Motor Fan's YEAR 2016

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ガソリンを使わないF1!? フォーミュラEが丸の内を駆け抜けた!

2016年11月23日(水)、フォーミュラEを戦うマシンが東京丸の内にやってきました!

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フォーミュラEは、2014年9月よりスタートした電気自動車フォーミュラカーによる、FIA世界選手権。電気自動車なので、ガソリンは一切使用しないF1の近未来版といったところです。

都市部の大気汚染対策となる電気自動車の普及促進を狙い、レースは世界各地の大都市や有名リゾート地の市街地コースで行なわれます。2016-2017シーズンでサードシーズンとなり、世界中から注目を浴びているレースのひとつです。

そんなフォーミュラEのマシンが、「エコロジー&モビリティフェアin丸の内」のスペシャルコンテンツとして、東京丸の内仲通りでデモンストレーション走行を行いました。

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丸の内仲通りを駆け抜けたマシンは、サードシーズンで活躍しているABT SCHAEFFLER FE02。セカンドシーズンで優勝3回を含む10回の表彰台を獲得し、圧倒的なパフォーマンスを発揮した前モデルの基本コンセプトを踏襲しながらも、車両のさらなる軽量化と、パワートレインの高効率化を達成させ、更にパワーアップしています。

オープニングセレモニーに登場したのは、シェフラージャパン株式会社最高技術責任者アジアパシフィックアンドジャパンのトーマス・スメタナ氏。シェフラーは、テクノロジーパートナーとしてABT SCHAEFFLER FE02のパワートレインを開発しています。

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「シェフラーは走る楽しみや、エモーショナルといったような側面だけでなく革新的な高効率のソリューションなども提供しています。フォーミュラEにはその両方の要素がうまく融合されているのであって、純粋な電動駆動のエモーショナルなレースマシンでありつつ高効率でもあります。この東京において、モータースポーツのスリルを皆様に少しでも味わっていただきたい。デモンストレーション走行をぜひお楽しみください。」

ABT SCHAEFFLER FE02をドライブしたのは、ABTシェフラー・アウディスポーツチームのルーカス・ディ・グラッシ選手。

ディ・グラッシ選手はフォーミュラEがスタートした2014年からABTシェフラー・アウディスポーツチームから参戦し、記念すべき第1戦北京GPで見事優勝したのを皮切りに6度表彰台へ。次のセカンドシーズンでも史上初の2戦連続優勝を含めて7度表彰台に上るなど、2季通算13度の表彰台回数は全選手中最多を誇ります。

セカンドシーズンでは、セバスチャン・ブエミ選手(eダムスルノー)と最終戦でファステストラップを獲得したほうがドライバーズチャンピオンを獲得するという激しい争いを繰り広げ、ランキング2位に。サードシーズンの開幕戦香港GPは2位でフィニッシュし自身通算14度目の表彰台を飾りました。現在ランキング2位にたち、初の年間王座獲得へ期待が膨らみます。

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「こんにちは、東京! 私の名前はルーカス・ディ・グラッシです。」と日本語で挨拶し、会場を盛り上げたディ・グラッシ選手。

「今回、東京のストリートでフォーミュラEのマシンを運転することができ、嬉しいです。日本、もしくは東京での開催にむけて、これは第一歩ではないかというふうに思います。日本のファンの皆様を代表し、日本のどこかでフォーミュラEを開催することができることを期待しています。もうお待たせするのはやめて、早速マシンを運転しましょう!!」

と早くドライブしてくてたまらない様子。

午後1時と4時の二度行われた走行には、合わせておよそ1万1千人のファンや通行人が足を止め、デモンストレーション走行を楽しみました。

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電気自動車とだけあって、もちろん排気音は全くしません。マシンが近くに来ているのが気付かないくらい静かです。でも、加速時に聞こえるヒューンというモーター音は、クセになるかも!? もちろんタイヤの焦げた匂いも、たまりません。

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ディ・グラッシ選手はモーターならではのトルクの大きさをアピールするために、ホイールスピンをさせて路面に黒々とブラックマークを残してくれました! 丸の内仲通りを通る機会があれば、ぜひチェックしてみてくださいね。

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4時の走行ではイルミネーションの点灯式も行われ、イルミネーションの中をマシンが駆け抜ける姿はとても幻想的でした。やはり、走りを近くで見ると興奮しますね。たくさんの人にフォーミュラEの面白さを伝えるためにも、日本でレースを開催してほしいと心から思った瞬間でした。近い将来、実現しますように!!

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走行を終えたディ・グラッシ選手は、

「今の走行がうまくいったことを、大変嬉しく思います。東京のストリートにおいて、初めてフォーミュラEのマシンを運転することができました。これは誇りに思うことです。小さな一歩であったかもしれませんが、電動モビリティの未来にむけて正しい方向に進みだすことができたのではないかと思います。」

と目を輝かせていました。

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また、日本の印象についても話してくれましたよ。

「私は日本が大好きで、日本に初めてきたのは2008年のことです。当時はF1ルノーチームのリザーブドライバーとして来たんですけれども、それ以降は2010年にF1ドライバーとして来ました。そして、2014年から3年連続WECドライバーとして来ています。一番好きな食べ物は寿司で、どこにいっても寿司ばかり食べています(笑)。東京も大好きです。東京のライフスタイルは大都市でありながらクリーンで安全で……。東京は世界の大都市の素晴らしい例になるのではないかと思っています。」

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そうそう、幸運なことにディ・グラッシ選手と写真を撮ることができました。とっても優しくて、スタイルも抜群でかっこいい! 惚れ惚れしちゃいました。フォーミュラEサードシーズンは始まったばかり。今年こそはドライバーズチャンピオンを獲得してほしいです!!

(yuri)

【動画】電気自動車のF1、フォーミュラEの360度動画が大迫力!

2014年からはじまった電気自動車版のF1「フォーミュラE」。

ガソリンエンジンとは異なり、走行音は小さく、排ガスを出さないのが特徴。その美点を活かして、ロンドンやパリなどの市街地コースでレースが開催されています。

そんな「フォーミュラE」に新たな取り組みとして導入されたのが「360度動画」。

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ウェアラブルカメラの「Go Pro」などがドライバー視点のみを記録するのに対し、360度動画ではドライバー視点だけでなく、マシンを中心に前後左右のあらゆる状況を楽しむことが可能。

「Oculus Rift」、「HTC Vive」、「Gear VR」などのヘッドセットが必要とのことですが、あたかも自分が乗っているような感覚に浸ることができます。モータースポーツの新たな楽しみ方として注目を集めそうです。

(今 総一郎)