Motor Fan's YEAR 2016

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横浜ゴムが初のSUV用スタッドレスタイヤ「iceGUARD SUV G075」を9月に発売

横浜ゴムのスタッドレスタイヤ「iceGUARD(アイスガード)」ブランド初となるSUV用スタッドレスタイヤ「iceGUARD SUV G075」が、2016年9月から発売されます。

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ドライ中心のオンロードしか走らないSUVユーザーも雪国以外の地域で多いと思いますが、SUVだけにスキーなどでフル稼働させている人も多いはずで、SUV専用スタッドレスタイヤはSUV専用タイヤほどの選択肢はなかっただけに朗報といえそう。

「iceGUARD SUV G075」は、「SUVに、飛躍の氷上性能を」をテーマに、SUVユーザーからのニーズが最も高い氷上性能の向上に主眼をおいて開発。

氷上性能とともにSUVユーザーが高い関心を持っているという、性能の長持ちと省燃費に加え、上記したように、最近人気の都市型SUVに対応するべく静粛性も追求されています。

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開発にあたっては 「iceGUARD」の基本コンセプト「氷に効く」、「永く効く」、「燃費に効く」を投入し、最新技術が惜しみなく注ぎ込まれています。

まず「氷に効く」では、「iceGUARD」の最新コンパウンド技術「スーパー吸水ゴム」と「iceGUARD」のパターン技術を取り入れた専用トレッドパターンを採用。

「スーパー吸水ゴム」がスリップの原因となる水膜を吸水し、さらにトレッドパターンとの相乗効果で高い接地性とエッジ効果を発揮。これにより、氷上制動性能を従来品(「GEOLANDAR I/T-S」)に比べ23%向上しています。

「永く効く」では、「スーパー吸水ゴム」に配合した「ブラックポリマーⅡ」と「エボ吸水ホワイトゲル」が低温時でもゴムの柔らかさを維持し、長期間にわたって高レベルの氷上性能を持続。

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「燃費に効く」では、低燃費タイヤブランド「BluEarth(ブルーアース)」の技術を応用した「低発熱トレッドゴム」が採用されているのがポイントで、発熱によるエネルギーロスを抑え、転がり抵抗を5%低減。

さらに、横浜ゴム独自のシミュレーション技術により溝配置を適正化することで、パターンノイズを28%低減(騒音エネルギー低減率での比較)するなど、先述したように静粛性も向上しています。

発売サイズは235/55R18 100Q〜175/80R15 90Qの24サイズで、今後もさらなるサイズ拡大がされる予定。価格はオープンプライスです。

(塚田勝弘)

ダンロップ史上最高傑作を謳うスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02」を8月から発売

スタッドレスタイヤにおいて要となる「氷上性能」、そして「長持ち(効きの長持ち、ライフの長持ち)」において、ダンロップ史上最高の性能を実現したとする乗用車スタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 02」。

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ダンロップ独自の新材料開発技術「4D NANO DESIGN」(フォーディー ナノ デザイン)によりシリカの分散性を高めた新開発の「超密着ナノフィットゴム」、サイピング(MAXX シャープエッジ)の本数を増やし、最適なパターン形状とした「MAXX グリップパターン」により、従来品の「WINTER MAXX 01」と比べて氷上ブレーキ性能を12%向上しているそう。

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さらに、新開発の「超密着ナノフィットゴム」に、経時変化によるタイヤの硬化を抑制する新開発の高機能バイオマス材料「しなやか成分」を配合することで、高い氷上性能を長期間維持することが可能になっています。

また、従来品から高い評価を得ているというライフ性能をさらに向上し、氷上性能だけでなく、雪上、ウエット、シャーベット、ドライなどの様々な路面における性能も向上。

サイズラインナップは 91サイズで、幅広い車種に対応しているのも魅力。 2016年8月から順次発売され、価格はオープンプライスになっています。

(塚田勝弘)

スタッドレスタイヤの性能向上には東京ドーム約19個分の広さが必要!?

北海道のイメージといえば「旭川動物園」「ラベンダー」「流氷」などなど、とくに観光地としてのイメージが強いですよね。

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しかし、自動車業界にいる人間にとって北海道といえば「テストコース王国」であること。

事実、自動車メーカー、サプライヤー、タイヤメーカーなどなど、道内には20箇所以上のテストコースが存在します。

1979年にいすゞのテストコースとしてオープンした「ワーカム北海道」(勇払郡むかわ町/※現在は独立した自動車試験場)を皮切りに、自動車メーカー各社やタイヤメーカーが、とくに寒冷地特有の試験を行うためにコースを設立していますが、今年1月、旭川市に新たなテストコースが開設しました。

そのコースとは、横浜ゴムの冬用タイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」。

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旧旭川競馬場跡地に建設された横浜ゴムの最新テストコースとはどのような施設なのでしょうか。

一般には公開されていない新テストコースに、報道陣向け試乗会で取材してきました。

敷地面積は東京ドームの19倍強に当る906,462㎡という新テストコースは、約1kmの圧雪路、そして氷盤路、登坂路、雪上/氷上旋回路、ハンドリング路などが備わっています。

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横浜ゴムは北海道内に「T*MARY(ティーマリー)」(上川郡鷹栖町)と呼ばれる冬用タイヤテストコースを持っていましたが、広さは約4倍になります。

「T*MARYでは直線の距離が短くて制動評価に手詰まり感がありました」

横浜ゴムの担当者は試乗会でこう語っていましたが、新テストコースの完成でスタッドレスタイヤ性能の向上に繋がることを期待しているようです。

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試乗会では新テストコースの各路面を走行したとき改めてわかったのは、圧雪路、氷盤路などなど、ひとえに「雪道」と呼ばれるあらゆる路面をスムーズに走ることができるにはタイヤの性能が重要だということ。

走る、止まる、そして滑らない──これらを高いバランスで実現するためには、新たなテストコースが必要なのだと理解できました。

今年は暖冬のためタイヤ各社ともに売上的には苦労したようですが、スタッドレスタイヤの性能競争は今後ますます激しくなっていくことは間違いありません。

そんななか、新たにテストコースを開設した横浜ゴムのスタッドレスタイヤがどのように進化していくか注目したいですね。

【テヅカ・ツヨシ】