Motor Fan's YEAR 2016

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トヨタがマイクロソフトとのタッグを発表。2017年からWRCに参戦

2017年のWRC(世界ラリー選手権)への参加に向けての準備を発表していたトヨタ。

パリモーターショーで豊田章男社長が明らかにしたのは、マイクロソフトとタッグを組み2017年からのWRC参戦。

20160929_02_02_sなお、マイクロソフトといえば、2011年から日産と、そして先日コネクテッドカーでルノー・日産連合とのコネクティビティ強化での提携が発表されています。

トヨタとも2011年から次世代テレマティクス分野で提携していて、今回はマイクロソフトが、2017年のWRC(FIA世界ラリー選手権)における「TOYOTA GAZOO Racing」の「テクノロジー・パートナー」として参画することで基本的合意に達したというもの。

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トヨタは今後、マイクロソフトの技術を活用してレース活動やチームデータ共有のための情報プラットフォームを開発し、レース活動を強化。

また、極限走行の車両から得られる情報を集約し、最先端のデータ解析を行うことにより、「もっといいクルマづくり」に向けたデータの研究、活用していくそうです。

今回のマイクロソフトとの提携は、下記の3つに集約されるようです。

・走行中のデータ分析プラットフォームの開発
走行に関わる各種情報を集約・可視化し、分析することで、レース活動にデータを活用。

・チーム活動の情報共有システムの活用
クラウドを利用して、画像や動画などの各種素材をより円滑に共有できるようにすることで、効率的・効果的な情報発信活動を支援。

・ファンとのコミュニケーション強化
クラウドを活用したファン向けサービスの提供や、イベントにおけるマイクロソフトの展示デバイス使用などを通じ、レース活動を魅力的かつスピーディーにファンに届ける。

気になるのが2017年に向けてのトヨタWRCの体制でしょう。

トミ・マキネンをチーム代表のもと着々と準備を進めているそうで、DMG森精機とパナソニックもWRCにおけるパートナーとして基本的合意に達しています。

また、今回発表されたヤリスWRCテストカーは、上記3社及びチームへのタイヤの供給メーカーであるミシュランのロゴを掲出したデザインとなっています。

(塚田勝弘)

トヨタ、マイクロソフトと共同で自動車のビッグデータを扱う新会社「Toyota Connected, Inc.」を米国に設立

トヨタは、IT界の巨人マイクロソフトと共同で、自動車のビッグデータを扱う新会社「Toyota Connected, Inc.(トヨタ コネクテッド)」(以下、TC)を、米国テキサス州プレイノに設立した、と発表しました。

新会社は、トヨタのIT事業会社であるトヨタメディアサービスとマイクロソフトの合弁会社の形で、ザック・ヒックス氏を社長として設立されました。

今後は、車載通信機(DCM : データ・コミュニケーション・モジュール)が装着されたトヨタ車、レクサス車から得られる様々な情報を集約するトヨタ・ビッグデータ・センター(TBDC)の運用と、もっといいクルマづくりに向けたビッグデータの研究、活用を行っていくとしています。

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TCは、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Azure」を採用して、マイクロソフトとの協働で、車載サービスやテレマティクス、クルマと家やIoTの接続、パーソナライズ化、健康と安全、クルマのスマートシティへの統合、関係会社への様々なサービス、フリートサービスなど広範なIT分野に業務を広げることを目指しているようです。

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TCのヒックス社長は「TCは、お客様個人の習慣や思考に応じたテレマティクスサービスから、実際の運転パターンに合わせた保険料率モデルの構築、『つながる』技術を搭載した車両への道路状況や交通情報の提供にいたるまで、様々な面でお客様の生活を豊かにしていきたい」とコメントしました。

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昨年からトヨタはIT関連で色々な動きを見せています。トヨタのニュースリリースを探してみると、

2015/6/3 スマートデバイスリンク導入
2015/12/11 法人向けデレマティックサービスを導入
2016/1/4 スマートデバイスリンクの車載システムを商品化

など、トヨタがIT分野で活発な動きをしていることが分かります。そこへ今回のTC設立で、トヨタのIT分野への本気度が推し量れるようで、IT分野でもトヨタから目を離せません。

(山内 博・画像:トヨタ)

Googleに対抗!? トヨタがマイクロソフトと新会社設立

トヨタとマイクロソフトが共同で新会社「Toyota Connected, Inc.」(以下、TC)を米国テキサス州プレイノに設立しました。

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GoogleやAppleの自動車業界への進出の狙いは、「Android Auto」や「Car Play」などによるオーディオ、ビジュアル、SNSなどの車載インフォテイメント、そして自動運転の分野で主導権を握りたいというのはもちろんあるでしょう。

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これらを自動車メーカーに提供することで、主導権や収益を得るという手法はすでに「Android Auto」や「Car Play」で現実になっています。

日本車は日本のカーナビメーカーがまだ主役ですが、日本車や日本の市販ナビでも「Android Auto」や「Car Play」への対応はこれから必須。

真の狙いはクルマとインターネットがつながる「コネクテッドカー」で主役になるためでは? と指摘する見方が大半となっているようです。

年々、電子化するクルマには、車載OSが欠かせませんがPCやスマホのように車載OSでシェアを握れば、電子化したクルマのキモを抑えることが可能で、ITS(高度道路交通システム)や自動運転の分野で主導権を握り、クルマを使う人の情報(ビッグデータ)を手にできます。

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さて、こうした状況に自動車メーカーで最も素早く対応してきたのが、フォード(マイクロソフト系のSync)とトヨタで、今回マイクロソフトと新会社を設立することで、「巨人」Googleに対抗するのが狙いではないでしょうか?

新会社「TC」は、トヨタのIT事業会社であるトヨタメディアサービスとマイクロソフトの合弁会社で、車載通信機(DCM:データ・コミュニケーション・モジュール)が装着されたトヨタ車やレクサス車から得られる様々な情報を集約する「トヨタ・ビッグデータ・センター(以下、 TBDC)」の運用、そして豊田社長が常に口にする「もっといいクルマづくり」に向けたビッグデータの研究、活用していく、としています。

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トヨタはすでに「T-Connect」対応ナビなど、新世代の車載向け情報サービスを展開していますが、ユーザーにとってはビッグデータを活用した正確なプローブ情報を得られることで、精度の高い渋滞回避ルートが提供されるなどが考えられます。

新会社は従来からのトヨタとマイクロソフトとの協力関係の上に成り立っているという関係で、会長(友山茂樹氏)や社長(ザック・ヒックス氏)はトヨタから派遣。

「GAZOO.com」時代と同様に、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム「Azure」を採用するほか、マイクロソフトの技術者が、データ解析やモバイル技術などの広いエリアでTCの業務をサポートしていくそうですが、やはりマイクロソフトの協力を得ながらGoogleに対抗していくように見えます。

事業内容は、車載サービスやテレマティクスはもちろん、クルマと家や「IoT」の接続、パーソナライズ化、健康と安全、クルマのスマートシティへの統合、関係会社への様々なサービス、フリートサービスなどにまでおよぶ予定で、現在行われている人工知能やロボット研究へもサポートを実施していくそうです。

(塚田勝弘)