは全長4460×全幅1777×全高1455mmで、ホイールベースはともに2670mm。

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エンジンは、FB20型の2.0L水平対向4気筒直噴DOHC(NA)で、出力は152hp、トランスミッションはリニアトロニック、駆動方式はシンメトリカルAWDとなっています。

(塚田勝弘)

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■スバル次期インプレッサにも採用の「SUBARU GLOBAL PLATFORM」で目指す自動運転と動的質感とは?
http://clicccar.com/2016/03/07/359083/

■スバルの次世代プラットフォームにより目指す「世界最高水準の安全性能」
http://clicccar.com/2016/03/15/359240/

20馬力ダウンは軽量化でカバー!STIのNBRチャレンジ、連覇目指しシェイクダウン!

3月22日、スバルテクニカインターナショナル(STI)は、富士スピードウェイで第44回ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するSUBARU WRX STI参戦車両のシェイクダウンを行いました。

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昨年のニュルブルクリンク24時間レースでST3Pクラスのクラス優勝を果たしたSTI。今年は連覇をかけての出場となります。

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今年はリストリクターを1mm小さく設定されてしまったための対応を詰めていったおかげで、当初2月に行われる予定であったシェイクダウンが3月22日にズレこんだとのこと。

このリストリクターの件はSTIの平川社長曰く「アウディに勝ってしまったので厳しくされた」とのこと。

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昼ごろに行われた記者会見で辰巳英治総監督は「リストリクターを1mm小さくされたことで20馬力のパワーダウンとなっています。300馬力そこそこのマシンで20馬力ダウンはかなり厳しく、我々以外にも協賛各社、サプライヤーの皆様のご尽力とご協力で軽量化と空力を徹底的に見直し、昨年並みの競争力を持てるようになったという手ごたえを得ました」と語ります。

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ドライバーはカルロ・バンダム、マルセル・ラッセー、ティム・シュリック、そして山内英輝という、辰巳総監督の言うところの「昨年の優勝を勝ち取った信頼を置く4名のドライバー」が採用されています。

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その山内選手がシェイクダウンを担当。記者会見では「昨年初めてニュルに挑戦しましたが、夜、雨が降っている時にスリックタイヤで走っていたときは生きた心地がしませんでした。でも、それを乗り越えて優勝を飾ることができた時は、人生でいちばん感動しました。ぜひその感動を今年も分かち合いたいと思います」と語っています。

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個別のインタビューでも「とにかくサプライヤーさんの協力のおかげで参戦できるようになった」と語る辰巳総監督。それだけパワーダウン分の戦闘力確保には苦労があったようです。

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特に軽量化と空力面では各部の見直しが0.01グラム以下、0.01ミリ以下の単位で行われ、見た目で大きく変わるのはフロントグリルがふさがれたことで、エンジンルーム内の空気の流れまで厳密に検証しているとのこと。また日中の走行では補助ライトを無くすなど、慣性モーメントを最小限に抑える努力も惜しみません。

なお、補助ライト付のグリルに交換するための時間は、ルーティーンピットワークで充分間に合うとのことです。

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だからこそ、スタッフが並ぶ記念写真では協力企業、サプライヤー各社のみなさんも一緒に写ります。

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またレースメカニックには今年も販売ディーラーから6名の方が参加し、NBRチャレンジの経験を各々の販売ディーラーに持ち帰り、お客様に接していくとのことです

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今年のNBRチャレンジはクラス優勝が目標であることは変わりませんが、それにもまして、予選9分切りという新たな目標を掲げての参戦となります。それだけマシンに大きな自信があるということでしょう。

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ただひとつ、心残りなのは午後のセッションで単独クラッシュを喫してしまったこと。ドライブした山内選手に大事はありませんでしたが、マシンはかなりダメージを負ってしまったようです。

しかしながらリストリクター制限によるパワーダウンを一丸となって克服したSTIと協力企業のみなさんですから、きっと不死鳥のごとく復活することは間違いないでしょう。

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2016年5月28日〜29日の決勝では、晴れやかな姿を期待します。

(写真・文:松永和浩)

スバル・レヴォーグがBTCCに参戦!レースカーを公開

イギリスのドニントン・パーク・サーキットにて、BTCC(英国ツーリングカー選手権)2016年シーズンのローンチイベントが開催されました。

BTCC過去最大の32台がエントリーしており、車種もBMW1シリーズ、ホンダ・シビック、フォード・フォーカス、メルセデス・Aクラスなどバラエティーに富んでいます。

そしてこの2016年シーズンから、スバルが「レヴォーグ」をイギリスのレーシングファクトリー・BMRとともにBTCC仕様のレーシングカーに仕上げて参戦します。

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レヴォーグBTCCは、マシンの製作コストを抑えるために改造範囲を制限されています。市販車のシルエットを色強く残しているので、エアロパーツでレプリカができそうです。

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BTCCでは、

・2.0L直噴ターボエンジン(フライ・バイ・ワイヤスロットル)で350+馬力
・ターボはオーウェン・ディベロプメント製に統一
・XTRAC製6MT+APRacing製カーボンクラッチ
・FFもしくはFR(生産車の方式に依存)
・生産車が4WDに関しては、任意に駆動方式を選び、エンジンの搭載方向は生産車にならう
・ペンスキー製ダンパー搭載のダブルウイッシュボーン・サスペンション
・80LのATL製燃料タンク
・車両重量は1280kg(スバルUKで販売されているレヴォーグ市販車のマイナス274kg)
・タイヤはダンロップのワンメイク(245/65R18)
・ブレーキはAPRacing製
・電装関係はコスワース製に統一

と規定されています。

レヴォーグBTCCは後輪駆動に改造されていますが、直噴ターボエンジンが技術規定にあるのでFA20DITエンジンをベースでほぼ間違いないでしょう。

余談ですが、英国で正規販売されているレヴォーグは1.6L仕様のみのようです。

このレヴォーグBTCCで参戦するチームBMRのドライバーは、ジェーソン・プラト選手、コリン・ターキントン選手、ワーレン・スコット選手、ジェームズ・コール選手の4人となっています。

ローンチイベントではゼッケンが確定していないので、10日後に控えた開幕戦・ブランズハッチに4人全員が参戦するかはまだ不明です。

BTCCにとっても久しぶりのツーリングワゴンの参戦。英国国内外からの注目度は高いです。

残念ながら、日本ではTVで視聴することはできませんが、BTCC公式のYoutubeチャンネルからダイジェストを見ることが可能です。レヴォーグの活躍を見て、可能であれば、現地に行って応援しましょう!

最後にBTCC最終戦ブランズハッチのダイジェスト映像みてBTCCがどんなレースか観てみましょう!

BTCC公式サイト
BTCC-Youtubeチャンネル
Team BMR公式サイト

(栗原 淳)

最もスバルらしい「DCCD」方式AWDの真価とは?

6MTのみのWRX STIに搭載されているセンターデフ式、電磁クラッチを採用するDCCD(ドライバーズコントロールデフ)方式のシンメトリカルAWDは、最もスバルらしいスポーツ4WDの代表例といえるでしょう。

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プラネタリーギヤ式センターデフを採用しているのはAT(CVT)系の「VTD-AWD」と同じですが、「DCCD」は前後基本トルク配分をよりリヤ寄りの「41:59」とし、前後重量配分がフロント寄り(重くなる)となるFFベースとのバランスが取られています。

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センターデフに多板クラッチによる差動制限を組み合わせ、前後輪への駆動配分がされていますが、トルク配分を緻密に制御できる電磁式LSD(電磁ソレノイド)と、素早くしかもリニアな制御が可能なカムによる機械式LSDが組み合わせているのが特徴。

低ミュー路での走りはフロントヘビーを忘れさせるほどで、FFベースとは思えずFR的な挙動が印象的です。

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同乗走行の機会のあったラリードラーバー・鎌田卓磨選手の手に掛かると、アクセルコントロールでテールを滑らせ、自在に曲がれるワケですが、ハンドブレーキ形状のサイドブレーキを採用しているのもスバルらしいこだわりを感じさせる瞬間。

現行モデルには、先代WRX STIと同様に電磁式LSD(電子制御LSD)のデフロック率をロックからフリーまで6段階で設定できるマニュアルモード、走りに併せて電子制御される3種類のオートモードが用意され、「マルチモードDCCD」と呼ばれています。

こちらは、センターデフをマイナス側にするとテールスライドしやすく、より旋回しやすく、プラス側にすると安定感を抱く一方で曲がりにくくなる、という傾向。AUTOモードにすると、舵角やヨーレート、スロットル開度などを検出することでコーナリング時でもセンターを維持しやすく、マイナスにするとよりノーズがインに向きやすく、プラスにするとトラクションがより確保されます。

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「マルチモードVDC」は、挙動の限界付近で4輪個別のブレーキ制御、エンジン出力制御により車両を安定化させるもの。

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曲がりやすいFR的な挙動ですが、横滑り防止装置をオンにしておけば低ミュー路でも安全に走破できるのはもちろん、そこから先の真価はオフにして積極的にきっかけを作りながらテールスライドさせながら曲がっていくという、スポーツ系AWDらしい設定で、WRCなどラリーを主戦場としてきたスバルの真骨頂を感じさせてくれます。

(塚田勝弘)

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高い旋回性能とトラクションを誇るスバル・シンメトリカルAWD「VTD-AWD」の利点とは?

レヴォーグの2.0Lモデル、WRX S4といったAT系(リニアトロニックCVT)に採用されているのが「VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)」方式。

センターデフに複合遊星歯車(プラネタリーギヤ)を採用し、電子制御LSD(油圧多板クラッチ)を搭載。前後基本トルク配分は「45:55」で、高出力車に対応した電子制御式AWDになっています。

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簡単にいうと、センターデフを持っていてリヤ側にトルクを多く出していくシステム。通常時はデフフリーの状態で、前輪への駆動時の負担(縦方向)を減らすことで横方向へのグリップを増しているのが特徴であり、高い旋回性能を実現しているとのこと。

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高速走行が可能な雪上コースには、氷上に近い路面や高速コーナリング、入り組んだインフィールドコースなどが用意されていましたが、速度を上げるとリヤが出やすく、コンディションによってはかなり滑りやすいです。
回頭性がひとつの特徴で、腕のある人にとってはクラッチ操作の要らないCVTということもあって、かなり速いペースで周回できそうな仕上がりになっています。

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電子制御LSDの仕事は、スロットル開度、エンジン回転、車速、そして前後輪回転比などを監視し、走行状態の変化に応じて差動を制限することによりトルク配分を最適化するというもの。

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それにより、氷上などの低ミュー路やコーナリング中の加減速時、発進や再加速時などは直結状態に近い特性にすることで駆動力を確保。

AT系の主力は、レヴォーグの1.6Lモデルやレガシィ、インプレッサ、XV、フォレスターなどに採用されているアクティブトルクスプリット式ですが、より積極的にハンドリングを楽しむならレヴォーグの2.0L、WRX S4を選択するという手も非常に魅力的といえそうです。
(塚田勝弘)

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新型インプレッサが示す「次世代スバル・デザイン」とは?

スバルが新型インプレッサをニューヨーク国際自動車ショー(3月23日〜4月3日)に出展しますが、ショーに先立ちティザーフォトが公開されました。

先日開催されたプレス向けの「次世代SUBARU説明会2016」では「スバル デザイン戦略」として、スバル商品企画本部 デザイン部の石井 守部長が登壇し、スバルのブランドスローガンである「安心と愉しさ」を磨くため「新スバル デザインが目指すこと」をテーマとしたプレゼンを披露。

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なお、新型インプレッサは「SUBARU GLOBAL PLATFORM(スバルグローバルプラットフォーム)」を採用する第一弾で、スバルの歴史の中でも第5世代に位置づけられるモデルになります。

石井デザイン部長は、「カタチの意味」、「DNAの意味」、「機能の意味」の3つの意味を掲げ、その3つが重なる領域を具現化したものを「スバルならではのデザイン」として紹介。

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抽象的で少し分かりにくいですが、スバルは「技術で価値の両立に挑戦」した過去から、「クロスオーバー デザインで新しい価値を創造」してきた現在、そしていまから2020年以降の未来は「新時代のライフスタイル デザイン」を探求するとしています。

その未来は、「堅牢性」+「遊び心」+「スポーティ」+「室内空間」というキーワードを具現化したものを目指すそうです。

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デザインを個別に見ていくと、顔であるフロントマスクは「SUBARU FACE DESIGN」と呼び、いわゆる「ヘキサゴングリル」を中心に「コ」の字型のヘッドライトで印象的なものとして、スバル車共通のイメージを構築。

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また、全体のフォルムやディテールは、2013年からスタートされている「DYNAMIC(躍動感)」×「SOLID(塊感)」がテーマで、コンセプトカーの「VIZIV 2」、「VIZIV GT」、「VIZIV FUTURE」、そして新型インプレッサまで反映され、今後も発展・進化していくとしています。

また「DYNAMIC×SOLID」を掲げる新型インプレッサ(コンセプトカー)については、「サイドウインドウ下端が切れ上がったデザインが採用されているようだが、斜め後方の視界確保はどうなるか?」という質問がありました。

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石井氏は「DYNAMIC×SOLIDデザイン」を採用した新型インプレッサ(コンセプト)は、コンセプトカーのためサイドウインドウは小さくしているが、市販モデルの新型インプレッサは現行インプレッサよりもサイドウインドウは小さくなる傾向あるが、それでも他メーカーよりも大きく斜め後方視界は良好で、カメラなどのサポートも併せて窓ガラスの視界性能と「DYNAMIC×SOLIDデザイン」の両立ができているそうです。

(塚田勝弘)

アクティブトルクスプリット式を採用するスバル「シンメトリカルAWD」の走りは?

スバルではシンメトリカルAWD(4WD)の利点として、トラクション(発進性や走破性)の高さや、高速安定性や旋回性能などに加えて、低ミュー時も全輪が駆動輪であるためブレーキを深くかける(ABS)ことが可能なこと、ロック時も車輪の復帰に素早く駆動力を使えることが可能なことを挙げています。

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ここでは、レヴォーグ(1.6L)、レガシィ、インプレッサ(ハイブリッド含む)、スバルXV(ハイブリッド含む)、フォレスター、クロスオーバー7に搭載されているアクティブトルクスプリット方式のAWDをご紹介します。

油圧多板クラッチを採用するアクティブトルクスプリット方式は、前後基本トルク配分を「60:40」に設定し、エンジントルクと車輪速センサーにより駆動状況をモニタリングするシステム。

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さらには、VDCからステアリングの舵角、ヨーレート、横加速度信号などもモニターされていて、通常時は駆動ロスを抑え、突然滑りやすい路面に遭遇しても素早く対応することが可能です。

制御はトランスファー内の多板クラッチにより行われ、ほぼ直結状態からほぼ前輪駆動まで可変させることができます。

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さらに、インプレッサ(スポーツ)とXVのハイブリッド車は、アクティブトルクスプリット式をベースに、専用設計となるコンパクトなモーターがミッションケースに内蔵されていて、AWDの基本構造を変えることなくハイブリッド化がされているのも特徴。

アクティブトルクスプリット式では、レヴォーグ(1.6)、レガシィ・アウトバック、インプレッサ(スポーツ)、XV、フォレスターに雪上コースや公道で試乗する機会がありました。

どのモデルでも印象的なのがAWDとは思えない素直なハンドリング特性。なお、試乗車全車にブリヂストンの「ブリザック(VRXやDM-V2)」が装着されていました。

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圧雪路や氷上に近いコンディション、坂道やコーナーなどでも横滑り防止装置のVDCをオフにしなければ高い安定性が得られます。走るごとに路面が磨かれるコースでは、非常に滑りやすい路面もありましたが、慣れてくるとコントロールしやすく、横滑り防止装置をオフにしてその違いも楽しむことができます。

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フォレスターとアウトバックには「X-MODE」が装備されていることもあり、よりイージーに特設コースを走破できるのが印象的でした。オフにしても特設コースをクリアできましたが、楽なのはやはり「X-MODE」のオンで、余計にスリップするシーンが激変します。

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また、フォレスターはインパネ中央に「X-MODE」などの作動状況が分かるディスプレイが配置されていて、メーターで確認するアウトバックよりも「X-MODE」の仕事ぶりをチェックしやすく感じました。

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インプレッサやXVは、フォレスターやアウトバックよりもひと回り小さく感じさせるほど全体の動きが軽く、滑り出したときの対処もしやすいのが美点。

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ただし、パワステもやや軽く感じるため、雪道やほぼ凍結した路面ではステアリングのインフォメーションに物足りなさも抱かせますが、普通に走る分には先述したように軽快感につながっているのでしょう。

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また、レヴォーグ(1.6)とフォレスターのターボで公道(林道)を走る機会もあり、先の路面が読みにくい林道ではフォレスターのアイポイントやロードクリアランスの高さが頼もしさに感じられ、雪上や除雪された冬道ではレヴォーグの乗り味の良さが伝わってきました。

(塚田勝弘)

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スバル、次期インプレッサにトヨタ製ハイブリッド搭載!?

スバル「インプレッサ」の5ドアハッチバックである、「インプレッサ スポーツ」次期型に関する最新情報及び、レンダリングイラストを入手しました。

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2015年東京モーターショーで公開された「インプレッサ5ドアコンセプト」をベースにしたデザインと伝えられている「インプレッサ スポーツ」は、「スバル・グローバル・プラットフォーム」を採用し、イラストを見る限り、コンセプトモデルと比較してヘッドライトや、リアクォーターウィンドゥなどの小規模なデザイン変更になりそうです。

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パワーユニットは2リットルNA、FB16型ボクサー4気筒DOHCエンジン及び、1.6リットルターボエンジン、さらにトヨタ製と思われるハイブリッドモデルの投入される可能性が高いようです。

2016年3月23日開幕のニューヨークモーターショーで、新型「インプレッサ」公開がアナウンスされています。

(APOLLO)

スバル・シンメトリカルAWDの「強み」とは何か?

スバルの世界生産のうち94%がAWD(4WD)、2015年暦年の世界販売ではじつに98%がAWDといいますから、当たり前過ぎて「あえてAWDを意識していない」というスバル技術本部の藤貫哲郎さんの言葉は本音だろうと思いました。常夏のハワイ向けにもAWDを投入しているそうです。

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同氏によると、2代目レガシィの頃、北米に工場を作った際にFF(FFもあった)のレガシィが工場にあふれる事態になり、アメリカの販社と「スバルの特徴とは何か?」と話し合ったことがあるそうです。そこで世界一シンプルなAWDに注力することでブランドの特徴を出す契機になったとのこと。

この発言は、プレス向けに開催された雪上試乗会でのブリーフィングの場で聞けたもので、試乗会ではスバルのシンメトリカルAWDの実力を存分味わえるステージとして、2種類のクローズドコースと林道を含む公道試乗が用意されました。

FRのBRZ、インプレッサのFF、そして軽自動車(OEM)をのぞく主力モデルが一堂に会し、たっぷり1日試乗することができました。

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スバルの「シンメトリカルAWD」にはAT車とMT車向けがあり、AT向けは「VTD-AWD(VTD/バリアブル・トルク・ディストリビューション)」、アクティブトルクスプリット式。MT向けは、DCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)式、ビスカスLSD付センターデフ式が用意されています。

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全部で4タイプあるわけですが、シンメトリカルAWDの特徴として、車両の挙動やドライバーの意思をセンシングした電子制御による駆動配分でAWDの高い走行安定性を引き出しているほか、「止まる」という性能に関しても4輪すべてが駆動輪ということで、AWDが有利というのもポイント。

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また、シンプルかつ軽量なシンメトリカルAWDと他メーカーの4WDを比べると、他メーカーのものはトランスファーを経由するため重量増につながる、流行の電動AWDはモーターの出力が小さいため発進アシストタイプが多い、というのが違いになっています(高速では基本的にFFになるのが多い)。

他メーカーにも横置きの4WDで軽量なものもありますが、リヤデフの容量が小さいことが多く、大きな駆動力が必要な時や高速走行時はトルクが伝えきれないものもあり、スバルのAWDは発進時だけでなくフルパワーでも直結できるのも特徴になっています。

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AWD(4WD)というと燃費が不利になりがちですが、スバルでは「ライバルのFFに負けない」という点を開発目標に掲げているそうです。たとえば、SUV同士で比べてもライバルのFFに「AWDでも負けていない」と胸を張っています。

(塚田勝弘)

スバルが次期「インプレッサ」から新プラットフォームを展開!

スバル「インプレッサ」は現行モデルがデビューから5年目を迎えており、モデルチェンジが年内に迫っているようです。

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昨年10月に東京モーターショーで「インプレッサ 5ドア コンセプト」が出展され、続く11月のロサンゼルスオートショーでは「インプレッサ セダン コンセプト」、今年3月のジュネーブモーターショーでは「スバルXVコンセプト」が公開されました。

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そのベースとなるのが、同社が3月7日に発表した次期インプレッサシリーズに採用される「SGP」こと「スバル・グローバル・プラットフォーム」。

2025年までを見据えた次世代プラットフォームとして、“高性能を超えた感性に響く「動的質感の向上」”と“世界最高水準の「安全性能」”を目指して開発したそうです。

次世代プラットフォームでは、衝突エネルギー吸収率を現行モデル比で1.4倍に向上させるとともに、車体ねじり剛性を1.7倍に向上。

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車体各部の振動を大幅に低減させており、サスペンションの改良と相まって車体の揺れを現行比で半減させている模様。

低重心化により高性能スポーツモデルと同等の操縦安定性を実現しているだけでなく、高い直進安定性が求められる自動運転走行においても操舵時の無駄な挙動がなく、路面に吸い付くような走りを実現しているといいます。

SUBARU_SGP

ハイブリッド仕様や今後の電動化(PHV、EV)にも対応しているそうで、様々なパワーユニットにも一つの設計構想で対応が可能とか。

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「SGP」は単なる開発コスト低減に留まらず、これまでスバルが築いて来た強みをより強固なものにするための要素として、まさに今後のスバル車の基盤になりそうです。

Avanti Yasunori

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スバルが開発を進めている次世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM(スバルグローバルプラットフォーム)」の概要が公開されました。

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このプラットフォームは、2025年までを見据えた次世代プラットフォームで、今年の後半とされている次期インプレッサに初めて採用されるものです。

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レオーネからレガシィに変わった時と同じくらいのインパクトを目指しているそうで、開発車両のステアリングを握った吉永康之社長は「ワクワクするクルマに仕上がりつつある」と自信ありとの表情。

「スバルグローバルプラットフォーム」の目指すものとして

  1. 高性能を超えた、感性に響く「動的質感」

  2. 世界最高水準の「安全性能」

の2点を大きく掲げていますが、将来の電動化にも対応し、インプレッサからレガシィまで全車種を1つのプラットフォーム設計構造で実現するもの。ここでは、1の「動的質感」をご紹介します。具体的には「まっすぐ走れる」、「不快な振動騒音がない」、「快適な乗り心地」が挙げられています。

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「まっすぐ走れる」と聞くと当たり前のように思えますが、横風や路面状態などの多様な外乱にさらされているクルマでは、ドライバーが意識、無意識で修正舵を与えていて、開発車では微小舵ですぐに復帰(直進性が得られる)できるのを狙っているそう。

高速域の巡航が多いドイツ車には、矢のような直進安定性を誇るモデルが多いですが、スバルに限らず日本車に求められる要素といえるでしょう。

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そのために剛性強化が図られていて、現行車に対してフロント車体横曲げ剛性は+90%、フロントサスペンション剛性は+70%、車体ねじり剛性は+70%、リヤサブフレーム剛性は+100%もアップ。直進安定性が高まることで近い将来(2017年と2020年が2つの基準)の自動運転(部分含む)時にも強みになるとしています。

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「不快な振動騒音がない」に関しても車体剛性の強化が利いていて、剛性の均一性を高め、さらに「振動、ひずみの分散」により固有振動、固体伝播音の低減を実現。

ひずみの分散はとくにサイドシル、サブフレームに見られるそうで、周波数をずらして分散させるとしています。

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また、車体構造のポイントは、フレームワークの最適化、構造用接着剤(ウェルドボンド)の活用、フロントバルク周辺の結合強化、板組の見直し、リヤフレームの結合強化・板組見直しなどが盛り込まれています。

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ほかにも、サスペンションの取付剛性部の剛性向上により、ダンパーがきちんとストロークするなど、当たり前のことに正面から取り組んでいるほか、リヤスタビを車体に直接装着することで、ボディの揺れを抑えるなどの工夫も採用されていて、現行車よりも車体の揺れを50%低減。

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今回のプラットフォームの動的質感は、1/10秒の動きだしの応答性を高めるなども含まれていますが、従来は設計図面に起こせなかった領域にまで踏み込める計測技術の確立も含まれています。

現行車比で70〜100%の剛性強化、低重心化、足まわりの強化など多岐にわたっていますからステアリングを握る日が待ち遠しく感じます。

(文/写真 塚田勝弘)

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