2016年8月2日、イギリスのプレミアムスポーツカーブランドであるアストンマーティンが2台の限定車を公開しました。
2014年10月にアストンマーティンのCEOにアンディ・パーマー氏が就任し、2020年までに7台のニューモデル(新型車、限定車含む)をリリースすると発表。
その後ヴァンテージV12S、ヴァルカンそして新世代アストンマーティンの幕開けを告げるDB11と、これまでのアストンマーティンでは考えられないようなペースでローンチしてきました。
そして今回、2016年5月のイタリアのイベントで発表されたヴァンキッシュザガートとWEC(FIA 世界耐久選手権)などで活躍しているヴァンテージGTEレーシングカーのDNAを引き継いだロードカーであるヴァンテージGT8が披露されたのです。
ヴァンキッシュザガートは、アストンマーティンのフラッグシップモデルであるヴァンキッシュをベースに、イタリアのカロッツェリアであるザガートとコラボレーションして生まれたモデルです。
アストンマーティンとザガートのコラボの歴史は1960年のDB4 GT ザガートから始まり、以降1986年のV8ヴァンテージ、2002年の DB7ヴァンテージザガート。そして2011年にはV12ヴァンテージザガートが発表され、今回のヴァンキッシュザガートは5台目のモデルとなります。
エレガントなヴァンキッシュのボディをベースに、ザガートのアイコン的なダブル・バブルルーフをはじめ、円形のテールライトリフレクターを採用。
インテリアでは、ダッシュボードにはヘリンボーンカーボンファイバーとアルマイト処理を施された暗色ブロンズが組み合わされています。また、エアコンのベントやロータリースイッチには暗色ブロンズが使用されています。
シートやドアセクションにはZパターン・キルトがあしらわれ、ヘッドレストにはエンボス加工で、センターコンソールにはステッチで、ザガートのイニシャルであるZが施されています。
これまで登場した3台のザガートとのコラボモデルもコレクターズアイテムとして非常に人気を誇っています。
99台限定で価格が5810万円というヴァンキッシュザガート。その希少性からプレミアム価格となるのは間違いないでしょう。日本には2台が輸入されるそうです。
ベビーアストンと呼ばれるV8ヴァンテージクーペをベースとしたヴァンテージGT8は、モータースポーツのDNAをふんだんに織り込み、エクステリアや走行性能もノーマルとは大幅に異なります。
大きなリアウィングが存在感を主張するヴァンテージGT8は、そのままサーキットを走行しても高いパフォーマンスを発揮するポテンシャルを感じさせます。
カーボンを採用したボディパーツはレースで培った空力特性を応用。シャシーもサーキット走行を想定してチューンを施されています。
そして徹底的な軽量化を図り、最大で100kgの軽量を実現。シャープな俊敏性を実現しています。
搭載される4.7LV8エンジンは最高出力446psを発生し、トランスミッションは6速MTかセミATのスポーツシフトIIから選ぶことが可能です。
こちらのストリートからサーキットまで走行できるドライバーズカーのヴァンテージGT8も全世界で150台の限定生産です。価格は6速MT車が2770万円、スポーツシフトII車は2827万2400円で日本には4台が導入される予定です。
今回の2台の限定車、今回の発表会以外で見ることはほとんどない超希少車といえるでしょう。
(萩原文博)