Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

トヨタがFCV「ミライ」の技術を大型トラックに応用へ

トヨタ自動車が米カリフォルニア州で、大型トラックへのFC(燃料電池)搭載を目的とした技術・事業化スタディを進めると発表しました。

TOYOTA_FC-TRUCK

同社はこれまでに市販を実現したFCV「ミライ」をはじめ、FCフォークリフト、家庭用の定置式燃料電池などで技術開発・商品展開を推進しており、経済産業省主導の「低炭素社会システム実証プロジェクト」では日野自動車と共同で「FCバス」を開発

2020年の東京五輪に向けては、観客や出場選手の送迎用等に100台を超えるFCバスの投入を予定しています。

TOYOTA_FC-BUS

また2017年3月にトヨタブランドからFCバスの販売を予定しており、東京都交通局が運行する路線バスとして2台が採用される見込み。

同社は今後、大型FCトラックの実現により、「貨物輸送におけるゼロ・エミッション」に貢献することを視野に入れて調査を行なう予定で、プロジェクトの進捗に応じて、順次進展状況を公表するとしています。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

【関連記事】

トヨタが東京五輪に向けて100台超の燃料電池バスを投入!
http://clicccar.com/2016/11/02/413197/

トヨタが工場に燃料電池発電を導入!「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現を目指す
http://clicccar.com/2016/09/15/399446/

京都市がFCV・ミライを活用したカーシェアリング事業をスタート!
http://clicccar.com/2016/08/17/393190/

トヨタ自動車、太陽光で製造する「CO2フリー」水素の実証試験へ!
http://clicccar.com/2016/07/04/383345/

トヨタが2020年に水素でFCVを生産!年内に実証実検へ
http://clicccar.com/2016/02/11/353500/

京都市がFCV・ミライを活用したカーシェアリング事業をスタート!

京都市は昨年、4人乗りFCV(燃料電池車)のトヨタ・ミライを3台導入しました。

KYOTO

市民を対象とした モニター制度によるFCVカーシェアリングを約1ヵ月間実施するなど、温室効果ガスの排出が無く、将来のエネルギーとして中心的な役割を担うことが期待される「水素エネルギー」の普及拡大に取り組んでいます。

そして同市は今回、水素エネルギーの更なる普及拡大に向け,「タイムズ」と共同で全国初となるFCVを活用した本格的な有料カーシェアリング事業をスタートさせました。

日祝日(振替休日含)と市内水素ステーションの休業日を除く、今年の8月10日(水)から来年の3月24日(金)までの期間に渡って実施しており、3台の車両はタイムズカーレンタル京都新幹線口店で貸し出しています。

TOYOTA_MIRAI

・貸出 9時30分〜22時/返却 8時〜22時
・返却前の水素充填は不要
・返却時に走行キロ換算料金により店舗で精算

利用予約は3ヵ月前から可能で、最長利用期間は7日間。

利用料金(消費税込)は6時間までが9,000円、12時間までが11,000円、24時間までが13,000円、追加1日ごと 11,000円、追加1時間ごと 1,500円となっています。

これから秋にかけて行楽シーズンとなるなか、紅葉の京都をクリーンエネルギーで走行するFCVで巡るのも良いかもしれません。

Avanti Yasunori

【関連リンク】

京都市:燃料電池自動車「ミライ」を活用した有料カーシェアリング事業について

京都市FCVカーシェアリング事業 | レンタカーならタイムズカーレンタル

オーストラリアに「トヨタ・MIRAI」を試験的導入

トヨタ自動車(トヨタ)のオーストラリアの現地会社Toyota Motor Corporation Australia Ltd.(TMCA)は、将来技術に対する関心を高めることを目的に、3台の「MIRAI(ミライ)」を試験的に導入し、FCVの理解活動や試験走行に活用すると発表しました。

20160712_01_01_s

オーストラリアでは今年末に移動式水素ステーションが導入され、FCVを導入する環境が整うことを機会に、TMCAでは本格的に「MIRAI」の路上走行などを開始する予定です。

この移動式水素ステーションは、地上据え付けも、トラックの荷台に据え付けて運ぶことも可能になっており、様々な場所で「MIRAI」の燃料補給が可能になります。

TMCAのデーヴ・バトナー(Dave Buttner)社長は

「昨年10月に『MIRAI』を初めてオーストラリアで展示したのに続き、このたび3台の車両を導入することになり、大変うれしく思う。トヨタは、将来技術やFCVへの皆様の関心が高まることを期待している」

とコメントしました。

20151007_01_01_s

燃料電池技術のメリットのひとつに、将来の代替燃料として最も有望な水素を燃料としていることが挙げられます。また、FCVは使用時に水しか排出しない、環境に優しいクルマという特長もあります。

「MIRAI」は現在、米国のカリフォルニア州、日本、ならびに欧州各国で販売されていますが、オーストラリアでは水素ステーションの整備が進んでおらず、一般販売はされていません。

バトナー社長は、

「我々は燃料電池技術には非常に高い関心を持っているものの、実際にオーストラリアで販売できるようにするにはインフラ整備が必要である。そのため、業界全体が一丸となり、極力早く、インフラ整備の計画を進めることが重要だと考えている。この技術は将来有望であり、オーストラリアの方々にも、ぜひご注目頂きたい」

とコメントしています。

(山内 博・画像:トヨタ)