Motor Fan's YEAR 2016

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来年はトヨタがWRCに復帰!記念に(?)86ラリーカーに乗ってみた【TGRF2016】

2017年1月19日、WRC(世界ラリー選手権)・モンテカルロにトヨタが帰ってきます。 トヨタは過去にWRCに年間参戦し、’93, 94年にはセリカでメイクスタイトルを制覇している日本のラリー全盛期の先駆けでした。

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80年代序盤より本格参戦を始めたトヨタを筆頭に、スバル・三菱・マツダ・日産・スズキ、ダイハツと、ほとんどの日本のメーカがWRCを舞台に世界中のメーカーと鎬を削ってきました。

トヨタはモータースポーツ活動をWRCからF1に転換したのでラリーからは’99年に撤退します。そのような経緯もあり、トヨタのWRC復帰はホンダのF1復帰と同等、世界ではそれ以上の期待で熱望されています。

その期待に応えるようにTGRFではピット裏(Aパドック)の中央にラリーイベント会場が作られ、また会場のあちこちでラリー競技を行ったり、サプライズで来年用のWRCマシン(テストカー)迄お披露目する力の入れようです。

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そんなイベント会場では、ラリーのコドライバー体験として、全日本ラリー選手権に参戦ドライバーによるラリーカーの同乗走行が行われました。

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排気量や駆動方式別に分かれる各クラスのチャンピオンや、上位成績のドライバーのテクニックを目の当たりに出来る機会です。

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という訳で、ライターもラリー車に乗せて頂きました。今回割り当てられた車はトヨタ86、ドライバーは勝田貴元選手。

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貴元選手はレーシングカートを経て全日本F3選手権でランキング2位を獲得後に転身した、ラリー界では異色の経歴を持つドライバーです。

2014年に全日本選手権に参戦すると2戦目でクラス優勝。昨年も1勝を挙げ、今年はTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムでフィンランドを拠点にトレーニングやフィンランド国内選手権・ヨーロッパ選手権への参戦を行いました。

なぜ表記が名前かと云うと、貴元選手の父は全日本最上位クラス、今年のチャンピオン勝田範彦選手、祖父はWRC最初の日本人優勝者で、現在は名門LUCKチームと新城ラリーを支える勝田照夫氏なのです。

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というラリー一家で育った今や日本期待のホープ。勝田選手と書くと誰だか判らないので、以降名前で表記します。

今回の同乗の際、インカー撮影をしました。あわせて、走行前に貴元選手にインタビューを頂きました。

あえての手持ちでブレブレですが、同乗の臨場感、伝わったでしょうか。

実は運転をすっかりお任せした為、次に向かう方向を把握しておらず、助手席ではサイドサポートにガンガン頭をぶつけていました。

しかし、世界への飛躍を期待される若手のコントロールテクニックにこちらもLSDの作動音やスライドする動きを安心して堪能する事ができました。貴元選手、数年先でしょうがWRCでの活躍に期待しています!

個人的には今年のターマック(舗装路)コースもアリですが、同乗では昨年までのグラベル(未舗装)コースでも乗ってみたいと思いました。

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きっと、振動で大変なのでしょうね。

あっという間の同乗体験でしたが、来年からWRCはのテレビ放送は従来のJ-SPORTSに加えて、テレビ朝日でハイライト番組の放送が全戦で予定されているようです。

来年、より身近になるラリーの人気に火が付きそうな予感です。

(川崎BASE)

モリゾウ選手こと豊田章男社長はTeam TOYOTAドライバーの頂点だった【TGRF2016】

TOYOTA GAZOO RACING FESTIVAL(以下TGRF)が11月27日に富士スピードウェイで開催されました。直前に季節はずれの大雪が降り、また当日も朝から濃霧が立ち込めるような悪天候にもかかわらず、入場者数は4万人と大盛況。

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SUPER GTではGT500がDENSO KOBELCO SARD RC F、GT300がVivaC 86 MC、ともにトヨタ系チームがチャンピオンを獲得。、スーパーフォーミュラーもINGINGの国本雄資選手がチャンピオン、全日本ラリーでもオーバーオールのJN6でグループのスバルがチャンピオンを獲得したほか、JN4、3、2の3クラスもトヨタ系チームがチャンピオンを獲得。さらに、ルマン24時間では23時間55分までトップと、今年のトヨタのモータースポーツは本当に強かった。

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そんなトヨタがWRC世界ラリー選手権に復帰するとなれば、大注目されるのは必至。TGRFのオープニングセレモニーでは、WRC参戦マシンのヤリスが派手にドリフトを決めながら登場してきました。開発段階でお披露目してしまうというサプライズに観衆は驚きを隠せません。

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ヤリスをドライブしたのは、WRC伝説のドライバーの一人であり、トヨタのWRCチームを率いるトミ・マキネン氏。

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そしてコ・ドライバーはモリゾウ選手こと豊田章男社長!

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レーシングスーツに身を包んだモリゾウ選手、スバルも含めたトヨタ系チームが勢ぞろいするウェルカムセレモニーの中央に立ち、TGRF開会の挨拶をします。

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その姿はまさにTeam TOYOTAの頂点に立つドライバー。しかしモリゾウ選手は冒頭の挨拶だけのためにレーシングスーツを着ているわけではないのです。

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富士スピードウェイの場内、ヘアピン前の駐車場、イベント広場、ドリフトパークなどを使ったTGRFラリー選手権でもドライバーとして参戦。

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セレモニアルスタートでは、来場者に運転席からハイタッチをしながらスタートするという、まさにラリードライバーそのもの。

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そしてニュルブルクリンク24時間レース参戦車両によるデモレースにも出走します。

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乗ったマシンはご自身もニュルブルクリンク24時間レース参戦で乗車したというレクサスLF-A。

木下隆之選手とペアで出場し、木下選手の後にモリゾウ選手がドライブ。マシントラブルでなかなか走り出せないと言うアクシデントがありましたが、それでも2周を走行。

写真を見てもらえればわかると思いますが、かなり攻めたライン取りを見せています。それも他のプロドライバーに引けをとらない速度域。

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世界を見渡しても自動車メーカーの代表がここまで攻めた走りをできるというのは、片手で収まるほどしかいないはず。

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ご自身がここまでモータースポーツに熱心であるということも、今年のトヨタ系チームの強さにつながっているのではないでしょうか。信頼できるトップがいてこそ、チームや選手がついてくる。そういう意味で「モリゾウ選手はTeam TOYOTAのドライバーの頂点だ」といえるほど、TGRFでは大活躍されていました。

この勢いに乗って、来期のモータースポーツでもTeam TOYOTAが活躍しそうな予感がします。

(写真・文:松永和浩)

TGRFのウェルカムセレモニーで「ヤリスWRCテストカー」が日本初公開

2017年よりFIA世界ラリー選手権(WRC)に復活するトヨタ。その参加車両として開発中の「ヤリスWRCテストカー」が、タイヤスモークを上げるほどの激しい走りで日本初公開されました。

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初公開の舞台に選ばれたのは、2016年11月27日に富士スピードウェイにて開催された「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL」のウェルカムセレモニーです。

そのコクピットに収まったのはトヨタWRC活動のキーマンとなる二人。ドライバーを務めたのはチーム代表にして伝説のラリードライバーであるトミ・マキネン氏、ナビシートにはチーム総代表の豊田章男氏が収まり、富士スピードウェイのホームストレートでドーナツターンを行なうなど、そのポテンシャルをアピールしました。

2016年のチャンピオンであるVWワークスの撤退が報じられているなか、注目が集まるトヨタWRCチーム。テストカーによるパフォーマンスと二人の固い握手は、2017年シーズンでの活躍を期待させるものでした。

ちなみに、開幕戦のモンテカルロに出走するヤリスWRC参戦車両は、12月13日に開催される2017年WRC参戦体制発表会(フィンランド・ヘルシンキ)にて初公開される予定となっています。

(山本晋也)

飛んで跳ねてドリフトして転がって……ラリーゲームの歴史を振り返る【後編】

歴代のラリーゲームを振り返る記事。今回は「後編」として、21世紀に入ってからのゲームを紹介していきます!

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PS3/Xbox 360世代になると、海外ゲームも日本仕様のハードで遊べるようになったので、後編は遊んだ記憶があるのが多いタイトルがたくさん出てくると思います!

■WRC1〜4(2001年〜2005年)

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初のWRCオフィシャルゲームです。オフィシャルゲームだけにマシンのリアリティは当時としては群を抜いていましたね。各国のコースもそれぞれ特徴を捉えていています。

オフィシャルなので、チームだけではなくドライバーも実名で収録されています。ただし、コリン・マクレーだけ自身のゲームの関係上「Ford Driver」という覆面レーサーに入れ替わっています。

サファリのコースを選択するとラリーカーにシュノーケルがついたサファリ仕様になるなど、細かい演出も見どころ。初代発売前後に放映されていたTVCMがなかなか面白かったです。

「WRC II 〜EXTREME〜」では、ラリーファンを楽しませるためにコ・ドライバーの言語を変えられるようになりました。さらに、ラリーカーをベースに考えた“EXTREME Car”という徹底的に改造を施したマシンを隠しマシンとして収録し、ゲームとしてのボリュームも十分なものでした。

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「WRC 3」「WRC 4」では、マシン、ドライバーそしてコースが2003年WRCシーズンのものが反映されています。クルマのグラフィックがパーツの1つ1つ丁寧に作り込まれており、それ証明するかのように3Dモデルの分解モードがあったりします。

「WRC4」では、プレイヤーが新人ラリードライバーとして1600ccのFFラリーカーからキャリアをスタート、最終的にWRカーのトップチームのエースドライバーとしてドライバーズチャンピオンを目指す「プロドライバーチャレンジモード」が実装されています。

初収録のラリー・ジャパンのコースは、道幅が狭いのに平均速度が高いコースになっていました。

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■リチャード・バーンズ・ラリー(2005年)

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コリン・マクレーの後を継ぐようにスバルのエースドライバーとなったリチャード・バーンズが監修したラリーゲームです。

グラフィックは先に紹介したWRCシリーズと比較すると見劣りしてしまいますが、先行車と後続車で路面状況の変化にともなう細かい挙動が異なったり、非常にシビアなダメージ表現(例えば、ジャンプで鼻先から着地してしまうとラジエター破損からエンジンに深刻なダメージを与えてしまう)といった、ゲームというよりシミュレーター要素が詰まっている作品です。

PC版ではファンメイドのクルマやコースなどを追加することが可能で、発売から11年経過した現在でも非常に人気があります。

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■DiRT1〜3(2007年〜2011年)

「コリン・マクレー ザ・ラリー」を開発したCodemasters社が「ラリー」ジャンルをすべて詰め込んだゲームがこの「DiRT」シリーズ。PS3/Xbox 360世代のゲームになったので段違いにリアリティになりました。土煙もより濃く長くコースに留まったり、マシンの挙動もリアル寄りにセッティングされています。

WRCのような一般的なラリーコースだけでなく、600馬力近いハイパワーマシンが短い特設コースを複数台同時に走って1位を目指すラリークロス、ピックアップトラックとバギーで周回コースでライバルと競うレースもあります。

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「DiRT 2」は、プレイヤーがトレーラーハウスで世界中を転々するドライバーとしてエクストリームスポーツの祭典「X Games Rally」にライバル(トラビス・パストラーナやケン・ブロックといった実在のドライバーと)とともに挑んだり、徹底的なカスタマイズをしたモンスターマシンを操って最速タイムを叩き出すタイムアタックモードが用意されています。

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「DiRT 3」からはケン・ブロックが監修し、彼が実際にラリーで走行させていたモンスター×DCシューズカラーのフォーカスWRCや、スーパードラテク映像「Gymkhana 3」で登場したフォード・フィエスタを操ってトリックを決めたりする「Gymkhana」モードが追加実装されました。

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すべてのタイトルを購入して遊び倒しましたが、どれもこれも優れている点があって優劣つけるのはとても難しい、飽きが来ない面白いシリーズです。

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■セバスチャン・ローブ ラリーEVO(2016年)

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前人未到のWRC9連覇を達成し、現在も様々なレース出ては優秀な成績を収めているセバスチャン・ローブ全面監修の本格ラリーゲームです。メインは、その彼自身のキャリアを追体験できる「セバスチャンエクスペリエンス」モード。

収録されているクルマは、彼が厳選したというビッグボリュームの80台。彼の相棒であったシトロエンのラリーカーはもちろん、プロトン・サトリアネオ、トヨタ・セリカ、ランチアデルタS4、スズキSX4パイクスピークなど、ラリー界の名車がこれでもかというほど収録されています。

コースは実在するステージをスキャンしたものも含まれています。一見難しそうな印象を受けますが、アシスト機能も実装されているのでラリーゲーム初心者から玄人まで幅広く楽しめます。

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■DiRT Rally(2016年)

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DiRT Rallyは、DiRTシリーズの最新作になります。今までのDiRTシリーズは、トラックやバギーなど多種多様でしたが、今作はラリーに完全に焦点当てたものになっています。

ミニ・クーパーから最新のVW ポロR WRCや、セバスチャン・ローブが昨年のパイクスピークで初出場でレコードタイムを更新したプジョー208T16 Pikes Peakも登場する本格的なラリーゲームです。

路面状況のシミュレートが細かく、アスファルトステージで突然出てくるブラックアイスバーンや途中からスノーに変化すると、あっという間にクルマの制御が難しいものになります。

日本では正規販売されていないということもあるのか、ナビゲーションが実際のラリーのように早いので、きちんと聴き取ることが勝敗を分けるポイントになります。

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■WRC 6(2016年)

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WRC 6は、10月に発売したばかりの最新ラリーゲーム。再びWRCオフィシャルゲームが発売されました。WRC 6ではマシンの挙動を表現する物理システムがリニューアルされています。さらに、来年WRCに復活するトヨタのマシン、ヤリスWRCのテストカーが追加コンテンツで登場しています。

まだ購入していないのですが、プレイ動画をみた感じだとそれなりに追い込んで走るとシビアさも見え隠れし、なかなかドライブしがいのある1作だと期待しています。

いかがでしょうか?紹介しきれていないものもあるかもしれませんが、どれもこれも自分にとっては非常に楽しい時間を過ごせた素晴らしいゲームには間違いないです。これからラリーゲームをやってみたいと思っていましたらぜひ参考にしてみて下さい!

(栗原 淳)

飛んで跳ねてドリフトして転がって……ラリーゲームの歴史を振り返る【前編】

皆さん、こんにちは!モータースポーツのシーズンもいよいよ終盤に差し迫ってきました。それと同時にレースに参加するチームは既に来年に向けての準備を急ピッチに進めています。シーズンオフから開幕までの間、画面の中で自分が思い描く展開を応援しているチームで再現してみませんか?

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それができるのがレースゲームなのです。今回の記事では、代表する世界的2大モータースポーツカテゴリー「ラリー」、「F1」の歴代ゲームを前編後編に渡って紹介していきます!

それでは、「ラリー」編の前編いきます!

■Lombard RAC Rally (1988年)

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1988年にイギリスで販売された「Lombard RAC Rally」。有名なRACラリー(現:ラリーGB)のゲームで、登場車種はパッケージに描いてあるフォード・シエラコスワースのみ。恐らく最初のラリーゲームだと思われます。コクピット視点のみですが、きちんとドライバーが操作しているアニメーションがあります。またクラッチの表現もあって、エンストもします。

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■Sega Rally Championship(1995年)

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日本ではお馴染み「セガラリー」。1995年の登場です。実は、僕が初めて遊んだラリーゲームだったりします。ゲームを監修していたのは、名ドライバーであるユハ・カンクネンとディディエ・オリオール。その両名の共通点でこのデルタとセリカが選択されたのでしょう(隠しクルマでランチア・ストラトスが出現)。ナビゲーターの声は、名コドライバーのニッキー・グリストが担当しました。

ゲームシステムは、「デザート」、「フォレスト」そして「マウンテン」の3つのステージを最後尾(15番手)からスタートし、制限時間内でクリアするというもの。1位でクリアすると隠しステージ「レイクサイド」が出現します。3つのステージを1位でクリアするのは、意外と難易度が高いです。

また、新宿ジョイポリス(2000年に営業終了)には、アーケード版として実車のデルタとセリカに乗り込んでプレイするスペシャル仕様もありました。僕も父親にせがんでよく連れてってもらいました。

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■V-Rally(1997年)

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V-Rallyは、歴史あるAtari社が開発したラリーゲームです。このラリーゲームも同時走行のスタイルを取っていましたが、背景や路面の作り込みが当時としては拘っていてラリーの空気感を感じられた一作でした。

1997年のWRCはWRカー、キットカーが登場した年で、2ドアインプレッサやアスファルトではバカっ速なプジョー306マキシが印象的でしたね。ゲーム内でも一番使い勝手よかったのがプジョー306でした。

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■コリン・マクレー ザ・ラリー(1998年)

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「オール・オア・ナッシング」でお馴染みだった故コリン・マクレーが全面監修したラリーゲームの第1作目です。登場するクルマは、WRCの98年シーズンのものとマクレーがセレクトした過去の名ラリーカー(アウディクワトロ、プジョーなど)。このゲームから実際のラリーにならってスペシャルステージは1台で走るタイムアタック形式になりました。

インテリアはイマイチでしたが、外観がリアル再現されていました。コースもギリシャ、ニュージーランド、スウェーデン、コルシカ、グレートブリテンとバリエーション豊かでした。

公式攻略本などに掲載されていた隠しコードでクルマの馬力をパワーアップさせたり、ゲーム内の重力を月と同じくらい(1/6)にしてジャンプでフワフワすっ飛ばしたり、僕も相当ハマった1作でした。

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■セガラリー2(1998年)

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当時話題になったCMで注目を集めたセガのドリームキャストから発売されたセガラリー2。基本的なシステムは前作と同じです。

ドリームキャストよりもゲームセンターで多くプレイしました。アーケード躯体にはサイドブレーキが実装されており、アスファルトでのヘアピンカーブを確実に切り抜けるのに必須アイテムでした。

上記のコリン・マクレー ザ・ラリーがリアル派だったので陰が薄かったですが、1年早く出ていればよりヒットした1作だと思います。

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■コリン・マクレー ザ・ラリー2(2000年)

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前作から2年後にコリン・マクレー ザ・ラリーの2作目が登場しました。

マクレーがフォードに移籍して2シーズン目の作品なので、パッケージデザインはフォード・フォーカスWRCがイメージカーになっています。前作からボリュームアップとグラフィックの向上が図られています。サウンド面が改善され、バックファイアがより迫力のあるサウンドとグラフィックになっています。

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■V-Rally2(2000年)

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コリン・マクレー ザ・ラリー2と時同じくして発売したV-Rally2。1台のみ走るモード「チャンピオンシップ」モードが実装されたり、26台で12カ国84コースというビックボリュームでなかなかやりごたえのある1作でした。

当時はV-Rally2の方がプレイ時間が長かったです。ダメージ表現などコリン・マクレー ザ・ラリーよりもシビアで、しょっちゅう横転しました。前作よりもクルマの動きに引っかかりのなくスピード感溢れています。

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■RalliSport Challenge(2002年)

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Xboxから初めて発売されたラリーゲームです。Xboxは当時持っていなかったのですが、友人から借りて少しの間遊んでいました。

当時としては素晴らしいグラフィックで、轍ができたり反射光もなかなか表現力が高いです。個人的にはフォード・エスコートコスワースRSが収録されていたのがポイント高かったです。R34GT-Rが収録されていたり、インプレッサがWRカーではなくPWRC(プロダクションラリー選手権)仕様だったり、ちょっと風変わりなものでした。

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こうして振り返ってみてと改めてプレイしてみたくなったタイトルもあるのではないでしょうか? 今でもAmazonで手に入るソフトもあったりしますので、プレイしたい方はぜひ探してみて下さい。

(栗原 淳)

新井敏弘選手も参戦した「魅せる」ラリークロス・レッドブルGRC最終戦LAラウンド

PWRCで2度の世界チャンピオンに輝いている国内屈指のラリードライバーとなる新井敏弘選手が、WRX STIを駆りGRC(Redbull Global Rally Cross)に参戦するということで話題を浴びた最終戦のロサンゼルスラウンド。

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10月8日の土曜日にラウンド11、9日の日曜日にラウンド12の2戦が行なわれました。

GRCはダートとターマック(舗装路)が混在するコースに、20mを越えるジャンピングスポットが設けられているのが特徴になります。

通常は1.5km程度の特設コースが作られるのですが、ロサンゼルスラウンドは約1.2kmと今シーズンでもっとも短いコースとなりました。

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コースレイアウトは、短い直線をタイトなヘアピンコーナーと直角コーナーで繋げていて、計9つのコーナーが設けられています。勝負どころとなるダート路面は5〜7コーナーまでで、その中にジャンピングスポットを設置。

直線が短いといっても0-100km/hの加速がわずか1.9秒というモンスターマシンは、200km/hに迫るトップスピードを出します。

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金曜日に実施されたプラクティスでは、シリーズチャンピオンを狙う2台のフォルクスワーゲン・ビートルが速さを見せ、2台を追うのはフォード・フィエスタ。WRX STIとホンダ・シビックは、苦手なコースレイアウトということもあり、やや劣勢な展開でした。

迎えた土曜日のラウンド11の予選。ここではタイムアタックにより1周のタイムを競いあいます。トップタイムをマークしたのは、ポイントランキングトップに付けているフォルクスワーゲンの♯41スコット・スピード選手で43秒745。2位にコンマ3秒差をつけて他のドライバーを圧倒しました。

3台が出走しているSRTUSA(スバル・ラリーチームUSA)は、エースの♯55クリス・アトキンソン選手が44秒104で4位、♯75デビット・ヒギンズ選手が10位、♯88新井敏弘選手はマシンの特性を掴みきれず13位となりました。

ただ予選は走行順位を決めるもので、GRCは予選のあとにヒートレース、セミファイファイナルレース、LCQ(ラスト・チャンス・クオリファイ)、決勝と複数回のレースを実施して勝者を決めます。そのため、予選で出遅れても挽回は可能になっているのです。

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ところが予選レースで新井選手のマシンから出火してしまいレースの途中でマシンを止めることになってしまったのです。原因は燃料ラインからの出火とのことで、エンジンハーネスなどが燃えてしまったため決勝レースを走ることはできませんでした。

ヒートレースと予選レースでもフォルクスワーゲン勢の強さは変わらず、全セッションでトップをマーク。スバル勢は、アトキンソン選手と予選レースを3位で終えて決勝レースへ進出。ヒギンズ選手もLCQから決勝レースへ駒を進めました。

12台で競われた決勝レースもフォルクスワーゲン勢の強さが光りました。2台が競り合って逃げていきデットヒートを展開。結果は予選でトップタイムをマークしたスピード選手が勝ちシリーズチャンピオンに一歩前進したのでした。

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スバル勢はヒギンズ選手が6位、アトキンソン選手が7位となり今シーズンのベストリザルトとなりました。

翌日のラウンド12は、予選でアトキンソン選手で好走。前日のタイムを大幅に上回る42秒594で初のトップタイムをマーク、僚友のヒギンズ選手は12位となりました。

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新井選手はベストタイムが抹消されるというジャッジにより13位。しかし前日よりも1秒以上はタイムアップしていて、マシンにも慣れたと語っていました。

予選後のヒートレースは1Aをフォード・フィエスタを駆る♯00スティーブ・アルピン選手が1Bをフォルクスワーゲンの♯34ターナー・ファウスト選手が制しました。そして決勝進出を争うことになる予選レースは、Aレースをスピード選手、Bレースをホンダの♯31ヤニ・ウィーマン選手がトップで通過。

スバルの3台は予選レースAとBで上位3台に入れずLCQに回ることになりました。LCQでアトキンソン選手は2位、ヒギンズ選手は6位となり決勝レースに駒を進めることになりましたが、7位だった新井選手は残念ながらここでレース終了となりました。

12台の決勝レースは、フォード・フィエスタの♯38ブライアン・ディーガン選手とスピード選手が激しいトップ争いを演じ、中盤でスピード選手を抜いたディーガン選手がトップチェッカーを受けました。2位に入ったスピード選手は、この結果により年間のシリーズチャンピオンが決定しています。

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スバル勢は表彰台争いを行なったヒギンズ選手が5位、アトキンソン選手が6位と前日のリザルトを上回ってチームに有終の美をもたらしました。

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今シーズンは、チーム体制を整えることやマシンの熟成を図るためにシーズン途中からの参戦となったSRTUSA。尻上がりにリザルトを残すようになり、来シーズンの活躍が期待できる後半戦のシーズンとなりました。

(真鍋 裕行)

【関連記事】

スバルで新井敏弘が日本人初挑戦するラリークロス「GRC」とは?
http://clicccar.com/2016/10/09/406223/

SUBARUラリーチームUSAから、世界の新井敏弘選手がレッドブルGRC最終戦LAラウンドに参戦決定!
http://clicccar.com/2016/09/23/401764/

トヨタがマイクロソフトとのタッグを発表。2017年からWRCに参戦

2017年のWRC(世界ラリー選手権)への参加に向けての準備を発表していたトヨタ。

パリモーターショーで豊田章男社長が明らかにしたのは、マイクロソフトとタッグを組み2017年からのWRC参戦。

20160929_02_02_sなお、マイクロソフトといえば、2011年から日産と、そして先日コネクテッドカーでルノー・日産連合とのコネクティビティ強化での提携が発表されています。

トヨタとも2011年から次世代テレマティクス分野で提携していて、今回はマイクロソフトが、2017年のWRC(FIA世界ラリー選手権)における「TOYOTA GAZOO Racing」の「テクノロジー・パートナー」として参画することで基本的合意に達したというもの。

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トヨタは今後、マイクロソフトの技術を活用してレース活動やチームデータ共有のための情報プラットフォームを開発し、レース活動を強化。

また、極限走行の車両から得られる情報を集約し、最先端のデータ解析を行うことにより、「もっといいクルマづくり」に向けたデータの研究、活用していくそうです。

今回のマイクロソフトとの提携は、下記の3つに集約されるようです。

・走行中のデータ分析プラットフォームの開発
走行に関わる各種情報を集約・可視化し、分析することで、レース活動にデータを活用。

・チーム活動の情報共有システムの活用
クラウドを利用して、画像や動画などの各種素材をより円滑に共有できるようにすることで、効率的・効果的な情報発信活動を支援。

・ファンとのコミュニケーション強化
クラウドを活用したファン向けサービスの提供や、イベントにおけるマイクロソフトの展示デバイス使用などを通じ、レース活動を魅力的かつスピーディーにファンに届ける。

気になるのが2017年に向けてのトヨタWRCの体制でしょう。

トミ・マキネンをチーム代表のもと着々と準備を進めているそうで、DMG森精機とパナソニックもWRCにおけるパートナーとして基本的合意に達しています。

また、今回発表されたヤリスWRCテストカーは、上記3社及びチームへのタイヤの供給メーカーであるミシュランのロゴを掲出したデザインとなっています。

(塚田勝弘)

往年のWRカーやスバル1000が富士を走った!【モーターファンフェスタ2016】

2万人もの来場者を迎えた「モーターファンフェスタ2016」。

4月24日の富士スピードウェイには数多くの自動車メーカーや、ショップなどが出展し、様々なコンテンツで来場者が一体となって楽しめるイベントが数多く催されました。

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5周年を迎えるクリッカーの読者の皆様はスバリストの方やスバルファンの方も多く、今回のイベントに、残念ながら足を運べず、スバルブースが見たかった!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方々や、会場でスバルブースを見逃した!という方、もう一度あの興奮を!という方のために、クリッカー・スバル担当の筆者が、モーターファンフェスタのスバルブースやスバルのコンテンツをレポートします!

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スバルブースでは「ニュルブルクリンク24時間レース2013年参戦車両」、STIコンプリートカーの「S206 NBRチャレンジパッケージ」と「S207 NBR チャレンジパッケージ」、さらに往年の名車「スバル1000」と「インプレッサWRC 98 ラリーサンレモ仕様」が展示されました。

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S206やS207は実際に車内に乗り込むことができ、Sシリーズの進化の過程や実際のシートのすわり心地などが体験できました。

市販モデルとはいえ、限られたオーナーだけが味わえる空間を満喫できるのは貴重なひとときだったのではないでしょうか。

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スバルブース内でもひときわ注目を集めたのが、名車「スバル1000」とWRカー「インプレッサWRC 98」の展示。

今回のモーターファンフェスタでは、他のメーカーやオーナーカーからも数多くのクラシックカーが出展されていましたが、1966年に登場したスバル1000は、今年で50周年を迎えるスバルの水平対向エンジンの歴史では欠かせない存在といえます。

スバル初の量産水平対向エンジン搭載車であるスバル1000は、インボードブレーキやダブルオフセットジョイントなど、FF化のために惜しみなく当時の最新技術が取り入れられたクルマとして、今も名車として語り継がれるスバルの歴史を語る上で欠かせないクルマです。

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そして、もう一台注目のクルマといえば、1998年にWRCで活躍したインプレッサWRC 98。展示されたマシンは98年のサンレモラリー(イタリア)に、故コリン・マクレーが実際にドライブしたマシンです。

ゼッケン番号やナンバーも当時のままで、18年前にWRCの最前線で活躍したマシンに当時のファンは歓喜の対面となりました。

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この歴史的に価値のある注目の2台が、富士スピードウェイの国際レーシングコースを走行!

これには数多くのスバルファンが大興奮しました。この記念すべき瞬間をクリッカーはスバル1000に同乗させていただき独占取材させていただきました!

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スバル1000は、普段からSKCで欠かさずメンテナンスを行なっていることもあり、快調なエンジン音と共にピットを出ます。

しかし、ピットレーンでインプレッサWRC98とともに、出走を待つ間にエンジンストール!

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昭和40年代のクルマにアイドリングストップがついているわけもなく、思わず緊張が走ります。

刻々と変わる天気などで、エンジンがへそを曲げるというのは最近のクルマでは考えられませんが、キャブレター式のエンジンを搭載する昭和のクルマではよくあるケースで、クルマの機嫌を伺いながら対話して走っていた時代を、緊張感たっぷりの状態で味わうこととなりました(笑)

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待機していたピットレーン脇のチームの方々の協力などにより、ぎりぎり出走直前にエンジンが始動!無事にコースに出ることができ、インプレッサWRカーとのランデブーを披露しました。

2台はコースを1周したのちグリッドウォークで、数多くの来場者の目を楽しませました。

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これからの自動車文化を語る上でも、スバルの歴史を語る上でも欠かせないこの2台。

三栄書房の様々な雑誌、メディアの周年祭となったモーターファンズイヤーとなったこのイベントで、水平対向エンジン50周年というスバルにとっても記念すべき年であるということを記憶に残してくれる感慨深いイベントであったといえるでしょう。

(井元 貴幸)