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スバル女子がレオーネ〜最新インプレッサを試乗!走りの進化を体感。【SUBARU テックツアー 2016 Vol.2】

今回のテックツアーで私が楽しみにしていた1つ、「プラットフォーム50年の熟成」の「プラットホーム進化確認試乗」についてお伝えします。

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用意されたクルマは、AA型 レオーネ ツーリングワゴン GT(3代目)、BC型 レガシィ GT  セダン(初代)、GP型 インプレッサスポーツ(4代目)、GT型 インプレッサスポーツ(5代目)の4台。

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まずはGP型インプレッサスポーツから試乗です。この1年、数々のスバル車に試乗してきましたが、4代目インプレッサは現在販売されている他のスバル車との共通点が多く、現行モデルの基本となっている部分を再認識しました。

ベーシックなモデルながら、しなやかな中にもしっかりとした安定感のある乗り味。今でも色あせない魅力的なクルマといえます。

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続いて、新型インプレッサスポーツ(GT型)。4代目インプレッサのあとに新型に試乗できるなんて恵まれてるな〜と思いつつクルマへ。

まず、めちゃくちゃカッコいい!4代目と比べるとキリッとした印象で、プレスラインにうっとり。これが「ダイナミック&ソリッド」かぁ、と思いつつ乗り込みます。ほかにも内外装について書きたいことは山ほどありますが……今回は割愛させていただきます。

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ご存じのとおり、新型インプレッサには新世代プラットフォーム(SGP=スバル グローバル プラットフォーム)が採用されました。走り出しからまるで違う!思わず声が出るほどの安定感。路面に吸いついていくような感覚ですごくなめらかな走り、思い通りに反応してくれるこの感じ。乗っていて気持ちいいです。コースを2周したのですが、「全然足りない。もっと乗りたい」と思えるクルマでした。

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次に試乗したのは、3代目 レオーネ  ツーリングワゴン GT(AA型)。新型インプレッサのあとの試乗ということもあり、時代を感じた1台です。まず乗車して驚いたのは、飛行機のコックピットのようなインパネ周り!スイッチのレイアウトにも困惑してしまいました(笑)

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ステアリングスポークの形状も、今のクルマからは考えられない独特な形でびっくり!いつもの感覚で試乗していると予想以上に曲がりません。でも、乗り心地は思っていたよりもシッカリとした印象を受けました。

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「プラットホーム50年の熟成」を締めくくるのは、初代レガシィ GT セダン(BC型)。レオーネと比べると一気に近代的になったインパネは現代でも通じる印象です。室内の装備もパワーシートやフルオートエアコンといった快適装備まで至れり尽くせり。

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ただ1つ気になったのはドアのロックノブ。現行型のクルマと比べると4倍くらいはあるんじゃないか?という大きさに最初は戸惑いすら覚えました……

実際の乗り心地もレオーネと比べると最近のスバル車に近く、座学の時にうかがった「赤字を出してまで開発された話」にも納得です!きびきびとしたコーナリングやしなやかな乗り心地は、すでにこの時代に確立されつつあったのですね。

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1980年代の3代目レオーネから、最新の新型インプレッサまで一気に試乗することで、スバルの走りの進化を体感できたのは非常に貴重な体験でした。

座学の時からレオーネは「曲がらないクルマ」というのを聞いていましたが、これまで3代目インプレッサ以降のモデルしか乗ったことのない私にとっては、ある意味非常に勉強になりました。

もちろん、新型インプレッサが先代モデルから大幅に進化した乗り心地であることも実感。これまでプラットフォームという名称や役割は知っていても、クルマの動きに対してどのくらいの役割を持つものなのかはピンと来ていませんでしたが、今回の試乗でその重要さと走りに大きく影響する部分であることも理解できました。

次回はスバル360をはじめ、貴重なスバル車の試乗記をご紹介しちゃいます。

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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テックツアー第2弾!スバル歴史講座に行ってきました【SUBARU テックツアー 2016】
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テックツアー第2弾!スバル歴史講座に行ってきました【SUBARU テックツアー 2016】

栃木県佐野市にあるスバル研究実験センター(SKC)にて、テックツアー第2弾としてメディア向けスバル歴史講座が開催されたので、クリッカー編集長の小林さんと共に参加させていただきました。

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テックツアーは、スバルの歴史や取り組みをメディア向けにわかりやすく体感しながら学べるプログラム。第2弾となる今回は、歴史車試乗やプラットホーム進化確認試乗に加え、座学などもおこなわれました。

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まず最初に、開発OBの大林眞悟さん、新型インプレッサPGM(プロジェクト・ジェネラル・マネージャー)阿部一博さん、スバル第一技術本部 車両研究実験第一部 部長の藤貫哲郎さんによるフリートーク【スバルプラットホーム50年の歴史】が行われました。

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スバル1000について3人の思い入れでトークがスタート。スバルの水平対向エンジンの原点であるスバル1000は、今のスバルの「革新」の原点であり、阿部さんからは「軽くて楽しい!」といった感想も述べられ、この後の試乗にも期待が高まり、テンションがあがってしまいました!

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続くレオーネからレガシィへの話では、レオーネは排ガス規制などによって、エンジニアの方々がとても苦労して、思い通りに作れなかった部分があったことや、スバル1000の良かった部分を伸ばせなかったという苦労話もとても興味深かったです。

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初代レガシィでは、その思いを受け継ぎ、コスト度外視であった部分もあったそうで、会社として開発で赤字となった話には驚きました。しかし、そうした妥協を許さないクルマ作りをしたことで、初代レガシィは今でも語り継がれるほどの名車となったことは皆さんもご存じだと思います。

その後に登場したSVXやR2などの話も飛び出しましたが、次に興味深かったのは、なんといってもプラットフォームの話。

長きにわたり開発に携わった大林さんも「美しい!」と絶賛した新型インプレッサのSGP(スバル グローバル プラットフォーム)には、スバルの本気を感じる力作であると感じ、こちらも、この後の試乗にめちゃめちゃ期待しちゃいました!

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2代目レガシィのマイナーチェンジで登場したGT-Bに280psのエンジンを搭載したとき、そのハイパワーを受け止める足としてビルシュタインのダンパーが装備されましたが、ビルシュタイン側からは、生産するにあたり工場の拡張などを伴うために、「何台売れるの?」という質問があったそう。スバルは「月販500台」と答えたそうですが、実際は月5000台も売れるほどの大ヒットとなったそうです。

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続く座学では、スバル第一技術本部 車両研究総括部 部長 新田亮さんによる「人を中心とした安心と愉しさのクルマづくり」の歴史について語られました。

スバル360の開発では、わざわざ専用タイヤをブリジストンに発注したという開発秘話や、衝突実験がスバルP-1の時代から行われていたという話は、当時から他のメーカーより時代を先取りしたクルマづくりをしていたことを実感するお話でした。

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続いて登壇されたのは、スバル第二技術本部 エンジン設計本部 兼 PU先行開発統括 主査 小野大輔さん。お話しの内容は「スバルの水平対向エンジンの歴史」について。

スバルの象徴ともいえる水平対向エンジンを採用した理由は、全長が短く、室内を広くでき「ひとめ見るだけではっきりと斬新なシステムと理解できる」というこだわりからとのことで、ほかにも低重心によるハンドリングの良さなど様々な理由があるのは皆さんもご存じだと思います。この水平対向エンジンは初搭載のスバル1000から今年で50周年を迎え、大きくわけて3世代のモデルが存在します。

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初代のEA型エンジンは初のオールアルミエンジンとして誕生しましたが、当時としては鉄に比べ14倍もの価格となるアルミ製エンジンは、現行モデルの水平対向エンジンまで受け継がれる素材であることにも驚きです。

その後はターボを組み合わせたものも登場しましたが、OHVだったこともあり120psにとどまり、他メーカーの同クラスと比較して若干非力だったそうです。今のハイパワーなスバル車のイメージからするとちょっと考えにくいですよね。

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第2世代のEJエンジンでは、いよいよDOHC化され、初代レガシィには水冷式のインタークーラーターボを備えるモデル「GT」や「RS」といった当時クラストップレベルのパワーを発揮するモデルも登場!残念ながら私はまだこの世に登場していません(笑)

もちろんEJ20エンジンは今でも生産されており、スバルのスポーツフラッグシップであるWRX STIに搭載され、今では308PSというスバルでも最強のエンジンとしてファンも多い名機です。

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そして、現行モデルの多くが搭載する第3世代のFA、FBエンジンでは水平対向エンジンが苦手としてきた低燃費化実現のためにロングストローク化をはじめとした環境性能を強化。

BRZに搭載されているFA20エンジンでは極力隙間を減らしたことで高さを65mm、エンジンの搭載位置をなんと60mmも下げたことで、エンジニアの皆さんは腰痛になったとか(笑)

もちろんスバル自慢のターボエンジンはFA20DITとして直噴化などによりハイパワーで低燃費を実現。新世代のユニットながら登場時から300PSを誇り、これからのスバルを象徴するエンジンとして進化に期待です。

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座学では、スバルのプラットフォームやクルマの歴史、そして代表的なメカニズムである水平対向エンジンの歴史を学んだことで、試乗の時間がさらに期待が高まりました。

しかし、歴史車試乗では思わぬ落とし穴があることに、この時は気付かず……驚きと爆笑の試乗編はまた次回!是非お楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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ドライビングアカデミーってなんだろう?【SUBARU テックツアー 2016】
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ドライビングアカデミーってなんだろう?・ジムカーナ編【SUBARU テックツアー 2016】
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ドライビングアカデミーってなんだろう?・ジムカーナ編【SUBARU テックツアー 2016】

前回、同乗体験レポートのパート1として高速周回路編をお届けしました。今回はいよいよレポートパート2・ジムカーナ編をお届けします。

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高速走行と高速制動プログラムを終えた私たちは、ウエット旋回プログラム・ジムカーナプログラムを体験するために、WRX STIからBRZに乗り換えコースを移動しました。

まずはウエット旋回プログラム!こちらは同乗していませんが、その時の様子をお伝えします。

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低μ路での定常円旋回体験!この低μ路は半周ごとにμが変わる特殊な路面です。

μが途中で変わるということは、通常の定常円旋回よりコントロールが難しく高度なテクニックを必要とします。アクセルとステアリングを繊細に操作しなくてはならず見た目より難しそうでした。

しかし、クルマを自由自在に操る基本的なテクニックであり定常円旋回をしっかりマスターすればドリフト走行も夢ではありません。

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ここでも、のむけん仕込みのドラテク発揮!高速周回路で顔色一つ変えずに運転していた小林編集長。私の見る限り他のBRZより上手く走っているように見えました。カッコよかったなぁー!私もいつかあんなにカッコよく定常円走行できるようになりたい(泣

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続いてジムカーナプログラム。こちらは同乗することができたので、その様子をお伝えします。

このプログラムでは特設のジムカーナコースで参加者全員のタイムを計測し、ランキングで発表。ジムカーナコースでは、先ほどの定常円走行の応用ともいえる、サイドターンやスラローム走行を行いました。高速周回路では恐怖のあまりじっくり小林編集長を観察することができませんでしたが、今回は観察に成功!(アシストグリップには摑まりっぱなしだったけど…

とにかく、アクセル・ブレーキ・クラッチ・シフト・ステアリング全ての操作が繊細に行われていて、普通にMTを運転したことしかない私にはどの操作も感動ものでした。

こんなに手足が忙しいにも関わらず、高速周回路のときと同じく顔色一つ変えずに運転している小林編集長。凄すぎる!

気になる結果ですが・・・1位を取れる腕前はあるにも関わらず、私というウエイトのせいで1位ゲットならず。賞品の佐野ラーメンは他の人の手に……小林編集長ごめんなさい。

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今回の取材を通して、スバルのクルマ作りに対する真面目さや情熱を感じ取ることができました。それは、基礎から学べるドライビングアカデミーがあるからこそドライバーの気持ちにエンジニアがなれるのだと感じました。

もちろんドライビングアカデミーの内容はどれもプロドライバーが学んでいくものと同様で、あくまでもエンジニア向けのプログラムですが、このトレーニングを受ければプロを目指すことができるのでは?と感じるくらいレベルの高いものでした。

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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ドライビングアカデミーってなんだろう?・高速周回路編【SUBARU テックツアー 2016】

前回、技術資料館で昇天してしまった私のお気に入りをランキングで紹介しました。

今回は、のむけん仕込みの超絶ドライビングスキルを持つ小林編集長の助手席に同乗する機会を得ることができたので、その様子をご紹介したいと思います。

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まずは、ドライビングアカデミーのドライバーによるデモランを見学。高速周回路を3台のWRXが接触寸前の車間距離で縦一列に並んで超高速走行!

デモランを普段見ることがない私は恐怖のあまり目を背けそうに……(おいおい

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ドライビングアカデミー恐るべし……こんなことができるエンジニアって他のメーカーにはいないのでは? そんなことを考えてしまうくらい圧巻の走りでした。

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デモランも終わり、いよいよ同乗体験へ。同乗させていただいたクルマはWRX STI。

ん?待てよ、何かがおかしい。よく見てみるとブレーキが6ポットになってる!

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標準モデルはブレンボの4ポットキャリパーが装着されていますが、ドライビングアカデミーのWRXには6ポットのキャリパーが装着されており、市販車へのフィードバックなどにも使用されているそうです。

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他にも、フルバッケットシートやロールバーなどの安全装備などが追加されていますが、基本的には市販のモデルと大きく違いはないそうです。

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同乗体験では、このWRXを使用し高速周回路を走行。生まれて初めての200km/hを超える速度とバンクを体験しました。

サーキットなどを走行したことがない私は超高速走行に大興奮でしたが、200キロを超えた瞬間を撮影することに成功したものの写真はブレブレ、撮影後はアシストグリップから両手が離せない上に踏ん張っていた足はガクガク……。そんな私を横目に顔色一つ変えず200キロのスピードを出す小林編集長。

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WRXのSIドライブのS#モードですぐにアクセルを抜いてしまうビビりな私には、200キロの壁はデカかった……。しかも、バンクではこのまま横に転がってしまうのではないかと考えてしまう始末(どんだけビビりなの

横Gはクルマに乗ったことがある人なら誰もが体感できるものですが、縦Gをクルマで体感できることってそうそうあることじゃありませんよね?あの上から押さえつけられる感覚。ビビりながらも感動!不思議な感覚でした。

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高速周回路体験に続いては、フルブレーキング体験!

残念ながら同乗はしていませんが、こちらの様子も紹介しましょう。

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この体験では、全開加速後120km/hからのフルブレーキングを行いABSを作動させた場合とさせなかった場合の2パターンでの停止距離を測定しました。普段フルブレーキをすることなどほとんどありませんが、いざという時には役に立つ技術です。

パニックになると意外と力いっぱいブレーキペダルを踏むことはできずABSを正しく作動させることはできません。この訓練により正しくABSを作動させることで危険回避することができます。

今回の同乗体験で、スバルの走行安定性にも驚きましたが、プロドライバー並みのスキルを有するエンジニア達にも驚かされました!

非日常的な領域でも高いレベルの走りができるスバル車はこうしたエンジニア達がいるからこそ実現できる性能なんだな〜と思いました。

次回は、同乗体験レポートパート2をお届けします。こちらもお楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸・岩本 佳美)

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前回、SUBARUテックツアー2016に参加した様子を紹介しました。

今回はその中で私が昇天してしまった、スバル技術資料館に保管されている数ある名車の中から、私のお気に入りの5台をランキング形式で紹介したいと思います。

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スバル技術資料館とは、クルマの開発の過程で先人となるエンジニア達の考え方やアイデアなどを資料として参考にするため、さまざまなスバルの名車や試験車両を保管している施設です。

【第5位】インプレッサWRX STi Version 22B

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インプレッサが大好きな私としては外せない1台!

22Bは、インプレッサWRX STi Version TypeRをベースにバランス取りされ排気量を2200ccに拡大した専用エンジンを搭載しているほか、WRカーを彷彿とさせるブリスターフェンダーなどが装備されたスペシャルなインプレッサです。

わずか400台限定のモデルで登場当時の価格は約500万円でした。それがなんと2日で完売!発売は1998年。当時の私は7歳……。もっと早く生まれたかったなぁ(涙)フェンダーフェチの私としては、この迫力のあるフェンダーにはうっとりしてしまいます。

【第4位】REX GSR

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REXは、1972年に登場したR-2の後継モデル。惹かれたのはなんといってもこの鮮やかなボディーカラー。

XVや輸出仕様のWRXやBRZに設定されているハイパーブルーを連想させる水色にくぎ付けになりました。今の軽自動車と比べると小さくて可愛らしいですね。当時のカタログを見てビックリ!画像のGSRの他にもTSというグレードが存在したことにも驚きました。

【第3位】A-5

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A-5は、スバル初の水平対向エンジンを搭載したクルマ。残念ながら世には出ていないものの、今のシンメトリカルレイアウトのルーツとなったクルマです。

驚いたのはなんといってもリアビュー!断崖絶壁のリアウィンドウやCピラーに埋め込まれたウィンカーなどが特徴的です。内装色に赤を多用しているのも、今のスバル車から考えると斬新!今のコの字のテールも好きですが丸いテールも可愛いなぁと思いました。

【第2位】ドミンゴ アラジン

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ドミンゴは、サンバーのボディーに3気筒1.2リッターエンジン(初代は1リッターの設定もあり)を搭載した7人乗りのワンボックスワゴン。

ドミンゴ アラジンはドミンゴをベースにポップアップ式のルーフをはじめとしたキャンピングカー装備を架装したモデルです。

スバル車唯一のキャンピングカーですが販売台数は22Bより少ない282台という激レアモデルです。スバル車にキャンピングカーがあったことにも驚きですが、現代の軽キャンピングカーブームを先取りしたようなコンパクトなサイズにもビックリ!1度でいいからドミンゴ アラジンでキャンプに行きたい!

【第1位】スバル 360 コマーシャル

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スバル 360 コマーシャルは、乗用車にしか見えませんがれっきとした軽貨物扱いのトラックです。

開閉式のルーフや折りたたみ式のクオーターウィンドウなど、さまざまな工夫がされています。のちにサンバーが登場するまでの間スバルの軽貨物乗用として活躍しました。

このクルマは技術資料館に数あるスバル車の中で、もっとも古いモデルだそうです。ミラーがないことにビックリ!当時の法規制ではミラーを装備していなくても車検に通ることにも驚きです。

スバリストからは、テントウムシの愛称で親しまれているスバル 360。なんといっても丸みのあるこの形!!可愛すぎるぅ〜。

紹介したいクルマがありすぎて……5台に絞るまでに相当な時間を費やしました。技術資料館は、私にとってまさに夢の国!!!興奮のあまりその日眠れませんでした(笑)

次回は、初めての同乗体験レポートをお届けします。こちらもお楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

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ドライビングアカデミーってなんだろう?【SUBARU テックツアー 2016】
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ドライビングアカデミーってなんだろう?【SUBARU テックツアー 2016】

8月6日・7日の2日間にわたり、栃木県佐野市にあるスバル研究実験センター(SKC)にて、第1回SUBARU テックツアー 2016が開催されました。

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テックツアーとは、スバルの歴史や取り組みをメディア向けにわかりやすく体感しながら学べるプログラムです。

第1回目となる今回は、スバルドライビングアカデミーについて、関係者のお話しや実際に走行するプログラムなどを体験できました。

私は昨年開催された「SUBARU FUN MEETING」に応募するも見事落選!(号泣)

スバリストの私としてはSKCは憧れの聖地の1つでした。今回、クリッカー編集長の小林さんと共にテックツアーに参加させていただき、念願のSKCデビューに成功しました。

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到着してまず案内されたのは、なんとっ!!!私が一番見たかった「スバル技術資料館」。

ここにはスバルの歴代モデルや試験車両などが数多く保管されています。あまりにも夢中になりすぎて、プレゼンテーションに遅刻しそうに……(笑)

ここでの昇天話はまた後日。

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プレゼンテーションでは、スバルのクルマ作りとスバルドライビングアカデミー(SDA)についての解説などが、SDAのチーフインストラクターでもある藤貫さんから行なわれました。

ドライビングアカデミーと聞いたときは、全社員が受ける研修のようなものを想像していました。しかし、想像とは違ってスバルの楽しい走りを生み出す源とも言える重要なものでした。

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プレゼンテーションでは藤貫さんに加え、SKCの管理課 課長の秋山さん、新型インプレッサの開発責任者(PGM)の阿部さん、SDAのアカデミー生でもある車両研究実験 第一部の中路さんの4人による豪華フリートークも聞くことができました!

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このフリートークのなかで、SDAの目的や設立の経緯、苦労話などが語られました。

SDAとは、エンジニアがドライビングスキルを磨くためのカリキュラム。初級・中級・高速・特殊と4段階のランクがあり、主なトレーニング内容は、車両整備の講習や心技体レクチャーといった静的なものから、高速走行やサーキット走行などの動的なものまであります。

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なぜ、SDAが設立されたのか?それは、スバルにはテストドライバーが存在せず、エンジニア一人ひとりがテストドライバーとなって開発に携わっているそうです。

エンジニアが自ら乗って開発することによって、細かいニュアンスまで開発に織り込むことができ、スバルの安全性や走りに、さらに磨きがかかるのです。

テストドライバーが存在しないということは、スバルでは常識ですが他社では非常識と思われているとかいないとか……(笑)

とはいえ、スバルにはなくてはならないものに違いはありません。

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今回テックツア―に参加したことで、スバルのクルマ作りに対するエンジニアたちの熱い想いを強く感じることができました。

変わりゆく時代の中でも、変わらない信頼を提供すること。まさに、「Confidence in Motion」とはこういうことだったのですね。

次回は実際にSDAのプログラム体験記を紹介しちゃいます!是非お楽しみに!

(文:岩本 佳美/写真:井元 貴幸)

「スバリスト」目線で新型インプレッサの北米仕様と国内仕様を比較してみた!

7月26日に、待望の国内仕様が公開された新型インプレッサ。

SGP(スバル グローバルプラットフォーム)や新デザインフィロソフィー(DYNAMIC × SOLID)、歩行者用エアバッグなど、スバルの”初”がてんこ盛りで公開されました。

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3月23日にニューヨーク国際自動車ショーで先行公開された北米仕様とは細部が異なり、日本の法規制に合わせているほか、デザインや使い勝手も国内に合わせた仕様へと変更されています。

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今回は、すでに公開されている北米仕様との違いを徹底チェックしてみましょう。

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まずはエクステリアですが、ヘッドランプのデザインが異なります。輸出仕様(左)では側面のサイドマーカーがついているほか、ヘッドランプ自体はマルチリフレクタータイプとなります。

国内仕様(右)はプロジェクタータイプになり、照射方向がステアリング連動で可変する機能も備えます。さらに、ポジションランプのコの字型の造形も異なっています。

仕向け地にもよると思われますが、ヘッドランプウォッシャーも国内仕様には装備されています。

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フロントグリルはどちらも飛行機のウイングをモチーフにした意匠が取り入れられていますが、輸出仕様はブラックですが、国内仕様はメッキとなっています。

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フォグランプ周りはデイライトの形状をはじめガーニッシュの形状も全く異なります。輸出仕様(左)がLEDが縦配置となっていますが、国内仕様(右)は横長となっており、イメージもかなり異なりますね。

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インテリアではメーターパネルの配色が異なります。赤を基調とした輸出仕様に対し、国内仕様は白基調となっています。ただし、現行インプレッサではグレードによって配色が異なるので、国内仕様も赤基調のメーターが設定されるかもしれません。

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基本的なインパネ形状はステアリング位置以外はほぼ同一となっていますが、アイサイトを装備する国内仕様はステアリングスイッチのレイアウトや左右独立温度調整機能付きフルオートエアコンなどが異なります。

こちらのエアコンもグレードによっての違いがあるのかもしれません。

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オーバーヘッドコンソールはアイサイト関連のスイッチがつく国内仕様に対し、北米仕様は緊急時のSOSスイッチが装備されています。また、ルーフトリムも北米仕様がブラックであるのに対し、国内仕様はアイボリーとなっている点にも注目ですね。

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運転席のパワーウインドウスイッチでは電動格納ドアミラーが備わらない北米仕様では格納スイッチが省略されているほか、国内仕様にはミラーコントロールスイッチにメッキの華飾が備わるなど、細部が異なっています。

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運転席まわりでは、国内仕様にアイドリングストップのキャンセルスイッチが備わるほか、ステアリング操作と連動して進行方向を照らす「ステアリングレスポンシブヘッドライト」(SRH)のキャンセルスイッチも備わります。

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インテリアで最も大きく異なるのがセンターコンソール。ハンドブレーキレバーのある北米仕様ではカップホルダーが前後に並べて置く形状に対し、国内仕様では電動パーキングブレーキの採用で、カップホルダーが横並びに設置されます。また、フロントのアームレストもこれに合わせ、国内仕様のほうが大型のものが装着されています。

すでに公開されている北米仕様と細部の異なる国内仕様。総じて北米仕様より装備が充実しているように感じました。

もちろん今後公開されるであろうグレード展開により、装備の差異はあると思いますが、そのあたりは北米仕様の装備内容が参考になるかもしれません。

なにはともあれ正式発表が待ち遠しいですね。

(井元 貴幸)

レヴォーグ STI Sportを「マニア目線」で徹底チェック!

ついに待望の「レヴォーグ STI Sport」が発表となりました。

すでにクリッカーでもインプレッション記事などがアップされていますが、2015年モデルともいえる「アプライドB型」オーナーの筆者が、気になるポイントをチェックしてみました。

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レヴォーグ STI Sportは、レヴォーグの最上級グレードとして設定され、内外装の質感と乗り心地を含めた走りの部分を高めたモデルとして登場しました。

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これまでSTIといえば走りを重視したモデルを数多くリリースし、WRXシリーズ以外ではSTIの名を冠したモデルは限定車となるコンプリートカーのみとなっていました。

こうした経緯もあり、登場を待ち望んでいたユーザーの中には「MTの設定ないの?」とか「なんでブレンボついてないんだ」といった声も聞こえてきます。

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しかし、今回登場したモデルはあくまでカタログモデルであり、レヴォーグの質感を向上させるために、足回りとステアリングフィールの味付けをSTIが担当したモデルといえます。

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グレード名にSTIの名が入ることから誤解を招いてしまいそうですが、フットワークについてはSTIのエッセンスをふんだんに取り入れていますから、期待を裏切らない仕上がりとなっています。

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足回りでは専用チューニングのダンパーとコイルスプリングを採用。フロントにはS207にも採用されているダンプマチックIIを採用しています。

ダンプマチックIIは、微低速域ではコンフォート・バルブが作動して滑らかに、高速域になるに従いリニアでレスポンスの高い減衰特性となるメイン・バルブが働く構造となっています。これにより乗り心地とハンドリングの楽しさを両立しているのです。

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もちろん、リアのダンパーとスプリングもSTI Sport専用のセッティングとなっており、試乗をさせていただいた富士スピードウェイの外周路からショートコースの領域まで、ノーマルのGT-Sとは一線を画す乗り味を体感できました。

外周路の路面の継ぎ目などはトトンと軽やかな音とともにいなしている乗り心地を実現する一方で、ショートコースのような振り返しの多い場所でも破綻することなくハイレベルなフットワークを披露。

まさに、STI Sportの上質なイメージを走りの部分でも裏切らない仕上がりといえるでしょう。

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STIの手掛けたポイントはダンパーとサスペンション以外にもステアリングフィールを向上させるために、専用クランプスティフナーを装備した電動パワーステアリングもあります。

このスティフナーは標準モデルの2.9mmから4.0mmへとアップ。取り付け部分の剛性をアップさせ直進状態から遅れなくリニアに反応する操舵応答性を実現しています。

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レヴォーグSTI Sportは走りの部分でSTIの提唱する「強靭でしなやかな走り」を誰でも手に入れることができるようにしている、まさにSTIの入門モデルといえるでしょう。

もちろん、より応答性や操縦安定性を向上させたいオーナーにはフレキシブルタワーバーやフレキシブルドロースティフナーといったアイテムもディーラー装着オプションとして設定されているので、好みで追加するのもおススメです。

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さて、STI Sportの魅力は走りの部分だけではありません。エクステリアも専用アイテムが上質さを際立たせています。

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まずは専用のフロントバンパー。フォグランプ周りの造形が変更され、サイド部分まで回り込んだ形状はアグレッシブな印象を受けます。

フロントグリルは標準モデルと比べ外周のメッキ部分を細くし、精悍な印象となっています。もちろんグリル内にはSTIのバッヂが添えられ、バンパー下部のメッキアクセントと併せて、STI Sportであることを上品に主張しています。

ちなみにSTI Sportは今後ほかのスバル車にも展開していく計画とのこと。他のモデルでもひとめでSTI Sportとわかるフロントマスクとするために共通のイメージとなるようです。

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ホイールも専用デザインの18インチホイールを採用。デザインはSTI Sport専用となりますが、ベースとなる部分はSTIからリリースされている18インチホイールセットをベースとした軽量、高剛性の鋳造ホイールとなっています。

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リム部のデザインが異なるものの、スポーク形状などはSTIのホイールセットと同一であることがわかります。カタログモデルでありながら、バネ下荷重の低減により乗り心地の面でもSTIのテクノロジーの恩恵を受けることのできる重要なアイテムの一つといえるでしょう。

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リアに回ると、STIのロゴ入りマフラーカッターがさりげなく装着されています。マフラー本体の性能は標準モデルと変わりはないそうですが、こうしたちょっとした配慮もうれしいアイテムですね。

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注目のインテリアですが、スバルの市販車としては初となるボルドー色の内装が最大のトピックといえるでしょう。

シート形状は標準モデルの本革仕様と同一ですが、プレミアムスポーツツアラーのイメージと、STIの象徴色でもあるチェリーレッドを連想させる配色はSTI Sportに相応しいインテリアカラーといえます。

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ヘッドレストにはSTIロゴが入り、インテリアでもさりげなく主張している部分といえます。もちろん角度調整などの機能は標準モデルと同一の機構を備えます。また、シートヒーターや2名分のポジションメモリーも装備されます。

ただ、個人的には本革だけでなく、ウルトラスエードの設定も欲しかったところ。

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インパネ回りも形状はそのままに、配色やSTIロゴを随所に配置することで、標準車とはまた異なったイメージとなっています。

ベースモデルはGT-S系としながらも、加飾パネルはGT系のピアノブラックを採用。ボルドー色とのマッチングも絶妙です。また、各部のステッチ色はGT-S系のブルーに対し、内装色に合わせレッドとなっています。

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メーターパネルも標準車がブルーを基調としているのに対し、リング部分をレッドに変更し、STIロゴを配置。

フルスケールではないものの、白い文字盤にレッドにリングという組み合わせと併せ、控えめにスポーツさを印象付けています。WRX STIのように赤文字盤ほどの過激さはなく、実用域での視認性が良好な180km/hメーターとしたことは、筆者個人的には高評価です。

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インテリアの気になる部分といえば、ドアポケット内に貼られた専用素材。細かい部分ですが、4枚のすべてのドアに貼られています。

ドアポケットのドリンクホルダーは特にこれからの季節飲み物を多く摂取するので大変重宝する収納ですが、500mlのペットボトルより少しポケットが大きいため、荒れた路面ではボトルがガタつき意外と音が気になるのですが、こうした配慮も最上級モデルならではのきめの細かさといえるでしょう。

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また、注目のオプションとしてはサンルーフの設定があげられます。

これまでスバルでSTIの名を冠したモデルでサンルーフが設定されていたのは先代インプレッサWRX STI A-Lineのみで、大人のためのプレミアムスポーツモデルという部分ではA-LineとSTI Sportは共通している部分といえるでしょう。

レヴォーグ STI Sportは2回目の年次改良と同時に発売され、いわゆるアプライドモデルがC型となりますが、標準モデルもきめ細かな進化を果たしています。

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まずはGT-S系に新たに設定されたブライトパール内装。

これまでブラック系のみしか選択のできなかったGT-Sに白系の内装が設定されたことはトピックといえます。ドアアームレストなどもシート色と統一され、新たなインテリアカラーとして注目されています。

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細かな部分としてはエアコン吹き出し口の開閉ダイアルにホワイトのポイントを追加。一目で開閉状態がわかるようになりました。これはレガシィアウトバックやB4ではすでに採用されており、WRXシリーズも今年の年次改良で追加されて部分です。

もちろんポイントの追加だけでなく、ダイアルを操作したときの質感も向上。タッチが上質になっています。

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後席も左右のクッション内部の発砲ポリプロピレンを拡大し、安全性を向上しているほか、左右のシートベルトにプリテンショナーを内蔵することでさらなる安全性の向上が図られています。

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フロントドアのウェザーストリップを2重化し、静粛性も向上。すでに採用されている遮音ガラスと併せて、より静かな室内空間へと進化しています。

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静粛性の面ではカーゴルームのフロアボードをウレタン高密度化することで遮音性を強化。ルーフ部分の吸音材の追加と併せてカーゴスペースの静粛性を大幅に向上。後席の快適性がさらに高まったといえるでしょう。

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遮音性の向上ではクオーターウインドウの厚みが3.1mmから3.5mmへアップしたことで、こちらもカーゴルームの遮音性がアップしています。

レヴォーグ STI Sportは、プレミアムGTツアラーといった印象で、それに相応しい走りと内外装を手に入れたこだわりのモデルといえます。

もちろんC型へ改良された標準モデルもブライトパール内装の追加や各部の静粛性の向上などで、商品力が強化されています。

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標準モデルでも十分すぎるツアラー性能を有するレヴォーグですが、新たに設定されたSTI Sportはプレミアム感とワンランク上の走りを満喫できるイチオシのグレードです。

レヴォーグの購入を検討している方は、一部の店舗では試乗車も用意されるそうなので、是非標準モデルとの違いを体感し、STIの手掛けた走りを体感することをおすすめします。

(井元 貴幸)

スバリストとして、富士重工業の社名変更に思うこと

富士重工業が5月12日に、自動車ブランドの「スバル」を正式な社名にすることを発表しました。

富士重工のルーツである中島飛行機研究所の創設から来年で100周年。これを記念する意味もこめて、6月28日に開催予定の株主総会での承認されれば来年の4月1日に正式に「株式会社SUBARU」へ変更されます。

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筆者は中学生のころに初代レガシィが挑んだ10万キロ世界速度記録のドキュメンタリー番組に感銘をうけ、免許を取ったらこのクルマを買う!と心に決めていました。

しかし、中古市場でも価格の高騰しているレガシィを手に入れることができず、2代目レガシィを平成7年にようやく購入。

以来、3代目、4代目、5代目とレガシィを乗り継ぎ、昨年レヴォーグを購入。スバル暦20年におよび、周りからはスバリストライターと呼ばれております。

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そんな自分がこの社名変更に思うことは、ちょっとした”寂しさ”。

スバルという名前は日常的に使っているものの、やはり”富士重”や”FHI”という社名には思い入れもあるのです。

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個人的には「スバル」といえばクルマであり、「富士重工」といえば航空機や汎用エンジン、古くは鉄道車両やバス車体といったイメージ。

すでに撤退してしまった分野もありますが、航空機分野や産業機器などでも活躍を続けています。

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いちスバルファンとしては、自動車メーカーとしては小さいけど、工業製品の分野ではこんなにすごいだぜ!といった気持ちでスバル車に乗っていたこともあり、富士重工の名前が消えてしまうのは少々寂しい気もします。

ちなみに汎用エンジンなどを扱う産業機器部門は自動車部門と統合される予定となっています。

20代のスバルオーナーの中には正式社名が富士重工だということを知らない人もいます。それだけ「スバル」の名前が浸透しているという事でもあるのでしょう。

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しかし、古くからの”スバリスト”は、「富士重工業の名を無くさないで欲しい!」とか「今の社名がいい!」といった反応が富士重工の公式ツイッターに多くリプライされています。

とはいえ、おそらく「株式会社スバル」には確実に移行することとなるでしょう。

次に気になるのは社名変更に伴い、動向が気になるもの。

SUPER GT SUBARU BRZ GT300公式応援団長でもあるマリオ高野氏は「社歌はどうなるんでしょう?」と気にしている様子。ちなみに社歌は3番まであり、途中、富士重工〜富士重工〜と連呼するパートも!

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ほかにも、筆者としては気になるのがFHI=Fuji Heavy Industriesの入る 従業員の方が使用しているメールアドレス(●●●●@subaru-fhi.co.jp)や、語呂あわせで富士重工を2215と置き換えているスバルお客様センターの電話番号(0120-05-2215)といった社内的なものから、東京 三鷹市にある「富士重工前」バス停といった公的なものまで、今後の動向が気になるところです。

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新たな名前に変わっても、”走りを極めると安全になる”というポリシーを貫き、世界トップレベルの安全性と走りの楽しいクルマを作り続け、ファンを魅了し続けて欲しいと思います。

(井元 貴幸)

往年のWRカーやスバル1000が富士を走った!【モーターファンフェスタ2016】

2万人もの来場者を迎えた「モーターファンフェスタ2016」。

4月24日の富士スピードウェイには数多くの自動車メーカーや、ショップなどが出展し、様々なコンテンツで来場者が一体となって楽しめるイベントが数多く催されました。

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5周年を迎えるクリッカーの読者の皆様はスバリストの方やスバルファンの方も多く、今回のイベントに、残念ながら足を運べず、スバルブースが見たかった!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方々や、会場でスバルブースを見逃した!という方、もう一度あの興奮を!という方のために、クリッカー・スバル担当の筆者が、モーターファンフェスタのスバルブースやスバルのコンテンツをレポートします!

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スバルブースでは「ニュルブルクリンク24時間レース2013年参戦車両」、STIコンプリートカーの「S206 NBRチャレンジパッケージ」と「S207 NBR チャレンジパッケージ」、さらに往年の名車「スバル1000」と「インプレッサWRC 98 ラリーサンレモ仕様」が展示されました。

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S206やS207は実際に車内に乗り込むことができ、Sシリーズの進化の過程や実際のシートのすわり心地などが体験できました。

市販モデルとはいえ、限られたオーナーだけが味わえる空間を満喫できるのは貴重なひとときだったのではないでしょうか。

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スバルブース内でもひときわ注目を集めたのが、名車「スバル1000」とWRカー「インプレッサWRC 98」の展示。

今回のモーターファンフェスタでは、他のメーカーやオーナーカーからも数多くのクラシックカーが出展されていましたが、1966年に登場したスバル1000は、今年で50周年を迎えるスバルの水平対向エンジンの歴史では欠かせない存在といえます。

スバル初の量産水平対向エンジン搭載車であるスバル1000は、インボードブレーキやダブルオフセットジョイントなど、FF化のために惜しみなく当時の最新技術が取り入れられたクルマとして、今も名車として語り継がれるスバルの歴史を語る上で欠かせないクルマです。

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そして、もう一台注目のクルマといえば、1998年にWRCで活躍したインプレッサWRC 98。展示されたマシンは98年のサンレモラリー(イタリア)に、故コリン・マクレーが実際にドライブしたマシンです。

ゼッケン番号やナンバーも当時のままで、18年前にWRCの最前線で活躍したマシンに当時のファンは歓喜の対面となりました。

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この歴史的に価値のある注目の2台が、富士スピードウェイの国際レーシングコースを走行!

これには数多くのスバルファンが大興奮しました。この記念すべき瞬間をクリッカーはスバル1000に同乗させていただき独占取材させていただきました!

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スバル1000は、普段からSKCで欠かさずメンテナンスを行なっていることもあり、快調なエンジン音と共にピットを出ます。

しかし、ピットレーンでインプレッサWRC98とともに、出走を待つ間にエンジンストール!

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昭和40年代のクルマにアイドリングストップがついているわけもなく、思わず緊張が走ります。

刻々と変わる天気などで、エンジンがへそを曲げるというのは最近のクルマでは考えられませんが、キャブレター式のエンジンを搭載する昭和のクルマではよくあるケースで、クルマの機嫌を伺いながら対話して走っていた時代を、緊張感たっぷりの状態で味わうこととなりました(笑)

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待機していたピットレーン脇のチームの方々の協力などにより、ぎりぎり出走直前にエンジンが始動!無事にコースに出ることができ、インプレッサWRカーとのランデブーを披露しました。

2台はコースを1周したのちグリッドウォークで、数多くの来場者の目を楽しませました。

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これからの自動車文化を語る上でも、スバルの歴史を語る上でも欠かせないこの2台。

三栄書房の様々な雑誌、メディアの周年祭となったモーターファンズイヤーとなったこのイベントで、水平対向エンジン50周年というスバルにとっても記念すべき年であるということを記憶に残してくれる感慨深いイベントであったといえるでしょう。

(井元 貴幸)

17年ぶりの一般開放!スバリストが全国からスバル研究実験センターに大集結!【スバル ファンミーティング】

栃木県 佐野市にあるスバル研究実験センター(通称:SKC)にて、スバルファンミーティングが開催されました。

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スバル研究実験センター(以下SKC)は、スバル車の開発を行なうための実験施設で、通常はスバルのトップシークレットとされる機密施設。

この場所に事前募集で当選した約1000台、2500名のスバリストが全国から集結しました。

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SKCでのイベントは1999年11月7日に開催された「SKC10周年記念イベント」以来実に17年ぶりの一般開放。通常は立ち入ることのできない聖域という事もあり、約3500組8500名もの応募があったそうです。

エビススバルビル(富士重工業本社)、富士重工業群馬製作所など、スバリストから聖地と呼ばれる場所はいくつか存在しますが、なかでもSKCは一般解放がほとんど行なわれないこともあり、聖地度はナンバーワンといえるでしょう。

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今回のイベントの主なコンテンツは、「高速走行体験」や「SUBARUの動く博物館」といった体験型プログラムから、「SKCバスツアー」や「技術資料館見学」といった見て楽しむコンテンツのほか、「SUBARU オーナーズミーティング」、「DNAフォーラム」といったエンジニアとオーナーが直接触れ合うことのできるプログラムまで大変充実した内容となっていました。

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「ドキドキSUBARUステージ」と呼ばれるメインステージではドライバートークショーなどが展開されたほか、同日に富士スピードウェイでSUPER GTのテストをおこなっていた辰己監督や井口卓人選手、山内 英輝選手、現地イベントにゲストとして参加していた山野 哲也選手との中継によるトークショーもおこなわれました。

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会場には富士重工の吉永社長やSTIの平川社長をはじめ、役員の方々や現行各モデルのPGM(開発責任者)やエンジニアの方も数多く来場していました。ステージイベント以外の時間帯には会場内でオーナーの皆さんと直接触れ合い、生の声が伝えられるという夢のような機会に恵まれました。

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スバル車を乗り継ぐいちスバルファンの筆者からすると、天国のような場所に神様みたいな人たちが溢れている環境で、一般参加の方々が羨ましい限り!「あぁあのステージ見たい……」「あの方とゆっくりお話ししてみたい……」といった状況も残念ながらかなわず(笑)丸一日会場内を取材して回りました。

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会場内にはスバルを得意とするアフターパーツメーカーの出展をはじめ、スバル専門各誌の販売ブース、そして地元佐野警察署のブースも設置され、インプレッサWRX STIのパトカーが展示されました。

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ほかにも歴代のラリーカーやレースマシンの展示もおこなわれましたが、やはり感慨深いのは「10万キロ世界速度記録」に挑戦した初代レガシィの展示でしょう。

このクルマはスバル車の競技車両の製作やパーツ販売などでスバリストにもお馴染みの「K・I・Tサービス(ケー・アイ・テーサービス)」にて保存されている車両で、この日は展示のほか高速周回路のデモランも披露されました。

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スバルが挑んだ数々の記録への挑戦のなかでも過酷なチャレンジであった10万キロ世界速度記録は当時中学生だった筆者の心をガッチリつかみ、のちにレガシィを購入するきっかけとなった1台であったこともあり、個人的には感激のワンシーンでした!

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ほかにも様々なコンテンツが催され、大盛況のうちに閉会の時間となりました。最後は参加車両が高速周回路を1周したのち、会場を後にするパレードランがおこなわれ、吉永社長をはじめ、メーカーの方々やスタッフ全員によって見送られました。

パレードランではほとんどの参加者が笑顔で手をふり、イベントの楽しさや充実度がそれだけで伝わってくるような気がしました。

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イベントに参加されたオーナーからは、

「SKCに入れただけでも感動しました。そのうえ直接エンジニアの方からクルマを作る思いや苦労話を聞けたことで、より自分のクルマに愛着がわきました!」

「SKCでのイベント開催はとてもハードルの高いことと思いますが、是非ともこうした機会を再び設けてほしいです。残念ながら抽選に漏れてしまった方達のためにも切に願います」

という熱いコメントが寄せられていました。

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今回のイベントは、スバルオーナーとメーカーのエンジニアや社員の方々が直接触れ合う貴重な機会であることが、最も印象に残りました。

普段愛車を乗り続けることで発見する使い勝手や不満だけでなく、スバルに乗っていたことで、こんな状況で助かりました!といったことも、直接声が届けられたのはスバルにとっても実に有益だったのではと感じました。

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もちろんオーナーにとっては、普段知ることのできない開発秘話やスバルの歴史、そして開発の第一線であるSKCに入れたことで自分のクルマの生い立ちなどをフィールドワークで学べる有意義な時間だったはず。いちスバルファンとしても、是非こうした機会を数多く設けてほしいと感じる充実のイベントでした。

スバルが実施している「スバル アクティブライフスクェア」では、他にも様々なイベントを実施。スバリストが楽しめるイベントから、アウトドアでのアクティビティなど内容も様々。こちらも是非チェックしてみてはいかがでしょう。

公式HP:スバル アクティブライフスクェア

(井元 貴幸)