Motor Fan's YEAR 2016

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たくさんの夢が詰まった「ホンダ子どもアイディアコンテスト」最優秀受賞者が決定!

ホンダウエルカムプラザ青山で「第14回子どもアイディアコンテスト」の最終審査会が11月26日に行われました。

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「子どもアイディアコンテスト」はホンダが2002年から開催しているイベントで、子どもならではの発想からまれるアイディアをカタチにすることで、「つこと」「挑戦すること」「創造すること」の大切さやしさを体験してもらい、その過程においてども社会的成長一助につながることを目指した次世代育成プログラムです。

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未来に「あったらいいな」と思うモノのアイディアを考え、絵に書いて応募するのですが、全国からの応募作品総数は、なんと4096作品! 過去最高の応募数だったそうです。

その中からホンダ社員60人が審査をし、一次審査通過者が決定されます。通過者はアイディアの絵から実際にカタチ(立体作品)にし、最終審査会で発表します。4096作品の中から選ばれたのは、小学校低学年の部(1〜3年生)14組、高学年の部(4〜6年生)14組合わせて28組と超狭き門。

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最終審査まで残ったとだけあって、力作揃いです。発表前には司会者の方やステージ進行の方と入念な打ち合わせを行っていました。

ゲスト審査員の茂木健一郎氏(脳科学者)、まるも亜希子氏(カーライフジャーナリスト)、石田茉利奈氏(日本化学未来館科学コミュニケーター)、そして主催者審査員に尾高和浩氏(本田技研工業株式会社取締役執行委員)、竹中透氏(株式会社本田技術研究所主席研究員)が見守る中、最終審査が始まりました。

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まずは低学年の部。低学年とは思えないほどの、しっかりとしたプレゼンテーションでびっくり(私が同い年の頃は人前であんなにしっかり話すことなんてできなかったような……)。元気いっぱいに発表している姿はとっても可愛かったです。

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そして高学年の部。内容も作品も大人顔負けでした。社会問題を良くしよう、という作品が多かったのもさすが高学年という感じでした。聞いているこちらが勉強になるものばかりで、将来は一体どのような大人になるのかなと楽しみになりました。

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結果発表が出るまで、ホンダが誇る「ASIMO」のショーで気分転換。これには参加者全員大喜び! 目を輝かせて見ている姿は微笑ましかったです。サッカーをしたり、参加者から飲み物の注文をとったり、手話付きの歌を歌ったりするASIMOの技術力に驚きを隠せない様子でした。

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最後はASIMOと一緒に記念撮影。なぜASIMOが中指と人差し指だけおる不思議なポーズをしているかは不明ですが(笑)、全員ASIMOとの記念撮影を楽しんでいましたよ。

さぁ、いよいよ結果発表です!

■キッズ大賞

参加者も審査員になり、面白かった作品に投票。最も投票数の多かった作品に贈られます。

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低学年の部「おふくろマシーン98」(千葉県2年/野口煌世くん)

亡くなってしまったひいおばあちゃんの料理を食べたがっている、ひいおじいちゃんの姿を見て思いついたという「おふくろマシーン98」。手料理を記憶して、同じように作る事ができます。ちなみに「98」は成功率なのだそう。本物の味には少しだけ叶わないというのが、可愛いですね。

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高学年の部「資源虫リサイクラー」(宮城県6年生/伊藤智哉くん)

ゴミなどの不要物を新開発の微生物「資源虫」が分解し、100年かけて資源化する優れもの。今の社会に必要のないごみを利用して未来の人々へ資源をとどけられるので、現代も未来にもデメリットがないところが特徴だそうです。資源化するのに100年かかる訳は、「すぐに資源ができてしまうと、今までのように資源の無駄使いしてしまうから。」。素晴らしい!

■審査員特別賞

ゲスト審査員3名がそれぞれ選ぶ審査員特別賞。

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茂木賞「こうのとりさん」(愛媛県2年生/井門碧海さん)

赤ちゃんを運んでくれるだけでなく、赤ちゃんがおなかにいる時も生まれてからもずっと元気でいられるよう、一緒に育ててくれる「こうのとりさん」。おなかの中で赤ちゃんを守ってくれるので、流産や早産もなく、お母さんが安心して楽しい妊娠生活をおくれるという、とっても優しい気持があふれている作品でした。

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まるも賞「a robot for politics」(静岡県5年生/中西眞緒さん)

政治家にアドバイスをくれるロボット。会議の日時、メモはもちろん、国民がどのような気持なのかをロボットが4種類の表情で教えてくれます。また、指サックサイズにもなり会議へ持ち運びが可能。審査員の方も大絶賛の発想でした。

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石田賞「くすの木の中のゆうえんち」(徳島県3年生/高橋恵利さん、桜井あおいさん、栗田空琉くん)

徳島県藍住町に2000年前からあるくすの木に穴があり、その中に遊園地のようなものがあればいいなと思い考えたのだそう。ツバメの速さで滑る事ができるロング滑り台や、化石ほり、ダイヤが出てくるという岩ほりなどとっても楽しそうなアトラクションがたくさんありました。フードコートでは卑弥呼が食べていた食べ物が食べれるそうです! 審査員の石田氏は「徳島県に住んでいる3人ならではの発想が良かった。」と選んだ理由を話していましたよ。

■優秀賞

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低学年の部「こわくないもん!はりねずみのハリー」(愛媛県1年生/児玉凛子さん)

ちょっぴり怖がりな児玉さんが考えた、はりねずみのハリー。怖い気持が風船となって膨らんできたらハリーが自分のハリを飛ばしてパチンと割ってくれ、怖い気持がなくなります。でも、ハリーは寂しがり屋なのでいっぱい声をかけて一緒に遊ばないと助けてくれないんだとか。ハリのお手入れも忘れずに。

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低学年の部「なんでもかんでも『おじぎ草屋さん』」(三重県3年生/宮川わか葉さん)

夏休みの自由研究で、おじぎ草を調べた時に、動く力を何かに使えないかと思ったという宮川さん。おじぎ草が高い所に洗濯物を干してくれたり、高齢者のひとり暮らしを手伝ってくれます。太陽と土と水だけで動くから、安全で安心。そして緑が増えるのも良いところだそうです。

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高学年の部「どこでもいっしょレインボークローバー」(栃木県4年生/熊谷祐芽さん)

クローバーに3Dカメラ、音センサー、匂いセンサー、感触センサーがついていて、遠く離れた人でもそばにいるように感じることができる、ぜひ開発してほしいレインボークローバー。「離れて寂しいと思う人が減って、笑顔が増えると思います。世界中に友達ができたら良いなと思います。」と説明していましたよ。

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高学年の部「モスキートドクター」(静岡県6年生/吉岡称くん)

蚊がデング熱などの病気をうつすことから、ワクチン接種にも役立つのではないかと思い考えたのだそう。蚊に刺されると痒くなるのは、蚊が出す唾液が原因。その唾液を出さない蚊を作るという発想もおもしろかったです。蚊にさされても痒くない、注射が痛くない、まさに一石二鳥です!

■最優秀賞

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低学年の部「まちじゅうキラキラバイク」(北海道2年生/仁田原こころさん)

バイクの前輪でゴミを拾い、フィルターでキレイな空気を作り、マフラーから放出するという、キラキラバイク。このバイクの良い所は、街をキレイにすることはもちろん、自動運転のため誰でも運転することができるんです! 仁田原さんは、学校に行くときに乗りたいと嬉しそうに話していましたよ。

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高学年の部「捨てる果物や野さいの皮が洋服に!『世界一のエコ服せいぞう機』」(東京都4年生/南咲妃さん、2年生/南森譲くん)

ゴミになる食べ物の皮や種を捨てずに服になるので、無駄にならない。自分のオリジナルの服が作れて、香りを楽しめ、着ると幸せになれるという「エコ服せいぞう機」。一家に一台あったら、毎日が楽しくなりそうですね。兄弟での参加とだけあって、息もピッタリ。弟の森譲君がヴァイオリンを披露するというサプライズもあり、とても楽しいプレゼンテーションでした。

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最後に審査委員長の茂木氏から参加者へ素敵なメッセージが。

「全員最優秀賞じゃダメなの?とホンダの人に聞いたくらい、どれも凄い作品でした。予算の都合でダメだったけど(笑)。夢はこれからのキミたちの人生において、とても大事なことです。夢っていうのは何かと言うと、一番遠くを見ること!今日発表してくれたことは、我々大人達に勇気を与えてくれました。日本はもちろん、世界、いや宇宙で活躍していく素晴らしい人になってください!」

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大人では想像できないような、夢がたくさん詰まった「子どもアイディアコンテスト」。参加者の中から次の世代を担う技術者が誕生するかもしれません。楽しみですね!

(島田有理)

「ワクドキカー」製作で技術を競うイベントをトヨタが開催!

トヨタ自動車のお膝元、愛知県 豊田市のスカイホール豊田で11月6日(日)に「トヨタ わくわくワールド」が開催されました。

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同イベントはトヨタ自動車社員で構成するトヨタ技術会の「TESフェスティバル」と、豊田市のとよたものづくりフェスタ実行委員会による「とよたものづくりフェスタ」で構成されており、秋の恒例行事となっています。

今回の「TESフェスティバル2016」では「クルマでワクドキ!つくろう!みんなの未来」をスローガンに、クルマの魅力や楽しさ、モノづくりに込めたエンジニアの情熱などを通して、クルマファンを広げることを狙いとしています。

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メニューのアイデアコンテストでは、「乗って楽しい!ワクドキカー!」をテーマに、社内から選抜された10チームのエンジニア達がアイデアを具現化して披露します。

その歴史は古く、今年で39回目を迎えるそうで、製作した車に込めた発想・実演方法・作り方を競い合う名物コンテストとなっています。

アイデアコンテストにはトヨタ技術会の会長を務めるトヨタ自動車の加藤副社長をはじめ、豊田市の太田市長らが列席。

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また審査員にはトヨタ自動車の中嶋常務役員や、昨年に続きカーライフ・エッセイストの吉田由美さんがゲストで参加。

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MCのテンポの良い進行に沿って、今回も開発部門や生産技術部門から、ユニークな動きをする作品が次々に登場。各チームともに電子制御を取り入れているのが特徴で、ステージへの登場時にはこの日のために制作したPR動画を流すなど、準備万端。

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まず最初に登場したのは生技開発部による「ARC-Y2」。蟹足で移動するこのマシンは車高調整が自在で、山道や階段の上り下りなどを想定しているそうです。名前の由来は「歩くやつ」とか(笑)

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続いて登場したのはエレクトロニクス生技部の「NON-STYLE」。スポーティな外観で後輪によるステア機構を採用しています。最高速度は何と100km。

最大の特徴は変身メカニズムを装備している点で、変身後は車高や着座位置を上げてオフロード走行仕様となります。

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駆動・HVユニット生技部からは「どこでも走る次世代HV」が登場。「ARC-Y2」と同様の多足系で、蟹足により岩場や山中、階段、さらには川渡りをこなすそう。

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三好・明知工場企画室が出展したのは、カタツムリに見立てた大きな輪の中に人が乗る可愛い「エスカルゴ」。ステアリングのアレンジにより、立ち乗りが可能になっており、その際は後席にもう1名搭乗できます。

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パートナーロボット部は体を傾けることでステアする「エグゾホイール」を出展。

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鋳造生技部は車体下部3方に設けたボールローラーで縦横無尽に動き回ることができる「ARボールローラー」を実演。

ステアリングが無く、AR(拡張現実)技術を採用しており、モニターに手をかざして操縦します。走行には少々コツが要るようですが、斜め方向への移動も可能。

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傍目にはドライバーが車上で何やら占いでもしているかのような風情が漂います。

今回のコンテストで来場者の度肝を抜いたのが、車両技術開発部による、レクサス「GS F」を贅沢に丸一台使ったコンセプトカー。

フロントバンパーが前にせり出したかと思うと、ボンネットフード&ラジエータグリルが上方へ跳ね上がり、エンジンルームからエンジンに見立てた乗り物が出現。

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あっけにとられていると、今度は前方から何やら赤いエアバッグのような物がムクムクと膨れ始め、エアシリンダーで動き回るゴリラになるという、子供ウケ狙いの一台。

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今年の干支が「申(さる)年」であることや、エンジンに「猿人」をかけて、ゴリラを登場させたのだとか。(笑)

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コンテスト会場の審査員達もその奇抜さに驚きを隠せない様子。

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トヨタ自動車では、長らくこの「アイデアコンテスト」を継続しており、夢の有るクルマの開発を通して、来場者が一緒になって楽しめる機会を設けています。

社員による手作りコンテストだけに、豊田章男社長が提唱する「もっといいクルマづくり」にも、作品の製作過程で得た知識が活かされていくに違いありません。

Avanti Yasunori

【関連リンク】

TESフェスティバル
http://www.toyota.co.jp/jpn/insidetoyota/dreamers/

豊田市
http://www.city.toyota.aichi.jp/index.html

BASFジャパンが「国際R-Mベストペインター・コンテスト」日本大会の結果を発表

愛車のボディを傷つけて板金塗装のお世話になった経験をお持ちの方も多いかと思います。そんなときに頼りになるのが自動車塗装技術者です。

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ドイツを本拠とする化学会社BASFジャパンは、同社の自動車補修用プレミアム塗料ブランドである「R-M」の水性塗料「オニキスHD」ユーザーの塗装技術者を対象とした「国際R-Mベストペインター・コンテスト」の国内選抜である日本大会の決勝を5月21日に開催。この度、優勝者が決定しました。

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同コンテストの日本大会の結果、㈱オールホンダボディーサービス(秋田県)の佐々木公大さんが日本大会で優勝し、日本代表として国際大会に出場するのは、 アバンステクノサービス(有)(岡山県)の横田原也さんに決定しました。

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優勝した佐々木公大さんは「このコンテストはオニキスHDを導入した時からの憧れだったので、優勝できてとても嬉しいです」とコメントして、優勝を喜んでいます。

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BASFジャパン 機能性材料統括本部コーティングス事業部オートモーティブリフィニッシュ部シニアマネージャー田所秀夫氏は「予選、決勝を通じて、若手塗装技術者の技術力と自動車補修産業への情熱、プロフェッショナリズムに非常に感銘を受けました。本コンテストを通じて、世界に通じるペインターへの出発点になると確信しています。」とコンテストの感想を述べています。

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フランスで開催される第12回「国際R-Mベストペインター・コンテスト」(2016年9月26日〜30日開催)には、ベラルーシ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本、カザフスタン、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロベニア、スペイン、南アフリカ、スウェーデン、スイス、ロシア、アメリカ、英国、ウクライナの21か国が参加予定です。

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過去2回の大会では日本の塗装技術者の実力を世界に知らしめる優秀な成績を収めており、2010年の国際R-Mベストペインター・コンテストでは日本から参加した塗装技術者が優勝している、ということです。

今年の日本からの参加者横田原也さんの同コンテストでの健闘を祈りましょう。

(山内 博・画像:BASFジャパン)