9月25日(日)に富士スピードウェイで開催された「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」。多くのマツダファンにとって、そのメインディッシュであるといえるのが、レジェンドマシンのマツダ787B。
今回はホワイト/ブルーのマツダワークスカラーを身にまとった18号車が25年ぶりに公開。55号車と並んでディスプレイされ、往年のマツダファンの感涙を呼びました。デモンストレーション走行では、マツダ787Bの55号車を寺田陽次郎氏がドライブ。
そのほかRX-3、カペラ、ファミリアロータリークーペ(R100)レースマシンと、スーパー耐久を戦う、ロードスターやデミオディーゼルなど、現代のレーシングマシンがコース上で競演。
ガソリンレシプロエンジンはもとより、ロータリーエンジンや、ディーゼルエンジンなどが奏でるマツダならではのレーシングサウンドに酔いしれることができました。
またスーパー耐久参戦マシンは、ピットワークのデモンストレーションなども実施しました。
このほか展示のみですが、本年度北米のレースシーンで好成績をおさめているマツダプロトタイプや、バーチャルの世界から飛び出したマツダ LM55 ビジョン グランツーリスモなども来場者の目を楽しませました。
3階からホームストレートや1コーナーを見渡せるピットビルには、細かく会場全体図とスペースごとの展示内容を示す看板が設置されており、初めて訪れたユーザーでもわかりやすくなっていました。
惜しむらくは、マップがないとトイレの位置わかりにくかったこと。グランドスタンド側は元々トイレサインが多数表示されているが、普段は走行に来るユーザーがメインとなるエリアがメイン会場となったため、アナウンスの看板などが大きくなく人ごみではわかりにくい状況がありました。
また、せっかくならばコースで開催されているイベントの様子を流すモニターが会場内の色々な場所に設置されていれば、サーキットイベント感がよりいっそう演出できたかもしれません。
というのも、6割から7割の参加者がサーキット初体験だったのではないかと推測されたからです。
パドックを歩いていて聞こえてきた会話をかいつまんで紹介すると、「それでサーキットはどこ?」「ここはサーキットの中だよ。うちのクルマもコースの内側に停めてるの」「回りにコースがあるの!」「そうそう」や、「あそこの芝生に人が座っているねえ」「レースの時ならぎゅうぎゅうのいっぱいだよ」「ええ、あそこにそのまま座るの」「ピゴザを敷いたりしてね」、「あの塔の上に表示されているのは時計、その下は……順位と」「ゼッケン番号だね」「ふーん」「レースカーは陸上選手みたいにゼッケンがついてるから」といったもの。
初めてサーキットへ来た家族や友人と、連れて来たオーナーとの会話がそこかしこで展開されているのが印象的でした。
この贅沢なサーキット体験。これがスタンダードメニューになれとは言いませんが、ほかのサーキットイベントでも、こういったセンスの取り組みが数レースあっても面白いかもしれませんね。
(文と写真:古川教夫)