Motor Fan's YEAR 2016

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日立オートモティブシステムズのモノチューブショックアブソーバーがレクサスの新型「IS」に採用

日立オートモティブシステムズは、同社のモノチューブショックアブソーバーが、10月にマイナーチェンジされたレクサスの新型「IS」シリーズの全モデルに採用されたこと発表しました。

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今回の「IS」シリーズのマイナーチェンジにあたって、レクサスは同シリーズの「運転の愉しさ」を熟成するために、サスペンションのチューニングをセッティングしており、日立オートモティブシステムズのモノチューブショックアブソーバーが応答性・快適性に優れたサスペンションシステムを構成する重要な部品となっています。

一般にショックアブソーバーには複筒式と単筒式がありますが、日立オートモティブシステムズのモノチューブショックアブソーバーは単筒式に該当します。

このモノチューブショックアブソーバーについて、日立グループの技術誌「日立評論」に解説が掲載されているので、同誌に掲載の分解図を参照しながらご説明します。

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モノチューブショックアブソーバーの特徴は、①上部のシールに新型シールを採用し、②大流量の二体型ピストンを採用して、乗心地とハンドリングを両立している点です。

組立工法については、従来の溶接を「かしめ」や「圧入」に置き換え、内部に封入した低圧ガスを組み立て時に圧縮して高圧化する新しい組立方法を採用していることが特筆されます。

同社のモノチューブショックアブソーバーが足元を支えるレクサス新型「IS」シリーズの乗心地がどうようなものか楽しみですね!

(山内 博・画像:日立オートモティブシステムズ、日立評論)

レクサスISがマイナーチェンジ。内・外装と走りを「深化」させ、最新の安全装備も搭載

レクサスの主力モデルのひとつといえるレクサスISが10月20日にマイナーチェンジを受けました。内・外装やサスペンションの変更、最先端の安全装備を搭載するなど、比較的大がかりな変更になっています。

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まず外観は、ISの特徴であるスポーティなイメージをより際立たせるため、「スピンドルグリル」を基点とした強い立体構成と走りの良さを予感させるスタイリングに変更することで、よりアグレッシブなデザインになっています。

フロントマスクは、スピンドルグリルから始まるセンター部の立体と大きく張り出した台形状のバンパーコーナーの造形がコントラストを生み出し、踏ん張り感をさらに強調。

20161020_01_04_sヘッドランプは、内側に延長された特徴的な形状となり、L字型のクリアランスランプとの連続性を高めることでさらに鋭い印象に。一方のリヤコンビネーションランプは、多灯LEDに変更し、内部に大胆な造形のL字を層状に重ねたデザインになっています。

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機能性と質感向上が図られたインパネは、ナビのディスプレイを10.3インチに拡大されたのが大きな変更点で、ナビゲーションやオーディオの情報をより大きく表示するとともに、リモートタッチ側面にENTERボタンを設置することで使い勝手も改善されています。

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質感向上を担っているのは、ヒーターコントロールパネルとオーディオパネルに施されたヘアライン調(金属の表面に細かい傷を一定方向に入れる加工方法)の加飾で、大型化したニーパッドで両端から挟み込むことにより車格感を向上。さらに、パームレストの革巻き部を拡大し、ステッチを追加することで質感が高められています。

オーディオでは、標準設定のレクサスISプレミアムサウンドシステム、スピーカーを10個に増設し、よりクリアな音質で広がりと奥行き感を伴う臨場感を実現。

オプション設定の「マークレビンソン」プレミアムサラウンドサウンドシステムにもチューニングが施され、全席でより正確かつ立体的なサウンドを味わうことができます。

足まわりも改良を受けています。サスペンションのストローク速度が極めて低い状態から十分な減衰力を発揮する改良型のダンパーが採用されたほか、フロントサスペンションロアアームをアルミ製に変更し、剛性アップと軽量化を両立。

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さらに、スプリングブッシュの特性や、電子制御式の「AVS(Adaptive Variable Suspension system)」、パワステである「EPS(Electric Power Steering)」の制御など、細部に至るまでチューニングを施し、操縦安定性と乗り心地をより高次元で両立することで、ドライビングの気持ちよさを追求したとしています。装備面の目玉は、低速域から高速域まで衝突回避または被害軽減を支援する予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」の標準化。

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「Lexus Safety System +」は、歩行者検知機能付衝突回避支援タイプ「プリクラッシュセーフティ」をはじめ、車線逸脱による事故の予防に貢献する「レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御機能付)」(LDA/ Lane Departure Alert)、夜間歩行者の早期発見に寄与しロー・ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」(AHB/ Automatic High Beam)、設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できる「レーダークルーズコントロール(ブレーキ制御付)」がパッケージ化されたレクサス最新の安全装備です。

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改良を受けたレクサスISの価格は、3.5L V6を積む「IS350」が559万9000円〜630万3000円、2.5Lエンジン(+リダクション機構付THSⅡ)を搭載するハイブリッドの「IS300h」が515万円〜638万5000円。2.0L直列4気筒ターボの「IS200t」が470万〜530万8000円となっています。

(塚田勝弘)

最新レクサス顔の大胆スピンドルグリルに変身!新型レクサスISが登場

マイナーチェンジを受けたレクサスISが北京モーターショーで公開されました。1枚の写真が事前に公開され、アグレッシブなデザインが採用されることもアナウンスされていましたが、写真からも分かるように最近のレクサスらしい大胆でシャープな印象を受けます。

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デザインテーマは「Aggressive Sports」で、従来型でも好評だった高い走行性能を予感させるイメージを進化させたそうで、ヘッドランプ、リヤコンビネーションランプ、フロントおよびリヤバンパーを中心に、力強くスポーティなスタイリングとされています。

強烈な印象を残すフロントマスクは、フェンダーからダイナミックにつながる塊感のあるバンパーコーナーにより、「Aggressive Sports」にふさわしい、スポーティでアグレッシブな造形が追求されています。L字型のクリアランスランプとの連続性が強調されたヘッドランプは、内側に延長した特徴的な形状とし、鋭さを強調。

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レクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルは、上下の比率を変化させ、グリル下部がより大きく広がり、「両下端のブレーキダクトへ空気を導く機能性も表現された」低重心でスポーティな印象を与える造形となっていますが、大型のスピンドルグリルはNXやRX、GS Fなど最新のレクサスとの共通点も感じさせます。

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また、スポーティな「F SPORT」は、3次元F字メッシュパターンにジェットブラックメタリックコーティングが施された独自のスピンドルグリルになり、ブレーキダクトと関連を持たせたサイドガーニッシュを組みあわせ、スポーティなイメージの付与と空力性能向上を両立しているそうで、こちらの方がGS Fに近いイメージでしょうか。

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一方のリヤビューは、リヤコンビネーションランプの内部に大胆な造形のL字を3つ層状に重ねた奥行きのあるデザインの採用や、エギゾーストパイプの形状変更がされています。

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内装もスポーティムードの強調が主眼。マルチメディアディスプレイが10.3インチまで拡大され、ナビゲーションやオーディオの情報が大きく表示されるだけでなく、コンソールのリモートタッチ側面にEnterボタンが設置され、操作性も向上。

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また、メーターフードは、スタートスイッチを押しやすい角度に調整されたほか、フードステッチの通し方を変更することで、スポーティさを演出。ほかにも、ヒーターコントロールパネルとオーディオパネルを質感の高いヘアライン調に変更されていて、大型化された二―パッドで両端から挟み込む構成とすることにより、車格感の向上。カップホルダーの使用感の向上やアナログクロックの視認性向上など、質感と使い勝手の向上も図られています。

安全面では、予防安全パッケージである「Lexus Safety System +」が新たに採用されているのがトピックス。

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歩行者検知機能付で、衝突回避支援タイプの「プリクラッシュセーフティ」、車線逸脱を予防するステアリング振動機能付レーンディパーチャーアラート(LDA)、夜間の前方視界確保を支援するためロー・ハイビームを自動で切り替えるオートマチックハイビーム、そして設定車速内で先行車の車速に合わせて速度を調節することで一定の車間距離を保ちながら追従走行できるACCのレーダークルーズコントロールがパッケージ化されています。

ISの購入者の半数以上がレクサスの新規ユーザーだそうで発売が待たれますが、日本での発売は2016年秋が予定されています。

(塚田勝弘)

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■マイナーチェンジしたレクサスISを北京モーターショーで披露
http://clicccar.com/2016/04/24/367866/