Motor Fan's YEAR 2016

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スバルの工場見学ツーアの第2弾では歴史的な”あの”場所も公開!【スバルアクティブライフスクエア】

2016年3月21日に群馬県太田市にある富士重工業 群馬製作所 矢島工場と本工場にて、「スバルスピリットにふれる!工場見学ツアー」の第2弾が開催されました。

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前回の工場見学もクリッカーではツアーに同行し、その充実したツアー内容に驚かされるばかりでした。第2弾となる今回も前回同様の充実した行程となっていました。

特に、あらたに見学コースが追加され、さらなるパワーアップでより魅力的な内容となっていました。

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基本的なコースは前回同様、工場の歴史やスバルの歴史を学ぶプレゼンテーションを実施。わかりやすいスライドとともに解説されます。

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その後は昼食の時間となりますが、前回同様ここでしか買えないアイテムの物販も同時に行なわれました。

今回はスバルオリジナルグッズのほかに、群馬の名産品「やまといも」も販売されました。

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午後はバスに乗り、矢島工場から本工場へ移動。

まずはサプライズプログラム第一弾!衝突試験を見学します。今回は試験車両にフォレスターを使用。すでに発売中のモデルということもあり、今回は助走路や衝突後のフロント部分も見ることができました。

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前回の工場見学ではスポーツカーのBRZが使用されましたが、今回はSUVのフォレスターということもあり、その車重の違い(BRZは車両重量約1200kg、フォレスターは約1500kg)もあり、衝突時の音の大きさがかなり異なりました。

フォレスターはかなり音が大きく、参加者の多くが後ろにのけぞるシーンも見受けられました。試験後には富士重工業 車両研究実験第二部の渡森さんから、衝突時の安全性や参加者からの質問を受け付けるコーナーも設けられました。

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衝突試験を見学した後は、サプライズプログラムの第二弾、戦前からある本工場の建物を外部から見学。

航空機を製造していたという建物は、飛行機を出し入れするための大きなスライド式の開閉扉がいまでも残っており、これをバスの車内から見学。残念ながらいまではこの扉の開閉はできませんが、その名残は外部からわかるようになっています。

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続いては、昭和9年に建造されたという本工場本館を見学。こちらはバスを降り、実際に館内の応接室などを見学しました。

この応接室には昭和天皇もお迎えしたことのある由緒正しい部屋。暖炉部分にあるコンセントは、当時から電気ストーブを使用していた名残りであることが明かされ、当時としては最先端の施設であることを物語っています。

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室内には当時からそのまま使われているというカーテンボックスの装飾やついたて等もそのまま使用されており、歴史を感じる重厚な印象をうけました。

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館内はほかにも歴史を感じることのできる部分が数多くあり、中島飛行機時代から受け継がれる長き歴史を「建造物」といカタチで触れることのできる貴重な場所といえるでしょう。

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建物外部では中島飛行機時代の象徴ともいえる㊥マークの入ったマンホールを見ることもできました。

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本館の見学後は再びバスに乗り、矢島工場へ戻ります。

続いてはトリム工場やプレス工場などを見学。トリム工場の見学にはサンラックと呼ばれる専用車にて移動します。こちらはプラグインステラEVを改造したクルマで、吉永社長も見学に使用したVIP専用車です。

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今回はトリムラインの見学中にも、窓枠の接着剤の解説やパーツが納められる専用ラックの細かい説明などが加えられ、こちらもよりパワーアップした内容となっていました。

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コースの最後は矢島工場の見学施設「スバルビジターセンター」で、締めくくられました。

ビジターセンターでの見学も、記念撮影用の小物などが新たに用意され、スバルの名車たちの前で記念撮影をする参加者が多く見受けられました。

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最後は富士重工のデザイン部 主査の河内 敦さんから、デザインの今後の取り組みが語られたほか、工場についてのQ&Aのコーナーも設けられました。

日頃聞くことのできないエンジニアの貴重なお話や、クルマの製造という部分で、気になったところを直接メーカーの方から聞くことができる貴重な時間でした。

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今回の見学ツアーに参加した安藤貴史さんと吉田友紀子さんにお話を伺いました。

「何といっても衝突試験が一番よかったです。自分の愛車と同じフォレスターが衝突する様子はショッキングでしたが、衝突したらどのようにボディが衝撃を吸収するのか実際に見て学ぶことができました。また、プレゼンテーションでは古くから衝突試験の取り組みを行なっていたのは驚きでした。」見学ツアーのコンテンツについては「個人的にはプログラムが若干詰め込みすぎ感はありましたが、全体的には楽しめました!来てよかったです!」と語り、「エンジニアさんのお話も、デザイナーさんだけでなく、足回りやエンジン関連のエンジニアさんのお話も聞きたかったですね。もし可能であればテストコースの走行なども体験できるようなプログラムもあればよかったです」

と、さらなるパワーアップを望んでいるようでした。

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今回のイベントを企画した富士重工業のネクストストーリー推進室長の小島 敦さんと、同室 主事の平手 宏治さんのおふたりも実際にイベントに同行。直に参加者の生の声やイベントの進行をチェックしていました。今後の工場見学の予定は未定とのことですが、第3回はよりパワーアップした内容に期待が膨らみます。

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富士重工のネクストストーリー推進室が企画している様々な体験型イベントは「スバル アクティブライフスクェア」にて、随時参加者を募集しています。

アウトドアスポーツやモータースポーツ観戦など様々なプログラムを企画しています。こちらも是非チェックしてみてくださいね。

公式サイト:スバル アクティブライフ スクエア オフィシャルWEBサイト

(井元 貴幸)

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大人の社会科見学!スバルの工場見学が激アツだった【スバルアクティブライフスクエア】
http://clicccar.com/2015/10/06/331077/?post_date=20151028113619

17年ぶりの一般開放!スバリストが全国からスバル研究実験センターに大集結!【スバル ファンミーティング】

栃木県 佐野市にあるスバル研究実験センター(通称:SKC)にて、スバルファンミーティングが開催されました。

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スバル研究実験センター(以下SKC)は、スバル車の開発を行なうための実験施設で、通常はスバルのトップシークレットとされる機密施設。

この場所に事前募集で当選した約1000台、2500名のスバリストが全国から集結しました。

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SKCでのイベントは1999年11月7日に開催された「SKC10周年記念イベント」以来実に17年ぶりの一般開放。通常は立ち入ることのできない聖域という事もあり、約3500組8500名もの応募があったそうです。

エビススバルビル(富士重工業本社)、富士重工業群馬製作所など、スバリストから聖地と呼ばれる場所はいくつか存在しますが、なかでもSKCは一般解放がほとんど行なわれないこともあり、聖地度はナンバーワンといえるでしょう。

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今回のイベントの主なコンテンツは、「高速走行体験」や「SUBARUの動く博物館」といった体験型プログラムから、「SKCバスツアー」や「技術資料館見学」といった見て楽しむコンテンツのほか、「SUBARU オーナーズミーティング」、「DNAフォーラム」といったエンジニアとオーナーが直接触れ合うことのできるプログラムまで大変充実した内容となっていました。

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「ドキドキSUBARUステージ」と呼ばれるメインステージではドライバートークショーなどが展開されたほか、同日に富士スピードウェイでSUPER GTのテストをおこなっていた辰己監督や井口卓人選手、山内 英輝選手、現地イベントにゲストとして参加していた山野 哲也選手との中継によるトークショーもおこなわれました。

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会場には富士重工の吉永社長やSTIの平川社長をはじめ、役員の方々や現行各モデルのPGM(開発責任者)やエンジニアの方も数多く来場していました。ステージイベント以外の時間帯には会場内でオーナーの皆さんと直接触れ合い、生の声が伝えられるという夢のような機会に恵まれました。

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スバル車を乗り継ぐいちスバルファンの筆者からすると、天国のような場所に神様みたいな人たちが溢れている環境で、一般参加の方々が羨ましい限り!「あぁあのステージ見たい……」「あの方とゆっくりお話ししてみたい……」といった状況も残念ながらかなわず(笑)丸一日会場内を取材して回りました。

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会場内にはスバルを得意とするアフターパーツメーカーの出展をはじめ、スバル専門各誌の販売ブース、そして地元佐野警察署のブースも設置され、インプレッサWRX STIのパトカーが展示されました。

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ほかにも歴代のラリーカーやレースマシンの展示もおこなわれましたが、やはり感慨深いのは「10万キロ世界速度記録」に挑戦した初代レガシィの展示でしょう。

このクルマはスバル車の競技車両の製作やパーツ販売などでスバリストにもお馴染みの「K・I・Tサービス(ケー・アイ・テーサービス)」にて保存されている車両で、この日は展示のほか高速周回路のデモランも披露されました。

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スバルが挑んだ数々の記録への挑戦のなかでも過酷なチャレンジであった10万キロ世界速度記録は当時中学生だった筆者の心をガッチリつかみ、のちにレガシィを購入するきっかけとなった1台であったこともあり、個人的には感激のワンシーンでした!

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ほかにも様々なコンテンツが催され、大盛況のうちに閉会の時間となりました。最後は参加車両が高速周回路を1周したのち、会場を後にするパレードランがおこなわれ、吉永社長をはじめ、メーカーの方々やスタッフ全員によって見送られました。

パレードランではほとんどの参加者が笑顔で手をふり、イベントの楽しさや充実度がそれだけで伝わってくるような気がしました。

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イベントに参加されたオーナーからは、

「SKCに入れただけでも感動しました。そのうえ直接エンジニアの方からクルマを作る思いや苦労話を聞けたことで、より自分のクルマに愛着がわきました!」

「SKCでのイベント開催はとてもハードルの高いことと思いますが、是非ともこうした機会を再び設けてほしいです。残念ながら抽選に漏れてしまった方達のためにも切に願います」

という熱いコメントが寄せられていました。

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今回のイベントは、スバルオーナーとメーカーのエンジニアや社員の方々が直接触れ合う貴重な機会であることが、最も印象に残りました。

普段愛車を乗り続けることで発見する使い勝手や不満だけでなく、スバルに乗っていたことで、こんな状況で助かりました!といったことも、直接声が届けられたのはスバルにとっても実に有益だったのではと感じました。

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もちろんオーナーにとっては、普段知ることのできない開発秘話やスバルの歴史、そして開発の第一線であるSKCに入れたことで自分のクルマの生い立ちなどをフィールドワークで学べる有意義な時間だったはず。いちスバルファンとしても、是非こうした機会を数多く設けてほしいと感じる充実のイベントでした。

スバルが実施している「スバル アクティブライフスクェア」では、他にも様々なイベントを実施。スバリストが楽しめるイベントから、アウトドアでのアクティビティなど内容も様々。こちらも是非チェックしてみてはいかがでしょう。

公式HP:スバル アクティブライフスクェア

(井元 貴幸)