Motor Fan's YEAR 2016

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BMWジャパンが公共充電サービス「ChargeNow」を導入。普通充電の利用料金は永年無料

マイナーチェンジを受けた新型BMW i3を導入するのと同時に、10月1日からBMWジャパンの公共充電サービス「ChargeNow」が開始されます。

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ピュアEVやプラグインハイブリッドなどの電動化車両を積極的に導入しているBMWは、2020年のFCVの発売もアナウンスするなど、環境負荷低減はもちろん燃費規制をクリアするために積極的に次世代エコカーモデルを投入。

現時点で市販化されているモデルだけでも、電気自動車の「BMW i3」、プラグインハイブリッド自動車の「BMW i8」、「BMW X5 xDrive40e」、「BMW 330e」、「BMW 225xeアクティブ ツアラー」といった具合に着実にラインナップを増やしています。

日本は普通/急速充電ともに充電インフラは急速に増えていて、FCVよりも現実的な選択肢として根付きつつあります。

また、テスラがCHAdeMO(チャデモ)に対応しつつ、独自の充電スタンドもホテルなどに展開しています。

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BMWジャパンの公共充電サービス「ChargeNow」は、全国にある約1万4000基の提携充電ステーションにおいて、カード1枚で簡単に利用できるもので、初年度の料金は無料、普通充電の使用料金は永年無料という内容。

具体的には、BMW専用のChargeNowカードにより、国内最大の充電器ネットワークである「NCSネットワーク(日本充電サービスが提供する急速および普通充電器の全国ネットワークサービス)」の充電器の利用が可能となるもの。

2016年8月末時点の設置数は、普通充電器が約8,500基、急速充電器が約5,500基、合計で約14,000基となっています。

ほかにも、車載されているナビゲーションシステムや無料の専用スマホアプリ「ChargeNow App」内、全国の提携充電ステーションをマップ上に表示したり、充電ステーションの詳細(急速充電器と普通充電器の設置数など)や、充電器ごとのリアルタイム満空情報を入手したりすることが可能。

これにより、運転中に充電が必要な際に、最寄りの充電ステーションの充電器の空き状況が手軽に確認できます(満空情報が提供されている充電ステーションに限る)。

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対象車種は普通充電器向けサービスが、BMW i8、BMW X5 xDrive40e、BMW 330e、BMW 225xeアクティブ ツアラーで、月会費は1年目が無料で2年目より2500円。普通充電の利用料金は無料です。

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普通・急速充電器向けサービスは、BMW i3が対象。月会費はこちらも1年目が無料、2年目より5000円。普通充電の利用料金は無料で、急速充電は2年目より15円/分となっています。

新型BMW i3では航続距離を大きく延ばしながら価格も据え置くなど、電動化車両の普及に向けての本気ぶりがBMWから伝わってきます。

テスラも充電の「しやすさ」を訴えていて、こうした充電サービスの充実も電動化車両の競争を左右する側面になる時代が来るかもしれません。

(塚田勝弘)

豊橋技術科学大学、世界初のバッテリーレスEV・電化道路の走行実験を公開

豊橋技術科学大学は大成建設との共同研究で、バッテリーレス電気自動車(EV)での有人走行実験に世界で初めて成功した、と発表しました。

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走行実験は、一般アスファルト舗装に近い構造で舗装の中に2 本のレール電極板を埋め込んだ電化道路上で、バッテリーを外したEVを電化道路からの電力で走行させる形で行われました。

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同大学は3月18日に、バッテリーレスEVと電化道路の走行実験を報道機関に公開し、
当日は同大学の大平孝教授による説明の後に、約30メートルのテストコースでドライバーが乗車して走行実験を行った、ということです。

実験では、電化道路に埋設した2 本のレール電極板からタイヤを通じて バッテリーレスEV へ走行に必要な高周波電力を送電 することに成功しました。

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今回の実験は、バッテリーレスEVを走行させるという形で行われましたが、この送電技術を利用すれば、走行中のEVやHV・PHVに電化道路から充電することが可能になり、走行中充電への道を拓くものとなります。

(山内 博・画像:豊橋科学技術大学)

IHI、EV向け非接触給電システムを戸建住宅で実証実験

重工大手のIHI(旧:石川島播磨重工業)は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)へ、コネクタなし充電できる非接触給電システムの実用化に向けて、戸建住宅での非接触給電システムの実証実験を実施する、と発表しました。

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(画像出展:三井ホーム)

実証実験では、三井ホームのスマートハウスMIDEAS(千葉県柏市)を非接触給電システムが設置される戸建住宅として、EV, PHV用普通充電器の電力に相当する3.3kWの電力をEVへ非接触で給電した場合の使い勝手を実証します。

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(画像出展:IHI)

非接触給電システムは、コネクタの接続なしで、充電スポットに停車するだけで、充電スポットに設置された送電コイルから車両側の受電コイルへ給電することで車両へ充電することができます。

ただし、車両はいつも同じ位置に駐車するとは限りませんし、実際に使用した場合、どの程度の給電効率になるのかを今回の実証実験で試されることになります。

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(画像出展:IHI)

今回の実験では,IHIの非接触給電システム単体だけではなく、三井ホームMIDEAS のHEMS(家庭内エネルギー管理システム)に非接触給電システムを接続し、戸建住宅のHEMSとの相性や周辺の送電網への影響も検証されることになります。

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(画像出展:IHI)

住宅内のHEMS画面で非接触給電システムへの送電量を表示することができ、タブレット端末に非接触給電システムの充電状態を表示することもできるようです。

IHIでは、2〜3年後の非接触給電システムの実用化を目指して、開発を進めているようです。

(山内 博)