Motor Fan's YEAR 2016

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モトチャンプ

ハスラー、アルト・ラパン、ソリオ・バンテットにお買い得な「Fリミテッド」を設定

2017年3月の年度末に向けて、各社から特別仕様車が設定されています。2016年12月8日、スズキからハスラー、アルト・ラパン、ソリオ・バンテットの3モデルに「Fリミテッド」が発売されました。

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ハスラー「Fリミテッド」は、「G」グレードがベース。カーキ色の専用シート表皮を採用したインテリア、ガンメタリック塗装のフロントバンパーガーニッシュとリヤバンパーガーニッシュ、黒色のスチールホイールなどを装着したアクティブな印象を与える外観が特徴。

ボディカラーは「オレンジ×黒」の2トーン、「ホワイト×黒」の2トーン、「イエロー×白」の2トーンの専用色を含む全4色が用意されています。さらに、ステレオカメラ方式の衝突被害軽減システム「デュアルカメラブレーキサポート」をメーカーオプションで設定。

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アルト・ラパン「Fリミテッド」は、「X」グレードをベースに、専用メッキフロントグリルをアクセントに加えたエクステリアが目を惹きます。

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ブラウン基調のシート表皮、ドアトリム表皮、パール調塗装を施したインパネガーニッシュのインテリアはシックな仕立てになっています。ボディカラーは、新採用の「ブルー」を加えた全5色展開。

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ソリオ・バンディット「Fリミテッド」は、「バンディットHYBRID MV」がベース車で、外観にはメッキドアハンドルが装着されています。

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内装はラックススエード&レザー調シート、スエード調ドアトリムクロス、ブロンズメタリックの加飾により質感を向上。後席右側ワンアクションパワースライドドアやクルーズコントロールシステム、助手席シートヒーターを装備するなど、利便性、快適性も高められています。ボディカラーは専用色となる「ゴールド×黒の2トーンルーフ」、「ゴールド」、「グレー」の3色を加え、全6色の中から選択できます。

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価格はハスラー「Fリミテッド」のFFが140万9400円、4WDが153万5760円。アルト・ラパン「Fリミテッド」は、FFが140万9400円、4WDが151万2000円。ソリオ・バンディットの「Fリミテッド」のFFが189万4320円、4WDが201万7440円です。

(塚田勝弘)

1000kmのロングドライブでわかった!スズキ・アルトの3つの凄さ

スズキの軽自動車においてベンチマークといえるアルト。

2014年12月にフルモデルチェンジを行い、8代目となる現行モデルが登場。続いて2015年3月にはターボエンジンを搭載したスポーティモデルのターボRSを追加。そして12月に往年のボーイズレーサーモデル、アルトワークスが復活しました。

アルト走り

最近は、ターボRSやワークスの中古車が出回りはじめると同時に、アフターパーツも続々と登場してきました。

今回、大阪までアルトターボRSのチューニングカーに乗る機会があり、そのチューニングカーのインプレと、約1000kmのロングドライブで改めて実感したアルトの3つの凄さを紹介しましょう。

今回チューニングカーのアルトターボRSを用意してくれたのは大阪にあるコンプリートスピード。ワンメイクレースに参戦しながら、ターボRSだけでなくワークスのチューニングパーツも販売しているショップです。

2台がらみ リア

試乗したアルトターボRSにはパワー系のチューンではエアクリーナーとインタークーラー。そしてオールステンレス製のマフラーを装着。数値的には5馬力ほどのアップですが、アクセルのレスポンスと加速性能の向上を目指しています。

アルトエンジン マフラー

そして前後のサスペンションには車高調整式サスを装着。ショックの減衰力を調整できるだけでなく、スプリングの組み合わせによって街乗りからサーキットまで幅広く対応しています。

アルトフロントサス アルトリアサス

インプレッションはワインディングを中心に行いました。試乗車のアルトターボRSは直前にサーキット走行を行ったため、スプリングはかなりハードなセッティングでしたが、比較用に持ち込んだノーマル車で走行した時にフロントノーズの入りが遅いと感じたコーナーでも、ステアリングのギア比が変わった?と思うほどクイックにノーズが切れ込んでくれます。

アルトコンプリート走り ノーマルアルト走り

ステアリングフィールが向上した結果、アクセルを踏むタイミングも速くなり、アルトターボRSの軽快な走りをスポイルすることなく、さらに俊敏さが増しています。まさにワインディングで自由自在に操ることができます。

ターボRSはセミオートマの5AGSでも十分楽しめますが、5MTを設定するワークスならさらにアグレッシブな走りが楽しめるでしょう。

しかし、驚いたのはサーキット用セッティングのサスペンションを装着しても、しっかりとした剛性の高いアルトのボディです。硬いサスペンションを装着してワインディングを走っても、4輪ともにしっかりとした接地感があり、コーナリング時のボディの歪みも感じません。

アルトから採用した軽量で高剛性の新プラットフォームの高いポテンシャルによってチューニングしても、ボディ補強はそれほど必要ないようです。

ボディ剛性の高さは高速走行にも良い影響を与えています。

今回は1泊2日で約1000kmというロングドライブを行いましたが、高速道路の直進安定性は抜群で、疲労も非常に少なかったです軽自動車というと街乗り中心と思いがちですが、最新の軽自動車はロンドライブもラクラクこなしてくれます。

ちょっとシートのホールド性が物足りない感じがしましたが、それはレカロシートが標準装着のワークスを選べば解消できます。

アルトターボフロント アルトターボリアアルトターボインパネ アルトターボシート

最後に凄い!と思ったのは大阪から東京まで無給油で帰って来られたこと。

ワインディング走行前に給油を行い、東京まで548.3km。東京到着時の給油量が22.94Lで、東京〜大阪を無給油で走破できるだけでなく、23.9km/Lという高い燃費性能を発揮しました。

JC08モード燃費が25.6km/Lなので、達成率93.3%という燃費面でも高い実力の持ち主と言えます。

なかなか行うことのない軽自動車でのロングドライブとチューニングカー試乗によって、アルトのシャシー性能の高さ、高速安定性、そして燃費性能をという3つの凄さを再認識することができました。

(萩原文博)

スズキも国土交通省に燃費不正問題を報告、対象の16車種に燃費不正はなし!?

三菱自動車の燃費不正問題を受けて、国土交通省が各自動車メーカーに同様の問題がないか調査を求めていました。問題が持ち上がっていたスズキが国土交通省に報告した内容が発表されました。

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スズキが社内で測定されたデータを調査したところ、燃費性能を偽る不正行為はなかったものの、四輪車の排出ガス・燃費試験業務について、国土交通省が定める規定と一部異なる取り扱いがあった、という概要になっています。具体的には下記のとおりです。

●国が定める規定と異なる測定方法について

「現在、販売されている16車種について走行抵抗の測定状況を確認したところ、申請時には、惰行法により実測したデータではなく、惰行法実測値と比較して妥当性をみた上で、タイヤ、ブレーキ、トランスミッションなどの装置ごとの転がり抵抗の実測値や風洞試験装置での空気抵抗の実測値を積み上げた走行抵 抗値を使用していたことが判明いたしました」

少し分かりにくいですが、惰行法による実測値ではなく、計算された机上の数値ということでしょうか。
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●国土交通省が定める規定と異なった取り扱いになった原因については、

「当社が所有する相良テストコースは、海に近く丘の上にあることから風の影響を著しく受けるなど、天候に左右されるため試験が困難であったことが背景にあると考えております。
昨今の低燃費技術の向上に伴う転がり抵抗の低下や車体の軽量化により、風による影響を受けやすくなってきており、測定結果のばらつきが大きくなる傾向にあります。例えば、低転がりタイヤを採用する場合に、その効果をばらつきなく把握することが難しく、データを取得するためには、何度も繰り返し測定を行う必要がありました

天候によるばらつきなどを排除するためとしていますが、どのテストコースも多かれ少なかれ天候による差が出てくるのではないでしょうか。

●最も気になる燃費値などへの影響については、

「今回、すでに持っている惰行法による実測データに加えて、惰行法による実測データを追加取得し、すべての申請値と惰行法実測値の関係を改めて検証した結果、すべての申請値が惰行法による実測値の測定誤差の範囲内であることを確認いたしました。
申請した走行抵抗値及びそれにより測定した燃費値については修正の必要はないと考えております。また、排出ガス性能についても、保安基準に適合しており、問題はないと考えております」

走行抵抗値を各メーカーに丸投げしている国土交通省の問題点も感じさせますが、スズキの報告にたいして同省が測定しなおすのか気になるところです。

【調査対象車種16車種】

<軽自動車>
アルト(2014年12月22日発売)
アルト ラパン(2015年6月3日発売)
ワゴンR(2012年9月19日発売)
ハスラー(2014年1月8日発売)
スペーシア(2013年3月15日発売)
エブリイ(2015年2月18日発売)
キャリイ(2013年9月20日発売)
ジムニー(2010年JC08対応)

<登録車>
ソリオ(2015年8月26日発売)
イグニス(2016年2月18日発売)
バレーノ(2016年3月9日発売)
SX4 S-CROSS(2015年2月19日発売)
スイフト(2010年9月18日発売)
エスクード2.4(2012年JC08対応)
エスクード(2015年10月15日発売)
ジムニーシエラ(2010年JC08対応)

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海外については同件は関係なく、業績予想に与える影響については、現時点ではないと判断しているとのこと。なお、今後、業績予想の修正が必要とされる場合には、速やかに開示するとしています。

(塚田勝弘)