Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

サンプル

モトチャンプ

トヨタが工場に燃料電池発電を導入!「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現を目指す

トヨタ自動車は、2015年のトヨタ環境フォーラムで「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けた取り組みを進めていると発表。

TOYOTA

今年の6月28日には、福岡県の宮田工場で再生可能エネルギー由来の電力を一旦水素に置換して貯蔵、工場内のFC(燃料電池)フォークリフトによる活用を目指す実証プロジェクトをスタートさせています。

さらに同社は太陽光発電や燃料電池システム、プリウスの使用済みリチウムイオン電池などを利用した新たな省エネシステムを本社工場内のエネルギー管理棟に導入、9月12日に実証運転を開始したと発表しました。

8月に完成したエネルギー管理棟(3階建、床面積:1,120㎡)では、電力需給制御システムを使ってエネルギーの需要予測を行っており、燃料電池発電/太陽光発電/蓄電池の各電力を組み合わせることで、効率的なエネルギー供給を実現、施設内の電力消費(8万kWh)を全て賄う計画といいます。

TOYOTA

ちなみに今回導入した定格出力3.5kWの定置式純水素燃料電池は、小規模オフィス向けに新たに開発したもので、商用として運用を開始した初の事例とか。

さらに、燃料電池システムによる発電時に発生する廃熱を空調に利用する徹底ぶり。

同社が保有する世界中の生産工場に、今後これらのシステム導入が進めば、エネルギーの地産地消に大きく寄与することになりそうです。

トヨタでは、今回の実証結果などを踏まえ、工場内建物での効率的な水素活用技術を開発、「工場CO2ゼロチャレンジ」の実現に向けた取り組みを着実に進めていくとしています。

Avanti Yasunori・画像:トヨタ自動車)

【関連記事】

トヨタ自動車、太陽光で製造する「CO2フリー」水素の実証試験へ!
http://clicccar.com/2016/07/04/383345/

トヨタが2020年に水素でFCVを生産!年内に実証実検へ
http://clicccar.com/2016/02/11/353500/

トヨタ自動車、太陽光で製造する「CO2フリー」水素の実証試験へ!

トヨタ自動車が6月28日、福岡県の宮田工場で再生可能エネルギーを利用して水素を製造する実証プロジェクトを開始すると発表しました。

TOYOTA

水素エネルギー社会の進展、再生可能エネルギーの更なる利用拡大を目的に、天候に左右される不安定な再生可能エネルギー由来の電力を一旦水素に置換して貯蔵、工場内のFC(燃料電池)フォークリフトで活用する国内初の取組みとなります。

HUKUOKA

経済産業省が推進する「地産地消型再生可能エネルギー面的利用等促進事業費補助金」を受けて実証試験を行うもので、トヨタ自動車九州のほか、福岡県、九電テクノシステムズ、豊田通商の4者が参画しており、年間で最高4億円の補助金が最長3年間に渡って交付される見込みとか。

本実証プロジェクトは「地産地消型グリーン水素ネットワークモデル」の構築を目指しているもので、大規模な貯蔵ができない「電力」を、電気分解して水素に置換することにより、長期間大量に貯蔵できる技術として有望視されています。

トヨタ自動車では、来年3月までに太陽光発電システムや水素製造・供給システム、FCフォークリフト、定置用の燃料電池などを宮田工場に導入予定。

TOYOTA

同社によれば、CO2フリー水素を利用するFCフォークリフトの導入により、火力発電由来の電力を使う電動フォークリフトに対して一台あたりのCO2排出量を半減できる見込みといいます。

TOYOTA

今後トヨタ自動車では、工場内のCO2排出量を2030年に現状の1/3に、2050年には排出量「ゼロ」を目指す計画。

FCフォークリフトによる水素の直接利用に加え、定置型燃料電池により水素から電気に戻すことで、クルマの生産段階からCO2排出量を抑制、国内外の他工場や新設工場にノウハウを展開していく計画のようです。

TOYOTA

これらの技術が普及すれば、災害時を含めた電力の自給が可能となり、エネルギーの地産地消にも大きく貢献することになりそうです。

Avanti Yasunori ・画像:トヨタ自動車、福岡県)

【関連記事】

トヨタが2020年に水素でFCVを生産!年内に実証実検へ
http://clicccar.com/2016/02/11/353500/

ホンダが燃料電池車「クラリティ フューエル セル 」を発売開始! 価格は766万円

ホンダが3月10日、独自開発した燃料電池車「クラリティ フューエル セル」の国内リース販売を開始しました。価格は766万円です。

HONDA_CLARITY

ガソリン車と同等の使い勝手とFCVならではの魅力を高次元で融合、搭載している燃料電池スタックは、従来に比べて33%の小型化を図りながら、出力は従来比で約60%の向上を実現しています。

トヨタ「MIRAI」との違いは、パワートレインをV6エンジン並みにコンパクト化してフード内に集約した点で、大人5人が快適に座れるキャビンスペースを確保しています。

HONDA_CLARITY

これにより、一つのプラットフォームでクーペや5ドアハッチバック、SUVなど多彩なバリエーション展開が容易になるという訳です。

[nextpage title=”欧米でもリース販売”]

バッテリーはボディー中央下部、高圧水素タンクは後部座席の下とトランク部分に収納、FCスタックのスペックは「MIRAI」とほぼ同等ながら、モーターの最高出力は113kWに対して130kWに高められています。

HONDA_CLARITY

1回当たりの水素充填時間は3分程度と、ガソリン車と変わらない使い勝手を実現しており、航続距離はJC08モードで「MIIRAI」の650kmを上回る750km以上を誇ります。

 

また、一般家庭のおよそ7日分の電力を供給することができる外部給電器「Power Exporter 9000」を組み合わせることで、「走る電源」として災害時などにクルマが作る電力をコミュニティに提供することが可能。

HONDA_CLARITY

「クラリティ」フューエル セルは自治体や企業などにむけてリース販売を行い、市場における製品の使用状態やユーザーの多様な意見・要望を収集した後に一般販売を開始する予定です。

年内には米国などでも月額500ドル以下でリース販売を開始する模様です。

トヨタ、ホンダの両社からFCVが販売開始されたことで、政府が目指す水素社会実現に向けた動きに拍車がかかりそうです。

Avanti Yasunori

【関連記事】

ホンダから「FCV」登場、温室効果ガス削減に寄与!
http://clicccar.com/2015/12/04/341690/

「COP21」温室効果ガス削減に向けてFCVへの期待上昇!
http://clicccar.com/2015/12/03/341748/

電通の調査で「FCV」が2016年有望商品ランキング首位に!
http://clicccar.com/2015/11/30/341334/

日本はFCV、PHV、EV三位一体で環境対応をリードする!
http://clicccar.com/2015/11/12/339190/

ホンダのFCV(燃料電池車)は非常用電源となる!
http://clicccar.com/2014/02/21/247233/

From clicccar

クリッカー