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「デ・トマソ」、「TR-XX」がダイハツ「SPORZA」シリーズで復活!?【東京オートサロン17】

「デ・トマソ」といえばスーパーカーのパンテーラを思い浮かべる方も多いでしょう。

ダイハツではエンジン供給でアライアンスを組んでいたデ・トマソとのコラボである「シャレード・デ・トマソ」というコンセプトカーが初代シャレードをベースに仕立てられ、1981年の東京モーターショーに出展。

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市販車は「シャレード・デ・トマソ・ターボ」として2代目シャレードに設定され、赤と黒のボディは鮮烈な印象を残したという方も多いのではないでしょうか。なお、2代目シャレードは、世界初の3気筒ターボというのが訴求ポイントのひとつでした。

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また、いかにも昔のスポーツグレードっぽい車名のミラ「TR-XX(アバンツァート)が1997年に登場しています。軽自動車天国である北関東出身の私は、後方からミラターボが見えると、早々に軽自動車に先を譲るインパクトが顔つきにもあったのを覚えています。

2017年の東京オートサロンでダイハツが披露する「SPORZA(スポルザ)」シリーズは、「シャレード・デトマソ」、「TR-XX」の要素を現代仕様として復活。

写真を見るだけでもインパクト大ですが、赤×黒の専用ボディカラーにゴールドのアルミホイールの組み合わせで「上質なスポーツテイストを演出」としているのが現代流でしょうか。

event_161222004スポルザ・シリーズはブーン・シルク、トール、ムーヴ・キャンパス、コペンがベース車として用意されています。

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シリーズ名からして分かりやすい「Grand Custom(グランドカスタム)」も出展。こちらは、専用メッキパーツや大型LEDフォグランプで圧倒的な存在感を表現されているだけでなく、優美さも兼ね備えていて、新たなカスタムの可能性を提示。トール、タント、ムーヴの各カスタムモデルがベースとなっています。

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ライフスタイルを「ゆるく、のんびり、スローに楽しむため」という今時の草食系? に向けたような「Beach Cruisin’(ビーチクルージン)」は、専用ボディカラーとオリジナルのラッピングでテイストが特徴。ブーン、ムーヴ・キャンパスに設定されています。

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一方、マット仕上げの専用ボディカラーとオリジナルのDラッピングが特徴の「CROSS FIELD(クロスフィールド)」シリーズは、「大人の趣味人」が遊びのフィールドをさらに広げるというコンセプト。キャスト・アクティバ、ウェイクがベース車。11台ものコンセプトカーを出展するダイハツ・ブースも幅広い層から注目を集めそうです。

(塚田勝弘)

ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンクに搭載される新開発1.0L直列3気筒ターボの実力は?

ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンク、そしてスバル・ジャスティの走行性能で注目なのが、新開発された1.0Lの直列3気筒DOHCターボでしょう。

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売り文句は、1.5Lクラスの最大トルク140Nm(最高出力は98ps/6000rpm)を2400-4000rpmという幅広い回転域で発揮する点。なお、JC08モード燃費は、21.8km/Lとなっています。

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NAエンジンも1.0Lの直列3気筒DOHCが搭載されています。こちらは最高出力69ps/6000rpm、最大トルク92Nm/4400rpmというエンジンスペックで、カタログ燃費は24.6km/LとNAエンジンの方が2.8km/Lよくなっています。組み合わされるトランスミッションは全車CVTで、4WDモデルはNAエンジンのみ。

注目の「1KR-VET」型の1.0Lターボは、低イナーシャターボ、カムタイミング・作用角最適化で高出力化が果たされているほか、高熱負荷対応として、エキマニフランジやブロックボアの冷却強化などが盛り込まれているそう。また、高乱流エネルギー変換、浅皿ピストンの採用などで燃費対策が施されています。

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CVTも専用チューン済みで、最終減速比のローギヤード化により軽快な加速フィールを引き出しているほか、電子制御スロットルの制御を見直すことで力強い走りが必要なシーンに対応したとしています。

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確かにターボモデルは、過給ラグも比較的抑えられていて、中・低速域の力強さを感じさせます。ただ「平坦な街中で2人乗車」という条件下であればNAエンジンでも流れに乗るのはそれほど難しくありません。

軽自動車よりも重いといっても車両重量は1.1t程度なので、1.0L NAエンジンでもこうしたシーンでは力不足と断ずる状況には遭遇しませんでした。

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しかし、流れが速い郊外路や高速道路を走ったり、勾配の多い地域に住んでいるのならターボの過給は心強いはずで、4人乗車が多かったり、荷物をたくさん乗せて遠出するのであれば、2.8km/Lのカタログ燃費の差に目をつぶっても選ぶ価値は高そう。

また、同じような速度フィールを引き出すにしても、過給が始まればアクセルもNAエンジンほど強く踏み続ける必要もなく、運転の仕方によってはカタログ燃費の差も縮まる可能性があります。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

トヨタとダイハツが既存の組織から独立した「新興国小型車カンパニー」を発足

トヨタとダイハツは、2017年1月1日付で既存の組織から独立した「新興国小型車カンパニー」を発足すると発表しました。

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トヨタが子会社のダイハツと両社を横断するかたちで同カンパニーを発足するのは、新興国、特にインド市場をにらんでダイハツの小型車に関する良品廉価なものづくり技術を活用しようとするものと見られます。

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同カンパニーの概要は次の4点で、企画・開発から製造まで一環して新興国市場のニーズにマッチしたクルマ造りを重視した内容になっています。

1.カンパニー内に新車を開発する新興国小型車商品・事業企画部、新興国小型車製品企画部と新興国小型車品質企画部の3部を設置。製造を担当するトヨタ ダイハツ エンジニアリング アンド マニュファクチャリング(TDEM)も、本カンパニー所属とする。

2.カンパニーは、新興国小型車商品に関してトヨタブランド車の商品・事業全般に関する企画業務を行う。

3.新興国向け小型車の製品開発は、ダイハツが担当し、カンパニー内の新興国小型車製品企画部と新興国小型車品質企画部が、トヨタブランド車としての最終的な開発・品質責任を担う。

4.TMAP(トヨタ・モーター・アジア・パシフィック)は、トヨタの現地生産車種の製造だけではなく、ダイハツ主体の新興国向けの小型車製造を支援する。

京都大学経済学研究科がアジア中古車流通研究会で公表している「急成長するインド自動車市場 盤石の覇者スズキと追うトヨタの挑戦」という資料を読むと、トヨタが同カンパニーを新設する狙いが見えてきます。下の円グラフは2005年と2015年のインド乗用車市場メーカー別シェアです。

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2005年から2015年はインド乗用車市場が急成長した時期で、その中でトヨタはシェア3.8%から5.0%に伸びてはいるものの、現代の14.2%から17.2%、ホンダの3.7%から7.3%と比べると、伸び悩んでいると言わざるを得ません。

トヨタがインド市場で伸び悩んでいる理由は、SUVのイノーバ、フォーチュナーは好調ながら、ボリュームゾーンの小型車エティオス、リーバが不調で、シェアの伸びを下押ししているからです。

このようなインド市場の現状から、今回トヨタが同カンパニーを新興国市場に特化したかたちで新設したのは、本格的にインドの小型車市場に注力するという意図があるものと考えられます。

インド市場ではマルチ・スズキが圧倒的なシェアを握っていますが、トヨタの同カンパニー新設で、今後のインド市場の動向が注目されます。

(山内 博・画像:トヨタ、京都大学経済学研究科・アジア中古車流通研究会)

ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンクの軽自動車に対する利点とは?

車名の「トール」、「ルーミー」からして室内が高くて広そうですし、「タンク」もいかにも力強さを感じさせるネーミングといえそうです。

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なお、ダイハツ・トール(THOR)は、「力強く頼りがいのある相棒」という意味がある北欧神話の雷神であるThor(トール)、そして背が高い「TALL」から命名されたそう。

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トヨタ・ルーミーは、「広々した」という意味の「ROOMY」から、タンクは、水槽やタンクを意味する「TANK」からで、多くの荷物を積み込める空間をイメージさせることから命名されています。

ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンク、スバル・ジャスティは、全長3715×全幅1670×全高1735mm(カスタム)というスリーサイズ。1335mmという室内高で、子どもなら立てるほど高い空間が広がっています。

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前後席ともに見上げるほど高い天井により開放感は抜群で、後席の足元も広々。前席を最も後まで下げても、後席も一番後までスライドさせれば足を組めるほど広く、逆に後席のスライド位置を前寄りにしても前席下に足が入りますから窮屈感は抱かせません。

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床下格納式の後席は、座面と背もたれの厚みがやや薄く、座面自体も水平で後継角(トルソー角)が小さいため、シートアレンジ優先のように感じさせます。

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一方の前席は、この全幅で前後ウォークスルーを実現していますから、シートの横幅に限界があるのでしょう。やや小ぶりなので、体型によっては窮屈というかシートの小ささを実感させられるかもしれません。

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最近の軽自動車が大きくなっているいま、こうしたリッターカークラスのハイト系2BOXは、維持費の面も含めて軽自動車とも競合するでしょう。

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それでもダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンク、スズキ・ソリオなどの強みは、軽自動車よりも前後、横方向に広いく、前席左右間だけでなく、前後席間のウォークスルーができる点などにあります。ほかにも、乗車定員や排気量の余裕(エンジンパワーとトルク)からもファーストカー向きといえます。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンクの後席と荷室の実用性は?

両側スライドドアに、背高系のミニバン的なスタイル。ウォースルーが可能な2列シートをコンパクトなボディサイズにパッケージする──

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初代ラウムもこんなコンセプトでした。ただし、背高系ではなくセミトールといえる全高(1535〜1590mm)で、両側スライドドアやコラムシフトにより左右、前後ウォークスルーも可能。私事ですが親が乗っていたこともあり、その利便性の高さ(スライドドアのアウタードアハンドルが重く、スライドさせるのが大変でしたが)を実感したことがあります。

さて、現役のモデルでコンセプトをもつ背高系コンパクト(2列車)といえばスズキ・ソリオ。そこに対抗馬としてぶつけてきたのがダイハツ・トール、トヨタ・ルーミー/タンク、スバル・ジャスティ。

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ここでは肝心要の使い勝手についてご紹介します。

乗り降りは低床設計により「楽ちん」そのもので、フロアももちろんフラット。ミニバンのような乗降性になっています。後席にはチャイルドグリップ付きの乗降用アシストグリップもあり、小さな子どもからお年寄りまで楽に乗り降りできるように配慮されています。

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低床設計なのはキャビン側だけでなく、荷室側も下から大きく開く大開口部を備えていて、まるでダイハツ・ウェイクやホンダN-BOX+のような低さ。「軽自動車で培った技術をコンパクトカーにも投入する」とアナウンスしているとおり、ノウハウが活かされています。

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後席は床下に2段階で格納する方式。前席を一番後まで下げていると干渉してしまうため、その場合は前席を少し前にスライドさせておきます。

後席の背もたれを前に倒し、座面横下にあるストラップを引いてロックを解除させ、背もたれ座面にあるストラップを持ちながら床下に引き下げます。

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この床下格納式の長所は、低い位置にフラットに格納できる点で、低床設計により自転車なども容易に積載可能。防汚デッキボードを反転させれば、タイヤに泥が付いた自転車なども積みやすく、アウトドア派なども重宝しそうです。

一方の欠点は、シートのロックを解除するストラップがシート横にしかないため、荷室側からは後席を倒せないのと、シングルフォールドダウン式よりも二度手間になる点でしょう。

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シートを起こす際もシンプルに前倒しする方式よりも手間も力も多少かかります。もちろん、後席の背もたれを前倒しするだけでも荷室を拡大できますが、その際は写真のように段差が残ってしまいます。荷物が自転車のように「大きい」のではなく、「多い」というだけならこちらで対応できるので、わざわざ格納しない人もいそうです。

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ライバルのスズキ・ソリオ(上の写真)は、後席バックレストの上部に前倒し用(リクライニング用)とスライド用のレバーが付いていますから、荷室側からもスライドドア側からも倒すことができます。イージーに操作できるのはソリオの方で、自転車などの大物を積まないのであればこちらの方が使いやすいでしょう。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

圧倒的な販売力。トヨタ・ルーミー/タンクが発売から1カ月で計3万5000台を受注

11月9日に発売されたトヨタ・ルーミー/タンクは、ダイハツ・トールのOEMモデルで、設計、開発から生産(ダイハツ本社の池田工場)までをダイハツが受け持っています。スバルにも22年ぶりに復活した車名・ジャスティでダイハツから供給されています。

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トヨタからルーミー/タンクの発売1カ月(ダイハツは未公表)の受注台数が発表されました。トヨタ店、トヨタカローラ店で販売されているルーミーは約1万8300台、トヨペット店、ネッツ店扱いのタンクは約1万6700台。

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月販目標台数は両モデルともに3750台という設定ですから、ルーミーが約4.8倍、タンクが約4.4倍という出だしになります。主な好評点は、下記の通りです。

・堂々迫力のデザイン性
・コンパクトながら広い室内空間
・広くて使い勝手のよい荷室
・衝突回避支援システム(スマートアシストⅡ)搭載
・1.0Lターボのゆとりある走り(1.5L相当のパワー)

ルーミー、タンク両モデル合わせると3万5000台に達します。これは、現行シエンタの発売から約1カ月の4万9000台には及ばないものの、ダイハツ・トール、スバル・ジャスティを合わせるとさらに数字が伸びるだけに、「ガチンコ」のライバルであるソリオを発売してきたスズキからするとその販売力は驚異でしょう。

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スズキとトヨタの提携は発表済みとはいえ、具体的に何か決まっているようでもなさそうだけに、今後の販売動向にも注目が集まります。

(文/写真 塚田勝弘)

ダイハツ・タントがマイナーチェンジ、ステレオカメラの衝突被害軽減ブレーキを新搭載!

軽自動車に背高&スライドドアのブームを巻き起こし、現在は3代目へと進化しているダイハツ・タントが、ステレオカメラを使った先進安全装備の新搭載など魅力的なマイナーチェンジを果たしました。

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今回のマイナーチェンジでのポイントは、先進安全装備を「スマートアシストIII」に進化させたことにあります。

これまでの「スマートアシスト」は赤外線センサーを使ったもの、「スマートアシストII」は赤外線センサーと単眼カメラを用いたプリクラッシュセーフティシステムでしたが、新しい「スマートアシストIII」では、左右間隔80mmの世界最小ステレオカメラを使ったシステムとなっています。

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これにより、衝突被害軽減ブレーキの作動速度域の拡大を実現しています。合わせてソナーセンサーを使った左右後方の障害物検知システムやオートハイビームなど、より安全性能を高めました。それでいて、お値段据え置きというのはユーザーに嬉しいところ。

タント/タントカスタムのメーカー希望小売価格は122万400円〜187万3800円となっています。

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(山本晋也)

ダイハツ・トール/トール カスタム、トヨタ・ルーミー/タンク、スバル・ジャスティってどんなクルマ?

「コンパクトカー以上、ミニバン未満」のクルマというと、背を高くした2BOX系に行き着きます。

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トヨタ・bB(ダイハツ・クー)や日産キューブなどの2BOX系コンパクトカーが以前ほどの存在感を示していないなか、トヨタではポルテ/スペイドなどがユーザーをある程度吸収してきたのでしょう。

ひと回り小さなボディサイズで「コンパクトカー以上、ミニバン未満」というモデルとなると、現状では両側スライドドアを採用するスズキ・ソリオ(OEM:三菱デリカD:2)のみ。

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ダイハツとトヨタ、スバルがコンパクト2BOXの両側スライドドア車に参入するのは、現状のマーケットを踏まえると十分理解できます。

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ダイハツが開発、生産するトール/トール カスタム、トヨタ・ルーミー(トヨタ店およびカローラ店)/タンク(トヨペット店およびネッツ店)、スバル・ジャスティの見どころは、全長3700(3725)×全幅1670×全高1735mmというコンパクトなサイズに、両側スライドドア、前後席間のウォークスルーを加えたミニバン的な要素。

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追いかけられることになったスズキ・ソリオは全長3710×全幅1625×全高1745mmで、ソリオの方が45mm狭く、最小回転半径は4.8mとなっています。

しかし、トール/ルーミー&タンク/ジャスティは全幅が45mワイドでも最小回転半径を4.6m(一部4.7m)にするなど、取り回しの面でも気が配られています。

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パワートレーンの見どころは新開発の直列3気筒1.0Lターボで、98ps/140Nmというスペックは、1.5Lクラスの最大トルクを発揮するとしています。そのほか1.0LのNAエンジンも設定し、気になる燃費は2WD車が24.6km/L、4WD車は22.0km/L。1.0Lのターボ車は21.8km/Lを達成。

なお、スズキ・ソリオは全車1.2LのNAエンジンを搭載し、ハイブリッドが27.8km/L(FF)、1.2Lのガソリンが24.8km/L(FF)。発売が遅れているフルハイブリッドなしでも燃費で負けていません。

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価格帯はトヨタとダイハツが146万3400円〜200万8800円。スバル・ジャスティはグレード数が少なく、価格帯は152万8200円〜207万1440円 となっています。

(塚田勝弘)

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ムーヴの躍進で2016年10月の軽自動車セールスランキングに動きあり?

ホンダN-BOXとダイハツ・タントによるトップ争いに終止符が打たれました。

2016年10月の軽自動車(四輪車)の販売ランキングが全国軽自動車協会連合会より発表されましたが、キャンバスを追加したダイハツ・ムーヴが2位となっています。

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前月の速報ではムーヴとムーヴキャンバスが別扱いになっていましたが、訂正が行われ、10月からは合計値としてランキングに数えられるようになりました。これにより、ムーヴ全体としての販売台数は前年比で182.8%と大幅な伸びを見せています。

●2016年10月 軽乗用車販売ランキング(軽自協調べ・速報)
1位 ホンダ N-BOX 13,891台
2位 ダイハツ ムーヴ 12,502台
3位 ダイハツ タント 10,559台
4位 日産 デイズ 9,499台
5位 スズキ アルト 7,248台
6位 スズキ ハスラー 6,388台
7位 スズキ スペーシア 6,155台
8位 ホンダ N-WGN 6,086台
9位 スズキ ワゴンR 5,929台
10位 ダイハツ ミラ 5,126台

ムーヴの躍進以外には大きな動きはなく、顔ぶれにも変化はありません。なお、軽四輪乗用車全体の販売台数は104,870台で、前年比96.6%といった数字。増税や燃費不正などの影響により軽自動車離れが目立った上半期に比べると、回復している状況といえそうです。

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「簡単脱着、洗濯可能」なシートクロスなど、ユニークなオプションがあるムーヴ・キャンバス

全高1600mm台の両側スライドドアというスタイルで、新市場を切り開くダイハツの新型軽自動車「ムーヴ・キャンバス」には、ユニークな純正アクセサリー(ディーラーオプション)が用意されています。

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その中でも注目したいのは「簡単脱着&洗えるシートクロス」。

通常のシートカバーは、シートとのフィット感を重視していますが、このシートクロスはシート用エプロンといった構造で、シートの側面をカバーしない前提でデザインされているのが特徴。

そのため脱着が簡単で、汚れが気になったらすぐに外して手洗いすることができます。

用意されているシート地は「チェック」、「ストライプ」、「シンデレラ」、「ブラウン・ディズニー」の4タイプ。メーカー希望小売価格は、「チェック」と「ストライプ」が3万2400円、「シンデレラ」と「ブラウン・ディズニー」は4万8600円となっています(いずれも消費税込)。

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インテリアでは、ウッド調インナーミラーカバー(メーカー希望小売価格・消費税込 6653円)、ウッド調パワーウインドウスイッチパネル(同 1万7626円)などのアイテムが用意されます。

アピアランスを引き立てる外装アイテムも充実のラインナップ。クラシックタイプのルーフキャリア(同 4万9637円)や、ウッド調フューエルリッドガーニッシュ(同 1万5466円)、ウッド調デカールパック(同 5万1624円)などが、キャンバスらしさをアピールします。

(写真:小林和久 文:山本晋也)

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母娘の日常用途だけでなくファミリーユースにも応えられるムーヴ・キャンバスのパッケージング

ムーヴ・キャンバスは、「母娘」の同居親子をメインターゲットに据えて開発されたそうですが、車名に「bus(バス)」を付けたことからも分かるように、軽ミニバン的な広さ、両側スライドドアというファミリーユースにも十分応えてくれるパッケージングを備えています。

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スライドドアの開口幅は運転席、助手席ともに595mm(タントは運転席側が595mm、助手席側が605mm)。チャイルドシートへの子どもの乗せ降ろし、ベビーカーの出し入れなども容易にできそうです。

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室内長は、タントの2200mmからわずか5mm少ない2115mm、室内幅もタントから-5mmとなる1345mmと、ほぼ変わらない寸法になっています。前後席間のタンデム距離、シート左右間の広さともに大人が4人座っても窮屈さは感じさせないはず。

タントとの大きな違いは室内高で、タントの1365mmという見上げるほど高い天井までは至っていませんが、ムーヴよりも5mm高い1285mmで、ヘッドクリアランス、開放感ともに十分に確保されています。

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使い勝手の面では、国産車初採用の「置きラクボックス」が「ありそうでなかった」といえる装備。後席の座面下に引き出し式のボックスが用意されています。なお、助手席下にも大型シートアンダートレイが標準装備されています。

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高さ30mmの「ケースモード」時は、折り畳み傘やエコバッグ、ブランケットなどの嵩張らない荷物がスマートに収納可能。ボックスを立ち上げると高さが130mmまで増す「バスケットモード」になり、荷物の入った買い物袋や小さめのバッグ、観葉植物など倒したくないモノの積載に対応します。

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積載性も十分に合格点を与えられます。後席は左右分割式のシングルフォールディングで、後席座面を前倒しすると斜めに倒れてやや段差が残ってしまいますが、こちらは後席座面下収納の「置きラクボックス」を採用したことによるもの。

フロアボードの下に大容量のアンダーボックスもありますし、日常の買い物に加えて、週末などに少し長い荷物や大きめの荷物を積む程度であれば十分に使えるでしょう。

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安全面では、軽自動車初の「AFS(Adaptive Front-lighting System)」がトピックス(「G」グレードに標準)。ステアリングの操作に反応して、ヘッドライトの照射方向を的確に照らします。コーナーや交差点などでも進行方向をしっかりと照らしてくれます。

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ダイハツ初となる「パノラマモニター」はメーカーオプション。ボディ前後とドアミラー下に計4つのカメラが配置され、トップ&リヤビューをはじめ、トップ&フロントビュー、両サイド下側を映し出すなど全6パターンの表示が可能。

こちらは、駐車時こそ最も役立つ装備ですが、狭い道でのすれ違いや見通しの悪い交差点などでも重宝します。

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ただし、後退時に自動的にトップ&リヤビューが表示されるのに、「切り返し」するため前進させると、カメラ画像からナビ画像などに切り替わってしまいます。そのため、切り返しのため前進する際、引き続き映像が必要な場合はカメラ用スイッチを押す必要があります。

現在では、前進時に速度が上がると自動的に映像からナビに切り替わる速度感応式が主流になっているだけに少し気になりました。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

大人気のタントじゃダメなの? ムーヴ・キャンバスが必要とされるワケ

ダイハツから新登場した軽自動車「ムーヴ・キャンバス」が好調です。

両側スライドドアを採用したことなどにより、軽自動車としては比較的高価な設定となっていますが、発売1か月で2万台もの受注を集めるほど支持されています。

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とはいえ、ムーヴ・キャンバスの商品コンセプトが掲げるメインターゲットは「親と同居している30代独身女性」という非常に限定されたもの。ここまでの人気を集めるというのは意外にも思えますが、そのコンセプトには、実は新たなニーズを掘り起こす狙いが隠されていたのです。

そのヒントは「ミニバン世代」という言葉にあります。スライドドアのミニバンが国内市場に生まれてからずいぶんと経っています。たとえば、日産セレナにしてもすでに5代目であり、スライドドアと共に成長してきた世代が増えています。

そうしたユーザーにとっては、一人でクルマに乗るときであってもスライドドアは便利な機構という認識だといいます。この意識が軽自動車においてダイハツ・タントやホンダN-BOXといったスライドドアモデルの売れ行きを支えているという面は否めません。

しかし、ダイハツの市場調査によると、タントには「子育て用クルマ」といイメージが強く、「後席への荷物の積みやすさなどスライドドアの利便性は欲しいのだけれど、子育て中と思われるのはイヤ」という理由から選びづらい面があったといいます。

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だからこそ、全高1600mm台として子育て感を薄くしたスライドドアモデルのムーヴ・キャンバスが、「待ってました」とばかりに受注を集めているのでしょう。

実際、ムーヴという名前はついていますが、スライドドアによりキャンバスの車両重量は920kg(FWD)と、車重的にはムーヴ(820kg)よりタント(930kg)に近く、パワートレイン(最終減速比など)はタントと共通となっています。

インパネがセンターメーターデザインとなっているのもタントに近い印象を受け、実際にはタントのチョップド仕様という面もありそうですが、それでもムーヴという名前を使っているのは、タントという名前が持つ「子育て」イメージを払拭するためでしょう。

実際、市街地を走行してみても、重心こそ低く安定感はありますが、加速感などはタントに近いもの。ただし、後席に乗員が乗っているときのフラット感はこのクラスとしては上々で、親世代と同居している30代というコンセプトから考えられる大人3名乗車での移動を意識した足回りに仕上がっているといえそうです。

●ダイハツ・ムーヴキャンバスGメイクアップSA II(2WD)主要スペック
車両型式:DBA-LA800S
全長:3395mm
全幅:1475mm
全高:1655mm
ホイールベース:2455mm
車両重量:920kg
乗車定員:4名
エンジン型式:KF型
エンジン形式:直列3気筒DOHC
総排気量:658cc
最高出力:38kW(52PS)/6800rpm
最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/5200rpm
変速装置:CVT
燃料消費率:28.6km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:155/65R14
メーカー希望小売価格(税込):1,544,400円

(写真:小林和久 文:山本晋也)

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丸みを帯びたデザインの「ムーヴ キャンバス」登場。価格は118万8000円から
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キャンバスのデザインは「陶器の輝き」─ ダイハツ・デザインの新ジャンルをインタビュー(後編)

軽の新ジャンルとして登場したムーブ・キャンバスのデザインインタビュー。後半はボディのリアからインテリア、ボディカラーの話を訊きました。

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[語る人]
ダイハツ工業株式会社
デザイン部デザイン室主任 畑 延広 氏
カラーマテリアルフィニッシングユニット 小池久弥代 氏

── 後編はボディの後ろから伺います。リアパネルは、横から見ると大きくカーブを描いています。一般的なバスのようにルーフを後ろまで引っ張ることもできたのでは?

「テーマであるラウンド感をしっかり持たせたかったのと、タントとの差別化もあります。実際、このボディでルーフを後ろまで引くと、リアに相当な違和感が出てしまうと思います」

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── 横長のフロントに対し、リアランプはほぼ正方形です

「フューエルリッドの位置など機能的な制約もありますが、たとえば前後で横長にしてしまうとボディが短く見えてしまう。ちなみに、フロント同様リアランプもジュエリーがモチーフで、宝石のように見る角度によって表情が変わるよう工夫しています」

── ホイールについてお伺いします。今回は2色塗りのホイールキャップがウリですが、なぜアルミではなかったのですか?

「上級グレードにアルミを付けて特別感を出すより、ホイールキャップで様々な表現を作った方が今回は訴求力があるだろうと。キャップ中心の広い面は、大きなキャビンを支える意図と、同時に愛らしさも兼ねています」

14インチ2トーンカラードフルホイールキャップ(ホワイト) 14インチ2トーンカラードフルホイールキャップ(グレー)

── ホイールにボディカラーを入れるという発想はありませんでしたか?

「それも検討しましたが、実際にやってみると色があちこち散ってしまう。また、ストライプカラーではホイールとルーフの色を合わせると非常にしっくり来ることが分かったんですね。今回、ホワイトとグレーの2色にしたのはそのためなんです」

── 次にボディカラーです。今回のウリであるツートンのストライプカラーに具体的なモチーフはありますか?

「いえ。一口にツートンと言っても塗り分け方は様々なので、そこの検討をかなりやりました。その中で新ジャンル感があり、かつボディの長さを表現する手法として今回のパターンにたどり着きました」

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── ホワイトのツートンは流行ですが、グレーは珍しいですね

「はい、実は新ジャンルとして男性をイメージしました。メインの母娘に対し、ここは母息子でも父娘でもいいと(笑)。この配色は社内の男性役員にもウケがよかったですね」

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── 一方のモノトーンですが、ツートンとは異なるモノトーンならではの見せ方は考えたのですか?

「そこは何かを強調するのではなく、あえて素のよさを見せたかった。色も、陶器のようにハイライトが白っぽく抜ける、濁りのないモノを作りました。いまどきの2色性のあるギラギラした塗料でなく、より素直な色ですね」

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── メイクアップシリースですが、元々こちらがオリジナルという発想だったのでしょうか?

「そこは難しいところですね(笑)。見せ所であるボディを一周するメッキが似合うデザイン、という発想は当初からありましたので。メイクアップとキャンバスは同時発想と言えるかもしれません」

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── 室内に移ります。インテリアの造形コンセプトは?

「エクステリアに準じますが、ナチュラルさとして大きな面構成による居心地のよさを、アクティブさとしてメッキやカラーでのアクセントを出す。また、革ではなく布目のシボを使うことでもナチュラルさを表現しています」

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── アクセントカラーの3色は何を意図したものですか?

「茶色はナチュラルと上質、ミントはこのクルマのキーカラーとしてアクティブさを、ピンクはやはり女性を意識しました。実は、ピンクはパンプキンイエローと最後まで迷ったのですが、まずは順当にピンクかなと(笑)」

ピンクインテリア ブラウンインテリア

── シートは3色とも単色で落ち着いたものですね

「インパネやドア内張りのアイボリーと協調する色としました。キャンバスはシート自体が主張をするようなクルマではありませんので、穏やかでシックなイメージにしています。ブラック内装は、男性を意識したグレーツートンのボディに用意しました」

ブラックインテリア

── 最後に。キャンバスはボディに目立ったラインもなく非常にシンプルですが、デザインの耐久性を意識したものなのでしょうか?

「はい。より長く愛着を持っていただけるよう飽きの来ない造形を意識しています。シンプルなボディですが、基本骨格、面の張り剛性をしっかり確保していますので、長い時間に耐え得るデザインと言えるでしょう」

── なるほど。本日はありがとうございました。

(すぎもとたかよし)

キャンバスのデザインは「陶器の輝き」─ ダイハツ・デザインの新ジャンルをインタビュー(前編)

ミラ・ココアの後継かと思われたムーブ・キャンバスは、まったく新しいジャンルの軽として発表されました。

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そこで「デザインにおける新しさとは何か」を、デザイナーにインタビューしました。前半では、コンセプトからサイドボディのデザインについてお伺いしました。

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[語る人]
ダイハツ工業株式会社
デザイン部デザイン室主任 畑 延広 氏
カラーマテリアルフィニッシングユニット 小池久弥代 氏

── はじめに、造形上のコンセプトから教えてください

「ナチュラル、愛着、アクティブの三つのキーワードから『ステキ・リラックス』としました。女性をメインターゲットとして、「ナチュラル」は柔らかいラウンドシルエット、「アクティブ」は使えるロングシルエット、「愛着」は斬新なツートンのストライプカラーとして表現しています」

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── 昨年の東京モーターショー出品の『Hinata』がオリジナルかと思いますが、有名なVWバス(タイプ2)のイメージも重なりますね

「Hinataの直接の市販版ではありませんが、デザインスタディといえます。VWバスについては、楽しい雰囲気をどう演出するかの検討段階で話に出ましたが、それを目指そうとはなりませんでしたね」

── 近いカテゴリーにタントやミラ・ココアがありますが、2台との棲み分けは?

「家族のタントに対し、母娘のキャンバスは全高を下げ、よりパーソナルなイメージとしています。ミラ・ココアとは同じ『テイスト系』ですが、ロングキャビンによる使い勝手重視のパッケージがキャンバスの独自性でしょう」

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── では、フロントから見ていきます。横楕円のフロントランプには何かモチーフがありましたか?

「いえ、形状自体にはありません。リアに向けて流れるボディラインの出発点としつつ、同時に愛らしさを持たせました。一方で、ランプ内部はジュエリーをモチーフとして、リングと宝石を表現しています」

── サイズに厳しい軽では珍しく、グリルとバンパーに明快な段差を設けていますね

「特徴であるツートンのストライプカラーを際立たせるため、ここはわざわざ別パーツで構成しました。こうした立体造形は質感のアップにもつながるんですね」

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── 丸いエンブレムはかなり大きめですが、アクセントの意図があるのですか?

「はい。ミラ・ココアもそうですが、テイスト系のクルマでは社名のDの字以外の専用表現としています。今回は『canbus』のCとBをモチーフとし、女性が身につけるアクセサリーをイメージしてまとめました」

── ボディサイドに移ります。ルーフの前後ではかなり丸みを持たせましたね

「シンプルな面でラウンド感を出したかったのがひとつ。もうひとつは愛着の表現でもありますが、思わず手で触りたくなるような優しい面の質感を出したかった」

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── 一方で、左右方向は大きく絞りませんでした

「タントほどではありませんが、やはり適度な広々感は必要です。また、左右の角をあまり削ってしまうと、ルーフラインの前後長がなくなり、キャビンが短く見えてしまうんですね」

── すべてのピラーがブラックアウトされていますが、これは必須条件でしたか?

「はい。前から後ろにスッと抜けることで、サイドボディの大きな面がうまく分割され、前後への長さ感が出てきます。同時に、シルエットをタントと異なる表現にしたかったこともあります」

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── その広いサイドボディですが、メッキモールの少し上に折れ線というか、淡いラインを入れたワケは?

「これだけ広い面なので、張りを持たせるためには面を一旦凹ませて再び出す必要がありました。これがないとペナペナになってしまう」

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── ホイールアーチについて、最近は強い凹面でキッチリした表情を出す例が多いですが、キャンバスはずいぶん穏やかな面です

「実は、当初からボディを陶器のように滑らかに見せたい意図があって、強い表現はやりたくなかったんです。また、ことさら走りを強調する必要もないので、最低限の凹面で微妙な表情を作ったわけです」

続きは後編にて…

(すぎもとたかよし)

想定ユーザー・用途に特化? ダイハツ ムーヴ・キャンバスの「走り」をチェック

ムーヴ・キャンバスにはターボエンジンの設定はなく、52ps/60NmというNAエンジンのみが用意されています。

キャンバスの車両重量は、最も軽いのが最廉価グレード「L/2WD」の910kgで、売れ筋の2WDモデルは920kg。最も重いのは4WDの「X」、「G」系で970kgとなっています。

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実際に試乗してみると、この車重とNAエンジンの組み合わせでは、動力性能に不安が残ります。街中であってもNAエンジンには荷が重く、発進・加速時ともにモアパワーの印象を抱かせます。

日産デイズ、三菱eKワゴン系の初期型(登場時)のNAエンジン仕様ほど「遅い!!」と驚かされるほどではありませんが、流れに乗るにはアクセルも深く踏み込む必要がありました。

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そうなるとエンジン音も高まり、加速感と音がシンクロせずに、CVTを含むパワートレーンの音ばかり高くなるという課題も顔を出します。とくに、首都高速を走らせてみると、やはりターボ車は必須だと実感。

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ターゲット層を考えるとNAエンジンで不足はないだろう、という判断でしょう。しかし実際には、郊外などでは一般道でも結構な速度になることが多々あり、ターボの設定を望む声も出てきそうです。

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操縦安定性では、パワステの設定が妙に軽すぎることなく、直進安定性も高速道路での流れ程度なら十分に確保されているのが確認できました。また、静粛性も最新の軽自動車にふさわしいレベルで、とくに前席は国産スモールカーと比べても快適な空間といえるだけに、NAエンジンのみでかなり回さないと走らないシーンがあるのが残念です。

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タウンスピードでの乗り心地は、ムーヴやキャスト系(アクティバ・スポーツをのぞく)ほどのしっとり感までは得られていません。ダイハツだけでなく軽自動車全体の中でも最上といえる乗り味を誇るキャスト・アクティバよりも35mm高い全高が影響しているのか、背高系ならではの微小な上屋の動きも気になります。

ただし、2台試乗したうち1台はこうした動きもやや抑えられていたので、試乗車の個体差があるかもしれません。

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シャーシはムーヴ用を基本としていて、ダンパーには「フリクションコントロールダンパー(FCD)」が採用されており、バルブ応答性改善、サイズアップ(フロントC30、リヤC25)が図られています。

それでもムーヴやキャストとの乗り心地の差は、確かに感じられます。ダイハツ九州 開発部 開発室の大坪 稔さんによると「タント同等以上のボディ剛性(曲げ、ねじり)を確保していますが、ムーヴまでは到達していない」とのことで、両側大開口スライドドアという利便性を得ていますが、乗り心地とのトレードオフになっているようです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ムーヴ・キャンバスが、タントのミラクルオープンドアを「採用しなかった」理由とは?

ムーヴ・キャンバスは車名にムーヴが付くように、ムーヴの派生モデルという位置づけ。とはいえ、助手席側が大開口になるピラーレス構造の「ミラクルオープンドア」を備えるタントとの関係性も気になります。

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全高はムーヴが最も低い1630mm、キャンバスが1655mm、タントが1750mm。ホイールベースは全車2455mm。そこで気になるのは、キャンバスがなぜタント同様にミラクルオープンドアを採用しなかったのか? という点。

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ミニバン的なキャラであるタントが採用しているのは、小さな子どもを含めた乗降のしやすさはもちろん、大きな荷物の出し入れなどが理由でしょう。

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一方のキャンバスは、ファミリーユースでも十分に使えるものの、最大のターゲットは母親などとシェアする独身女性が中心になっているという事情もありそうです。もちろん、タントよりもパーソナル感の強いムーヴの派生モデルという位置づけもあるはず。

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キャンバスの開発に携わったダイハツ九州 開発部 開発室の大坪 稔さんにお伺いすると、「質量(車両重量)が重くなってしまうのと、コストがかかるため」というのが大きな理由だそうです。

対象とするユーザー層や使用されるシーンを想定すると、両側スライドドアでも良好な乗降性、そして荷物の出し入れのしやすさも十分に担保されていますから、デメリットを考えると採用する理由はなかった、ということでしょう。

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さらに、「キャンバスは、タント/ウェイクをベースとしていますが、ピラーレス構造であるミラクルオープンドアにすると、ねじり剛性など開口剛性を確保するのが非常に難くなります(重量増に直結する)。そのため、もっと長い開発期間が必要になります」と続けてくれました。

そう、キャンバスは車名にダイハツの顔といえる「ムーヴ」の冠こそ頂いていますが、ベースはウェイクとムーヴの両方になっています。タントをベースとしなかったのは、ピラーレス構造と全高の違い(95mmもタントの方が高い)が理由だそうです。

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もっと正確に言うと、キャンバスのフロントフロアはウェイク、リヤアンダーはムーヴがそれぞれベースになっています。

ただし、キャンバスはウェイクやタント、ムーヴなどと全高が異なるためドアパネルも新設したとのこと。これには、デザイン部門からも外観の差別化から流用は避けて欲しいという要求もあったようです。他には、ピラー関係もインフォース系をのぞいて新規開発、ボンネットやリヤドアなどもパネル新規に金型を起こしています。

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ムーヴ・キャンバスという車名から、言葉は悪いですが一見小手先の派生モデルに感じるかもしれませんが、2台分開発するくらいのエネルギーを注いだ、というキャンバス。今後の主力モデルの1台になりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ダイハツ・ムーヴ・キャンパスは、内装にも細やかな工夫あり!!

現行ムーヴ以降のダイハツ車(とくに軽自動車)は、近年少し失われていた感のある内装のクオリティを再び引き上げ、スズキやホンダ、日産・三菱連合と比べてもアドバンテージといえるレベルに達している印象を受けます。

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ムーヴ・キャンパスも例に漏れず、軽自動車トップクラスといえる上質感のあるインパネを採用。プラスチック・パネルの梨地のシボも上質感があるうえに、ダッシュボード上辺は革系の素材にシボ加工が施されるという凝った仕上がりになっています。

20160926DaihatsuCanbus053もちろん、インパネには傷が付きにくい素材が選ばれていて、バッグの金具などが当たってしまっても傷つきにくく、目立ちにくいように配慮されています。

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内装色はアイボリー調が基本で、「メイクアップ」系グレードには「ファインミント」や「ミストピンク」、「マイルドモカ」の差し色が入り、差し色が入らないベーシックな内装色のほか、シックで男性ユーザーにも受けそうな「ブラックインテリアパック」も用意。

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20160926DaihatsuCanbus014 20160926DaihatsuCanbus012

なお、ドアアームレストとオーディオパネルまわりの差し色は、少しコストが嵩む塗装が採用されていますが、そのぶん艶(ツヤ)感が出されています。

それでも40代まで含めた女性層をターゲットにしているため、差し色が派手になり過ぎないようにミントでもピンクでも少し「くすませて」いるほか、同じ色でも面積の大きいグローブボックス部分を少し暗く、オーディオパネル部分を明るめにするなど、彩度を変えているそうです。

ピンクなどの差し色を派手になり過ぎないように「抑えた」のは、以前明るめの色を採用したところ女性からの恥ずかしい、という声もあったからだそうです。

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なお「ブラックインテリアパック」のオーディオパネルやシフトパネルには、ピアノブラック調加飾が配されています。

(塚田勝弘)

こだわりの「ストライプカラー」がムーヴ・キャンバスにもたらす効果とは?

ダイハツとしては久しぶりに女性ユーザーを強く意識したというムーヴ・キャンバス。

実際に購入しているのは、同社の市場調査による狙いどおり同居している「母娘」家族が中心で、20代〜30代の女性が中心になっているそうです。また、シックな色は男性にも好評とのこと。

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女性ユーザー中心となると、オシャレなカラーやデザインがより重要になります。ダイハツ デザイン部 デザイン室 カラーマテリアルフィニッシングユニットの小池 久弥代さんに女性の「色」へのこだわりについてうかがうと、たとえば「赤からピンクまでの色合い」を男性は3〜4カテゴリーに分けるそうですが、女性は口紅のように非常に細かく識別できるそうです。

そうなると、まず気になるのがボディカラーやインテリアがオシャレかどうか、ということでしょう。最も目を惹くのは、訴求カラーのパールホワイトⅢ×ファインミントメタリックをはじめとした2トーンカラー。

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ダイハツでは「ストライプカラー」と呼んでいて、ルーフとドア上辺(アウターハンドルの上)、ドアミラー、そしてボディの下側が、ボディを囲むようにホワイトもしくはグレー(シルバーではない)でペイントされています。

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先述の小池さんによると、こだわったのがこの「ストライプカラー」で、マスキングの量を減らし、作業しやすい塗装方法を吟味して選択したとのこと。

実際の生産工程では、最初にボディカラーを塗装、つぎにマスキングしてホワイトもしくはグレーが塗布されています。なお、ボンネットとバックドアもホワイトもしくはグレーになりますが、これはホワイトもしくはグレーのモノトーン仕様のものが使用されています。

こうしたストライプカラーを採用したのは、流行している2トーンカラーモデルの中で埋没しないように、また、伸びやかなサイドビューを印象づけるためだそうで、その狙いは実車からも十分に伝わってきます。

見た目の印象を「横長」、まさに「バス」のように見せているキャンバスは、タントとの違いも強調するために採られたデザイン手法ともなっています。

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この「ストライプカラー」は6万4800円のメーカーオプションで、最廉価の「L」グレード以外の全車で選択可能。予算に余裕があればぜひ選択したいカラーコーディネイトです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

発売約1カ月で2万台超は月間目標台数の何倍?ダイハツ ムーヴ・キャンバスが好調なスタート

ダイハツ・ムーヴ・キャンパスが発売約1カ月で約2万台を受注し、好調なスタートを切ったそうです。

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最近のダイハツの軽自動車は、意外にも「女性をメインターゲットに据えたモデルが少なかった」ということで、ムーヴ・キャンパスへの期待値は高く、同居している「母と娘で使う」という乗り方はもちろん、最近の新しい家族のカタチとして注目を集めている「近居」している母娘で使うということも想定しているのでしょう。

平日は母が使い、休日は主に娘が乗るというニーズに注目したというムーヴ・キャンパスは、世代・トレンド評論家である牛窪 恵さんが定義した「育自ウーマン」を中心に「この背の高さで、スライドドアはありそうで無かった」「かわいいデザインや、個性的なカラーが好み」などといった特徴が支持を受けているそうです。

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NAエンジンのみということで、男性はもちろん女性ユーザーでも走りを重視する層がどう判断しているか分かりませんが、好調なスタートダッシュを切ったと言うことはNAエンジンで十分というユーザーが多いのでしょう。

なお、主な購入層は20〜30代の女性で、シックなカラーは男性にも好評とのこと。

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そのほか、月間目標台数の4倍となる約2万台を受注したという、ダイハツ・ムーヴ・キャンパスの主な好評点は下記のとおりです。

・全高1655mmと水平基調のロングキャビンによる、のびやかなスタイリング
・ストライプスカラーによる、新感覚の2トーンカラー
・クラス初の両側スライドドアと、新開発の「置きラクボックス」による抜群の使い勝手
・パノラマモニターやAFS(Adaptive Front-lighting System:ステアリング連動ヘッドランプ)など、運転が苦手な方にも安心の新装備
・ダイハツならではの高い基本性能による、街乗りでのフラットな乗り心地の良さ

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

ダイハツ・ムーヴ キャンバス、月販目標の4倍となる2万台を受注!

ダイハツ工業が10月11日、今年9月7日に発売した新型軽乗用車「ムーヴ キャンバス」の累計受注台数が、発売後約1ヶ月で月販目標台数(5,000台/月)の4倍となる約2万台に達したと発表しました。

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9月度の軽自動車販売台数は約16万台(前年同月比-8.0%)で、徐々に回復傾向にはあるものの、昨年1月以来、長らく前年割れが続くなか、同車は9月の軽自動車販売台数ランキングでいきなり9位に登場

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単月で6,258台を販売するなど同車の人気ぶりに注目が集まっています。

「ムーヴ キャンバス」は 近年の女性の行動特性に着目、自身のライフスタイルを楽しむ女性をターゲットに企画・開発を行ったそうで、親との同居世帯の増加に伴い、世帯内でクルマを共有する傾向が増えていることから、幅広い世代で使いやすい軽自動車を目指したといいます。

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こうした市場背景を捉え、デザイン性と機能性を両立した新感覚のスタイルワゴンとしたことが奏功した模様。

主な購入層は20〜30代の女性で、主な好評点としては以下となっています。

・水平基調/ロングキャビンが特徴のスタイリング
・新感覚の2トーンによるカラーリング
・全高1,700mm以下の軽乗用車で初となる両側スライドドア採用
・パノラマモニターやAFS(ステアリング連動ヘッドランプ)等を装備
・「置きラクボックス」による使い勝手の良さ
・待ち乗りでのフラットな乗り心地

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装備を大幅に充実させつつ、118〜154万円(4WD除く)の価格帯に抑えていることも、好評点の一つなのではないでしょうか。

Avanti Yasunori・画像:ダイハツ工業)

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トヨタ自動車が上半期(4-9月)の登録車販売ランキングでTOP3を独占!

日本自動車販売協会連合会(自販連)によると、本年上半期(4-9月)の国内新車販売台数(登録車)は前年同期比4.0%増となる154.6万台となっています。

もっとも売れたのはトヨタ自動車の「プリウス」で、前年同期比で2.5倍超となる13.7万台を販売。

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同車は昨年12月にフルモデルチェンジして以降、今年だけで既に20.8万台を販売するなど好調が続いており、特に4月以降は各月とも前年比で2倍超え(7月は約3倍)の状況が続いています。

登録車販売台数TOP10のうち、首位のプリウス、2位のアクア、3位のシエンタが上位TOP3を独占、トヨタ車が10車中、7車を占めている状況。

TOYOTA_SIENTA

また、「シエンタ」は上半期に前年同期比で2倍超となる6.3万台を記録。

さらに同社は今年4月、「軽じゃないK」の謳い文句で「パッソ」をモデルチェンジ。

価格帯を軽自動車並みの115-166万円(4WD除く)に抑えるなど、軽からの顧客誘導を図っており、こちらも上半期の販売で6位(4.2万台)にランクインしています。

登録車市場はトヨタ自動車が牽引することで、昨年4月以降からもち直しつつあり、長らく前年割れが続く軽自動車市場においても、完全子会社化したダイハツから装備を大幅に充実させた「ムーヴ キャンバス」 を118-154万円(4WD除く)の価格帯で登場させるなど、今後も同社の動きから目が離せない状況が続きそうです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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8月の国内新車販売、9ヶ月連続でプリウスが首位!
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9月の新車販売、プリウスが10ヶ月連続首位、ムーヴキャンバス9位に初登場!

日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した9月度の軽自動車を含む国内の新車総販売台数は47.7万台(前年同月比-0.5%)となっています。

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自販連によると、登録車の販売台数は31.7万台(前年同月比+3.7%)で、もっとも売れたのは昨年12月にフルモデルチェンジしたトヨタ自動車の「プリウス」。

前年比2倍超となる2万台以上を販売するなど、10ヶ月連続で首位を維持しています。

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そのほかにも、2位のアクア(1.5万台)や3位のシエンタ(1.2万台)を含め、トヨタ車が トップ10中、6車種を占めている状況。

全軽自協によると、9月度の軽自動車販売台数は約16万台(前年同月比-8.0%)で、徐々に回復傾向にはあるものの、昨年1月以来、2年近くに渡って前年割れが続いています。

そうしたなか、もっとも売れた軽自動車はホンダ「N-BOX」で、2万台(+16.9%)を販売。

HONDA_N-BOX

トップ10中、ホンダが2車種、ダイハツが3車種、スズキが4車種、日産が1車種の構成比となっています。

注目はダイハツ「ムーヴキャンバス」がいきなり9位に登場したことで、6,258台を販売するなど、今後の伸びが期待できそうです。

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一方、三菱自動車からOEMを受けている日産「デイズ」は1.1万台(-21.1%)を販売、8月度の7,268台から一気に1.5倍増加するなど、2位のダイハツタントの1.2万台に続く3位のポジションを確保しており、燃費不正の影響は限定的とみられます。

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全体を俯瞰してみれば、軽自動車の販売についても徐々に回復傾向にあり、今後の動向が注目されます。

Avanti Yasunori

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上半期の新車販売ランキングTOP10はこうなっている!
http://clicccar.com/2016/07/11/384646/

地震による減産から復調!トヨタの5月国内生産が12.4%増
http://clicccar.com/2016/06/30/382526/

2016年9月の軽自動車販売、ムーヴキャンバスが単独ランクイン!

2016年9月の軽自動車(四輪車)の販売ランキングが全国軽自動車協会連合会より発表されています。

燃費不正から販売を停止していた日産と三菱の軽自動車が7月に販売再開してから2か月、9月7日には久しぶりの新型車となる「ムーヴキャンバス」がダイハツから登場するなど販売増が期待されましたが、全体では前年同月比92.0%となる15万9723台の販売にとどまっています。

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そうした状況において注目なのはホンダN-BOX。9月には、そのバリエーションであるN-BOX スラッシュがマイナーチェンジを果たした影響もあってか、前年同月比116.9%の2万406台とセールス好調です。

また、9月の速報においては新型車ムーヴキャンバスはムーヴとは別カウントでありながら、9位にランクイン。するどいスタートダッシュを切ったことが見て取れます。

●2016年9月 軽乗用車販売ランキング(軽自協調べ・速報)
1位 ホンダ N-BOX 20,406台
2位 ダイハツ タント 12,034台
3位 日産 デイズ 10,939台
4位 スズキ アルト 8,632台
5位 スズキ スペーシア 8,396台
6位 ホンダ N-WGN 8,361台
7位 スズキ ハスラー 8,317台
8位 スズキ ワゴンR 6,379台
9位 ダイハツ ムーヴキャンバス 6,258台
10位 ダイハツ ミラ 6,002台
※参考 11位 ダイハツ ムーヴ 5,250台

なお、同月における登録車のセールストップであるトヨタ・プリウスの販売台数は2万43台。わずかな差ながら、N-BOXが新車販売全体でのトップに立ったのもニュースのひとつです。

(山本晋也)

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2016年8月に売れた軽自動車、前年同月比で伸びているのは超ハイトモデルだけ?
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丸みを帯びたデザインの「ムーヴ キャンバス」登場。価格は118万8000円から
http://clicccar.com/2016/09/07/397977/

ホンダN-BOXスラッシュが一部改良。アウトドア風味のインテリアを新設定
http://clicccar.com/2016/09/17/399845/

コペンの「DRESSパーツ」の選択肢が拡大。一般公募で誕生した「コペンアドベンチャー」も発売

外板パネルを樹脂化することで、内外装着脱構造の「DRESS-FORMATION」を実現したダイハツ・コペン。

2016年8月末時点の累計販売台数は、約1万8000台だそうで、ホンダS660とともに軽オープンスポーツカーのマーケットを支えています。

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2016年10月3日、「コペンセロ」から「コペンローブ」への外板交換が可能なDRESSパーツがセットで販売されました。

すべての外板をコペンセロからコペンローブへ交換可能な「フルセット」に加えて、フロントパーツのみの交換を行う「フロントセット」、リヤパーツのみ交換を行う「リヤセット」の3つが用意されています。

フルセットの価格は37万4760円(消費税込み、工賃のぞく)、フロントセット/リヤセットは20万6280円となっています。

copen_20161003002copen_20161003003また、DRESSパーツ特別色としてコペンセロ専用色の「ブリティッシュグリーンマイカ」も設定されています。従来、コペンローブには設定のないボディカラーで、DRESSパーツ購入者のみまとうことができるもの。

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そのほか、「D-SPORT」より、コペンエクスプレイ用のDRESSパーツ「コペンアドベンチャー(販売予定価格は25万円)」ボディキットも同日発売されています。

コペンセロの発売と同時に実施した「コペンドレスフォーメーションデザインアワード」にて一般公募の中から最優秀賞に輝き、「東京オートサロン2016」で実車化された「コペンアドベンチャー」を市販仕様にリファイン。

SPKが運営しているダイハツパーツの取り扱いWebサイト「DRESS CLOUD CONCEPT」を通じて全国のディーラーで購入できます。

(塚田勝弘)

2016年下半期、要チェックの最新軽自動車はこの2台!

ひと昔前に比べて、落ち着きが戻りつつある軽自動車。

新車の登場も減ってしまい、なんとなく元気がなくなってしまった印象を得ますが、維持費の安さなどは変わらないため、いまでも魅力的なジャンルであることに変わりはありません。

むしろ一時期の「とにかく新車で低燃費!」といった流れから解放されたおかげで、新しく生まれた軽自動車は、コンセプトをはじめ機能性などが丁寧につくり込まれている印象があります。

なかでもダイハツが販売を開始した「ムーヴキャンバス」は注目の一台です。

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開発におけるコンセプトはズバリ「自身のライフスタイルを楽しむ女性」。

プロポーションは「タント」や「ウエイク」のようにボックス型とし、室内空間を広く取る点は共通するものの、それを包み込むルックスはファミリーや男臭さを感じさせないテイストで仕立てられています。

インテリアはテイストを踏まえつつ、より軽自動車の使われ方に沿った進化を果たしています。

例えば、乗降性に定評のあるスライドドアはそのままに、荷物をサッと置きがちな後席足元に引き出し式のボックスを新たに用意。中敷を立ち上げれば走行中の荷崩れを防げるといった細かな配慮も嬉しいです。

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安全面の強化にも注目。カメラとレーダーで前方の車両と人を検知し、緊急時には自動でブレーキを掛けて事故を未然に防ぐスマートアシストⅡはもちろん、ダイハツで初となるパノラマモニターで、駐車や狭い路地でのすれ違いをアシストします。

さらに、軽自動車で初となるアダプティブフロントライティングシステムを採用。これはクルマの進行方向に合わせてヘッドライトの照射方向を自動で調節し、夜間の安全性を向上させます。

ヘッドライト

グレードは全部で3種類を用意し、最上級の「G“メイクアップSAⅡ”」でも154万4400円(FF車)〜166万8600円(4WD)とお手頃。

開発におけるターゲットは女性でしたが、グレーやブラウンのようなシックな色合いも用意されており、意外と若い男性にも似合うのではないでしょうか?

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もう一台の注目が「トヨタ・ピクシスジョイ」です。

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すでにダイハツから「キャスト」の名で販売されていますが、2016年8月31日から全国のトヨタカローラ店74社、ネッツ店105社、軽自動車比率の高い地域で取扱希望のあったトヨタ店15社、トヨペット店16社を含む販売店210社にて「ピクシスジョイ」の名での販売を開始。

基本的な構成は「キャスト」と同じく、外観上ではエンブレムが異なる程度。搭載される安全装備もカメラとレーダーを併用するスマートアシストⅡが採用されています。

「キャスト」の最大の魅力がひとつのボディで3つの異なるバリエーションを展開している点であり、こちらも「ピクシスジョイ」で踏襲。

インテリアに鮮やかな色彩を放つカラーパネルとメッキを配してオトナの上質感を醸し出す「ジョイF」。

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樹脂製ガーニッシュや大径タイヤに加えて、最低地上高も180mmへとアップさせて悪路走破性を高めたSUVテイストの「ジョイC」。

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そして、エアロパーツのほか、内外装にレッドのアクセントを加えてルックスと実力ともにスポーティな「ジョイS」は、スポーティサスペンション(FF車)とMOMO製革巻きステアリングホイール(パドルシフト付き)など魅力的なアイテムも盛り沢山。

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なお、価格も「キャスト」を踏襲しています。これまで近くにダイハツの販売店がなかったために欲しくても買えなかったという人の手にも渡るようになりました。

(今 総一郎)

ダイハツ・ムーヴ キャンバスのつくり込みは「女性がうれしい」スタイルと装備が自慢

ファミリー向けの「タント」、そしてアウトドアレジャーなどアクティブな人向けの「ウエイク」など、そのコンセプトを明確にしたモデルの開発が目立つダイハツから、新たなモデル「ムーヴ キャンバス」が発売されました。

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この「ムーヴキャンバス」の開発でターゲットとしたのは、ライフスタイルを楽しむ女性。

背高で四角いボディは同社の「タント」や「ウエイク」と同じですが、柔和な顔つきやボディ上下で塗り分けられたカラーリング、さらにメッキやカラーパネルをアクセントに加えたインテリアなど、ファミリーやアクティビティとは違ったカジュアルさを醸し出しており、クルマというよりもペットといった雰囲気が特徴です。

新たなコンセプトのもと生み出された「ムーヴキャンバス」は、実用性でも女性目線でつくり込まれています。

助手席もしくは後席足元に荷物を置く方がほとんどのはず。しかし、走行中に荷崩れしてしまうことがありました。また、荷室に荷物を置く場合にネイルを傷つけてしまうこともあります。

そこで「ムーヴキャンバス」では「タント」や「ウエイク」でも好評のスライドドアはそのままに「置きラクボックス」を採用したことで、この課題を見事に解決しているのです。

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さらに安全性の強化も見所。ダイハツでは初となるパノラマモニターを採用し、駐車時はもちろん狭い道でのすれ違いでもボディ側面を映し出すことで安全を確保。

また、夜間の視界確保に役立つアダプティブフロントライティングシステム内蔵のLEDヘッドライトを軽自動車として初めて採用しています。

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女性を前提として開発された「ムーヴキャンバス」ですが、その内容に加えて、ブラウンやブラックなどシックなカラーリングも用意されていることから男性が選んでも良さそうです。

そんな「ムーヴキャンバス」の魅力を約7分で掴める動画も公開されています。

(今 総一郎)

トヨタが「PIXIS JOY」を発売!深まるダイハツとの関係

トヨタ自動車は今年の1月29日にダイハツ工業の完全子会社化を発表。

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持続的成長に向け、ダイハツの小型車開発におけるノウハウをベースに、初期構想段階から両社間で技術戦略を共有、小型車事業においても「もっといいクルマづくり」をさらに進化させていく考えを明らかにしています。

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同社はこれまでもダイハツから軽自動車「ピクシス スペース(ムーヴコンテ)」や「ピクシス エポック(ミライース)」、「ピクシス メガ(ウェイク)」、「ピクシスバン/トラック(ハイゼット)」の計4車種の供給を受けています。

そうしたなか、同社はダイハツから軽自動車「キャスト」の供給を受け、8月31日に5車種目のOEM車となる「ピクシス ジョイ」を発売しました。

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ダイハツ「キャスト」とは基本的にエンブレムマーク以外共通で、生産工場についてもダイハツの大分県中津市の九州大分工場で行っています。

トヨタが7月末までに販売したダイハツの軽自動車(OEM)の累計台数は16.6万台。

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トヨタにとって、ダイハツからのOEMはトヨタ車ユーザーのセカンドカーとして売り込めると共に、ラインナップの拡充に寄与します。

OEM元のダイハツにとっても、トヨタが保有する大規模な全国の販売店網を活用できるメリットがあるという訳です。

勿論、登録車と軽自動車の双方を所有するユーザーにとっても、メンテナンスなどの面で販売店が同一の方が何かと便利なのは言うまでもありません。

冒頭でも述べたとおり、ダイハツがトヨタ自動車の完全子会社となったことで、今後は軽自動車についても、OEMの域を超えた協力関係が構築されることになりそうです。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

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トヨタの完全子会社になっても「ダイハツ」ブランドは消えません!
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トヨタ自動車がダイハツ工業の完全子会社化を正式発表!
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【関連リンク】

トヨタ PIXIS JOY
http://toyota.jp/pixisjoy/

AFSやパノラマモニター、クラウン級の装備も採用したダイハツ「MOVE CANBUS」の魅力とは?

ダイハツが9月7日に販売を開始した「ムーヴ キャンバス」(MOVE CANBUS)。

車名の「CANBUS」は帆布を意味する「CANVAS」を語源に、「CAN(できる)」と「BUS(バス)」を組み合わせたものだそうです。

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自身のライフスタイルを楽しむ女性ユーザーをターゲットに開発されたハイトワゴンで、同社の軽自動車「タント」のプラットフォームをベースに、乗降性に配慮した両側スライドドアを採用しています。

バックドアを開閉しなくても、後席下部に装備されている引き出し式の「置きラクボックス」に日常の買出し品を「ポン」と置けるため、運転中の不意のブレーキングやコーナーリング時にも荷物が散乱せず安心です。

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やや丸みを帯びたボディシルエットに、往年のVW「T2」を連想させるお洒落なツートーンカラーがよく似合っており、凝ったデザインのホイールキャップもボディデザインにマッチングしています。

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スリーサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,655mm。

KF型660cc直3エンジンは、最高出力52ps/6800rpm、最大トルク5.2kgm/5200rpmを発生。FFモデルの燃費は28.6km/L(JC08モード)、4WDモデルの燃費は27.4km/L(同)となっています。

フロント周りではパッチリと見開いたデザインのハイ・ロービーム一体式LEDヘッドランプが目を引きますが、何より画期的なのがヘッドランプに組み込まれた軽自動車で初採用となる「AFS」(Adaptive Front-lighting System)装備。

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トヨタ「クラウン」やレクサス「LS」など、高級モデルを中心に装備されている機能で、夜間、コーナリング時にステアリング操作に連動して進行方向を明るく照らし出してくれるスグレモノです。

その他にも同社初となる「パノラマモニター」にも注目です。

前後左右に設定された4つのカメラでクルマの周りの状況を捉え、自車を車両上方から鳥瞰できるため、駐車時や車庫入れの際に大いに重宝しそう。

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特に狭い道で対向車とすれ違う際、助手席側の路肩状況が気になりますが、そんな時もドアミラー下部にビルトインされたサイドカメラが大いに役立ちます。

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安全面では衝突回避支援システム「スマートアシストII」や、坂道発進時に後退を抑制する「ヒルホールドシステム」を装備。

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FFモデルの車両価格帯は118.8万円から154.4万円、4WDモデルは131.2万円から166.9万円。

ダイハツ「MOVE CANBUS」は、販売が堅調な登録車に対して伸び悩みをみせる軽自動車の販売に風穴をあけるべく、ダイハツが本気で開発した一台といえそうです。

Avanti Yasunori・画像:ダイハツ工業)

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ダイハツ「ムーヴキャンバス」はスライドドアで全高1655mm
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高畑充希は「育自ウーマン」!? ムーヴキャンバス発表で牛窪恵さんが定義!
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新レクサスLSに「AHS」搭載 ! ヘッドランプはここまで進化した !
http://clicccar.com/2012/10/17/202135/

【関連リンク】

ダイハツ ムーヴ キャンバス
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/move_canbus/

AFSヘッドランプコントロールシステム(DENSO)
http://www.denso.co.jp/ja/aboutdenso/technology/product/electronics/afs/

トヨタ「ピクシス・ジョイ」が登場。ダイハツ・キャストのOEM軽自動車

トヨタからも軽自動車が販売されているのをご存じでしょうか。

もちろん、完全子会社化されたダイハツからOEM供給されているもので、2016年8月31日、新たにダイハツ・キャストのトヨタ版であるピクシス・ジョイが加わりました。

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トヨタの軽自動車には、ピクシスの名が与えられていて、ピクシス・スペースはムーヴ コンテ、ピクシス・メガはダイハツ・ウェイクなどとなっています。トヨタの軽自動車はシリーズ合計で、月2000台〜2500台前後(2016年)を販売。

「トヨタ」ブランドの日本での販売台数(登録ベース)は乗用車だけで約10万〜13万台規模となっていますので、その割合は低めではあるものの軽自動車もラインナップしているという意義はありそうです。

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さて、新たにダイハツからOEM供給されるピクシス・ジョイは、キャスト同様に3タイプのボディバリエーションを用意。

キャスト・アクティバのOEM版である「ピクシス・ジョイC」は、樹脂のガーニッシュ(フロント/リヤ)や大径タイヤ(165/60R15タイヤ)などを採用することで、クロスオーバー風のエクステリアが与えられています。見た目だけでなく、最低地上高を180mm(ピクシス・ジョイF/ピクシス・ジョイS比+30mm)とすることにより、雪道や山道での走破性を確保。

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キャスト・スタイルのOEM版である「ピクシス・ジョイF」は、前後バンパーモールやサイドロッカーモールなどにメッキ加飾を施すことで、上質な外観としています。内装では、シート表皮に滑らかな触り心地のスエード調フルファブリックを採用するなど、外観同様の上質な雰囲気にまとめられています。

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「ピクシス・ジョイS」は、キャスト・スポーツのOEM仕様。前後バンパーなどの専用エアロパーツに加えて、内・外装に赤色のアクセントを施すことで、スポーティさを強調した外観が特徴。さらに、スポーティサスペンション(2WD車)をはじめ、MOMO製革巻ステアリングホイール(7速マニュアルモード/パドルシフト付)を採用することでスポーティな走りを演出しています。

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価格帯はピクシス・ジョイCが122万400円〜151万7400円、ピクシス・ジョイFが122万400円〜151万7400円、ピクシス・ジョイSが162万円となっています。

(塚田勝弘)

ダイハツの「スマートアシスト」搭載車が累計販売100万台を達成

「スマアシ」こと、ダイハツの衝突回避支援システム「スマートアシスト」搭載車が2016年7月末時点で100万台を達成したそうです。

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2012年12月に発売された「ムーヴ」から採用された衝突回避支援システム「スマートアシスト」は、2015年4月に「スマートアシストⅡ」に進化。単眼カメラと近距離用のレーザーレーダー(赤外線)を使って先行車などとの距離を測定するシステムで、軽自動車やコンパクトカーに搭載されています。

「スマートアシストⅡ」は、対車両の衝突回避支援ブレーキ(約4km/h以上50km/h以下で作動し、前方20m以内にある車両を検知して作動、速度差約30km/h以内)をはじめ、衝突警告機能(対車両、対歩行者)、車線逸脱警報機能(約60km/h以上で走行、警告のみ)、誤発進抑制制御機能、先行車発進お知らせ機能からなる安全装備。

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現在、ダイハツの軽乗用車ではムーヴ、タント、ミライース、ウェイク、キャスト、軽商用車ではハイゼット キャディー、小型乗用車ではブーンの合計7車種に同装備が採用されていて、同装備採用車両での搭載比率は7割を超えています。

move_20160621001cast_20160620023スマートアシストⅡは30km/hから50km/hまで作動速度が引き上げられていますし、価格は4〜5万円程度という設定ですから、保険の特約のつもりでぜひ装着したいものです。

(塚田勝弘)

ダイハツがインドネシアで7人乗りコンパクトミニバンを発売

インドネシア政府が推進しているエコカー施策である「LCGC(Low Cost Green Car/ローコストグリーンカー)」には、日産からダットサンGOが販売されていますが、ダイハツ(トヨタ)もLCGC適合車第1弾の「AYLA(アイラ)」の販売を2013年9月から開始しています。また、OEM版としてトヨタから「AGYA(アギア)」として販売されています。

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今回発表された「シグラ」は、ダイハツが日本で培った軽自動車の技術やノウハウを活かし、多人数乗車や多くの荷物を積む点など、現地で求められるニーズを反映した本格7人乗りAセグメントMPV。第1弾同様にトヨタへのOEM供給も実施されます。

「シグラ」のプラットフォームは、アイラと共通となるグローバルAセグメントプラットフォームを活用したもので、改良が施されています。エンジンはダイハツがアセアン向け次世代エンジンと位置づける1.2Lの新型NRエンジンと、燃費性能、出力などを改良した1.0LのKRエンジンを用意。

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燃費性能や価格面だけでなく、パッケージングも見どころだそうで、室内空間を最大限に有効活用する技術とノウハウを活かした、本格的なMPVとなっています。

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小型車ながら大人7人が快適に座れる居住空間と、日常生活で求められる荷物収納スペース、さらに高い小回り性を実現しているそうですから、インドネシア市場でのシェア拡大に期待が集まるコンパクトミニバンになりそうです。

(塚田勝弘)

マレーシア・プロドゥアの新型車は「軽自動車」由来の4ドアセダン?

ダイハツのマレーシアにおける合弁企業プロドゥアが、新・国民車となる「BEZZA(ベザ)」を発売開始しました。

マレーシア語で『従来と違う』という意味になる造語が車名の由来という、この新型車は、開発をプロドゥアが担当した初めてのモデルになるといいます。

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といっても、同社が開発を担当したのは、スタイリングとアッパーボディ。車体の基本となるプラットフォームはダイハツの軽自動車ノウハウを元にしたグローバルAセグメントプラットフォームを活用したものだということです。

つまり、プロドゥア・ベザはグローバルには最小カテゴリーとなるAセグメントの4ドアセダンというわけです。

とはいえ、Aセグメントでありながら、最大500リッターの容量を誇るトランクを持つなど、セグメント以上のサイズ感となるプロドゥア・ベザ。そのスリーサイズは全長4150mm、全幅1620mm、全高1510mmとなっています。

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エンジンは、1.0リッター「1KR-VE」と1.3リッター「1NR-VE」を搭載します。後者は、新工場を建て、現地生産するというのもニュースのひとつです。

さらに軽自動車にも採用されるアイドリングストップ機能「eco IDLE」を搭載するなど、燃費性能も考慮したことで、マレーシアのエコカー政策となるEEV(エナジー・エフィシエント・ビークル)に適合しているというのもセールスポイント。なお、1.3リッター車の燃費性能は22.8km/Lと発表されています。

分割可倒リヤシートの中央にヘッドレストが確認できない点や、ATが4速にとどまっている点などはASEAN向けのAセグメントカーという印象も受けますが、いかにも立派な内外装は、一見しただけではAセグメントとは思えないたたずまいといえるのではないでしょうか。

なお、現地価格は99万〜135万円(1RM=26.5円換算)といいます。マレーシアではアフォーダブルという価格帯は、日本においても、けっして安くはありません。ダイハツ・パッソなど日本のAセグメントカーとかぶる価格帯になっているのも時代の流れを感じさせます。

(山本晋也)

新型ダイハツ・ブーンのアイドリングストップ機構、実燃費はどうか?

2016年4月時点で「ガソリン車ナンバー1」というJC08モード燃費を掲げて登場した新型ダイハツ・ブーン、トヨタ・パッソ。1.0L直列3気筒DOHCの自然吸気エンジンは、吸気側のデュアルポート化により高タンブル化と吸気効率の向上などを実現。

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高タンブル化やアトキンソンサイクル化や、ピストン形状の最適化により、圧縮比は従来の11.5から12.5に向上、高圧縮化も達成。そのほか、EGRバルブの応答性向上によってEGR(排気再循環)の量を拡大し、燃焼効率を向上するなど定番といえるメニューも盛り込まれています。

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さらに、ボディ側も空力性能の向上(空力意匠、空力パーツの採用)によりCd値の低減も図られているほか、プラットフォームの軽量化など低燃費実現策が数多く採用されています。

トランスミッションは、燃焼効率のいい回転域を使いやすいなど、カタログ燃費向上に利くCVT。もちろん、いわゆる「コースティング」機能付アイドリングストップも用意されています。

新型ブーンに搭載されているアイドリングストップは、軽を含む従来のダイハツ車と同じフィーリングで、再始動時の音、振動ともにスズキのアイドリングストップと比べるとやや大きめ。

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また、停車時に「カックン」ブレーキを防ぐため、少しブレーキを戻しながら停止するようなブレーキ動作だと意図していないのにエンジンが再始動してしまい、再びブレーキペダルを踏み込んでも再停止してくれません。

ホンダの軽なども同様ですが、ドライバーの意図に沿ってくれないのはやや残念なところ。

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ブレーキストロークセンサーなどにより意図しないエンジン再始動を防ぐスズキ方式は、同社の特許かもしれませんが、乗り比べてしまうと少し気になります。

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さらに、コースティングに入ってからのエンジン再始動もスズキの方がスムーズ。ダイハツ・ブーンも9km/h以下では同機構が作動しませんから、渋滞時にエンジンが止まったり再始動したりしてギクシャクした動きにはならないものの、再始動時は音も振動も大きめに伝わってきます。

ただし、新型ブーン/パッソは、2WDだけでなく4WDにも9km/h以下でエンジンがストップするなどにより4WDでも24.4km/Lという燃費を達成しているのも自慢。

ブレーキ操作も「どうすれば再始動せずにアイドリングストップに入れるか」も慣れてくるとコツがつかめますので、オーナーなら慣れるかもしれません。

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さて、新型ブーン/パッソが誇る2WDのカタログ燃費28.0km/Lですが、315km走行して(高速道路約6割、一般道約4割)実燃費は18.5km/L(満タン法)。

なお、メーターの平均燃費表示は走行シーンにより異なりますが、15〜18km/L台(写真は16.7km/L)を表示することが多かったです。

とくにエコランに徹したわけではないので20km/L台も無理とはいいませんが、15〜19km/Lくらいが現実的な数値ではないでしょうか?

(文/写真 塚田勝弘)

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新型ダイハツ・ブーンの居住性、積載性は「軽」を超えたか?

新型ダイハツ・ブーンは、全長3660×全幅1665×全高1525mm(CILQ。X系は全長3650mm)、ホイールベースは2490mmというサイズ。

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先代ブーンの全長3640×全幅1665×全高1535mm、ホイールベース2440mmと比べると、スリーサイズはほとんど変わっていませんが、50mmもホイールベースが延長されているほか、前後トレッドも各10mmずつワイドになるなど、居住性や安定感のある走りに配慮されていることが分かります。

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さらに、トレッド拡大で前輪の切れ角を見直すことで、先代の4.7mから4.6mに最小回転半径も小さくなっていて、全長が10〜20mm伸びても取り回しの面でも不安はありません。

気になる居住性ですが、前席は横方向、頭上空間ともに身長171cmの私でもとくに不満はありません。

シートサイズも一見すると十分なサイズが確保されていますが、時間座っていると腰を中心に疲れを感じることもありました。

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後席は先述したロングホイールベース化し後席をより後方に配置して、タンデムディスタンス(前後乗員間距離)を940mmとすることでクラストップを実現したとしています。

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膝まわり、頭上空間ともに十分な広さを感じさせてくれますが、シートは背もたれ、前後ともにもう少し厚みを含めたサイズアップが欲しいところ。

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また、荷室はスモールカーの標準的な広さという印象で、シングルフォールディング(6:4分割可倒式はX系のエントリーモデル以外に標準装備)により、シンプルに前倒しすれば拡大できるという設計になっています。

150万円以下がメイングレードだけにコストの制約も厳しいのでしょうが、もう少しスモールカーのスタンダードを打ち破るような質感があると軽からのアップサイジング層の心をよりキャッチできる気がします。

(文/写真 塚田勝弘)

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ダイハツ新型ブーン試乗!! 軽の技術でコンパクトカーは変わるのか?
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ダイハツ・新型ブーン試乗!! 軽の技術でコンパクトカーは変わるのか?

2010年に登場した先代ダイハツ・ブーンのプラットフォームを軽量化、高剛性化させて生まれ変わった新型ダイハツ・ブーン。

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先代同様にトヨタ・パッソのブランド違いであるのは同じですが、開発や設計、デザイン、製造までをダイハツが担っていて、新型パッソはダイハツからトヨタにOEM供給されることになります。

これからトヨタ、ダイハツのコンパクトカーは、トヨタの7カンパニー制で生まれたトヨタ自動車東日本主体の「トヨタコンパクトカーカンパニー」とともに歩むことが予想されますから、ダイハツ主体の新型ブーン/パッソとは異なった戦略、クルマ作りがされる可能性もありそう。

新型ブーンは、とくにフロントマスクからキャストあたりと似た雰囲気が漂います。

乗り心地の良さも先代ブーンからの進化を感じさせる点。街中での静粛性は国内のスモールカーの標準を少し超えたあたりかな、と感じさせます。

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28.0km/Lという低燃費を謳う直列3気筒の1.0L NAエンジンとCVTの組み合わせは、メインステージと思われるタウンスピードであれば動力性能に大きな不満はないものの、高速に場所を移すとモアパワーを抱かせます。その加速フィールは、最高出力64psの軽のターボが過給をはじめた際には及ばない印象。

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また、少し気になるのがかなり軽めのパワステで、街中で交差点を曲がる際や狭い場所で駐車する時などは女性などでも楽に扱えるのでしょうが、市街地でも少し速度を上げるだけで、直進するだけでも僅かとはいえ、修正舵を当てる必要性を感じさせます。

これが高速になると顕著になりますから、街中中心という割り切りを感じさせるパワステのセッティングといえそうです。

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一方で、高速巡航時は軽自動車よりも室内への侵入音も抑えられていて、軽とはひと味違う美点。これでもう少し直進安定性やロードホールディング性能が向上されれば、走りの質感の「軽さ」が払拭されるはずで、さらなるスポーティグレードの設定も期待したいところです。

(文/写真 塚田勝弘)

2016年6月の軽乗用車セールス、ホンダN-WGNが急浮上!

日産と三菱の軽自動車が不正問題から販売停止になっている中、2016年6月の軽乗用車の販売ランキング(速報)が、一般社団法人 全国軽自動車協会連合会より発表されました。

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1位がホンダN-BOX、2位にダイハツ・タントというトップ2は、もうおなじみといえる並びですが、3位にホンダN-WGNがジャンプアップしているのが大きな変化となっています。

●2016年6月 軽乗用車販売ランキング(軽自協調べ・速報)
1位 ホンダ N-BOX 15,622台
2位 ダイハツ タント 12,340台
3位 ホンダ N-WGN 8,059台
4位 スズキ アルト 7,821台
5位 ダイハツ ミラ 6,803台
6位 スズキ ワゴンR 6,789台
7位 スズキ ハスラー 6,663台
8位 ダイハツ ムーヴ 6,542台
9位 スズキ スペーシア 6,299台
10位 ダイハツ キャスト 4,731台

マイナーチェンジ効果により販売ランキング3位に上昇してきたN-WGN、順位自体はインパクトありますが、そのセールスは4桁。軽自動車離れと言われる状況を如実に感じる数字になっています。

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ちなみに、軽自動車(四輪)全体としては、2016年6月の販売台数は13万3137台となり、前年同月比では81.6%と、軽自動車マーケットが元気を失っているのは明らか。

さらに軽乗用車だけに絞ると、6月の販売台数は9万6023台(前年同月比76.6%)となり、三菱eKと日産デイズの販売停止が大きく影響していると感じられる数字が並んでいます。

果たして、軽乗用車市場はこのままシュリンクしてしまうのでしょうか。

(山本晋也)

ダイハツ・ムーヴ カスタムにお値打ち価格135万円の新グレードが追加

ダイハツのハイト系軽自動車「ムーヴ」がマイナーチェンジと新グレードの追加です。

全車共通の変更点は、オートライトの点灯タイミングを早期化した点、メ ーカーオプションで設定している「ブラックインテリアパック」の内装色の一部変更などになります。

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カスタムシリーズに追加設定された「カスタムX”Special”」は、14インチフルホイールキャップ・スチールホイールの採用などにより、価格を抑えたムーヴカスタムのエントリーグレード。2WDが135万円、4WDは147万4200円(いずれも消費税込)となっています。

そのほか、フロントシートリフト車の価格を引き下げ、福祉車両として最安値(ダイハツ調べ)の126万4000円〜157万4000円(消費税非課税)としているのもマイナーチェンジの変更点です。

(山本晋也)

ダイハツ・ムーヴの最上級グレードがマイナーチェンジで内装充実

ダイハツのハイト系軽自動車「ムーヴ」。その上級グレードといえるのがムーヴカスタムの”ハイパー”シリーズです。2016年6月21日、ムーヴのマイナーチェンジに合わせて、ハイパーシリーズもプレミアム度を増しました。

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主な変更点は、ドライバーが常に目にするインテリアに集中しています。インパネガーニッシュ とドアオーナメントパネルの加飾をグロッシーブラッククロスに変更、さらにシートステッチをシル バーステッチとするなど、インテリアのプレミアム度を高めました。また「純正 ナビ装着アップグレードパック」も標準装備となっています。

メーカー希望小売価格は、NAエンジンのムーヴカスタムX”ハイパーSA II”が149万400円(2WD)と161万4600円。ターボエンジンのムーヴカスタムRS”ハイパーSA II”は2WDが162万5400円、4WDは174万9600円となっています(いずれも消費税込)。

(山本晋也)

ダイハツ・ムーヴが一部改良で新グレード「カスタム X Special」を追加、価格も引き下げ

ダイハツ・ムーヴは、長年ライバル関係にあるスズキ・ワゴンRをはじめ、現在ではホンダN-WGN、7月にも生産、販売再開と一部で報道されている三菱eKワゴン/日産デイズといった軽トールワゴンとの競争はもちろん、ほかの軽自動車ジャンルと比較されることもあるでしょう。

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2015年、そして今年に入ってもぱっとしない軽自動車販売ですが、三菱の燃費不正問題とスズキの走行抵抗値不正問題もあって、さらに逆風が強まっている状況。

2014年12月にフルモデルチェンジを受けたダイハツ・ムーヴは、軽自動車販売ランキングで今年だけ見ても1月が6位、2月が8位、3月〜5月が9位と、スズキ・ワゴンRと順位の前後を競い合っています。

6月21日に受けた一部改良では、人気のムーヴカスタムに価格を抑えた「カスタムX Special」を新設定。さらに、全グレード6000円プライスダウンという価格改定も行われています。

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ムーヴカスタムの「ハイパーシリーズ」においては、インテリア加飾や仕様を変更。

インパネガーニッシュとドアオーナメントパネルの加飾をグロッシーブラッククロスに変更し、さらにシートステッチをシルバーステッチにするなど、インテリアの質感を向上。

また、通常はメーカーオプションの「純正ナビ装着アップグレードパック」を標準装備するなどの商品力向上も図られています。

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全車にオートライトの点灯タイミングを早期化するなどの仕様変更が施されているほか、メーカーオプションで設定されているムーヴの「ブラックインテリアパック」の内装色を一部変更。

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ほかにも、フレンドシップシリーズのムーヴフロントシートリフトをシンプルで使いやすい機構とすることで、自動車メーカーが製造し、車いす等昇降装置とその車いすを固定するための装備を備え、車両本体の消費税が非課税となる車両において、最も低い価格としているのも変更点となっています。

新設定された「カスタムX Special」の価格は、NA/2WDが135万円、NA/4WDが147万4200円、「カスタムX ハイパーSAⅡ」のNA/2WDが149万400円、NA/4WDが161万4600円、「カスタムRS ハイパーSAⅡ」のターボ/2WDが162万5400円、ターボ/4WDが174万9600円。

「ムーヴ フロントシートリフト」の価格帯は、126万4000円〜157万4000円です。

(塚田勝弘)

ダイハツ・キャストにレザー調シートを採用した特別仕様車「プライムコレクション」を設定

乗り心地のよさや内・外装の質感の高さなど、ダイハツの最新モデルらしい仕上がりが魅力のダイハツ・キャスト。

こちらでもご紹介したように、2016年6月20日に一部改良を受けたほか、特別仕様車の「プライムコレクション」が「アクティバ」と「スタイル」に設定されています。

cast_20160620001キャスト・アクティバ、スタイルともに「G プライムコレクションSAⅡ」「Gターボ プライムコレクションSAⅡ」というモデル名。

特別装備としてレザー調シートをはじめ、インテリアアクセントカラー(センタークラスター/ドアアームレスト)を用意。

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ほかにも、純正ナビ装着アップグレードパック、スーパーUV&IRカットガラス(フロントドア)、スーパークリーンエアフィルター、SRSサイドエアバッグ(運転席/助手席)、シートヒーター(運転席/助手席)も装備されるなど、カラーコーディネイト、装備ともに充実しています。

価格帯は、アクティバの「G プライムコレクションSAⅡ」「Gターボ プライムコレクションSAⅡ」が147万9600円〜171万1800円、キャスト・スタイルの「G プライムコレクションSAⅡ」「Gターボ プライムコレクションSAⅡ」が147万9600円〜170万6400円です。

(塚田勝弘)

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ダイハツ・キャストが一部改良で内・外装カラーのバリエーションを拡充
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ダイハツ・キャストが一部改良で内・外装カラーのバリエーションを拡充

2015年9月に登場したダイハツ・キャストには、最もオーソドックスの「スタイル」、SUV風に外観が印象的な「アクティバ」、アグレッシブな走りを楽しめる「スポーツ」という3つのバリエーションを用意しています。

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そのキャストが、2016年6月20日に一部改良を受けました。

軽自動車販売ランキング(全国軽自動車協会連合会調べ)において、2016年1月は9位、2月と3月は7位、4月と5月は10位。昨年の発売以来、ほぼ5位以内にランクインしていただけに、やや物足りないところでした。

3つのバリエーションともに乗り心地や静粛性の高さなどは、軽自動車でもトップクラスだと思いますが、完成度の高さからすると、もっと売れてもいいような気がします。

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今回の一部改良では、キャストシリーズで好評だという多彩な内・外装のカラーバリエーションをさらに拡充させています。

まず、キャスト・スタイルでは、「デザインフィルムトップ」のカラーに、2015年の東京モーターショーの参考出品車で好評だったというシルバーをベースに新開発した「ヘアライン調/シルバー」を新設定。

cast_20160620022また、「カーボン調/ワインレッド」も選択できるようになり、2トーンカラーの選択肢が1色から3色に拡大されています。

内装色では、従来の 「シルバー」、「バーガンディ」、「ライトブラウン」に加えて「ピンク」、「ネイビー」、「ブラック」、「ホワイト」の4色を追加することで内・外装のカラーコーディネイトの幅が広がっています。

cast_20160620011キャスト・アクティバには、「デザインフィルムトップ」のカラーに「カーボン調/ブラック」を新設定し、2トーンカラーが2色に拡充。さらに、ボディカラーに「ブライトシルバーメタリック」を追加

インテリアアクセントカラーも従来の「シルバー」、「ブルー」、「オレンジ」に加えて「レッド」、「ネイビー」、「ブラック」、「ホワイト」の4色が追加されています。

cast_20160620024キャスト・スポーツでは、「デザインフィルムトップ」を選択すると、「レッド」が標準設定となる「ドアミラー」と「リヤクォーターピラーパネル」のカラーをブラックに変更できるメーカーオプションが新たに設定されています。

装備面では、4WD車の最低地上高をアクティバが従来の175mmから180mmに、スタイルとスポーツを145mmから150mmに高めることで、より走破性を向上させているほか、助手席シートヒーターを追加(キャスト・スポーツと特別仕様車「プライムコレクション」に標準装備するほか、メーカーオプションの「ウォームパック」に設定)。

価格帯はスタイルが122万400円〜170万6400円、 アクティバが122万400円〜171万1800円、キャスト・スポーツが162万円〜174万4200円となっています。

(塚田勝弘)

軽キャンパーのベース車にも最適!? ダイハツ・ハイゼット・キャディーへの期待

ダイハツの新型ハイゼット・キャディーはFFの商用車。

キャブオーバーが定番だった従来の商用バンと比べると小回り性能がどうか気になりますが、前席のお尻の下に音・振動源となるエンジンがありませんから、静粛性を含めた運転(室内)環境は格段に向上しているはず。

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カタログ上では、ハイゼット・キャディーの最小回転半径は4.4m、ハイゼットカーゴは4.2m、ウェイクは4.4m(一部グレードのみ4.7m)となっています。

20cmの差ですが、極めて狭い道などで差を分けるかもしれませんし、キャブオーバータイプだと心理的にもぎりぎりまで寄せやすい利点もあります。

ただ、ベースのウェイクから想像すると視界は全方位広いですから、必要以上に気にする必要はあまりないかもしれません。

また、ハイゼット・キャディーは、より大きな商用車からの「ダウンサイジング」も狙っているはずで、その場合はなおさら気にならないはず。

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乗員室フロア高360mm、荷室フロア高595mmのキャディーは、乗りやすさ、積みやすさが魅力ですが、この特徴を活かして、商用ユースはもちろん軽キャンパーのベース車としての期待が高まります。

ハイゼットをベースとした軽キャンパーは、数多くのキャンピングカービルダーが架装してリリースしているほか、ダイハツグループのダイハツクラフト(D-Craft)もハイゼットカーゴ、アトレーをベースとした軽キャンパーをリリースしています。

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軽キャンパーで重要な荷室スペースは、キャディーが荷室長1310×荷室幅1210×荷室高1235mm、カーゴ(4人乗り/クルーズ/ハイルーフ)は、荷室長860×荷室幅1350×荷室高1210mmとなっていて、幅をのぞき長さと高さはキャディーの方が余裕が上。

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今後、軽キャンパーのベース車としても活躍しそうなハイゼット・キャディー、「はたらくクルマ」以外にも様々なニーズがありそうです。

(塚田勝弘)

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これぞダイハツ・ウェイクの本命!? 新型商用車ハイゼット・キャディーが登場
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これぞダイハツ・ウェイクの本命!? 新型商用車ハイゼット・キャディーが登場

フロントマスクを見るとダイハツ・ウェイク!? と思った方も多いかと思いますが、6月13日から発売されたハイゼット・キャディーは、ウェイクをベースとした新しい商用車です。

ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1850mmで、ウェイクよりも15mm背が高くなっています。

hijet_caddie_160613005 軽自動車最大級のキャビンとラゲッジを誇るウェイクは、もちろん積載性もトップクラス。ザクッと大きな荷物を積むなら商用バンモデルの方が当然向いています。

スクエアかつ背が高いスタイルのダイハツ・ウェイクですから、これをベースにした商用バンがなかったのが不思議なくらいで、乗用の主役はタントに任せて、ハイゼット・キャディーを前面に出してもいいのでは? と思ってしまいます。

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ハイゼット・キャディーの特徴は、軽乗用車のノウハウを活かし、高い静粛性や広々したインテリア、キャビンのほか、カメラとソナーセンサーによる衝突回避支援システムの「スマートアシスト2」を採用するなど、「はたらく 楽ラク」というコンセプトを掲げ、働きやすさを「6つの楽」として下記の6つが具現化されています。

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1.楽ラク ノリオリ…乗降性に優れる足元フロアシート高
2.楽ラク ツミコミ…積載性に優れる荷室フロア高
3.楽ラク アンシン…最新の安全装備(スマートアシスト2)
4.楽ラク ドライブ…高い静粛性とゆとりある運転空間、操縦安定性、低燃費
5.楽ラク セイケツ…掃除がしやすい樹脂性の荷室フロア
6.楽シク カラフル…ユーザー用途に合わせた豊富なカラーと、その他パックオプション

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駆動方式はFFを基本に、4WDも設定。燃費は21.8km/L〜25.0km/Lです。トランスミッションは全車CVTで、価格帯は118万8000円〜154万4400円となっています。

(塚田勝弘)

2016年5月の軽自動車セールスランキング、ホンダが伸びた!

全国軽自動車協会連合会より、2016年5月の軽四輪乗用車のセールスランキング(速報)が発表されています。

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5月は、走行抵抗値の不正問題により三菱と日産の軽自動車「eK」シリーズと「DAYZ」シリーズが販売休止中ということもあり、大きな動きが予想されていました。

トップは3か月連続でホンダN-BOX、前年同月比110.5%。また、ホンダの軽自動車N-WGNも前年同月比120.5%と大きく伸びています。ダイハツでは2位につけたタントが前年同月比129.9%と躍進。いずれもとライバルが消えたぶんを吸収した格好となっています。

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■2016年5月 軽四輪乗用車 通称名別販売ランキング(軽自協調べ)
1位 ホンダ N-BOX 11,487台
2位 ダイハツ タント 11,283台
3位 スズキ アルト 7,211台
4位 スズキ スペーシア 6,676台
5位 スズキ ハスラー 6,193台
6位 ホンダ N-WGN 6,169台
7位 スズキ ワゴンR 5,704台
8位 ダイハツ ミラ 5,367台
9位 ダイハツ ムーヴ 5,074台
10位 ダイハツ キャスト 4,439台

5月18日に走行抵抗値の測定に関する不正を発表したスズキの車種が3〜5位に並び、まだ影響が大きく現れているようには見えません。

ただし、前述した3モデル以外は、メーカーを問わず前年同月比で落ち込んでいます(64.3〜90.2%)。全体としては前年同月比82.7%の月販8万台市場となった軽乗用車。

eK、DAYZの問題により、長らく高値安定と思われていたリセールバリューに変化が現れたことも、こうした「軽自動車離れ」ともいえる状況を生み出しているのかもしれません。

(山本晋也)

ダイハツの背高軽自動車「ウェイク」が安全性能とレジャー機能を強化

圧倒的な車高の余裕を持つ、まさにライバルの上行くダイハツの軽自動車「ウェイク」がマイナーチェンジです。

ポイントは内外装の意匠刷新と、先進安全技術「スマートアシストII」の採用、そして新グレード「レジャーエディション」の設定です。

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エクステリアではフロントフードガーニッシュをリ・デザイン。フロントとリヤバンパーガーニッシュをボディ同色としたほか、フロントフォグランプを標準装備しています。

ボディカラーには、「ミストブルーマイカメタリック」と「フレッシュグリーンメタリック」の新色を設定。ホワイトルーフなどによる2トーンカラーのバリエーションを5色設定とし、 合計14パターンの多彩なカラーリングをラインナップしています。

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インテリアについてはオーディオパネル、カップホルダーをプレミアムシャインシルバーに、 センタークラスターをプレミアムシャインブラックとしたのが変更点。後席向けの「リヤパーソナルランプ」も全車標準装備されています。

新設定された「レジャーエディション」では、防水機能を持った樹脂製の「イージーケアフロア」や「上下2段調整式デッキボード」、「ユーティリティフック」などを標準装備としています。

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先進安全面では、レーザーレーダー・カメラ・ソナーセンサーの3デバイスによる「スマートアシストII」を採用したのがニュース。これにより衝突被害軽減ブレーキの作動範囲を拡大したほか、歩行者の検知も可能となっています。

また、軽自動車初の機構として、パワースライドドアのクローズ中に電子キーの「施錠」ボタンを押すことで、ドアクロー ズ後に自動でドアの施錠をおこなう「パワースライドドア予約ロック機能」も設定されました。

パワートレインは自然吸気エンジンとターボエンジンを設定。トランスミッションはCVTとされ、2WDと4WDのラインナップとなります。

メーカー希望小売価格は135万円〜184万1000円(消費税込)。減税率は異なりますが、いずれもエコカー減税の適用を受ける環境性能となっています。

(山本晋也)

2016年4月の軽自動車販売、前年同月比減ながらも上向き!

全軽自協(全国軽自動車協会連合会)によると、4月の軽自動車総販売台数(速報)は11.2万台(前年同月比-7.5%減)となっています。

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メーカー別では首位のスズキが39,821台(-11%)、2位のダイハツが37,029台(+2.5%)、3位のホンダが21,295台(+9.1%)、4位の日産が5,574台(-51.2%)、と続き、8位の三菱自が1,477台(-44.9%)となっています。

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[nextpage title=”日産「デイズ」は前年同月比-67%減!”]

車名別では首位のホンダ「N-BOX」が11,691台(+14.4%)、2位のダイハツ「タント」が10,996台(+36.7%)、3位のスズキ「アルト」が8,076台(+9.8%)、4位のスズキ「スペーシア」が6,838台(+13.2%)となっており、ホンダ「N-WGN」は5,356台(+27.4%)で7位のポジション。

その他の上位ランキング車種は前年割れの状況となっています。

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中でも燃費データの不正が発覚した三菱自とその影響を受けた日産では、4月20日以降対象となった車型の販売を停止しており、日産の主力車「デイズ」についても2,453台(-67%)で11位に転落するなど、大幅な販売落ち込みをみせています。

ただ、全体としては昨年4月の軽自動車税増税以降、長らく続いている販売不振から徐々ではあるものの、抜け出しつつある状況。

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今後、日産・三菱自両社の販売減の影響がどの程度影響するのかが注目されます。

Avanti Yasunori ・画像:全国軽自動車協会連合会)

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激動の軽自動車セールス、2016年4月のトップ10は?

一般社団法人 全国軽自動車教会連合会より、2016年4月の軽四輪車通称名別新車販売速報(乗用)が発表されています。

4月といえば、三菱自動車と日産の軽自動車「eK」シリーズと「デイズ」シリーズに認証取得に関わる不正があったことが発表され、それぞれ販売が停止になり、キャンセルもあったことがニュースとなりました。

当然セールスランキングには、その影響が大きく出ています。

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セールスランキングのワン・ツーは、ホンダN-BOX、ダイハツ・タントといったスーパーハイトワゴンとなっているのは前月同様。

前月3位だった日産デイズはトップ10圏外の11位となりました。日産と三菱の軽自動車については、5月中の販売再開がなければ、それぞれスズキからOEMを受けている車種を除くと5月の台数は限りなくゼロに近い数字となることが予想され、その間に他ブランドがどれだけ市場を奪えるのか、また軽自動車市場のシュリンクを加速させることになるのか、注目されます。

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●2016年4月軽四輪車通称名別新車販売ランキング(全軽自協調べ・速報)
1位 ホンダ N-BOX 11,691台
2位 ダイハツ タント 10,996台
3位 スズキ アルト 8,076台
4位 スズキ スペーシア 6,838台
5位 スズキ ハスラー 6,681台
6位 スズキ ワゴンR 5,541台
7位 ホンダ N-WGN 5,356台
8位 ダイハツ ミラ 4,789台
9位 ダイハツ ムーヴ 4,622台
10位 ダイハツ キャスト 4,492台

日産デイズと三菱eKの販売停止によって大きく動いたランキングですが、注目すべきは3〜6位を占めたスズキのラインナップでしょう。ザ・軽自動車というべき軽量モデルの「アルト」が伸びている一方で、かつて軽自動車のメインストリームだったワゴンRは、スペーシアやハスラーにも劣るポジションとなっています。

他ブランドにおいても、ダイハツ・ムーヴが同社のミラを下回っているように、いよいよ全高1600mm台のハイトワゴン系モデルから、「高いか、低いか」のいずれかにユーザーが分かれる傾向が見えてきたといえそうです。

(山本晋也)

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「軽」を作ってなければ出来なかった!? ブーン・パッソ、超合理性のデザイン。

「軽じゃないK」(トヨタ)というキャッチーなコピーで登場した新型ブーン/パッソ。一見キープコンセプトなモデルチェンジの進化点はどこにあるのか?あらためてチーフデザイナーに話を聞いてみました。

ブーンX

[語る人]
ダイハツ工業株式会社 デザイン部
第1デザイン室 東京デザイン課長 清水幸治 氏

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── はじめに体制面からお伺いします。新型は企画・開発がダイハツ主導になりましたが、デザインをする上での影響はありましたか?

「ありましたね。生活に密着し、かつ廉価なコンパクトという条件では、制約の大きい軽での経験は非常に有利でした。また、トヨタさんにとってはエントリーですが、ダイハツでは上級車という立ち位置の違いも実は大きいんです」

── 造形上のテーマ、キーワードは?

「合理性です。初代は円柱、2代目は卵をボディのモチーフにしつつ、大きなフレアでタイヤの存在感を出しました。ホイールベースを50ミリ延ばした今回は、タイヤをさらに四隅に置いて、プロポーションとパッケージを高次元で成立させました」

初代先代

── では前から具体的に。標準車であるXはランプとグリルを横長に、上級のシルク/モーダは丸形と六角形としました

「今回はトレッドも拡大し、Xではそのワイド感を強調するため横基調に、シルク/モーダは上級車として、ひと目見て忘れない記号性の強い丸形ランプとしました。六角形のグリルは左右に広がる形状として、やはりワイド感を狙いました。実は、六角形がこのクルマのキーになっているんです」

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── バンパーは、先代に続いてプロテクト感を強調していますね

「コンパクトとしての安心・安全と、同時にワイド感、安定感の表現です。丸いフォグランプを左右両端の低い位置にしたのも同じで、印象的な形で視線を下に引っ張り、安定感のある台形ボディを表現しました。これはリアでもやっています」

── 横からのシルエットでは、ルーフからリアへ向けて大きな曲面とし、ウインドウ・グラフィックもこれに沿うように丸いのが特徴です

「リアの大きなRは居住空間確保のためです。ウインドウ・グラフィックは、実は外周が大きな六角形になっています。Xのキャラクターラインはフロントフェンダーでカクっと上を向いていますが、ここが六角形のカド部分です。先代まではボディ全体で居住性を表現しましたが、今回はこの六角形のグラフィックで広さを示しています」

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── リアピラーの黒いガーニッシュはワイド感の強調ですか?

「はい。同時に空力パーツとして整流線を入れています。ここは板金の方が安上がりなのですが、成形が難しく樹脂としました。一方、その前のリアドア後端はボディ色のままですが、これはリアへの目線をここで一旦止め、コンパクトカーであることを認識させるためです」

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── 先代までは縦長のリアランプが、今回はほぼ正方形です。ワイド感を出すには横長もあり得たのでは?

「実はリアランプも六角形で、先端をセンターに向けることでワイド感を出しています。また、左右のランプを結ぶラインがリアパネルのピーク面となっていて、これもワイド感に効いているんです」

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── ボディカラーですが、パステル調が多いコンパクトカーの中で、かなり彩度の高い色を集めましたね

「まず、アイキャッチ性を考えて高彩度の青・赤・黄の3原色で脇を固め、その中で数色を配することでバラエティを感じてもらいたいと。また、今回はより質感重視の意図から、あえてマイカ色をメインにしています」

色 内装

── 内装ですが、ダッシュパネルは構造も配色も上下2段構造です

「運転席に座ってパッと目に入るのはパネルの上半分なんです。で、今回は限られたコストを上部に集中させ加飾類を配しました。例の六角形を用いたパネルも、フォグランプを反復させた両端の丸いエアダクトも上部にまとめたわけです」

── なるほど。本日はありがとうございました。

(すぎもとたかよし)

実はコンパクトカーでもっとも凄い!? 新型パッソとブーンの見どころ。

失礼を承知で言うとパッソは地味なクルマですが、モデル末期でも月平均で3000台以上を販売していた隠れ人気車種。意外に凄いんです。

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そんなパッソ(と兄弟車のダイハツ・ブーン)が新型にフルモデルチェンジしたのはご存知の通りですが、実は先代や先々代とは両車の関係がずいぶん変化しています。

これまではトヨタとダイハツが共同開発し、ダイハツが製造を担当して(パッソを)トヨタに供給していましたが、新型は開発も完全にダイハツがおこない、トヨタには単にOEM供給という流れなのです。

いうなれば、「ストーリア」と「デュエット」時代に戻ったという感じですね。

……というのは前置きで、そんな大人の事情なんてとりあえずどうでもいいんです。ユーザーにはあまり関係がないので。

ここからは、ユーザーに関係ある注目ポイントというか凄いところを3つ紹介しましょう。

【1】まず注目すべきは燃費

2WD車の燃費(JC08モード)は28.0km/Lとなっています。実はコレってすごい数字。

30キロ台後半を誇るアクアとかフィットハイブリッドに比べると見劣りする数字ですが、奴らはハイブリッドですからね。こっちはモーターもバッテリーも積んでいない純粋なエンジン車。ピュアなんです。

それでこの数字はかなりのものですよ。もちろんハイブリッド以外の普通車(お役所用語でいう「登録車」)ではトップ。実燃費はふた昔前のハイブリッドカーくらいでしょうか。それって凄くない? 凄いんです。

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【2】自動ブレーキは人にも反応

パッソの興味深いことのひとつが、自動ブレーキがトヨタ名の「セーフティセンス」ではなくダイハツ式の「スマートアシスト」だってこと。システムが違うから当然といえば当然なのですが、「スマアシ」がトヨタ車についているのはちょっとした違和感です。

でもって、その性能の違いも知っておきたいところ。たとえば追突軽減ブレーキの作動上限は、トヨタ「セーフティセンスC」が約80km/hなのに対し、「スマアシ」は約50km/h。いずれもセンサーはレーザーとカメラながら、作動に差があるのです。

しかも、「スマアシ」は人にも反応して接触を防ぐために自動的にブレーキをかけるという現状の「セーフティセンス」にはない機能まで搭載。やるじゃないですかダイハツ。

そのうえ、車両後方のセンサーにより、後ろ方向へもアクセルとブレーキの踏み間違いによる暴走を防ぐというのも「スマアシ」の注目機構ですね。

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【3】後席はコンパクトカー(ハイト系を除く)で一番広い

でも実は、新型パッソ&ブーンで一番すごいのはコレだと思っています。後席足元(前後席間距離)が、ハイト系を除くコンパクトカーの中で一番広いんですよ。

ちなみに今までいちばん広かったのはホンダ・フィット。ですがそれを超えたんです。全長はフィットより短いのにですよ。やったー!

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実はここにはしっかりカラクリがあって、後席足元を広げた分だけ荷室容量は減っているんです。

それは「後席は広いと喜ばれるから広く。だけど荷室はあまり重視されないから日常で困らない程度確保するけど、ちょっとだけ削ろう」という開発陣の判断。

ウンウンと頷いたあなた。新型パッソ&ブーンはそんなあなたのためのクルマです。

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そして最後に個人的な独り言ですが、ルーフを黒く塗った2トーンってカッコよくないですか?

(工藤貴宏)

ダイハツ・ブーン、トヨタ・パッソがフルモデルチェンジ! 燃費はガソリン登録車1位の28.0km/L

ダイハツ・ブーン、トヨタ・パッソがフルモデルチェンジを果たしました。8月にダイハツがトヨタの完全子会社になりますが、その前に登場した新型スモールカーになります。

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ブーンの顔つきは、どことなくダイハツ・キャストに似ていますが、開発から生産までメインで行ったのはダイハツで、生産工場もダイハツの本社の池田工場になります。

なお、トヨタ・パッソはOEM車という位置づけで、小型車の開発、生産はダイハツが主体となる方針に則ったもの。

新型ブーン/パッソのポイントは、28.0km/L(4WDは24.4km/L)というガソリン登録車トップのカタログ燃費。1.0Lエンジンは、吸気ポートのデュアルポート化、デュアルインジェクションの採用などがニュース。

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ほかにも、高タンブル化、アトキンソンサイクル化、ピストン形状の最適化による圧縮比の向上、EGRバルブの応答性向上により、EGR量を拡大して燃焼効率を向上させるという、現在のトレンドが「全部のせ」されたようなもので、まだ燃費向上の余地が主にエンジンに残されている証といえるでしょう。なお、組み合わされるトランスミッションは、燃費面に利点の多いCVTです。

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ほかにも、コンパクトカーでも空力性能の低減や軽量、高剛性ボディの採用など、走りの面でも見どころは満載です。

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安全装備では、カメラとレーザーレーダー、ソナーセンサーの組み合わせにより、前方の車両との衝突の危険が高まった際に緊急ブレーキによる危険の回避を支援。

さらに、歩行者との衝突危険性や車線の逸脱も警報などで知らせるだけでなく、前方や後方へのアクセルとブレーキの踏み間違えによる飛び出しも抑制する機能をはじめ、60km/h以上で走行中に強くブレーキを踏み込んだ場合、ブレーキランプの点灯と同時にハザードランプが自動で高速点滅し、後続車に注意喚起するエマージェンシーストップシグナル、坂道での後退を防ぐヒルホールド機能などが装備されています。

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気になる価格は、ダイハツ・ブーンが115万200円〜185万3280円、トヨタ・パッソは115万200円〜183万600円という設定になっています。

(塚田勝弘)

ダイハツ・コペンが一部改良。新たなドレスも追加

ダイハツ工業は軽オープンスポーツカーの「コペン」を一部改良し、4月4日(月)から販売すると発表しました。

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今回の改良では、ボディパネルの一部を着せ替えられるDRESS-FORMATIONに新たに「カラーフォーメーション type A」をローブとローブSに設定。

ボディはブラックマイカメタリックをベースに、フロントグリルとロッカー、リヤバンパーにマタドールレッドパールがアクセントとして加わり、個性的な外観を演出します。

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また、16インチアルミホイールのデザインを変更。ローブおよびローブSが装着していたものをエクスプレイに、エクスプレイに装着していたホイールをローブおよびローブSでも選べるようになりました。

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インテリアでは、インパネ・トリム基調色を全車ブラックに統一し質感を向上。さらにコペン全車にブラック/ベージュ/レッドのインテリアパックを選べるようになるなど、外観のバリエーションとあわせて、より自分好みの一台を仕立てられるようになりました。

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そのほか、マルチリフレクターハロゲンフォグランプと純正ナビ・オーディオ装着用アップグレードパック(ステアリングスイッチ、インパネオーディオクラスター)といったオプション装備を全車に標準装備とし、機能性も向上しています。

(今 総一郎)

トヨタ「プリウス」が快走、国内販売で3ヶ月連続首位!

自販連(日本自動車販売協会連合会)のまとめによると、昨年12月に発売された新型「プリウス」が2月の車名別登録車の販売台数で前年同月比+44.9%増の1.9万台と、3ヶ月連続で首位をキープしています。

人気を裏付けるように、プリウスの売れ筋グレード(A、Aツーリング)の納期は、5~6ヶ月になっています。

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さらに、2位がトヨタ「アクア」、3位がホンダ「フィット」となっており、上位10車中、半数をトヨタ車が占めている状況。

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一方、国内市場では、2月の登録車販売台数が前年同月比で4.6%減の27.5万台となっています。

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登録車の販売が5ヶ月ぶりに前年減に転じた背景には、愛知製鋼の爆発事故の影響を受けたトヨタ自動車の一週間に渡る国内生産休止が響いているようです。

ちなみに同社の2月国内新車販売台数は11.4万台で前年同月比11.8%減と、やはり数値にもその影響が如実に表れています。

また全軽自協(全国軽自動車協会連合会)のまとめによると、車名別軽自動車の販売台数はダイハツ「タント」が2位のホンダ「N-BOX」を僅差で抑えて首位を維持、3位は日産「デイズ」となっています。

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2016.02.Kei.TOP10(出展 全国軽自動車協会連合会)

2月の軽自動車販売台数は前年同月比で9.1%減の17.6万台と、14ヶ月連続で前年減が続いています。

昨年4月の軽自動車税増税以降、軽市場が低迷するなか、ダイハツ「タント」は年末のマイナーチェンジが奏功、前年同月比増となっているのが注目されます。

Avanti Yasunori

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