Motor Fan's YEAR 2016

三栄書房

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モトチャンプ

「ギュ、バキ、ドン」!? ジムカーナチャンピオンに聞いた、リーフでタイム短縮のコツ。

前回の記事「日産リーフでジムカーナ。390kg軽いノートと勝負してあのCMを証明?」で、日産自動車広報部の期待通りに(クリッカー編集部の目論見が完全に外れて!?)、ノートよりも速いタイムでジムカーナを走った電気自動車のリーフ。

速いだけでなく楽しいってことは十分わかったんだけど、それだけで終われるわけがない。

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だって、クリッカーは常に読者の役に立ちたいと思っているから、記事を読んでリーフでジムカーナをしようという人のために、どうやったら人より速くリーフを走らせることができるのか?というコツくらいは聞いておかないと編集長が許してくれるわけがないってもんです。

……なんて思っていたら、ちょうどいい先生をスタッフの中に発見。

「日産自動車実験部でリーフ担当」と紹介されたちょっと怖そうな見た目の人(ああ書いちゃった!)、実は現役ジムカーナドライバーの顔も持つ河本晃一さん。2015年の全日本ジムカーナ選手権ではPN2クラスでシリーズ2位になった凄い人に、リーフを速く走らせるコツを聞いてみましたよ。

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「大事なことは、抑える(減速する)ところは抑えることです。音で言うと『ギュ、バキ、ドン』。ギュっと減速して速度を抑え、バキッと曲げる、そしてドン!と加速する。リーフの優れた加速を上手に生かすのがタイムアップの近道ですね。」

なるほど。減速してきちんと曲がり、リーフの鋭い立ち上がりを生かせばタイムが短縮できると。

タイムアタックの後に河本さんの助手席に乗せてもらいました。その動きのスムーズなことといったら、素人の僕とは次元違い(当たりまえだ!)。

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コーナーを繋げるライン取りの滑らかさに感動しました。パイロンを抜けるときは、すでに2つくらい先のパイロンを見ているのだとか。視線も大事です。

そんな河本さんがリーフで走ったタイムは54秒46(ウェット)。同条件でのクリッカー編集部のタイムは59秒96。予想通りにぜんぜん違う(笑)。

ちなみにタイムアタック前にコースを歩いてまわるのですが「その時にコース図を見ているようではダメ。どんなライン取りでどう走るかイメージしながら歩くのはあたりまえ」なのだそうで。

ここだけのナイショですけど、ボクはその時コースを覚えるので精いっぱいでした。

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(クリッカー編集部)

【関連記事】
日産リーフでジムカーナ。390kg軽いノートと勝負してあのCMを証明?
http://clicccar.com/?p=375772

日産リーフでジムカーナ。390kg軽いノートと勝負して「あのCM」を証明!?

電気自動車って速いらしい ── という噂は電気自動車に乗ったことない人でもクルマ好きなら聞いたことはあるでしょうけれど、じゃあどのくらい速いかといえばそれを感覚で説明するのもまた難しい。

そこへ舞い込んできたのが「論より証拠。じゃあジムカーナでタイムを計ってみれば!」という日産自動車からのイベントへのお誘い。

それはやるしかないでしょ、白黒つけてやる!とばかりにやる気満々で出かけてきましたよ、クリッカー編集部も。

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ルールを簡単に説明すると、
・コースは1分弱でまわる特設ジムカーナコース
・まずガソリン車のノートで練習兼アタック3本
・続いてリーフで練習走行1本
・リーフでタイムアタック2本

これでリーフとノートのタイムアタックをしようというわけ。

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電気自動車のリーフは、パワーが109ps、トルクは254Nm。そして車両重量は1480kg。
対するノートはスーパーチャージャー付のエンジンを搭載したグレードで98ps、142Nm、車両重量1090kg。

比べると最高出力はほぼ同じだけどリーフはトルクが2倍弱。だけど390kgも重い。
果たして予想どおりリーフは速いのか?

というわけで、タイムアタック開始。

多分リーフのほうが速いんだろうけど、もしノートのほうが速かったらそれも面白いかな……記事的には、とひそかに思っていたのはここだけの内緒。

日産さん、そんな気持ちでタイムアタックしてごめんなさい(笑)

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しかし残念なことに、そんな企みはリーフでスタートした瞬間に打ち砕かれた。
速いぞリーフ。この加速の伸びは何なんだ……。

というわけで、結果を報告しましょう。

クリッカーチームの記録(ベストタイム)は、
ノート(ガソリン車):1分3秒05
リーフ(電気自動車):59秒96

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おっ……(悔しいけど!?)リーフのほうが速い!!

リーフがゼロヨンで180SXに勝つCMは決してオーバーじゃなかったんだ!!(←というのまでは検証できてないですね今回は)

いずれにせよ、リーフが遅くない(むしろ速い)というのを身をもって体感できた今回のジムカーナ対決。

なにが凄いかって、モーターが湧き出すように発生する大トルクを生かした加速ですよ。

もちろん単純な加速も驚いたんだけど、エンジンと違ってパワーバンドがないから立ち上がりがとにかく鋭い。

ガソリン車と違ってシフトダウンの必要もなく、スタビリティコントロール(VDC)をオフにしてロールを残したままフル加速すると、簡単にタイヤスモークを上げちゃうんだから駆動力はたいしたもの。

文句なしに速いよこれは。

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そしてもうひとつ。

単に速いっていうだけでなく「抜群に気持ちよかった」のも今回のジムカーナを通じて強く感じたこと。低重心によるコーナリングの安定感、そして鋭くスムーズな加速が生む爽快感がその理由。

電気自動車じゃモータースポーツはできない!? 誰だそんなことを言っているのは!?

ボクはもう口が裂けても言いませんよ、絶対。

またやりたいなあ。

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(クリッカー編集部)

【モーターファンフェスタ】Kカーだけじゃない!スポーツコンパクトも大集合

今回はモーターファンフェスタに集まった、チューンのお手本となるKカーやコンパクトカーを紹介します。

まずはモータースポーツでも活躍するLAILE(レイル)がチューニングした、現行アルトワークス!

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このマシンはKカーでサーキットを楽しむためのチューニングが施された1台となっており、マフラーや足回りと言ったライトチューンに加えてLSDが組み込まれています。

アルトワークスはハイパワーゆえに、純正のデフではトラクションが伝えることが難しいとのこと。ワインディングでは足回り変更や補強パーツだけでも遊べる1台となっており、アルトワークスのコストパフォーマンスの高さが伺えますね。

次はスポーツマフラーと言えばお馴染みのフジツボが持ち込んだZC72S型スイフトRS!

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このマシンは1600ccのスポーツではなく1300ccのRSがベースとなっています。RSをベースにしたのは、スイフトを所有している若いユーザーにもスポーツマフラーに交換して欲しい、という意図があるそうです。もちろん今年の4月20日に施行された音量規制にも適合!

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住宅地に住んでいると、マフラー交換後の音量が気になってしまうというユーザーにもピッタリですね!

[nextpage title=”競技車両も登場!”]

チューニングカーだけでなく、コンマ1秒を争う競技車両も登場しました。

ラリーやジムカーナの競技車両を製作するアールエスタケダから、山田崇之選手のドライブで中部ジムカーナ選手権のPN1クラスに参戦する現行のZC32S型スイフトスポーツが持ち込まれました。

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このクルマはジムカーナの規定によりチューニング出来る部分はダンパーやブレーキパッド、LSDと少ないですが、元々のクルマが持っているポテンシャルの良さにより十分な戦闘力を持っているんです!

高い戦闘力を持ちながらも、普段使いや家族とのお出かけにも使えるクルマをお手頃価格で手に入るのがこのクラスの醍醐味ではないでしょうか?

フジツボのスイフトRSのような入門チューンのお手本からアールエスタケダのスイフトスポーツのような競技車両まで、コンパクトカーを所有するライター自身も勉強になった一日でした。

(多井 駆)