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人気のBMW2シリーズ・アクティブ ツアラー、グラン ツアラー が一部改良

実用的なモデルで一定の需要がある4WDをのぞくと、駆動方式の違いを意識してクルマ選びする人は日本のみならず世界でも少数派かもしれません。

BMW 220i Gran Tourer

そうした傾向はBMWによる調査結果でもあるそうで、2列5人乗りのBMW 2シリーズ・アクティブ ツアラー、3列7人乗りのグラン ツアラーは、主にメルセデス・ベンツBクラスへの対抗馬(アクティブ ツアラー)として、綿密なマーケティングにより生まれたモデルだと想像できます。

2016年9月、BMW 2シリーズ・アクティブ ツアラーとグラン ツアラーが一部改良を受けました。

よりダイナミックなスタイリングを強調する「M Sport」モデルのうち、「BMW 218dアクティブ ツアラー M Sport」、「BMW 218dグラン ツアラー M Sport」、「BMW 220iグラン ツアラー M Sport」の3モデルに、パドルシフト付きの8速スポーツATを新たに標準装備。

なお、225i xDriveアクティブ ツアラーは従来モデルからパドルシフト付8ATが用意されています。

BMW 220i Gran Tourer

BMW2シリーズ・アクティブ ツアラーの価格帯は342万円〜509万円。グラン ツアラーは368万円〜464万円。

なお、価格が改定された「218dアクティブ ツアラー M Sport」は407万円、「218dグラン ツアラー M Sport」は437万円、「220iグラン ツアラー M Sport」が464万円です。

(塚田勝弘)

BMW 2シリーズ アクティブツアラーのPHVモデル、225xeの走りは上質か?

「BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー」に追加されたプラグインハイブリッド(PHV)の「225xe」は、4WDの「xDrive」とモーター走行の組み合わせと思われる車名の「xe」からも分かるように、1.5Lの直列3気筒ターボに後輪を駆動するモーターを組み合わせた4WDとなっています。

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エンジンは「218iアクティブツアラー」と同じく、最高出力136ps/4400rpm、最大トルク220Nm/1250-4300rpmというスペック。モーターは88ps(65kW)/4000rpm、165Nm/3000rpmという数値になっています。

システム合計で224ps/385Nmというパワーを誇ります。0-100km/h加速は6.7秒(ヨーロッパ仕様車値)ですから、まずまずの俊足ぶりというのが分かります。なお、組み合わされるトランスミッションは6AT。

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4WDシステムはフロントを駆動するエンジンと、リヤを駆動するモーターという組み合わせたオンデマンド式ですが、モーターは停止時から最大トルクを発生するため、バッテリー状態やアクセルの踏み込む方次第によりますが、125km/hまでは(MAX eDriveモード時)まではモーターによる後輪駆動になります。

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走り出しはモーター走行なのでもちろん静かで、エンジンが始動しても1.5Lの直列3気筒は予想以上に力強さがありますから、街中、そして郊外の坂道などを乗る分には動力性能に不満を抱くことはまったくありませんでした。

「SPORT」モードで気持ちよく走っていると、バッテリーはあっという間に減っていきますが、バッテリーの充電量を最大50%まで増やせる「SAVE」モードにも変更できますので、状況に応じた走りをゲーム感覚で楽しめます。

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気になる乗り味は、バッテリーを低い位置に積むとはいえ重量物がプラスされることを感じさせるもので、ボディが前後、左右に揺すられるような動きが気になりました。

もう少しストローク感があるといいのでしょうが、SUVのような車高の高さがないだけに仕方ないかも。

短時間の試乗だったため実燃費や高速域の走りなど、分からないことだらけでしたが、街中では部分電動車両らしい静粛性の高さなど、純ガソリン仕様やディーゼル車にはない魅力も確認できました。

(文/塚田勝弘 写真/前田惠介)

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■「BMW 225 xe アクティブ ツアラー」は買いか? 欧州メーカーがPHVを導入するワケは?
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「BMW 225 xe アクティブ ツアラー」は買いか? 欧州メーカーがPHVを導入するワケは?

BMW 2シリーズに追加されたプラグインハイブリッド「BMW 225 xe アクティブ ツアラー」。

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最近は、BMWだけでなくメルセデス・ベンツやVWグループ(フォルクワーゲン、アウディ、ポルシェ)、ボルボなど欧州系メーカーのプラグインハイブリッド(PHV)攻勢が続いていますが、欧州メーカーがこぞってPHVを投入するのは、燃費向上はもちろん、最大の理由はEUで2021年に待ち構えているC02排出量95g/km(メーカーの平均値)という壁。

アメリカのZEV規制をクリアできずにクレジットを購入するのも避けたいところでしょうが、お膝元で罰金を払うのも避けたいところでしょう。

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そう考えると、メルセデス・ベンツがPHVを2017年までに10モデルを、BMWが7シリーズに追加することで2016年中に全5モデルを日本導入し、ボルボが今後、全モデルにPHVを導入するとアナウンスしていることも理解できます。

なにせ、EUでは充電してEV走行した分はCO2排出量がカウントされませんから、PHVはCO2削減の有効な切り札になりえます。

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さて、メルセデス・ベンツBクラスの対抗馬として登場させたはずのBMW 2シリーズ アクティブ ツアラーは、コンパクトなボディサイズでも4人家族がゆったり過ごせるキャビンや使い勝手のいい荷室などを備えています。

なんだか日本車が得意とする使い勝手を備えている気がしますが、そこに誰が見てもBMWと分かるデザイン(ブランド力)と、前輪駆動でもBMWらしい走りが味わえるのが人気の理由でしょう。

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プラグインハイブリッドの「225xe アクティブツアラー」は、モーター走行のみで最大42.4km走行可能(EV走行換算距離/JC08モード)で、最高速度は125km/h(ヨーロッパ仕様車値)。電気モーター走行時は後輪駆動になります。

ゴルフGTEの53.1km(アウディA3スポーツバック e-tronは52.8km)には及びませんし、JC08モードなので実走行では5〜7割くらいに減るかもしれません。それでも近所の買い物や駅までの送迎程度なら充電した電気でまかなえるのではないでしょうか。

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価格は「225xe アクティブ ツアラー Luxury」が488万円、「225xe アクティブ ツアラー M Sport」が509万円。もちろん、自動車取得税、重量税が免税になり、翌年度の自動車税も75%減税となります。

なお、1.5Lターボ搭載車が342万円〜、2.0Lのディーゼルターボ363万円〜という値付けですから、アクティブ ツアラーの居住性や使い勝手を享受すればいい、というのであればわざわざPHVに手を出す必要はないかもしれません。

ただし、2.0Lガソリンターボで4WDの「225i xDrive アクティブツアラー M Sport」は504万円という設定で、カタログ燃費は14.6km/L。

一方、PHVの「225xe アクティブ ツアラー 」のハイブリッド燃費は17.6km/L。充電分のEV走行を別にしても燃費面ではPHVの「225xe」の優位が目を惹きます。

(文/塚田勝弘・写真/前田惠介)

色気を増した内外装が魅力。BMW 2シリーズ アクティブ ツアラーの400台限定車

MINIでの実績がありながらも2014年10月のデビュー時は、「BMWなのにFF!?」など、自動車業界(マスコミ)やマニアから懐疑的な目線で見られていた(と思われます)2シリーズ アクティブ ツアラー。

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蓋をあけてみれば都市部を中心にかなりの遭遇度で、一般のユーザーはFFだろうがFRだろうがほとんど気にしないという、BMWによる調査も理解できるところです。

また、世界的には好調のようですが、メルセデス・ベンツBクラスの対抗馬としての役割を日本でどれくらい果たしているのか気になります。

登場から1年半が経ち、新車効果が薄れてきたのか分かりませんが、6月11日から発売される400台限定の「BMW 2シリーズ アクティブ ツアラー Celebration Edition Fashionista(セレブレーション・エディション・ファッショニスタ)」は、ガソリンの直列3気筒BMWツインパワーターボエンジンを積む「BMW 218iアクティブ ツアラー」がベース。

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外観は「アルピン・ホワイト」、「フラメンコ・レッド(※)」に加え、同限定車専用カラーの「インペリアル・ブルー(※)」の鮮やかな3色のボディカラーから選択できるのが特徴。※のカラーはオプション装備(7万7000円)

ほかにも17インチの「スター・スポーク・スタイリング479アロイ・ホイール」が組み合わされ、エレガントかつ洗練されたスタイリングが強調されています。

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内装は、キャンベラ・ベージュの「Sensatecレザー・シート(合成皮革)」と上質な「ファインライン・ストリーム・ウッ ド・インテリア・トリム」の組み合わせが印象的で、明るくモダンな仕上がり。

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「218i アクティブ ツアラー Celebration Edition Fashionista」の価格は398万円で、ベース車の「218i アクティブ ツアラー」よりも56万円高となっています。

(塚田勝弘)